JP6305697B2 - X線発生装置及びx線検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁油を満たした筺体の内部にX線管を収納し、X線管から発生したX線を筺体外に放出して種々の用途に供するX線発生装置と、係るX線発生装置を用いて被検査物の検査を行なうX線検査装置に係り、特にX線管と筺体の間で放電が起きることを抑制する構造を採用することにより、装置全体の小型化を図ったX線発生装置に関するものである。
下記特許文献1には、冷却効率を良くして装置の小型化を図るとともに、密閉の信頼性を向上させることを目的としたX線発生装置の発明が開示されている。この発明のX線発生装置は、X線を発生するX線管12を内部に収容するとともにX線管12を浸漬する絶縁油13が充填された筐体11と、筐体11の開口11aを密閉する伝熱性を備えた蓋体17と、蓋体17の外側に設けられた放熱フィン18と、蓋体17の内側に取り付けられた熱伝板19aと、熱伝板19aに設けられて絶縁油13に浸漬する吸熱フィン19bとを備えている。この発明によれば、X線管12から発生した熱を絶縁油13から吸熱フィン19bと熱伝板19aで吸熱して蓋体17と放熱フィン18に伝達するため十分な冷却効率が得られ、これによってX線発生装置の小型化を図ることができるものとされている。また、蓋体17に設けられた放熱のための構造(冷却用のフィン等)は蓋体17自体を貫通して設けられたものではなく、上述したように蓋体17の上面に設けられた放熱フィン18と、これとは別に、蓋体17の底面に設けられた熱伝板19a及び吸熱フィン19bとから構成されているため、蓋体17による筐体11の開口11aの閉塞は確実となり、蓋体17による筺体11の密閉の信頼性が向上するものとされている。
特開2004−22459号公報
前述したX線発生装置では、筺体内に納められたX線管には用途に応じて数十kVから数百kVの高い管電圧が印加される。そのため、このようなX線発生装置では、高い管電圧によってX線管と筺体との間で放電が起きるのを防ぐため、筺体内に収納されたX線管と筺体の内面との距離(沿面距離と称する)を、管電圧に応じた十分に大きな寸法に設定する必要がある。このような事情があるため、X線発生装置を小型化したいとの要望に応えようとする場合には、単に筺体を小さくするだけでは十分な沿面距離を確保することができなくなり、放電が生じてしまう危険性が増大する。また、より大きな出力のX線発生装置を提供するために管電圧をより高くする必要性が生じる場合が考えられるが、そのような場合には前述した沿面距離を大きく設定せざるを得ず、装置としてのサイズが大きくなってしまう。しかし、このように出力向上が要求されるような場合であっても、装置の大型化を避けてコンパクトな構成とすることが求められる場合も多い。
本発明は、従来のX線発生装置における前述した課題に鑑みてなされたものであり、X線発生装置を小型化することを主たる目的としている。例えば、X線管に加えられる管電圧をより大きく設定しても従来より大型化する必要がなく、また同一の管電圧であれば従来よりも小型化することができるようなX線発生装置と、そのようなX線発生装置をX線源として備えたX線検査装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載されたX線発生装置8,81,82は、
X線を発生するX線管11と、
前記X線管11を収納するとともに前記X線管11を浸漬する絶縁油14が充填された筺体10と、
前記筺体10内で前記筺体10の内面と前記X線管11の間に前記X線管を取り囲むように配置され、曲げ加工されたシート状かつ開放された筒状の絶縁体20,30,40,50と、
を具備することを特徴としている。
請求項2に記載されたX線発生装置8,81,82は、請求項1記載のX線発生装置8,81,82において、
前記絶縁体20,30,40,50は、前記X線管11を囲むように配置されるとともに、少なくともその一部が前記筺体10の底面に支持されていることを特徴としている。
請求項3に記載されたX線検査装置1は、
X線発生装置8,81,82から被検査物に対してX線を曝射し、前記被検査物を透過した前記X線の透過量に基づいて前記被検査物の検査を行なうX線検査装置1において、
前記X線発生装置8,81,82が、
X線を発生するX線管11と、
前記X線管11を収納するとともに前記X線管11を浸漬する絶縁油14が充填された筺体10と、
