JP2015232944A - X線管装置 - Google Patents

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Takeshi Kato
豪 加藤
政義 宮村
Masayoshi Miyamura
政義 宮村
孝信 原
Takanobu Hara
孝信 原
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Abstract

【課題】真空外囲器の破損を防止することができるX線管装置を提供する。
【解決手段】X線管装置は、X線管1と、応力緩和膜2aと、モールド部材3とを備えている。X線管1は、陰極11と、陽極12と、真空外囲器13とを有している。応力緩和膜2aは、真空外囲器13の外面に粘着され、ガラス容器13a及び金属容器13bの接続部に対向している。モールド部材3は、真空外囲器13と応力緩和膜2aとを埋め尽くし、空間Sに充填され、真空外囲器13及び応力緩和膜2aに接着されている。応力緩和膜2aは、モールド部材3の硬さより低い硬さを有し、真空外囲器13の外側から上記接続部に作用する応力を緩和する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、X線管装置に関する。
一般に、X線管はX線診断として医療または歯科用等に利用されている。この種のX線管において、真空外囲器内に陰極と陽極の陽極ターゲットとが対向して設置されている。陽極は銅製であり、陽極の陽極延出部は真空外囲器の外部に位置している。陰極及び陽極間に高電圧が印加され、陰極の電子放出源は電子を放出する。これにより、電子は陽極ターゲットに衝突し、陽極ターゲットはX線を放射する。X線管がX線を放射する際に陽極ターゲットに生じる熱は、陽極延出部を介して真空外囲器の外部に放出される。
陽極を形成する銅の熱膨張率と真空外囲器の一部を形成するガラスの熱膨張率との差は大きい。このため、真空外囲器は、ガラスだけでなく、ガラスの熱膨張率とほぼ等しい熱膨張率を有するコバール(KOV)等の金属も利用して形成されている。すなわち、真空外囲器は、ガラス容器と、金属容器とを有している。金属容器は、ガラス容器と陽極との継ぎ手として使用される。
陽極延出部に伝達された熱は、X線管の周囲を満たしている絶縁油へと放出される。さらに陽極を効果的に冷却する目的で、円柱状の陽極延出部に陽極延出部の直径よりも大きいサイズのラジエータを取り付けることが考えられる。ラジエータを形成する材料としては、熱伝導性を有するが導電性の無い、アルミニウム窒化物、ベリリウム酸化物、ダイアモンドライクカーボン等の材料を用いることができる。
X線管の高電圧絶縁には、上記のようにX線管を絶縁油で満たす手法以外に、X線管を電気絶縁性を有したモールド部材で埋め尽くす手法を用いることができる。モールド部材は、シリコーン等のゴム弾性を有する樹脂を利用して形成することができる。モールド部材を用いる手法は、携帯用のX線管装置に適用することができる。
モールド部材の熱伝導性の向上を図るため、シリコーンに無機物の微粒子を混合した材料を利用してモールド部材を形成することができる。さらに、シリコーンに、分子数の大きな鉛、タングステン、タンタル、ビスマス、バリウム等の物質からなる無機物の微粒子を混合した材料を利用してモールド部材を形成することができる。この場合、モールド部材をX線遮蔽に利用することができる。
米国特許第7519159号明細書 米国特許第7496178号明細書 特開2012−201106号公報 特開2008−293868号公報
ところで、上記のように、熱伝導性やX線遮蔽能をモールド部材に持たせることを目的とし、シリコーンなどのゴム弾性を有する樹脂等の絶縁材料に無機物の微粒子を混合した混合物をモールド部材の形成に利用する場合、上記混合物の熱膨張率は、シリコーンのみの熱膨張率よりも小さくなる。シリコーンのみの熱膨張率は、270×10−6/Kである。熱伝導性やX線遮蔽能を十分に高めるためには、混合物中の無機物の微粒子の比率を高める必要があり、その場合の混合物の熱膨張率は、シリコーンの熱膨張率以下となる。一方、陽極延出部(陽極)の材質である銅の熱膨張率は16.5×10−6/Kである。
陽極延出部は、陽極延出部の端面より面積の大きなハウジングの内面に固定されている。モールド部材を形成する際、X線管がハウジングに固定された状態にて、上記混合物をハウジングの内部に充填し、加熱する。すると、上記混合物のシリコーンや無機物の微粒子はそれぞれ固有の熱膨張率により膨張し、上記混合物(シリコーン)は硬化する。これにより、真空外囲器を埋め尽くしたモールド部材が形成される。モールド部材は、ハウジングの内面、真空外囲器(ガラス容器及び金属容器)の外面、陽極延出部の外面に接着される。その後、モールド部材は冷却される。
しかしながら、モールド部材の冷却時に、X線管の部材やモールド部材がそれぞれ異なる収縮率で収縮する結果、モールド部材はX線管に作用する応力を発生する。上記応力は、ガラス容器、金属容器等に作用し、X線管の使用時にX線管の温度が上昇すると軽減されるが、X線管が冷却されると再び発生することとなる。なお、真空外囲器を構成するガラス容器及び金属容器は互いに異なる熱膨張率を有しているため、熱によるX線管の膨張又は収縮により、ガラス容器及び金属容器の接続部にも応力が発生する。
上記のことから、モールド部材が発生する応力等は、ガラス容器及び金属容器の接続部に集中し、真空外囲器が破損する恐れがある。例えば、ガラス容器に割れが生じたり、ガラス容器及び金属容器の接続状態が解除されたりする。そして、真空外囲器が破損すると、真空外囲器の内部を真空気密に維持することができなくなる。
