JP6302664B2 - トリガ溝の形成方法及びそれを用いた形成装置 - Google Patents

トリガ溝の形成方法及びそれを用いた形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、脆性基板のスクライブラインの起点となるトリガ溝の形成方法及びそれを用いた形成装置に関するものである。
従来より、脆性基板にスクライブラインを形成する前に、このスクライブラインの起点となる微小な溝(以下、トリガ溝という。)を脆性基板の端縁の内側に形成する方法が知られている。
この脆性基板、特に化学強化ガラス等の硬化脆性基板は、その表面に高硬度の圧縮応力層が形成されているため、カッタホイールを用いてスクライブラインを形成しようとしても、カッタホイールが脆性基板の表面上でスリップしてしまい、スクライブラインを形成しにくかった。上述のトリガ溝を形成すれば、カッタホイールの刃先をトリガ溝に合わせることで、カッタホイールが脆性基板に引っかかり、カッタホイールがスリップせずにスクライブラインを形成することが可能となる。
そして、これらのトリガ溝の形成方法の中には、特許文献1に示すように、ケガキ部材を上方から脆性基板へ向かって下降させ、ケガキ部材を脆性基板に衝突させることによって、上述の圧縮応力層を突き破ってトリガ溝を形成するものがある。
特開2013−95642号公報
しかしながら、従来の場合、ケガキ部材を脆性基板に衝突させる際の衝突荷重が小さいとトリガ溝が形成されず、衝突荷重が大きいと強化ガラスに割れが生じることから、衝突荷重の調整が困難であると考えられる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケガキ部材を衝突させずに、脆性基板にスクライプラインの起点となるトリガ溝を形成することにある。
本発明は、脆性基板(10)にスクライブライン(11)を形成する前に、前記脆性基板(10)にスクライブライン(11)の起点となるトリガ溝(1)を形成するトリガ溝の形成方法を前提とする。そして、前記脆性基板(10)に接触させた状態のカッタホイール(5)を前記脆性基板(10)に対して相対的に移動させる移動工程を行いながら、前記脆性基板(10)に直交する直交軸(8)周りに前記カッタホイール(5)を旋回させる旋回工程を行うことにより前記トリガ溝(1)が形成される。
また、本発明の移動工程は、前記カッタホイール(5)の旋回方向と同方向周りで曲線状の軌跡を描くように前記カッタホイール(5)を相対的に移動させるようにしてもよい。
また、本発明の旋回工程は、前記カッタホイール(5)を順方向へ旋回させた後に逆方向へ旋回させる動作が行われるようにしてもよい。
第2の発明は、脆性基板(10)にトリガ溝(1)を形成する形成装置を前提とする。そして、カッタホイール(5)と、前記カッタホイール(5)を前記脆性基板(10)に対して相対的に移動させる移動機構(15a,15b)と、前記カッタホイール(5)を前記脆性基板(10)との接触点周りで旋回させる旋回機構(16)と、前記移動機構(15a,15b)と前記旋回機構(16)とを制御する制御部(40)とを備え、前記制御部(40)が前記移動機構(15a,15b)を駆動させながら前記旋回機構(16)を駆動させることにより、前記トリガ溝(1)が形成される。
また、第2の発明の制御部(40)は、前記移動機構(15a,15b)を制御して前記カッタホイール(5)が旋回する方向へ向かって曲線状の軌跡を描くように前記カッタホイール(5)を相対的に移動させてもよい。
本発明によれば、移動工程の間に旋回工程を行い、移動中のカッタホイールの向きを変えることにより、カッタホイールを脆性基板に引っかかり易くなる。カッタホイールが脆性基板に引っかかると、カッタホイールと脆性基板との接触抵抗が大きくなって脆性基板にトリガ溝(1)が形成される。このように、従来のトリガ溝(1)の形成方法とは違い、ケガキ部材を脆性基板に衝突させることなく、脆性基板にスクライプラインの起点となるトリガ溝(1)を形成することができる。
