JP2017196196A - 手術器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】眼組織を好適に吸引して除去できる手術器具を提供する。【解決手段】眼組織を破砕する筒状のチップ33と、灌流液を眼内に流出させる流出孔54と、チップの先端に形成され破砕した眼組織と眼内に流出させた灌流液とを吸引する吸引孔41と、を有する手術器具において、流出孔は、チップの周方向に沿って細長形状に形成され、かつ、複数形成されている。【選択図】図3

Description

本開示は、手術器具に関するものであり、例えば、白内障によって白濁した水晶体の核を超音波振動により破砕乳化して、破砕乳化した水晶体の核を吸引して除去する手術器具に関するものである。
白内障の手術として、いわゆる超音波乳化吸引法が知られている。そして、この手術に使用する超音波手術装置の一例として、特許文献1には、USハンドピースの先端のチップに超音波振動を伝達して破砕乳化させた水晶体の核を、チップの先端の吸引孔から吸引して体外に排出する超音波手術装置が開示されている。
特開平11−192232号公報
特許文献1に開示されるような超音波手術装置においては、眼内に灌流液を供給しながら手術を行うが、破砕乳化させた水晶体の核を、灌流液とともに好適にチップの先端の吸引孔から吸引して除去できるようにして、手術効率の向上を図ることが望まれる。
そこで、本開示は上記した問題点を解決するためになされたものであり、眼組織を好適に吸引して除去できる手術器具を提供することを目的とする。
本開示における典型的な実施形態が提供する手術器具は、眼組織を破砕する筒状のチップと、灌流液を眼内に流出させる流出孔と、前記チップの先端に形成され破砕した前記眼組織と前記眼内に流出させた前記灌流液とを吸引する吸引孔と、を有する手術器具において、前記流出孔は、前記チップの周方向に沿って細長形状に形成され、かつ、複数形成されていること、を特徴とする。
本開示の手術器具によれば、眼組織を好適に吸引して除去できる。
本実施形態におけるUSハンドピースを有する超音波手術装置の概略構成図である。 本実施形態におけるチップとスリーブの先端部分の外観斜視図である。 本実施形態におけるチップとスリーブの先端部分の側面図である。 図3のA−A断面図である。 チップとスリーブの先端部分を眼内に挿入して手術を行う様子示す図である。 灌流液の流れの評価結果を示す概略図であり、流出孔を本実施形態における形状(図3の形状)にした場合を示す。 灌流液の流れの評価結果を示す概略図であり、流出孔を変形例における形状(図9の形状)にした場合を示す。 灌流液の流れの評価結果を示す概略図であり、流出孔を従来技術における形状(図11の形状)にした場合を示す。 変形例におけるチップとスリーブの先端部分の側面図である。 チップとスリーブの先端部分における各寸法の一例を示す模式図である。 従来技術におけるチップとスリーブの先端部分の側面図である。
本実施形態の超音波手術装置1は、例えば白内障手術装置として使用される。図1に示すように、超音波手術装置1は、USハンドピース11、通電線12、吸引チューブ13、灌流チューブ14、駆動装置15、吸引装置16、灌流装置17、制御装置18、入力部19、フットスイッチ20などを有する。
USハンドピース11は、白内障によって白濁した水晶体の核を超音波振動により破砕乳化し、破砕乳化した水晶体の核を吸引して除去する手術器具である。USハンドピース11は、USハンドピース本体21と、スリーブ22などを有する。
USハンドピース本体21は、振動子31と、ホーン32と、チップ33(破砕用チップ)と、灌流通路34と、吸引通路35などを備えている。
振動子31は、USハンドピース本体21の内部の中空部36に配置され、圧電素子により形成される超音波振動子である。この振動子31は、通電線12を介して駆動装置15から供給されるエネルギにより超音波振動を発生させる。ホーン32は、振動子31で発生した超音波振動を増幅する。なお、振動子31とホーン32は、一体的に固定されている。
