JP6304224B2 - 小型アンテナ及び計算装置 - Google Patents
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Description
線路(26)と広い導体(73)からなる第1の素子(72)と、誘電体を挟んで前記第1の素子の線路部に対向して配置され、線路からなる導体である第2の素子(75)とを備え、前記第1の素子(72)の線路と広い導体の接続部と第2の素子(75)の端部に、給電点がある小型アンテナであって、
前記第1の素子(23または72)と前記第2の素子(24または75)の線路の一部が、三箇所以上の曲げ構造のインダクタンス形状(34、40)、または、らせん構造のインダクタンス形状(41)になっており、
前記第1の素子(23または72)に流れる電流方向と前記第2の素子(24または75)に流れる電流方向が同一方向の共振モードAの共振周波数Fa0と、前記第1の素子(23または72)に流れる電流方向と前記第2の素子(24または75)に流れる電流方向が逆方向の共振モードBの共振周波数Fb0との関係を、
共振モードAの共振周波数Fa0が、共振モードBの共振周波数Fb0のわずかに上から共振モードBの高い反共振周波数Fbruまでの範囲か、共振モードBの共振周波数Fb0のわずかに下から共振モードBの低い反共振周波数Fbrdまでの範囲に入るように、給電点からインダクタンス形状までの長さ(Lm+S)が設定されている。
λb=C/Fb0 (2)
但し、Cは光速である。
λa=Ca1*(Lm+S)+Ca0 (3)
λb=Cb1*(Lm+S)+Cb0 (4)
Fa0=C/λa (5)
Fb0=C/λb (6)
但し、Ca1は直線Q1の傾き(λaの比例定数)、Ca0は直線Q1の切片(λaの定数)、Cb1は直線Q2の傾き(λbの比例定数)、Cb0は直線Q2の切片(λbの定数)である。
図13は、共振モードAのインピーダンスZaをスミスチャート上にプロットしたイメージ図である。この図13において、Fa0は、共振モードAの共振周波数であり、リアクタンス値が0、抵抗値がRaとなっている。Fardは、共振モードAの低い反共振周波数であり、リアクタンス値が−∞となっている。Fardの周波数値は、無限小の周波数値であるが、下記計算式においては、1/Fardを計算するために、Fa0よりも十分小さい値、本実施形態では、例えば1MHzを用いている。
Faruは、共振モードAの高い反共振周波数であり、リアクタンス値が∞となっている。Faruの周波数値は、ほぼFa0の周波数値の2倍となる。
図13から、共振モードAのインピーダンスZaは、下記式で計算できる。
Za=Ra+jXa (10)
Raは、共振モードAの共振抵抗値(Ω)
Xaは、共振モードAのリアクタンス値(Ω)
jは虚数
Fard<F≦Fa0において、次の3式が成り立つ。
Kad=((Fa0(1−Δad)/Fard)2−1)/(1−Δad)2) (12)
Δad=(Fa0−Fad)/Fa0 (13)
Fはインピーダンスを求める周波数
Fardは共振モードAの低い反共振周波数 、リアクタンスは−∞
Fa0は共振モードAの共振周波数(MHz)、リアクタンスは0
Fadは共振モードAのリアクタンスが−1となる周波数
Kadは共振モードAの下の比例定数
Δadは共振モードAのリアクタンスが−1から0に変化する周波数比率
また、Fa0≦F<Faruにおいて、次の3式が成り立つ。
Kau=((Fa0(1+Δau)/Faru)2−1)/(1+Δau)2) (15)
Δau=(Fau−Fa0)/Fa0 (16)
Fはインピーダンスを求める周波数
Faruは共振モードAの高い反共振周波数 、リアクタンスは∞
Fauは共振モードAのリアクタンスが1となる周波数
Kauは共振モードAの上の比例定数
Δauは共振モードAのリアクタンスが0から1に変化する周波数比率
また、図14は、共振モードBのインピーダンスZbをスミスチャート上にプロットしたイメージ図である。この図14において、Fb0は、共振モードBの共振周波数であり、リアクタンス値が0、抵抗値がRbとなっている。Fbrdは、共振モードBの低い反共振周波数であり、リアクタンス値が−∞となっている。Fbrdの周波数値は、図4に示す短絡素子5が有る構成の場合、ほぼFb0/2となり、短絡素子5が無い構成の場合、無限小の周波数値であるが、下記計算式では、1/Fbrdを計算するために、Fb0 よりも十分小さい値、本実施形態では、例えば1MHzを用いている。
Fbrd =Fb0/2 (8a)
短絡素子5が無い構成の場合
Fbrd =1(MHz) (9a)
短絡素子5がなく、Fb03が共振モードBの3倍の高調波の共振周波数である場合、
Fbrd =2Fb03/3 (9c)
また、Fbruは、共振モードBの高い反共振周波数であり、リアクタンス値が∞となっている。Fbruの周波数値は、図4に示す短絡素子5が有る構成の場合、ほぼ3Fb0/2の周波数値となり、短絡素子5が無い構成の場合、ほぼ2Fb0の周波数値となる。
Fbru =3Fb0/2 (8b)
短絡素子5が無い構成の場合、
Fbru =2Fb0 (9b)
短絡素子5がなく、Fb03が共振モードBの3倍の高調波の共振周波数である場合、
Fbru =4Fb03/3 (9d)
次に、図14から、共振モードBのインピーダンスZbは、下記式で計算できることがわかる。
Rbは、共振モードBの共振抵抗値(Ω)
Xbは、共振モードBのリアクタンス値(Ω)
jは虚数
Fbrd<F≦Fb0において、次の3式が成り立つ。
Kbd=((Fb0(1−Δbd)/Fbrd)2−1)/(1−(1−Δbd)2) (19)
Δbd=(Fb0−Fbd)/Fb0 (20)
Fはインピーダンスを求める周波数
Fbrdは共振モードBの低い反共振周波数 、リアクタンスは−∞
Fb0は共振モードBの共振周波数(MHz)、リアクタンスは0
Fbdは共振モードBのリアクタンスが−1となる周波数
Kbdは共振モードBの下の比例定数
Δbdは共振モードBのリアクタンスが−1から0に変化する周波数比率
また、Fb0≦F<Fbruにおいて、次の3式が成り立つ。
