JP6295673B2 - パッシベーション層付半導体基板、パッシベーション層形成用塗布型材料及び太陽電池素子 - Google Patents
パッシベーション層付半導体基板、パッシベーション層形成用塗布型材料及び太陽電池素子 Download PDFInfo
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Description
以上の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする第1の課題は、キャリアライフタイムが長く、且つ負の固定電荷密度を有するパッシベーション層付半導体基板を低コストで提供することである。第2の課題は、そのパッシベーション層付半導体基板のパッシベーション層を形成するための塗布型材料を提供することである。第3の課題は、そのパッシベーション層付半導体基板を用いた変換効率の高い太陽電池素子を低コストで提供することである。
<1> 第1成分としての酸化ニオブ、酸化バナジウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種と、
第2成分としての酸化アルミニウムと、
第3成分としての酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化リン及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
を含むパッシベーション層を有するパッシベーション層付半導体基板。
前記第1成分及び前記第2成分の総質量に対する前記第3成分の含有率が、0.01質量%〜10質量%である<1>に記載のパッシベーション層付半導体基板。
熱処理によって前記第2成分を生成する第2成分前駆体としての酸化アルミニウム前駆体と、
熱処理によって前記第3成分を生成する第3成分前駆体としての酸化アンチモン前駆体、酸化ビスマス前駆体、酸化マグネシウム前駆体、酸化リン前駆体及び酸化ホウ素前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
を含む塗布型材料の熱処理物であるパッシベーション層を有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載のパッシベーション層付半導体基板。
<5> 第1成分前駆体としての酸化ニオブ前駆体、酸化バナジウム前駆体及び酸化タンタル前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
第2成分前駆体としての酸化アルミニウム前駆体と、
第3成分前駆体としての酸化アンチモン前駆体、酸化ビスマス前駆体、酸化マグネシウム前駆体、酸化リン前駆体及び酸化ホウ素前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
を含むパッシベーション層形成用塗布型材料。
<7> 単結晶シリコン又は多結晶シリコンからなり、受光面及び前記受光面とは反対側の裏面を有するp型の半導体基板と、
前記半導体基板の受光面側に形成されたn型の不純物拡散層と、
前記半導体基板の受光面側の前記n型の不純物拡散層の表面に形成された第1電極と、
前記半導体基板の裏面側の表面に形成され、複数の開口部を有し、第1成分としての酸化ニオブ、酸化バナジウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種と、第2成分としての酸化アルミニウムと、第3成分としての酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化リン及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含むパッシベーション層と、
前記複数の開口部を通して、前記半導体基板の裏面側の表面と電気的な接続を形成している第2電極と、
を備える太陽電池素子。
前記半導体基板の受光面側に形成されたn型の不純物拡散層と、
前記半導体基板の受光面側の前記n型の不純物拡散層の表面に形成された第1電極と、
前記半導体基板の裏面側の一部又は全部に形成され、前記半導体基板より高濃度に不純物が添加されたp型の不純物拡散層と、
前記半導体基板の裏面側の表面に形成され、複数の開口部を有し、第1成分としての酸化ニオブ、酸化バナジウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種と、第2成分としての酸化アルミニウムと、第3成分としての酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化リン及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含むパッシベーション層と、
前記複数の開口部を通して、前記半導体基板の裏面側の前記p型の不純物拡散層の表面と電気的な接続を形成している第2電極と、
を備える太陽電池素子。
前記半導体基板の受光面側に形成されたp型の不純物拡散層と、
