JP6299250B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description
ハウジングは、筒部、第1板部、第2板部および穴部を有している。第1板部は、筒部の一端を塞ぐ。第2板部は、筒部の他端を塞ぎ、筒部と第1板部との間に内部空間を形成する。穴部は、第1板部の内部空間側と、内部空間とは反対側とを接続するよう第1板部に形成される。シャフトは、一端が内部空間に位置するよう穴部に挿通され、ハウジングに対し相対回転可能に設けられる。
付勢手段は、機能発生部がロータを吸引する方向とは反対の方向にロータを付勢する。上記構成により、動力伝達装置は、相対回転するハウジングとシャフトとの間で動力の伝達が可能である。
また、本発明では、第1板部または第2板部とロータとが当接したとき、ハウジングとロータとの間の動力の伝達効率が所定の大きさ以上となるよう作用する作用部(90)をさらに備えている。作用部は、凹部、および、凹部に係合可能な凸部を有している。凸部が凹部に係合したとき、ハウジングとロータとは、相対回転不能となる。
本発明の第1実施形態による動力伝達装置を図1〜3に示す。
動力伝達装置1は、例えば、図示しない車両のエンジンのクランクシャフトと補機の入力軸との間に設けられ、クランクシャフトから出力される動力を補機に伝達可能である。
ハウジング20は、例えば鉄等の磁性体により形成され、筒部21、第1板部22、第2板部23、および、穴部25を有している。
シャフト30は、例えばステンレス等の金属により形成され、本体31、突出部32、第1環状部33、第2環状部34等を有している。
第1環状部33は、略円環状に形成され、突出部32のシール部材4側に位置するよう本体31に嵌め込まれている。ここで、第1環状部33は、本体31に対し相対移動不能である。
ロータ40は、例えば鉄等の磁性体により形成され、本体41、穴部42、溝部43を有している。
このように、ロータ40は、シャフト30の一端に対し相対回転不能、かつ、軸方向に相対移動し第1板部22に当接可能なよう内部空間24に設けられる。
このように、機能性流体50は、内部空間24に設けられ、作用する磁場の強さ(外部からの刺激の大きさ)に応じて、相対回転するハウジング20とロータ40との間の動力の伝達効率が変化するよう機能する。
このように、機能発生部60は、ロータ40との間に吸引力を発生しロータ40を第1板部22側に吸引するとともに機能性流体50に刺激を与えることが可能である。
上記構成により、動力伝達装置1は、所定の条件のとき(例えば機能発生部60が機能性流体50に刺激を与えているとき)、相対回転するハウジング20とシャフト30との間で動力の伝達が可能である。
図1に示すように、機能発生部60の電磁コイル61に電力が供給されていないとき、ロータ40は、スプリング71により、シャフト30の第2環状部34に押し付けられた状態である。この状態では、ハウジング20とロータ40との間の動力の伝達効率が略0のため、シャフト30に対しクランクシャフトから動力が入力されても、この動力はハウジング20側に伝達されない。よって、補機の入力軸に動力は入力されない。
比較例による動力伝達装置は、物理的な構成が、付勢手段70(スプリング71)を備えない点以外、本実施形態と同様である。図6に破線で示すように、比較例では、付勢手段70を備えないため、電磁コイル61が発生する磁場がm1になると、ロータ40と第1板部22とが当接し、ハウジング20とシャフト30との間の伝達効率がt2となる。このように、比較例では、電磁コイル61に供給する電力に応じてハウジング20とシャフト30との間の伝達効率を線形に変化させることはできない。よって、本実施形態は、ハウジング20とシャフト30との間の伝達効率の制御性が良好な点で、比較例に対し優位であると言える。
本発明の第2実施形態による動力伝達装置を図7、8に示す。第2実施形態は、作用部90の構成が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、作用部90は、摩擦面91、92に代えて、凸部93、凹部94を有している。
本発明の第3実施形態による動力伝達装置を図9、10に示す。第3実施形態は、作用部90の構成が第1実施形態と異なる。
第3実施形態では、作用部90は、摩擦面91、92に代えて、凸部95、凹部96を有している。
本発明の第4実施形態による動力伝達装置を図11に示す。第4実施形態は、付勢手段70の構成が第1実施形態と異なる。
第4実施形態では、付勢手段70は、スプリング71に代えて、ベローズ72を有している。
なお、ベローズ72は、シャフト30の摺動部35を覆うようにして設けられている。
本発明の第5実施形態による動力伝達装置を図12に示す。第5実施形態は、機能性流体50、および、機能発生部60の構成が第1実施形態と異なる。
機能性流体50は、内部空間24に充填されるようにして設けられている。機能性流体50は、例えば電界が作用すると、粘度が変化する。
