JP6305467B2 - 門扉制御システム及び衛星通信における門扉制御データ送信方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、衛星通信は、通信路の特性上、降雨の影響を受けやすいため、システムの信頼性が低下してしまう可能性があった。
本実施の形態では、国の機関から、地震や津波等の災害に関する緊急警報(例えば、J−ALART)が発生された時に、その緊急警報(緊急情報)を受信して、水門や陸閘といった門扉に対して、即座に一斉閉鎖するシステムに、衛星通信網を用いた実施の形態について説明する。ここで、緊急警報とは、国の機関である気象庁が、消防庁等を経由して、該当する地域に送信する緊急通報であり、例えば、地震、津波等の大規模災害が発生した、あるいは発生することを示す情報や、警報、注意報に関する情報である。以下の説明では、緊急警報としてJ−ALERTにより、津波の発生に関する警報、注意報が発生された場合の例に説明する。本実施の形態では、システムの信頼性をあげるため、統制局設備を二重化している。
衛星通信システム100は、第1統制局設備10−1、第2統制局設備10−2、制御所設備20及び複数の子局30を備える。第1統制局設備10−1、第2統制局設備10−2、制御所設備20及び子局30のそれぞれは、通信衛星40を介して互いに通信可能に接続される。衛星通信システム100には、制御所設備20、子局30が複数存在してもよい。
通信衛星40は、統制局設備10、制御所設備20及び子局30間の通信を中継する。
図3に示されるように、衛星通信システム100では、一斉指令回線用帯域と追加帯域とが使用される。図3における1系の上り下りを示す帯域は、第1統制局設備10−1と制御所設備20との間の上り下りの通信及び第1統制局設備10−1と子局30との間の上り下りの通信に利用される。より具体的には、第1統制局設備10−1と制御所設備20との間の上り下りの通信では一斉指令回線用帯域が利用され、第1統制局設備10−1と子局30との間の上り下りの通信では追加帯域が利用される。図3における2系の上り下りを示す帯域は、第2統制局設備10−2と制御所設備20との間の上り下りの通信及び第2統制局設備10−2と子局30との間の上り下りの通信に利用される。より具体的には、第2統制局設備10−2と制御所設備20との間の上り下りの通信では一斉指令回線用帯域が利用され、第2統制局設備10−2と子局30との間の上り下りの通信では追加帯域が利用される。
図4に示されるように、衛星通信に利用されるフレームは、同期語、D’データ及びB’データのフィールドを有する。D’データのフィールドには、統制局設備10から制御所設備20又は子局30に対する門扉閉鎖制御情報が格納される。門扉閉鎖制御情報は、門扉6を閉鎖する指示である。B’データのフィールドには、IPデータや音声データが格納される。本実施形態における衛星通信システム100では、本来D’データのフィールドに格納される門扉閉鎖制御情報をB’データのフィールドにも格納する。このため、B’データの領域も門扉閉鎖制御情報の伝送に使うことは、被制御対象の多数の子局30に対して効率よく、閉鎖指示信号の伝送を行うことができる。B’データの領域も門扉閉鎖制御情報の伝送に使う構成は、被制御対象の子局30の数が非常多く、かつ瞬時に送信が必要な場合に有効である。
第1統制局設備10−1は、アンテナ101、ODU102、IDU103、回線接続制御装置104、J−ALERT受信装置105、中央一斉指令監視装置106、監視操作卓107、監視端末108及び融雪装置109を備える。
アンテナ101は、通信衛星40との間で通信を行う。アンテナ101には、融雪装置109による着雪防止機能が備えられている。
HPC1021は、送信対象のIP信号の周波数変換及び電力を増幅する。
LNC1022は、アンテナ101から入力されたRF信号を増幅及び周波数変換してIDU103に出力する。
合成分配部110は、IF信号を合成又は分配する。
第一筺体110−1には、合成分配部111、CSC専用変復調部/CSC監視制御部112、一斉指令変復調部113、一斉指令変復調部114、個別/IPデータ伝送用変復調部118及びデータ伝送用アダプタ121が備えられる。
CSC専用変復調部/CSC監視制御部112は、不図示の管制局との間で送受信される信号を変調又は復調する。
