JP6303939B2 - 走行支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される走行支援装置に関する。
車両のドライバが認知すべき情報を映像情報として表示する走行支援装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、ヘッドアップディスプレイを用いて車両のフロントガラスから見える景色に映像情報を重ねて表示する構成の走行支援装置が開示されている。この走行支援装置では、上空から見た道路の模式図が表示されることにより車両の前方の道路形状がドライバに報知される。
特開平3−154200号公報
特許文献1に記載された走行支援装置では、上空から見た道路の模式図が表示されるが、このような映像情報は、車両の走行中にドライバが日常的に視認する景色とは大きく異なるものであり、この意味で直感性が低い。そのため、ドライバが車両の前方の道路形状を認識するのに時間がかかることがある。
本発明は、直感性が高い映像情報により車両の前方の道路形状をドライバに報知する技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、車両に搭載される走行支援装置であって、道路形状取得部と、表示処理部と、を備える。道路形状取得部は、車両の前方の道路形状を取得する。表示処理部は、仮想的な先行車のテールランプを表す図形を車両のフロントガラスから見える景色に重ねて表示し、道路形状取得部により取得された道路形状に応じて図形の表示態様を、基準となる表示態様である基準表示態様に対して変化させる、仮想表示処理を実行する。
このような構成によれば、直感性が高い映像情報により車両の前方の道路形状をドライバに報知できる。
本実施形態の走行支援システムの構成を示すブロック図である。 仮想表示処理のフローチャート(1)である。 仮想表示処理のフローチャート(2)である。 仮想表示処理のフローチャート(3)である。 本実施形態の仮想テールランプを示す図である。 前方の道路が左にカーブしていると判定された場合、又は、案内経路に基づいて前方の交差点を左に曲がると判定された場合、における仮想テールランプの表示形態の変化を表す図である。 前方の道路が右にカーブしていると判定された場合、又は、案内経路に基づいて前方の交差点を右に曲がると判定された場合、における仮想テールランプの表示形態の変化を表す図である。 前方の道路が上りながら左にカーブしていると判定された場合、又は、案内経路に基づいて前方の交差点を上りながら左に曲がると判定された場合、における仮想テールランプの表示形態の変化を表す図である。 前方の道路が上りながら右にカーブしていると判定された場合、又は、案内経路に基づいて前方の交差点を上りながら右に曲がると判定された場合、における仮想テールランプの表示形態の変化を表す図である。 前方の道路が下りながら左にカーブしていると判定された場合、又は、案内経路に基づいて前方の交差点を下りながら左に曲がると判定された場合、における仮想テールランプの表示形態の変化を表す図である。 前方の道路が下りながら右にカーブしていると判定された場合、又は、案内経路に基づいて前方の交差点を下りながら右に曲がると判定された場合、における仮想テールランプの表示形態の変化を表す図である。 前方の道路が上り坂であると判定された場合における仮想テールランプの表示形態の変化を表す図である。 前方の道路が下り坂であると判定された場合における仮想テールランプの表示形態の変化を表す図である。 前方に障害物、路面の凍結及び段差のうち少なくとも1つがあると判定された場合における仮想テールランプの表示形態の変化を表す図である。 1つの図形からなる仮想テールランプの例を表す図である。 前方の道路が左にカーブしていると判定された場合における1つの図形からなる仮想テールランプの表示形態の変化の例を表す図である。 前方の道路が右にカーブしていると判定された場合における1つの図形からなる仮想テールランプの表示形態の変化の例を表す図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。また、下記の実施形態の説明で用いる符号を特許請求の範囲にも適宜使用しているが、これは本発明の理解を容易にする目的で使用しており、本発明の技術的範囲を限定する意図ではない。
[1.構成]
図1に示す走行支援システム1は、車両に搭載され、カメラ11、照度センサ12、位置検出センサ13、地図データベース14、通信部15、液晶ディスプレイ16、ヘッドアップディスプレイ17及びこれらの装置に接続される制御部18を備える。
