JP6303631B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
この方式では、記録紙の搬送路を挟んで対向当接する定着ローラおよび加圧ローラを用い、定着ローラ内に設けられている熱源からの熱と加圧ローラとの挟持作用により圧力を作用させてトナー像が定着される。
熱ローラ定着方式ではローラの熱容量が大きいために定着温度までの立ち上がりに時間を要する。
ベルト定着方式を用いる定着装置の一例として、図5に示す構成がある。
図5において定着装置Aは、記録紙Sの搬送路を挟んで一方に定着ローラBが、他方に加圧ローラCが備えられている。
定着ローラBには、これと別の位置に配置されている加熱ローラDとの間に捲装された定着ベルトEが掛け回されている。定着ベルトEは、テンションローラFによる張力付加されることにより定着ローラBの回転に連動して移動する。
これら各ローラは、定着装置Aの筐体A1,A2内に配置され、定着ローラBと加圧ローラCとが互いに当接する位置に形成される定着ニップを通過する際に転写紙Sが、熱・圧力を受けてトナー像を定着される。
定着後の記録紙Sは、定着ニップ部後方に配置されている分離爪Hにより排出方向を規定されて排出される。
図6は、上記技術を用いる定着装置の構成を模式的に示しており、定着装置A’は、ホルダMを備えたステーNにより支持されている発熱体Jと、加圧部材としての加圧ローラCとの間にベルト状の耐熱性フィルムKを挟ませて定着ニップ部を形成している。
この構成では、定着ニップ部で加熱される耐熱性フィルムKからの熱と加圧ローラCからの圧力を利用して定着ニップ部を通過する記録紙上のトナーが融解・浸透作用により定着される。
この技術では、表面が弾性変形可能で内部に熱源を備えた加熱定着ローラと、加熱定着ローラの周方向に沿って接触可能なベルトと、ベルトを加熱定着ローラの周面に向けて押圧するパッドとが用いられている。
この構成では、ベルトが加熱定着ローラの周方向に沿って加圧接触されるので、加熱定着ローラの周面の弾性変形と併せてベルトと加熱定着ローラとの間を通過する記録紙と加熱定着ローラとの接触面積を広げて熱伝導効率が大幅に向上する。
用紙分離機構は、熱源側に位置するローラあるいはベルトと加圧ローラとを対象とした場合、熱源側に位置するローラあるいはベルトに貼り付いている記録紙を掬い上げて剥離する際の近接精度が必要であるので、例えば、機械的誤差を管理できる金属製部材が用いられている。
これに対し加圧ローラ側のガイド部材は、記録紙の剥離機能がさほど必要でないため、安価な樹脂製部材が用いられている。加圧ローラ側のガイド部材の先端位置は、加熱定着ローラ側の分離爪に要求される機能を持ち合わせないことから、分離爪のようにローラ側に近接させられていない。
しかし、加圧ローラはトナー像と対向する機会がないわけではなく、例えば、両面印字の際に記録紙の第1面である表面に担持されたトナー像と対向することがある。
記録紙は、両面印字の際に第1面への定着が行われた後、反転された第2面である裏面にトナー像を担持され、そのトナー像が定着される。このため、第1面のトナー像が加圧ローラに対向する。
この場合、加圧ローラに対面する記録紙には、定着を終えて概ね固化しているトナー像が担持されているので、記録紙が加圧ローラに貼り付くということが少ない。
しかし、ガイド部材の先端を加圧ローラに近接させると、熱源からの熱の影響を受けやすくなる。このため、樹脂製ガイド部材では、先端に熱変形を生じる可能性がある。
この場合の熱変形とは、先端が加圧ローラの周面から離れる方向あるいは接触する方向に反り返る形態をいう。
このような熱変形が生じると、加圧ローラとガイド部材先端との位置関係が狂ってしまい、加圧ローラから記録紙を剥離することができなくなることや巻き付き気味の記録紙の先端がガイド部材の先端に引っかかり分離不良によるジャムを発生する虞がある。
図1に示す画像形成装置は、複数色の画像形成が可能なカラープリンタである。なお、本発明は、画像形成装置としてプリンタに限らず、複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機さらにはこれら各機能を複合させた装置を含むものである。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての感光体ドラム120Y、120C、120M、120Bkを並設したタンデム構造が採用されている。
その後、重畳転写画像が、記録シートなどが用いられる記録紙Pに対して2次転写行程を実行することで一括転写されるようになっている。
感光体ドラム120Bkの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置30Bk,現像装置40Bk、1次転写ローラ12Bkおよびクリーニング装置50Bkが配置されている。帯電後に行われる書き込みは、後述する光走査装置8が用いられる。