一斉指令変復調部113は、子局30からの制御応答情報を一斉に全ての制御所設備20へ同報するための一斉指令変調信号を生成する。制御応答情報は、門扉6の閉鎖の状態(閉鎖しているか否か)を表す応答を含む。また、一斉指令変復調部113は、制御所設備20から受信した信号を復調する。
一斉指令変復調部114は、閉鎖指示を一斉に全ての子局30へ同報するための一斉指令変調信号を生成する。また、一斉指令変復調部114は、子局から受信した信号を復調する。
データ伝送用アダプタ121は、個別/IPデータ伝送用変復調部118で送受信されるパケットのプロトコル及びフォーマットを変換する。
合成分配部115は、信号を合成又は分配する。
一斉指令監視用復調部116は、一斉指令回線を用いて第2統制局設備10−2から制御所設備20に送信された一斉指令を復調する。
TPC部119は、送信電力を制御するTPC(Transmission Power Control)機能を有する。TPC部119は、通信衛星40からの受信電力を検出して、降雨減衰等の影響で受信電界強度の低下を検出した場合、その減衰を補償するように送信電力を制御する。
増設用機能部120は、第二筺体110−2に新たな機能部が増設される際に利用される。
中央一斉指令監視装置106は、統制局設備10全体を制御する。中央一斉指令監視装置106は、J−ALERT受信装置105によって受信されたJ−ALERTの内容を解析し、監視操作卓107及び監視端末108に解析結果を表示する。
融雪装置109は、ヒータである。融雪装置109は、アンテナ101の降雪を感知して雪を融かす。
第2統制局設備10−2の一斉指令監視用復調部116は、一斉指令回線を用いて第1統制局設備10−1から制御所設備20に送信された一斉指令を復調する。
第2統制局設備10−2の一斉指令監視用復調部117は、一斉指令回線を用いて第1統制局設備10−1から子局30に送信された一斉指令を復調する。
制御所設備20は、アンテナ201、ODU202、IDU203、監視端末204、衛星通信制御装置205、監視操作卓206及び融雪装置207を備える。
アンテナ201は、通信衛星40との間で通信を行う。アンテナ201には、融雪装置207による着雪防止機能が備えられている。
HPC2021は、送信対象のIP信号の周波数変換及び電力を増幅する。
LNC1022は、アンテナ201から入力されたRF信号を増幅及び周波数変換してIDU203に出力する。
合成分配部210は、信号を合成又は分配する。
CSC専用変復調部/CSC監視制御部211は、不図示の管制局との間で送受信される信号を変調又は復調する。
一斉受令変復調部213は、一斉指令回線を用いて第2統制局設備10−2から送信された情報を復調する。
データ伝送用アダプタ部215は、個別/IPデータ伝送用変復調部214で送受信されるパケットのプロトコル及びフォーマットを変換する。
監視操作卓206は、警報操作表示器、監視操作卓処理装置、モニタ及び電源部を備える。警報操作表示器は、監視操作卓処理装置で行われた操作に対する警報を表示する。監視操作卓処理装置は、PLCを用いて構成される。監視操作卓処理装置には、モニタが接続される。監視操作卓処理装置は、モニタを介して、入力された指示を衛星通信制御装置205に出力する。モニタは、例えば、タッチパネルである。モニタは、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける。電源部は、供給された電力を各機能部に供給する。
融雪装置207は、ヒータである。融雪装置207は、アンテナ201の降雪を感知して雪を融かす。
子局30は、アンテナ301、ODU302、IDU303、遠方監視制御装置5、及び融雪装置304を備える。
アンテナ301は、通信衛星40との間で通信を行う。アンテナ301には、シートレドームによる着雪防止機能が備えられている。
HPC3021は、送信対象のIP信号の周波数変換及び電力を増幅する。
LNC3022は、アンテナ301から入力されたRF信号を増幅及び周波数変換してIDU303に出力する。
合成分配部310は、信号を合成又は分配する。
CSC専用変復調部/CSC監視制御部311は、不図示の管制局との間で送受信される信号を変調又は復調する。
一斉受令変復調部312は、一斉指令回線を用いて第1統制局設備10−1から送信された一斉指令を復調する。
