JP6296573B2 - スピーカを駆動するための力の変化の信号を生成する信号生成装置、スピーカ - Google Patents

スピーカを駆動するための力の変化の信号を生成する信号生成装置、スピーカ Download PDF

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Description

本発明は、スピーカを使用して音を再生する装置全般に関するものである。
従来、スピーカを使用して音を再生するとき、マイクロホンで拾った音の信号をそのまま増幅して再生していた。
しかしこの方法では、スピーカを駆動するための力の変化の信号を使用していないため原音に忠実な再生を行うことが難しかった。このため、力の変化の信号を音の信号から計算して求め、求めた信号でスピーカを駆動する方式として原音再現方式が提案された。
ところが提案された原音再現方式は、空気を押しのける場合に生じる抵抗やスピーカを構成する各機構が動くことによって生ずる抵抗および摩擦に関する対応は行われていなかった。
原音再現方式は、本発明者によってすでに報告されている(特許文献1、特許文献2参照)。
また、基本となる原音再現方式について、本発明者は平成27年11月7日に情報処理学会の第109回音楽情報科学研究会において論文とともに発表を行っている。発表は動画で不特定多数に配信された。配信は情報処理学会が情報共有の手段として推進しているニコニコ動画を使用して行われた。
インターネット<URL:http://live.nicovideo.jp/gate/lv241118138>
特開平09−018989号公報 特開2005−102262号公報
高橋公太、"音の再生信号に関する研究"、[online]、平成27年11月7日情報処理学会 第109回音楽情報科学研究会、[平成27年11月24日検索]、インターネット
原音再現方式の原理は、既に公開されているが、現実にスピーカを駆動したところ、概ね満足する再現性能が得られるものの、さらなる改良の余地があった。
また、原音再現方式に基づく信号生成装置を使用したところ、従来の信号生成装置に対応している既存のスピーカシステムでは不十分であった。
また、従来の信号生成装置に対応している既存のスピーカシステムを活かして原音再現方式に基づく信号生成装置を使用する余地もあるが、そのための改良の余地があった。
本発明は、これらの課題を考慮した信号生成装置、スピーカを提供する。
力の変化の信号を扱う原音再現方式は、音の信号をそのまま増幅してスピーカを駆動する従来の方式よりも良い結果を得ることができた。しかし、本出願人の発明者は、増速時と減速時とでは、抵抗や摩擦の影響が異なることを突き止めた。そこで、増速時と減速時とで別々に抵抗や摩擦の影響を考慮して力の変化の信号を計算し、スピーカをより正確に振動させるための信号を生成する。
本発明は、微少間隔ごとの音声信号に基づいて、スピーカが空気を所定方向に押しのける動きをする増速時と、逆の減速の動きをする減速時において、それぞれ前記スピーカを駆動する信号を所定の演算により求める信号生成装置であって、微少間隔ごとの音声信号を入力する音声信号入力部と、前記スピーカを駆動する信号を演算する演算部と、前記スピーカを駆動する信号を出力する駆動信号出力部とを備え、前記演算部は、増速時における駆動信号を求める係数と、減速時における駆動信号を求める係数とが異なることとした構成としてある。
このような構成とした装置では、一例として、音の信号から増速時の信号であるのかまたは、減速時の信号であるのかを判定し、判定の結果増速時と判定された場合は、あらかじめ決めておいた増速時用の係数を力の変化の信号を計算した値に対して掛ける。減速時と判定された場合は、同じくあらかじめ決めておいた減速時用の係数を力の変化の信号を計算した値に対して掛ける。
こうして得られた時系列の値を使用してスピーカを駆動するための信号を生成する。
増速時か減速時かの判定方法は、時系列に隣り合う数値化された符号付の音の信号に対して、直前の値と直後の値をそれぞれの絶対値同士で大小を判定し直後の値のほうが大きい場合は、増速時と判定し直前のほうが大きい場合は、減速時と判定する。