Kbu=(1−(Fb0(1+Δbu)/Fbru)2)/(1−(1+Δbu)2) (22)
Δbu=(Fbu−Fb0)/Fb0 (23)
Fはインピーダンスを求める周波数
Fbruは共振モードBの高い反共振周波数 、リアクタンスは∞
Fbuは共振モードBのリアクタンスが1となる周波数
Kbuは共振モードBの上の比例定数
Δbuは共振モードBのリアクタンスが0から1に変化する周波数比率
そして、共振モードA、BのアドミッタンスYa、Ybは、下記式で計算できる。
Yb=1/Zb=1/(Rb+jXb) (25)
また、共振モードA、Bの合成されたアドミッタンスYab、反射係数Γab、リターンロスRLabは、下記式で計算できる。
=(Ra−jXa)/(Ra2+Xa2)+(Rb−jXb)
/(Rb2+Xb2)
=Ra/(Ra2+Xa2)+Rb/(Rb2+Xb2)
−j(Xa/(Ra2+Xa2)+Xb/(Rb2+Xb2))
=Gab+jBab (26)
Γab=(Y0−Yab)/(Y0+Yab) (27)
RLab=20Log(|Γab|) (28)
Y0は、規格化アドッミタンス(1/Ω)、通常は、1/50
|Γab|は、Γabの絶対値
Gabは共振モードA、Bの合成コンダクタンス
Babは共振モードA、Bの合成サセプタンス
次に、上記式(26)を計算するために必要な各定数の求め方について説明する。
Δa =(Δau+Δad)/2 (29)
従って、KadとKauは、下記式のようになる。
Kau=(1−(Fa0(1+Δa)/Faru)2)/(1-(1+Δa)2) (31)
ここで、Δa≪1であることから、
Kad=((Fa0/Fard)2−1)/2/Δa (32)
Kau=(1−(Fa0/Faru)2)/2/(−Δa) (33)
同様にして、ΔbdとΔbuは、原理上ほぼ同じ値になることから、下記式のように平均値Δbを計算して用いる。
従って、KbdとKbuは、下記式のようになる。
Kbd=((Fb0(1−Δb)/Fbrd)2−1)/(1-(1-Δb)2) (35)
Kbu=(1−(Fa0(1+Δb)/Fbru)2)/(1-(1+Δb)2) (36)
ここで、Δb≪1であることから、
Kbd=((Fb0/Fbrd)2−1)/2/Δb (37)
Kbu=(1−(Fb0/Fbru)2)/2/(−Δb) (38)
図15は、図4に示すアンテナにおいて、パラメータのSを6.2mm、Lmを29mmに設定した構成において、インピーダンスのシミュレーション結果に、各周波数のポイントを併記した図である。尚、図15において、Rabは、2つの共振モードA、Bの共振抵抗値(Ω)である。また、図16には、シミュレーション結果より求めたの値及び共振抵抗の値と、上記した計算式により算出した各定数Δa、Δbの算出結果とを表にして示す。
まず、図15示す共振モードAの共振抵抗Raと、共振モードBの共振抵抗Rbと、2つの共振モードの共振抵抗Rabとの間には、次の2つの関係式が成り立つ。
Rab<Rb (40)
これら式(39)、(40)において、抵抗値を逆数にすると、
1/Rab>1/Ra (41)
1/Rab>1/Rb (42)
となる。そして、1/Rabは、下記のようにして求められる。
Ra/(Ra2+Xa2)+Rb/(Rb2+Xb2)=Gab=1/Rab
となることから、
1/Rab=Ra/(Ra2+Xa2)+Rb/(Rb2+Xb2) (43)
が得られる。よって、
Ra/(Ra2+Xa2)+Rb/(Rb2+Xb2)>1/Ra (44)
Ra/(Ra2+Xa2)+Rb/(Rb2+Xb2)>1/Rb (45)
となる。(44)式の両辺にRa(Ra2+Xa2)をかけると、
RaRb(Ra2+Xa2)/(Rb2+Xb2)>Xa2 (46)
RaRb(Ra2+Xa2)/Xa2>(Rb2+Xb2) (47)
同様にして、(45)式の両辺にRa(Ra2+Xa2)をかけると、
RaRb(Rb2+Xb2)/Xb2>(Ra2+Xa2) (48)
となる。(47)式と(48)式を掛け合わせると、
Ra2Rb2/Xa2/Xb2>1 (49)
Ra2Rb2>Xa2Xb2 (50)
RaRb>XaXb (51)
となる。(14)式、(18)式を代入すると、
RaRb>│Kau(1−(F/Fa0)2)/(1−(F/Faru)2)│・
│Kbd(1−(F/Fb0)2)/(1−(F/Fbrd)2)│ (52)
となる。
F=Fa0(1+Δf)=Fb0(1−Δf) (53)
Δf=(Fb0−Fa0)/(Fa0+Fb0) (54)
(53)式を(52)式に代入し、劣化領域の範囲では、Δf≪1となっていることから、
RaRb>│Kau・2(−Δf)/(1−(F/Faru)2)│・
│Kbd・2Δf/(1−(Fb0/Fbrd)2)│ (55)
(55)式に(33)式、(37)式を代入すると、
RaRb>Δf2/Δa/Δb (56)
Δf2<RaRbΔaΔb (57)
−Δfm<Δf<Δfm (58)
ここで、Δfmは劣化範囲境界の周波数比であり、次の式が成り立つ。
(53)式より
Fa0/Fb0=(1−Δf)/(1+Δf) (60)
(58)式、(59)式、(60)式より、前記劣化領域の範囲は、
(1−Δfm)/(1+Δfm)<Fa0/Fb0 (61)
あるいは、
Fa0/Fb0<(1+Δfm)/(1−Δfm) (62)
となる。ここまでで、前記劣化領域の範囲を決定する算出方法を説明した。
あるいは、
Fa0/Fb0>(1+Δfm)/(1−Δfm) (64)
となる。ここで、(63)式、(64)式中のFb0を移項すると、
((1−Δfm)/(1+Δfm))Fb0>Fa0 (65)
あるいは、
Fa0>((1+Δfm)/(1−Δfm))Fb0 (66)
となる。ここで、(65)式、(66)式中のΔfmの項を移項すると、
((1+Δfm)/(1−Δfm))Fa0<Fb0 (67)
あるいは、
Fb0<((1−Δfm)/(1+Δfm))Fa0 (68)
となる。