個別/IPデータ伝送用変復調部314は、個別/IPデータ伝送回線の信号を変調又は復調する。例えば、個別/IPデータ伝送用変復調部314は、電話連絡等用に利用される。
データ伝送用アダプタ315は、個別/IPデータ伝送用変復調部314で送受信されるパケットのプロトコル及びフォーマットを変換する。
融雪装置304は、ヒータである。融雪装置304は、アンテナ301の降雪を感知して雪を融かす。
放送制御盤62は、子局30によって制御されるとともに、監視のための機器情報を子局30に出力する。放送制御盤62は、出力装置64を制御する。出力装置64は、例えばスピーカ、集音マイク、サイレン集音マイク及び電光表示板などである。
J−ALERTを受信した第1統制局設備10−1は、閉鎖指示を含む一斉閉鎖指令を、通信衛星40を介して一斉指令回線60を利用して子局30に送信する(ステップS13)。この際、第1統制局設備10−1は、1系の下りの帯域を利用して子局30に一斉閉鎖指令を第一の変調速度(例えば、70ksps(symbol per second))で送信する。
以上のように、自動一斉閉鎖処理では、J−ALERTの受信を契機に全ての門扉6に対して閉鎖指示が送信される。
子局30は、第1統制局設備10−1または第2統制局設備10−2から、閉鎖指示を受信すると、受信した閉鎖指示を門扉6に対して送出する(ステップS108)。以上のように、個別閉鎖処理では、制御所設備20から要求がなされたことを契機に閉鎖の対象となる門扉6に対して閉鎖指示が送信される。
第1統制局設備10−1は、2系の下りの帯域である、一斉指令回線61及び一斉指令回線63を監視する。また、第2統制局設備10−2は、1系の下りの帯域である、一斉指令回線60及び一斉指令回線62を監視する。このように、本実施形態における衛星通信システム100では、第2統制局設備10−2が通信に利用する2系の下りの帯域が第1統制局設備10−1によって監視され、第1統制局設備10−1が通信に利用する1系の下りの帯域が第2統制局設備10−2によって監視される。また、本実施形態における衛星通信システム100では、図2に示すように、一斉指令回線が二重化されてどちらか一方が通信不能に陥った場合、現用と予備を切り替えるのではなく同一の情報を異なる方路を用いて閉鎖指示が送信される。
衛星通信システム100では、2系統の一斉指令回線で同じ門扉閉鎖制御情報を同時に制御所設備20から設置場所の異なる複数の統制局設備10へ送信され各統制局から子局30に対して送信される。また、制御応答を同時に子局30から設置場所の異なる複数の統制局設備10へ送信され各統制局設備10から制御局設備20に対して送信される。したがって、一方の系統又は統制局設備10に問題が発生した場合であっても、もう一方の系統により情報が子局30に伝送される。このように、制御所設備20及び子局30に対して一斉指令の情報が伝送される可能性を高めることができる。そのため、衛星通信におけるシステムの信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態における統制局設備10は、TPC機能を備えている。これにより、衛星通信で問題となる降雨の影響を抑制させることができる。
また、統制局設備10、制御所設備20のアンテナには融雪装置による着雪防止機構が備えられている。この機能によって、着雪による送受信の影響を抑えることができる。
また、第1統制局設備10−1と第2統制局設備10−2とを利用して一斉回線の切替制御を行わない完全二重化とすることによって、複雑な切替動作を必要とせずに情報伝達の冗長化が可能になる。また、複雑な切替動作を行わないため信頼性の高いシステムが構築できる。
子局30のアンテナ301には、融雪装置に代えてシートレドームによる着雪防止機能が備えられてもよい。この機能によって、着雪による送受信の影響を抑えることができるとともに、最多局数を構成する子局30において、鏡面全体をヒータで融雪する融雪機能と比べて最大電力消費を低減させることができる。
統制局設備10のODU102とIDU103とは一体の装置として構成されてもよい。制御所設備20のODU202とIDU203とは一体の装置として構成されてもよい。子局30のODU302とIDU303とは一体の装置として構成されてもよい。
図10から図15に示した画面は一例であり、図10から図15においてそれぞれ必要な情報が表示されていればどのような画面であってもよい。例えば、図11から図14の画面では、少なくとも各機能部のブロック図、監視項目一覧、制御項目一覧及び局別状態変化履歴の一部の情報が表示されていればよい。