図1は、本発明の一実施形態のトリガ溝の形成方法において、化学強化ガラスを異形切断する場合のトリガ溝とスクライブラインとの位置関係を示す図である。 図2は、図1のA部の拡大図である。 図3は、カッタホイールと直交軸との関係を示す概略図である。 図4は、化学強化ガラスを矩形切断する場合のトリガ溝とスクライブラインとの位置関係を示す図である。 図5は、図4のB部の拡大図である。 図6は、一実施形態の変形例に係るトリガ溝の形成方法で、図1及び図4のA部に位置するトリガ溝を形成した場合の図である。 図7は、一実施形態の変形例に係るトリガ溝の形成方法で、図4のB部に位置するトリガ溝を形成した場合の図である。 図8は、本発明の一実施形態のスクライブライン形成装置の概略図である。 図9は、スクライブライン形成装置の本体部の概略図である。 図10は、接触痕の軌道とカッタホイールの刃の向きとを対応させて示した図である。
本発明の一実施形態に係るトリガ溝(1)の形成方法について説明する。このトリガ溝(1)は、脆性基板にスクライブライン(11)を形成する起点となるものである。
一実施形態では、硬化脆性基板の一例である化学強化ガラスが脆性基板として用いられる。尚、硬化脆性基板は、一実施形態の脆性基板に含まれるものである。この化学強化ガラス(10)は、表面に圧縮応力層が形成されている。この圧縮応力層により化学ガラス自体が割れにくくなっている。所定の形状に割断された化学強化ガラス(10)は、例えば携帯電話のカバーガラスとして利用される。一実施形態の化学強化ガラス(10)は、その厚みが0.4〜1.3mmであるものが好ましい。また、圧縮応力層の厚みが10〜50μmであるものが好ましい。また、圧縮応力が500MPaであるものが好ましい。尚、これらの数値は例示であり、これらの数値以外の化学強化ガラス(10)に本発明のトリガ溝の形成方法を適用することを妨げるものではない。
また、一実施形態では、トリガ溝(1)を形成する手段として、カッタホイール(5)が用いられる。このカッタホイール(5)は、円板状のホイールの円周部に沿ってV字形の刃が形成されたものである。一実施形態のカッタホイール(5)は、直径が1.0〜6.0mmであるものが好ましい。また、刃先角度が100〜155°であるものが好ましい。尚、刃の形状は、単なる例示であり、一実施形態の刃の形状に限定されるものではない。
また、後述するが、カッタホイール(5)の刃の向きを変えることによってトリガ溝(1)が形成される。従って、刃の稜線は単なる円形のものでよく、化学強化ガラス(10)の圧縮応力層にカッタホイール(5)の刃が引っかかり易くなるように、刃の稜線に凹凸加工を施さなくてもよい。しかしながら、刃の稜線に凹凸加工が施されたカッタホイール(5)を用いた場合であっても、カッタホイール(5)の刃の向きを変えることによってトリガ溝(1)を形成することは可能であり、凹凸加工のカッタに対して本発明のトリガ溝(1)の形成方法を適用することを妨げるものではない。
図1は、化学強化ガラスを異形切断する場合のトリガ溝(1)とスクライブライン(11)との位置関係を示す図である。ここで、異形切断とは、矩形以外の形状に切断することをいう。図1のA部がトリガ溝(1)の形成位置を示している。図1の一点鎖線は、スクライブライン(11)の仮想線である。図1の場合、化学強化ガラス(10)がスクライブライン(11)に沿って切断されることにより、矩形の角が丸みを帯びた形状のものが複数形成される。
図2は、図1のA部の拡大図である。図2には、カッタホイール(5)によって描かれた接触痕(2)が示されている。この接触痕(2)は、L字の角が丸みを帯びた形状であり、その丸みの部分にトリガ溝(1)が形成されている。
まず、カッタホイール(5)の刃をY方向へ向けた状態で、カッタホイール(5)を化学強化ガラス(10)に設定された始点(図2のS点)に接触させる。その接触させた状態のカッタホイール(5)を化学強化ガラス(10)のY方向に沿ってプラス側からマイナス側へ移動させる。カッタホイール(5)は、この圧縮応力層の上をスリップしながらY方向へ直線的に進むため、このときの接触痕(2)の溝深さは、トリガ溝(1)及びスクライブライン(11)の溝深さに比べて浅くなっている。