上述したことから、本発明の実施形態は、真空外囲器の破損を防止することができるX線管装置を提供する。
一実施形態に係るX線管装置は、
電子を放出する陰極と、前記陰極から放出される電子が衝撃することによりX線を放出する陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに接続された陽極延出部を有した陽極と、ガラス容器並びに前記ガラス容器及び陽極に接続された金属容器を有し前記陰極及び陽極ターゲットを収納し前記陽極延出部が露出するように形成され前記陽極延出部との間に空間を形成した真空外囲器と、を有したX線管と、
電気絶縁性及びゴム弾性を有し、前記空間に位置し、前記真空外囲器の外面に粘着され、前記ガラス容器及び金属容器の接続部に対向した応力緩和膜と、
電気絶縁性及びゴム弾性を有し、前記真空外囲器と前記応力緩和膜とを埋め尽くし、前記空間に充填され、前記真空外囲器及び応力緩和膜に接着されたモールド部材と、を備え、
前記応力緩和膜は、前記モールド部材の硬さより低い硬さを有し、前記真空外囲器の外側から前記接続部に作用する応力を緩和する。
また、一実施形態に係るX線管装置は、
電子を放出する陰極と、前記陰極から放出される電子が衝撃することによりX線を放出する陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに接続された陽極延出部を有した陽極と、ガラス容器並びに前記ガラス容器及び陽極に接続された金属容器を有し前記陰極及び陽極ターゲットを収納し前記陽極延出部が露出するように形成され前記陽極延出部との間に空間を形成した真空外囲器と、を有したX線管と、
電気絶縁性及びゴム弾性を有し、前記空間に充填され、前記真空外囲器の外面に粘着され、前記ガラス容器及び金属容器の接続部を埋め尽くした応力緩和部材と、
電気絶縁性及びゴム弾性を有し、前記応力緩和部材とともに前記真空外囲器を埋め尽くし、前記真空外囲器及び応力緩和部材に接着されたモールド部材と、を備え、
前記応力緩和部材は、前記モールド部材の硬さより低い硬さを有し、前記真空外囲器の外側から前記接続部に作用する応力を緩和する。
また、一実施形態に係るX線管装置は、
電子を放出する陰極と、前記陰極から放出される電子が衝撃することによりX線を放出する陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに接続された陽極延出部を有した陽極と、ガラス容器並びに前記ガラス容器及び陽極に接続された金属容器を有し前記陰極及び陽極ターゲットを収納し前記陽極延出部が露出するように形成され前記陽極延出部との間に空間を形成した真空外囲器と、を有したX線管と、
前記陽極延出部の端部が固定され前記陽極延出部の端面より面積の大きい固定面を含み前記空間を維持した固定部材を有し、前記X線管を取り囲んだハウジングと、
シリコーンゲルを利用し、前記空間の内部を含む前記ハウジングの内部に充填され、前記真空外囲器を埋め尽くした充填部材と、を備えている。
図1は、第1の実施形態に係るX線管装置の概略構成を示す断面図である。 図2は、上記第1の実施形態に係るX線管装置の製造方法を説明するための図であり、X線管に応力緩和膜が形成された状態を示す断面図である。 図3は、図2に続く、上記第1の実施形態に係るX線管装置の製造方法を説明するための図であり、応力緩和膜が形成されたX線管と隔壁部材とを収容したハウジングが鉛直に立った状態を示す断面図である。 図4は、第2の実施形態に係るX線管装置の概略構成を示す断面図である。 図5は、上記第2の実施形態に係るX線管装置の製造方法を説明するための図であり、応力緩和膜が形成されたX線管と隔壁部材とがハウジング内に収容された状態を示す断面図である。 図6は、図5に続く、上記第2の実施形態に係るX線管装置の製造方法を説明するための図であり、鉛直に立ったハウジングの内部に応力緩和部材が形成された状態を示す断面図である。 図7は、第3の実施形態に係るX線管装置の概略構成を示す断面図である。 図8は、上記第3の実施形態に係るX線管装置の製造方法を説明するための図であり、X線管と隔壁部材とを収容したハウジングを鉛直に立てた状態を示す断面図である。 図9は、上記第1の実施形態に係るX線管装置の変形例1の概略構成を示す断面図である。 図10は、上記第1の実施形態に係るX線管装置の変形例2の概略構成を示す断面図である。 図11は、上記第1の実施形態に係るX線管装置の変形例3の概略構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら各実施形態に係るX線管装置及びその製造方法について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係るX線管装置及びその製造方法について説明する。本実施形態において、X線管装置は固定陽極型X線管装置である。
図1に示すように、X線管装置は、X線管1と、応力緩和膜2aと、モールド部材3と、ハウジング4と、隔壁部材5とを備えている。
X線管1は、陰極11と、陽極12と、真空外囲器13と、を有している。陰極11は、電子を放出するフィラメント(電子放出源)と、集束電極と、端子部11aと、を有している。本実施形態において、負の高電圧及びフィラメント電流が端子部11aを介して上記フィラメントに与えられる。上記集束電極には、図示しない端子部を介して負の高電圧が与えられる。