次に、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態の変形折り返しダイポールアンテナ21は、図1に示す構造を有する。この変形折り返しダイポールアンテナ21は、誘電体からなる平板状の基板22(図1(b)参照)の一方の面に導体パターン(即ち、線路からなる導体)で形成された第1の素子23と、基板2の他方の面に導体パターン(即ち、線路からなる導体)で形成された第2の素子24と、第1の素子23と第2の素子24を短絡する短絡素子70とを備える。基板22は、誘電体材料、例えばガラスエポキシ製の基板である。尚、基板22(誘電体)の厚さをt、基板22(誘電体)の比誘電率をε、基板22(誘電体)の誘電体損をtanδとする。
図2において、曲線D3は、共振モードBの低い反共振周波数Fbrdを示し、曲線D4は、共振モードBの高い反共振周波数Fbruを示す。これらFbrd及びFbruは、(8a)式、(8b)式から求めた。
Fbru>Fa0>((1+Δfm)/(1−Δfm))Fb0 (69)
あるいは、
Fbrd<Fa0<((1−Δfm)/(1+Δfm))Fb0 (70)
の領域である。
図21は、本発明の第2実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第2実施形態の変形折り返しダイポールアンテナ21の具体的構成は、第1実施形態と同じである。第1実施形態では、リターンロスの改善領域と劣化領域を決定するに際して、共振モードBの低い反共振周波数Fbrdと高い反共振周波数Fbruに基づいて計算するように構成したが、第2実施形態では、共振モードAの低い反共振周波数Fardと高い反共振周波数Faruに基づいて計算するように構成した。以下、第2実施形態について、具体的に説明する。
Faru>Fb0>((1+Δfm)/(1−Δfm))Fa0 (71)
あるいは、
Fard<Fb0<((1−Δfm)/(1+Δfm))Fa0 (72)
の領域である。
図22、図23は、本発明の第3実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第3実施形態では、第1の素子72は、第1L字部26と、広い導体73とを備えている。広い導体73は、例えば高周波回路のグランドで構成されている。第1L字部26の短辺部29の先端部と、広い導体73との接続点が入力端子74となっている。
λb=C/Fb0 (2)
但し、Cは光速である。
λa=Ca11*(Lm+S)+Ca01 (3−1)
λb=Cb11*(Lm+S)+Cb01 (4−1)
Fa0=C/λa (5)
Fb0=C/λb (6)
但し、Ca11は直線Q11の傾き(λaの比例定数)、Ca0は直線Q11の切片(λaの定数)、Cb11は直線Q21の傾き(λbの比例定数)、Cb01は直線Q21の切片(λbの定数)である。
図23において、曲線D32は、共振モードBの低い反共振周波数Fbrdを示し、曲線D42は、共振モードBの高い反共振周波数Fbruを示す。これらFbrd及びFbruは、(8a)式、(8b)式から求めた。
Fbru>Fa0>((1+Δfm)/(1−Δfm))Fb0 (69)
あるいは、
Fbrd<Fa0<((1−Δfm)/(1+Δfm))Fb0 (70)
の領域である。
図26は、本発明の第4実施形態を示すものである。尚、第3実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第4実施形態の小型モノポールアンテナの具体的構成は、第3実施形態と同じである。第3実施形態では、リターンロスの改善領域と劣化領域を決定するに際して、共振モードBの低い反共振周波数Fbrdと高い反共振周波数Fbruに基づいて計算するように構成したが、第4実施形態では、共振モードAの低い反共振周波数Fardと高い反共振周波数Faruに基づいて計算するように構成した。以下、第4実施形態について、具体的に説明する。
Faru>Fb0>((1+Δfm)/(1−Δfm))Fa0 (71)
あるいは、
Fard<Fb0<((1−Δfm)/(1+Δfm))Fa0 (72)
の領域である。
図27ないし図30は、本発明の第5実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第5実施形態では、短絡素子70を設けないように構成した(即ち、第1の素子23と第2の素子24の間を絶縁するように構成した)。更に、第1の素子23の線路の一部、例えばL字部26、27の短辺部29、31の線路幅W1を他の部分の線路幅より広くするように構成した。
Ra=0.33
Δa=0.029
Rb=0.38
Δb=0.045
これらのを(59)式に代入すると、
Δfm=0.013 (73)
が得られる。
図28は、図27に示す構成のアンテナについて、誘電体の比誘電率εを4.9、誘電体の誘電体損tanδを0.025と設定した条件でシミュレーションした結果のリターンロスを示す。図28の横軸は周波数を示し、縦軸はリターンロスを示す。図28において、実線G1は、線路幅W1を20mmに設定したもののリターンロスを示す。破線G2は、線路幅W1を0.2mmに設定したもののリターンロスを示す。また、Fb03は、共振モードBの3倍の高調波の共振周波数である。
図28のグラフG1(即ち、W1=20mm)から、共振モードAの共振周波数Fa0、共振モードBの3倍の高調波の共振周波数Fb03の各値を求め、(7b)式、(9c)式に代入すると、
Fa0=1470MHz
Fb03=2157MHz
Faru=2Fa0=2940MHz
Fbrd=2Fb03/3=1438MHz
となる。(74)式の値を用いて、(70)式、(71)式を確認すると、下記のように満足することがわかる。
<1661=((1−Δfm)/(1+Δfm))Fb03 (70)
Faru=2940>2157=Fb03
>1909=((1+Δfm)/(1−Δfm))Fa0 (71)
次に、線路幅W1を更に広くして例えば29mmに設定した構成のアンテナについて、シミュレーションした結果のインピーダンスチャート及びリターンロスの変化を、図29及び図30に示す。