カッタホイール(5)をY方向に沿って直線的に進めた後に、カッタホイール(5)と化学強化ガラス(10)との接触点から化学強化ガラス(10)に直交する方向へ延びる直交軸(8)(図3を参照)周りにカッタホイール(5)を旋回させて、カッタホイール(5)の刃の向きを変えつつ、カッタホイール(5)を曲線状の軌跡を描くように相対的に曲線移動させる。この曲線状の軌跡を描くような移動が本発明の移動工程であり、この旋回が本発明の旋回工程である。尚、カッタホイール(5)の旋回工程は、例えば、カッタホイール(5)のホルダを上述の直交軸(8)周りに回転自在に支持するベアリングを用いて、カッタホイール(5)の移動方向にならうようにカッタホイール(5)を旋回させてもよいし、これとは違いモータ等で強制的にカッタホイール(5)を旋回させてもよい。
一実施形態では、半径Rで中心角90°の円弧となる曲線状の軌跡を描くように図2の反時計周りにカッタホイール(5)が相対的に移動する。尚、この曲線状の軌跡は、単なる例示であり、上述のものに限定されない。例えば、上述の中心角は0°以上90°未満の範囲内であってもよい。また、一実施形態の移動工程では、旋回工程でのカッタホイール(5)の旋回方向と同方向へ向かって曲線状の軌跡を描くように移動する。
このように、カッタホイール(5)を曲線移動させながらカッタホイール(5)の刃の向きを変えることにより、カッタホイール(5)の刃が化学強化ガラス(10)に引っかかって、上述の接触痕(2)を深くすることができる。この接触痕(2)の深い部分がトリガ溝(1)となる。このトリガ溝(1)が形成されることにより、カッタホイール(5)がスリップしなくなり、このトリガ溝(1)が起点となって、スクライブライン(11)がX方向に沿って形成される。
ここで、カッタホイール(5)を化学強化ガラス(10)に押し付けるときの圧力(以下、切圧という。)を、カッタホイール(5)をY方向へスリップを伴いながら所定距離だけ直線的に進める第1セクションのとき(図2の符号61を参照)、カッタホイール(5)を旋回させながら曲線移動させてトリガ溝を形成する第2セクションのとき(図2の符号62を参照)、カッタホイール(5)をX方向へ所定距離だけ直線的に進めて予備的なスクライブラインを形成する第3セクションのとき(図2の符号63を参照)、カッタホイール(5)を移動させて所望の輪郭のスクライブライン(11)を形成する第4セクションのとき(図2の符号64を参照)、の各セクションに応じて可変にしてもよい。尚、第1ステップの切圧は、カッタホイール(5)にダメージを与えずにカッタホイール(5)の向きをY方向へ向ける程度の圧力でよい。一実施形態では、スクライブライン(11)の溝深さは、トリガ溝(1)の溝深さに比べて深くなっている。
また、一実施形態では、カッタホイール(5)を停止させることなく第1から第4セクジョンまで一気に移動させながら各セクションでの切圧を変更するが、これに限定されず、例えば、次のセクションへ移る際に、タイマ等を用いて所定時間だけカッタホイール(5)を停止させるようにしてもよい。これにより、ポジションごとに確実に切圧を切り換えることができる。
また、一実施形態では、カッタホイール(5)を化学強化ガラス(10)から離すことなく第1から第4セクションまで一気に移動させるが、これに限定されず、第1から第4セクションの途中で、カッタホイール(5)を化学強化ガラス(10)から離したり、カッタホイール(5)を後退させたりしてもよい。例えば、第2セクション時にトリガ溝(1)を形成した後、カッタホイール(5)を一旦化学強化ガラス(10)から離し、カッタホイール(5)を後退させた後に降下させて、カッタホイール(5)をトリガ溝(1)に合わせた後に第3セクションから再開するようにしてもよい。