前記半導体基板の裏面側に形成された第2電極と、
前記半導体基板の受光面側の表面に形成され、複数の開口部を有し、第1成分としての酸化ニオブ、酸化バナジウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種と、第2成分としての酸化アルミニウムと、第3成分としての酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化リン及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含むパッシベーション層と、
前記半導体基板の受光面側の前記p型の不純物拡散層の表面に形成され、前記複数の開口部を通して前記半導体基板の受光面側の表面と電気的な接続を形成している第1電極と、
を備える太陽電池素子。
前記第1成分及び前記第2成分の総質量に対する前記第3成分の含有率が、0.01質量%〜10質量%である<7>〜<9>のいずれか1つに記載の太陽電池素子。
本発明のパッシベーション層付半導体基板は、第1成分としての酸化ニオブ、酸化バナジウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種と、第2成分としての酸化アルミニウムと、第3成分としての酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化リン及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含むパッシベーション層を有する。
太陽電池に使用するシリコン基板の製造方法としては、石英るつぼで材料を溶融させて結晶を引き上げるCzochralski(CZ)法が一般的であり、太陽電池の量産に使われている。
これに対して、石英るつぼを使わないFloat Zone(FZ)法によりシリコン基板の製造も行われている。FZ法により製造される基板は、現状では高価なために、太陽電池の量産には使われていない。しかし、FZ法により製造された半導体基板は、論文等で高効率を目指した太陽電池の製造に使われており、今後は量産に使われる可能性もある。
CZ法により製造されるシリコン基板では、石英るつぼからの酸素が欠陥となり、一般に、バルクライフタイムの向上には限界がある。これに対して、FZ法により製造されるシリコン基板は、酸素が少ないために一般にはバルクライフタイムが長くなる。しかし、FZ法により製造されるシリコン基板は、銅等の重金属不純物が含有され易く、キャリアライフタイムが劣化しやすいという特徴を持つ。
第1成分は負の固定電荷密度の付与に寄与している。負の固定電荷密度は酸化ニオブを用いるときがもっとも大きく、次に酸化バナジウムが大きく、酸化タンタルを用いる場合は比較的効果が小さい。したがって、大きな負の固定電荷密度を得たい場合には、酸化ニオブ又は酸化バナジウムを用いることが好ましく、酸化ニオブを用いることがより好ましい。
第2成分である酸化アルミニウムは、単独では正の固定電荷密度を示すが、半導体基板のライフタイムを長くする効果を有し、第1成分と併用することにより、負の固定電荷密度を与えることが可能である。
また、第3成分としては、固定電荷密度を負に大きくする効果の観点からは、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化リン及び酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、酸化アンチモン及び酸化ビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、酸化ビスマスであることが更に好ましい。
具体的な測定条件は次の通りである。パッシベーション層を酸又はアルカリ水溶液に溶解し、この溶液を霧状にしてArプラズマに導入し、励起された元素が基底状態に戻る際に放出される光を分光して波長及び強度を測定し、得られた波長から元素の定性を行い、得られた強度から定量を行う。
パッシベーション層中の第1成分、第2成分及び第3成分であるこれらの金属酸化物の含有量が多いと、負の固定電荷密度の効果が大きくなる傾向にある。
具体的な測定条件は次の通りである。熱重量分析によって無機成分の割合を算出し、蛍光X線、ICP−MS分析等によって、パッシベーション層中のニオブ、バナジウム、タンタル、アルミニウム、アンチモン、ビスマス、マグネシウム、リン、ホウ素等の割合を算出し、酸化物の割合はX線吸収分光法で調べることができる。
例えば、本発明のパッシベーション層付半導体基板は、半導体基板の少なくとも一方の面の少なくとも一部に、熱処理により第1成分、第2成分及び第3成分を生成することが可能である成分を含む組成物を付与して組成物層を形成し、この組成物層を熱処理(焼成)してパッシベーション層を形成することにより製造することができる。