値が前後共に0であるか、あるいは同値のような全く大小の判定ができない場合は、増速時か減速時かの判定が行えないため力の変化の信号を計算する際に掛ける値を増速時に掛ける値よりも小さい値かつ減速時に掛ける値よりも絶対値で大きな値としてあらかじめ決めておいた値を掛けるものとする。
増速時と減速時に掛ける値の決定は、スピーカごとに最適な値を決定することになるためスピーカを特定し実際にオシレータを使用してスピーカが再生する帯域の上限と下限の間の周波数においていくつかの係数を試行して与え効果を試聴又は計測して確かめながら最良の値を決定する。
以上のような信号生成装置では、再生しようとする帯域において信号が+6dB/octとなる。このため、この信号を使用して駆動されるスピーカ自体の特性は、おおむね再生しようとする帯域に対して−6dB/octとなる特性を有しかつ再生しようとする音の信号帯域より高い周波数成分を除去することを目的とした回路や機構を持たないものを作成する必要がある。
さらに、本発明の信号生成装置による信号は増速時と減速時の力の変化の信号を駆動用の信号としているため、この信号を供給されることを前提として調整されたスピーカでなければならない。
また、上記信号が増速時と減速時それぞれで標準的な値が決められた場合、その決められた値で動作するようあらかじめ調整されたスピーカを作成する方法もあるためこのような場合も同様の効果を得ることができる。この場合は、あらかじめ実際に力の信号生成装置とスピーカを組み合わせて試聴をしたり計測を行ったりして最適値を決める必要はない。
従来からあるスピーカシステムのうち、ネットワークのようなフィルターを介しないシングルユニットのスピーカに対して、本発明の信号を与えて駆動することは専用の特性を持ったスピーカに比べて再現性が劣る。しかし、音を再生することが全くできないわけではなく、この制限を承知して利用することになる。この場合、本発明の信号そのままを従来からあるスピーカに与えると、この信号自体が+6dB/octの特性を持っているためこの影響を修正しなければ再生音自体が+6dB/octとなってしまう。このため本発明の信号を生成する直前の再生しようとする音の信号に対して、−6dB/octのフィルター処理を行っておく必要がある。この処理を行う装置を本発明の信号処理装置の直前に配置して実現する。
本発明の信号を生成する装置と、音を再生する目的の帯域に対して−6dB/octの特性を持ったスピーカとを、増幅器を介して組み合わせて実現することができる。組み合わせは、一体型にするか、組み合わせとして規定したり、あるいは、使用者が接続して使うために同梱とする形態であってもよい。スピーカの音を再生する目的の帯域に対して−6dB/octとなる周波数特性に関しては、厳密に作成することが困難であればおおむね−6dB/octとしてもよい。
再生しようとする周波数帯域で再生しようとする音の信号に対して−6dB/octとなるフィルター処理を行い、本発明の信号を生成する装置と、従来からあるスピーカ装置とを、増幅器を介して組み合わせて実現することもできる。組み合わせは、一体型にするか、組み合わせとして規定したり、あるいは、使用者が接続して使うために同梱とする形態であってもよい。ただし、スピーカユニットが高音用中音用低音用など複数ある場合、それぞれのユニットごとに増幅器を設けるマルチアンプ方式とし、音を再生する目的の帯域より高い周波数に対してその成分を排除する目的のハイカットフィルターを回路あるいは機構として装備しないものでなければならない。
本発明の信号を生成する装置から出力された信号は、スピーカを駆動するために必要な非常に高い周波数成分要素を含んでいる。このためこの成分を除去する回路あるいは機構があると十分な効果が得られないため注意を要する。
本発明は、以下に記載されるような効果がある。
従来の音響再生装置は、音の信号をそのまま増幅してスピーカを駆動しようとしていた。ところが、この方法では、振動を能動的に制御することが困難であった。このため、重さのある振動板、あるいは空気そのものを振動させるときに力の変化の信号を使用してより忠実な音の再生を行う方式が原音再現方式として考案された。しかし、振動板を駆動する場合又、空気自体を直接振動させる場合においても、止まっている状態から動こうとする場合は抵抗や摩擦の影響があるが、その力に対する考慮がなされていなかった。この為、本発明の請求項に記載されている装置を用いることによって、抵抗や摩擦に関する対応が行えるようになり結果的に再生したい音の忠実度がさらに向上する。
