JP6295567B2 - 眼科手術用超音波チップ - Google Patents

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Description

本発明は、患者眼の水晶体の乳化除去手術(水晶体乳化吸引除去術)等に用いられる眼科手術用超音波チップ関する。
白内障手術では、超音波振動を利用して水晶体を破砕除去する装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。白内障手術では、超音波振動素子を持つハンドピースの先端に取り付けられた管状の眼科手術用超音波チップ(以下、USチップと略す)に超音波振動を伝達することによって水晶体核を破砕乳化し、破砕乳化された水晶体核をチップが持つ吸引孔から吸引して取り出す白内障手術装置が使用される。また、水晶体核を取り去った後に、嚢内の残留物、例えば、水晶体核の小片、嚢に付着している皮質、等を除去する場合、別のハンドピースに交換する。このハンドピースは、超音波による破砕の必要がないため吸引のみを行う構成となっている。ハンドピースには、嚢を傷つけにくいような先端形状で、残留物を吸引除去し、嚢等を研磨するための灌流吸引チップ(以下、IAチップと略す)が取り付けられる。このようにして、2種類のチップを用いて白内障手術が行われる。
近年、USチップの超音波振動を従来の直動(長軸方向に沿った縦振動)に対して、USチップの長軸を中心とした回旋(ねじり)方向のねじり振動を利用する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、このようなねじり振動に利用されるチップについては、水晶体核の破砕効率を向上させるために、先端部が曲がったものが使用されている。
また、近年では、フェムト秒レーザ等の極短パルスレーザの光破壊作用を用いて
水晶体核を破砕、切断する技術が提案されている(例えば、特許文献3)。このような装置を用いることにより、白内障手術の効率化、精度の向上が期待されている。
特開2011−212350号公報 米国特許第6077285号明細書 米国特許出願公開第2009/177189号明細書
前述のように、USチップとIAチップは役割が異なり、手術において、USチップ用のハンドピースと、IAチップ用のハンドピースを交換する作業が必要となり、手間が掛かる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、術中のチップ、ハンドピースの交換の手間を低減できる眼科手術用超音波チップ提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 超音波振動素子を持つ眼科手術用ハンドピースに取り付けられ,前記超音波振動素子からのねじり振動を利用して水晶体核を破砕し、内部に吸引経路が形成された細管を備え前記吸引経路を介して破砕された組織を吸引除去する眼科手術用超音波チップにおいて、前記細管が形成された中空の軸部と、該軸部の先端側に形成されたヘッド部であって、該ヘッド部の先端に形成された丸みを持つ先端部であって先端に吸引孔が形成されていない閉塞された先端部と,該先端部の後部側面に形成されねじり振動によって水晶体核を破砕するための突出部を有する破砕部と,該破砕部に形成され前記細管と接続される吸引孔と、を有するヘッド部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、術中のチップ、ハンドピースの交換の手間を低減できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は超音波手術用チップが先端に取り付けられた眼科手術用ハンドピースと、ハンドピースに接続される制御系の概略構成図である。図2は、水晶体等をレーザによって切断、破砕する眼科用レーザ手術装置の概略構成図である。図3〜5は、本実施形態の眼科手術用超音波チップの形状を説明する図である。
図1に示す眼科用超音波手術装置は、ハンドピース10、駆動ユニット31、吸引ユニット32、灌流ユニット33、制御部34、設定部35、操作ユニット36、を備える。本実施形態では、駆動ユニット31、吸引ユニット32、灌流ユニット33、制御部34、設定部35は、図示を略す筐体に収められている。ハンドピース10は、ケーブル11、吸引チューブ12、灌流チューブ13を介して筐体と接続される。操作ユニット36は、制御信号等を送受信するためのケーブルを介して筐体と接続される。