図1〜図4に示すように、チップ33は、筒状(例えば、円筒状)に形成され、ホーン32の先端に固定されている。チップ33の先端33a(眼組織を吸引する側の端部)は、チップ33の径方向(図3の上下方向)に対して斜めにカットされて形成されている。なお、チップ33は、通常、手術時において先端33aにおける尖った部分である最先端部33cを下にして使用される(図5参照)。なお、チップ33の先端33aは、チップ33の径方向に対して斜めにカットされておらず、チップ33の径方向に平行に形成されていてもよい。また、チップ33は、その外径(吸引孔41の直径)が先端33aに向かうほど大きくなるように形成されていてもよい。
チップ33は、水晶体の核100(「眼組織」の一例であり、以下、適宜、単に「核100」ともいう。)を破砕乳化するものであり、例えばチタン合金により形成されている。なお、図4は、核100がチップ33の先端33aに吸着されている状態を示している。
チップ33は、吸引孔41と吸引通路42などを備えている。吸引孔41は、チップ33の先端33aに形成されており、吸引通路42に連通している。この吸引孔41は、破砕乳化した核100と眼内に供給した灌流液(例えば、生理食塩水)とを吸引するための孔である。また、吸引通路42は、吸引通路35(図1参照)に連通している。
灌流通路34は、USハンドピース本体21の中空部36と灌流チューブ14とに連通している。また、吸引通路35は、ホーン32及び振動子31等に形成されている。そして、吸引通路35は、チップ33の吸引通路42と吸引チューブ13とに連通している。
図1〜図4に示すように、スリーブ22は、筒状(例えば、円筒状)に形成され、小径部51と大径部52を備えている。大径部52は、小径部51よりも外径が大きく形成されている。大径部52は、小径部51よりもチップ33の後端側に形成され、USハンドピース本体21に固定されている。
また、スリーブ22は、その先端22a、すなわち、小径部51の先端側の部分(チップ33の先端33a側の端部)において、後端側に向かうにつれて外径が徐々に大きくなるテーパ部53を備えている。このように、スリーブ22はテーパ部53を備えているので、手術時において術眼の切開創へのスリーブ22の侵入が行い易くなる。
そして、本実施形態では、このテーパ部53に、灌流液を眼内に流出させる流出孔54が形成されている。そして、本実施形態では、この流出孔54に対して、チップ33の軸方向の先端側であって、かつ、チップ33の径方向の内側に、吸引孔41が形成されている。なお、流出孔54の詳細については後述する。
また、スリーブ22は、シリコン樹脂等の軟性を有する材質により形成されている。そして、スリーブ22は、チップ33の先端33aを突出させた状態でチップ33を被覆している。また、スリーブ22の先端22aは、チップ33の外周面33bと密着している。このように軟性を有するスリーブ22によりチップ33を被覆しているので、スリーブ22の先端22aとチップ33の外周面33bとの密着部分における灌流液の漏れの発生が抑制される。また、振動するチップ33の外周面33bがスリーブ22の内周面22bと擦れても発熱し難い。
また、図4に示すように、スリーブ22の内周面22bとチップ33の外周面33bとの間において、灌流液を流すための灌流通路61が形成されている。この灌流通路61は、中空部36(図1参照)を介して、灌流通路34(図1参照)に連通している。
通電線12は、振動子31と駆動装置15とを接続している。通電線12は、電力、制御信号等を供給する導線である。吸引チューブ13は、吸引通路35と吸引装置16とを接続している。灌流チューブ14は、灌流通路34と灌流装置17とを接続している。
駆動装置15は、電源、制御回路等を備え、振動子31を振動(駆動)させる。吸引装置16は、吸引ポンプ等を備え、破砕乳化された核100と眼内に供給された灌流液を、吸引通路35等を介して吸引して除去する。灌流装置17は、灌流ボトル、灌流弁等を備え、灌流通路34と中空部36と灌流通路61を介して、スリーブ22の流出孔54から眼内へ灌流液を流出させて供給する。制御装置18は、駆動装置15、吸引装置16、灌流装置17、入力部19、フットスイッチ20に接続し、装置全体を制御する。入力部19は、手術条件を設定(入力)する部分である。フットスイッチ20は、ペダルの踏み込み量(踏み込みポジション)の信号に対応して灌流液の供給動作、吸引動作及び超音波振動の出力動作を制御するために使用される。