本発明のための専用スピーカを用いる装置においては、理想的な効果を得ることができる。また、従来のスピーカを使用する場合においても、専用スピーカより効果は劣るものの、永年の耐久性などに関するノウハウを継承して利用することができる。
本発明の一実施形態にかかる信号生成装置をブロック図により示している。 図2は、デジタルシグナルプロセッサのブロック図である。 入力信号と出力信号を示すグラフである。 演算器が実施する演算の手法を示すフローチャートである。
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる信号生成装置をブロック図により示している。
この信号生成装置は、音の信号からスピーカを駆動するための力の変化の信号を計算する装置であって、空気を押しのける方向(以下、増速時とする)とその反対の方向(以下、減速時とする)に対して必要となる力を計算する時、抵抗や摩擦の影響に関して次のように対応したスピーカを駆動するための信号を生成する(以下、力の信号生成装置とする)。
(イ)微小時間間隔毎に数値化された時系列の音のデジタル信号において隣り合ったデータ同士で直後の値から直前の値を順次引き算することによって時系列に差分のデータを得る。得られた差分のデータが、増速時のデータか減速時のデータかの判定を行う。判定の結果増速時であった場合は、増速時の係数を、判定の結果減速時であった場合は、減速時の係数を差分データに対して掛けて時系列のスピーカを駆動する信号とする。
(ロ)増速時の係数と減速時の係数の関係は、増速時の係数の方が減速時の係数よりも絶対値で大きい値であることを必須とする。
本実施例の力の信号生成装置は、決められたプログラムを実行するデジタルシグナルプロセッサ(以降、DSP3とする)である。
音を再生するシステム全体図(図1)を参照すると、プリアンプ2とパワーアンプ4の間に、力の信号生成装置であるDSP3が介在されている。この再生システムには、この他、プリアンプ2に信号を出力するマイクロホン1と、パワーアンプ4から駆動信号を入力するスピーカ5を備えている。
図2は、デジタルシグナルプロセッサのブロック図である。
図2に示すように、DSP3の内部は大きく三つの機構(ブロック)に分けられ、それぞれA/D変換器(変換機構)7と、演算器(演算機構)9と、D/A変換器(変換機構)11である。また、DSP3は、音入力信号端子6を備え、A/D変換器7に入力されている。A/D変換器7の出力信号は、デジタル信号バス8を介して、演算器9に入力されている。演算器9の出力信号は、デジタル信号バス10を介して、D/A変換器11に入力されており、D/A変換器11の出力信号は、スピーカ駆動信号出力端子12からスピーカ5に出力されている。
再生しようとする音の信号がアナログ信号である場合、図2のA/D変換器7でアナログからデジタルに変換される。このA/D変換器7が、A/D変換を行う際のサンプリング周波数は、44.1kHz、48kHz、96kHz、192kHzなど現状においてさまざまである。しかし、これらに限られるものではなく、可聴範囲の信号だけにした後の信号に対してできるだけ高い周波数でサンプリングされることが望ましい。サンプリングによってデジタル化された値としての時系列の音の信号に対して演算器9において以下に示す手順で計算を行う。
本実施例の信号生成装置においては、デジタルオーディオ信号を対象としており、微少間隔ごとの音声信号に基づいて、所定の演算を行う。所定の演算とは、上述したような原音再現方式であり、以下に説明するように、スピーカが空気を所定方向に押しのける動きをする増速時と、逆の減速の動きをする減速時において、それぞれ前記スピーカを駆動する信号を所定の演算により求める。
DSP3は、微少間隔ごとの音声信号を入力する音声信号入力部と、前記スピーカを駆動する信号を演算する演算部と、前記スピーカを駆動する信号を出力する駆動信号出力部とを備えている。本実施例では、具体的には、A/D変換器7が音声信号入力部に相当し、演算器9が演算部に相当し、D/A変換器11が駆動信号出力部に相当する。なお、駆動信号出力部がパワーアンプ4を含むものとしても良い。
図3は、入力信号と出力信号を示すグラフである。
