JP6298761B2 - クロマトグラフィー装置及びその利用 - Google Patents

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Description

本願は、2012年6月6日に出願した日本国特許出願である特願2012−129233に基づく優先権を主張するものであって、その内容の全てが参照により本願に組み込まれる。本明細書は、標的物質をクロマトグラフィーにより分離するクロマトグラフィー装置及びその利用に関する。
例えば、標的物質を分離ないし捕捉し、さらには検出する分析手段として、クロマトグラフィーが用いられている。クロマトグラフィーには多種類ある。なかでも、固相又は液相に対して液体の移動相を用いる薄層クロマトグラフィーやペーパークロマトグラフィーなどの分配クロマトグラフィー、タンパク質や核酸などの生体高分子を標的物質として検出するためのアフィニティークロマトグラフィーが、簡易な構成で標的物質の分離が可能であるとして汎用されている。
例えば、アフィニティークロマトグラフィーに包含されるイムノクロマトグラフィーや核酸クロマトグラフィー等が知られている。この種のクロマトグラフィー装置として、標的物質と特異的に結合する核酸を捕捉用プローブとして固定化してプローブ領域を形成した固相が用いられている(特許文献1、2)。
この種のクロマトグラフィー装置では、この固相に対して標的物質を含み得る液体(移動相)を供給して、固相に対する液体の毛細管現象により液体をプローブ領域に向かって移動させ到達させる。そして、プローブ領域において、液体中の標的物質と捕捉用プローブとの特異的結合に基づき標的物質を捕捉する。標的物質と捕捉用プローブとの特異的結合は、標的物質に結合させた着色された標識物質が、捕捉領域において濃縮されることにより目視にて確認できるようになっている。
また、確実に移動相がプローブ領域に到達したか否かを確認するための領域がプローブ領域のさらに下流側に形成されている場合もある。そして、移動相が到達することにより呈色して、移動相が、プローブ領域を通過できたことを視認できるようになっている。この種の領域には、例えば、標的物質を抗原とするとき、標識物質を連結された抗体に対して特異的に結合する抗体をプローブとして固定化しておくことが多い。
こうした汎用されているクロマトグラフィー装置は、簡易な検査が可能であり汎用性がある点においてメリットがある。
特開2001−157598号公報 特開2006−201063号公報
しかしながら、固相に移動相の展開位置を確認する領域を形成するためには、領域を呈色させるための何らかの別のプローブを固定させる必要がある。すなわち、別にプローブを準備し、別に固定化工程を実施しなければならない。したがって、こうした領域を形成することは、製造工程を複雑化し、製造コストが増大する要因にもなる。
また、上記した事情から、この展開位置を確認するための領域を複数個設けることも現実的ではなく、最下流に設けるだけであった。このため、従来のこの種のクロマトグラフィー装置では、移動相が、最下流にまで到達して呈色するまで、クロマトグラフィーが良好に実施されているかを確認できなかった。また、確認領域に至るまでの移動相の移動状況、すなわち、今、液体はどこまで到達しているか、という状況も把握することができなかった。
本明細書は、クロマトグラフィーにおける移動相の展開状況を簡易に確認できるクロマトグラフィー装置を提供する。
本発明者らは、移動相の展開状況を確認するための領域の形成について検討したところ、移動相が到達することにより、固相から分離して移動相の展開とともに移動相に拡散する色剤を用いることが有利であることを見出した。すなわち、こうした色剤を用いて固相に着色領域を形成すると、当該着色領域に到達した移動相が色剤を固相から分離しつつさらに下流に展開していくことで、着色領域の当初の着色が消失ないし低減することを見出した。さらに、本発明者らは、こうした色剤を捕捉用プローブとともに固相に保持させても、色剤のみが分離し捕捉用プローブは固定された状態が維持されることも見出した。本明細書によれば、これらの知見に基づいて以下の手段が提供される。
本明細書は、1又は2以上の標的物質を分離するためのクロマトグラフィー装置を提供する。本クロマトグラフィー装置は、固相と、前記固相表面よりも前記固相に適用される液体の移動相に分配される第1の色剤を前記固相に保持する1又は2以上の第1の着色領域と、を備えることができる。こうした第1の色剤は、換言すれば、前記移動相を前記固相に展開するとき、前記移動相とともに展開し、前記1又は2以上の着色領域の着色程度を低減又は消失可能な色剤であるといえる。すなわち、前記第1の着色領域は、前記移動相の前記固相に対する展開に伴いその着色程度が低減又は消失する。本クロマトグラフィー装置は、シート状体であってもよい。
本クロマトグラフィー装置は、前記2以上の第1の着色領域を前記移動相の移動方向に添って複数個備えることもできる。前記色剤は染料であってもよく、なかでも、水溶性染料であってもよい。さらに、前記色剤は、ブロモフェノールブルー、アシッドレッド及びキシレンシアノールから選択される1種又は2種以上であってもよい。
本クロマトグラフィー装置は、さらに、前記1又は2以上の標識物質とそれぞれ特異的に結合する捕捉用プローブを前記固相に保持する1又は2以上のプローブ領域、を備えることもできる。このクロマトグラフィー装置においては、前記1又は2以上の第1の着色領域の少なくとも一つを、前記1又は2以上のプローブ領域の少なくとも一つのプローブ領域の範囲内に備えていてもよい。また、前記1又は2以上の第1の着色領域の少なくとも一つを、前記1又は2以上のプローブ領域の少なくとも一つのプローブ領域の範囲に一致して備えていてもよい。さらに、前記1又は2以上の第1の着色領域の全てを、前記1又は2以上のプローブ領域の全てのプローブ領域に一致して備えていてもよい。
本クロマトグラフィー装置は、さらに、前記固相に適用される前記移動相よりも前記固相表面に分配される第2の色剤を前記固相に保持する1又は2以上の第2の着色領域を、備えることもできる。このクロマトグラフィー装置において、前記2以上の第2の着色領域を前記移動相の移動方向に添って複数個備えることができる。前記第2の色剤は顔料であってもよい。
本明細書は、前記クロマトグラフィー装置を用いる1又は2以上の標的物質の検出方法を提供する。本件出方法は、前記1又は2以上の標的物質を含む可能性のある前記移動相を前記固相に供給して前記固相を下流方向に展開する工程を備えることができる。前記展開工程は、前記1又は2以上の第1の着色領域の全ての着色程度が低下するまで実施することができる。