以上のような構成の超音波手術装置1の作用として、超音波手術装置1を使用して超音波乳化吸引法による白内障手術を行うときの超音波手術装置1の動作について説明する。
まず、スリーブ22の先端22aからチップ33の先端33aを突出させた状態でチップ33を被覆するスリーブ22を、USハンドピース本体21に取り付ける。次に、術眼を切開した後、図5に示すように、術眼の切開創からチップ33とスリーブ22を眼内に差し込む。
次に、術者がフットスイッチ20を操作すると、制御装置18はフットスイッチ20のペダルの踏み込み量に応じた信号入力により、灌流装置17による灌流液の供給、吸引装置16による吸引の付与、駆動装置15によるUSハンドピース11の各動作が制御される。そして、駆動装置15により振動子31が駆動すると超音波振動が発生してチップ33が当該チップ33の軸方向に振動し、チップ33の先端33aで水晶体の核100に衝撃を加えて核100を破砕乳化させる。このとき、スリーブ22の流出孔54から灌流液を眼内に供給する。これにより、チップ33の先端33aの吸引孔41からの吸引により術眼が虚脱することを防ぎ、また、チップ33の振動による発熱を防ぐための冷却を行っている。そして、破砕乳化した核100は、チップ33の先端の吸引孔41から吸引され、体外に排出される。このとき、同時に、流出孔54から眼内に供給された灌流液も、図4の矢印に示すように、チップ33の先端33aに流れて、吸引孔41から吸引される。
次に、流出孔54について説明する。
図11に示すように、従来技術における流出孔54は、丸穴形状または横長穴形状に形成されていた。すると、流出孔54からの灌流液の流出量は、図11の矢印で示すように、流出孔54におけるチップ33の周方向(図11の上下方向)の中央部分71に集中し易かった。そのため、流出孔54から流出した灌流液は、チップ33の先端33aにおいて、チップ33の周方向の狭い範囲に集中しながら流れ易かった。
したがって、チップ33の先端33aに吸引された核100(図4参照)が、灌流液が集中している部分に当たった場合、核100は、灌流液に押されてチップ33の先端33aから引き剥がされ易かった。あるいは、核100は、灌流液の勢いで眼内に散乱し易かった。ゆえに、手術時において、核100を吸引して除去し難かった。このように、灌流液の流れ方によって手術効率に影響が出るおそれがあった。
これに対し、図2と図3に示すように、本実施形態の流出孔54は、チップ33の周方向に沿って細長形状に形成されている。これにより、灌流液は、流出孔54におけるチップ33の周方向(図3の上下方向)の中央部分71に流れる以外に、流出孔54の形状に沿ってチップ33の周方向に流れながら、流出孔54から流出し易くなる。そのため、流出孔54からの灌流液の流出量はチップ33の周方向について分散し、灌流液はチップ33の周方向にカーテン状(膜状)に広がって流出孔54から流出するようになり易い。
したがって、流出孔54から流出した灌流液は、チップ33の先端33aにおいて、チップ33の先端33aの周囲を囲う様な形状となって灌流液が集中する部分が無くなり、核100は吸引孔41から引き剥がされ難くなる。更に核100は、カーテン状の灌流液の流れにより、チップ33の先端33a付近から外へ出難くなる。このようにして、手術時において、核100を好適に吸引孔41から吸引して除去できる。このように、本実施形態では、チップ33の先端33aにおいて核100が逃げ難くすることができ、効率良く核100を吸引して除去できるので、手術効率が良くなる。
