JP6300128B2 - 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、これを備えた光学機能部材および画像表示装置 - Google Patents

光学フィルムの製造方法、光学フィルム、これを備えた光学機能部材および画像表示装置 Download PDF

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本発明は、光学フィルムの製造方法、光学フィルム、これを備えた光学機能部材および画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の画像表示装置における画像表示面には、デザイン性および/または平滑性を得るために前面板を配置することがある。
通常、前面板は、偏光板よりも観察者側に位置し、かつ偏光板との間にギャップ(空気層)を有するように配置されている。前面板の観察者側の面には、低反射率および前面板を保護するために、反射防止フィルムが設けられているが、前面板を透過した外光が偏光板の表面で反射してしまうことがあるので、前面板の観察者側のみならず、前面板の映像光源側の面および偏光板の観察者側の面にも反射防止フィルムが設けられている。
現在、このような構造の前面板、反射防止フィルムおよび偏光板を有する光学機能部材において、コスト削減を図るために、前面板の映像光源側の反射防止フィルムおよび偏光板の観察者側の反射防止フィルムを取り除くとともに、前面板と偏光板とを接着することが検討されている。
しかしながら、反射防止フィルムの基材として用いられている光透過性樹脂基材には、通常、紫外線吸収剤が含有されているので、前面板と偏光板とを紫外線硬化性接着剤を用いて接着する場合には、反射防止フィルム側から紫外線を照射すると、光透過性樹脂基材に含まれる紫外線吸収剤により紫外線が吸収されてしまい、紫外線硬化性接着剤が硬化し難いという問題がある。なお、特許文献1には、前面板と偏光板とを紫外線硬化性接着剤を用いて接着することが開示されている。
そこで、このような問題を解消するために、紫外線吸収剤の含有量を低減させた光透過性樹脂基材を用いることが検討されている。加えて、薄い反射防止フィルムが要望されており、このため光透過性樹脂基材を薄膜化することが検討されている。
特開2011−38079号公報
しかしながら、従来より薄くかつ紫外線吸収剤の含有量を低減させた光透過性樹脂基材上にハードコート層を形成すると、従来得られていた良好な白化防止性および良好な干渉縞防止性を得ることができないおそれがある。
ここで、「干渉縞」とは、光透過性樹脂基材とハードコート層とに屈折率差があるため、この界面の反射光とハードコート層の表面の反射光との干渉、およびハードコート層の膜厚ムラに起因して生じるムラ模様であり、この干渉縞が発生すると、外観が損なわれてしまう。干渉縞を防止する技術としては、例えば、ハードコート層を形成するための組成物に、溶剤として光透過性樹脂基材に浸透して膨潤または溶解させることが可能な浸透性溶剤を含ませて、光透過性基材におけるハードコート層との界面付近に光透過性基材の成分とハードコート層の樹脂成分とが混在した混在領域を形成し、この混在領域によりハードコート層との屈折率差を緩和して、干渉縞を防止する技術が知られている。
しかしながら、従来より薄くかつ紫外線吸収剤の含有量を低減させた光透過性樹脂基材上にハードコート層を形成する場合において、上記と同様の技術により干渉縞の発生を防止しようとすると、光透過性樹脂基材における浸透性溶剤の浸透により、従来の光透過性樹脂基材にハードコート層を形成した場合よりも、光透過性樹脂基材が溶解して光透過性樹脂基材に含まれる可塑剤がより抽出されてしまう。このように光透過性樹脂基材の表面が凹凸形状になり、白化が生じてしまう。従来の光透過性樹脂基材より薄い光透過性樹脂基材は、浸透性溶剤の影響を受けやすいため、白化が顕著に現れやすい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、厚さ15μm以上70μm以下の光透過性樹脂基材を用いた場合において、良好な白化防止性および良好な干渉縞防止性を得ることができる光学フィルムの製造方法、および良好な白化防止性および良好な干渉縞防止性が得られた光学フィルム、このような光学フィルムを備えた光学機能部材、および画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、良好な白化防止性および良好な干渉縞防止性を得るため鋭意研究を重ねた結果、光透過性樹脂基材における光透過性樹脂基材を形成する際に支持体に接触していた面にハードコート層を形成した場合、光透過性樹脂基材における支持体に接触していた面とは反対側の面(エアー面)にハードコート層を形成した場合よりも干渉縞が生じくいこと、および光硬化性樹脂組成物に含ませる溶剤として、(1)光透過性樹脂基材に対して浸透性を有する沸点が85℃未満の第1の溶剤と、(2)沸点が85℃以上125℃以下のエステル類および沸点が100℃以上150℃以下のエーテル類からなる群から選択される少なくとも1種の第2の溶剤とを併用した場合には、白化が生じにくいことを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
本発明の一の態様によれば、支持体上に光透過性樹脂および可塑剤を含む溶液を流延し、乾燥することにより得られた、前記可塑剤を含み、かつ波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上である厚さ15μm以上70μm以下の光透過性樹脂基材を用意する工程と、前記光透過性樹脂基材における前記支持体に接触していた面に、少なくとも、重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーと、溶剤とを含む光硬化性樹組成物を塗布することによって、前記光透過性樹脂基材上に塗膜を形成するとともに、一部の前記光重合性モノマーおよび一部の前記溶剤とを前記光透過性樹脂基材に浸透させる工程と、前記光硬化性樹脂組成物を乾燥させ、光照射により硬化させることによって、前記光透過性樹脂基材上にハードコート層を形成するとともに、前記光透過性樹脂基材における前記ハードコート層との界面付近に前記光透過性樹脂基材と前記光透過性樹脂基材に浸透した前記光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域を形成する工程とを備え、前記溶剤が、少なくとも、(1)光透過性樹脂基材に対して浸透性を有する沸点が85℃未満の第1の溶剤、および(2)沸点が85℃以上125℃以下のエステル類および沸点が100℃以上150℃以下のエーテル類からなる群から選択される少なくとも1種の第2の溶剤を含むことを特徴とする、光学フィルムの製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、光透過性樹脂基材と、前記光透過性樹脂基材上に形成されたハードコート層とを備える光学フィルムであって、前記光透過性樹脂基材が、支持体上に光透過性樹脂および可塑剤を含む溶液を流延し、乾燥することにより得られた、前記可塑剤を含み、かつ波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上である厚さ15μm以上70μm以下のものであり、前記ハードコート層が、重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂を含み、かつ前記光透過性樹脂基材における前記支持体に接触していた面に形成され、前記光透過性樹脂基材が、前記ハードコート層との界面付近に、前記光透過性樹脂基材と、前記光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域を有し、前記ハードコート層の表面における外部ヘイズ値が0%以上0.2%未満であることを特徴とする、光学フィルムが提供される。
本発明の他の態様によれば、光透過性を有する前面板と、前記前面板の一方の面上に形成された上記の光学フィルムと、前記前面板における前記光学フィルムが形成されている面とは反対側の面に、紫外線硬化性接着剤の硬化物からなる接着層を介して貼り付けられた偏光板とを備えることを特徴とする、光学機能部材が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の光学フィルム、または上記の光学機能部材を備えることを特徴とする、画像表示装置が提供される。
本発明の一の態様の光学フィルムの製造方法によれば、少なくとも、重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーと、(1)光透過性基材に対して浸透性を有する沸点が85℃未満の第1の溶剤、および(2)沸点が85℃以上125℃以下のエステル類および沸点が100℃以上150℃以下のエーテル類からなる群から選択される少なくとも1種の第2の溶剤を含む溶剤とを含む光硬化性樹脂組成物を用いて、可塑剤を含み、波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上である厚さ15μm以上70μm以下の光透過性樹脂基材における支持体に接触していた面上にハードコート層を形成するとともに、光透過性樹脂基材におけるハードコート層との界面付近に混在領域を形成するので、良好な白化防止性および良好な干渉縞防止性を得ることができる光学フィルムを提供できる。
本発明の他の態様の光学フィルム、光学機能部材および画像表示装置によれば、光透過性樹脂基材が、支持体上に光透過性樹脂および可塑剤を含む溶液を流延し、乾燥することにより得られた、可塑剤を含み、かつ波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上である厚さ15μm以上70μm以下のものであり、ハードコート層が光透過性樹脂基材における支持体に接触していた面に形成され、光透過性樹脂基材が、ハードコート層との界面付近に混在領域を有し、かつハードコート層の表面における外部ヘイズ値が0%以上0.2%未満であるので、良好な白化防止性および良好な干渉縞防止性が得られた光学フィルムを提供できる。