前記筺体10内で前記筺体10の内面と前記X線管11の間に前記X線管を取り囲むように配置され、曲げ加工されたシート状かつ開放された筒状の絶縁体20,30,40,50と、
を具備することを特徴としている。
本発明は、絶縁体が、X線管を取り囲むように配置されたシート状かつ開放された筒状なので、X線発生装置の小型化にあたって柔軟な設計及び効率的な製造が可能となる。また、加工や筐体内への装着が容易であり、筐体内の必要な位置のみに局所的に配置することもできるので、筐体を大型化させることなく、必要な絶縁性能を効率よく達成することができる。また、筐体の内部において絶縁油の移動を妨げず、X線管が熱を放出した場合、この熱によって絶縁油は絶縁体の内外の間で対流することができ、図示しない放熱機構に熱を効率的に伝導することができる。そのほか、以下のような効果が得られる。
請求項1に記載されたX線発生装置によれば、絶縁油のみによる絶縁性能だけを考慮した場合には筺体の内面とX線管の沿面距離が十分でなくとも、筺体の内面とX線管はシート状の絶縁体によって隔てられているので、X線管と筐体の間の放電を確実に防止することができる。従って、X線管の管電圧をより大きく設定しても、筐体が大型化することはなく、また同一の管電圧であれば従来よりも筐体を小型化することができる。
請求項2に記載されたX線発生装置によれば、X線管の表面で、筐体の内面に対して放電が起こる可能性が特に高い一部分を取り巻くようにシート状の絶縁体を配置することができるとともに、その絶縁体の少なくとも一部を筺体の内面に支持して位置がずれないようにすることができるので、筺体の内面とX線管の絶縁をさらに確実に達成することができる。
請求項3に記載されたX線検査装置によれば、絶縁油のみによる絶縁性能だけを考慮した場合には筺体の内面とX線管の沿面距離が十分でなくとも、筺体の内面とX線管はシート状の絶縁体によって隔てられているので、X線管と筐体の間の放電を確実に防止することができる。従って、X線管の管電圧をより大きく設定しても、筐体が大型化することはなく、また同一の管電圧であれば従来よりも小型化することができるため、X線検査装置を全体としてコンパクトに構成することが可能となる。
本発明の第1実施形態におけるX線検査装置の概略斜視図である。 (a)は第1実施形態におけるX線発生装置の模式的透視図であり、(b)は管電圧が(a)のX線発生装置と同等である従来のX線発生装置の模式的透視図である。 第2実施形態のX線発生装置で用いられる絶縁体の斜視図である。 第3実施形態のX線発生装置の模式的透視図である。 第4実施形態のX線発生装置の模式的透視図である。
図1及び図2を参照して第1実施形態の実施形態のX線検査装置を説明する。
図1は本実施形態のX線検査装置1の概略斜視図である。このX線検査装置1は、X線遮蔽性を有する本体2と、その本体2の内部に、生肉、魚、加工食品、医薬などの被検査物を搬送するコンベア3と、このコンベア3で搬送される被検査物に異物が含まれているか否かをX線により検査する異物検出部4とを有している。
コンベア3は、不図示の駆動モータと、この駆動モータにより循環して駆動されるベルト5によって構成されており、搬入口6から本体2内に被検査物を搬入し、これを搬出口7から本体2の外へ搬出することができる。異物検出部4は、本体2内においてコンベア3の上方に設けられたX線発生装置8と、本体2内においてコンベア3の上側のベルト5の直下位置に設けられたX線検出器9によって構成されており、コンベア3によって本体2内を搬送されている被検査物に対してX線発生装置8からX線を放射し、被検査物及びベルト5を透過したX線をX線検出器9で検出することにより、被検査物に異物が含まれているか否かを検査することができる。
図2(a)は本実施形態のX線発生装置8の模式的透視図である。同図(b)は管電圧が実施形態のX線発生装置8と同等であるような従来のX線発生装置8bの模式的透視図であり、本実施形態のX線発生装置8と構造及び大きさの比較をするために示したものである。
まず、この図2(a)を参照して、本実施形態のX線発生装置8の構成のうち、従来のX線発生装置8bと共通する部分を説明する。
図2(a)に示すように、本実施形態のX線発生装置8は、略直方体状の筐体10を有している。筐体10はステンレス製又は鉄製であり、図示はしないが、その壁面にはX線遮蔽材料が設けられている。筐体10の内部には、X線源となる円筒状のX線管11が収納されている。X線管11は、円筒形の軸線方向における一方の端部に設けられた陰極と、他方の端部に設けられた陽極を有しており、陽極にはタングステン等からなるターゲットが設けられている。この陽極に高電圧を印加することによって陰極から電子ビームを引き出し、電子をターゲットに射突させることよってX線を発生させる。