図31ないし図33は、本発明の第6実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第6実施形態では、インダクタンス形状34、40の代わりに、線路の一部を方形のらせん構造からなるインダクタンス形状を用いた。そして、第6実施形態では、短絡素子70を設けないように構成(即ち、第1の素子23と第2の素子24の間を絶縁するように構成)した。以下、第6実施形態について、具体的に説明する。
図32の実線Y1(即ち、W2=W4=5mm)のグラフから、共振モードAの共振周波数Fa0、共振モードBの3倍の高調波の共振周波数Fb03の各値を求め、(7b)式、(9c)式に代入すると、
Fa0=1053MHz
Fb03=1479MHz
Faru=2Fa0=2106MHz
Fbrd=2Fb03/3=986MHz
となる。(74)式の値を用いて、(70)式、(71)式を確認すると、下記のように満足することがわかる。
<1139=((1−Δfm)/(1+Δfm))Fb03 (70)
Faru=2106>1479=Fb03
>1368=((1+Δfm)/(1−Δfm))Fa0 (71)
尚、第2の素子24の一部、例えば連結辺部38の線路幅W2及び対向辺部36、37の線路幅W4としては、前述したように、リターンロスの性能改善面から線路幅に最適値があると共に、他の線路と重なってしまうという物理的な上限値もある。
図33及び図34は、本発明の第7実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第7実施形態では、第1の素子23と第2の素子24とを短絡する短絡素子70を設けると共に、第1の素子23及び第2の素子24のうちのインダクタンス形状34、40以外の線路部に折れ曲がった部分がないように構成した。以下、第7実施形態について、具体的に説明する。
図34の曲線Z1(即ち、W1=2mm)のグラフから、共振モードAの共振周波数Fa0、共振モードBの共振周波数Fb0を求め、(7a)式、(8b)式に代入すると、
Fa0=2970MHz
Fb0=2266MHz
Fard=1MHz
Fbru=3Fb0/2=3399MHz
となる。(74)式の値を用いて、(69)式、(72)式を確認すると、下記のように満足することがわかる。
>1745=((1−Δfm)/(1+Δfm))Fb0 (69)
Fard=1<2266=Fb0
<3858=((1+Δfm)/(1−Δfm))Fa0 (72)
尚、上述した以外の第7実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第7実施形態においても、第1実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
図35は、本発明の第8実施形態を示すものである。尚、第5実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第8実施形態では、第5実施形態の変形折り返しダイポールアンテナ21を、高周波回路49を実装したプリント配線基板50に設けた。具体的には、図35(a)に示すように、プリント配線基板50の一方の面に第1実施形態の第1の素子23を形成し、図35(b)に示すように、プリント配線基板50の他方の面に第1実施形態の第2の素子24を形成した。そして、プリント配線基板50が誘電体の機能を有するように構成した。
図36は、本発明の第9実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第9実施形態では、内側突き出し部33を、二等辺三角形状となるように形成した。第9実施形態では、内側突き出し部33の形状が第1実施形態と相違するのみであり、内側突き出し部33の数、位置、大きさは、第1実施形態の内側突き出し部33と同じである。また、線路幅φiも、第1実施形態の内側突き出し部33と同じである。内側突き出し部33が二等辺三角形状である場合も、先端が点であることから、先端部の幅は基部の長さWiよりも短く、また、先端へ向かうほど連続的に幅が狭くなる。そのため、図36に示すように、内側突き出し部33を二等辺三角形状としても、内側突き出し部33を連続して形成することができる。よって、狭い範囲に多くの内側突き出し部33を形成することができるので、アンテナを特に小型化することができる。
図37は、本発明の第10実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第10実施形態では、図37に示すように、内側突き出し部33の両端を接続する両端接続部54をさらに備えた。両端接続部54は、半楕円形状の内側突き出し部33の一方の端と他方の端とを接続している。第10実施形態の両端接続部54は、半楕円形状であり、内側突き出し部33とは異なり、外側に突き出している。両端接続部54の高さは図37に示すようにL2である。第10実施形態では、インダクタンス形状34、40は、楕円形状(内側突き出し部33+両端接続部54)を1個以上並べた形状となっている。
図38は、本発明の第11実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第11実施形態では、内側突き出し部33は、2つの直角折れ曲がり点を持つ直角折れ曲がり形状である。内側突き出し部33の高さHi及び線路幅φiはこれまでの第1実施形態の内側突き出し部33と同じである。また、繰り返し単位の幅が第1実施形態の内側突き出し部33の幅Wiと同じになっている。この内側突き出し部33の個数、位置も、第1実施形態と同じである。第11実施形態では、インダクタンス形状は、方形状を1個以上並べた形状となっている。
図39は、本発明の第12実施形態を示すものである。尚、第10実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第12実施形態では、図39に示すように、両端接続部55は、内側突き出し部13の一方の端と他方の端とを接続しており、また、形状は半楕円形状である。第10実施形態(図37参照)とは異なり、第12実施形態の両端接続部55は、内側突き出し部33と同様に、内側に突き出している。突き出している方向は第5実施形態の両端接続部54と相違するが、両端接続部55の高さは、図39に示すように、第10実施形態の両端接続部54と同様、L2である。