Claims (10)
- 防災に関する緊急情報に基づいて、衛星を介して複数の門扉の開閉を制御する門扉制御システムにおいて、
防災に関する緊急情報を受信すると、門扉の閉鎖を指示する門扉閉鎖制御データを、衛星を介して送信する第1の統制局と、
衛星通信における天候による影響を軽減するために前記第1の統制局とは地理的に離れた場所に設置され、防災に関する緊急情報を受信すると、前記第1の統制局とは独立に、門扉の閉鎖を指示する門扉閉鎖制御データを、衛星を介して送信する第2の統制局と、
前記第1の統制局または前記第2の統制局から受信した前記門扉閉鎖制御データの内、先に受信した前記門扉閉鎖制御データに基づき、門扉の開閉制御を行う複数の子局と、
を備える門扉制御システム。 - 前記第1の統制局または前記第2の統制局から前記子局へ送信される前記門扉閉鎖制御データは、同期語フィールドと、制御用信号フィールドと、IPデータまたは音声データを格納するフィールドとを有し、
前記第1の統制局及び前記第2の統制局は、前記門扉の閉鎖を指示する制御データを、前記フィールドのうち、前記制御用信号フィールドに加えて、IPデータまたは音声データを格納するためのフィールドドも含む伝送帯域を使用して伝送する、請求項1に記載の門扉制御システム。 - 前記第1の統制局及び前記第2の統制局は、互いに他方の統制局が送信した送信信号を受信し、お互い他方の統制局の通信に異常が発生していないか否かを監視する、請求項1に記載の門扉制御システム。
- 前記第1の統制局及び前記第2の統制局は、自己の統制局から送信して前記衛星を介して受信された信号の受信電界強度を検出し、検出した前記受信電界強度に応じて前記門扉閉鎖制御データの送信時における送信電力を制御する、請求項1に記載の門扉制御システム。
- 前記第1の統制局及び前記第2の統制局は、自装置及び子局に関する監視対象が備える機能部毎の状態と、前記機能部の状態の変化の履歴とを、その状態を表す表示態様で表示する、請求項1に記載の門扉制御システム。
- 防災に関する緊急情報に基づいて、衛星を介して複数の門扉の開閉を制御する門扉制御システムにおける門扉制御データ送信方法であって、
第1の統制局が、防災に関する緊急情報を受信すると、門扉の閉鎖を指示する門扉閉鎖制御データを、衛星を介して送信し、
衛星通信における天候による影響を軽減するために前記第1の統制局とは地理的に離れた場所に設置された第2の統制局が、防災に関する緊急情報を受信すると、前記第1の統制局とは独立、門扉の閉鎖を指示する門扉閉鎖制御データを、衛星を介して送信し、
複数の子局が、前記第1の統制局または前記第2の統制局から受信した前記門扉閉鎖制御データの内、先に受信した前記門扉閉鎖制御データに基づき、門扉の開閉制御を行う衛星通信における門扉制御データ送信方法。 - 前記第1の統制局または前記第2の統制局から前記子局へ送信される前記門扉閉鎖制御データは、同期語フィールドと、制御用信号フィールドと、IPデータまたは音声データを格納するフィールドとを有し、
前記第1の統制局及び前記第2の統制局が、前記門扉の閉鎖を指示する制御データを、前記フィールドのうち、前記制御用信号フィールドに加えて、IPデータまたは音声データを格納するためのフィールドも含む伝送帯域を使用して伝送する、請求項6に記載の衛星通信における門扉制御データ送信方法。 - 前記第1の統制局及び前記第2の統制局が、互いに他方の統制局が送信した送信信号を受信し、お互い他方の統制局の通信に異常が発生していないか否かを監視する、請求項6に記載の衛星通信における門扉制御データ送信方法。
- 前記第1の統制局及び前記第2の統制局が、自己の統制局から送信して前記衛星を介して受信された信号の受信電界強度を検出し、検出した前記受信電界強度に応じて前記門扉閉鎖制御データの送信時における送信電力を制御する、請求項6に記載の衛星通信における門扉制御データ送信方法。
- 前記第1の統制局及び前記第2の統制局が、自装置及び子局に関する監視対象が備える機能部毎の状態と、前記機能部の状態の変化の履歴とを、その状態を表す表示態様で表示する、請求項6に記載の衛星通信における門扉制御データ送信方法。
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