本明細書は、前記クロマトグラフィー装置の製造方法を提供する。本製造方法は、前記第1の色剤を前記固相に供給して前記第1の着色領域を形成する工程、を備えることができる。さらに、本製造方法は、前記第1の色剤を0.01質量%超0.1質量%未満の濃度で含有する第1の色剤溶液を前記固相に供給することにより前記1又は2以上の第1の着色領域を形成する工程を備えることができる。
本製造方法の前記第1の着色領域の形成工程は、前記移動相の展開幅方向に沿って一定のピッチで前記第1の色剤のスポットを有するスポット列からなるストリーム状の第1の着色サブ領域を、前記移動相の展開方向に沿って一定のピッチで複数個備える前記第1の着色領域を形成することを含み、前記第1の着色領域の展開方向に沿う少なくとも上下端にそれぞれ対応する前記第1の着色サブ領域を、直前に形成した他の前記第1の着色サブ領域に隣接しない順序でそれぞれ形成してもよい。
また、前記第1の着色領域の形成工程は、2つ目以降の少なくとも一つの第1の着色サブ領域を、直前に形成した他の前記第1の着色サブ領域に隣接しない順序で形成するようにしてもよい。
さらに、前記第2の着色領域の形成工程は、前記移動相の展開幅方向に沿って一定のピッチで前記第2の色剤のスポットを有するスポット列からなるストリーム状の第2の着色サブ領域を、前記移動相の展開方向に沿って一定のピッチで複数個備える前記第2の着色領域を形成することを含み、前記第2の着色領域の展開方向に沿う少なくとも上下端にそれぞれ対応する前記第2の着色サブ領域を、直前に形成した他の前記第2の着色サブ領域に隣接しない順序でそれぞれ形成してもよい。
さらに、前記第2の着色領域の形成工程は、2つ目以降の少なくとも一つの第2の着色サブ領域を、直前に形成した他の前記第2の着色サブ領域に隣接しない順序で形成してもよい。さらにまた、前記第2の着色領域の形成工程は、前記第2の色剤の液滴を直前に形成した他のスポットに隣接しない順序で吐出してスポットを形成して第2の着色サブ領域を形成してもよい。
クロマトグラフィー装置の一例を示す図である。 クロマトグラフィー装置の固相上への第1の着色領域の例を示す図である。 クロマトグラフィー装置の固相上への第1の着色領域の他の例を示す図である。 クロマトグラフィー装置を用いた標的物質のクロマトグラフィーの経過を示す図である。 クロマトグラフィー装置の固相上への第1の着色領域の形成方法の一例を示す図である。
本明細書は、クロマトグラフィー装置及びその利用に関する。本明細書によれば、より実用的なクロマトグラフィー装置を提供できる。本明細書に開示されるクロマトグラフィー装置は、第1の着色領域を備えることで、第1の着色領域は、第1の色剤が移動相とともに展開されるため、移動相の展開に伴いその着色が減少又は消失される。すなわち、第1の着色領域における着色の減少又は消失を、移動相の到達マーカーとして用いることができる。
以上のことから、本クロマトグラフィー装置は、移動相の展開状況を容易に確認できる。しかも第1の着色領域は、展開方向に添って任意の位置に設けることが容易であるため、展開途中の段階でも容易に確認できる。このため、本クロマトグラフィー装置によれば、クロマトグラフィーが適切に行われているかどうかを容易にかつ迅速に判断でき、誰でも再現性の良好なクロマトグラフィーを実施できる。
また、本クロマトグラフィー装置は、簡易な構成で移動相の展開状況を確認できるため、確度の高いクロマトグラフィーを実施できるクロマトグラフィー装置を低コストで提供できる。
以下では、本明細書の開示の代表的かつ非限定的な具体例について、適宜図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本明細書の開示の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本明細書の開示の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに開示は、さらに改善された標的核酸の検出方法等を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本明細書の開示を実施する際に必須のものではなく、特に本明細書の開示の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本明細書の開示の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
本明細書において標的物質とは、クロマトグラフィー装置を利用した分離を意図するものであればよく、特に限定されないが、典型的には、有機化合物である。また、クロマトグラフィーとして、アフィニティークロマトグラフィーを用いる場合には、標的物質としては、アフィニティークロマトグラフィーに適用する結合に関与する物質が挙げられる。アフィニティーの種類としては、タンパク質同士の結合(抗原と抗体、シグナル伝達過程で結合するタンパク質同士、タンパク質複合体を形成するタンパク質又はユニット)、タンパク質と低分子物質との結合(酵素と基質、受容体とホルモンなどのリガンド、キレートされた金属とタンパク質など)、核酸同士の塩基対の対合による結合、核酸とタンパク質との結合(DNAと転写因子、DNAと酵素)等が挙げられる。したがって、標的物質としては、典型的には、天然のあるいは人工的なタンパク質又はペプチド、DNA(1本鎖及び2本鎖)、RNA(1本鎖及び2本鎖)、DNA/RNAハイブリッド、DNA/RNAキメラ(1本鎖及び2本鎖)などのポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドなどの生体由来のポリマーのほか、有機化合物、キレート金属等が挙げられる。
本明細書においてクロマトグラフィー装置とは、クロマトグラフィーを利用した分離を意図するものであればよく、特に限定されないが、典型的には、有機化合物である。また、クロマトグラフィーとして、アフィニティークロマトグラフィーを用いる場合には、標的物質としては、アフィニティークロマトグラフィーに適用する結合に関与する物質が挙げられる。アフィニティーの種類としては、タンパク質同士の結合(抗原と抗体、シグナル伝達過程で結合するタンパク質同士、タンパク質複合体を形成するタンパク質又はユニット)、タンパク質と低分子物質との結合(酵素と基質、受容体とホルモンなどのリガンド、キレートされた金属とタンパク質など)、核酸同士の塩基対の対合による結合、核酸とタンパク質との結合(DNAと転写因子、DNAと酵素)等が挙げられる。したがって、標的物質としては、典型的には、天然のあるいは人工的なタンパク質又はペプチド、DNA(1本鎖及び2本鎖)、RNA(1本鎖及び2本鎖)、DNA/RNAハイブリッド、DNA/RNAキメラ(1本鎖及び2本鎖)などのポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドなどの生体由来のポリマーのほか、有機化合物、キレート金属等が挙げられる。