陽極12は、陽極ターゲット12a及び陽極ターゲット12aに接続された陽極延出部12bを有している。陽極ターゲット12aは例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の高融点金属で形成され、陽極延出部12bは例えば銅で円柱状に形成されている。陽極延出部12bは銅合金で形成されていてもよい。陽極延出部12bは、陽極ターゲット12aを固定し、陽極ターゲット12aで発生した熱を周囲へ伝達する。本実施形態において、陽極12は接地されている。陽極ターゲット12aは、上記フィラメントから放出され上記集束電極によって集束された電子が衝撃することによりX線を放出する。
真空外囲器13は、ガラス容器13a及び金属容器13bを有している。金属容器13bは、ガラス容器13a及び陽極12に気密に接続されている。ガラス容器13aは、例えば硼珪素ガラスを利用して形成されている。ガラス容器13aは、例えば複数のガラス部材を溶接により気密に接合し形成することができる。ガラス容器13aはX線透過性を有しているため、陽極ターゲット12aから放出されたX線はガラス容器13aを透過して真空外囲器13の外側に放出される。金属容器13bは、陽極ターゲット12a及び陽極延出部12bの少なくとも一方に気密に固定されている。ここでは、金属容器13bは、陽極ターゲット12aにろう付けにより気密に接続されている。また、金属容器13bとガラス容器13aは溶接により気密に接続されている。本実施形態において、金属容器13bは環状に形成されている。また、金属容器13bは、コバールを利用して形成されている。金属容器13bの熱膨張率は、ガラス容器13aの熱膨張率とほぼ等しい。真空外囲器13は、陰極11及び陽極ターゲット12aを収納し、陽極延出部12bが露出するように形成されている。また、真空外囲器13は、陽極延出部12bとの間に環状の空間Sを形成している。ガラス容器13aと金属容器13bとの接続部も、空間Sを形成している。
上記のように、真空外囲器13は、ガラス容器と金属容器と有し、ガラス容器と金属容器との接続部が空間Sを形成していればよく、種々変形可能である。例えば、真空外囲器13は、コバールで形成された第1金属容器と、第1金属容器に気密に接続された第1ガラス容器と、第2ガラス容器と、第1ガラス容器及び第2ガラス容器の間に位置しそれぞれ第1ガラス容器及び第2ガラス容器に気密に接続されベリリウムで形成された第2金属容器と、を有していてもよい。この場合、第1金属容器と第1ガラス容器との接続部が空間Sを形成し、第2金属容器がX線透過窓として利用される。
応力緩和膜2aは、電気絶縁性及びゴム弾性を有する材料を利用して形成されている。応力緩和膜2aは、0.1乃至3mm程度の厚みを有している。なお、応力緩和膜2aの厚みは、上記の範囲に限定されるものではなく、種々変形可能である。応力緩和膜2aに利用する材料としては、シリコーン等の樹脂を挙げることができる。応力緩和膜2aに利用する材料の針入度は50[1/10mm]以上である。また、本願発明者らは、ショアA硬度計を用いて上記材料の硬さの測定を試みたが、上記材料が軟らかすぎたため、上記材料の硬さを測定することができなかった。
この実施形態において、応力緩和膜2aはシリコーンゲルを利用して形成されている。なお、シリコーンゲルの針入度は50以上である。応力緩和膜2aは、少なくとも空間Sに位置し、少なくとも真空外囲器13の外面に粘着されている。応力緩和膜2aは、少なくともガラス容器13a及び金属容器13bの接続部に対向している。
また、この実施形態において、応力緩和膜2aは、空間S内部だけでなく空間S外部にも位置している。また、応力緩和膜2aは、陽極延出部12bの外面(外周面)、金属容器13bの外面(内周面)及びガラス容器13aの外面の一部に粘着されている。
モールド部材3は、電気絶縁性及びゴム弾性を有する材料を利用して形成されている。モールド部材3は、真空外囲器13と応力緩和膜2aとを埋め尽くし、空間Sに充填されている。モールド部材3は、真空外囲器13、応力緩和膜2a及び陽極延出部12bに接着されている。
モールド部材3は、熱硬化型の樹脂等をベースとする材料を利用して形成することができる。本実施形態において、モールド部材3の熱伝導性及びX線遮蔽能の向上を図るため、モールド部材3は、シリコーンに無機物の微粒子を混合した材料を利用して形成されている。上記無機物の微粒子としては、シリコーンより熱伝導率の高い微粒子や、X線遮蔽能を有する微粒子を挙げることができる。
本願発明者らは、ショアA硬度計を用いてモールド部材3に利用する材料の硬さを測定したところ、上記材料のショアA硬度は60であった。なお、モールド部材3に利用する材料のショアA硬度は、60乃至70程度が望ましい。但し、モールド部材3に利用する材料のショアA硬度は、60未満であってもよく、70を超えてもよい。何れの場合であっても、応力緩和膜2aは、モールド部材3の硬さより低い硬さを有していればよい。これにより、応力緩和膜2aは、真空外囲器13の外側からガラス容器13a及び金属容器13bの接続部に作用する応力を緩和することができる。
ハウジング4は、固定部材4a、ハウジング本体4b及び蓋部4cを有し、X線管1、応力緩和膜2a及びモールド部材3を取り囲んでいる。蓋部4cは、ハウジング本体4bに形成された開口(注入口)を閉塞している。なお、ハウジング4は、必要に応じて蓋部4cを利用すればよい。
固定部材4aは、空間Sを維持している。固定部材4aは固定面4sを含んでいる。固定面4sは、陽極延出部12bの端部が固定され、陽極延出部12bの端面より大きい面積を有している。固定部材4aは板状に形成されている。この実施形態において、固定部材4aは円盤状に形成されている。固定部材4aは、熱伝導性及び電気絶縁性を有する材料として、例えば電気絶縁性のセラミックスを利用して形成されている。