実施形態に係る光学フィルムの製造工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る光学フィルムの製造工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る光学フィルムの製造工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る光学機能部材の概略構成図である。 実施形態に係る画像表示装置の概略構成図である。 白化評価の結果が「◎」の状態のハードコート層の表面の光学顕微鏡写真である。 白化評価の結果が「○」の状態のハードコート層の表面の光学顕微鏡写真である。 白化評価の結果が「△」の状態のハードコート層の表面の光学顕微鏡写真である。 白化評価の結果が「×」の状態のハードコート層の表面の光学顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施形態に係る光学フィルムの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は、実施形態に係る光学フィルムの製造工程を模式的に示した図である。
≪光学フィルムの製造方法≫
まず、図1(A)に示されるように、光透過性樹脂基材1を用意する。光透過性樹脂基材1は、厚さ15μm以上70μm以下、好ましくは20μm以上60μm以下、より好ましくは20μm以上40μm以下のものである。このような厚さの光透過性樹脂基材1を用いることにより、光学フィルムの薄膜化を達成することができる。
光透過性樹脂基材1は、例えば金属製のベルトやドラム等の支持体上に、光透過性樹脂および可塑剤を含む溶液を流延し、乾燥することにより得られたものである。この方法は、溶液流延法(溶液キャスト法)とも呼ばれている。
また、光透過性樹脂基材1は、可塑剤を含み、かつ波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上のものである。波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率は、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。光透過性樹脂基材1は、波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上となっていればよく、紫外線吸収剤を含有していても、あるいは紫外線吸収剤を含有していなくともよい。紫外線透過率は、分光光度計を用いて測定することができる。
(光透過性樹脂)
光透過性樹脂としては、光透過性を有する樹脂であれば特に限定されない。具体的には、光透過性樹脂としては、セルロースアシレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、またはアクリレート系ポリマーが挙げられる。
セルロースアシレートとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテートが挙げられる。シクロオレフィンポリマーとしては、例えばノルボルネン系モノマーおよび単環シクロオレフィンモノマー等の重合体が挙げられる。
ポリカーボネートとしては、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート等が挙げられる。
アクリレート系ポリマーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、光透過性および複屈折率性に優れていることからセルロースアシレートが好ましく、さらにセルロースアシレートの中でもトリアセチルセルロースが好ましい。トリアセチルセルロース(TAC)は、フィルムとした場合、可視光域380nm以上780nm以下において、平均光透過率を50%以上とすることが可能な樹脂である。トリアセチルセルロールをフィルムとした場合、平均光透過率は70%以上、更に85%以上であることが好ましい。
なお、トリアセチルセルロースとしては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートの如くセルロースとエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分も併用した物であってもよい。
(可塑剤)
上記溶液には、光透過性樹脂の他、可塑剤が含まれている。可塑剤としては、例えば、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが挙げられる。リン酸エステルとしては、トリフェニルホスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェートが挙げられる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルとしては、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチルが挙げられる。
その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。グリコール酸エステルの例としては、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどがある。中でもトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレートが好ましい。特にトリフェニルホスフェート、ジエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレートが好ましい。これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上併用してもよい。
可塑剤の添加量は光透過性樹脂に対して5質量%以上30質量%以下が好ましく、8質量%以上16質量%以下であることがより好ましい。可塑剤は、上記溶液の調製の際に、光透過性樹脂や溶剤と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
(紫外線吸収剤)
上記溶液に紫外線吸収剤を含有させる場合、紫外線吸収剤としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。
(溶剤)
上記溶液は、光透過性樹脂および可塑剤を溶剤に溶解させたものであるが、この溶液を形成するための溶剤としては、光透過性樹脂を溶解するものであれば特に限定されない。溶剤としては、例えば、塩化メチレン等の塩素系有機溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、乳酸エチル、乳酸、ジアセトンアルコール等の非塩素系有機溶剤が挙げられる。これらの中でも、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、乳酸エチル等が好ましい。
光透過性樹脂基材1を用意した後、図1(B)に示されるように光透過性樹脂基材1における支持体に接触していた面(以下、簡略化のために「光透過性樹脂基材における支持体に接触していた面」を「支持体面」と称する)1Aに、光硬化性樹脂組成物2を塗布する。なお、光透過性樹脂基材1における支持体面1Aとは反対側の面をエアー面1Bと称する。光硬化性樹脂組成物2を塗布する方法としては、スピンコート、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
<光硬化性樹脂組成物>
光硬化性樹脂組成物は、少なくとも、重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーと、溶剤とを含んでいる。また、光硬化性樹脂組成物には、その他、ハードコート層の硬度や耐擦傷性を向上させる観点から光重合性オリゴマーや光重合性ポリマーを添加することが好ましい。さらに、必要に応じて、帯電防止剤、重合開始剤、分散剤、易滑剤、微粒子等を添加してもよい。
(光重合性モノマー)
光重合性モノマーは、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本発明における「光重合性官能基」とは、光照射により重合反応し得る官能基である。光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の少なくともいずれかを意味するものである。また、光重合性モノマー等を重合する際に照射される光としては、可視光線、並びに紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線のような電離放射線が挙げられる。
光重合性モノマーは、上記したように重量平均分子量が1000以下のものである。光重合性モノマーの重量平均分子量の下限は100以上であることが好ましい。光重合性モノマーの重量平均分子量が1000以下であることによって、光透過性樹脂基材1に浸透する溶剤とともに光透過性樹脂基材1に光重合性モノマーを浸透させることが可能となる。これにより、後述する光透過性樹脂基材1におけるハードコート層4の界面(支持体面1A)付近に、光透過性樹脂基材1とハードコート層4との屈折率を緩和するための、光透過性樹脂基材1とこの光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域1Dを形成することができる。なお、このような光重合性モノマーを、1種類のみならず、複数種類用いてもよい。
光重合性モノマーとしては、光重合性官能基が2つ(2官能)以上の多官能モノマーが好ましい。多官能モノマーの中でも、3官能以上6官能以下のモノマーがより好ましい。2官能モノマーとしては、例えば、1,6‐ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO変成ジ(メタ)アクリレート、1,4‐ビス[(3‐エチル‐3‐オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン等の変成がなされていてもよい。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」および「メタアクリレート」の少なくともいずれかを意味するものである。