図3は、単位を示していないが、横軸は時間軸であり、縦軸は入力信号13については速度の単位(cm/sec)となる。マイクロホン1には、速度検出型と音圧検出型がある。速度検出型は、ムービングコイル型でダイナミックマイクロホンがその代表的なものになる。速度検出型のマイクロホン1からの入力信号なので、速度に比例する。一方、音圧型は、コンデンサーマイクロホンがその代表的なものになる。音圧は、速度に比例するため、結果として音圧型も速度型も同じ出力をすることになる。音圧型の場合は、縦軸は圧力の単位となるが、実質的には速度と同義といえる。
演算例は式(1)を使用する。
F=G・m(V1−V0) (1)
式(1)のV1は変数1の値を、V0は変数2の値を格納する。mは、差分をとることによって微小な値となったデータを扱いやすい元の変動値に近い値にするための定数として決定される。
V1もV0も0であった場合は、各係数の値に関係なく計算結果は0となる。Gには、増減速を判定し増速時であるときは、Pの値を、減速時であるときは、Rの値を、そのいずれでもないときはQの値をセットしてFの計算を行う。
初期処理として変数1、変数2、変数3および増減速フラグに初期値として0を与える。変数1にA/D変換して得られた図3のt0の時の値をセットし、変数2にA/D変換して得られた図3のt1の時の値をセットする。セット後、変数1と変数2の符号を判定し、同じ符号かあるいは、どちらかが0であれば双方の絶対値で大小関係を評価する。
評価の結果、変数1のほうが大きい場合は、増減速フラグに増速中の意味として1をセットし、評価の結果変数1のほうが小さい場合は、増減速フラグを減速中の意味として−1をセットし、変数1から変数2を引き算しその結果を変数3に保管する。
変数1と変数2で符号が異なる場合、あるいは増速時か減速時か判定できないときは、増減速フラグに0をセットする。
数式1の係数Gの値として、増速時係数Pと、減速時係数Rと、増速時係数Pと減速時係数Rの間の値としてあらかじめ決定しておいた係数Qのいずれかを使用して計算を行う。例えば、Pが「1.1」でRが「0.9」であるときQにはPとRの中間の値である「1.0」をセットすると条件を満たすことになる。
得られたFの値をD/A変換して実際の電圧出力に変換することになる。
次の出力は、V1にセットしていた値をV0にセットし、V1には新しく得られた図3入力信号のt1のときの値をセットし次々同様の計算を繰り返して行い連続してD/A変換を行う。
このように入力信号を順次計算してその結果をD/A変換して目的とするスピーカを駆動する電気信号を得る。
図4は、演算器が実施する演算の手法を示すフローチャートである。
DSP3の演算器9はコンピュータに相当し、内部にはCPU,ROM,RAM等が含まれる。従って、ROMに書き込まれた図4のフローチャートに相当するプログラムをCPUがRAMなどを使用しつつ実行する。
まず、ステップS105にて、データを読み込む。データは上述したように時系列に沿って逐次入力されて所定のバッファに溜め込まれている。ステップS110では、時系列に沿って処理対象となる時刻t0,t1を設定する。以降、時刻t0,t1の入力信号のデータを使用して演算することになる。従って、ステップS115では、上述したように時刻t0のデータを変数V0に、時刻t1のデータを変数V1に設定する。これをV0(t0),V1(t1)の設定と表す。
ステップS120では、V0(t0)とV1(t1)の符号が同じか、あるいは一方の値が「0」であるか評価する。いずれかの評価内容に該当する場合は、ステップS125にて、次式の判定を行う。
|V1(t1)| − |V0(t0)| > 0 (2)
すなわち、V0(t0)の絶対値が、V1(t1)の絶対値よりも大きいか判断する。もし、YESであれば、ステップS130にて、増速を表すためにフラグflgに「1」を設定する。
しかし、NO、すなわち、同じ符号であるときの、V0(t0)の絶対値が、V1(t1)の絶対値よりも小さいなら、ステップS140にて減速を表すためにフラグflgに「−1」を設定する。なお、例外的に、V0(t0)の絶対値とV1(t1)の絶対値とが一致する場合は増減速がない場合であるから、以下のステップS120へと進める。