図40は、本発明の第13実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第13実施形態では、図40に示すように、内側突き出し部33は直角三角形状である。内側突き出し部33の形状が第1実施形態と相違するのみであり、内側突き出し部33の数、位置、大きさは、第1実施形態と同じである。内側突き出し部33が直角三角形状である場合も、先端が点であることから、先端部の幅は基部の長さWiよりも短く、また、先端へ向かうほど連続的に幅が狭くなる。そのため、内側突き出し部33を直角三角形状としても、内側突き出し部33を連続して形成することができる。よって、狭い範囲に多くの内側突き出し部33を形成することができるので、アンテナを特に小型化することができる。
図41は、本発明の第14実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第14実施形態では、図41に示すように、内側突き出し部33はステップ形状である。内側突き出し部33の高さHi、線路幅φi、繰り返し単位の幅Wiは、第1実施形態の内側突き出し部3と同じである。この内側突き出し部33の数、位置は第1実施形態と同じである。
図42は、本発明の第15実施形態を示すものである。尚、第6実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第15実施形態では、図42に示すように、線路幅φiの導体パターンで楕円形のらせん構造60を形成し、形成した楕円形のらせん構造60でインダクタンス形状41を構成した。この構成の場合、楕円形のらせん構造60の導体パターンの線路幅をφi、楕円形のらせん構造60の巻数をNr、楕円形のらせん構造60のギャップをGr、楕円形のらせん構造60の幅をWr、楕円形のらせん構造60の高さをHrとしている。
図43は、本発明の第16実施形態を示すものである。尚、第15実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第16実施形態では、図43に示すように、線路幅φiの導体パターンで円形のらせん構造61を形成し、形成した円形のらせん構造61でインダクタンス形状41を構成した。この構成の場合、円形のらせん構造61の導体パターンの線路幅をφi、円形のらせん構造61の巻数をNr、円形のらせん構造61のギャップをGr、円形のらせん構造61の幅をWr、円形のらせん構造61の高さをHrとしている。
図44は、本発明の第17実施形態を示すものである。尚、第1実施形態または第6実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第1実施形態においては、第1の素子23の第1L字部26及び第2L字部27の長辺部28、30に同じ形状のインダクタンス形状34、34を設けたが、これに限られるものではなく、異なる形状のインダクタンス形状を設けても良い。例えば、第17実施形態では、図44に示すように、第1の素子23の第1L字部26の長辺部28に内側突き出し部33からなるインダクタンス形状34を設け、第1の素子23の第2L字部27の長辺部30に方形らせん構造42からなるインダクタンス形状41を設けた。そして、図示はしないが、第2の素子24においても、第1の素子23と同様に、第1L字部26に対応する対向辺部36に内側突き出し部33からなるインダクタンス形状34を設け、第2L字部27に対応する対向辺部37に方形らせん構造42からなるインダクタンス形状41を設けた。
図45は、本発明の第18実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第1実施形態においては、第1の素子23の第1L字部26及び第2L字部27の長辺部28、30に同形状且つ同個数の内側突き出し部33からなるインダクタンス形状34、34を設けたが、これに限られるものではなく、内側突き出し部33の個数が異なるインダクタンス形状を設けても良い。例えば、第18実施形態では、図45に示すように、第1の素子23の第1L字部26の長辺部28に例えば8個の内側突き出し部33を形成し、第1の素子23の第2L字部27の長辺部30に例えば6個の内側突き出し部33を形成した。そして、図示はしないが、第2の素子24においても、第1の素子23と同様に、第1L字部26に対応する対向辺部36に例えば8個の内側突き出し部33を形成し、第2L字部27に対応する対向辺部37に例えば6個の内側突き出し部33を形成した。
図46ないし図49は、本発明の第19実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第19実施形態においては、共振モードA、Bの共振周波数Fa0、Fb0を入力し、各周波数Fにおける前記した変形折り返しダイポールアンテナのアドミッタンス値Yab(即ち、(26)式)、反射係数Γab(即ち、(27)式)、リターンロスRLab(即ち、(28)式)、インピーダンス値Zab=1/Yabを計算するアンテナ設計用の計算装置及び計算プログラムの一例を示す。
図50ないし図53は、本発明の第20実施形態を示すものである。尚、第19実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第20実施形態においては、共振モードA、Bの共振周波数Fa0、Fb0のうちの1つの共振周波数F1を入力し、アンテナ形状を変化させたときのもう1つの共振周波数F2a、F2bとインダクタンス形状までの長さ(Lm+S)a、(Lm+S)bを計算する。この第20実施形態において、アンテナ形状を変化させるに際しては、インダクタンス形状34の内側突き出し部33の個数Niを変化させることにした。
次に、上記した構成のアンテナ設計用の計算装置81による計算処理について、図51を参照して説明する。図51のフローチャートは、計算部84の計算プログラムの制御内容を示す。この計算処理においては、内側突き出し部33の個数Niを1から最大個数(Nmax)まで変化させながら、もう1つの共振周波数F2a、F2bと、インダクタンス形状までの長さ(Lm+S)a、(Lm+S)bを計算する。