図2(a)に示すように、X線管11の周面の下側と筐体10の底面は中空円錐台形の基台12によって接続されており、これによってX線管11は、円筒形の軸線が水平となる姿勢で筐体10の略中央位置に支持されている。基台12の上端はX線の放射口を囲んでX線管11に接続されており、基台12の下端は筐体10の底面に設けられたBe等からなる窓部13を囲んで筐体10の底面に接続されている。従って、X線管11の駆動時にターゲットから放射されたX線は、X線管11の周面に設けられた放射口から基台12の内部に放射され、さらに筐体10の窓部13から外部に放射される。また、以上のように構成された筐体10の内部には、上部の若干の空気層を除いて絶縁油14が充填されており、X線管11及び基台12は絶縁油14に浸漬されている。絶縁油14は、筺体10とX線管11の間の絶縁性を保つとともに、駆動時にX線管11が発生する熱を図示しない放熱機構に伝達する冷却用の媒体としての機能も果たしている。
次に、図2(a)を参照して、従来のX線発生装置8とは異なる本実施形態のX線発生装置8に特有の構成について説明する。
図2(a)に示すように、本実施形態のX線発生装置8によれば、絶縁油14で満たされた筐体10の内部には、筐体10の内面とX線管11の間の位置にシート状の絶縁体20が配置されている。この絶縁体20は、筐体10の底面に対して垂直であり、互いに直交して連続する4つの平板から構成された角筒状の周壁部21と、さらに筐体10の底面に接する底壁部22とを有している。周壁部21の上方は開口23となっており、筐体10の内部において絶縁油14の移動を妨げないようになっている。すなわち、装置の使用時にX線管11が熱を放出した場合、この熱によって絶縁油14は絶縁体20の内外の間で対流することができ、図示しない放熱機構に熱を効率的に伝導することができる。底壁部22は、少なくとも一部において周壁部21に連続しており、基台12の部分が挿通する中央の円形の通孔24を除いた部分が、筐体10の底面を覆っている。そして、この底壁部22は、筐体10の底面に任意の方法、構造によって支持又は固定されており、その結果、周壁部21の筐体10内における位置は固定され、筐体10の内面及びX線管11と周壁部21との距離は一定に保持されている。
本実施形態のX線発生装置8によれば、筐体10の内面とX線管11の間に配置されたシート状の絶縁体20は、破壊電圧が高く電荷が溜まりにくいため、高電圧が印加されるX線管11と筐体10との間で放電が発生するのを防止する機能を備えている。前述したように、筐体10の内部が絶縁油14で満たされているのは、絶縁破壊電圧が空気よりも高い絶縁油14を筐体10内に満たすことにより、高電圧が与えられるX線管11と筐体10との間で放電が起こるのを防止するためであるが、本実施形態によれば、絶縁油14に加えて、筐体10の内面とX線管11の間にさらにシート状の絶縁体20を配置することにより、管電圧はそのままでX線管11と筐体10の内面との距離(沿面距離と称する)を従来より小さくしても放電が起こらないようにすることができる。すなわち、同一の管電圧であれば従来よりも装置を小型化できるという効果が得られるため、所望の管電圧のX線発生装置8を必要な絶縁性能を確保しつつ小型化することができる。また、この絶縁物はシート状であるため、筐体10の内部でX線管11を取り囲むような配置で設置することが容易であり、上述したX線発生装置8の小型化にあたって柔軟な設計及び効率的な製造が可能となる。
図2(b)は、図2(a)に示す実施形態のX線発生装置8と管電圧が同等であるような従来のX線発生装置8bの模式的透視図である。図2(b)に示す従来のX線発生装置8bと、図2(a)に示す実施形態のX線発生装置8を比較すれば理解できるように、管電圧、絶縁性能その他の条件が同じであれば、シート状の絶縁体20を備えた実施形態のX線発生装置8(図2(a))は、従来のX線発生装置8b(図2(b))よりも沿面距離を短くして従来の筐体10bよりも筐体10を小さくし、装置全体の小型化を図ることができる。
次に、X線発生装置8において、筐体10の内面とX線管11の間で放電が起こらないようにするため、使用する絶縁油14に対応した沿面距離の算出方法等について具体的に説明し、さらに絶縁油14とともに使用するシート状の絶縁体20の具体例と、これを設けたことによる沿面距離短縮の効果について、さらに具体的に説明する。