(クロマトグラフィー装置)
本明細書に開示される、クロマトグラフィー装置は、1又は2以上の標的物質を分離することができる。本クロマトグラフィー装置は、特に限定しないが、薄層クロマトグラフィーなどの分配クロマトグラフィーあるいはアフィニティークロマトグラフィーを実施する装置であることが好ましい。なかでも、アフィニティークロマトグラフィーを実施する装置であることが好ましい。アフィニティークロマトグラフィーは、食品衛生検査、臨床検査、遺伝子検査等の分野において汎用され有用であるからである。
(固相)
図1に示すように、本クロマトグラフィー装置は固相を備えている。本クロマトグラフィー装置における固相は、移動相を毛細管現象により移動させることできる担体である。こうした担体としては、典型的には液体の浸透性を有する多孔質担体が挙げられる。すなわち、連続孔を形成している多孔質担体が挙げられる。多孔質担体の材料は、分離しようとする標的物質の種類や移動相の種類によって適宜選択される。多孔質担体としては、典型的には、ニトロセルロース、セルロースなどの高分子繊維状体の交絡体、ガラス繊維などの無機繊維状体の交絡体、ポリスチレンやポリビニルなどの多孔質樹脂成形体等が挙げられる。この種の多孔質担体は、アフィニティークロマトグラフィーに好ましく用いられる。
固相の3次元形状は特に限定しないが、シート状体であると、製造に有利であり、また、分離した標的物質の検出にも有利である。シートの形状は、特に限定されないが、通常、移動相の展開方向を長辺とする長方形状のシートとされることが多い。
なお、こうした固相は適当な支持体に支持されていてもよい。支持体は、固相に対して剛性等を付与して取り扱い性やクロマトグラフィーの実施を容易にすることができる。支持体は、固相の支持体として機能しうる任意の形状及び材料が選択される。
(第1の着色領域)
本クロマトグラフィー装置は、図1に示すように、固相に第1の着色領域を備えている。第1の着色領域は、第1の色剤を保持する領域である。第1の着色領域には、その領域全体にわたり、第1の色剤がほぼ均質に、同じ着色程度で保持されていることが好ましい。第1の色剤は、固相表面よりも固相に適用される液体の移動相に分配される色剤である。第1の色剤は、換言すれば、固相に対して付着等により保持されているが、移動相が展開されると固相から分離して移動相とともに展開する色剤である。さらに具体的には、移動相の展開により、固相におけるその着色が低減又は消失可能な色剤である。
こうした色剤は、使用しようとする固相に塗布等により付着させて一旦保持させた後、固相上の色剤に移動相を供給すると固相から溶出して固相上の着色が低減又は消失することを確認することで容易に選択することができる。また、同様にして色剤を保持させた固相に対して移動相を展開して、移動相の展開により固相上の着色が低減又は消失することを確認することで選択してもよい。なお、色剤による着色の低下や消失は、色剤の固相における濃度等にも依存するため、色剤の供給量等も適宜選択される。
第1の色剤としては、移動相の展開により、着色が大きく低減することが好ましく、消失するものが好ましい。マーカーとしての明示性に優れるからである。また、後述するプローブ領域と重複する場合において、第1の色剤が第1の着色領域に残留して着色を残すことで、プローブ領域における標的物質の検出に妨げになりうる場合もあるからである。
なお、第1の色剤は、移動相とともに展開されるため、後述するプローブ領域において標的物質と捕捉用プローブとの反応を妨げないことが好ましい。
第1の色剤としては、例えば、染料が挙げられる。染料の種類は、移動相や固相の種類によっても異なるが、移動相が水性媒体を主体とするときには、水溶性染料が好ましい。水溶性染料としては、公知の天然染料や合成染料から適宜選択して用いることができる。例えば、ブロモフェノールブルー、アシッドレッド及びキシレンシアノール等が挙げられる。
例えば、本クロマトグラフィー装置が、アフィニティークロマトグラフィーを実施する装置の場合、移動相は、純水ほか、緩衝液など適当な塩濃度とpHとを備える水性媒体であることが一般的である。したがって、アフィニティークロマトグラフィー装置の場合には、水溶性染料を好ましく用いることができる。
第1の着色領域は、移動相の展開状況を視認可能に設けるものである。第1の着色領域は、固相に対して1又は2以上設けることができる。展開開始からの経過時間によって異なる移動相の展開状況を確認するには、第1の着色領域は、移動相の展開方向に添って展開位置が確認できるように備えられていることが好ましい。より好ましくは、展開方向に添って2以上の異なる展開位置に対応する1又は2以上の第1の着色領域を備える。
例えば、図1に示すように、2以上の異なる展開位置に対応する2以上の第1の着色領域を備える実施態様としては、展開方向に沿う異なる展開位置に対応し、かつ移動相が展開される幅全体に渡るストリーム状の第1の着色領域を備えることができる。こうしたストリーム状であると、視認性がよいほか、製造にも有利である。
なお、この態様において、第1の着色領域は、必ずしも連続したストリーム状である必要はない。図2(a)に示すように、移動相の展開幅におおよそ対応するように、複数個のドットを、例えば、一定間隔をおいて配置したものとしてもよい。ドットの形態は特に限定されないで任意の形状とすることができる。また、図2(b)〜(f)に示すように、ドットの位置は、展開幅の片端のみであってもよいし、両端であってもよいし、中央部分のみであってもよい、両端と中央部分としてもよいし、その他の部分としてもよい。
また、図3に示すように、2以上の異なる展開位置に対応する一つの第1の着色領域を備える他の実施態様としては、展開方向に沿う一つのストリーム状の第1の着色領域を備える態様が挙げられる。この第1の着色領域であっても、移動相の展開とともに、上流側から徐々に着色程度が低下ないし消失される。なお、こうした第1の着色領域を、移動相の展開幅に添って複数個備えることできる。
なお、2以上の異なる展開位置としては、例えば、展開初期、展開中期及び展開後期のいずれかにあるか否かを確認できる位置が選択される。好ましくは、3以上の異なる展開位置に第1の着色領域を設けることが好ましく、異なる展開位置としては、より好ましくは4以上であり、さらに好ましくは5以上であり、一層好ましくは6以上であり、より一層好ましくは7以上であり、さらに一層好ましくは9以上である。また、2以上の異なる展開位置に対応する2以上の第1の着色領域の固相上の間隔は、等間隔である必要はなく、適宜設定される。
第1の着色領域の形態は、例示した形態に限定されるものではなく、又、例示した形態を適宜組み合わせたものであってもよい。
(プローブ領域)