特に、本実施形態においては、図3に示すように、流出孔54は、チップ33の後端側(図3の右側)に凸の円弧状に形成されている。なお、流出孔54におけるスリーブ22の軸方向の幅は、スリーブ22の周方向について略一定に形成されている。このように、流出孔54は、そのチップ33の周方向の中央部分71が最もチップ33の後端側の位置に形成されており、当該中央部分71からチップ33の周方向に向かうに従って徐々にチップ33の先端33a側の位置に形成されている。
そのため、チップ33の先端33a側に向かって流れようとする灌流液は、流出孔54におけるチップ33の周方向の中央部分71から、流出孔54の形状に沿ってチップ33の周方向に流れ易くなる。したがって、より効果的に、流出孔54からの灌流液の流出量はチップ33の周方向について分散し、灌流液はチップ33の周方向にカーテン状に広がって流出孔54から流出し易くなる。
ここで、流出孔54と灌流液の流れに関する評価について説明する。本件発明者は、流出孔54の形状の変化によってチップ33の先端33aにおける灌流液の流れがどのように変化するのかを検証するための評価を行った。その評価結果を図6〜図8に概略図として示す。図6〜図8は、USハンドピース11をチップ33の先端33a側から見たときに、チップ33の先端33aの位置において灌流液が流れる範囲の評価結果を示している。
そして、図6は流出孔54を本実施形態における細長形状(図3の形状)にした場合を示し、図7は流出孔54を変形例における偏平形状(図9の形状)にした場合を示し、図8は流出孔54を従来技術における丸穴形状(図11の形状)にした場合を示している。なお、図9に示す変形例における流出孔54は、本実施形態における細長形状よりもスリーブ22の軸方向に厚みを持たせた形状であって、スリーブ22(チップ33)の周方向を長手方向とする偏平形状(例えば、楕円形状)に形成されている。
そこで、図6〜図8に示す評価結果によると、流出孔54を丸穴形状に形成した場合には、図8に示すように、チップ33の先端33aにおいて、2つの流出孔54から流出した灌流液が流れる範囲が重なった。これは、流出孔54を丸穴形状に形成した場合には、チップ33の先端33aにおいて、灌流液がチップ33の周方向の狭い範囲に集中し易いので、灌流液の流れる範囲がチップ33の径方向の内側へ広がり易くなっていると考えられる。
これに対し、流出孔54を本実施形態における細長形状に形成した場合、すなわち、流出孔54をチップ33の後端側に凸の円弧状に形成した場合には、図6に示すように、チップ33の先端33aにおいて、2つの流出孔54から流出した灌流液が流れる範囲が重ならず、また、図面の上下方向に広がっている事が分かる。なお、2つの流出孔54から流出した灌流液が流れる範囲の間には、約3.0mmの間隔αが生じた。これは、チップ33の先端33aにおいて、灌流液がチップ33の周方向に広がってチップ33の先端33aの周囲を囲う様な形状となり易いので、灌流液の流れる範囲がチップ33の径方向の内側へ広がり難くなっていると考えられる。
なお、流出孔54を変形例における偏平形状にした場合においても、図7に示すように、チップ33の先端33aにおいて、2つの流出孔54から流出した灌流液が流れる範囲が重ならなかったが、図面の上下方向への広がりが小さい事が分かる。以上が、流出孔54と灌流液の流れに関する評価についての説明である。
また、本実施形態においては、2つの流出孔54がチップ33の中心軸を中心にして対称に形成されている。このように2つの流出孔54が対称に形成されているので、2つの流出孔54から流出した灌流液は、チップ33の先端33aにおいて、チップ33の周方向に均等に流れて、チップ33の先端の周囲を均等に囲う様な形状となって吸引孔41から吸引され易くなる。また、流出孔54は複数形成されているので、チップ33の先端33aにおいて、チップ33の周方向における灌流液の流量の偏りが少なくなり、灌流液が集中して流れる部分が生じ難くなる。そのため、核100は、灌流液により囲まれてチップ33の先端33aから逃げ難くなる。このようにして、手術時において、核100を好適に吸引孔41から吸引して除去できる。