なお、本実施形態のように陽極12が接地されている場合、固定部材4aは、熱伝導性及び導電性を有する材料として、例えばアルミニウムやアルミニウム合金を利用して形成されていてもよい。
ハウジング本体4bは、筒の一端が閉塞された形状である有底筒状に形成されている。ハウジング本体4bの他端は固定部材4aで閉塞されている。ハウジング本体4bは、固定部材4aと異なる材料を利用して形成可能である。本実施形態において、ハウジング本体4bは、樹脂で形成されている。なお、ハウジング本体4bは、X線透過性を有する金属や、X線遮蔽能を有する金属で形成することも可能である。後者の場合、ハウジング本体4bは、少なくとも開口であるX線放射口を有している。上記X線放射口は、例えばX線透過性を有するX線透過窓で閉塞されていてもよい。
上記のように、本実施形態において、シリコーンにX線遮蔽能を有する無機物の微粒子を混合した材料を利用してモールド部材3が形成されている。このため、X線管装置は、隔壁部材5を備えている。隔壁部材5は、枠状(例えば、環状)に形成され、X線管1(真空外囲器13)とハウジング4との間に位置している。例えば、隔壁部材5は、それぞれ真空外囲器13の外面とハウジング4の内面とに密接している。ここでは、隔壁部材5は、ハウジング4の内面に密着し、真空外囲器13の外面密接している。
本実施形態において、隔壁部材5は、電気絶縁材料である樹脂で形成されている。X線管装置の耐電圧特性に支障がない場合、隔壁部材5は、導電材料で形成されていてもよい。
また、隔壁部材5は、所望のX線を取り出すための領域を囲んでいる。隔壁部材5は、X線管1(真空外囲器13)とハウジング4との間にモールド部材3が充填されない空間(X線が遮蔽されない空間、又はX線量を減衰させない空間)を形成するためのものである。言うまでもないが、モールド部材3は、隔壁部材5、真空外囲器13及びハウジング4で囲まれた空間には形成されていない。
上記のように、X線管装置は形成されている。
上記X線管装置の動作では、電子ビームが陽極ターゲット12aに衝突し、陽極ターゲット12aはX線を発生させる。X線は、真空外囲器13及びハウジング4を透過してハウジング4の外部に放射される。陽極ターゲット12aで発生した熱は、陽極延出部12bを伝導し、X線管1の外部に放出される。本実施形態において、上記熱は、少なくとも固定部材4aを介してX線管1の外部に放出される。
例えば、X線管装置が絶縁油(冷却液)に浸っている場合、固定部材4aに伝達された熱は、絶縁油に伝達され、ひいては外気に放射される。X線管装置が電気絶縁性の樹脂モールド部材で埋め尽くされている場合、固定部材4aに伝達された熱は、樹脂モールド部材に伝達され、ひいては外気に放射される。X線管装置が外気にさらされている場合、固定部材4aに伝達された熱は、外気に放射される。何れの場合であっても、固定部材4aに電気絶縁性の材料又は導電性の材料で形成されたラジエータを取り付けることにより、X線管1からX線管1の外部への熱の移動を促進することができる。例えば、ラジエータは、熱伝導特性及び耐電圧特性に優れたセラミックスを利用して形成することができる。
次に、本実施形態に係るX線管装置の製造方法について説明する。
図2に示すように、X線管装置の製造が開始すると、まず、X線管1を用意する。次いで、陽極延出部12bの外面、金属容器13bの外面及びガラス容器13aの外面の一部に1液性のシリコーンゲルを塗布する。これにより、シリコーンゲルを利用した応力緩和膜2aが形成される。なお、2液性のシリコーンゲルを利用することにより、より固まった応力緩和膜2aを形成することができる。
図3に示すように、続いて、陽極延出部12bの端部を固定部材4aに固定し、隔壁部材5をハウジング本体4bの内面に密着する。その後、固定部材4aとハウジング本体4bとを接続する。これにより、応力緩和膜2aが形成されたX線管1及び隔壁部材5を収容し、蓋部4cが形成されていないハウジング4が形成される。
次いで、真空チャンバ内にハウジング4を搬入し、ハウジング4を鉛直に立てる。この状態では、陰極11の方が陽極12より鉛直上方に位置している。その後、真空チャンバ内を真空排気する。そして、真空雰囲気中において、ハウジング本体4bの開口(注入口)から、シリコーンに無機物の微粒子を混合した熱硬化型の材料を、ハウジング4の内部に充填する。上記材料は、X線管1と、ハウジング4と隔壁部材5とで囲まれた空間全体に充填される。
その後、上記材料が充填されたハウジング4を真空チャンバの外に搬出し、ハウジング4の内部に充填された材料を加熱し、硬化させる。これにより、上記材料を利用することにより、真空外囲器13と応力緩和膜2aとを埋め尽くしたモールド部材3が形成される。モールド部材3は、X線管1、応力緩和膜2a、固定部材4a、ハウジング本体4b及び隔壁部材5に接着される。その後、ハウジング本体4bの開口を蓋部4cで閉塞する。上記のように、本実施形態において、真空雰囲気中でモールド部材3を形成したが、これに限らず大気中でモールド部材3を形成してもよい。
ここで、モールド部材3は、硬化した後に常温まで冷却されるが、この冷却により収縮することで、X線管に作用する応力を発生することになる。しかしながら、上記応力は、応力緩和膜2aで緩和される。例えば、ガラス容器13a及び金属容器13bの接続部への応力の集中は緩和される。
これにより、X線管装置の製造は終了する。
上記のように構成された第1の実施形態に係るX線管装置及びその製造方法によれば、X線管装置は、X線管1、応力緩和膜2a及びモールド部材3を備えている。X線管1は、陰極11と、陽極12と、真空外囲器13と、を有している。真空外囲器13は、陽極延出部12bとの間に空間Sを形成している。