カメラ11は、走行支援システム1が搭載された車両(以下「自車両」という。)の天井周辺に設けられており、自車両の前方を撮像するために使用される。カメラ11は、近赤外線を検出することにより、夜間等の可視光の少ない環境下においても撮像可能な暗視カメラである。
照度センサ12は、運転席前方のインストルメントパネル上に設置され、自車両に照射される光の照度を検出する。
位置検出センサ13は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波(GPS信号)をGPSアンテナを介して受信し、受信した電波に基づき自車両の現在の位置及び方位を検出する。
地図データベース14には、カーナビゲーションによる経路案内に必要になる日本全土の道路地図データや、それに付随する各種施設や店舗等の施設データ等が記録されている。上記道路地図データには、道路形状(道路勾配や道路の曲率半径等)を表す道路形状情報が含まれている。なお、以下では、道路地図データ及び施設データ等を「経路案内データ」と総称する。
通信部15は、無線基地局及びインターネット等の通信ネットワークを介して、データセンタにあるサーバと無線通信を行うための装置である。通信部15は、上記サーバから道路交通情報(渋滞、事故、工事及び交通規制等の情報)及び気象情報(天候、風向き及び路面状況等の情報)等の種々の情報を取得可能である。本実施形態では、通信部15は、自車両が位置するエリア内の路面の凍結状態を表す凍結情報、及び、道路工事や災害等により生じた、上記エリア内の路面における段差の位置を表す段差情報を、上記サーバから取得する。
液晶ディスプレイ16は、運転席前方のインストルメントパネルの上部に配置され、種々の映像を表示する。液晶ディスプレイ16には、カメラ11により撮像された映像やカーナビゲーションによる経路案内画面等が表示される。液晶ディスプレイ16の表面にはタッチパネルが設けられており、ドライバ等の操作者は、タッチパネルを介してカーナビゲーションの各種操作(カーナビゲーションの開始や目的地設定等)を行う。
ヘッドアップディスプレイ17は、自車両のフロントガラスに種々の画像を投影し、これらの画像を自車両のフロントガラスから見える景色に重畳させるための装置である。ヘッドアップディスプレイ17は、運転席前方のインストルメントパネル内に設置されている。ヘッドアップディスプレイ17は、液晶パネル、液晶パネルを透過照明するバックライト、液晶パネルを透過したバックライトの光によって生成される像をフロントガラスに向けて反射する凹面鏡等によって構成される。
制御部18は、CPU、ROM及びRAMを中心とする周知のマイクロコンピュータを備え、位置検出センサ13から自車両の現在位置を取得し、地図データベース14から経路案内データを取得する。制御部18は、取得した自車両の現在位置及び経路案内データ並びに設定される自車両の目的地に基づき、自車両の現在位置から目的地までの案内経路を算出する。また、制御部18は、取得した自車両の現在位置の遷移に基づき自車両の進行方向を算出する。さらに、制御部18は、通信部15から凍結情報及び段差情報を取得する。
制御部18は、凍結情報、段差情報及び経路案内データに含まれる道路形状情報に基づき、後述する仮想表示処理(図2〜図4)を実行する。仮想表示処理が実行されることにより、ヘッドアップディスプレイ17を介して、仮想的な先行車のテールランプを表す図形(以下「仮想テールランプ」という。)が自車両のフロントガラスから見える景色に重ねて表示される。仮想テールランプの表示態様は、自車両の前方の道路形状に応じて基準となる表示態様(以下「基準表示態様」という。)に対して変化される。
ここで、仮想テールランプについて説明する。図5に示す本実施形態の仮想テールランプ19は、互いに離間した第1の図形191と第2の図形192とからなる。第1の図形191と第2の図形192とは、大きさ及び形状が同一の四角形(正方形)であり、自車両のドライバから見て第1の図形191は第2の図形192の左側に位置する。図5においては、第1の図形191及び第2の図形192が同じ高さで水平方向に離間しており、第1の図形191及び第2の図形192の輪郭のみが表示されている。なお、実際の車両のテールランプに似せるため、本実施形態では、第1の図形191及び第2の図形192の色は赤色である。図5により示される表示態様は基準表示態様であり、本実施形態では、自車両の進行方向前方の道路形状に応じて、第1の図形191及び第2の図形192の位置及び色のうち少なくとも一方が基準表示態様に対して変化する。特に、仮想テールランプ19の位置の変化は、第1の図形191及び第2の図形192の位置の変化により実現される。ここでいう位置の変化とは、図形の形状及び大きさを保った状態での位置の変化である。また、色の変化には、少なくとも色相が変化する色の変化に限られず、色相が不変で輝度及び明度のうち少なくとも一方が変化する色の変化も含まれる。また、色の変化には透過率の変化も含まれる。ここで、透過率とは、図形の色と図形がない場合の色(すなわち自車両の前方の景色の色)との合成比率を意味する。例えば、透過率100%の場合の図形の色は図形がない場合の色であり、透過率50%の場合の図形の色は図形の色と図形がない場合の色との平均色であり、透過率0%の場合の図形の色は図形の色である。