術者に把持されるハンドピース10は、超音波振動素子3、ホーン5、チップ60、スリーブ70、を備えている。また、ハンドピース10内には、吸引経路22、灌流経路23が形成されている。
超音波振動素子3はホーン5、チップ60と共に振動系を成し、ケーブル11を介して駆動ユニット31から送られるエネルギ(印加電圧)により共振周波数で超音波振動する。本実施形態の超音波振動素子3は、振動方向の異なる2つに振動素子が組み合わせられて構成される。超音波振動素子3の中央部には、ホーン5を挿通する孔が形成されており、図示を略すナットで予圧を与えられている。
ホーン5は、中空の管状部材である。ホーン5の内空は、吸引経路22の一部を構成する。ホーン5の先端には、チップ60が固定される。ここでは、チップ60は、ネジ止めによってホーン5に固定される。これにより、超音波振動素子3、ホーン5、チップ60が一体となり共振し、チップ60も振動する。
チップ60は、中空の管状部材(細管)である。チップ60は、ヘッド部61、軸部65、吸引経路66、を備えている。吸引経路66は、チップ60がホーン5と接続されることにより、吸引経路22と接続される。
ハンドピース10の先端に取り付けられる灌流用のスリーブ70は、灌流液を眼内に供給するための中空部を備える。チップ60の先端部を1mm程度外に出し、チップ60の軸部65を被覆している(図1の長さY参照)。スリーブ70は、柔軟性を持つ素材から成る。スリーブ70は、例えば、シリコーンで成型される。スリーブ70の先端には灌流液を眼球内に供給するための流出孔(開口)が設けられている。スリーブ70が取り付けられたハンドピース10には、灌流液をスリーブ70内に導く灌流通路23が設けられる。灌流通路23の後端には灌流チュ−ブ13が接続される。スリーブ70のチップ軸被覆部の外径は、3.0mm以下とされ、好ましくは、2mm以下とされる。これは、スリーブ70が、眼球に形成される切開創をできるだけ小さくするように設計されるためである。
ケーブル11は、超音波振動素子3と駆動ユニット31を接続する。ケーブル11は電力、制御信号等を供給する導線となっている。吸引チューブ12は、吸引経路22(66)と吸引ユニット32とを接続する。灌流チューブ13は、灌流経路23と灌流ユニット33とを接続する。吸引チューブ12、灌流チューブ13は、いずれも柔軟性を有する中空の管である。
装置全体を統轄・制御する制御部34には、駆動ユニット31、吸引ユニット32、灌流ユニット33、設定部35、操作ユニット36が接続される。制御部34は、設定部35にて設定された設定値に基づいて各ユニットを制御する。駆動ユニット31は、電源、制御回路等を備え、超音波振動素子3を振動(駆動)させる役割を持つ。吸引ユニット32は、吸引ポンプ等を備え、チップ60(の先端)に吸引圧を印加する役割を持つ。吸引ユニット32により、吸引経路22等を介して、破砕された水晶体の組織を吸引除去される。吸引された廃物は廃液袋(図示を略す)に排出される。灌流ユニット33は、灌流ボトル、灌流弁等を備え、スリーブ70(の先端)から灌流液を供給する役割を持つ。灌流ユニット33により、灌流経路23を介して、設定された灌流圧で灌流液が供給される。
設定部35は、手術条件を設定(入力)する役割を持つ。設定部35は、例えば装置の筐体に設けられたタッチパネル式ディスプレイである。これにより、設定部35は、手術条件等の表示部を兼ねることとなる。術者、操作者のタッチ等により、吸引圧(の調整パラメータ)、灌流圧、超音波振動出力、操作ユニット36による操作条件(ハンドピースの動作モードのパラメータ等)、等が設定できる。操作ユニット36としては、例えば、術者が踏み込み量(操作量)に対応して制御信号を制御部34へと送るフットペダルが用いられる。操作ユニット36で操作する際の操作量に応じて、ハンドピース10の動作モードを少なくとも2つとして切り替える構成とする。動作モードとしては、チップ60を超音波振動させると共に灌流吸引を行う超音波振動モードと、チップ60を超音波振動させずに灌流吸引のみ行う灌流吸引モードと、である。各モードにおいて、操作ユニット36の操作量に応じて、超音波振動のパワー等、吸引量、等が増減される。