以上の処理により、微少間隔ごとの音声信号の変化に基づいて、増速時か減速時かを判断している。この判断をする処理およびその実体が演算部に相当する。
以上は、ステップS120にて、V0(t0)とV1(t1)の符号が同じか、あるいは一方の値が「0」である場合であり、これに該当しない場合、すなわち、V0(t0)とV1(t1)の符号が異なるか、増減速が判定不可能な場合は、ステップS135にて、フラグflgに「0」を設定する。
次に、ステップS145,S155にて、フラグflgの値に基づいて適切な係数Gを設定していく。まず、ステップS145にて、フラグflgが「1」であるか判断し、YES、すなわち増速時であるならステップS150にて、係数Gに値Pを設定する。次に、ステップS155にて、フラグflgが「−1」であるか判断し、YES、すなわち減速時であるならステップS160にて、係数Gに値Rを設定する。以上の判断に該当しないときは、増速も減速もしていないときであり、このときはステップS165にて、係数Gに値Qを設定する。
以上のようにして、増速時であるのか、減速時であるのか、あるいはいずれにも該当しないのかを判断した上で、係数Gに最適な値を設定することになるため、ステップS170にて、式(1)を演算する。
以上の処理により、微少間隔ごとの音声信号の変化を差分データとして、同差分データに対して増速時の係数か減速時の係数を乗じて前記スピーカを駆動する信号を演算している。この判断をする処理およびその実体が演算部に相当する。
この後、ステップS175にて、バッファの中のデータが終わりであるか判断し、まだバッファにデータがあれば、ステップS110に戻って以上の処理を繰り返す。なお、ステップS105のデータ読み込みはバッファに対して逐次行われていると考えて良い。
増速時に掛ける係数Pと減速時に掛ける係数Rの決定方法は、まず最初に微小な値としてPに「1.05」を、Rに「0.95」を与え、「0」から始まる正弦波の信号を入力信号として与えた時に、スピーカがどのように立ち上がって振動するかを計測して調べる。その結果を記録しておき、次にPに「1.1」をRに「0.9」を与え、「0」から始まる正弦波の信号を入力信号として与えスピーカがどのように立ち上がって振動するかを計測して結果を記録する。そして、結果の記録に基づいて、今回と前回の条件と結果と比較して優劣を判定する。判定結果から、より良い値を推測して繰り返しテストを行い、最適値を決定する。
増速時の係数Pと減速時の係数Rの最適値は、実際に仮の値を設定して音楽を再生して試聴し、さらに異なる値を設定して試聴しその結果良かったと思われる値を選択して決定するという方法でもよい。
また、PとQとRの係数は、それぞれ絶対値で式(3)の条件式を満たす値である限り、入力装置によって外部から自由に設定することができる構造になっていてもよいものとする。
|P|>|Q|>|R| (3)
このように、決定されたPとQとRの係数を使用した式(1)の計算を行うDSP3を使用すれば本発明の信号生成装置を実現することができる。
このような、係数Pと係数Qと係数Rの関係から、上記演算部は、増速時における駆動信号を求める係数と、減速時における駆動信号を求める係数とを異ならせて演算していると言える。
また、係数Pと係数Qと係数Rの関係から、上記演算部は、増速時の係数が減速時の係数よりも絶対値で大きな値としていると言える。
なお、演算部の処理は外部からは判別しがたいことが多い。しかし、演算結果としての駆動信号を観察すれば、増速時における駆動信号が、減速時における駆動信号よりも大きくなっていれば、上述したような係数を使用しているのと等しいと言える。
さらに、スピーカのコーン紙が停止し、動き始めるときに大きな駆動信号が得られるようにすることも本発明の一態様といえる。すなわち、動き始めた以降の駆動信号は増速時と減速時とで同じとしつつも、停止時から動き始めるときの駆動信号を大きくする。その後、徐々に増速時と減速時とで異ならない大きさの駆動信号へ変化させていく。
以上のようにして計算した結果の信号例を、図3において出力信号14として示している。
正弦波の入力信号13を位相角で表すと、0〜1/2・πの第1像限は増速時に相当し、1/2・π〜πの第2像限は減速時に相当し、π〜3/2・πの第3像限は増速時に相当し、3/2・π〜2πの第4像限は減速時に相当する。