また、本実施形態においては、流出孔54は、チップ33を被覆するスリーブ22に形成されているので、チップ33の外周面33bからチップ33の径方向の外側に離れた位置に形成されている。そのため、灌流液は、チップ33から離れた位置から眼内に流出する。したがって、流出孔54から流出する灌流液は、図4において実線の矢印で示すように、眼内におけるチップ33から離れた位置を循環してチップ33の先端33a側に流れ易くなる。したがって、流出孔54からチップ33の近くを流れて先端33a側に流れる灌流液(図4において破線の矢印で示す灌流液)の量を減らすことができる。ゆえに、核100は、チップ33の近くを流れて先端33a側に流れる灌流液に押され難くなるので、チップ33の先端33aから逃げ難くなる。
また、流出孔54は、スリーブ22のテーパ部53に形成されており、スリーブ22の軸方向に対して傾いて形成されているので、流出孔54におけるチップ33の後端側から流出する灌流液は、チップ33の径方向(図4の上下方向)に向かって流出するだけではなく、チップ33の先端33a側の方向へ向かっても流出し易くなる。そのため、図4において実線の矢印で示すように、流出孔54におけるチップ33の後端側から流出する灌流液についても、眼内におけるチップ33から離れた位置を循環してチップ33の先端側に流れ易くなる。そのため、核100は、灌流液により囲まれてチップ33の先端33aから逃げ難くなる。このようにして、手術時において、核100を好適に吸引孔41から吸引して除去できる。
また、本実施形態では、前記のように、2つの流出孔54がチップ33の中心軸を中心にして対称に形成されているが、例えば、図3に示すように、チップ33の先端33aにおける尖った部分である最先端部33cを下にして、チップ33とスリーブ22を側面から見たときに、2つの流出孔54は手前側と奥側に形成されている。すなわち、図3に示すように互いに直交するXYZ軸を規定し、中心軸Lに対してZ軸方向にチップ33の先端33aにおける最先端部33cを配置したときに、2つの流出孔54は、中心軸Lに対してY軸方向に形成されている。なお、X軸方向はチップ33の軸方向に相当し、Y軸方向とZ軸方向はチップ33の径方向に相当する。また、中心軸Lは、スリーブ22の中心軸であり、チップ33の中心軸であり、吸引孔41の中心軸でもある。
そして、このように2つの流出孔54を形成することにより、図5に示すように、手術時にチップ33の先端33aにおける最先端部33cを下にしたときに、2つの流出孔54は、角膜101の内側に対向する上側と下側に配置されず、手前側と奥側に配置される。そのため、流出孔54から流出する灌流液は、角膜101の内側に当たり難い状態で、眼内に供給される。
ところで、前記の図6〜図8に示す評価結果において、スリーブ22の軸方向についてのスリーブ22の先端22aから流出孔54までの距離D(図3や図9や図11参照)とチップ33の先端33aにおける灌流液の流れとの関係について着目する。なお、距離Dについて、図6の場合は約1.4mm、図7の場合は約1.2mm、図8の場合は約0.5mmであった。
すると、図6〜図8に示す評価結果から、距離Dが大きいほど、チップ33の先端33aにおいて、2つの流出孔54から流出した灌流液が流れる範囲が重なり難くなった。その理由は、以下のとおりと考えられる。まず、流出孔54から出る灌流液は、チップ33の先端33a方向の外側へ角度を持って放出される。そして、距離Dが大きいほど、流出孔54とスリーブ22の中心軸(チップ33の中心軸)との距離が大きくなる。そうすると、距離Dが大きいほど、灌流液は、チップ33から離れた位置から流出するので、図4において実線の矢印で示すように、眼内におけるチップ33から離れた位置を循環してチップ33の先端33a側に流れ易くなる。そのため、距離Dが大きいほど、流出孔54からチップ33の近くを流れて先端33a側に流れる灌流液(図4において破線の矢印で示す灌流液)の量が減ると考えられる。そして、このように流出孔54からチップ33の近くを流れて先端33a側に流れる灌流液の量が減ると、チップ33の先端33aにおいて灌流液がチップ33の径方向の内側に流れ難くなるので、2つの流出孔54から流出した灌流液が流れる範囲が重なり難くなると考えられる。