3官能以上のモノマーとしては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスルトール、エポキシ樹脂等に(メタ)アクリル酸又はその誘導体を反応させて得られる3官能以上の(メタ)アクリロイルモノマーなどが適用でき、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変成トリ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも硬度が高いハードコート層が得られる観点から、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)等が好ましい。
光硬化性樹脂組成物の全固形分に対する光重合性モノマーの含有量は、10質量%以上70質量%以下であることが好ましい。光重合性モノマーの含有量がこの範囲内であると、光学フィルムの硬度として所望の硬度が得られ、干渉縞の発生をより抑制することができる。また、この範囲内であると、硬化時(架橋反応時)の反応熱によって光学フィルムに熱ダメージを抑制できるので、皺の発生や外観の悪化をより抑制できる。
(溶剤)
溶剤は、(1)光透過性樹脂基材に対して浸透性を有する沸点が85℃未満の第1の溶剤と、(2)沸点が85℃以上125℃以下のエステル類および沸点が100℃以上150℃以下のエーテル類からなる群から選択される少なくとも1種の第2の溶剤とを含むものである。
第1の溶剤は、上記したように沸点が85℃未満であり、かつ光透過性樹脂基材に対して浸透性を有するものである。このような第1の溶剤を用いることにより、光透過性樹脂基材に第1の溶剤のみならず、上記した重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーをも浸透させることができる。
第1の溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル等の含窒素化合物;テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;グリコールエーテル類が挙げられる。また、これらの混合物であってもよい。これらの中でも、酢酸メチル、酢酸エチル及びメチルエチルケトンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特にメチルエチルケトンが好ましい。メチルエチルケトンは、光透過性樹脂基材、特にトリアセチルセルロース基材に対する浸透性が強く、光透過性樹脂基材を溶解または膨潤させることができる。
光硬化性樹脂組成物における第1の溶剤の含有量は、溶剤の全量を100質量%としたとき、75質量%以上95質量%以下であることが好ましく、80質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。第1の溶剤の含有量が上記範囲内であると、所定厚さの後述する混在領域を容易に形成することができる。
第2の溶剤は、上記したように沸点が85℃以上125℃以下のエステル類および沸点が100℃以上150℃以下のエーテル類からなる群から選択される少なくとも1種である。エステル類は、沸点が85℃以上110℃以下のものが好ましい。またこのようなエステル類の中でも、重量平均分子量が80以上110以下のものが好ましく、90以上105以下のものがより好ましい。エステル類としては、沸点が80℃以上125℃以下のものであれば、特に限定されないが、このようなエステル類としては、例えば、酢酸イソプロピル(沸点:88.6℃、重量平均分子量:102.13)、炭酸ジメチル(沸点:90℃、重量平均分子量:90.08)、炭酸エチルメチル(沸点:107℃、重量平均分子量:104.1)、が挙げられる。
エーテル類は、沸点が100℃以上150℃以下のものが好ましい。またこのようなエーテル類の中でも、重量平均分子量が100以上150以下のものが好ましく、120以上140以下のものがより好ましい。エーテル類としては、沸点が100℃以上150℃以下のものであれば、特に限定されないが、このようなエーテル類としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:146℃、重量平均分子量:132.16)等が挙げられる。
上記エステル類やエーテル類は、光透過性樹脂基材、特にトリアセチルセルロース基材に対して浸透性を有するものであるが、第1の溶剤よりは光透過性樹脂基材に対する浸透性は弱い。第1の溶剤の他に、上記エステル類やエーテル類を用いることにより、光透過性樹脂基材に対する第1の溶剤の浸透を制御することができる。また、後述するように溶剤により可塑剤が溶解することにより、白化が生じるものと考えられるので、上記エステル類またはエーテル類の中でも、可塑剤が溶解しにくいエステル類やエーテル類が好ましい。ただし、エステル類でありながら第1の溶剤にも第2の溶剤にも含まれないのが酢酸nブチルである。酢酸ブチルは、理由は定かではないが、光透過性樹脂基材に浸透することを阻害するアルコール系溶剤と同じ働きをすることを確認している。
光硬化性樹脂組成物における第2の溶剤の含有量は、溶剤の全量を100質量%としたとき、5質量%以上25質量%以下であることが好ましく、10質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。第2の溶剤の含有量が上記範囲内であると、光硬化性樹脂組成物に後述する帯電防止剤を含ませた場合に、帯電防止性をより発現させることができる。
(光重合性オリゴマーおよび光重合性ポリマー)
光重合性オリゴマーおよび光重合性ポリマーは、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。
光重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000を超え10000以下のものである。光重合性オリゴマーの重量平均分子量がこのような範囲のものであることによって、上記した光重合性モノマーのように溶剤とともに光透過性樹脂基材中に浸透することが少なく、光透過性樹脂基材上に残存するため、ハードコート層の硬度や耐擦傷性を良好にすることが可能となる。
光重合性オリゴマーとしては、光重合性官能基が3つ(3官能)以上の多官能オリゴマーが好ましい。多官能オリゴマーの中でも、6官能以上のオリゴマーがより好まく、10官能以上15官能以下のオリゴマーが最も好ましい。多官能オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、 ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどの(メタ)クリレート類、カチオン重合型エポキシ化合物、シロキサン等の珪素樹脂などが挙げられる。
光重合性ポリマーは、重量平均分子量は10000を超えるものであればよいが、重量平均分子量としては10000〜80000程度が好ましく、10000〜40000程度がより好ましい。重量平均分子量が80000を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光学積層体の外観が悪化するおそれがある。光重合性ポリマーとしては、2官能以上の多官能ポリマーが好ましい。多官能ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物の全固形分に対する光重合性オリゴマーおよび/または光重合性ポリマーの含有量は、10質量%以上70質量%以下であることが好ましい。ここで、光硬化性樹脂組成物に光重合性オリゴマーおよび光重合性ポリマーの両方が含まれている場合には、上記含有量は、光重合性オリゴマーと光重合性ポリマーとを合わせた含有量を意味するものとする。光重合性オリゴマーおよび/または光重合性ポリマーの含有量が、上記の範囲内であると、特にハードコート層上の層(低屈折率層)との密着性をより向上させることができ、耐擦傷性をより向上させることができる。また、熱によるダメージを抑制でき、優れた鉛筆硬度およびクラック耐性を得ることができる。
(帯電防止剤)
帯電防止剤としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物;スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物;アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物;スズ及びチタンのアルコキシドのような有機金属化合物;それらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられる。
また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、または金属キレート部を有し、かつ、光重合性モノマー又はオリゴマー、或いは光重合性官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の光重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。これらの帯電防止剤は、イオン性液体であってもよい。
帯電防止剤としては、導電性ポリマーも挙げられる。導電性ポリマーとしては特に限定されず、例えば、芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェン、脂肪族共役系のポリアセチレン、含ヘテロ原子共役系のポリアニリン、混合型共役系のポリ(フェニレンビニレン)、分子中に複数の共役鎖を持つ共役系である複鎖型共役系、前述の共役高分子鎖を飽和高分子にグラフト又はブロック共重した高分子である導電性複合体等が挙げられる。