図2に示すように、カッタホイール(5)が所定の距離だけ進み、スクライブライン(11)がX方向に沿って所定の長さだけ形成された後に、カッタホイール(5)がさらに停止することなく進み、矩形の角が丸みを帯びた形状のスクライブライン(11)が、いわゆる一筆書きで形成される。その後、カッタホイール(5)を次の始点へ向かって移動させ、その始点にカッタホイール(5)を接触させた後、上述した動作を繰り返すことによって、再びトリガ溝(1)とスクライブライン(11)とが形成される。
尚、一実施形態では、カッタホイール(5)を停止させることなく、トリガ溝(1)に引き続いてスクライブライン(11)が連続的に形成されるが、これに限定されず、例えば、トリガ溝(1)の形成後に、カッタホイール(5)の刃がX方向へ向いた状態でカッタホイール(5)がX方向に沿ってマイナス側からプラス側へ所定の距離だけ移動して停止し、カッタホイール(5)が化学強化ガラス(10)から離れる。この後、カッタホイール(5)の刃をX方向に向けたまま、その刃をトリガ溝(1)に合わせて、カッタホイール(5)を強化ガラス(10)に引っかけた後に、スクライブライン(11)を形成するようにしてもよい。
また、図4に示すように、化学強化ガラス(10)のY方向とX方向に沿って並んだ複数のトリガ溝(1)が起点となってスクライブライン(11)を形成することも可能である。この場合には、Y方向とX方向に沿うスクライブライン(11)が交差することにより、矩形状のものが複数形成される。
図4のA部のトリガ溝(1)は、図1のA部のトリガ溝(1)と同じ方法で形成されるため、説明を省略し、以下、図4のB部のトリガ溝(1)の形成方法について説明する。
図5は、図4のB部の拡大図である。この場合には、カッタホイール(5)が、旋回を伴わずにX方向に沿ってマイナス側からプラス側へ直線的に移動した後に、旋回を伴いながら曲線的に移動する際にトリガ溝(1)が形成されるとともに、そのトリガ溝(1)を起点として連続的にY方向へ延びるスクライブライン(11)が形成される。
以上のように、従来のトリガ溝(1)の形成方法とは違い、ケガキ部材を化学強化ガラス(10)に衝突させることなく、カッタホイール(5)を旋回させるだけで、化学強化ガラス(10)にトリガ溝(1)を形成することができる。そして、カッタホイール(5)の刃先がトリガ溝(1)を介して化学強化ガラス(10)に引っかかり、カッタホイール(5)がスリップせずに移動することにより、スクライブライン(11)の形成を容易にすることができる。
―実施形態の変形例―
この変形例では、上述の旋回工程の旋回が連続して2回行われる点において、一実施形態とは異なる。以下、一実施形態と異なる点について重点的に説明する。
図6のトリガ溝(1)の場合、カッタホイール(5)をX方向に沿ってマイナス側からプラス側へ進めた後に、半径Rで中心角90°の円弧を描くようにカッタホイール(5)を時計回りに移動させる。この曲線移動を伴いながらカッタホイール(5)が図6の時計回り(順方向)に90°旋回する。
この1回目の旋回に引き続いて2回目の旋回が行われる。この2回目では、カッタホイール(5)を上述の円弧を描くように反時計回り(反対方向)に移動させながらカッタホイール(5)が図6の反時計回りに90°旋回する。この変形例では、2回目の旋回時にトリガ溝(1)が形成され、このトリガ溝(1)に引き続いてスクライブライン(11)が連続的に形成される。
このように、一実施形態とは違い、旋回を1回ではなく2回行うことによって、トリガ溝(1)を確実に形成することができる。変形例の場合、2回目の旋回でトリガ溝(1)が形成されているが、これに限定されず、1回目の旋回でトリガ溝(1)が形成されてもよい。また、旋回の回数は2回に限定されるものではなく、3回以上であってもよい。旋回が3回以上であっても、カッタホイール(5)の旋回方向は、順方向への回転と逆方向への回転とを交互に繰り返すようにする。これにより、トリガ溝(1)を強化ガラス(10)に確実に形成することができる。
図7のトリガ溝(1)の場合、カッタホイール(5)が、旋回を伴わずにY方向に沿ってマイナス側からプラス側へ直線的に移動した後に、2回の旋回を伴いながら曲線的に移動することにより、トリガ溝(1)が形成され、このトリガ溝(1)に引き続いてスクライブライン(11)が連続的に形成される。
