JP6305296B2 - ゲル状食品組成物およびそれを用いたゲル状食品 - Google Patents
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すなわち、本発明は下記に掲げるに発明に関する。
(1) (A)成分が0.5〜3.0質量%、(B)成分が10〜60質量%、および(C)成分とを含有する咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品組成物。
(A)数平均繊維径が6nm以上10nm以下のセルロース繊維であって、セルロース
分子中の水酸基にカルボキシメチル基が導入されており、置換度が0.10以上0.25以下であり、I型及び/又はII型の結晶構造を有し、アスペクト比が140以上160以下であるセルロース繊維。
(B)食品成分。
(C)水。
(2) 上記(B)成分が、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、およびミネラルか
らなる群から選ばれる1種以上である(1)記載の咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品組成物。
(3) (1)または(2)に記載のゲル状食品組成物を用いてなる咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品。
(A)数平均繊維径が2nm以上500nm以下のセルロース繊維であって、セルロース分子中の水酸基に置換基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下であり、I型及び/又はII型の結晶構造を有し、アスペクト比が50以上であるセルロース繊維。
(B)食品成分。
(C)水。
アスペクト比=長幅の方の数平均幅(nm)/短幅の方の数平均幅(nm)
上記炭水化物としては、特に限定されないが、例えば、糖質、食物繊維などがあげられる。糖質としては、特に限定されないが、例えば、ショ糖、ブドウ糖、果糖、澱粉、澱粉分解物、乳糖、マルトースなどの糖類があげられる。食物繊維としては、特に限定されないが、例えば、難消化性デキストリン、イヌリン、ポリデキストロース、セルロースなどの糖類があげられる。これらは1種または2種以上使用することができる。
上記脂質としては、特に限定されないが、例えば、食用油脂などがあげられる。食用油脂としては、特に限定されないが、例えば、コーン油、大豆油、ナタネ油、ヤシ油、ひまわり油、オリーブ油、牛脂、豚脂、MCT、エステル交換油などがあげられる。これらは1種または2種以上使用することができる。
上記タンパク質としては、特に限定されないが、例えば、乳タンパク質、動物性タンパク質、植物性タンパク質などがあげられる。乳タンパク質としては、特に限定されないが、例えば、脱脂粉乳、全粉乳、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム、乳清タンパクなどがあげられる。動物性タンパク質としては、特に限定されないが、例えば、ゼラチンや卵蛋白などがあげられる。植物性タンパク質としては、特に限定されないが、例えば、大豆タンパクなどがあげられる。これらは1種または2種以上使用することができる。
上記ビタミンとしては、特に限定されないが、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンなどがあげられる。これらは1種または2種以上使用することができる。
上記ミネラルとしては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などがあげられる。これらは1種または2種以上使用することができる。さらに微量元素として、亜鉛、銅、マンガン、セレン、ヨウ素、クロム、モリブデンなどを組み合わせて使用することもできる。
撹拌機に、パルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で18g加え、パルプ固形分濃度が15%になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後に70℃まで昇温し、モノクロロ酢酸ナトリウムを23g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりの置換度0.01のアニオン変性されたセルロースを得た。その後、アニオン変性したパルプに水を添加して固形分濃度5%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で5回処理し、数平均繊維径74nm、アスペクト比67で、結晶構造を有するセルロース繊維1の分散液を得た。
水酸化ナトリウムを176g、モノクロロ酢酸ナトリウムを234g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維2の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.10であり、数平均繊維径は10nm、アスペクト比140で、結晶構造を有していた。
水酸化ナトリウムを308g、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維3の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.25であり、数平均繊維径は6nm、アスペクト比160で、結晶構造を有していた。
水酸化ナトリウムを9g、モノクロロ酢酸ナトリウムを12g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維4の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.005であり、数平均繊維径は620nm、アスペクト比18で、結晶構造を有していた。
水酸化ナトリウムを476g、モノクロロ酢酸ナトリウムを632g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維5の分散液を得た。なお、得られたセルロースのグルコース単位当たりの置換度は0.6であり、数平均繊維径は測定できず、結晶構造はみられなかった。