[2.処理]
次に、制御部18が実行する仮想表示処理を図2、図3及び図4を用いて説明する。なお、仮想表示処理は、ドライバ等によりカーナビゲーションの目的地設定がなされることにより開始される。また、仮想表示処理の開始直後は、仮想テールランプ19は表示されていない。
まず、制御部18は、S101(Sはステップを表す)にて照度センサ12から検出値を取得する。次に、制御部18は、照度センサ12から取得した検出値が所定のしきい値Th以下であるか否かを判定する(S102)。ここで、しきい値Thは、昼と夜とが切り替わるときの照度を目安に決められる。制御部18は、検出値がしきい値Th以下でないと判定した場合、すなわち、夜間でないと判定した場合は(S102:NO)、先述したS101に戻り、S101以降の処理を繰り返す。一方、制御部18は、検出値がしきい値Th以下であると判定した場合、すなわち、夜間であると判定した場合は(S102:YES)、ヘッドアップディスプレイ17を介して、仮想テールランプ19の輪郭を表示する(S103)。S103にて表示される仮想テールランプ19の表示態様は、先述した基準表示態様(図5)である。
続いて、制御部18は、自車両の前方の道路形状を取得する(S104)。ここで、制御部18は、仮想的な先行車の走行位置(例えば自車両の50m前方)における道路形状を取得する。そして、制御部18は、取得した自車両の前方の道路形状に基づき、自車両の前方の道路がカーブしているか否かを判定する(S105)。ここでいうカーブには、平坦なカーブだけでなく勾配のあるカーブも含まれる。具体的には、制御部18は、道路形状情報に含まれる道路の曲率半径を参照し、道路の曲率半径が所定のしきい値(例えば150m)以下である場合に当該道路がカーブしていると判定する。さらに、制御部18は、道路形状情報に含まれる道路勾配(上り勾配及び下り勾配)を参照し、道路勾配が所定のしきい値(例えば3%)以上である場合に道路が上っている、又は、下っていると判定する。
制御部18は、自車両の前方の道路がカーブしていると判定した場合は(S105:YES)、仮想テールランプ19を点灯させ、仮想テールランプ19の位置を変化させる(S106)。ここでいう点灯とは、仮想テールランプ19の輪郭に囲まれた領域(仮想テールランプ19の内部)を赤色で塗りつぶした状態とし、通常の車両のテールランプが点灯している状態を再現することを意味する。具体的には、制御部18は、あたかも仮想的な先行車が自車両の前方のカーブを走行しているかのように仮想テールランプ19の位置を変化させる。すなわち、制御部18は、自車両の前方の道路が左にカーブしていると判定した場合は、図6に示すように、基準表示態様(図5)と比較して第1の図形191よりも第2の図形192の方が高くなる方向に仮想テールランプ19を傾ける。同様に、制御部18は、自車両の前方の道路が右にカーブしていると判定した場合は、図7に示すように、基準表示態様と比較して第2の図形192よりも第1の図形191の方が高くなる方向に仮想テールランプ19を傾ける。
また、制御部18は、自車両の前方の道路が上りながら左にカーブしていると判定した場合は、図8に示すように、仮想テールランプ19の位置を変化させる。すなわち、制御部18は、第1の図形191及び第2の図形192を左斜め上に徐々に移動させ、第2の図形192を第1の図形191よりも速く移動させることで第1の図形191よりも第2の図形192の方が高くなるようにする。同様に、制御部18は、自車両の前方の道路が上りながら右にカーブしていると判定した場合は、図9に示すように、仮想テールランプ19の位置を変化させる。すなわち、制御部18は、第1の図形191及び第2の図形192を右斜め上に徐々に移動させ、第1の図形191を第2の図形192よりも速く移動させることで第2の図形192よりも第1の図形191の方が高くなるようにする。