応力緩和膜2aは、電気絶縁性及びゴム弾性を有し、空間Sに位置している。応力緩和膜2aは、少なくとも真空外囲器13の外面に粘着され、少なくともガラス容器13a及び金属容器13bの接続部に対向している。
モールド部材3は、電気絶縁性及びゴム弾性を有し、真空外囲器13と応力緩和膜2aとを埋め尽くしている。モールド部材3は、少なくとも空間Sに充填され、少なくとも真空外囲器13、応力緩和膜2a及び陽極延出部12bに接着されている。
応力緩和膜2aは、モールド部材3の硬さより低い硬さを有し、真空外囲器13の外側からガラス容器13a及び金属容器13bの接続部に作用する応力を緩和することができる。すなわち、モールド部材3の冷却時に、モールド部材3は上記接続部に作用する応力を発生するが、応力緩和膜2aは、変形することにより、上記接続部に作用する応力を緩和することができる。また、X線管装置を使用する度に、モールド部材3は膨張及び収縮するが、この場合も、応力緩和膜2aは、変形することにより、上記接続部に作用する応力を緩和することができる。このため、真空外囲器13の破損を防止することができる。例えば、ガラス容器13aの割れや、ガラス容器13aと金属容器13bとの接続状態の解除の発生を防止することができる。
また、X線管装置は、ハウジング4と、隔壁部材5とをさらに備えている。このため、ハウジング4及び隔壁部材5を、モールド部材3の永久型枠として利用することができる。なお、モールド部材3は、ハウジング4及び隔壁部材5に永久接着される。
さらに、X線管装置が隔壁部材5を利用することにより、X線管1とハウジング4との間にモールド部材3が充填されない空間を形成することができる。このため、上記のように、シリコーンにX線遮蔽能を有する無機物の微粒子を混合した材料等を利用してモールド部材3を形成することができる。これにより、ハウジング4の外側に、鉛等の有害物質を利用して形成されたX線遮蔽部材を配置すること無く、X線管装置を利用することができる。又は、ハウジング4の外側にX線遮蔽部材を配置する場合であっても、X線遮蔽部材に使用する鉛等の有害物質の使用量を削減することができる。
上記のことから、真空外囲器13の破損を防止することができるX線管装置及びその製造方法を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るX線管装置及びその製造方法について詳細に説明する。この実施形態において、上記第1の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態に係るX線管装置は、上記応力緩和膜2aの替わりに応力緩和部材2bを備えている点を除き、上記第1の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されている。
図4に示すように、X線管装置は、X線管1と、応力緩和部材2bと、モールド部材3と、ハウジング4と、隔壁部材5とを備えている。
応力緩和部材2bは、電気絶縁性及びゴム弾性を有する材料を利用して形成されている。応力緩和部材2bに利用する材料としては、シリコーン等の樹脂を挙げることができる。応力緩和部材2bに利用する材料の針入度は50[1/10mm]以上である。また、本願発明者らは、ショアA硬度計を用いて上記材料の硬さの測定を試みたが、上記材料が軟らかすぎたため、上記材料の硬さを測定することができなかった。この実施形態において、応力緩和部材2bはシリコーンゲルを利用して形成されている。なお、シリコーンゲルの針入度は50以上である。
応力緩和部材2bは、空間Sの少なくとも一部に充填され、真空外囲器13の外面に粘着され、ガラス容器13a及び金属容器13bの接続部を埋め尽くしている。この実施形態において、応力緩和部材2bは、空間Sの全体に設けられ、さらに空間S外部にも設けられている。詳しくは、応力緩和部材2bは、固定部材4aとガラス容器13aとの間の空間にも設けられている。また、応力緩和部材2bは、陽極延出部12bの外面(外周面)、金属容器13bの外面(内周面)、ガラス容器13aの外面の一部、及び固定部材4aの固定面4sの一部に粘着されている。
モールド部材3は、電気絶縁性及びゴム弾性を有する材料を利用して形成されている。モールド部材3は、応力緩和部材2bとともに真空外囲器13を埋め尽くしている。モールド部材3は、真空外囲器13及び応力緩和部材2bに接着されている。モールド部材3は、ハウジング4の内面にも接着されている。
モールド部材3は、熱硬化型の樹脂等をベースとする材料を利用して形成することができる。本実施形態においても、モールド部材3の熱伝導性及びX線遮蔽能の向上を図るため、モールド部材3は、シリコーンに無機物の微粒子を混合した材料を利用して形成されている。上記無機物の微粒子としては、シリコーンより熱伝導率の高い微粒子や、X線遮蔽能を有する微粒子を挙げることができる。
本願発明者らは、ショアA硬度計を用いてモールド部材3に利用する材料の硬さを測定したところ、上記材料のショアA硬度は60であった。なお、モールド部材3に利用する材料のショアA硬度は、種々変形可能である。何れの場合であっても、応力緩和部材2bは、モールド部材3の硬さより低い硬さを有していればよい。これにより、応力緩和部材2bは、真空外囲器13の外側からガラス容器13a及び金属容器13bの接続部に作用する応力を緩和することができる。
ハウジング4は、固定部材4a、ハウジング本体4b及び蓋部4cを有し、X線管1、応力緩和部材2b及びモールド部材3を取り囲んでいる。蓋部4cは、必要に応じてハウジング本体4bに形成された開口(注入口)を閉塞していればよい。
上記のように、X線管装置は形成されている。
次に、本実施形態に係るX線管装置の製造方法について説明する。