より具体的には、後述のパッシベーション層形成用塗布型材料を、半導体基板の少なくとも一方の面の少なくとも一部に付与した後、熱処理(焼成)することにより、第1成分前駆体、第2成分前駆体及び第3成分前駆体からそれぞれ生成される第1成分、第2成分及び第3成分を含むパッシベーション層を得ることができる。
他の方法としては、第1成分、第2成分及び第3成分を含む組成物を、半導体基板の少なくとも一方の面の少なくとも一部に付与した後、乾燥等の熱処理を行うことにより、第1成分、第2成分及び第3成分を含むパッシベーション層を得る方法が挙げられる。
本発明の塗布型材料は、第1成分前駆体としての酸化ニオブ前駆体、酸化バナジウム前駆体及び酸化タンタル前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、第2成分前駆体としての酸化アルミニウム前駆体と、第3成分前駆体としての酸化アンチモン前駆体、酸化ビスマス前駆体、酸化マグネシウム前駆体、酸化リン前駆体及び酸化ホウ素前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含む、パッシベーション層形成用塗布型材料(以下、「塗布型材料」とも言う。)である。塗布型材料は、所望により、その他の成分を更に含んでいてもよい。
ニオブアルコキシドとしては、当該技術分野で通常使用されるものであれば特に制限はない。ニオブアルコキシドとしては、ニオブエトキシド、ニオブイソプロポキシド、ニオブn−プロポキシド、ニオブn−ブトキシド、ニオブフェノキシド等を挙げることができる。
具体例としては、ニオブ(V)エトキシド(構造式:Nb(OC2H5)5、分子量:318.21)、Nb−05(株式会社高純度化学研究所)等を挙げることができる。
具体例として、バナジウム(V)オキシトリエトキシド(構造式:VO(OC2H5)3、分子量:202.13)、V−02(株式会社高純度化学研究所)等を挙げることができる。
具体例として、タンタル(V)メトキシド(構造式:Ta(OCH3)5、分子量:336.12)、Ta−10−P(株式会社高純度化学研究所)等を挙げることができる。
アルミニウムアルコキシドの例としては、下記一般式(I)で表される有機アルミニウム化合物(以下、「特定の有機アルミニウム化合物」とも言う。)が挙げられる。
具体例として、アルミニウムトリイソプロポキシド(構造式:Al(OCH(CH3)2)3、分子量:204.25)、SYM−AL04(株式会社高純度化学研究所)等を挙げることができる。
有機酸化アンチモン前駆体の例として、アンチモントリエトキシド(構造式:Sb(OCH2CH3)3、分子量:256.9)、SYM−SB03(株式会社高純度化学研究所)等を挙げることができる。
有機酸化ビスマス前駆体の例として、ビスマス(III)トリイソプロポキシド(構造式:Bi(OCH(CH3)2)3、分子量:386.2)、SYM−BI05(株式会社高純度化学研究所)等を挙げることができる。
具体例として、マグネシウムエトキシド(構造式:Mg(OCH2CH3)2)、分子量:114.4)、SYM−MG05(株式会社高純度化学研究所)等を挙げることができる。
酸化リン前駆体の例として、リン酸トリエチル(構造式:PO(OCH2CH3)3、分子量:182.3)、熱処理(焼成)後にSiO2−P2O5となるPS−05S(株式会社高純度化学研究所)等を挙げることができる。
酸化ホウ素前駆体の例として、トリエトキシホウ素(構造式:B(OCH2CH3)3、分子量:146.1)、熱処理(焼成)後にSiO2−B2O3となるBS−05S(株式会社高純度化学研究所)等を挙げることができる。
塗布型材料は、必要に応じて、その他の成分として、溶媒、樹脂、界面活性剤、無機粉末、ケイ素原子を含む樹脂、チキソ剤、増粘剤、湿潤剤等を含有してもよい。
塗布型材料は溶媒を更に含んでいてもよい。塗布型材料が溶媒を含有することで、粘度の調整がより容易になり、付与性がより向上すると共により均一なパッシベーション層を形成することができる。溶媒としては特に制限されず、必要に応じて適宜選択することができる。
溶媒として有機溶媒が好ましく、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のケトン溶媒;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリエチレングリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエステル溶媒;アセトニトリル、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、N−プロピルピロリジノン、N−ブチルピロリジノン、N−ヘキシルピロリジノン、N−シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル溶媒;α−テルピネン、α−テルピネオール、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン、ターピネオール、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン溶媒;水などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明の塗布型材料は、樹脂の少なくとも1種を更に含んでいてもよい。樹脂を含むことで、塗布型材料が半導体基板上に付与されて形成される層の形状安定性がより向上し、この層が形成された領域に、パッシベーション層を所望の形状で選択的に形成することができる。