また、帯電防止剤の他の例としては、導電性微粒子も挙げられる。導電性微粒子の具体例としては、金属酸化物からなるものを挙げることができる。そのような金属酸化物としては、例えば、アンチモンドープ酸化スズ(略称:ATO)、リンドープ酸化スズ(略称:PTO)、スズドープ酸化インジウム(略称:ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称:AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(略称:GZO)、ZnO、CeO、Sb、SnO、In、およびAlを挙げることができる。
光硬化性樹脂組成物の全固形分に対する帯電防止剤の含有量は、2〜20質量%であることが好ましい。帯電防止剤の含有量がこの範囲内であると、目的とする帯電防止性能が発現し、かつハードコート層の光透過率の低下およびヘイズ値の上昇をより抑制することができる。
(重合開始剤)
重合開始剤は、光照射により分解されて、ラジカルを発生して光重合性モノマー等の重合を開始または進行させる成分である。本発明においては、光硬化性樹脂組成物に重合開始剤が含まれている場合には、重合開始剤は固形分として換算しないものとする。
重合開始剤は、光照射によりラジカル重合を開始させる物質を放出することが可能であれば特に限定されない。重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物類等が挙げられる。より具体的には、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケトン、1−(4−ドテシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン等を例示できる。これらの中でも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンは、少量でも光照射による重合反応を開始または促進することができるので、好ましい。重合開始剤は、以上に示したいずれか一つを単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤の市販品としては、例えば、BASF社製のイルガキュア(登録商標)184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、イルガキュア(登録商標)907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、イルガキュア(登録商標)127(2−ヒドロキシ−1[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン)、ルシリン(登録商標)TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)等が挙げられる。
(易滑剤)
易滑剤(アンチブロッキング剤)は、ロール状態にするなどハードコート層と光透過性樹脂基材とを重ね合わせた際の貼り付きを防止する成分である。易滑剤としては、従来公知の易滑剤を使用することができ、例えば、平均一次粒径100nm以上1000nm以下の特開2004−284126号公報に記載のシリカ等の無機化合物の微粒子及び高密度ポリエチレンや、ポリスチレン、ポリスチレンアクリル等の有機化合物の微粒子を用いることができる。易滑剤の含有量は、光硬化性樹脂組成物の全固形分の合計質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
(硬度付与微粒子)
硬度付与微粒子は、ハードコート層の硬度を向上させる成分である。微粒子としてはハードコート層に用いることができる公知のものを要求性能に応じて適宜採用すればよい。
硬度付与微粒子の平均粒径は、ハードコート層の透明性の点から1nm以上100nm以下であることが好ましい。この範囲であることにより、ハードコート層の透明性を維持しながら硬度を付与しやすい。微粒子は、凝集粒子であってもよく、凝集粒子である場合は、二次粒径が上記範囲内であれば良い。
硬度付与微粒子の光硬化性樹脂組成物における添加量は特に制限が無く、硬度等を考慮して適宜設定すれば良い。微粒子の添加量は、光硬化性樹脂組成物の全固形分に対し、0質量%以上40質量%以下であることがハードコート層の硬度向上の点から好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。ただし、40質量%を超えると、帯電防止性能が発現されなくなってしまうおそれがある。
微粒子は、無機微粒子でも有機微粒子でもよいが、硬度付与の観点から無機微粒子であることが好ましい。無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO)微粒子、アルミナ微粒子等が挙げられる。
シリカ微粒子は、表面処理が施されたものであってもよい。また、シリカ微粒子としては、硬度の面から表面に紫外線反応基を有するものが好ましい。シリカ微粒子の形状は、球状、不定形、異形、鎖状であってもよい。シリカ微粒子の市販品としては、日産化学工業株式会社製のIPA−ST、IPASTMS、IPAST(L)等が挙げられる。
アルミナはモース硬度が高い材料であるので、無機微粒子としてアルミナ微粒子を使用した場合には、より硬度を向上させることができる。アルミナ微粒子は、シリカ微粒子と同様に表面処理が施されたものであってもよい。
光透過性樹脂基材1の支持体面1Aに、光硬化性樹脂組成物2を塗布すると、図2(A)に示されるように光透過性樹脂基材1上に光硬化性樹脂組成物2の塗膜3が形成されるとともに、光透過性樹脂基材1の上部に一部の第1の溶剤等の溶剤および一部の光重合性モノマーが浸透した浸透領域1Cが形成される。
次いで、例えば30℃以上100℃以下で15秒以上乾燥させて第1の溶剤等の溶剤を除去し、図2(B)に示されるように光照射により硬化させて、光透過性樹脂基材1上に残留した光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂(バインダ樹脂)を含むハードコート層4を形成するとともに、光透過性樹脂基材1におけるハードコート層4の界面(支持体面1A)付近に光透過性樹脂基材1と光透過性樹脂基材1に浸透した光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域1Dを形成する。ここで、光硬化性樹脂組成物に、光重合性モノマーの他に、光重合性オリゴマーおよび/または光重合性ポリマーを添加した場合には、ハードコート層に含まれる樹脂は、光重合性モノマーと、光重合性オリゴマーおよび/または光重合性ポリマーとの共重合体から構成されており、また光硬化性樹脂組成物に光重合性モノマーの他に、光重合性オリゴマーおよび/または光重合性ポリマーを添加していない場合には、ハードコート層に含まれる樹脂は、光重合性モノマーの重合体から構成されている。また、混在領域に含まれる樹脂は、硬化後樹脂となる成分として、光透過性樹脂基材に光重合性モノマーのみが浸透した場合には、光重合性モノマーの重合体から構成されており、また硬化後樹脂となる成分として、光透過性樹脂基材に光重合性モノマーのみならず、若干の光重合性オリゴマーも浸透した場合には、光重合性モノマーと光重合性オリゴマーとの共重合体から構成されている。なお、光透過性樹脂基材1における混在領域1D以外の領域1Eを「非混在領域」と称する。
光硬化性樹脂組成物に帯電防止剤を含ませた場合には、帯電防止剤は光透過性樹脂基材中には浸透しないので、ハードコート層中のみに存在し、ハードコート層は帯電防止性を有するものとなる。
光として紫外線を用いる場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる紫外線等が利用できる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。なかでも高圧水銀灯が好ましく、上記波長域の範囲によって、混在領域1Dの厚みを所望の厚みに調整することができる。
ハードコート層4および混在領域1Dを形成した後、図3に示されるように、必要に応じてハードコート層4上にハードコート層4の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層5を形成する。具体的には、例えば、低屈折率層5は、ハードコート層4上に低屈折率層用硬化性樹脂組成物(以下、簡略化のために「低屈折率層用硬化性樹脂組成物」を、「低屈折率層用組成物」と称する。)を塗布し、乾燥させて、硬化させることにより形成することができる。これにより、図3に示される光学フィルム10が作製される。
(低屈折率層用組成物)
低屈折率層用組成物としては、例えば、シリカやフッ化マグネシウム等の屈折率の低い成分と硬化後樹脂となる光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、あるいは光重合性ポリマーとを含む組成物が挙げられる。なお、低屈折率層用組成物中に重合開始剤等を添加してもよい。光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、あるいは光重合性ポリマーとしては、上記光硬化性樹脂組成物で挙げられた光重合性モノマー等と同様のものを使用することができる。他にも、有機フッ素化合物のモノマー、オリゴマー、およびポリマーの少なくともいずれかを用いてもよい。有機フッ素化合物は硬度が弱いため、紫外線硬化型のものが好ましい。
また、低屈折率層を形成するための組成物には、低屈折率層の屈折率を低減させるために中空シリカ粒子等の中空粒子を含有させてもよい。中空粒子は、外殻層を有し外殻層に囲まれた内部が多孔質組織又は空洞である粒子をいう。この多孔質組織や空洞には空気(屈折率:1)が含まれており、屈折率1.20以上1.45以下の中空粒子を低屈折率層に含有させることで低屈折率層の屈折率を低下させることができる。中空粒子の平均粒径は1nm以上100nm以下であることが好ましい。中空粒子としては従来公知の低屈折率層に用いられているものを用いることができ、例えば、特開2008−165040号公報に記載の空隙を有する微粒子が挙げられる。低屈折率層の膜厚は要求される性能に応じて適宜選択すればよく、80nm以上120nm以下であることが好ましい。