本クロマトグラフィー装置は、さらに、1又は2以上のプローブ領域を備えることができる。プローブ領域は、1又は2以上の標識物質とそれぞれ特異的に結合する物質である捕捉用プローブを固相に保持している。本クロマトグラフィー装置がアフィニティークロマトグラフィーを実施するものであるとき、利用しようとするアフィニティーによって標識物質と結合する物質を保持するプローブ領域が備えられる。
捕捉用プローブの種類は、標的物質とこれに対して用いるアフィニティーによって適宜決定される。したがって、抗体などのタンパク質であってもよいし、オリゴヌクレオチド等であってもよい。こうした捕捉用プローブは、固相に対して静電結合、水素結合、共有結合等の各種の結合形態で保持することができる。固相に対するこの種のプローブの結合様式は、当該分野において周知であり、当業者であれば固相の材料及び捕捉用プローブを考慮して適宜選択できる。
プローブ領域は、固相の移動相が展開される領域であれば、任意の部位及び形状を設けることができる。通常、一つのプローブ領域は一つの標的物質に対応している。個々のプローブ領域は、ドット状でも、展開幅に添ったストリーム状でもあってもよい。プローブ領域に標的物質が結合したことを検出することを考慮すると、展開幅におおよそ一致するストリーム状であることが好ましい。また、2以上のプローブ領域を備える場合には、展開方向に沿う異なる展開位置に展開幅におおよそ一致するストリーム状に2以上のプローブ領域を備えることが好ましい。
本クロマトグラフィー装置においては、第1の着色領域とプローブ領域とは固相上において重複していてもよい。両者は異なる目的のため設けられ、第1の着色領域は、移動相の展開により着色が減少又は消失するし、プローブ領域は、標的物質等に対して標識したりすること等でそれ自体検出できるからである。第1の着色領域とプローブ領域の各領域が重複する状態は、固相のある領域において第1の色剤と捕捉用プローブとが保持されている状態である。
個々の第1の着色領域が移動相の展開状況を確認できればよいため、1又は2以上のプローブ領域を、1又は2以上の第1の着色領域の範囲内に備えていてもよい。また、1又は2以上のプローブ領域を、1又は2以上の第1の着色領域の範囲に一致して備えていてもよい。通常には、標的物質との結合がない状態(すなわち、展開前)には、プローブ領域の位置を全く想定できないが、第1の着色領域とプローブ領域とが一致していると、予め、プローブ領域を把握できるというメリットがある。また、第1の着色領域に第1の着色領域とプローブ領域との範囲が一致しているとき、第1の色剤と捕捉用プローブとを含む液体を一つの領域に保持させることで第1の着色領域とプローブ領域とを同時に形成できる点においても有利である。
第1の着色領域とプローブ領域とが重複できる態様は種々ある。基本的には、第1の着色領域の一部又は全部に対してプローブ領域を重複させることができる。典型的には、図1に示すように、展開方向に添って備えられる第1の着色領域の範囲に一致して、プローブ領域を備えることができる。
(第2の着色領域)
本クロマトグラフィー装置は、さらに、第2の着色領域を、備えることもできる。第2の着色領域は、第2の色剤を保持している。第2の着色領域には、その領域全体にわたり、第2の色剤がほぼ均質に、同じ着色程度で保持されていることが好ましい。第2の色剤は、固相に適用される液体の移動相よりも固相の表面に分配される色剤である。第2の色剤は、換言すれば、固相に対して付着等により保持されており、移動相が展開されても固相から分離しないで固相に保持される色剤である。第2の着色領域は、プローブ領域での標的物質と捕捉用プローブとの結合を検出するのを容易にするために、固相に備えるマーカー領域である。
こうした色剤は、使用しようとする固相に塗布等により付着させて一旦保持させた後、固相上の色剤に移動相を供給しても固相から溶出しないで固相上の着色が維持されていることを確認することで容易に選択することができる。また、同様にして色剤を保持させた固相に対して移動相を展開して、移動相の展開によっても固相上の着色が維持されていることを確認することで選択してもよい。
第2の色剤としては、例えば、顔料が挙げられる。使用できる顔料の種類は、移動相や固相の種類によっても異なるが、顔料は、通常、水不溶性であるため、移動相が水性媒体を主体とするときには、おおよその顔料を用いることができる。
第2の着色領域は、第1の着色領域の色とは異なる色であることが好ましい。第1の着色領域による移動相の展開位置の誤認を抑制できるからである。
第2の着色領域は、固相に対して1又は2以上備えることができる。プローブ領域における標識等の検出を容易にするためのものであるから、プローブ領域の配置形態に倣ってその近傍に備えることが好ましい。例えば、プローブ領域が、移動相の展開方向における2以上の異なる展開位置に対応して備えられている場合には、第2の着色領域も、移動相の展開方向における2以上の異なる展開位置に対応して備えられている。また、第2の着色領域の平面形態も、プローブ領域に倣いその平面形態に一致していることで、プローブ領域の検出時の視認性が向上される。
第2の着色領域は、例えば、図1に示すように、移動相の展開方向に沿う2以上の異なる展開位置に設けたプローブ領域(第1の着色領域に一致する)に対して適数個をプローブ領域の形成領域においておおよそ均等に設けることができる。なお、第2の着色領域は、特定のプローブ領域の検出視認性を高めるために、他の第2の着色領域に対して当該プローブ領域を明示するために特徴的な外観(図形、文字、記号、色等)を備えていてもよいし、伴っていてもよい。
本クロマトグラフィー装置は、さらに、固相の移動相の展開方向先端(上流端)に移動相を吸収するための液吸収部を別に備えていてもよい。液吸収部は、過剰の移動相を吸収可能な多孔質体で構成されている。
また、本クロマトグラフィー装置は、さらに、プローブ領域における標的物質と捕捉用プローブとの結合を検出するための標識を標的物質に付与するための標識用プローブを保持する標識結合部を備えることもできる。標識結合部を備えることで、標的物質に予め標識を付与する操作を回避できる。標識結合部は、標識用プローブを含むかあるいは含有可能な多孔質体から構成されているとともに、標識した標的物質を、そのまま移動相とともに移動可能に形成されている。標識結合部は、固相の上流側の一部に備えていてもよい。
標識用プローブは、標的物質と捕捉用プローブとの結合を妨げない範囲で標的物質にアフィニティーにより結合できるタンパク質(抗原―抗体結合)やオリゴヌクレオチド(相補的な塩基対合による結合)が選択される。標識物質は、特に限定されないが、それ自体が可視化可能なラテックス粒子などの色材のほか、金属粒子、抗体、酵素、蛍光性錯体などの他の手段によってあるいは反応により可視化される物質が挙げられる。標識物資は、標的物質に結合可能なタンパク質やオリゴヌクレオチドに公知の手法で連結されている。