ここで、本実施形態のチップの超音波振動(発振)について説明する。超音波振動素子3は、チップ60をねじれ振動させる役割を持つ。本実施形態では、ねじり振動とは、チップ60の長軸を軸とする回転往復運動(回旋運動)をいう。超音波振動素子3を構成する2つの素子の振動方向を異ならせる、例えば、一方の素子は、横方向、他方の素子は、長軸方向、等とする。これにより、超音波振動素子3が所要の振幅でのねじり振動(往復の回旋振動)をする。これにより、チップ60の先端がねじり振動する。なお、超音波発振する振動素子を用いたチップ60の直動振動及びねじり振動には、米国特許第6077285号明細書に記載された技術が利用できる。
本実施携帯の超音波チップ50をねじり振動させるハンドピースの構成としては、以下のようなものも利用できる。
ハンドピース(10)は、超音波振動素子(3)と、ホーン(5)と、スリーブ(70)と、を備える。超音波振動素子3は、超音波振動する圧電素子である。超音波振動素子3は、振動の方向が縦方向(長軸方向)となるように配置される。ホーン5には、円周上に複数のスリット(又は溝)が形成されている。スリットは、ホーン5の縦方向の振動に応答してホーン内にねじれを生じさせる役割を持つ。スリットは、ホーン5にねじれを生じさせるような大きさと間隔で形成されている。スリットは、長軸に対して角度を持って形成されている(斜めに形成されている)。ホーン5の先端には、超音波チップ60が取り付けられる。スリーブ70は、前述のハンドピース10と同様の構成である。超音波振動素子3を駆動する駆動ユニット31は、周波数の異なる少なくとも2つの超音波振動を切り替えて、超音波振動素子を振動可能な構成となっている。
駆動ユニット31の信号に応じて、超音波振動素子3が振動されると、ホーン5は長軸方向に沿って振動される。ホーン5の振動に伴って、超音波チップ60も長軸方向に沿って振動される(縦振動される)。駆動ユニット31が、前述とは異なる信号を超音波振動素子3に送ると、超音波振動素子3は前述の周波数とは異なる周波数で振動する。ホーン5は前述とは異なる周波数の縦振動を受け取るとねじり振動を起こす。スリットの配置間隔、角度等が縦特定の周波数の縦振動をねじり振動に変換するように形成されているため、ホーン5はねじり振動を起こし、超音波チップ60もねじり振動される。
なお、超音波チップをねじり振動させるハンドピースは、欧州特許出願公開第1103238号明細書に記載された技術が利用できる。
なお、以上の説明では、超音波チップの縦振動とねじり振動を切り替える構成としたが、これに限るものではない。ねじり振動のみをする構成でもよい。
次に、眼科用レーザ手術装置の構成を説明する。図2は、構成を簡略化したブロック図である。本実施形態では、眼科用レーザ手術装置200は、眼科用超音波手術装置100とは別個の装置として用いられる。眼科用レーザ手術装置200は、レーザ光源210、レーザ照射ユニット220、観察ユニット230、眼球固定ユニット240、操作ユニット250、制御部260、を備える。
レーザ光源210は、レーザスポット(集光点)で、光ブレイクダウンを起こすレーザを出射する光源である。レーザ光源210としては、超短パルスレーザ光源が用いられ、例えば、フェムト秒レーザ光源とする。レーザ照射ユニット(光学系)220は、レーザスポットを患者眼Eの組織内(組織上)に形成する集光光学系と、レーザスポットを3次元的に移動させる移動光学系を備える。集光光学系としては、例えば、対物レンズ等が挙げられる。移動光学系としては、例えば、2次元スキャナ(XYスキャナ)としての2つのガルバノミラー、Zスキャナとしてのビームエキスパンダが挙げられる。
観察ユニット(光学系)230は、患者眼Eの前眼部像、断層像を撮影するユニットである。観察ユニット230は、例えば、光干渉断層像撮影ユニット(OCTユニット)、前眼部撮影ユニットを備える。眼球固定ユニット240は、レーザ照射中に患者眼Eの眼球運動を抑制する役割を持つ。眼球固定ユニット240は、眼球を吸着するサクションリング、角膜等の屈折力を減じるコンタクトガラス(インターフェイスユニット)を備える。
操作ユニット250は、装置200の設定、操作を行うユニットである。操作ユニット250は、設定・入力手段としてのタッチパネス式ディスプレイと、トリガ入力手段としてのフットスイッチを備える。術者は、ディスプレイで手術条件を設定し、ディスプレイに表示される前眼部像、断層像等を用いて位置合わせ、レーザ照射範囲の設定等を行う。制御部260は、装置全体の統轄・制御を行う。外部装置からのデータに基づいて制御部260が手術条件を設定する構成としてもよい。