そして、このように距離Dが大きいほど、チップ33の先端33aにおいて灌流液がチップ33の径方向の内側に流れ難くなるので、チップ33の先端33aに吸引された核100は、灌流液に押され難くなって、チップ33の先端33aから逃げ難くなると考えられる。そのため、距離Dが大きいほど、手術時において、核100を好適に吸引孔41から吸引して除去できると考えられる。
そこで、本実施形態では、スリーブ22の軸方向についてのスリーブ22の先端22aから流出孔54までの距離Dを大きくして、核100を好適に吸引孔41から吸引して除去できるようにする。本実施形態では、距離Dを、例えば0.8mm以上かつ2.0mm以下とする。すなわち、本実施形態では、流出孔54は、スリーブ22の先端22aから、例えば0.8mm以上かつ2.0mm以下の距離離れた位置に形成されている。
ここで、スリーブ22とチップ33の先端部分における各寸法の一例を図10に示す。なお、図10は、説明の便宜上、スリーブ22とチップ33の形状を模式的に示している。また、図10に示す数値の単位はmmである。
図10に示す例においては、吸引孔41の直径を0.7mm(半径rを0.35mm)、スリーブ22の先端22aの外径を1.1mm、スリーブ22の小径部51における中心軸Lに平行に形成されるフラット部55(テーパ部53よりも後端側の部分)の外径を1.8mm、スリーブ22のテーパ部53におけるスリーブ22の軸方向の長さを2.0mmとしている。
そして、本実施形態によれば、流出孔54は、チップ33の周方向に沿って細長形状に形成され、かつ、複数形成されている。
これにより、灌流液はチップ33の周方向にカーテン状に広がって流出孔54から流出し易くなる。そのため、流出孔54から流出した灌流液は、チップ33の先端33aにおいて、チップ33の先端33aの周囲を囲う様な形状となる。また、流出孔54は複数形成されているので、チップ33の先端33aにおいて、チップ33の周方向の灌流液の流量の偏りが少なくなり、灌流液が集中して流れる部分が生じ難くなる。したがって、核100は、灌流液により囲まれて、チップ33の先端33aから逃げ難くなる。ゆえに、核100を好適に吸引孔41から吸引して除去できる。
また、本実施形態のUSハンドピース11は、シリコン樹脂等により形成され、チップ33の先端33aを突出させた状態でチップ33を被覆する筒状のスリーブ22を有する。このように軟性を有するスリーブ22によりチップ33を被覆しているので、スリーブ22の先端22aとチップ33の外周面33bとの密着部分における灌流液の漏れの発生が抑制される。
そして、本実施形態では、このスリーブ22に流出孔54が形成されている。これにより、灌流液は、チップ33から離れた位置から眼内に流出する。そのため、流出孔54から流出する灌流液は、眼内におけるチップ33から離れた位置を循環してチップ33の先端33a側に流れ易くなり、チップ33の近くを流れ難くなる。したがって、核100は、灌流液に押され難くなるので、チップ33の先端33aから逃げ易くなる。ゆえに、核100を好適に吸引孔41から吸引して除去できる。
また、本実施形態のスリーブ22は、当該スリーブ22の先端22a側の部分に外径が徐々に大きくなるテーパ部53を備えている。これにより、手術時において術眼の切開創へのスリーブ22の侵入を行い易くなる。そして、本実施形態では、このテーパ部53に流出孔54が形成されている。これにより、流出孔54から流出する灌流液は、眼内におけるチップ33の近くに流れ易くなってしまうが、本実施形態によればチップ33の先端33aから灌流液は離れる。そのため、核100は、チップ33の先端33aから逃げ難くなる。したがって、核100を好適に吸引孔41から吸引して除去できる。
また、本実施形態によれば、2つの流出孔54がチップ33の中心軸を中心にして対称に形成されている。これにより、2つの流出孔54から流出した灌流液は、チップ33の先端33aの周囲を均等に囲う様な形状となって吸引孔41から吸引され易くなる。そのため、核100は、灌流液により囲まれてチップ33の先端33aから逃げ難くなる。したがって、核100を好適に吸引孔41から吸引して除去できる。