本クロマトグラフィー装置は、さらに、標的物質を含みうる移動相が供給される移動相供給部を備えることもできる。移動相供給部は、移動相を吸収する多孔質体で形成され固相に移動相を展開可能に構成されている。標識結合部は、固相の上流側の一部としてもよく、標識結合部を備えるときには、当該結合部よりも上流側に配置される。
このほか、本クロマトグラフィー装置は、食品衛生検査、臨床検査、遺伝子検査等の用途において用いられる公知のクロマトグラフィー装置が備えることができる要素を備えていてもよい。
(本クロマトグラフィー装置の製造)
本クロマトグラフィー装置の製造方法は、固相に第1の色剤を供給して第1の着色領域を形成する工程を備える。第1の色剤を固相に供給するには、第1の色剤を含む液体(典型的には第1の色剤溶液)の液滴(典型的には、50〜300plであり、液滴が固相に着弾したときのスポット直径は、0.05〜0.25mmである。)を、公知の方法で所定の平面形態を形成するように固相に供給する。供給方法は、特に限定しないで、公知の印刷技術などを用いることができるが、例えば、ピエゾ方式、サーマル方式等による微小な液滴を吐出する方法が挙げられる。
第1の着色領域において、当初良好に視認でき、その後移動相の展開によってその着色が良好に低減又は消失するようにするには、第1の色剤を0.01質量%超0.1質量%未満の濃度で含有する第1の色剤含有液体を固相に供給することが好ましい。この範囲とすることで良好な濃度で固相に第1の色剤が保持される。0.01質量%であると、第1の着色領域を目視で確認が困難であり、0.1質量%であると、移動相の展開によっても、着色の低減が不十分である。
第1の着色領域はシャープな輪郭を有していると、着色程度の低減や消失の視認性に優れるほか、プローブ領域が一致しているときには、捕捉用プローブの発色の視認性にも優れる。第1の着色領域が一定幅のストリーム状であるとき、その幅が設定幅のプラスマイナス10%以下であることが好ましい。例えば、ライン幅を0.5mmに設定したとき、ライン幅を0.45mm以上0.55mm以下の範囲で形成することが好ましい。この場合、「幅」とは、例えば、第1の着色領域が固相上の移動相の展開幅方向に沿うストリーム状であれば、移動相の展開方向の高さを意味している。
こうした第1の着色領域を形成するのにあたっては、例えば、以下のような液滴の吐出工程を採用することができる。通常、第1の着色領域は、複数の第1の着色サブ領域から形成されている。第1の着色サブ領域は、色剤の液滴が同一中心線上に一列に吐出されて得られるスポット列から構成されていることが好ましい。典型的には、これらの第1の着色サブ領域が部分的に重複することで全体として同質な着色の第1の着色領域が形成される。
まず、移動相の展開幅方向に添って所定のピッチで前記第1の色剤の複数個のスポットを有するスポット列からなるストリーム状の第1の着色サブ領域を形成する。ピッチやスポット径は特に限定しないが、着色領域をほぼ同程度の着色程度等とするために、各スポットは、隣接するスポットと少なくとも部分的に重複していることが好ましい。こうしたスポット列は、第1の色剤の液滴を固相に吐出して形成する。好ましくは、直前に形成した他のスポットに隣接又は重複しない順序で吐出してスポットを形成するようにしてスポット列を形成する。具体的には、スポットを一定のピッチで連続的に吐出しないようにする。スポットの吐出順序は、前に形成した他のスポットに隣接又は重複しない順序であればよく、特に限定されない。こうすることで、スポットが隣接ないし重複して連続的に形成されることによる滲み色ムラを抑制し、またスポット列の幅の変動を抑制できる。
こうした第1の着色サブ領域を移動相の展開方向に添って所定のピッチで複数個形成することで、第1の着色サブ領域を複数個備えスポットでほぼ充填されたような第1の着色領域を形成することができる。このとき、2つ目以降の少なくとも一つの第1の着色サブ領域を、直前に形成した他の前記第1の着色サブ領域に隣接又は重複しない順序で形成することが好ましい。こうすることで、着色サブ領域を形成するスポットが、直前に形成された他の第1の着色サブ領域のスポット列に隣接又は重複しないため、スポットの滲みや色ムラを抑制し、またスポット列の幅の変動を抑制できる。特に、第1の着色領域の展開方向に沿う少なくとも上下端にそれぞれ対応する前記第1の着色サブ領域を、直前に形成した他の前記第1の着色サブ領域に隣接しない順序でそれぞれ形成することで、効果的に第1の着色領域の幅のバラツキを抑制し、シャープな輪郭に形成できる。
なお、ピッチは、より好ましくは0.05mm以上0.475mm以下である。また、スポットの直径は、ピッチが0.1mm以上0.4mm以下であるときには、0.05mm以上0.1mm以下であり、ピッチが0.2mm以上0.25mm以下であるときには、0.1mm以上0.2mm以下である。こうすることで、スポットが直前の第1の着色領域に重複して形成されることによる滲み色ムラを抑制してより広幅のストリーム状の第1の着色領域を形成できる。また、その幅方向のバラツキを0.1mm以下とすることができる。
なお、以上のように、第1の着色領域は、第1の着色サブ領域として移動相の展開幅方向に沿う一列のスポット列を形成してストリーム状に形成し、これを複数個形成してもよいが、その他の方法で形成してもよい。例えば、第1の着色サブ領域の幅をスポット径よりも大きく形成するときには、2列以上のスポット列で第1の着色サブ領域を形成することができる。この場合においては、スポットは、必ずしも、展開幅方向に沿う同一中心線上に形成する必要はなく、第1の着色サブ領域の幅内において、移動相の展開方向においても、直前のスポットと隣接ないし重複しない形態でスポットを形成して、最終的に、スポットでほぼ充填されたような第1の着色サブ領域としてもよい。さらに、こうした形態で、第1の着色領域自体を形成してもよい。特に、第1の着色領域の幅方向の上下端に対応するストリーム状の第1の着色サブ領域を形成した後は、その上下端より内側は、スポットをランダムに、好ましくは、直前に形成した他のスポットと隣接ないし重複しない順序で形成して、第1の着色領域の全体をほぼ充填するようにしてもよい。
なお、シャープな輪郭の第1の着色領域及びその形成方法について記載したが、シャープな輪郭を有することは、プローブ領域(第1の着色領域の範囲内にある場合を含む)の視認性や検出感度、第2の着色領域の視認性を向上させることができる。したがって、プローブ領域や第2の着色領域の形成にも、上記形態を適用することができる。
本製造方法は、固相に捕捉用プローブを供給してプローブ領域を形成する工程を備えることができる。捕捉用プローブを含む液体を、公知の方法で所定の平面形態を形成するように固相に供給する。供給方法は、特に限定しないで、公知の印刷技術などを用いることができるが、例えば、ピエゾ方式、サーマル方式等による微小な液滴を吐出する方法が挙げられる。