―スクライブライン形成装置―
次に、上述のトリガ溝(1)の形成方法を実施する形成装置としてのスクライブライン形成装置(50)について説明する。このスクライブライン形成装置(50)は、トリガ溝(1)を形成した後にそのトリガ溝(1)を起点としてスクライブライン(11)を形成するように構成されるものである。
このスクライブライン形成装置(50)は、図8に示すように、テーブル(20)と支持部(30)と本体部(35)と制御部(40)とを備えている。テーブル(20)は、その最上面が矩形状の平面に形成されている。この平面の上に強化ガラス(10)が載せられている。テーブル(20)の両側面には、テーブル(20)の長手方向(Y方向)へ延びる第1ガイドレール(21)が取り付けられている。支持部(30)は、このテーブル(20)の第1ガイドレール(21)に移動自在に係合する係合部を介してテーブル(20)に支持されている。支持部(30)には、テーブル(20)の短手方向(X方向)へ延びる第2ガイドレール(31)がテーブル(20)の上側に位置するように取り付けられている。本体部(35)は、この支持部(30)の第2ガイドレール(31)に移動自在に係合する係合部を介して支持部(30)に保持されている。
この第1ガイドレール(21)とその係合部、第2ガイドレール(31)とその係合部が、本発明の移動機構である。
支持部(30)には、移動機構の駆動源としての第1移動モータ(15a)が設けられている。この第1移動モータ(15a)は、支持部(30)の両端に取り付けられている。この第1移動モータ(15a)を駆動させると、テーブル(20)の第1ガイドレール(21)に沿って支持部(30)が図8のY方向へ移動する。
本体部(35)は、図9に示すように、カッタホイール(5)と、カッタホルダ(6)と、移動機構の駆動源としての第2移動モータ(15b)と、旋回モータ(16)と、上下移動モータ(17)とを備えている。カッタホイール(5)は、円板状のホイールの円周部に沿ってV字形の刃が形成されたものである。カッタホルダ(6)は、その先端部でカッタホイール(5)を回転自在に支持している。
また、カッタホルダ(6)は、本体部(35)に固定された、旋回機構としてのベアリング(9)を介して回転自在に支持されている。尚、一実施形態の旋回モータ(16)は、トリガ溝(1)及びスクライブライン(11)を形成する前の段階でカッタホイール(5)及びカッタホルダ(6)を本体部(35)が進む方向へ予め向けておくためのものであり、トリガ溝(1)及びスクライブライン(11)の形成時には、上述のベアリング(9)によって、第1移動モータ(15a)及び第2移動モータ(15b)の2軸制御による本体部(35)の曲線移動に倣うように、カッタホルダ(6)とカッタホイール(5)とが旋回する。しかしながら、トリガ溝(1)及びスクライブライン(11)の形成時に、旋回モータ(16)によってカッタホイール(5)を旋回させることを妨げるものではない。
第2移動モータ(15b)を駆動させると、支持部(30)の第2ガイドレール(31)に沿って本体部(35)が図8のX方向へ移動する。旋回モータ(16)を駆動させると、強化ガラス(10)の直交軸(8)周りにカッタホルダ(6)が旋回する。この旋回により、カッタホイール(5)の向きが変更される。尚、このスクライブライン形成装置(50)では、この直交軸(8)がカッタホルダ(6)の回転軸(9a)からずれた位置にあるが、カッタホルダ(6)の取り付け位置を一実施形態の位置から偏心させ、カッタホイール(5)の直交軸(8)とカッタホルダ(6)の回転軸(9a)を一致させることも可能である。上下移動モータ(17)を駆動させると、カッタホルダ(6)と旋回モータ(16)とが上下に移動する。これにより、カッタホイール(5)が上下に移動する。
制御部(40)は、移動モータ(15a,15b)と旋回モータ(16)と上下移動モータ(17)とを制御するものである。これらのモータ(15a,15b,16,17)を制御してトリガ溝(1)とスクライブライン(11)とを形成する。以下、この制御部(40)の動作について説明する。