(Lm+S)a=(λ1−Ca0(Ni))/Ca1(Ni)
λ2b=Cb1(Ni)・(Lm+S)a+Cb0(Ni)
F2b=C/λ2b
(Lm+S)b=(λ1−Cb0(Ni))/Cb1(Ni)
λ2a=Ca1(Ni)・(Lm+S)b+Ca0(Ni)
F2a=C/λ2a
によってF2a、F2b、(Lm+S)a、(Lm+S)bを計算する。尚、Cは光速である。
Claims (30)
- 線路からなる一対の導体からなり、当該一対の導体の各々における片方の端部が給電点(32)である第1の素子(23)と、誘電体を挟んで前記第1の素子(23)に対向して配置され、線路からなる導体である第2の素子(24)とを備えた小型アンテナ、あるいは、
線路(26)と広い導体(73)からなる第1の素子(72)と、誘電体を挟んで前記第1の素子の線路部に対向して配置され、線路からなる導体である第2の素子(75)とを備え、前記第1の素子(72)の線路と広い導体の接続部と第2の素子(75)の端部に、給電点がある小型アンテナであって、
前記第1の素子(23または72)と前記第2の素子(24または75)の線路の一部が、三箇所以上の曲げ構造のインダクタンス形状(34、40)、または、らせん構造のインダクタンス形状(41)になっており、
前記第1の素子(23または72)に流れる電流方向と前記第2の素子(24または75)に流れる電流方向が同一方向の共振モードAの共振周波数Fa0と、前記第1の素子(23または72)に流れる電流方向と前記第2の素子(24または75)に流れる電流方向が逆方向の共振モードBの共振周波数Fb0との関係を、
共振モードAの共振周波数Fa0が、共振モードBの共振周波数Fb0のわずかに上から共振モードBの高い反共振周波数Fbruまでの範囲か、共振モードBの共振周波数Fb0のわずかに下から共振モードBの低い反共振周波数Fbrdまでの範囲に入るように、給電点からインダクタンス形状までの長さ(Lm+S)が設定されている小型アンテナ。 - 共振モードBの共振周波数Fb0が、共振モードAの共振周波数Fa0のわずかに上から共振モードAの高い反共振周波数Faruまでの範囲か、共振モードAの共振周波数Fa0のわずかに下から共振モードAの低い反共振周波数Fardまでの範囲に入るように、給電点からインダクタンス形状までの長さ(Lm+S)が設定されている請求項1記載の小型アンテナ。
- 前記共振モードBの共振周波数Fb0のわずかに上は、下記条件式になっていること、
((1+Δfm)/(1−Δfm))Fb0<Fa0
但し、Δfmは劣化範囲境界の周波数比であり、次の式が成立する。
Δfm=√(RaRbΔaΔb)
Raは共振モードAの共振抵抗値、Rbは共振モードBの共振抵抗値、
Δa=(Δau+Δad)/2あるいはΔa=ΔauあるいはΔa=Δad
Δau=(Fau−Fa0)/Fa0
Δauは共振モードAのリアクタンスが0から1に変化する周波数比率
Fauは共振モードAのリアクタンスが1となる周波数
Fa0は共振モードAの共振周波数
Δad=(Fa0−Fad)/Fa0
Δadは共振モードAのリアクタンスが−1から0に変化する周波数比率
Fadは共振モードAのリアクタンスが−1となる周波数
Δb=(Δbu+Δbd)/2あるいはΔb=ΔbuあるいはΔb=Δbd
Δbu=(Fbu−Fb0)/Fb0
Δbuは共振モードBのリアクタンスが0から1に変化する周波数比率
Fbuは共振モードBのリアクタンスが1となる周波数
Fb0は共振モードBの共振周波数
Δbd=(Fb0−Fbd)/Fb0
Δbdは共振モードBのリアクタンスが−1から0に変化する周波数比率
Fbdは共振モードBのリアクタンスが−1となる周波数
または、
前記共振モードBの共振周波数Fb0のわずかに下は、下記条件式になっていること、
((1−Δfm)/(1+Δfm))Fb0>Fa0
を特徴とする請求項1記載の小型アンテナ。 - 前記共振モードAの共振周波数Fa0のわずかに上は、下記条件式になっていること、
((1+Δfm)/(1−Δfm))Fa0<Fb0
但し、Δfmは劣化範囲境界の周波数比であり、次の式が成立する。
Δfm=√(RaRbΔaΔb)
Raは共振モードAの共振抵抗値、Rbは共振モードBの共振抵抗値、
Δa=(Δau+Δad)/2あるいはΔa=ΔauあるいはΔa=Δad
Δau=(Fau−Fa0)/Fa0
Δauは共振モードAのリアクタンスが0から1に変化する周波数比率
Fauは共振モードAのリアクタンスが1となる周波数
Fa0は共振モードAの共振周波数
Δad=(Fa0−Fad)/Fa0
Δadは共振モードAのリアクタンスが−1から0に変化する周波数比率
Fadは共振モードAのリアクタンスが−1となる周波数
Δb=(Δbu+Δbd)/2あるいはΔb=ΔbuあるいはΔb=Δbd
Δbu=(Fbu−Fb0)/Fb0
Δbuは共振モードBのリアクタンスが0から1に変化する周波数比率
Fbuは共振モードBのリアクタンスが1となる周波数
Fb0は共振モードBの共振周波数
Δbd=(Fb0−Fbd)/Fb0
Δbdは共振モードBのリアクタンスが−1から0に変化する周波数比率
Fbdは共振モードBのリアクタンスが−1となる周波数
または、
前記共振モードAの共振周波数Fa0のわずかに下は、下記条件式になっていること、
((1−Δfm)/(1+Δfm))Fa0>Fb0
を特徴とする請求項2記載の小型アンテナ。 - 次の式、
λa=Ca1*(Lm+S)+Ca0
λb=Cb1*(Lm+S)+Cb0
Fa0=C/λa
Fb0=C/λb
但し、Ca1はλaの比例定数、Ca0はλaの定数、Cb1はλbの比例定数、Cb0はλbの定数である。
を用いて求められた前記共振モードAの共振周波数Fa0と前記共振モードBの共振周波数Fb0が、
下記条件、
((1+Δfm)/(1−Δfm))Fb0<Fa0<Fbru あるいは、
((1−Δfm)/(1+Δfm))Fb0>Fa0>Fbrd あるいは、