プローブ領域を第1の着色領域に一致させる場合には、第1の色剤と捕捉用プローブを含む液体を、固相に供給することで、プローブ領域を兼ねる第1の着色領域を形成できる。また、プローブ領域を兼ねる第1の着色領域は、第1の色剤含有液体と捕捉用プローブ含有液体とをそれぞれ別個に同じ領域に供給して形成することもできる。
捕捉用プローブを固相に保持させるための手法としては、共有結合、静電結合、水素結合などの各種結合形態が挙げられる。捕捉用プローブの種類によっても異なるが、例えば、捕捉用プローブを、タンパク質やオリゴヌクレオチドに連結等した上で、静電結合、水素結合等で固相に保持させることが好ましい。ただし、共有結合によっても捕捉用プローブを固相保持させることができる。こうした結合形態であれば、移動相の展開によっても、固相への捕捉用プローブの保持状態が確実に維持される。したがって、プローブ領域を兼ねる第1の着色領域を形成した場合であっても、移動相の展開によって第1の色剤は移動するが、捕捉用プローブがそのまま維持される。
本製造方法は、固相に第2の色剤を供給して第2の着色領域を形成する工程を備えることができる。捕捉用プローブを含む液体を、公知の方法で所定の平面形態を形成するように固相に供給する。供給方法は、他の領域と同様に、特に限定しないが、ピエゾ方式、サーマル方式等による微小な液滴を吐出する方法が挙げられる。
固相に少なくとも第1の着色領域を形成した後、必要に応じて支持体と一体化し、吸収パッド等の他の要素を形成することができる。
本クロマトグラフィー装置の製造にあたって、例えば、以下の工程を実施できる。まず、展開幅の数十倍から数百倍に当たる横幅を備えるとともに、十分な展開距離を含む長さを備える大判固相を準備する。この大判固相の幅方向に伸びるストリーム状の第1の着色領域を、展開方向に複数本形成する。次いで、吸収パッドを下流側に一体化する。さらに、この一体化物を幅方向に添って展開幅で切断する。これにより、多数個の本クロマトグラフィー装置を得ることができる。
(標的物質の検出方法)
本明細書の標的物質の検出方法は、本クロマトグラフィー装置を用いる。本検出方法は、1又は2以上の標的物質を含む可能性のある移動相を本クロマトグラフィー装置の固相に供給して移動相を下流方向に展開する工程を備えることができる。本検出方法によれば、容易に移動相の展開位置を確認できるため、より適切により再現性よくクロマトグラフィーを実施できる。また、第1の着色領域を移動相の展開途中に設けることで、展開途中の移動相の展開状況を確認でき、より適切なクロマトグラフィーを実施できる。
本検出方法の一例を、図4を参照して説明する。図4は、図1に示す本クロマトグラフィー装置の使用例である。まず、図4(a)に示すように、本クロマトグラフィー装置の上流側に、標的物質を含む可能性のある移動相を供給する。図4では、固相の上流端を移動相に浸漬する形態を採っているが、これに限定するものではなく、移動相を滴下する形態を採ることもできる。本クロマトグラフィー装置が移動相供給部を備える場合には、当該供給部を移動相に浸漬したり、当該供給部に移動相を滴下してもよい。また、図4では、本クロマトグラフィー装置を鉛直方向に移動相の展開方向が一致するように使用しているが、これに限定するものではない。移動相を保持する移動相供給部を備える場合などには、水平状態での移動相の展開も可能である。
移動相の下流側への展開に伴い、図4(b)〜図4(e)に示すように、第1の着色領域の着色が上流側から順次消失する。第1の着色領域の着色の消失は、移動相が当該領域まで展開したことのマーカーである。一方、第2の着色領域は、着色を維持している。
移動相が吸収部にまで到達し、さらに移動相が展開される。移動相中に標的物質が存在すると、その標的物質に対して設けたプローブ領域(図4では、最も上流側の領域である。)では、標的物質と捕捉用プローブとの特異的結合が形成され、プローブ領域において、標識物質が濃縮あるいは凝集する。標識物質が色剤の場合には、プローブ領域における結合をそのまま目視で確認することができる(図4(f)、(g))。
さらに、本検出方法は、プローブ領域における標的物質と捕捉用プローブとの結合を検出する工程を備えることができる。検出工程は、標的物質に公知の方法で結合された標識物質を検出することにより可能である。標識物質は、上記のような色剤に限定されず、既に説明した各種の標識物質が利用可能である。標識物質の種類に応じ、必要に応じて検出のための反応を固相上で行うようにしてもよいし、検出装置を適用してもよい。
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
(ストリップ状のクロマトグラフィー装置の作製)
メルクミリポア製Hi-Flow Plus メンブレンシート(60mm x 600mm)に以下の表に示す塩基配列からなるキャプチャーDNAプローブ溶液を、特開2003−75305号公報に記載されている吐出ユニット(インクジェット法)を用いた日本ガイシ株式会社GENESHOT(登録商標)スポッターを用いて、スポットし、以下の手順で固定化した。
(キャプチャーDNAプローブ溶液)
キャプチャーDNAプローブ9種類を以下の表の塩基配列に従って合成し、Tris-EDTA bufferで溶解した水溶液を、SSC緩衝液、ブロモフェノールブルーと混合して、ブロモフェノールブルー0.05wt%、キャプチャーDNAプローブ濃度2μM〜60μMの溶液を調製した。
(手順1)
吐出ユニット内に配置した液体注入部に、キャプチャーDNAプローブ溶液を注入し、メンブレンシートにスポットする前に、検査用のシート上に検査スポットを行った。品質の検査は、検査スポットに対し、スポットが形成されないことはないか、スポットがいびつな形状ではないか、スポット径が設計値から10% 以上ずれていないか、サテライトと呼ばれる本スポット以外の不要なスポットが発生していないか、スポット位置がスポット径の3分の1以上ずれていないかという項目を実施した。キャプチャーDNAプローブ溶液はブロモフェノールブルーによって青色に着色されており、スポットを目視で検査することができる。また、この溶液は、プローブ領域を兼ねる第1の着色領域を形成することができる。
(手順2)
検査スポットで不良が検出されたときは、吐出ユニット内に配置された圧電/電歪素子の駆動信号を調整して検査スポットを再度行う。駆動信号の調整は電圧値、所定電圧までの上昇時間、所定電圧値のキープ時間、電圧立ち下げ時間の変更で行った。それでも不良が検出されるときは、真空吸引することで吐出ユニットからキャプチャーDNAプローブ溶液を抜き取り、液体注入部にキャプチャーDNAプローブ溶液を再度注入して、検査スポットを行う。不良スポットが検出されなくなるまで、この操作を繰り返した。
(手順3)