水酸化ナトリウムを308g、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)、高圧ホモジナイザーによる処理を20回に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維6の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.25であり、数平均繊維径は測定できず、結晶構造はみられなかった。
撹拌機に、パルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で308g加え、パルプ固形分濃度が15%になるように水を加えた。その後、70℃で9時間攪拌した後に、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりの置換度0.28のアニオン変性されたセルロースを得た。その後、アニオン変性したパルプに水を添加して固形分濃度5%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で5回処理し、セルロース繊維7の分散液を得た。数平均繊維径は測定できず、結晶構造はみられなかった。
製造例2、3と同様にカルボキシメチル化反応を行い、反応終了後に、中和、脱液、乾燥、粉砕して調製した。セルロースのグルコース単位当たりの置換度はCMC1が0.1、CMC2が、0.25であった。
セルロース繊維を0.6質量%スラリーに調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.4とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量からカルボキシル基量を測定し、下式を用いて算出した。ここで言う置換度とは、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数の平均値を表している。
カルボキシメチル置換度=(162×C)/(1−58×C)
C:カルボキシル基量(mol/g)
セルロース繊維に水を加えて2質量%のスラリーとして、ディスパー型ミキサーを用いて回転数8,000rpmで10分間微細化処理を行った。各セルロース繊維の最大繊維径および数平均繊維径を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子社製、JEM−1400)を用いて観察した。すなわち、各セルロース繊維を親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、先に述べた方法に従い、数平均繊維径を算出した。
X線回折装置(リガク社製、RINT−Ultima3)を用いて広角X線回折像を測定し、各セルロース繊維の回折プロファイルにセルロースI型またはII型に典型的なX線回折パターン(I型:回折角2θ=12.1°、19.8°、22.0°、II型:回折角2θ=12.1°、19.8°、22.0°)がみられる場合は結晶構造を有すると判断した。
セルロースを親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、セルロースの短幅の方の数平均幅、長幅の方の数平均幅を観察した。すなわち、各先に述べた方法に従い、短幅の方の数平均幅、および長幅の方の数平均幅を算出し、これらの値を用いてアスペクト比を前述の式に従い算出した。
つぎに、上記で得たセルロース繊維の水分散液を用いて、表1に示す各成分を同表に示す割合で配合した。なお、セルロース繊維は、セルロース繊維の水分散液中のセルロース繊維の量であり、残部の水添加に際しては、セルロース繊維水分散液中の水の量を考慮した。つぎに、この配合物をホモミキサーで攪拌し、容器に充填、85℃で30分間の加熱殺菌した後、水冷することで、ゲル状食品を得た。
ゲル状食品を目視で観察し、以下の判定基準に従って判定した。
○:均一である
×:分離している
舌でゲルをつぶした際の感覚について、「つぶしやすい」、「ややつぶしにくい」、「つぶしにくい」のいずれかで回答させ、つぶしやすいと答えた人の人数で評価した。
○:8人以上
△:5〜7人
×:4人以下
ゲルを口に含んだ際の感覚について、「べたつかない」、「ややべたつく」、「べたつく」のいずれかで回答させ、べたつかないと答えた人の人数で評価した。
○:8人以上
△:5〜7人
×:4人以下
Claims (3)
-
(A)成分が0.5〜3.0質量%、(B)成分が10〜60質量%、および(C)成分とを含有する咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品組成物。
(A)数平均繊維径が6nm以上10nm以下のセルロース繊維であって、セルロース
分子中の水酸基にカルボキシメチル基が導入されており、置換度が0.10以上0.25以下であり、I型及び/又はII型の結晶構造を有し、アスペクト比が140以上160以下であるセルロース繊維。
(B)食品成分。
(C)水。 - 上記(B)成分が、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、およびミネラルからなる
群から選ばれる1種以上である請求項1記載の咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品組成物。 - 請求項1または2に記載のゲル状食品組成物を用いてなる咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品。
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JP2014193394A JP6305296B2 (ja) | 2014-09-24 | 2014-09-24 | ゲル状食品組成物およびそれを用いたゲル状食品 |
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JP2014193394A JP6305296B2 (ja) | 2014-09-24 | 2014-09-24 | ゲル状食品組成物およびそれを用いたゲル状食品 |
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-
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