図10は、スクライブライン形成装置(50)によるトリガ溝(1)の形成過程において、カッタホイール(5)の旋回が2回の場合の接触痕(2)の軌道とカッタホイール(5)の刃の向きとを対応させて示す図である。
制御部(40)は、第1移動モータ(15a)と第2移動モータ(15b)とを駆動させて、図10(a)に示すように、カッタホイール(5)を所定の位置へ移動させる。次に、上下移動モータ(17)を駆動させて、図10(b)に示すように、カッタホイール(5)を化学強化ガラス(10)に接触させる。次に、第2移動モータ(15b)を駆動させて、図10(c)に示すように、化学強化ガラス(10)に接触させた状態のカッタホイール(5)をX方向へ移動させて、図10(d)に示すように、第1移動モータ(15a)と第2移動モータ(15b)とを駆動させて、円弧を描くように時計回りにカッタホイール(5)を曲線移動させながらカッタホイール(5)を時計回り(順方向)に90°旋回させる。
1回目の旋回の終了後に連続して2回目の旋回が行われ、図10(e)に示すように、第1移動モータ(15a)と第2移動モータ(15b)とを駆動させて、円弧を描くように反時計回りにカッタホイール(5)を曲線移動させながらカッタホイール(5)を反時計回り(逆方向)に90°旋回させる。2回の旋回によって、化学強化ガラス(10)にトリガ溝(1)が形成される。
その後、第2移動モータ(15b)のみを駆動させて、図10(f)に示すように、カッタホイール(5)をX方向へ移動させ、トリガ溝(1)を起点とするスクライブライン(11)とを形成する。
(その他の実施形態)
一実施形態では、カッタホイール(5)を移動させ且つ化学強化ガラス(10)を固定させてトリガ溝(1)とスクライブライン(11)とを形成したが、これに限定されず、化学強化ガラス(10)が載ったテーブル(20)を移動させ且つカッタホイール(5)を固定させてトリガ溝(1)とスクライブライン(11)とを形成してもよい。
また、一実施形態では、脆性基板として化学強化ガラスが用いられたが、これに限定されず、例えば、圧縮応力層のない強化ガラスであってもよい。また、厚みが薄い脆性基板
の場合には、その基板の切り始めにカッタホイール(5)がスリップしないようにカッタホイール(5)の切圧を上げるが、このとき切圧を上げ過ぎると、脆性基板が割れてしまうという問題があるが、本発明の方法の場合、カッタホイール(5)のスリップ防止のため切圧を上げる必要はなく、カッタホイール(5)の刃の向きを変えるだけでトリガ溝(1)を形成することができる。また、脆性基板はガラス板に限られない。
以上、説明したように、本発明は、脆性基板のスクライブラインの起点となるトリガ溝の形成方法及びそれを用いたスクライブライン形成装置について有用である。
1 トリガ溝
5 カッタホイール
10 化学強化ガラス(脆性基板)
11 スクライブライン
15a 第1移動モータ
15b 第2移動モータ
30 支持部
35 本体部
40 制御部
50 スクライブライン形成装置(形成装置)

Claims (2)

  1. 脆性基板(10)にスクライブライン(11)を形成する前に、前記脆性基板(10)にスクライブライン(11)の起点となるトリガ溝(1)を形成するトリガ溝の形成方法であって、
    前記脆性基板(10)に接触させた状態のカッタホイール(5)を前記脆性基板(10)に対して相対的に移動させる移動工程を行いながら、前記脆性基板(10)に直交する直交軸(8)周りに前記カッタホイール(5)を旋回させる旋回工程を行うことにより前記トリガ溝(1)が形成され、前記旋回工程は、前記カッタホイール(5)を順方向へ旋回させた後に逆方向へ旋回させる動作が行われることを特徴とする、トリガ溝の形成方法。
  2. 前記移動工程は、前記カッタホイール(5)の旋回方向と同方向周りで曲線状の軌跡を描くように前記カッタホイール(5)を相対的に移動させることを特徴とする、請求項1に記載のトリガ溝の形成方法。
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