図5に示すように、X線管装置の製造が開始すると、まず、X線管1を用意する。次いで、陽極延出部12bの端部を固定部材4aに固定し、隔壁部材5をハウジング本体4bの内面に密着する。その後、固定部材4aとハウジング本体4bとを接続する。これにより、X線管1及び隔壁部材5を収容し、蓋部4cが形成されていないハウジング4が形成される。
図6に示すように、続いて、真空チャンバ内にハウジング4を搬入し、ハウジング4を鉛直に立てる。この状態では、陰極11の方が陽極12より鉛直上方に位置している。その後、真空チャンバ内を真空排気する。そして、真空雰囲気中において、ハウジング本体4bの開口(注入口)から、1液性のシリコーンゲルを、ハウジング4の内部に充填する。ここで、上記シリコーンゲルは、少なくとも空間Sに充填する。なお、真空雰囲気中で上記材料シリコーンゲルの充填を行うことにより、図示したように空間Sにシリコーンゲルを充填することができるものである。
これにより、シリコーンゲルを利用した応力緩和部材2bが形成される。なお、2液性のシリコーンゲルを利用することにより、より固まった応力緩和部材2bを形成することができる。
次いで、ハウジング本体4bの開口(注入口)から、シリコーンに無機物の微粒子を混合した熱硬化型の材料を、ハウジング4の内部に充填する。これにより、上記材料は、X線管1と、ハウジング4と、隔壁部材5と、応力緩和部材2bと、で囲まれた空間全体に充填される。
その後、上記材料が充填されたハウジング4を真空チャンバの外に搬出し、ハウジング4の内部に充填された材料を加熱し、硬化させる。これにより、上記材料を利用することにより、応力緩和部材2bとともに真空外囲器13を埋め尽くしたモールド部材3が形成される。モールド部材3は、X線管1、応力緩和部材2b、固定部材4a、ハウジング本体4b及び隔壁部材5に接着される。その後、ハウジング本体4bの開口を蓋部4cで閉塞する。
ここで、モールド部材3は、硬化した後に常温まで冷却されるが、この冷却により収縮することで、X線管に作用する応力を発生することになる。しかしながら、上記応力は、応力緩和部材2bで緩和される。例えば、ガラス容器13a及び金属容器13bの接続部への応力の集中は緩和される。
これにより、X線管装置の製造は終了する。
上記のように構成された第2の実施形態に係るX線管装置及びその製造方法によれば、X線管装置は、X線管1、応力緩和部材2b及びモールド部材3を備えている。応力緩和部材2bは、電気絶縁性及びゴム弾性を有し、空間Sの少なくとも一部に充填されている。応力緩和部材2bは、少なくとも真空外囲器13の外面に粘着され、少なくともガラス容器13a及び金属容器13bの接続部を埋め尽くしている。
モールド部材3は、電気絶縁性及びゴム弾性を有し、応力緩和部材2bとともに真空外囲器13を埋め尽くしている。モールド部材3は、少なくとも真空外囲器13及び応力緩和部材2bに接着されている。
応力緩和部材2bは、モールド部材3の硬さより低い硬さを有し、真空外囲器13の外側からガラス容器13a及び金属容器13bの接続部に作用する応力を緩和することができる。このため、真空外囲器13の破損を防止することができる。その他、本実施形態に係るX線管装置は、上記第1の実施形態に係るX線管装置と同様の効果を得ることができる。
上記のことから、真空外囲器13の破損を防止することができるX線管装置及びその製造方法を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るX線管装置及びその製造方法について詳細に説明する。この実施形態において、上記第1の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態に係るX線管装置は、上記応力緩和膜2a及びモールド部材3の替わりに充填部材2cを備えている点を除き、上記第1の実施形態に係るX線管装置と同様に形成されている。
図7に示すように、X線管装置は、X線管1と、充填部材2cと、ハウジング4と、隔壁部材5とを備えている。
充填部材2cは、電気絶縁性及びゴム弾性を有する材料を利用して形成されている。充填部材2cに利用する材料としては、シリコーン等の樹脂を挙げることができる。充填部材2cに利用する材料の針入度は50[1/10mm]以上である。また、本願発明者らは、ショアA硬度計を用いて上記材料の硬さの測定を試みたが、上記材料が軟らかすぎたため、上記材料の硬さを測定することができなかった。この実施形態において、充填部材2cはシリコーンゲルを利用して形成されている。そして、充填部材2cの熱伝導性及びX線遮蔽能の向上を図るため、充填部材2cは、シリコーンゲルに無機物の微粒子を混合した材料を利用して形成されている。上記無機物の微粒子としては、シリコーンゲルより熱伝導率の高い微粒子や、X線遮蔽能を有する微粒子を挙げることができる。なお、上記無機物の微粒子が混合されたシリコーンゲルの針入度は50以上である。
充填部材2cは、空間Sを含むハウジング4の内部に充填され、真空外囲器13を埋め尽くしている。このため、充填部材2cは、ガラス容器13a及び金属容器13bの接続部も埋め尽くしている。充填部材2cは、陽極延出部12bの外面(外周面)、金属容器13bの外面(内周面)、ガラス容器13aの外面、固定部材4aの固定面4s、及びハウジング本体4bの内面に粘着されている。上記のように充填部材2cを設けることにより、真空外囲器13の外側からガラス容器13a及び金属容器13bの接続部に作用する応力を緩和することができる。
次に、本実施形態に係るX線管装置の製造方法について説明する。