各感光体ドラム120Y、120C、120M、120Bkは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成するための画像ステーションに備えられている。
光走査装置8は、各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkに対して色毎に対応した書き込み光Lb(図1では、便宜上、ブラック画像の画像ステーションのみを対象として符号が付けてあるが、その他の画像ステーションも同様である)を出射する。これにより、感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkに静電潜像が形成される。
2次転写において重畳転写された画像を一括転写される転写紙Pを給送するシート給送装置61と、シート給送装置61から繰り出された転写紙Pのレジストタイミングを設定して2次転写位置に繰り出すレジストローラ対4である。さらに加えて、転写紙Pの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサが設けられている。
定着装置20には、定着ベルト21に加えて、定着ベルト21と当接した当接状態で定着ベルト21との間に圧力を作用させてニップ部Nを形成する対向回転体である加圧ローラ22が設けられている。定着ベルト21の内部には、ニップ部N以外の箇所で定着ベルト21を加熱する複数のハロゲンランプ23a、23bを備えたヒータ23が備えられている。
ニップ形成用のベース部材であるニップ形成部材24は、詳細を図示しないが、ベースパッドを巻いている摺動シート(低摩擦シート)を有する。
図に示すニップ形成部材24は、ニップ部Nの形状が平坦状であるが、この形状に限らない。例えば、加圧ローラ22の周面に沿って凹状に形成した場合には、ニップ部Nを通過する記録紙Pの先端が加圧ローラ22側に寄るので、定着ベルト21からの分離性が向上する利点がある。
定着ベルト21の温度は、記録紙Pがニップ部に進入する側に設けられた温度センサ27によって検出され、ヒータ23のフィードバック処理に用いられる。なお、図2において矢印Fは、記録紙Pの搬送方向を示している。
基材には、ニッケルもしくASUS等の金属材料またはポリイミドなどの樹脂材が用いられる。また離型層には、トナーに対する離型性を有するテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが用いられる。
この加圧ローラ22と定着ベルト21とが当接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押し潰されることで、定着ベルト21との間に圧力を受けてニップ形成部材24が所定の幅のニップ部Nを確保するようになっている。
分離搬送機構200は、ニップ部から移動する記録紙Pの移動方向下流側で定着ベルト21側に近接する先端を有したベルト側分離搬送部材201と、加圧ローラ22側に近接する先端を有した加圧側分離搬送部材202とを備えている。
加圧側分離搬送部材202は、加圧ローラ22に対して揺動することにより、例えば、ジャムを生じた記録紙Pをニップ部Nから取り除く際に加圧ローラ22から離れる方向に揺動され、ニップ部Nへの手の挿入スペースを作ることができる。これにより、記録紙Pの引き出しが可能となる。図2において二点鎖線で示す加圧側分離搬送部材202の位置は、ニップ部Nを外部に露呈させた位置に相当している。
補強部材203は、図3に示すように、加圧側分離搬送部材202の長手方向に平行な長手方向において、最大画像形成領域を含む長さを持ち、加圧側分離搬送部材202よりも熱変形しにくい材質の板状部材で構成されている。熱変形しにくい材質としては、耐熱性が高い及び/又は放熱性が高い材質であり、例えば、耐熱性金属あるいは熱伝導効率が高く放熱性が高い金属材料が用いられる。
補強部材203が加圧側分離搬送部材202の裏面に当接する領域は、上述した加圧側分離搬送部材202の長手方向ほぼ全域に加えて、加圧側分離搬送部材202の基部から先端に至る範囲、特に、先端での熱変形を抑えることが可能な位置までとされている。
これにより、加圧側分離搬送部材202は、記録紙Pと対向する面と反対側の裏面のほぼ全域に亘って補強部材203を裏当てされていることになる。
フック203A1は、図3(B)に示すように、鈎状に折り曲げられた切り起こし片であり、係止穴202B内に差し込まれて長手方向にスライドされると、補強部材203が加圧側分離搬送部材202の裏面と対向した状態で抜け止めされる。なお、図3(A)において白抜き矢印は、補強部材203のスライド方向を示している。
補強部材203は、加圧側分離搬送部材202とともに抜け止め構造を形成している。フック203A1により抜け止めされている状態を維持するために、一部を図示しないネジにより1カ所をネジ止めされている。ネジは抜け止め構造により補強部材203と加圧側分離搬送部材202とが長手方向に相対移動となっていることを妨げることはない。