このような眼科用レーザ手術装置200を用いて、レーザスポットを患者眼Eの水晶体内で3次元的に移動させることにより、水晶体核を破砕又は切断する。例えば、水晶体核をチップ60で吸引除去しやすい形状、例えば、0.3mm角の立方体とする。これにより、チップ60における水晶体核の破砕作業の簡略化が望める。
次に、本発明の一実施形態である超音波手術用のチップ60を説明する。図3は、チップ60の先端部分の拡大斜視図、図4は、チップ60の先端部分の側面図、図5は、図4のAA断面図、である。図4において、スリーブ70の位置を点線で示している。図では、水晶体の後嚢側を上に向けた状態となっている。
チップ60の軸部65は、円柱状に延びた中空の細管である。軸部65の基部はホーン5に固定される。軸部65の先端には、ヘッド部61が形成される。軸部65の内部(内空)には、吸引経路66が形成される。ヘッド部61から吸引された組織、液体を吸引経路66を介して吸引ユニット32へと送られる。軸部65の外径は、スリーブ70と軸部65との間に空間(灌流経路)を形成するため、スリーブ70の内径よりも小さい。具体的に、軸部65の外径は、2.0mm以下とされ、好ましくは、1.0mm以下、本実施形態では、0.9mmとされる。また、軸部65は、吸引経路66を確保するために、肉厚が薄く形成されることが好ましい。本実施形態の軸部65の内径は、0.7mmとされる。
ヘッド部61は、先端部62、破砕部63、吸引孔64、を備える。ヘッド部61の外径は、軸部65の外径よりも大きい径で形成される。ヘッド部61は、長軸方向に沿ってほぼ一定の外径(若干のテーパ形状)となっている。ヘッド部61は、長軸方向に沿って破砕部63を確保するのに充分な長さで、スリーブ70の先端がヘッド部61の近傍に位置する程度の長さとなっている。
先端部62は、ヘッド部61の先端(最先端)に形成される。先端部62は、先端部62が水晶体の嚢に接触したときに、嚢に損傷を与えにくい形状となっている。先端部62は、丸みを持つ形状であり、本実施形態では、半球形状とされる。破砕部63は、先端部62の基端に形成される。先端部62の基端部分の外径と破砕部63の外径は一致している。このため、先端部62から破砕部63にかけて滑らかになり、ヘッド部61の先端側(先端部62と破砕部63の先端側)が嚢に接触しても嚢を損傷しにくくなる。
破砕部63は、チップ60がねじり振動されたときに、破砕部63にて水晶体核を破砕できる形状となっている。図5に示すように、破砕部63の断面形状(長軸に直交する方向の断面)は、ねじり振動の回旋中心(ヘッド部61の中心軸と一致)から破砕部63の表面までの径(動径)が、破砕部63の一周において(外周に亘って)一定でない形状となっている。例えば、中心Aから、破砕部63の点C(後述する角C)までの径R1と、中心Aから破砕部63の表面の点Pまでの径R2とを比較すると、R1>R2の関係となる。
このため、破砕部63がねじり振動(運動)すると、相対的に径が長い部分が振動して、付近の水晶体核を破砕できる。言い換えると、ねじり振動の中心を基準として破砕部63の外周に凹凸(突出部)がある構成となっている。
具体的には、破砕部63の断面形状が、角Cを有する図形(例えば、正多角形)となっている。本実施形態では、正四角形(正方形)となっている。なお、正四角形の角に吸引孔64が形成されているため、吸引孔64の縁に角Caが形成される。破砕部63の断面形状が正多角形の場合、角は多すぎないことが好ましい。角が多い場合、破砕部63が円形状に近づき、ねじれによる破砕効果が低下する。破砕部63の断面形状が正多角形の場合、好ましくは正三角形から正八角形とする。
なお、吸引孔64に角Caが形成されることで、角部分が増え、破砕部63のねじり振動による破砕効率の向上が期待できる。特に、吸引孔64に水晶体核が吸着(吸引孔64の閉塞)された状態で、破砕部63がねじり振動されると、吸着された水晶体核は角Caにより効率的に破砕される。
なお、破砕部63の断面形状を、多角形とすることにより、破砕部63(ヘッド部61全体)を長軸方向において一定の外径とでき、チップ60を作製しやすくできる。
破砕部63は、外径が大きい程、水晶体核の破砕効率を向上できる。このため、破砕部63の外径をできるだけ大きいものとしている。なお、ここでいう外径は、ねじり振動の中心から最も遠い表面までの径をいう(例えば、径R1)。具体的には、破砕部63の外径は、患者眼の切開創を大きくしないように、スリーブ70の外径未満で、軸部65の外径以上とされる。破砕部63の外径は、1.0mm以上、3.0mm以下とする。本実施形態では、破砕部63の外径をスリーブ70の外径と同じ程度にしている。なお、ヘッド部61の後端とスリーブ70の先端の間は、灌流経路を阻害しないように、充分な距離を確保している。