支持体上に上記溶液を流延し、乾燥することにより得られた、可塑剤を含み、かつ波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上の厚さ15μm以上70μm以下の光透過性樹脂基材におけるエアー面にハードコート層を形成した場合には、白化は生じにくいが、干渉縞は生じやすい。これに対し、このような光透過性樹脂基材の支持体面にハードコート層を形成した場合には、白化は生じやすく、干渉縞は生じにくい。
エアー面にハードコート層を形成した場合よりも支持体面にハードコート層を形成した場合の方が、白化が生じやすいのは、以下の理由からであると考えられる。支持体面はエアー面よりもメチルエチルケトン等の溶剤が浸透しやすい。また、光透過性樹脂基材を形成する際の乾燥工程においては、エアー面からは光透過性樹脂基材の形成時に用いられるメチルエチルケトン等の溶剤とともに可塑剤が揮発するが、支持体面は支持体で覆われているので支持体面からは可塑剤は揮発しにくい。したがって、得られた光透過性樹脂基材においては、支持体面の方がエアー面よりも可塑剤の量が多い。ここで、白化は、メチルエチルケトン等の浸透性が強い溶剤により、光透過性樹脂基材の表面が荒らされることにより生じるものと考えられる。具体的には、光透過性樹脂基材の表面にメチルエチルケトンを塗布すると、光透過性樹脂基材へのメチルエチルケトンの浸透により可塑剤が溶解して、光透過性樹脂基材の表面から抽出されるので、光透過性樹脂基材の表面が凹凸形状となる。そして、この光透過性樹脂基材の表面の凹凸形状がハードコート層の表面に反映されることにより白化が生じるものと考えられる。したがって、支持体面はエアー面よりもメチルエチルケトン等の溶剤が浸透し、かつエアー面よりもより多くの可塑剤が抽出されるので、支持体面の方がエアー面よりも白化が生じやすくなるものと考えられる。
本実施形態においては、少なくとも、重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーと、(1)光透過性樹脂基材に対して浸透性を有する沸点が85℃未満の第1の溶剤、および(2)沸点が85℃以上125℃以下のエステル類および沸点が100℃以上150℃以下のエーテル類からなる群から選択される少なくとも1種の第2の溶剤を含む溶剤とを含む光硬化性樹脂組成物2を用いて、厚さ15μm以上70μm以下の光透過性樹脂基材1に支持体面1A上にハードコート層4を形成するとともに、光透過性樹脂基材1におけるハードコート層4との界面付近に混在領域1Dを形成している。このような第2の溶剤は、上記したように、光透過性樹脂基材1に浸透するものであるが、第1の溶剤よりも浸透性が弱い。したがって、第1の溶剤の他に、このような第2の溶剤を、光硬化性樹脂組成物2に含ませることにより、第1の溶剤による可塑剤の抽出を抑制することができるので、光透過性樹脂基材1の支持体面1Aが荒れるのを抑制できる。これにより、良好な白化防止性を得ることができる。
エアー面にハードコート層を形成した場合よりも支持体面にハードコート層を形成した場合の方が、干渉縞が生じにくいのは、支持体面の方が、エアー面よりも溶剤が浸透しやすいので、支持体面の方が、エアー面よりも溶剤で荒らされて、光透過性樹脂基材とハードコート層との間の界面が明確な界面とならないためであると考えられる。ただし、支持体面にハードコート層を形成した場合であっても、第1の溶剤の他に、光透過性樹脂基材に浸透しない溶剤(例えばイソプロピルアルコール)を含む光硬化性樹脂組成物を用いた場合には、光透過性樹脂基材に対する第1の溶剤の浸透を過度に抑制してしまうので、良好な干渉縞防止性を得ることができない。これに対し、本実施形態においては、溶剤として、第1の溶剤の他に、光透過性樹脂基材1に対して浸透性を有する上記のエステル類およびエーテル類からなる群から選択される少なくとも1種の第2の溶剤を用いているので、光透過性樹脂基材1への第1の溶剤の浸透を過度に抑制することがない。これにより、良好な干渉縞防止性を得ることができる。光透過性樹脂基材に浸透しない溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール系以外に、酢酸ブチル等が挙げられる。
また、本実施形態のように、光重合性モノマー、第1の溶剤、第2の溶剤を含む光硬化性樹脂組成物2を用いて、ハードコート層4を形成した場合には、ハードコート層4に亀裂が入ることもない。
本実施形態によれば、光透過性樹脂基材1におけるハードコート層4との界面付近に、光透過性樹脂と、ハードコート層4の樹脂にモノマー単位として含まれている光重合性モノマーと同じ光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域1Dを形成しているので、光透過性樹脂基材1とハードコート層4との間の界面が電子顕微鏡により観察されにくい。また、光透過性樹脂基材1とハードコート層4との密着性を向上させることができる。
≪光学フィルム≫
本実施形態に係る光学フィルムは、上記製造方法により得られるものである。すなわち、図3に示されるように、光学フィルム10は、光透過性樹脂基材1と、光透過性樹脂基材1の支持体面1A上に形成されたハードコート層4とを備えている。なお、図3に示される光学フィルム10は、低屈折率層5をさらに備えているが、光学フィルム10は低屈折率層5を備えていなくともよい。光学フィルム10は、反射防止フィルムとして機能するものである。
光透過性樹脂基材1は、上述したように支持体上に上記溶液を流延し、乾燥することにより得られた、可塑剤を含み、かつ波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上の厚さ15μm以上70μm以下のものである。また、光透過性樹脂基材1は、ハードコート層4との界面付近に、光透過性樹脂基材1と、ハードコート層4の樹脂にモノマー単位として含まれている重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーと同じ光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域1Dを有するものである。
混在領域1Dの厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。混在領域1Dの厚みがこの範囲内であると、干渉縞防止性をより向上させることができ、かつ光透過性樹脂基材1とハードコート層4との密着性をより向上させることができる。また、紫外線等の光が混在領域に十分に到達するので、硬化不良をより低減でき、また光透過性樹脂基材中における溶剤が残存せず、さらに皺やカールの発生をより抑制できる。
ハードコート層4は、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を有するものである。ハードコート層4は、上述した光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂を含んでいる。
ハードコート層4の厚みは、3μm以上18μm以下であることが好ましい。この範囲が好ましいとしたのは、ハードコート層の厚みが3μm未満であると、光透過性樹脂基材の成分が、光硬化性樹脂組成物の硬化収縮を阻害して、架橋密度が上がりにくくなるため、ハードコート層の硬度が不十分となるおそれがあるからである。また、ハードコート層の厚みが18μmを超えると、光硬化性樹脂組成物の硬化収縮が高くなるため、光学フィルムにカールやクラックが生じてしまうおそれがあるからである。
光学フィルム10の膜厚方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の電子顕微鏡を用いて観察した場合には、光透過性樹脂基材1とハードコート層4との間の界面は視認されにくい。
ハードコート層4の表面における外部ヘイズ値は0%以上0.2%未満であり、0%以上0.1%以下であることが好ましい。外部ヘイズ値は、ハードコート層における表面の凹凸形状のみに起因するものであり、以下のようにして求めることができる。まず、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K−7136に従って光透過性基材およびハードコート層からなる光学フィルム全体のヘイズ(全体ヘイズ)を測定する。その後、ハードコート層の表面に、粘着層や粘着テープ等を介して光透過性樹脂基材を貼り付ける。これによって、ハードコート層の表面の凹凸形状が潰れ、光学フィルムの表面が平坦になる。そして、この状態で、ヘイズメーターを用いて、JIS K−7136に従ってヘイズを測定し、更に上記の粘着層や粘着テープ自身のヘイズを差し引くことで内部ヘイズを求める。この内部ヘイズ値は、ハードコート層における表面の凹凸形状を加味しないものであるので、全体ヘイズから内部ヘイズを差し引くことにより、ハードコート層における表面の凹凸形状のみに起因する外部ヘイズが求められる。
ハードコート層4の表面における10点平均粗さRzは、0.001μm以上0.05μm以下であることが好ましく、0.001μm以上0.01μm以下となっていることがより好ましい。この範囲が好ましいとしたのは、ハードコート層の表面における10点平均粗さRzが0.05μmを超えると、白化が生じるおそれがあるからである。10点平均粗さは、JIS−B0601:1994に定義されており、この定義に従って測定される。10点平均粗さRzは、例えば、株式会社小坂研究所社製の表面粗さ測定器SE−3400を用いて測定することができる。
混在領域1Dの屈折率は、ハードコート層4側から光透過性樹脂基材1における非混在領域1E側に向けて徐々に非混在領域1Eの屈折率に近づくように変化していることが好ましい。これは、上述したように光重合性モノマーを光透過性樹脂基材1の支持体面1A側から光透過性樹脂基材1に浸透させるので、混在領域1D中の光重合性モノマーの重合体が、混在領域1D側から非混在領域1E側に向けて徐々に小さくなる濃度勾配を有するために生じるものと考えられる。