尚、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート(アクリル酸エステル)及びそれに対応するメタクリレート(メタクリル酸エステル)の少なくとも一方を意味する。
これら樹脂の分子量は特に制限されず、パッシベーション層形成用塗布型材料としての所望の粘度を鑑みて適宜調整することが好ましい。樹脂の重量平均分子量は、保存安定性及びパターン形成性の観点から、1,000〜10,000,000であることが好ましく、1,000〜5,000,000であることがより好ましい。尚、樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定される分子量分布から標準ポリスチレンの検量線を使用して換算して求められる。検量線は、標準ポリスチレンの5サンプルセット(東ソー株式会社、PStQuick MP−H、PStQuick B)を用いて3次式で近似する。GPCの測定条件を以下に示す。
(検出器:L−2490型RI[株式会社日立ハイテクノロジーズ])
(カラムオーブン:L−2350[株式会社日立ハイテクノロジーズ])
カラム:Gelpack GL−R440 + Gelpack GL−R450 + Gelpack GL−R400M(計3本)(日立化成株式会社、商品名)
カラムサイズ:10.7mm(内径)×300mm
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:10mg/2mL
注入量:200μL
流量:2.05mL/分
測定温度:25℃
フェノール樹脂を含む場合、フェノール樹脂の含有率は0.1質量%〜35質量%であることが好ましく、1質量%〜30質量であることがより好ましい。
パッシベーション層形成用塗布型材料は、樹脂と共に又は樹脂に替わる材料として、高沸点材料を含んでもよい。高沸点材料は、加熱したときに容易に気化して脱脂処理する必要のない化合物であることが好ましい。高沸点材料は特に、印刷又は塗布後に印刷形状が維持できる高粘度の高沸点材料であることが好ましい。これらを満たす材料として、例えば、イソボルニルシクロヘキサノールが挙げられる。
塗布型材料は、酸性化合物又は塩基性化合物を含有してもよい。塗布型材料が酸性化合物又は塩基性化合物を含有する場合、保存安定性の観点から、酸性化合物又は塩基性化合物の含有率が、塗布型材料中にそれぞれ1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
酸性化合物としては、ブレンステッド酸及びルイス酸を挙げることができる。具体的には塩酸、硝酸等の無機酸、酢酸等の有機酸などを挙げることができる。また塩基性化合物としては、ブレンステッド塩基及びルイス塩基を挙げることができる。具体的には、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の無機塩基、トリアルキルアミン、ピリジン等の有機塩基などを挙げることができる。
塗布型材料の製造方法には特に制限はない。例えば、第1成分前駆体、第2成分前駆体及び第3成分前駆体、並びに必要に応じて含まれる溶媒等を、通常用いられる方法で混合することで製造することができる。また、樹脂を溶媒に溶解した後、これと第1成分前駆体、第2成分前駆体及び第3成分前駆体とを混合することで製造してもよい。
本発明の太陽電池素子(光電変換装置)は、半導体基板の光電変換界面の近傍に本発明のパッシベーション層(絶縁層、保護絶縁層)、すなわち、第1成分としての酸化ニオブ、酸化バナジウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種と、第2成分としての酸化アルミニウムと、第3成分としての酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化リン及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む層を有するものである。それらを含むことにより、半導体基板のキャリアライフタイムを長くし、且つ負の固定電荷密度を与えることができ、太陽電池素子の特性(光電変換効率)を向上させることができる。
図1に示すように、p型のシリコン基板1の受光面側(図1中上側、第1面)に、リン等のV族の元素をドーピングしたn型の拡散層2が形成される。そして、シリコン基板1と拡散層2との間でpn接合が形成される。拡散層2の表面には、窒化ケイ素(SiN)層等の受光面反射防止層3、及び銀(Ag)等を用いた第1電極5(受光面側の電極、第1面電極、上面電極、受光面電極)が形成される。受光面反射防止層3は、受光面パッシベーション層としての機能を兼ね備えてもよい。SiN層を用いることで、受光面反射防止層と受光面パッシベーション層の機能を両方兼ね備えることができる。