吸引孔64は、吸引経路66に接続するように、ヘッド部61の表面に形成された孔(開口)である。吸引孔64は、破砕等された水晶体の組織、液体を吸引するための入口となる。吸引孔64は、超音波振動する破砕部63で破砕された組織を吸引しやすい位置で、ヘッド部61が超音波振動しない状態で嚢の残留皮質等を吸引しやすい位置に形成される。具体的には、吸引孔64は、先端部62等により剥離された残留皮質、微少な水晶体核の吸引、破砕部63によって破砕された水晶体核の吸引がしやすいように、先端部62と破砕部63の近くに形成される。吸引孔64は、好ましくは、破砕部63の表面で、先端部62より、言い換えると破砕部63の半分よりも前方に形成される。本実施形態では、吸引孔64は、先端部62と破砕部63の境界に(境界を跨ぐように)形成される。
以上のような構成を備えるチップ60を用いた白内障手術を説明する。ここでは、眼科用レーザ手術装置200による水晶体核の破砕、切断を行った後、眼科用超音波手術装置100で、水晶体核等を除去し、眼内レンズを挿入する。
術者は、手術に先立ち、装置100及び200の設定を行う。術者は、設定部35にて、超音波振動のパワー(出力、デューティサイクル)の変動パラメータ等を設定する。また、術者は、操作ユニット250を操作し、水晶体核の破砕、切断のパラメータを設定する。ここでは、水晶体核を破砕するパターンを0.3mmの立方体とする。
術者は、操作ユニット250を操作して、患者眼Eの眼球固定、位置合わせを行う。術者は、操作ユニット250のフットスイッチを踏んで、レーザ照射を行う。この一連の動作により、患者眼Eの水晶体核はレーザにより切断される。このとき、水晶体の前嚢切開、切開創の形成も行われる。
術者は、装置100の操作を行う。術者はハンドピース10を持ち、チップ60、スリーブ70を患者眼Eの眼内に挿入する。術者は、操作ユニット36を操作して、水晶体核の吸引除去を行う。このとき、操作ユニット36によるハンドピース10の動作モードは、超音波振動モードとする。術者は、吸引を行いながら、水晶体核が吸引孔64から吸引できないようなサイズの場合、チップ60を超音波振動させる。超音波振動された破砕部63にて水晶体核が破砕されると、破砕された組織は吸引孔64から吸引可能となり、吸引除去される。このような作業が繰り返されることで、嚢内の水晶体核が除去される。
水晶体核が除去されると、術者は、残留皮質の吸引除去を行う。術者は、操作ユニット36を操作して、ハンドピース10の動作モードを灌流吸引モードとする。術者は、先端部62を嚢に接触させて動かし、嚢に残った皮質を剥がす。術者は、操作ユニット36で吸引動作を行い、剥離した皮質を吸引除去する。このとき、術者は、吸引孔64に皮質を吸着させることにより、効率的に皮質を除去する。この作業が繰り返されることで、水晶体嚢内の組織は除去される。除去作業後に、術者は眼内レンズを嚢内に設置することで、白内障手術が完了される。
以上の白内障手術において、ハンドピース10に取り付けた一つのチップ60によって、水晶体核の吸引除去と、残留皮質の除去が行える。このとき、水晶体核は、装置200によって破砕、切開されているため、吸引除去しやすい。水晶体核が吸引孔64に対して大きい場合、例えば、装置200で水晶体核の破砕、切開が充分できない場合、チップ60をねじり振動させることによって、他の水晶体核を破砕し、吸引除去できる。なお、装置200で水晶体核が破砕、切開できない例としては、レーザが到達しない箇所(例えば、水晶体の赤道部)、破嚢のリスクを下げるためにレーザを照射しない箇所(後嚢付近)、である。これらの箇所は、水晶体の周辺であり、比較的水晶体核が柔らかい。このため、本実施形態のような破砕部63でも充分に水晶体核の破砕ができる。残留皮質の吸引除去では、先端部62に丸みがあるため、先端部62が嚢に接触しても、嚢へのダメージは少ない。また、先端部62によって、嚢を研磨(残留皮質の剥離)できる。
また、以上のようにして、一つのチップ60で、水晶体核の吸引除去と、残留皮質の吸引除去ができる。従って、術中に、水晶体核の吸引除去用のハンドピース(チップ)と、残留皮質の吸引除去用のハンドピース(チップ)を交換する必要がなくなる(交換の手間を低減できる)。これにより、手術時間を短くでき、患者の負担を減らすことができる。また、別のチップ(2つ目のチップ)を患者眼Eに挿入する必要がなくなり、感染症(例えば患者眼の表面の菌が眼内に入ること)のリスクを低減できる。