図8に示すように、X線管装置の製造が開始すると、まず、X線管1を用意する。次いで、陽極延出部12bの端部を固定部材4aに固定し、隔壁部材5をハウジング本体4bの内面に密着する。その後、固定部材4aとハウジング本体4bとを接続する。これにより、X線管1及び隔壁部材5を収容し、蓋部4cが形成されていないハウジング4が形成される。
続いて、真空チャンバ内にハウジング4を搬入し、ハウジング4を鉛直に立てる。この状態では、陰極11の方が陽極12より鉛直上方に位置している。その後、真空チャンバ内を真空排気する。そして、真空雰囲気中において、ハウジング本体4bの開口(注入口)から、1液性のシリコーンゲルに無機物の微粒子を混合した材料を、ハウジング4の内部に充填する。上記材料は、X線管1と、ハウジング4と隔壁部材5とで囲まれた空間全体に充填される。これにより、シリコーンゲル等を利用した充填部材2cが形成される。なお、2液性のシリコーンゲルを利用することにより、より固まった充填部材2cを形成することができる。
その後、充填部材2cが形成されたハウジング4を真空チャンバの外に搬出し、ハウジング本体4bの開口を蓋部4cで閉塞する。上記のように、本実施形態において、真空雰囲気中で充填部材2cを形成したが、これに限らず大気中で充填部材2cを形成してもよい。
これにより、X線管装置の製造は終了する。
上記のように構成された第3の実施形態に係るX線管装置及びその製造方法によれば、X線管装置は、X線管1及び充填部材2cを備えている。充填部材2cは、シリコーンゲルを利用し、空間Sの内部を含むハウジング4の内部に充填され、真空外囲器13を埋め尽くしている。
上記のように、X線管装置は、充填部材2cを用いて形成され、上記モールド部材3を用いること無く形成されている。すなわち、X線管装置は、ガラス容器13a及び金属容器13bの接続部に真空外囲器13の外側から応力が作用しないように形成されている。このため、本実施形態においても、真空外囲器13の破損を防止することができる。その他、本実施形態に係るX線管装置は、上記第1の実施形態に係るX線管装置と同様の効果を得ることができる。
上記のことから、真空外囲器13の破損を防止することができるX線管装置及びその製造方法を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、陽極延出部12bを固定部材4aに固定する手段としては、ねじ結合を利用することが望ましい。この場合、陽極延出部12bの端部と、固定部材4aとに直にねじ加工を施したり、スタッドボルトを利用したりすることにより、ねじ結合を行うことができる。なお、陽極延出部12bの端面と固定面4sとの密着度を高めるための層を、陽極延出部12bの端面と固定面4sとの間に介在させてもよい。
陽極12は接地されていてもよいが、陽極12に高電圧印加を印加し、陽極12を高電位に設定してもよい。
X線管装置は、ハウジング4よりサイズが大きくハウジング4等を収容する他のハウジングをさらに備えていてもよい。この場合、ハウジング4と他のハウジングとの間の空間には、絶縁油(冷却液)又は電気絶縁性の樹脂モールド部材が充填されていてもよい。例えば、X線管装置は、モノブロックまたはモノタンク等と呼ばれるX線管装置であってもよい。
(第1の実施形態の変形例1)
図9に示すX線管装置は、モノブロックまたはモノタンク等と呼ばれるX線管装置である。X線管装置は、例えば図1に示した部材の他、高電圧発生器20、絶縁油30、ハウジング40、低圧用ケーブル50、高圧用ケーブル60、フィラメント用ケーブル70、X線遮蔽材80、及びラジエータ90を備えている。ここでは、X線管1の陽極12に高電圧が印加される。固定部材4aは、熱伝導性及び電気絶縁性を有している。
ハウジング40は、図1に示したハウジング4等と、高電圧発生器2とを収容している。X線管1から放射されるX線は、ハウジング4を透過した後、ハウジング40の放射窓41を透過してハウジング40の外部に取り出される。ここでは、ハウジング40は、導電材料により形成され、接地電位に固定されている。なお、図示しないが、ハウジング4の外壁には、例えば多数のフィン状のヒートシンクである放熱板が取り付けられていてもよい。
また、ハウジング40の内面には、X線遮蔽材80が取り付けられている。上述したように、モールド部材3はX線遮蔽能を有するため、X線遮蔽材80に使用する鉛等の有害物質の使用量を削減することができる。又は、X線管装置は、X線遮蔽材80を利用すること無しに形成することもできる。
ラジエータ90は、固定部材4aに取り付けられている。ラジエータ90は、例えば熱伝導特性及び耐電圧特性に優れたセラミックスを利用して形成することができる。ラジエータ90は、複数枚の円盤状のフィンを有している。ラジエータ90は、耐電圧を有することから、ハウジング40との絶縁距離を低減することができる。ラジエータ90のサイズを大きくし、絶縁油30との接触面積を大きくすることができるため、冷却効率の増大を図ることができる。
高電圧発生器2は、例えば、高圧トランス、フィラメント用トランスを備え、低圧用ケーブル50を通した低圧の交流入力から高電圧を生成する。また、高電圧発生器20は、高圧用ケーブル60を通して陽極12に所望の高電圧を供給し、フィラメント用ケーブル70を通して陰極11側に所要の電圧及び電流を供給する。
絶縁油30は、ハウジング4と、高電圧発生器20と、ハウジング40との間の空間に充填されている。なお、ハウジング4と、高電圧発生器20と、ハウジング40との間の空間には、絶縁油30の替わりに、電気絶縁性の樹脂モールド部材が充填されていてもよい。
また、X線管装置は、ハウジング4無しに形成されていてもよい。
(第1の実施形態の変形例2)