得られた力の変化の信号は図3の出力信号14のように制動が掛けられた結果、静止した状態になった直後再び動き出す時に不連続な信号となる。この不連続な信号をもってスピーカを駆動すると、スピーカはより正確な振動をして歪の少ない音の再生をすることが可能となる。
DSP3の出力信号をパワーアンプ4で増幅して出力すべきスピーカは従来のものとは異なる。
本発明の信号生成装置で得られる信号は、生成される力の変化の信号として、+6dB/octの信号を生成する。このため本発明の信号生成装置と組み合わせて使用するスピーカは-6dB/octとなる特性をもったものでないとフラットな再生が行えない。
したがって、この専用スピーカは、再生しようとする周波数帯域に対して‐6dB/octとなる特性を持ったものである必要がある。このため‐6dB/octの特性を持つように調整されたスピーカであればよい。この調整は、振幅が一定である現在のオーディオ信号でフラットな特性を持つように調整するよりも容易に行える。
以上のように、‐6dB/octの特性を持つように調整されたスピーカを使用することにより、再生しようとする周波数帯域で+6dB/octとなる特性のスピーカ駆動信号を入力したときには、その出力特性がおおむね均一となる。
この専用スピーカは、本発明の信号生成装置で得られる信号を再生する目的で作成されたものでなければならない。従って、再生帯域より高い周波数の信号をフィルター等でカットすることを目的とする回路や機構を備えるべきではない。
次に、本発明の信号生成装置で得られる信号を従来のスピーカに出力する方法について説明する。本発明の信号生成装置の入力部に‐6dB/octとなるフィルターをセットすれば実現できる。実際には、DSP3でデジタルフィルターを構成して使用すれば、独立したフィルタを使用することなく実現できる。アナログフィルターを使用するとS/N比が非常に悪くなるため、実使用に耐えないと言える。このため、DSP3でデジタルフィルターを実現させ、‐6dB/octを実現して使用すると実施できる。
このように、再生しようとする周波数帯域で再生しようとする音の信号に対して−6dB/octとなるフィルター処理を行なうDSP3のデジタルフィルタが、スピーカ用フィルタに相当する。
むろん、本発明の信号生成装置と、上述した専用スピーカとを組み合わせてシステムとして実現することができる。ただし、このように組み合わせを行う場合の制限事項として、マルチユニットの場合、再生帯域のユニットごとに本発明の信号生成装置と増幅器が必要となる。
組み合わせは、実際に一体型となっている場合に限らず、使用する際にコードやケーブルなどで接続して使用する場合でも組み合わせとして成立するため有効な実施例となる。
次に、上述したように本発明の信号生成装置の入力部に‐6dB/octとなるフィルターをセットしつつ、従来から使用されているスピーカユニットを組み合わせることもできる。この組み合わせを行う場合の制限事項として、マルチユニットの場合、再生帯域ごとにフィルタをセットした信号生成装置と増幅器が必要となる。
組み合わせは、実際に一体型となっている場合に限らず、使用する際にコードやケーブルなどで接続して使用する場合でも組み合わせとして成立するため有効な実施例となる。
従来からあるオーディオシステムは、音の信号をそのまま増幅してスピーカを駆動しようとしていた。
しかし、現実には、スピーカの振動板や空気そのものに重さがあるため、スピーカを駆動するための信号として音の変化の信号から力の変化の信号を計算して求め、この力の変化の信号を使用する方式として、原音再現方式を考案した。
その上で、本発明はさらに振動板が動くときの抵抗や摩擦の影響を考慮した信号を生成し、この信号を増幅してスピーカを駆動するものである。この新しい発明によって現状ハイレゾなどのようにさらなる高音質の装置を探求しようとする傾向にあるが、これら従来の方法でも解決できなかった効果を得ることができ、さらに安価であっても高音質な装置を得ることができる。このため、消費者のオーディオに関する興味も増大し今まで使用していた装置を買い替える必要が生じることから関連産業も増大する需要に応えるべく増産となり業界の発展につながる。
従来の装置では、価格の高低に相関関係が乏しく、価格が高い装置であるからといって必ず良い音がするという保証がなかった。