また、本実施形態によれば、流出孔54は、チップ33の後端側に凸の円弧状に形成されている。これにより、より効果的に、灌流液はチップ33の周方向にカーテン状に広がって流出孔54から流出し易くなる。
また、本実施形態の流出孔54は、スリーブ22のテーパ部53に形成され、スリーブ22の先端22aから0.8mm以上離れた位置に形成されている。これにより、チップ33から離れた位置から灌流液を流出させることができる。そのため、流出孔54からチップ33の近くを流れてチップ33の先端側に向かって流れる灌流液(図4の破線で示すように流れる灌流液)の量が減少する。そのため、核100は灌流液に押され難くなるので、核100を好適に吸引孔41から吸引して除去できる。
なお、本実施形態では、流出孔54は細長形状に形成されているが、細長形状として、楕円形、長方形、角が丸まった長方形、非対称に歪みが生じた楕円形なども考えられる。
なお、図10に示すような各寸法値について、スリーブ22の軸方向についてのスリーブ22の先端22aから流出孔54までの距離Dを、例えば0.8mm以上とすると、流出孔54と中心軸Lとの距離δは約0.7mm以上になる。そのため、(流出孔54と中心軸Lとの距離δ)/(吸引孔41の半径r)=約2.0以上となる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
1 超音波手術装置
11 USハンドピース
21 USハンドピース本体
22 スリーブ
22a 先端
31 振動子
32 ホーン
33 チップ
33a 先端
33c 最先端部
41 吸引孔
53 テーパ部
54 流出孔
61 灌流通路
71 中央部分
100 核
D 距離
L 中心軸

Claims (6)

  1. 眼組織を破砕する筒状のチップと、灌流液を眼内に流出させる流出孔と、前記チップの先端に形成され破砕した前記眼組織と前記眼内に流出させた前記灌流液とを吸引する吸引孔と、を有する手術器具において、
    前記流出孔は、前記チップの周方向に沿って細長形状に形成され、かつ、複数形成されていること、
    を特徴とする手術器具。
  2. 請求項1の手術器具において、
    前記チップの先端を突出させた状態で前記チップを被覆する筒状のスリーブを有し、
    前記流出孔は、前記スリーブに形成されていること、
    を特徴とする手術器具。
  3. 請求項2の手術器具において、
    前記スリーブは、当該スリーブの先端側の部分に外径が徐々に大きくなるテーパ部を備え、
    前記流出孔は、前記テーパ部に形成されていること、
    を特徴とする手術器具。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つの手術器具において、
    2つの前記流出孔が前記チップの中心軸を中心にして対称に形成されていること、
    を特徴とする手術器具。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つの手術器具において、
    前記流出孔は、前記チップの後端側に凸の円弧状に形成されていること、
    を特徴とする手術器具。
  6. 眼組織を破砕するための筒状のチップと、灌流液を眼内に流出させるための流出孔と、前記チップの先端に形成され破砕した前記眼組織と前記眼内に流出させた前記灌流液とを吸引する吸引孔と、を有する手術器具において、
    前記チップの先端を突出させた状態で前記チップを被覆する筒状のスリーブを有し、
    前記スリーブは、当該スリーブの先端側の部分に外径が徐々に大きくなるテーパ部を備え、
    前記流出孔は、前記テーパ部に形成され、前記スリーブの先端から0.8mm以上離れた位置に形成されていること、
    を特徴とする手術器具。
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