光学フィルム10の表面抵抗値は、優れた帯電防止性を得る観点から、1011Ω/□以下であることが好ましく、1010Ω/□以下であることがより好ましく、10Ω/□以下であることがさらに好ましい。低屈折率層5を備えない場合には、光学フィルムを鹸化処理後、または溶剤で表面を拭き取った後でも、表面抵抗値は、1012Ω/□以下であることが好ましく、1011Ω/□以下であることがより好ましく、1010Ω/□以下であることがさらに好ましい。鹸化処理は、光学フィルムを、1.5〜4.5規定に調整された40℃〜70℃のNaOHまたはKOH水溶液に15秒〜5分浸漬することにより行われる。表面抵抗値の測定に使用できる機器としては、三菱油化株式会社製のハイレスターHT−210等が挙げられる。
光学フィルム10の全光線透過率は、優れた光透過性を得る観点から、低屈折率層5を備えない場合には88%以上であることが好ましい。また低屈折率層5を備える場合には90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましい。
光学フィルム10の反射Y値は、外光の反射を防止する観点から、2.0%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1.2%以下であることがさらに好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることがさらに好ましい。反射Y値は、5°正反射率を380〜780nmまでの波長範囲で測定し、その後、人間が目で感じる明度として換算するソフト(後述するMCP3100に内蔵)で算出される、視感反射率で示す値である。なお、5°正反射率を測定する場合には、光学フィルムであるフィルムの裏面反射を防止するため、測定膜面とは逆側に、黒テープを貼って測定する。反射Y値の測定に使用できる機器としては、島津製作所株式会社製のMCP3100等が挙げられる。
光学フィルム10の耐スチールウール摩耗性は、光学フィルム10の表面をスチールウール0000番(商品名:BON STAR、日本スチールウール株式会社製)を用い、荷重100g/cmを加えながら、速度100mm/秒で10往復擦った場合に傷がないことが好ましく、荷重300g/cmを加えながら、速度100mm/秒で10往復擦った場合に傷がないことがより好ましい。
白化は上述したようにハードコート層の表面に存在する凹凸に起因するので、白化防止性はハードコート層の外部ヘイズやハードコート層の表面における10点平均粗さRzによって評価することができる。本実施の形態によれば、ハードコート層4の表面における外部ヘイズ値が0%以上0.2%未満であるので、良好な白化防止性を有している。また、ハードコート層4の表面における10点平均粗さRzは、0.001μm以上0.05μm以下となっているので、より良好な白化防止性を有している。さらに、本実施の形態によれば、溶剤や光重合性モノマーが浸透しやすい光透過性樹脂基材1の支持体面1A上にハードコート層4を形成しているので、光透過性樹脂基材1における支持体面1A付近に所定厚さの混在領域1Dが確実に形成されている。このため、光透過性樹脂基材1とハードコート層4との間の屈折率差を緩和することができるとともに、光透過性樹脂基材1とハードコート層4との間の界面が電子顕微鏡やレーザー顕微鏡により観察されにくい。
これにより、良好な干渉縞防止性を有している。
また、混在領域1Dの屈折率がハードコート層4側から非混在領域1E側に向けて徐々に非混在領域1Eの屈折率に近くになるように変化している場合には、より干渉縞の発生を抑制することができる。
≪光学機能部材≫
光学フィルム10は、例えば、光学機能部材に組み込んで使用することができる。図4は本実施形態に係る光学フィルムを組み込んだ光学機能部材の概略構成図である。図4に示されるように光学機能部材20は、前面板21と、前面板21の一方の面上に形成された光学フィルム10と、前面板21における光学フィルム10が形成されている面とは反対側の面に、紫外線硬化性接着剤の硬化物からなる接着層22を介して貼り付けられた偏光板23とを備えている。
前面板21としては、ガラス基板や光透過性樹脂基板等が挙げられる。前面板21の厚さは0.3mm以上5.0mm以下であることが好ましい。前面板21の厚みをこの数値範囲としたのは、前面板の厚みが0.3mm未満であると、前面板が割れるおそれがあり、また前面板の厚みが0.5mmを超えると、前面板が重くなるからである。前面板21は、光学フィルム10のエアー面1B側に配置されており、前面板21とエアー面1Bとは貼り付けられている。偏光板23は、偏光素子を備えている。偏光素子としては、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等が挙げられる。紫外線硬化性接着剤は、紫外線により硬化して、前面板21と偏光板23とを接着できるものであれば、特に限定されない。
本実施形態の光学フィルム10においては、波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上の光透過性樹脂基材1を用いているので、前面板21と偏光板23とを紫外線硬化性接着剤を用いて接着させる際に、光学フィルム10側から紫外線を照射したとしても、紫外線が光学フィルム10を確実に透過する。これにより、前面板21と偏光板23とを確実に紫外線硬化性接着剤で接着することができる。
本実施形態の光学機能部材20においては、前面板21と偏光板23との間に空気層が介在していないので、光の屈折により生じる二重像や干渉ムラが抑制され、視認性をより向上させることができる。
≪画像表示装置≫
光学フィルム10や光学機能部材20は、画像表示装置に組み込んで使用することができる。画像表示装置としては、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、タブレットPC、電子ペーパー等が挙げられる。図5は本実施形態に係る光学フィルムを組み込んだ画像表示装置の概略構成図である。
図5に示される画像表示装置30は、液晶ディスプレイである。画像表示装置30は、光源側(バックライト側)から観察者側に向けて、トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)等の保護フィルム31、偏光素子32、位相差フィルム33、接着層34、液晶セル35、接着層36、位相差フィルム37、偏光板23、接着層22、前面板21、光学フィルム10の順に積層された構造を有している。液晶セル35は、2枚のガラス基材間に、液晶層、配向膜、電極層、カラーフィルタ等を配置したものである。
位相差フィルム33、37としては、トリアセチルセルロースフィルムやシクロオレフィンポリマーフィルムが挙げられる。接着層34、36を構成する接着剤としては、感圧接着剤(PSA)が挙げられる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、光硬化性樹脂組成物を得た。
(光硬化性樹脂組成物1)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):95質量部
・酢酸イソプロピル(第2の溶剤):5質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物2)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):85質量部
・酢酸イソプロピル(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物3)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):75質量部
・酢酸イソプロピル(第2の溶剤):25質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物4)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):95質量部
・炭酸エチルメチル(第2の溶剤):5質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物5)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):85質量部
・炭酸エチルメチル(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物6)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):75質量部
・炭酸エチルメチル(第2の溶剤):25質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物7)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):85質量部
・炭酸エチルメチル(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物8)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):95質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(第2の溶剤):5質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物9)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):85質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物10)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):75質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(第2の溶剤):25質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物11)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・アセトン(第1の溶剤):75質量部