((1+Δfm)/(1−Δfm))Fa0<Fb0<Faru あるいは、
((1−Δfm)/(1+Δfm))Fa0>Fb0>Fard
但し、
Fardは共振モードAの低い反共振周波数であり、リアクタンスは-∞であり、
Faruは共振モードAの高い反共振周波数であり、リアクタンスは∞であり、
Fbrdは共振モードBの低い反共振周波数であり、リアクタンスは−∞であり、
Fbruは共振モードBの高い反共振周波数であり、リアクタンスは∞である。
を満足するように、給電点からインダクタンス形状までの長さ(Lm+S)が決定されている請求項1から4のいずれか一項記載の小型アンテナ。 - 前記インダクタンス形状(34、40)以外の線路の少なくとも一部の線路幅がインダクタンス形状(34、40)の線路幅以上に広くなるように構成されている請求項1から5のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記インダクタンス形状(34、40)の線路幅以上に広くなる線路の線路幅は、共振周波数Fa0のインピーダンスが基準インピーダンスに近づいた状態となるように、設定されている請求項6記載の小型アンテナ。
- 給電点以外の線路部に、前記第1の素子(23または72)と前記第2の素子(24または75)を接続させる短絡素子(70)を有する請求項1から7のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記第1の素子(23または72)と前記第2の素子(24または75)のインダクタンス形状(34、40)以外の線路部が折れ曲がっている請求項1から8のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記第1の素子(23)及び前記第2の素子(24)を、高周波回路(49)を形成するプリント配線基板(50)に形成した請求項1から9のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記第1の素子(23)の給電点(32)と前記高周波回路(49)の入出力端子(51a、51b)を接続する線路(52)を、前記プリント配線基板(50)に形成した請求項10記載の小型アンテナ。
- 前記第1の素子(72)の広い導体(73)を、高周波回路のグランドで構成した請求項1から9のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記三箇所以上の曲げ構造のインダクタンス形状(34、40)は、半楕円形状(33)を1個以上並べた形状である請求項1から12のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記三箇所以上の曲げ構造のインダクタンス形状(34、40)は、三角形を一つ以上ならべた形状である請求項1から12のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記三箇所以上の曲げ構造を有するインダクタンス形状(34、40)は、楕円形状を1個以上並べた形状である請求項1から12のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記三箇所以上の曲げ構造を有するインダクタンス形状(34、40)は、方形状を1個以上並べた形状であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記らせん構造のインダクタンス形状(41)は、方形のらせん構造(42)である請求項1から12のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記らせん構造のインダクタンス形状(41)は、楕円形のらせん構造(60)である請求項1から12のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記第1の素子(23)の一対の導体にそれぞれ形成された前記インダクタンス形状(34、41)は、異なる形状である請求項1から18のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 前記第1の素子(23)の一対の導体にそれぞれ形成され、各種の形状を1個以上並べた形状であるインダクタンス形状(34)は、前記各種の形状の個数が異なる請求項1から16のいずれか一項記載の小型アンテナ。
- 線路からなる一対の導体からなり、当該一対の導体の各々における片方の端部が給電点(32)である第1の素子(23)と、誘電体を挟んで前記第1の素子(23)に対向して配置され、線路からなる導体である第2の素子(24)とを備えた小型アンテナ、あるいは、
線路と広い導体からなる第1の素子(72)と、誘電体を挟んで前記第1の素子の線路部に対向して配置され、線路からなる導体である第2の素子(75)とを備え、前記第1の素子(72)の線路と広い導体の接続部と第2の素子(75)の端部に、給電点がある小型アンテナであって、
前記第1の素子(23または72)と前記第2の素子(24または75)の線路の一部が、三箇所以上の曲げ構造のインダクタンス形状(34,40)、または、らせん構造のインダクタンス形状(41)になっている小型アンテナについて、
前記第1の素子(23または72)に流れる電流方向と前記第2の素子(24または75)に流れる電流方向が同一方向の共振モードAの共振周波数Fa0と、前記第1の素子(23または72)に流れる電流方向と前記第2の素子(24または75)に流れる電流方向が逆方向の共振モードBの共振周波数Fb0とを入力して、前記小型アンテナのアドミッタンスYab、インピーダンスZab、反射係数Γab、または、リターンロスRLabを計算するアンテナ設計用の計算装置。 - 前記アドミッタンスYabは、下記式、
Yab=Ya+Yb
Ya=1/Za
Yb=1/Zb
Za=Ra+jXa
但し、Raは共振モードAの共振抵抗値、Xaは共振モードAのリアクタンス値、jは虚数、
Zb=Rb+jXb
但し、Rbは共振モードBの共振抵抗値、Xbは共振モードBのリアクタンス値、