次に、上記構成を有する本発明の太陽電池素子(図1〜図4)の製造方法の一例について説明する。ただし、本発明は、以下に述べる方法で作製した太陽電池素子に限るものではない。
パッシベーション層7は、第1成分前駆体としての酸化ニオブ前駆体、酸化バナジウム前駆体及び酸化タンタル前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、第2成分前駆体としての酸化アルミニウム前駆体と、第3成分前駆体としての酸化アンチモン前駆体、酸化ビスマス前駆体、酸化マグネシウム前駆体、酸化リン前駆体及び酸化ホウ素前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含む材料(パッシベーション材料)を塗布し、熱処理(焼成)することにより形成される。これらの金属酸化物の前駆体は、金属アルコキシド、ゾルゲル等に代表される有機金属分解塗布型材料である。
第1成分の、第2成分に対する質量比(第1成分/第2成分)は、負の固定電荷密度を安定化する観点から、30/70〜90/10であることが好ましく、30/70〜80/20であることがより好ましく、35/65〜70/30であることが更に好ましい。
熱処理(焼成)により酸化ニオブ(Nb2O5)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、Nb−05、濃度5質量%]を3.0g、熱処理(焼成)により酸化アルミニウム(Al2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−AL04、濃度2.3質量%]を3.0g、及び熱処理(焼成)により酸化ビスマス(Bi2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−BI05、濃度11.8質量%]を0.18g混合して、塗布型材料であるパッシベーション材料(a−1)を調製した。
エリプソメーターにより測定したところ、パッシベーション層の厚さは54nmであった。パッシベーション層のFT−IRを測定したところ、1200cm−1付近に、ごくわずかのアルキル基に起因するピークが見られた。
その結果、フラットバンド電圧(Vfb)が理想値の−0.81Vから、+4.1Vにシフトしたことが判明した。このシフト量からパッシベーション材料(a−1)から得たパッシベーション層は、固定電荷密度(Nf)が−8.1×1012cm−2で負の固定電荷密度を示すことがわかった。
比較のために、同じ8インチのp型のシリコン基板をヨウ素パッシベーション法によりパッシベーションして測定したところ、キャリアライフタイムは、1100μsであった。
実施例1で第3成分前駆体として用いた熱処理(焼成)により酸化ビスマス(Bi2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−BI05、濃度11.8質量%]の代わりに、熱処理(焼成)により酸化アンチモン(Sb2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−SB03、濃度4.8質量%]を0.18g、熱処理(焼成)により酸化マグネシウム(MgO)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−MG05、濃度2.3質量%]を0.18g、熱処理(焼成)によりSiO2−P2O5が得られる市販のゾルゲルタイプ薄層塗布材料[株式会社高純度化学研究所、PS−05S、濃度5質量%]を0.18g、又は熱処理(焼成)によりSiO2−B2O3が得られる市販のゾルゲルタイプ薄層塗布材料[株式会社高純度化学研究所、BS−05S、濃度5質量%]を0.18g混合した以外は実施例1と同様にして、塗布型材料であるパッシベーション材料(a−2)〜(a−5)を調製した。
また、これらの第3成分前駆体のいずれも添加しない以外は実施例1と同様にして、酸化ニオブ/酸化アルミニウムの前駆体を含む参考用パッシベーション材料(a−0)を調製した。
実施例1及び2で検討したパッシベーション材料(a−1)〜(a−5)及び参考用のパッシベーション材料(a−0)の各々を、実施例1及び2で用いた直径8インチのp型CZシリコン基板の代わりに、直径4インチのp型のシリコン基板(FZ基板、1Ωcm〜5Ωcm、280μm厚)の両面に塗布し、実施例1と同様の条件でプリベークを行った。その後、窒素4L/分、酸素1L/分を流した大気に相当する雰囲気下で、700℃、10分間の熱処理(焼成)を行い、シリコン基板の両面がパッシベーション層で覆われたサンプルを作製した。
このサンプルのキャリアライフタイムの測定をライフタイム測定装置(株式会社コベルコ科研、RTA−540)により行った。その結果を表2に示した。