まず、前述したように、X線発生装置の設計においては、高電圧が印加されるX線管11と、これを収納する金属製の筐体10との間で放電が起きることを防止するため、印加する電圧に応じた沿面距離を確保する必要がある。また、高電圧を印加されたX線管11が発生する熱を伝導して放熱するために、筐体10内を絶縁油14で満たし、X線管11を絶縁油14に浸漬する必要もある。
この絶縁油14の絶縁性能を示す特性値としては、JISC2101(電気絶縁油試験方法)に絶縁破壊電圧(kV/mm)とその試験方法が規定されている。通常、市販の絶縁油はこの規格で絶縁破壊電圧が測定されており、その値は当該製品メーカが発行する製品ごとのデータシートに記載されている。絶縁油の選定においてはデータシートに記載された絶縁破壊電圧を考慮して選択することができるが、単に絶縁破壊抵抗が高いものを選べばよいというわけではなく、前述したように絶縁油の機能として放熱も考慮する必要があるため、現実的には選択肢は限定されることとなる。
放熱性を含むその他の要素を考慮した上で、可能な限り絶縁破壊抵抗の高い絶縁油を選択したところで、次の式に示すように、X線発生装置が必要とする耐圧(kV)と当該絶縁油の絶縁破壊電圧(kV/mm) から、最低沿面距離を算出する。
[必要な耐圧(kV)/絶縁破壊電圧(kV/mm) ]×(余裕率)=最低沿面距離(mm)
絶縁油は、空気や水分に触れて劣化し、絶縁破壊電圧が低下するので、余裕率(安全倍率)は大きな値に設定することが好ましい。仮に、余裕率(安全倍率)を5乃至10程度の範囲で決定した場合の計算例を示すと、例えば、必要な耐圧であるX線発生装置の管電圧が50(kV)であり、使用する絶縁油の絶縁破壊電圧が20(kV/mm) であり、安全倍率を10とした場合、最低沿面距離(mm)は次のようになる。
[50(kV)/20(kV/mm) ]×10=25(mm)
実際のX線発生装置では、X線管や筐体の構造上、突起や角部が特定の位置に存在しており、そのために筐体内で絶縁油の滞留が生じ、場所によって絶縁性能が不均一になることが考えられる。そこで、係る事情を考慮すれば、余裕率は上述したものよりもさらに大きく設定することが好ましい。
X線発生装置の設計においては、以上のようにして沿面距離を設定することができるが、本実施形態では、絶縁油14に加えて、さらに筐体10の内面とX線管11の間にシート状の絶縁体20を配置することにより、前記沿面距離を可及的に短縮化している。シート状の絶縁体20としては、マイラーシート、マイカ板、微小なマイカ片を表面にエポキシ樹脂等で接合した積層複合材料等が使用できる。このような絶縁体20の絶縁破壊電圧は、JISC2151(電気用プラスチックフィルム試験方法)、JISC2116(電気絶縁用マイカ製品試験方法)、JISK6911(熱硬化性プラスチック一般試験方法)等による試験結果として、少なくとも数kV/mm から数十kV/mm 程度あることが好ましいが、放熱性を含むその他の要素を考慮しつつも、なるべく絶縁破壊電圧の高い絶縁体20を選択することによって、先に計算例で示したように設定した最低沿面距離をさらに小さくすることが可能である。
また、このように筐体10の内面とX線管11の間に配置したシート状の絶縁体20は、絶縁油14に比べて劣化が起こりにくいため、このような絶縁体20を設けることを前提とすれば、先に例示したような計算を行なう際には余裕率を小さく見積もることができる。また、シート状の絶縁体20は、加工や筐体10内への装着が容易であり、筐体10内の必要な位置のみに局所的に配置することもできるので、筐体10を大型化させることなく、必要な絶縁性能を効率よく達成することができる。
図3を参照して第2実施形態の絶縁体30を説明する。筐体10及びX線管11等の構成については図2を援用する。
図3は、第2実施形態のX線発生装置におけるシート状の絶縁体30を示す斜視図である。この絶縁体30は、第1実施形態の絶縁体20と同様、上部が開放された角筒状の周壁部31を有している。周壁部31は第1実施形態と同一形状であるが、筐体10の底面に接する底壁部32の構造は第1実施形態とは異なっている。本実施形態の底壁部32は、周壁部31の対向する2面の各下縁にそれぞれ接続された2つの片部35,35を備えている。各片部35の自由端の中央には半円形の切欠き36がそれぞれ形成されており、2つの片部を筐体10の底面上に配置した場合に、X線管11の基台12を取り囲む円形の通孔34が形成されるようになっている。