を用いて計算するように構成された請求項21記載のアンテナ設計用の計算装置。 - 共振モードAのリアクタンス値Xaと共振モードBのリアクタンス値Xbは、下記式、
Fa0≦F<Faruにおいて、
Xa=Kau(1−(F/Fa0)2)/(1−(F/Faru)2)
但し、Fはインピーダンスを求める周波数、Faruは共振モードAの高い反共振周波数でリアクタンスは∞、Fa0は共振モードAの共振周波数でリアクタンスは0、Kauは共振モードAの上の比例定数、
Fard<F≦Fa0において、
Xa=Kad(1−(F/Fa0)2)/(1−(F/Fard)2)
但し、Fardは共振モードAの低い反共振周波数でリアクタンスは−∞、Kadは共振モードAの下の比例定数、
Fb0≦F<Fbruにおいて、
Xb=Kbu(1−(F/Fb0)2)/(1−(F/Fbru)2)
但し、Fbruは共振モードBの高い反共振周波数でリアクタンスは∞、Fb0は共振モードBの共振周波数でリアクタンスは0、Kbuは共振モードBの上の比例定数、
Fbrd<F≦Fb0において、
Xb=Kbd(1−(F/Fb0)2)/(1−(F/Fbrd)2)
但し、Fbrdは共振モードBの低い反共振周波数でリアクタンスは−∞、Kbdは共振モードBの下の比例定数、
を用いて計算するように構成された請求項21または22記載のアンテナ設計用の計算装置。 - 線路からなる一対の導体からなり、当該一対の導体の各々における片方の端部が給電点(32)である第1の素子(23)と、誘電体を挟んで前記第1の素子(23)に対向して配置され、線路からなる導体である第2の素子(24)とを備えた小型アンテナ、あるいは、
線路と広い導体からなる第1の素子(72)と、誘電体を挟んで前記第1の素子の線路部に対向して配置され、線路からなる導体である第2の素子(75)とを備え、前記第1の素子(72)の線路と広い導体の接続部と第2の素子(75)の端部に、給電点がある小型アンテナであって、
前記第1の素子(23または72)と前記第2の素子(24または75)の線路の一部が、三箇所以上の曲げ構造のインダクタンス形状(34,40)、または、らせん構造のインダクタンス形状(41)になっている小型アンテナについて、
1つの共振周波数を入力して、もう1つの共振周波数F2a、F2b、または、アンテナ形状を計算するアンテナ設計用の計算装置。 - 前記もう1つの共振周波数F2a、F2bは、下記式、
λ1=C/F1
但し、Cは光速、F1は1つの共振周波数、λ1は1つの共振周波数の波長
λ1=λaの場合
(Lm+S)a=(λ1−Ca0)/Ca1
λ2b=Cb1(Lm+S)a+Cb0
F2b=C/λ2b
λ1=λbの場合
(Lm+S)b=(λ1−Cb0)/Cb1
λ2a=Ca1(Lm+S)b+Ca0
F2a=C/λ2a
但し、λaは共振モードAの共振時の波長、λbは共振モードBの共振時の波長、
(Lm+S)aはインダクタンス形状までの長さ、
(Lm+S)bはインダクタンス形状までの長さ
Ca1はλaの比例定数、Ca0はλaの定数 、
Cb1はλbの比例定数、Cb0はλbの定数、
λ2aはもう1つの共振周波数の波長、
λ2bはもう1つの共振周波数の波長、
F2aはもう1つの共振周波数、
F2bはもう1つの共振周波数
を用いて計算するように構成された請求項24記載のアンテナ設計用の計算装置。 - 前記インダクタンス形状の個数Niを変数として、もう1つの共振周波数F2a、F2b、または、アンテナ形状を計算するに際しては、λaの比例定数Ca1、λaの定数Ca0、λbの比例定数Cb1及びλbの定数Cb0の代わりに、λaの比例定数Ca1(Ni)、λaの定数Ca0(Ni)、λbの比例定数Cb1(Ni)及びλbの定数Cb0(Ni)を用いて計算するように構成された請求項25記載のアンテナ設計用の計算装置。
- 線路からなる一対の導体からなり、当該一対の導体の片方の端部が給電点(32)である第1の素子(23)と、
誘電体を挟んで前記第1の素子(23)に対向して配置され、線路からなる導体である第2の素子(24)とを備え、
前記第1の素子(23)と前記第2の素子の線路(24)の一部が、三箇所以上の曲げ構造を有するインダクタンス形状(34、40)、または、らせん構造を有するインダクタンス形状(41)になっており、
前記第1の素子(23)に流れる電流方向と前記第2の素子(24)に流れる電流方向が同一方向の共振モードの共振周波数Fa0と、前記第1の素子(23)に流れる電流方向と前記第2の素子(24)に流れる電流方向が逆方向の共振モードの共振周波数Fb0が離れるように、前記第1の素子(23)及び前記第2の素子(24)の中心からインダクタンス形状(34、40)までの長さを設定し、
前記第1の素子(23)または前記第2の素子(24)の線路のうちの前記インダクタンス形状(34、40)以外の線路の少なくとも一部の線路幅が、前記インダクタンス形状(34、40)の線路の線路幅よりも広くなるように構成されている小型アンテナ。 - 前記第1の素子(23)及び前記第2の素子(24)の中心から前記インダクタンス形状(34、40)までの長さを(Lm+S)とし、前記2つの共振周波数Fa0、Fb0の波長をλa、λbとし、
λa=Ca1*(Lm+S)+Ca0
λb=Cb1*(Lm+S)+Cb0
但し、Ca1はλaの比例定数、Ca0はλaの定数、Cb1はλbの比例定数、Cb0はλbの定数であり、
前記2つの式を用いて、λa≠λbとなるように、前記長さ(Lm+S)が設定されている請求項27記載の小型アンテナ。 - 前記一対の導体の給電点以外の線路に設けられ、前記第1の素子(23)と前記第2の素子(24)を接続する短絡素子(70)を備え、
λa≠λbとなるように、前記短絡素子(70)の位置が設定されている請求項28記載の小型アンテナ。 - 前記インダクタンス形状(34,40)の線路の線路幅よりも広くする線路幅は、共振周波数Fa0のインピーダンスが基準インピーダンスに近づいた状態になるように、設定されている請求項27から29のいずれか一項記載の小型アンテナ。
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