また、制御部18は、自車両の前方の道路が下りながら左にカーブしていると判定した場合は、図10に示すように、仮想テールランプ19の位置を変化させる。すなわち、制御部18は、第1の図形191及び第2の図形192を左斜め下に徐々に移動させ、第1の図形191を第2の図形192よりも速く移動させることで第2の図形192よりも第1の図形191の方が低くなるようにする。同様に、制御部18は、自車両の前方の道路が下りながら右にカーブしていると判定した場合は、図11に示すように、仮想テールランプ19の位置を変化させる。すなわち、制御部18は、第1の図形191及び第2の図形192を右斜め下に徐々に移動させ、第2の図形192を第1の図形191よりも速く移動させることで第1の図形191よりも第2の図形192の方が低くなるようにする。
次に、制御部18は、自車両の地図上の現在位置に基づき、自車両がカーブを通過したか否かを判定する(S107)。制御部18は、自車両がカーブを通過していないと判定した場合は(S107:NO)、S107の処理を再度実行する。すなわち、制御部18は、自車両がカーブを通過したと判定するまで、S107の処理を繰り返す。一方、制御部18は、自車両がカーブを通過したと判定した場合は(S107:YES)、仮想テールランプ19の表示態様を基準表示態様へ戻す(S108)。なお、制御部18は、S105にて自車両の前方の道路がカーブしていないと判定した場合は(S105:NO)、先述したS106からS108までの処理を飛ばし、S109へと移行する。
S109で、制御部18は、自車両の前方の道路形状を取得する。S109では、制御部18は、S104と同様に仮想的な先行車の走行位置における道路形状を取得する。そして、制御部18は、S109で取得した自車両の前方の道路形状に基づき、自車両の前方の道路が交差点であるか否かを判定する。ここでいう交差点とは、車両の進入元の先が2以上の道路に分かれており、複数の方向に車両が進行可能である、道路が交差する場所を意味する。
制御部18は、自車両の前方の道路が交差点であると判定した場合は(S110:YES)、自車両の現在位置から目的地までの案内経路を算出し(S111)、算出した案内経路に基づいて自車両がその交差点を曲がるか否かを判定する(S112)。
制御部18は、自車両が交差点を曲がると判定した場合は(S112:YES)、仮想テールランプ19を点灯させ、仮想テールランプ19の位置を変化させる(S113)。ここで、制御部18は、先述したS106と同様に仮想テールランプ19の位置を移動させる。すなわち、制御部18は、自車両が交差点を左に曲がると判定した場合は、図6に示すように、基準表示態様と比較して第1の図形191よりも第2の図形192の方が高くなる方向に仮想テールランプ19を傾ける。同様に、制御部18は、自車両が交差点を右に曲がると判定した場合は、図7に示すように、基準表示態様と比較して第2の図形192よりも第1の図形191の方が高くなる方向に仮想テールランプ19を傾ける。
また、制御部18は、自車両が交差点を上りながら左に曲がると判定した場合は、図8に示すように、仮想テールランプ19の位置を変化させる。すなわち、制御部18は、第1の図形191及び第2の図形192を左斜め上に徐々に移動させ、第2の図形192を第1の図形191よりも速く移動させることで第1の図形191よりも第2の図形192の方が高くなるようにする。同様に、制御部18は、自車両が交差点を上りながら右に曲がると判定した場合は、図9に示すように、仮想テールランプ19の位置を変化させる。すなわち、制御部18は、第1の図形191及び第2の図形192を右斜め上に徐々に移動させ、第1の図形191を第2の図形192よりも速く移動させることで第2の図形192よりも第1の図形191の方が高くなるようにする。
また、制御部18は、自車両が交差点を下りながら左に曲がると判定した場合は、図10に示すように、仮想テールランプ19の位置を変化させる。すなわち、制御部18は、第1の図形191及び第2の図形192を左斜め下に徐々に移動させ、第1の図形191を第2の図形192よりも速く移動させることで第2の図形192よりも第1の図形191の方が低くなるようにする。同様に、制御部18は、自車両が交差点を下りながら右に曲がると判定した場合は、図11に示すように、仮想テールランプ19の位置を変化させる。すなわち、制御部18は、第1の図形191及び第2の図形192を右斜め下に徐々に移動させ、第2の図形192を第1の図形191よりも速く移動させることで第1の図形191よりも第2の図形192の方が低くなるようにする。