・酢酸イソプロピル(第2の溶剤):25質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物12)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸メチル(第1の溶剤):85質量部
・酢酸イソプロピル(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物13)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸メチル(第1の溶剤):85質量部
・炭酸エチルメチル(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物14)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸メチル(第1の溶剤):95質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(第2の溶剤):5質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物15)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸エチル(第1の溶剤):85質量部
・酢酸イソプロピル(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物16)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸エチル(第1の溶剤):85質量部
・炭酸エチルメチル(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物17)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸エチル(第1の溶剤):85質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物18)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、DPHA40H、日本化薬株式会社製、10官能、重量平均分子量2000):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):85質量部
・酢酸イソプロピル(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物19)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、UN904、根上工業株式会社製、10官能、重量平均分子量5000):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):85質量部
・酢酸イソプロピル(第2の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物20)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):100質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物21)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸メチル(第1の溶剤):100質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物22)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸エチル(第1の溶剤):100質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物23)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・アセトン(第1の溶剤):100質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物24)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):95質量部
・酢酸ブチル:5質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物25)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):85質量部
・酢酸ブチル:15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物26)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):95質量部
・イソプロピルアルコール:5質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物27)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):85質量部
・イソプロピルアルコール:15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物28)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン:95質量部
・酢酸エチル:5質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物29)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・メチルエチルケトン(第1の溶剤):85質量部
・酢酸エチル(第1の溶剤):15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物30)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸メチル(第1の溶剤):85質量部
・酢酸ブチル:15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物31)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸メチル(第1の溶剤):85質量部
・イソプロピルアルコール:15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物32)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸エチル(第1の溶剤):85質量部
・酢酸ブチル:15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物33)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・酢酸エチル(第1の溶剤):85質量部
・イソプロピルアルコール:15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物34)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・アセトン(第1の溶剤):85質量部
・酢酸ブチル:15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
(光硬化性樹脂組成物35)
・4級アンモニウム塩およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有溶液(帯電防止剤および光重合性モノマー、UV-ASHC-01、日本化成株式会社製、溶剤:ブタノール、メチルエチルケトン(第1の溶剤)):25質量部(固形分50質量%(固形分における4級アンモニウム塩の割合15質量%、固形分におけるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの割合85質量%)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー、DPHA、日本化薬株式会社製、重量平均分子量578):50質量部
・ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、U15HA、新中村化学工業株式会社製、15官能、重量平均分子量2300):25質量部
・アセトン(第1の溶剤):85質量部
・イソプロピルアルコール:15質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製):4質量部
<実施例1>
まず、可塑剤を含み、かつ紫外線吸収剤を含まない厚さ60μmのトリアセチルセルロース基材(TACBright社製)を用意した。このトリアセチルセルロース基材は、ベルト状の支持体に可塑剤を含み、かつ紫外線吸収剤を含まないトリアセチルセルロース溶液を流延し、乾燥することにより得られたものであった。