実施例1と同様に、熱処理(焼成)により酸化ニオブ(Nb2O5)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、Nb−05、濃度5質量%]と、熱処理(焼成)により酸化アルミニウム(Al2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−AL04、濃度2.3質量%]と、熱処理(焼成)により酸化ビスマス(Bi2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所SYM−BI05、濃度11.8質量%]又は熱処理(焼成)により酸化アンチモン(Sb2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所SYM−SB03、濃度4.8質量%]と、を比率を変えて混合して、表3に示すパッシベーション材料(a−11)〜(a−16)を調製した。
更に、パッシベーション材料(a−14)を使用すると、安定した負の固定電荷密度が得られる一方、ある程度のキャリアライフタイムも得られた。パッシベーション材料(a−14)は安定した負の固定電荷密度が求められる用途に適用することが可能である。
実施例1及び実施例2で用いた熱処理(焼成)により酸化ニオブ(Nb2O5)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、Nb−05、濃度5質量%]の代わりに、熱処理(焼成)により酸化バナジウム(V2O5)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、V−02、濃度2質量%]を用いて、これを熱処理(焼成)により酸化アルミニウム(Al2O3)が得られる市販の有機金属薄層塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−AL04、濃度2.3質量%]と、第3成分前駆体としての、熱処理(焼成)により酸化ビスマス(Bi2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−BI05、濃度11.8質量%]、熱処理(焼成)により酸化アンチモン(Sb2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−SB03、濃度4.8質量%]、熱処理(焼成)により酸化マグネシウム(MgO)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−MG05、濃度2.3質量%]、熱処理(焼成)によりSiO2−P2O5が得られる市販のゾルゲルタイプ薄層塗布材料[株式会社高純度化学研究所、PS−05S、濃度5質量%]、又は熱処理(焼成)によりSiO2−B2O3が得られる市販のゾルゲルタイプ薄層塗布材料[株式会社高純度化学研究所BS−05S、濃度5質量%]と混合して、塗布型材料であるパッシベーション材料(b−1)〜(b−5)を調製した。
また、これらの第3成分前駆体を含まない以外は上記と同様にして、酸化バナジウム/酸化アルミニウムの前駆体を含む参考用のパッシベーション材料(b−0)を調製した。
さらに、パッシベーション材料(b−1)〜(b−5)を使用した場合、第3成分前駆体を含まないパッシベーション材料(b−0)を使用した場合と比べて、負の固定電荷密度が大きくなり、ライフタイムが向上する結果を示した。
実施例1及び実施例2で用いた熱処理(焼成)により酸化ニオブ(Nb2O5)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、Nb−05、濃度5質量%]の代わりに、熱処理(焼成)により酸化タンタル(Ta2O5)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、Ta−10−P、濃度10質量%]を用いて、これを熱処理(焼成)により酸化アルミニウム(Al2O3)が得られる市販の有機金属薄層塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−AL04、濃度2.3質量%]と、第3成分前駆体としての、熱処理(焼成)により酸化ビスマス(Bi2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−BI05、濃度11.8質量%]、熱処理(焼成)により酸化アンチモン(Sb2O3)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−SB03、濃度4.8質量%]、熱処理(焼成)により酸化マグネシウム(MgO)が得られる市販の有機金属分解塗布型材料[株式会社高純度化学研究所、SYM−MG05、濃度2.3質量%]、熱処理(焼成)によりSiO2−P2O5が得られる市販のゾルゲルタイプ薄層塗布材料[株式会社高純度化学研究所、PS−05S、濃度5質量%]、又は熱処理(焼成)によりSiO2−B2O3が得られる市販のゾルゲルタイプ薄層塗布材料[株式会社高純度化学研究所、BS−05S、濃度5質量%]と混合して、塗布型材料であるパッシベーション材料(c−1)〜(c−5)を調製した。