次に、制御部18は、自車両の地図上の現在位置に基づき、自車両が交差点を通過したか否かを判定する(S114)。制御部18は、自車両が交差点を通過していないと判定した場合は(S114:NO)、S114の処理を再度実行する。すなわち、制御部18は、自車両が交差点を通過したと判定するまで、S114の処理を繰り返す。制御部18は、自車両が交差点を通過したと判定した場合は(S114:YES)、仮想テールランプ19の表示態様を基準表示態様へ戻す(S115)。なお、制御部18は、S110にて自車両の前方の道路が交差点でないと判定した場合(S110:NO)は、先述したS111からS115までの処理を飛ばし、S116へと移行する。同様に、制御部18は、S112にて自車両が交差点を曲がらないと判定した場合は(S112:NO)、先述したS113からS115までの処理を飛ばし、S116へと移行する。
S116で、制御部18は、自車両の前方の道路形状を取得する。S116では、制御部18は、S104と同様に仮想的な先行車の走行位置における道路形状を取得する。そして、制御部18は、S116で取得した自車両の前方の道路形状に基づき、自車両の前方の道路が坂であるか否かを判定する(S117)。ここで、制御部18は、道路勾配(上り勾配及び下り勾配)が所定のしきい値(例えば3%)以上である場合に道路が坂であると判定する。また、ここでいう坂には、カーブしている坂は含まれない。
制御部18は、自車両の前方の道路が坂であると判定した場合は(S117:YES)、仮想テールランプ19を点灯させ、仮想テールランプ19の位置を変化させる(S118)。ここで、制御部18は、あたかも仮想的な先行車が自車両の前方の坂を走行しているかのように仮想テールランプ19の位置を移動させる。すなわち、制御部18は、自車両の前方の道路が上り坂であると判定した場合は、図12に示すように、仮想テールランプ19の位置を基準表示態様の位置から徐々に上方向へ移動させる。同様に、制御部18は、自車両の前方の道路が下り坂であると判定した場合は、図13に示すように、仮想テールランプ19の位置を基準表示態様の位置から徐々に下方向へ移動させる。ここで、制御部18は、第1の図形191に対する第2の図形192の相対位置が保たれた状態で、第1の図形191及び第2の図形192の位置を上方向又は下方向へ移動させる。
続いて、制御部18は、自車両の地図上の現在位置に基づき、自車両が坂を通過したか否かを判定する(S119)。制御部18は、自車両が坂を通過していないと判定した場合は(S119:NO)、S119の処理を再度実行する。すなわち、制御部18は、自車両が坂を通過したと判定するまで、S119の処理を繰り返す。一方、制御部18は、自車両が坂を通過したと判定した場合は(S119:YES)、仮想テールランプ19の表示態様を基準表示態様へ戻す(S120)。なお、制御部18は、S117にて自車両の前方の道路が坂でないと判定した場合は(S117:NO)、先述したS118からS120までの処理を飛ばし、S121へと移行する。
S121で、制御部18は、カメラ11から映像を取得する。そして、制御部18は、取得した映像に基づき、自車両の前方に障害物があるか否かを判定する(S122)。ここで、障害物としては、例えば落石等の落下物や停車した車両等が挙げられる。制御部18は、自車両の前方に障害物がないと判定した場合は(S122:NO)、通信部15から凍結情報を取得し(S123)、取得した凍結情報に基づき、自車両の前方の路面が凍結しているか否かを判定する(S124)。制御部18は、自車両の前方の路面が凍結していないと判定した場合(S124:NO)、通信部15から段差情報を取得し(S125)、取得した段差情報に基づき、自車両の前方の道路に段差があるか否かを判定する(S126)。
制御部18は、自車両の前方の道路に段差があると判定した場合(S126:YES)、一定時間(例えば数秒間)仮想テールランプ19を図14に示すように点灯させる(S127)。S127では、仮想テールランプ19は、その位置が基準表示態様の位置に保たれた状態で点灯する。同様に、制御部18は、S122で自車両の前方に障害物があると判定した場合(S122:YES)、及び、S124で自車両の前方の路面が凍結していると判定した場合(S124:YES)にも、先述したS127の処理を実行する。一方、制御部18は、S126にて自車両の前方の道路に段差がないと判定した場合(S126:NO)、すなわち、自車両の前方の道路に障害物、路面の凍結及び段差のいずれもないと判定した場合は、S127の処理を飛ばす。制御部18は、S126で自車両の前方の路面に段差がないと判定しS127の処理を飛ばした後、又は、S126で自車両の前方の路面に段差があると判定しS127の処理を実行した後は、先述したS103へ戻り、S103以降の処理を繰り返す。