電極62は、例えば銅等の金属により略円環状に形成され、一方の面が第1板部22のロータ40側の面に露出するよう第1板部22と同軸になるよう設けられている。電極63は、例えば銅等の金属により略円環境に形成され、一方の面が第2板部23のロータ40側の面に露出するよう第2板部23と同軸になるよう設けられている。
ECU80が電極62、63に印加する電圧の大きさを大きくすると、機能性流体50に作用する電界の強さが大きくなる。これにより、機能性流体50の粘度が増大し、ロータ40とハウジング20との間で相互に動力(トルク)の伝達が可能になる。
本発明の他の実施形態では、ハウジングの内部空間に充填する機能性流体として、粒子の大きさが5μm程度の磁気粘性流体やER流体または電気粘性流体に限らず、大きさが例えば数十〜数百nm程度の強磁性微粒子を含む磁性流体を用いることとしてもよい。機能性流体として磁性流体を用いた場合の動力伝達装置の作動は、第1実施形態と同様である。
また、本発明の他の実施形態では、金属製のベローズに代えて、例えばゴム製チューブ状の付勢手段により、シャフトの摺動部を覆う構成としてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ハウジングは、筒部、第1板部および第2板部のうち2つが一体となり他の1つが別体に形成されるよう、または、すべてが別体に形成され互いに接合されることとしてもよい。
このように、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
20 ・・・ハウジング
21 ・・・筒部
22 ・・・第1板部
23 ・・・第2板部
24 ・・・内部空間
25 ・・・穴部
30 ・・・シャフト
40 ・・・ロータ
50 ・・・機能性流体
60 ・・・機能発生部
70 ・・・付勢手段
Claims (6)
- 筒部(21)、前記筒部の一端を塞ぐ第1板部(22)、前記筒部の他端を塞ぎ前記筒部と前記第1板部との間に内部空間(24)を形成する第2板部(23)、および、前記第1板部の前記内部空間側と前記内部空間とは反対側とを接続するよう前記第1板部に形成される穴部(25)を有するハウジング(20)と、
一端が前記内部空間に位置するよう前記穴部に挿通され、前記ハウジングに対し相対回転可能に設けられるシャフト(30)と、
前記シャフトの一端に対し相対回転不能、かつ、軸方向に相対移動し前記第1板部または前記第2板部に当接可能なよう前記内部空間に設けられるロータ(40)と、
前記内部空間に設けられ、外部からの刺激に応じて、相対回転する前記ハウジングと前記ロータとの間の動力の伝達効率が変化するよう機能する機能性流体(50)と、
前記ロータとの間に吸引力を発生し前記ロータを前記第1板部側または前記第2板部側に吸引するとともに前記機能性流体に刺激を与えることが可能な機能発生部(60)と、
前記機能発生部が前記ロータを吸引する方向とは反対の方向に前記ロータを付勢する付勢手段(70)と、を備え、
相対回転する前記ハウジングと前記シャフトとの間で動力の伝達が可能であり、
前記第1板部または前記第2板部と前記ロータとが当接したとき、前記ハウジングと前記ロータとの間の動力の伝達効率が所定の大きさ以上となるよう作用する作用部(90)をさらに備え、
前記作用部は、凹部(94、96)、および、前記凹部に係合可能な凸部(93、95)を有し、
前記凸部が前記凹部に係合したとき、前記ハウジングと前記ロータとは、相対回転不能となる動力伝達装置(1)。 - 前記凸部は、前記第1板部または前記第2板部の周方向に等間隔で並ぶよう複数形成され、
前記凹部は、前記ロータの周方向に等間隔で並ぶよう複数形成されている請求項1に記載の動力伝達装置。 - 前記凸部(93)は、前記第1板部または前記第2板部の中央から径方向外側へ直線状に延びるよう形成され、
前記凹部(94)は、前記ロータの中央から径方向外側へ直線状に延びるよう形成されている請求項2に記載の動力伝達装置。 - 前記凸部(95)は、前記第1板部または前記第2板部の前記ロータ側の面から円形に突出するよう形成され、
前記凹部(96)は、前記ロータの前記第1板部側または前記第2板部側の面から円形に凹むよう形成されている請求項2に記載の動力伝達装置。 - 前記ロータとの間に発生する吸引力、および、前記機能性流体に与える刺激の大きさが変化するよう前記機能発生部を制御可能な制御部(80)をさらに備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
- 前記シャフトは、前記ロータと摺動する部位である摺動部(35)を有し、
前記付勢手段は、内周壁で前記摺動部を覆うよう蛇腹状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の係合装置。
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