そして、支持体面としての、このトリアセチルセルロース基材における支持体に接触していた面に、ロールコート法を用いて光硬化性樹脂組成物1を塗布して、トリアセチルセルロース基材上に塗膜を形成するとともに、一部のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび一部のメチルエチルケトンおよび酢酸イソプロピルをトリアセチルセルロース基材に浸透させた。その後、塗布した光硬化性樹脂組成物1を70℃で60秒間乾燥させた後、紫外線照射装置を用いて、照射量100mJ/cmで紫外線照射を行い、硬化させた。これにより、トリアセチルセルロース基材上にジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの重合体と4級アンモニウム塩とを含む乾燥膜厚1.5μmのハードコート層が形成されるとともに、トリアセチルセルロース基材におけるハードコート層の界面付近にトリアセチルセルロースとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの重合体とが混在した乾燥膜厚4μmの混在領域が形成されて、実施例1に係る光学フィルムが作製された。
<実施例2〜19および比較例1〜16>
実施例2〜19および比較例1〜16においては、光硬化性樹脂組成物として表1および表2に示すものを用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。
<比較例17>
比較例17においては、光硬化性樹脂組成物として光硬化性樹脂組成物2を用い、かつ光硬化性樹脂組成物2をトリアセチルセルロース基材における支持体に接触していた面とは反対側の面(エアー面)に塗布した以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。
<光学フィルムの断面観察>
上記実施例1において作製された光学フィルムの断面を、走査電子顕微鏡(S−400、日立協和エンジニアリング株式会社製)を用いて撮影し、得られた断面写真を観察したところ、トリアセチルセルロール基材とハードコート層との間に界面が観察されなかった。
<光学フィルムの評価>
上記実施例および比較例において作製された光学フィルムについて、それぞれ以下に示す試験を行って、評価した。
(表面抵抗値測定)
上記実施例および比較例で作製したそれぞれの光学フィルムについて、表面抵抗値測定器(ハイレスターHT−210、三菱油化株式会社製)を用いて表面抵抗値を測定した。
(外部ヘイズ評価)
まず、上記実施例および比較例で作製したそれぞれの光学フィルムについて、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K−7136に従ってヘイズ(全体ヘイズ)を測定した。また、上記実施例および比較例で作製したそれぞれの光学フィルムの表面に、粘着層テープ(高透明性接着剤転写テープ OCAテープ 製品番号8146−1 3M社製)を介して光透過性樹脂基材を貼り付けることによって凹凸形状をつぶして平坦にし、表面形状起因のヘイズの影響をなくした状態で、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K−7136に従ってヘイズを測定した。次いで、先の粘着テープだけのヘイズを測定し、表面形状起因のヘイズの影響をなくした光学フィルムのヘイズから粘着テープのヘイズを差し引き、内部ヘイズを求めた。そして、全体ヘイズ値から内部ヘイズ値を差し引いて、外部ヘイズを求めた。
(10点平均粗さ測定)
上記実施例および比較例で作製したそれぞれの光学フィルムについて、表面粗さ測定器(SE3400、株式会社小坂研究所社製)を用いて、JIS−B0601:1994に従って10点平均粗さRzを測定した。
(白化防止性評価)
上記実施例および比較例で作製したそれぞれの光学フィルムのトリアセチルセルロース基材におけるハードコート層が形成されている面とは逆側の光透過性樹脂基材の面から三波長管の光を当ててハードコート層側の面から透過した光を光学フィルムの角度を適宜変えながら目視により観察して、白化が生じているか否か評価した。評価基準は以下の通りとした。
◎:透明であった。
○:ほぼ透明であった。
△:若干、白化していた。
×:白化し、かつ表面がぶつぶつしていた。
また、この評価において、「◎」、「○」、「△」、「×」であったハードコート層の表面を光学顕微鏡により観察したところ、図6〜9のような写真が得られた。図6は「◎」の状態のハードコート層の表面の光学顕微鏡写真であり、図7は「○」の状態のハードコート層の表面の光学顕微鏡写真であり、図8は「△」の状態のハードコート層の表面の電子顕微鏡写真であり、図9は「×」の状態のハードコート層の表面の光学顕微鏡写真である。なお、図6〜9に示される写真は、倍率500倍で撮影したものである。
(干渉縞防止性評価)
上記実施例および比較例で作製したそれぞれの光学フィルムのトリアセチルセルロース基材におけるハードコート層が形成されている面とは反対側の面に黒いテープを貼り、干渉縞の有無を評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:干渉縞が確認されなかった。
△:干渉縞が若干確認された。
×:干渉縞が明確に確認された。
評価結果を表1および表2に示す。
表2に示されるように、比較例1〜17においては、白化防止性および干渉縞防止性の両方を満足する光学フィルムは得られなかった。これに対し、表1に示されるように、実施例1〜19においては、白化防止性および干渉縞防止性の両方を満足する光学フィルムが得られたことが確認された。
また、図6〜図9から、白化防止性評価において「◎」から「×」にかけて、ハードコート層の表面に存在する凹凸が多くなっていることが確認できる。一方、白化防止性評価において「△」や「×」となっているハードコート層の外部ヘイズ値は0.2%または1.0%であり、白化防止性評価において「◎」や「○」となっているハードコート層の外部ヘイズよりも高い値となっている。また、白化防止性評価において「△」や「×」となっているハードコート層の表面における10点平均粗さは0.07μmまたは0.3μmであり、白化防止性評価において「◎」や「○」となっているハードコート層の表面における10点平均粗さよりも高い値となっている。したがって、白化防止性は外部ヘイズ値および10点平均粗さで評価できることが確認された。
1…光透過性樹脂基材
1A…支持体面
1B…エアー面
1C…浸透領域
1D…混在領域
1E…非混在領域
2…光硬化性樹脂組成物
3…塗膜
4…ハードコート層
5…低屈折率層
10…光学フィルム
20…光学機能部材
21…前面板
22…接着層
23…偏光板
30…画像表示装置

Claims (3)

  1. 光学フィルムを備える画像表示装置において白化および干渉縞の発生を防止する方法であって、前記光学フィルムとして、
    光透過性樹脂基材と、前記光透過性樹脂基材上に形成されたハードコート層とを備える光学フィルムであって、
    前記光透過性樹脂基材が、光透過性樹脂および可塑剤を含み、かつ波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上である厚さ15μm以上70μm以下のものであり、
    前記ハードコート層が、重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂を含み、かつ前記光透過性樹脂基材における一方の面であって、前記光透過性樹脂基材における他方の面よりも前記可塑剤の量が多い前記一方の面に形成され、
    前記光透過性樹脂基材が、前記ハードコート層との界面付近に、前記光透過性樹脂基材と、前記光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域を有し、
    前記ハードコート層の表面における外部ヘイズ値が0%以上0.2%未満であり、
    前記光透過性樹脂が、セルロースアシレートであり、
    前記光透過性樹脂基材が、紫外線吸収剤を含有しないことを特徴とする、光学フィルムを使用する、方法。
  2. 前記画像表示装置が、光学機能部材を備え、
    前記光学機能部材が、
    光透過性を有する前面板と、
    前記前面板の一方の面上に形成された前記光学フィルムと、
    前記前面板における前記光学フィルムが形成されている面とは反対側の面に、紫外線硬化性接着剤の硬化物からなる接着層を介して貼り付けられた偏光板と
    を備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 光透過性樹脂基材を用意する工程と、
    前記光透過性樹脂基材における支持体に接触していた面に、少なくとも、重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーと、溶剤とを含む光硬化性樹脂組成物を塗布することによって、前記光透過性樹脂基材上に塗膜を形成するとともに、一部の前記光重合性モノマーおよび一部の前記溶剤とを前記光透過性樹脂基材に浸透させる工程と、
    前記光硬化性樹脂組成物を乾燥させ、光照射により硬化させることによって、前記光透過性樹脂基材上にハードコート層を形成するとともに、前記光透過性樹脂基材における前記ハードコート層との界面付近に前記光透過性樹脂基材と前記光透過性樹脂基材に浸透した前記光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域を形成する工程とを備える製造方法により光学フィルムを製造する際、前記光学フィルムにおける白化および干渉縞の発生を防止する方法であって、
    前記光透過性樹脂基材として、前記支持体上に光透過性樹脂および可塑剤を含む溶液を流延し、乾燥することにより得られた、前記可塑剤を含み、かつ波長325nm以上380nm以下の波長域における紫外線透過率が80%以上である厚さ15μm以上70μm以下の光透過性樹脂基材を使用し、
    前記溶剤として、少なくとも、(1)前記光透過性樹脂基材に対して浸透性を有する沸点が85℃未満の第1の溶剤、および(2)沸点が85℃以上125℃以下のエステル類および沸点が100℃以上150℃以下のエーテル類からなる群から選択される少なくとも1種の第2の溶剤を含む溶剤を使用し、
    前記光透過性樹脂として、セルロースアシレートを使用し、
    前記光透過性樹脂基材が、紫外線吸収剤を含有しないことを特徴とする、方法。
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