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の走行支援システム1では、仮想的な先行車のテールランプを表す図形(仮想テールランプ19)が自車両のフロントガラスから見える景色に重ねて表示され、自車両の前方の道路形状に応じて、仮想テールランプ19の表示態様が変化する。先行車のテールランプは、車両の走行中にドライバが日常的に視認する景色であり、この意味で直感性が高い。特に、テールランプのみが表示されるため、テールランプに加えて仮想的な先行車のテールランプ以外のもの(例えばタイヤ等)が表示される場合と比較して、表示される情報量を少なくすることができる。その結果、ドライバが車両の前方の道路形状を認知する際の認知スピードを向上させることができる。
また、本実施形態では、仮想テールランプ19は夜間走行時に表示される。例えば、自車両が夜間に山道を走行している場合、暗くて自車両の前方の道が見えにくいことがあり得る。そのような場合であっても、仮想テールランプ19の表示態様の変化により、ドライバは自車両の前方の道路形状を認知することが可能である。
なお、本実施形態では、制御部18が走行支援装置の一例に相当する。S102が夜間判定部としての処理の一例に相当し、S103、S106、S108、S113、S115、S118、S120及びS127が表示処理部としての処理の一例に相当し、S104、S110及びS116が道路形状取得部としての処理の一例に相当する。また、案内経路が走行予定経路の一例に相当し、S111が経路特定部としての処理の一例に相当する。また、S122が障害物判定部としての処理の一例に相当し、S124が凍結判定部としての処理の一例に相当し、S126が段差判定部としての処理の一例に相当する。
[4.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。
(4a)仮想テールランプの表示態様の変化の仕方は、上記実施形態における変化の仕方以外のものであってもよい。例えば、上記実施形態では、自車両の前方の道路が坂であると判定された場合に、仮想テールランプ19の位置は基準表示態様の位置から上方向又は下方向へ移動された。しかし、仮想テールランプ19の位置は基準表示態様の位置から変化されなくてもよい。例えば、自車両の前方の道路が上り坂であると判定された場合に、仮想テールランプ19の位置がいったん下方向へ移動し、その後徐々に上方向へ移動してもよい。
また、上記実施形態では、自車両の前方の道路に障害物、路面の凍結及び段差のうち少なくとも1つがある場合に、仮想テールランプ19はその位置が基準表示態様の位置に保たれた状態で点灯された。しかし、仮想テールランプ19が点灯している際にその位置が基準表示態様の位置に保たれていなくてもよい。
また、上記実施形態では、自車両の前方の道路が上りながら又は下りながらカーブしている場合等において、第1の図形191及び第2の図形192のうちいずれか一方を他方よりも速く移動させることで第1の図形191と第2の図形192との高さに差をつけた。しかし、第1の図形191と第2の図形192との高さに差をつける方法はこれに限られない。例えば、第1の図形191及び第2の図形192のうちいずれか一方を他方よりも長時間移動させることで高低差をつけてもよい。
(4b)上記実施形態では、自車両の前方の道路がカーブしていると判定された場合等において仮想テールランプ19の表示態様が変化されたが、仮想テールランプ19の表示態様が変化される場合はこれらに限られない。例えば、制御部18は、踏切等の自車両を一時停止させる必要がある状況が自車両の前方にあると判定した場合に、仮想テールランプ19の表示態様を変化させてもよい。
(4c)上記実施形態では、基準表示態様は、第1の図形191及び第2の図形192が同じ高さで水平方向に離間し、第1の図形191及び第2の図形192の輪郭のみが表示された表示態様だった。しかし、基準表示態様は上記実施形態のものに限られない。例えば、基準表示態様は、第1の図形191及び第2の図形192が同じ高さで水平方向に離間し、第1の図形191及び第2の図形192の輪郭が表示され、さらに、第1の図形191及び第2の図形192の内部が塗りつぶされた表示態様であってもよい。この場合、例えば自車両の前方に障害物、路面の凍結及び段差のうち少なくとも1つがあると判定された場合等において、第1の図形191及び第2の図形192の内部(塗りつぶされた領域)の輝度が高くされてもよい。