しかし、本発明によると価格に対応した相関関係がより明確になり高価な装置はそれなりに高忠実な再生を実現することができるようになることから消費者の理解を得やすい商品となりかなりの普及が見込める。
なお、本発明は上述の発明を実施するための形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることも可能である。
例えば、本発明が適用されるスピーカの種類は駆動方式などには限定されない。通常のコーン紙の他、コーン紙の素材が変わる場合も同様である。また、近年開発されてきた新たなものであってもよい。空気の重さを考慮する点では、コーン紙のないイオンスピーカでも同様に適用可能である。
図3に示す縦軸の単位については、実質的に速度と同等の変化を示す入力信号を採用可能であり、速度、音圧の他の単位であっても入力信号として採用可能である。
1…マイクロホン、2…プリアンプ、3…DSP、4…パワーアンプ、5…スピーカ、6…音入力信号端子、7…A/D変換器、8…デジタル信号バス、9…演算器、10…デジタル信号バス、11…D/A変換器、12…スピーカ駆動信号出力端子、13…入力信号、14…出力信号

Claims (7)

  1. 微少間隔ごとの音声信号に基づいて、スピーカが空気を所定方向に押しのける動きをする増速時と、逆の減速の動きをする減速時において、それぞれ前記スピーカを駆動する信号を所定の演算により求める信号生成装置であって、
    微少間隔ごとの音声信号を入力する音声信号入力部と、
    前記スピーカを駆動する信号を演算する演算部と、
    前記スピーカを駆動する信号を出力する駆動信号出力部とを備え、
    前記演算部は、増速時における駆動信号を求める係数と、減速時における駆動信号を求める係数とが異なることを特徴とする信号生成装置。
  2. 前記演算部は、微少間隔ごとの音声信号の変化に基づいて、増速時か減速時かを判断することを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
  3. 前記演算部は、微少間隔ごとの音声信号の変化を差分データとして、同差分データに対して増速時の係数か減速時の係数を乗じて前記スピーカを駆動する信号を演算することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号生成装置。
  4. 前記演算部は、増速時の係数が減速時の係数よりも絶対値で大きな値とすることを特徴とする請求項3に記載の信号生成装置。
  5. 微少間隔ごとの音声信号に基づいて、スピーカが空気を所定方向に押しのける動きをする増速時と、逆の減速の動きをする減速時において、それぞれ前記スピーカを駆動する信号を所定の演算により求める信号生成装置であって、
    微少間隔ごとの音声信号を入力する音声信号入力部と、
    前記スピーカを駆動する信号を演算する演算部と、
    前記スピーカを駆動する信号を出力する駆動信号出力部とを備え、
    前記演算部は、増速時における駆動信号が、減速時における駆動信号よりも大きくなるように演算することを特徴とする信号生成装置。
  6. 微少間隔ごとの音声信号に基づいて、スピーカが空気を所定方向に押しのける動きをする増速時と、逆の減速の動きをする減速時において、それぞれ前記スピーカを駆動する信号を所定の演算により求める信号生成装置から出力される駆動信号によって駆動されるスピーカであって、
    前記信号生成装置は、
    微少間隔ごとの音声信号を入力する音声信号入力部と、
    前記スピーカを駆動する信号を演算する演算部と、
    前記スピーカを駆動する信号を出力する駆動信号出力部とを備え、
    前記演算部は、増速時における駆動信号が、減速時における駆動信号よりも大きくなるように演算するものであり、
    前記スピーカは、前記駆動信号に対して所定の周波数を基準とした高周波成分を除去することを目的とした回路や機構を持たないことを特徴とするスピーカ。
  7. 再生しようとする周波数帯域で+6dB/octとなる特性のスピーカ駆動信号を入力したときに出力特性がおおむね均一となることを特徴とする請求項6に記載のスピーカ。
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