加圧側分離搬送部材202は、前述した両面印字時での記録紙剥離性を考慮して加圧ローラ22に先端を近接させて配置されている場合、ニップ部N周辺での滞留熱の影響を受ける。このため、仮に、補強部材203がないとすれば、樹脂製の加圧側分離搬送部材202の先端が図2において、黒色の太い矢印で示すように、加圧ローラ22側に接近あるいは離れる方向に変形、いわゆる、反り変形を生じる可能性がある。
これにより、加圧側分離搬送部材202の先端位置が変化するのを抑制または防止することができ、両面印字の際、特に、加圧ローラ22に対向する面に画像面積率の大きいトナー像を担持された記録紙Pが対向した際の剥離性を確保できる近接距離を維持することができる。
つまり、補強部材203は、上述した構成により、加圧側分離搬送部材202の温度降下作用および自身の機械的剛性により上述した近接距離の変化を抑えているが、これ以外に位置決め部材を用いる。
図2乃至図4に示すように、補強部材203の長手方向両側には、加圧側分離搬送部材202と加圧ローラ22との対向間隔を規定する位置決め部材として、加圧ローラ22の周面に当接可能なコロ204が設けられている。
コロ204は、加圧側分離搬送部材202の先端と加圧ローラ22との間の対向間隔を規定することができる外径を有した樹脂製部材であり、補強部材203に対して回転自在に支持されている。
コロ204を金属製とした場合には、定着ベルト21から加圧ローラ22に伝わった熱がコロ204に伝搬し熱量不足による定着ベルト21の端部での定着性低下が発生する。これに対し、コロ204を熱伝導率の低い樹脂製とすることにより、定着ベルト21の熱が奪われにくくなり、端部での定着性低下を抑制または防止できる。
コロ204が加圧ローラ22に当接している構成では、加圧ローラ22の熱膨張や平行度の変化などの経時的変動が生じたとしても、この変動に関係なく加圧ローラ22に対する加圧側分離搬送部材202の先端位置を規定することが可能となる。
なお、コロ204を設けない場合には、補強部材203を構成する部品の点数低減により機械的誤差の積み上げが少なくなる反面、補強部材203の一部を直接、加圧ローラ22に当接した場合に摩耗や微小振動による異音の発生が顕著となる虞がある。このため、加圧ローラ22と連動可能なコロ204を設けることで上述した不具合の発生を抑制または防止できる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
21 定着部材
22 対向回転体
23 熱源
24 ベース部材
100 画像形成装置
200 分離搬送機構
201 ベルト側分離搬送部材
202 加圧側分離搬送部材
203 補強部材
204 位置決め部材としてのコロ
L 最大画像形成領域
N ニップ部
P 記録紙
Claims (6)
- 熱源により加熱されながら回転可能な定着部材と、
前記定着部材と当接した当接状態で当該定着部材との間に圧力を作用させてニップ部を形成する対向回転体と、
前記ニップ部近傍において前記対向回転体に近接して配置され該ニップ部を通過した記録紙を排出方向にガイドする加圧側分離搬送部材と、
前記加圧側分離搬送部材の、前記ニップ部を通過する記録紙に対向する面と反対側の面に、該加圧側分離搬送部材の変形を低減させるように当接した補強部材と、
前記加圧側分離搬送部材と前記対向回転体との間の対向間隔を規定する位置決め部材と、を有し、
前記位置決め部材が当接する前記対向回転体の表面は、該位置決め部材が非当接の位置における表面に比較して摩擦係数が高くされている定着装置。 - 前記補強部材は、前記加圧側分離搬送部材よりも熱変形しにくい材質が用いられた板状部材であることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記補強部材は、前記加圧側分離搬送部材よりも放熱性の高い材質が用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
- 前記位置決め部材は、前記加圧側分離搬送部材に支持され、前記対向回転体の周面に当接して該対向回転体の回転に伴って回転可能なコロを有することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載の定着装置。
- 前記コロは、最大画像形成領域よりも外側で前記対向回転体と接触することを特徴とする請求項4記載の定着装置。
- 記録紙上に担持されたトナー像を融解・浸透させる際に請求項1乃至5のうちのいずれか一つに記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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