また、これらの第3成分前駆体を添加しない以外は同様にして、酸化タンタル/酸化アルミニウムの前駆体を含む参考用のパッシベーション材料(c−0)を調製した。
さらに、パッシベーション材料(c−1)〜(c−5)を使用した場合、第3成分前駆体を含まないパッシベーション材料(c−0)を使用した場合と比べて、負の固定電荷密度が大きくなり、ライフタイムが向上する結果を示した。
市販のニオブ(V)エトキシド(構造式:Nb(OC2H5)5、分子量:318.21、北興化学工業株式会社「ペンタエトキシニオブ」)を3.18g(0.010mol)、市販のアルミニウムトリイソプロポキシド(構造式:Al(OCH(CH3)2)3、分子量:204.25、川研ファインケミカル株式会社「AIPD」)を4.08g(0.020mol)、及び市販のビスマス(III)トリイソプロポキシド(構造式:Bi(OCH(CH3)2)3、分子量:386.2、北興化学工業株式会社)0.0386g(0.01mmol)をシクロヘキサン80gに溶解して、濃度8質量%のパッシベーション材料(d−1)を調製した。
比較のために、同じ直径8インチのp型のシリコン基板をヨウ素パッシベーション法によりパッシベーションして測定したところ、キャリアライフタイムは、1000μsであった。
市販のニオブ(V)エトキシド(構造式:Nb(OC2H5)5、分子量:318.21、北興化学工業株式会社「ペンタエトキシニオブ」)3.18g(0.010mol)、市販のアルミニウムトリイソプロポキシド(構造式:Al(OCH(CH3)2)3、分子量:204.25、川研ファインケミカル株式会社「AIPD」)4.08g(0.020mol)、市販のビスマス(III)トリイソプロポキシド(構造式:Bi(OCH(CH3)2)3、分子量:386.2、北興化学工業株式会社)0.0386g(0.01mmol)、及びノボラック型フェノール樹脂20gを、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート20gとシクロヘキサン20gとの混合物に溶解して、パッシベーション材料(d−2)を調製した。
比較のために、同じ直径8インチのp型シリコン基板をヨウ素パッシベーション法によりパッシベーションして測定したところ、キャリアライフタイムは、1000μsであった。
シリコン基板1として、ホウ素をドープした単結晶シリコン基板を用いて、図3に示す構造の太陽電池素子を作製した。シリコン基板1の表面をテクスチャー処理した後、塗布型のリン拡散材を受光面側に塗布し、熱処理により拡散層2(リン拡散層)を形成した。その後、塗布型のリン拡散材を希フッ酸で除去した。
これらの太陽電池素子について、特性評価(短絡電流、開放電圧、曲線因子及び変換効率)を行った。特性評価は、JIS−C−8913(2005年度)及びJIS−C−8914(2005年度)に準拠して測定した。その結果を表6に示す。
2 拡散層
3 反射防止層
4 BSF層
5 第1電極
6 第2電極
7 パッシベーション層
11 シリコン基板
12 n+層
13 窒化ケイ素(SiN)層
14 p+層
15 フィンガー電極
16 電極
Claims (9)
- 第1成分としての酸化ニオブ、酸化バナジウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種と、
第2成分としての酸化アルミニウムと、
第3成分としての酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化リン及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
を含むパッシベーション層を有し、
前記第1成分の、前記第2成分に対する質量比(第1成分/第2成分)が30/70〜90/10であり、前記第1成分及び前記第2成分の総質量に対する前記第3成分の含有率が0.01質量%〜10質量%である、パッシベーション層付半導体基板。 - 前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分の総含有率が80質量%以上である請求項1に記載のパッシベーション層付半導体基板。
- 熱処理によって前記第1成分を生成する第1成分前駆体としての酸化ニオブ前駆体、酸化バナジウム前駆体及び酸化タンタル前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
熱処理によって前記第2成分を生成する第2成分前駆体としての酸化アルミニウム前駆体と、
熱処理によって前記第3成分を生成する第3成分前駆体としての酸化アンチモン前駆体、酸化ビスマス前駆体、酸化マグネシウム前駆体、酸化リン前駆体及び酸化ホウ素前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