(4d)上記実施形態では、仮想テールランプ19は、互いに離間した2つの正方形であったが、仮想テールランプの数及び形状はこれに限られない。例えば、仮想テールランプは、その基準表示態様が、図15に示すように、長辺が水平になるように位置し、輪郭のみが表示された長方形であるような、仮想テールランプ20であってもよい。この場合、制御部は、車両の前方の道路形状に応じて、仮想テールランプ20の色、位置及び形状のうち少なくとも1つを基準表示態様に対して変化させることにより、表示態様を変化させてもよい。例えば、制御部は、車両の前方の道路が左にカーブしていると判定した場合、ドライバから見て仮想テールランプ20の右側が高くなるように仮想テールランプ20を傾け、かつ、遠近法で描かれたように仮想テールランプ20の左側を大きくしてもよい(図16)。また、このとき、上記実施形態と同様に、仮想テールランプ20を点灯させてもよい。同様に、制御部は、車両の前方の道路が右にカーブしていると判定した場合、ドライバから見て仮想テールランプ20の左側が高くなるように仮想テールランプ20を傾け、かつ、遠近法で描かれたように仮想テールランプ20の右側を大きくしてもよい(図17)。また、このとき、仮想テールランプ20を点灯させてもよい。
(4e)上記実施形態では、仮想表示処理は、ドライバ等によりカーナビゲーションの目的地設定がなされたタイミングで開始された。しかし、仮想表示処理が開始されるタイミングはこれに限られない。例えば、仮想表示処理は、自車両のイグニッションがオンにされた時点で開始されてもよい。
(4f)上記実施形態では、照度センサ12から取得した検出値に基づき夜間であるか否かの夜間判定が行われたが、夜間判定の方法はこれに限られない。例えば、時刻が所定の時刻を過ぎたことをもって夜間であると判定されてもよい。また、例えば、ドライバが車両の車幅灯を点灯させたことをもって夜間であると判定されてもよい。
(4g)上記実施形態では、仮想テールランプ19は夜間において表示されたが、仮想テールランプは例えば昼間においても表示されてもよい。仮想テールランプ20が昼間において表示される場合は、ドライバが車両の前方の道路を視認しにくい場合(例えば、山道において木の茂みで車両の前方の道路が隠れている場合等)において、仮想テールランプが表示されてもよい。
(4h)上記実施形態では、仮想テールランプ19の輪郭の色及び点灯された際の内部の色は赤色であったが、仮想テールランプの輪郭及び点灯された際の内部の色は赤色に限られない。例えば、車両に搭載されたカメラにより車両の前方の景色の色を検出し、検出した色の補色を仮想テールランプの輪郭及び点灯された際の内部の色としてもよい。この場合、車両の前方の景色に対して仮想テールランプをより明確に表示することができる。
(4i)上記実施形態では、カメラで撮像した映像に基づき自車両の前方に障害物があるか否かが判定されたが、障害物の存否の判定方法はこれに限らない。例えば、自車両にミリ波レーダを設置し、上記ミリ波レーダを利用することにより障害物があるか否かが判定されてもよい。また、上記実施形態では、データセンタにあるサーバと無線通信を行うことにより凍結情報及び段差情報が取得されたが、凍結情報及び段差情報の取得方法はこれに限られない。例えば、通信部15が、走行中にすれ違う対向車と車車間通信を行い、対向車が記録している情報を受信することにより、凍結情報及び段差情報が取得されてもよい。
(4j)上記実施形態では、走行予定経路は、ドライバ等により自車両の目的地が設定されることにより自動的に算出される経路(カーナビゲーションの案内経路)だった。しかし、走行予定経路はカーナビゲーションの案内経路に限られない。例えば、走行予定経路は、ドライバ等により、経路自体が指定されることにより決定される経路であってもよい。また、上記実施形態では、制御部18は、走行予定経路(案内経路)を算出することにより走行予定経路を特定した。しかし、例えば、自車両に走行予定経路を算出する機器を別途搭載し、上記機器から走行予定経路を取得することにより制御部18は走行予定経路を特定してもよい。
(4k)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1…走行支援システム、11…カメラ、12…照度センサ、13…位置検出センサ、14…地図データベース、15…通信部、16…液晶ディスプレイ、17…ヘッドアップディスプレイ、18…制御部、19,20…仮想テールランプ、191…第1の図形、192…第2の図形。

Claims (13)

  1. 車両に搭載される走行支援装置(18)であって、
    前記車両の前方の道路形状を取得する道路形状取得部(S104,S110,S116)と、
    仮想的な先行車のテールランプを表す図形(19,20,191,192)を前記車両のフロントガラスから見える景色に重ねて表示し、前記道路形状取得部により取得された前記道路形状に応じて前記図形の表示態様を、基準となる前記表示態様である基準表示態様に対して変化させる、仮想表示処理を実行する表示処理部(S103,S106,S108,S113,S115,S118,S120,S127)と、
    を備える、走行支援装置。