不良スポットが検出されなくなったことを確認したのち、以下の方法でキャプチャーDNAプローブをメンブレンシートにスポットした。すなわち、1種類のキャプチャーDNAプローブ溶液につき、スポットのピッチを横方向(X方向)、縦方向(Y方向)ともに0.05mmで、横方向、縦方向ともにスポットを行い、横方向300mm、縦方向0.5mmのラインを形成した。メンブレンシート上を吐出ユニットがメンブレンシートの長手方向(X方向)に移動しながら、メンブレンシートがメンブレンシートの短手方向(Y方向)に移動して、非接触でスポットを行った。キャプチャーDNAプローブのスポットが着弾し、スポットが乾燥する前に、隣接するスポットが着弾し、先に着弾したスポットと接触すると、滲みや色むらが発生する恐れがある。そこで、横方向(X方向)に0.1mmのピッチでスポットを行い、続いて先のスポットとスポットの間に0.1mmのピッチでスポットを行い、0.05mmのピッチのラインを形成することで、滲みや色むらを防ぐことができた。
長さ300mm×幅0.5mmのラインは、図5に示すように、ライン上端部のy1からy10のラインにより形成されている。y1、y2、y3、y4、y5、y6、y7、y8、y9、y10の順にスポットすると、y1〜y9のラインが乾燥する前に、隣接するラインがスポットされることがあり、滲みや色むらが発生する恐れがある。そこで、y1、y10、y2、y9、y3、y8、y4、y7、y5、y6の順で、スポットを行うと、滲みをふせぐことができ、滲みによるライン幅の変動を0.45mm〜0.55mmにすることができた。さらに、y1、y6、y2、y7、y3、y8、y4、y9、y5、y10もしくは、y1、y3、y5、y7、y9、y2、y4、y6、y8、y10のように隣接するラインを連続してスポットしないようにすることで、滲みによるライン幅の変動を0.45mm〜0.55mmにすることに加えて、ライン内の色むらを防ぐことができた。最終的に、縦方向のピッチが1.2mmで、ライン幅の変動が0.1mm以下の9種類のキャプチャーDNAプローブを、プローブ番号の若い順からメンブレンシートの上流側からライン状にスポットして、9個のプローブ領域を兼ねる第1の着色領域を形成した。顔料系マゼンダインクを含んだ液体についても、同様のスポットを行い、滲みによるライン幅の変動を0.45mm〜0.55mmにすることに加えてライン内の色むらを防ぐことができ、第2の着色領域を形成した。
(手順4)
検出するラインの位置の判定を容易にするために、キャプチャーDNAプローブ溶液4ラインごとに、顔料系マゼンダインクを含んだ液体でマーカーのスポットを行い、ライン状の第2の着色領域を形成した。結果的に、シート内に、1.2mmのピッチで9本のプローブ領域を兼ねる第1の着色領域である青色のライン(キャプチャーDNAプローブ)と3本の第2の着色領域であるマゼンダのライン(マーカー)を形成した。
(手順5)
キャプチャーDNAプローブ溶液、マーカーのスポットが完了したのち、50℃で30分間加熱することで、キャプチャーDNAプローブの固定、マーカーの固着を行った。
(手順6)
(手順1)で行う検査と同様の項目で検査を行った。
(手順7)
不良が検出されなかったメンブレンシートについて、吸収パッドを装着して、テープで吸収パッドを固定した後、3.5mm×60mmのストリップに切断し、1シートから85個のストリップを得た。
クロマトグラフィー法により、核酸の呈色評価を行った。
(移動相の準備)
プローブ番号1の相補配列を有し、アミノ基で修飾したサンプルDNAを、カルボキシル化ラテックス粒子に固定した。ラテックス粒子を滅菌水で分散し移動相とした。
(展開工程)
0.2mlマイクロチューブに、移動相50μlを分注し、手順7で作製したストリップの先端を移動相に浸積した(図4(a)参照)。浸漬直後から、移動相が毛細管現象により、ストリップの下流方向に向かって移動した。ブロモフェノールブルーは、メンブレンに固定されていないため、ブルーのプローブ領域を兼ねる第1の着色領域のラインに到達した移動相により洗い流された。洗い流されることで第1の着色領域のラインの色が消失した(図4(b)参照)。移動相が、プローブ領域を兼ねる第1の着色領域のラインの色を消失しながら上昇し、第2の着色領域を除いたラインの色が全て消失した(図4(c)〜図4(e))。第2の着色領域で使用している顔料系マゼンダインクは、メンブレンシートに固着しており、移動相に不溶であるため、移動相で洗い流されなかった(図4(e))。プローブ領域を兼ねる第1の着色領域のブルーのラインの色は、移動相が流れる上流方向から、順番に消失するため、移動相がストリップ内のどこを流れているか容易に確認することができた。
(検出工程)
移動相中のサンプルDNAは、メンブレンシートに固定されたキャプチャーDNAプローブと、相補の配列を有しているため、ハイブリダイゼーション反応によって結合する。これにより、サンプルDNAに固定したラテックス粒子が、キャプチャーDNAプローブに捕捉される。
プローブ番号1のラインに到達した移動相中のサンプルDNAは、ハイブリダイゼーション反応の進行に伴い、サンプルDNAに固定したラテックス粒子が凝集して呈色した(図4(f)、同(g))。移動相への浸漬から約20分で、移動相がすべて吸収パッドに移動して反応が終了した。
以上のように、プローブ領域を兼ねる第1の着色領域のブルーのラインの色が、移動相の展開(上昇)とともに、一端消失したのち、プローブ番号1のラインが呈色した。本実施例では、第1の着色領域がプローブ領域と一致しているため、移動相が展開する前でも、第1の着色領域により、プローブ領域、すなわち、検出が期待されるプローブ領域を推測することができた。したがって、検出のミスや誤差が低減される。また、第1の着色領域は、移動相により色が消失するため、移動相がメンブレン内を適切に流れているか、どこを流れているかを確認することができる。したがって、誤った展開状態等を迅速に把握でき、適切な状態でのクロマトグラフィーが実施できるようになり、検出操作の再現性を向上させることができる。
第1の色剤をアシッドレッド0.05wt%として、実施例1と同様の方法で、核酸の呈色評価を行った。本実施例では、プローブ領域を兼ねる第1の着色領域のラインが赤色になり、目視でラインを確認することができた。また、移動相により、キャプチャーDNAプローブのラインの色が消失し、プローブ番号1のラインが呈色することを確認した。
第1の色剤をキシレンシアノール0.05wt%として、実施例1と同様の方法で、核酸の呈色評価を行った。プローブ領域を兼ねる第1の着色領域のラインが青色になり、目視でラインを確認することができた。また、移動相により、キャプチャーDNAプローブのラインの色が消失し、プローブ番号1のラインが呈色することを確認した。