本実施形態の絶縁体30は、上述したような構造であるため、筐体10の内部にX線管11を取り付けた後で、筐体10の内部に装着することができる。すなわち、内部にX線管11が取り付けられた筐体10の上面を開放しておき、2枚の片部35,35を周壁部31の内面に沿うように持ち上げた状態で、X線管11を取り囲むように周壁部31を筐体10の中に入れる。そして、2枚の片部35,35を筐体10の底面の上に重ねる。筐体10の底面の上に重ねられた2枚の片部35,35には、X線管11を支える基台12と干渉しないように切欠き36,36によって通孔34が構成されるので、基台12の周囲にある筐体10の底面は絶縁体30の片部25で覆われる。そして、片部35,35の互いに重なった部分を任意の手段で固定し、必要に応じて筐体10の底面にも固定する。これによって、絶縁体30は筐体10に対して所定の位置で固定される。
その他の構成及び効果は第1実施形態と同等である。
図4を参照して第3実施形態のX線発生装置を説明する。
図4は、第3実施形態のX線発生装置81の斜視図である。この実施形態におけるシート状の絶縁体40は、上面が開放された円筒状の周壁部41と、周壁部41と同等の直径を有し、基台12の部分に干渉しないように窓部13と同等の形状・寸法の通孔44が形成された円形の底壁部42とを有している。周壁部41は、帯状のシートを丸めて両端部を接続することで製造できる。底壁部42には、通孔44に達する図示しないスリットを形成しておき、筐体10の内部にX線管11及び基台12を取り付けた後で、筐体10の内部に装着できるようにしてもよい。
その他の構成及び効果は第1実施形態と同等である。
図5を参照して第4実施形態のX線発生装置を説明する。
図5は、第4実施形態のX線発生装置82の斜視図である。この実施形態におけるシート状の絶縁体50は、矩形のシートを略半円筒形に曲げたかまぼこ形の2つの壁部51,52を有している。第1の壁部51は、その略半円筒形の母線が、円筒形状であるX線管11の母線と略一致するような位置関係で、X線管11を上から覆うように筐体10の底面上に配置・固定されている。従って、第1の壁部51の両端の開口には、X線管11の円筒形の両端にある陽極と陰極が臨んでいる。また、第2の壁部52は、その略半円筒形の母線が、円筒形状であるX線管11の母線と直交するとともに、X線管11の陽極が配置されている第1の壁部51の一方の端部の開口を覆うように、筐体10の底面上に配置・固定されている。この実施形態によれば、絶縁体50として2枚のシート状の壁部51,52を用いた簡単な構造でありながら、X線管11のなかで放電の危険性が高い陽極の側を筐体10に対して確実に遮蔽して放電の危険性を低く抑えることができるという効果が得られる。
その他の構成及び効果は第1実施形態と同等である。
1…X線検査装置
8,81,82…X線発生装置
10…筐体
11…X線管
12…基台
13…窓部
14…絶縁油
20,30,40,50…絶縁体

Claims (3)

  1. X線を発生するX線管(11)と、
    前記X線管を収納するとともに前記X線管を浸漬する絶縁油(14)が充填された筺体(10)と、
    前記筺体内で前記筺体の内面と前記X線管の間に前記X線管を取り囲むように配置され、曲げ加工されたシート状かつ開放された筒状の絶縁体(20,30,40,50)と、
    を具備することを特徴とするX線発生装置(8,81,82)。
  2. 前記絶縁体(20,30,40,50)は、前記X線管(11)を囲むように配置されるとともに、少なくともその一部が前記筺体(10)の底面に支持されていることを特徴とする請求項1記載のX線発生装置(8,81,82)。
  3. X線発生装置(8,81,82)から被検査物に対してX線を曝射し、前記被検査物を透過した前記X線の透過量に基づいて前記被検査物の検査を行なうX線検査装置において、
    前記X線発生装置(8,81,82)が、
    X線を発生するX線管(11)と、
    前記X線管を収納するとともに前記X線管を浸漬する絶縁油(14)が充填された筺体(10)と、
    前記筺体内で前記筺体の内面と前記X線管の間に前記X線管を取り囲むように配置され、曲げ加工されたシート状かつ開放された筒状の絶縁体(20,30,40,50)と、
    を具備することを特徴とするX線検査装置(1)。
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