を含む塗布型材料の熱処理物であるパッシベーション層を有する請求項1又は請求項2に記載のパッシベーション層付半導体基板。 - 第1成分前駆体としての酸化ニオブ前駆体、酸化バナジウム前駆体及び酸化タンタル前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
第2成分前駆体としての酸化アルミニウム前駆体と、
第3成分前駆体としての酸化アンチモン前駆体、酸化ビスマス前駆体、酸化マグネシウム前駆体、酸化リン前駆体及び酸化ホウ素前駆体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
を含むパッシベーション層形成用塗布型材料。 - 更に有機溶剤を含む請求項4に記載のパッシベーション層形成用塗布型材料。
- 単結晶シリコン又は多結晶シリコンからなり、受光面及び前記受光面とは反対側の裏面を有するp型の半導体基板と、
前記半導体基板の受光面側に形成されたn型の不純物拡散層と、
前記半導体基板の受光面側の前記n型の不純物拡散層の表面に形成された第1電極と、
前記半導体基板の裏面側の表面に形成され、複数の開口部を有し、第1成分としての酸化ニオブ、酸化バナジウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種と、第2成分としての酸化アルミニウムと、第3成分としての酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化リン及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含み、前記第1成分の、前記第2成分に対する質量比(第1成分/第2成分)が30/70〜90/10であり、前記第1成分及び前記第2成分の総質量に対する前記第3成分の含有率が0.01質量%〜10質量%であるパッシベーション層と、
前記複数の開口部を通して、前記半導体基板の裏面側の表面と電気的な接続を形成している第2電極と、
を備える太陽電池素子。 - 単結晶シリコン又は多結晶シリコンからなり、受光面及び前記受光面とは反対側の裏面を有するp型の半導体基板と、
前記半導体基板の受光面側に形成されたn型の不純物拡散層と、
前記半導体基板の受光面側の前記n型の不純物拡散層の表面に形成された第1電極と、
前記半導体基板の裏面側の一部又は全部に形成され、前記半導体基板より高濃度に不純物が添加されたp型の不純物拡散層と、
前記半導体基板の裏面側の表面に形成され、複数の開口部を有し、第1成分としての酸化ニオブ、酸化バナジウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種と、第2成分としての酸化アルミニウムと、第3成分としての酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化リン及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含み、前記第1成分の、前記第2成分に対する質量比(第1成分/第2成分)が30/70〜90/10であり、前記第1成分及び前記第2成分の総質量に対する前記第3成分の含有率が0.01質量%〜10質量%であるパッシベーション層と、
前記複数の開口部を通して、前記半導体基板の裏面側の前記p型の不純物拡散層の表面と電気的な接続を形成している第2電極と、
を備える太陽電池素子。 - 単結晶シリコン又は多結晶シリコンからなり、受光面及び前記受光面とは反対側の裏面を有するn型の半導体基板と、
前記半導体基板の受光面側に形成されたp型の不純物拡散層と、
前記半導体基板の裏面側に形成された第2電極と、
前記半導体基板の受光面側の表面に形成され、複数の開口部を有し、第1成分としての酸化ニオブ、酸化バナジウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種と、第2成分としての酸化アルミニウムと、第3成分としての酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化リン及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含み、前記第1成分の、前記第2成分に対する質量比(第1成分/第2成分)が30/70〜90/10であり、前記第1成分及び前記第2成分の総質量に対する前記第3成分の含有率が0.01質量%〜10質量%であるパッシベーション層と、
前記半導体基板の受光面側の前記p型の不純物拡散層の表面に形成され、前記複数の開口部を通して前記半導体基板の受光面側の表面と電気的な接続を形成している第1電極と、
を備える太陽電池素子。 - 前記パッシベーション層における前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分の総含有率が80質量%以上である請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の太陽電池素子。
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