ブロモフェノールブルー濃度0.1wt%、0.01wt%、アシッドレッド0.1wt%、0.01wt%、キシレンシアノール0.1wt%、0.01wt%について、実施例1と同様の方法で、核酸の呈色評価を行った。濃度0.01wt%については、ブロモフェノールブルー、アシッドレッド、キシレンシアノールともに、プローブ領域を兼ねる第1の着色領域のラインの色が薄く、目視で確認することは、困難であった。ラインの位置を目視で確認できないため、クロマト展開液が流れていることも確認することができなかった。また、濃度0.1wt%については、ブロモフェノールブルー、アシッドレッド、キシレンシアノールともに、プローブ領域を兼ねる第1の着色領域のラインの色が濃く、移動相により、第1の着色領域の色が完全に消失する前に、プローブ番号1の呈色が開始したために、呈色するラインを確認することが困難であった。
以上、本発明の実施形態および実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本明細書及び/又はクレームに記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。

Claims (19)

  1. 1又は2以上の標的物質を分離するためのクロマトグラフィー装置であって、
    固相と、
    前記固相表面よりも前記固相に適用される液体の移動相に分配される第1の色剤を前記固相に保持する2以上の第1の着色領域と、
    前記固相に適用される前記移動相よりも前記固相表面に分配される第2の色剤を前記固相に保持する1又は2以上の第2の着色領域と、
    前記1又は2以上の標的物質とそれぞれ特異的に結合する捕捉用プローブを前記固相に保持する1又は2以上のプローブ領域と、
    を備え、
    前記2以上の第1の着色領域を前記移動相の移動方向に添って備えており、これらの第1の着色領域は、前記移動相の前記固相に対する展開に伴いその着色程度が低減又は消失するように構成され、
    前記1又は2以上の第2の着色領域を、前記移動相の移動方向に沿って、前記2以上の第1の着色領域とは異なる展開位置に、前記1又は2以上のプローブ領域に隣接して備えている、クロマトグラフィー装置。
  2. 前記第1の色剤は染料である、請求項1に記載のクロマトグラフィー装置。
  3. 前記第1の色剤は水溶性染料である、請求項1又は2に記載のクロマトグラフィー装置。
  4. 前記第1の色剤は、ブロモフェノールブルー、アシッドレッド及びキシレンシアノールから選択される1種又は2種以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のクロマトグラフィー装置。
  5. 前記2以上の第1の着色領域の少なくとも一つを、前記1又は2以上のプローブ領域の少なくとも一つのプローブ領域の範囲内に備える、請求項1〜4のいずれかに記載のクロマトグラフィー装置。
  6. 前記2以上の第1の着色領域の少なくとも一つを、前記1又は2以上のプローブ領域の少なくとも一つのプローブ領域の範囲に一致して備える、請求項1〜5のいずれかに記載のクロマトグラフィー装置。
  7. 前記2以上の第1の着色領域の全てを、前記1又は2以上のプローブ領域の全てのプローブ領域に一致して備える、請求項1〜6のいずれかに記載のクロマトグラフィー装置。
  8. 前記第2の色剤は顔料である、請求項1〜7のいずれかに記載のクロマトグラフィー装置。
  9. シート状体である、請求項1〜8のいずれかに記載のクロマトグラフィー装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のクロマトグラフィー装置を用いる1又は2以上の標的物質の検出方法であって、
    前記1又は2以上の標的物質を含む可能性のある前記移動相を前記固相に供給して前記固相を下流方向に展開する工程を備える、検出方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のクロマトグラフィー装置の製造方法であって、
    前記第1の色剤を前記固相に供給して前記第1の着色領域を形成する工程、を備える、製造方法。
  12. 前記第1の色剤溶液は、前記捕捉用プローブを含む、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記第1の着色領域の形成工程は、0.01質量%超0.1質量%未満の濃度で含有する第1の色剤溶液を前記固相に供給することにより前記1又は2以上の第1の着色領域を形成する工程である、請求項11又は12に記載の製造方法。
  14. 前記第1の着色領域の形成工程は、前記移動相の展開幅方向に沿って一定のピッチで前記第1の色剤のスポットを有するスポット列からなるストリーム状の第1の着色サブ領域を、前記移動相の展開方向に沿って一定のピッチで複数個備える前記第1の着色領域を形成することを含み、
    前記第1の着色領域の展開方向に沿う少なくとも上下端にそれぞれ対応する前記第1の着色サブ領域を、直前に形成した他の前記第1の着色サブ領域に隣接しない順序でそれぞれ形成する、請求項11〜13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 前記第1の着色領域の形成工程は、2つ目以降の少なくとも一つの第1の着色サブ領域を、直前に形成した他の前記第1の着色サブ領域に隣接しない順序で形成する、請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記第1の着色領域の形成工程は、前記第1の色剤の液滴を直前に形成した他のスポットに隣接しない順序で吐出してスポットを形成して第1の着色サブ領域を形成することを含む、請求項14又は15に記載の製造方法。
  17. さらに、前記第2の着色領域の形成工程は、前記移動相の展開幅方向に沿って一定のピッチで前記第2の色剤のスポットを有するスポット列からなるストリーム状の第2の着色サブ領域を、前記移動相の展開方向に沿って一定のピッチで複数個備える前記第2の着色領域を形成することを含み、
    前記第2の着色領域の展開方向に沿う少なくとも上下端にそれぞれ対応する前記第2の着色サブ領域を、直前に形成した他の前記第2の着色サブ領域に隣接しない順序でそれぞれ形成する、請求項11〜16のいずれかに記載の製造方法。
  18. 前記第2の着色領域の形成工程は、2つ目以降の少なくとも一つの第2の着色サブ領域を、直前に形成した他の前記第2の着色サブ領域に隣接しない順序で形成する、請求項17に記載の製造方法。
  19. 前記第2の着色領域の形成工程は、前記第2の色剤の液滴を直前に形成した他のスポットに隣接しない順序で吐出してスポットを形成して第2の着色サブ領域を形成することを含む、請求項17又は18に記載の製造方法。
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