例えば、図10に示すように、図示したX線管装置は、ハウジング4及び隔壁部材5を除いた点以外、図1に示したX線管装置と同様に形成されている。モールド部材3を形成する際は、ハウジング4及び隔壁部材5の替わりに、型枠(冶具)を利用することができる。この場合、モールド部材3は型枠に接着し得る。しかしながら、X線管装置は、応力緩和膜2aを備えている。このため、モールド部材3がガラス容器13a及び金属容器13bの接続部に作用する応力を緩和することができる。
モールド部材3は、X線遮蔽能を有していなくともよい。
(第1の実施形態の変形例3)
図11に示すように、X線管装置は、X線遮蔽能を有していないモールド部材3で形成され、隔壁部材5無しに形成されている点以外、図1に示したX線管装置と同様に形成されている。なお、図11に示したX線管装置は、ハウジング4無しに形成されていてもよい。
上述した実施形態は、上述したX線管装置及びその製造方法に限定されるものではなく、各種のX線管装置及びその製造方法に適用可能である。
1…X線管、2a…応力緩和膜、2b…応力緩和部材、2c…充填部材、3…モールド部材、4…ハウジング、4a…固定部材、4s…固定面、11…陰極、12…陽極、12a…陽極ターゲット、12b…陽極延出部、13…真空外囲器、13a…ガラス容器、13b…金属容器、S…空間

Claims (11)

  1. 電子を放出する陰極と、前記陰極から放出される電子が衝撃することによりX線を放出する陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに接続された陽極延出部を有した陽極と、ガラス容器並びに前記ガラス容器及び陽極に接続された金属容器を有し前記陰極及び陽極ターゲットを収納し前記陽極延出部が露出するように形成され前記陽極延出部との間に空間を形成した真空外囲器と、を有したX線管と、
    電気絶縁性及びゴム弾性を有し、前記空間に位置し、前記真空外囲器の外面に粘着され、前記ガラス容器及び金属容器の接続部に対向した応力緩和膜と、
    電気絶縁性及びゴム弾性を有し、前記真空外囲器と前記応力緩和膜とを埋め尽くし、前記空間に充填され、前記真空外囲器及び応力緩和膜に接着されたモールド部材と、を備え、
    前記応力緩和膜は、前記モールド部材の硬さより低い硬さを有し、前記真空外囲器の外側から前記接続部に作用する応力を緩和するX線管装置。
  2. 前記陽極延出部の端部が固定され前記陽極延出部の端面より面積の大きい固定面を含み前記空間を維持した固定部材を有し、前記X線管、応力緩和膜及びモールド部材を取り囲んだハウジングをさらに備えている請求項1に記載のX線管装置。
  3. 前記応力緩和膜は、50以上の針入度を有する材料を利用して形成されている請求項1に記載のX線管装置。
  4. 前記応力緩和膜は、シリコーンゲルを利用して形成されている請求項3に記載のX線管装置。
  5. 電子を放出する陰極と、前記陰極から放出される電子が衝撃することによりX線を放出する陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに接続された陽極延出部を有した陽極と、ガラス容器並びに前記ガラス容器及び陽極に接続された金属容器を有し前記陰極及び陽極ターゲットを収納し前記陽極延出部が露出するように形成され前記陽極延出部との間に空間を形成した真空外囲器と、を有したX線管と、
    電気絶縁性及びゴム弾性を有し、前記空間に充填され、前記真空外囲器の外面に粘着され、前記ガラス容器及び金属容器の接続部を埋め尽くした応力緩和部材と、
    電気絶縁性及びゴム弾性を有し、前記応力緩和部材とともに前記真空外囲器を埋め尽くし、前記真空外囲器及び応力緩和部材に接着されたモールド部材と、を備え、
    前記応力緩和部材は、前記モールド部材の硬さより低い硬さを有し、前記真空外囲器の外側から前記接続部に作用する応力を緩和するX線管装置。
  6. 前記陽極延出部の端部が固定され前記陽極延出部の端面より面積の大きい固定面を含み前記空間を維持した固定部材を有し、前記X線管、応力緩和部材及びモールド部材を取り囲んだハウジングをさらに備えている請求項5に記載のX線管装置。
  7. 前記応力緩和部材は、50以上の針入度を有する材料を利用して形成されている請求項5に記載のX線管装置。
  8. 前記応力緩和部材は、シリコーンゲルを利用して形成されている請求項7に記載のX線管装置。
  9. 電子を放出する陰極と、前記陰極から放出される電子が衝撃することによりX線を放出する陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに接続された陽極延出部を有した陽極と、ガラス容器並びに前記ガラス容器及び陽極に接続された金属容器を有し前記陰極及び陽極ターゲットを収納し前記陽極延出部が露出するように形成され前記陽極延出部との間に空間を形成した真空外囲器と、を有したX線管と、
    前記陽極延出部の端部が固定され前記陽極延出部の端面より面積の大きい固定面を含み前記空間を維持した固定部材を有し、前記X線管を取り囲んだハウジングと、
    シリコーンゲルを利用し、前記空間の内部を含む前記ハウジングの内部に充填され、前記真空外囲器を埋め尽くした充填部材と、を備えているX線管装置。
  10. 前記陽極に高電圧が印加され、
    前記固定部材は、熱伝導性及び電気絶縁性を有している請求項2、6及び9の何れか1項に記載のX線管装置。
  11. 前記陽極は接地され、
    前記固定部材は、熱伝導性を有している請求項2、6及び9の何れか1項に記載のX線管装置。
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