なお、以上の説明では、破砕部63の断面形状は、正四角形としたが、これに限るものではない。破砕部63が、突出部となる角を備えていればよい。破砕部63の断面形状は、四角形(長方形)、菱形、平行四辺形、台形、等の図形であってもよい。また、他の図形として、星型、半円(分割円)型、十字型、等でもよい。また、破砕部63の外径は、長軸方向に沿って一定(一定の断面形状)でなくてもよい。例えば、前述の断面形状が先端に向かってテーパ形状、後端に向かってテーパ形状おなっていてもよい。また、破砕部63の表面にねじ山、長軸方向に沿って形成した溝、梨地、を形成する構成としてもよい。
なお、以上の説明では、ヘッド部61の外径が、スリーブ70の外径以下としたが、これに限るものではない。ヘッド部61は、患者眼に形成した切開創よりも小さければよい。言い換えると、ヘッド部61の外周長が、切開創の周長以下であればよく、ヘッド部61の外径がスリーブ70の外径より大きくてもよい。なお、スリーブ70は、テーパ形状であってもよい。この場合、ヘッド部61の外径は、スリーブ70の先端(開口部)の外径よりも大きい設計となりやすい。
なお、以上の説明では、先端部62と破砕部63が滑らかに繋がっている構成としたが、これに限るものではない。先端部62(の基端側)と破砕部63の間に段差が設けられていてもよい。
なお、以上の説明では、吸引孔64は、破砕部63の角に形成される構成としたが、これに限るものではない。破砕された組織等を吸引できればよい。吸引孔64は、破砕部63の側面、例えば、長方形の面に形成されてもよい。
なお、以上の説明では、吸引孔64は、先端部62と破砕部63の境界付近に形成される構成としたが、これに限るものではない。チップ60の超音波振動時に、破砕部63で破砕された組織を効率的に吸引でき、チップ60で吸引のみ行う場合に、ヘッド部61で残留皮質を効率的に除去、吸引できる位置であればよい。例えば、吸引孔は、破砕部の基端部に形成されていてもよいし、先端部に形成されていてもよい。
なお、以上の説明では、吸引孔64は、円形としたが、これに限るものではない。水晶体の組織によって吸引孔を閉塞でき、かつ、吸引孔64の内部まで組織を吸引いてしまわない形状であればよい。吸引孔は、楕円、スリット状、等でもよい。また、複数形成されてもよい。
なお、以上の説明では、水晶体核の切開等を行う装置100とは別の装置としてフェムト秒レーザ光を使った装置を例示したが、これに限るものではない。別の装置は、水晶体核の切開等ができる構成であればよい。例えば、他のレーザ手術装置でもよいし、手術用鋏、カテーテル等でもよい。
なお、以上の説明は、あくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の技術思想を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
眼科用超音波手術装置の構成図である。 眼科用レーザ手術装置の概略構成図である。 チップの先端部分の拡大奢侈図である。 チップの先端部分の側面図である。 図4のAA断面図である。
3 超音波振動素子
5 ホーン
10 ハンドピース
13 灌流チュ−ブ
60 チップ
61 ヘッド部
62 先端部
63 破砕部
64 吸引孔
65 軸部
70 スリーブ
100 眼科用超音波手術装置
200 眼科用レーザ手術装置

Claims (1)

  1. 超音波振動素子を持つ眼科手術用ハンドピースに取り付けられ,前記超音波振動素子からのねじり振動を利用して水晶体核を破砕し、内部に吸引経路が形成された細管を備え前記吸引経路を介して破砕された組織を吸引除去する眼科手術用超音波チップにおいて、
    前記細管が形成された中空の軸部と、
    該軸部の先端側に形成されたヘッド部であって、該ヘッド部の先端に形成された丸みを持つ先端部であって先端に吸引孔が形成されていない閉塞された先端部と,該先端部の後部側面に形成されねじり振動によって水晶体核を破砕するための突出部を有する破砕部と,該破砕部に形成され前記細管と接続される吸引孔と、を有するヘッド部と、
    を備えることを特徴とする眼科手術用超音波チップ。
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