  2. 前記表示処理部は、前記道路形状取得部により取得された前記道路形状に基づいて前記車両の前方の道路がカーブしていると判定した場合に前記表示態様を変化させる、請求項1に記載の走行支援装置。
  3. 前記表示処理部は、
    前記車両の前方の道路が左にカーブしていると判定した場合に、前記基準表示態様と比較して、前記車両のドライバから見て前記図形における右側が高くなる方向に前記図形が傾くように前記表示態様を変化させ、
    前記車両の前方の道路が右にカーブしていると判定した場合に、前記基準表示態様と比較して、前記車両のドライバから見て前記図形における左側が高くなる方向に前記図形が傾くように前記表示態様を変化させる、
    請求項2に記載の走行支援装置。
  4. 前記車両の走行予定経路を特定する経路特定部(S111)を更に備え、
    前記表示処理部は、前記道路形状取得部により取得された前記道路形状に基づいて前記車両の前方の道路が交差点であると判定し、かつ、前記走行予定経路に基づいて前記車両が当該交差点を曲がると判定した場合に、前記表示態様を変化させる、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の走行支援装置。
  5. 前記表示処理部は、
    前記車両の前方の道路が交差点であると判定し、かつ、前記車両が当該交差点を左に曲がると判定した場合に、前記基準表示態様と比較して、前記車両のドライバから見て前記図形における右側が高くなる方向に前記図形が傾くように前記表示態様を変化させ、
    前記車両の前方の道路が交差点であると判定し、かつ、前記車両が当該交差点を右に曲がると判定した場合に、前記基準表示態様と比較して、前記車両のドライバから見て前記図形における左側が高くなる方向に前記図形が傾くように前記表示態様を変化させる、
    請求項4に記載の走行支援装置。
  6. 前記表示処理部は、前記道路形状取得部により取得された前記道路形状に基づいて前記車両の前方の道路が坂であると判定した場合に前記表示態様を変化させる、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の走行支援装置。
  7. 前記表示処理部は、
    前記車両の前方の道路が上り坂であると判定した場合に、前記図形が上方向へ移動するように前記表示態様を変化させ、
    前記車両の前方の道路が下り坂であると判定した場合に、前記図形が下方向へ移動するように前記表示態様を変化させる、
    請求項6に記載の走行支援装置。
  8. 前記図形には、互いに離間した第1の図形(191)と第2の図形(192)とが少なくとも含まれ、
    前記表示態様の変化は、前記第1の図形及び前記第2の図形の位置の変化により実現される、請求項3、請求項5及び請求項7のいずれか1項に記載の走行支援装置。
  9. 前記第1の図形及び前記第2の図形は、大きさ及び形状が同一である、請求項8に記載の走行支援装置。
  10. 前記車両の前方に障害物があるか否かを判定する障害物判定部(S122)を更に備え、
    前記表示処理部は、前記障害物判定部により前記車両の前方に障害物があると判定された場合に、前記基準表示態様と比較して前記図形の色を変化させる、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の走行支援装置。
  11. 前記車両の前方の路面が凍結しているか否かを判定する凍結判定部(S124)を更に備え、
    前記表示処理部は、前記凍結判定部により前記車両の前方の路面が凍結していると判定された場合に、前記基準表示態様と比較して前記図形の色を変化させる、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の走行支援装置。
  12. 前記車両の前方の道路に段差があるか否かを判定する段差判定部(S126)を更に備え、
    前記表示処理部は、前記段差判定部により前記車両の前方の道路に段差があると判定された場合に、前記基準表示態様と比較して前記図形の色を変化させる、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の走行支援装置。
  13. 夜間であるか否かを判定する夜間判定部(S102)を更に備え、
    前記表示処理部は、前記夜間判定部により夜間であると判定された場合に前記仮想表示処理を実行する、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の走行支援装置。
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