JP6295095B2 - 過酸化水素ガス殺菌システムのガス濃度モニタリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、充填包装機械の過酸化水素ガス殺菌装置における過酸化水素ガス濃度をリアルタイムでモニタリングする装置に関する。
従来、牛乳や清涼飲料水等の液体食品を紙容器やプラスチック容器に充填するにあたって、製品の棚寿命を延ばす目的で液体食品充填前の容器を過酸化水素等の殺菌剤を用いて殺菌することが広く行なわれている。例えば、ロール状の包装資材(紙、樹脂フィルム)の場合は、高温、高濃度の殺菌剤に一定時間浸漬して滅菌している。他方、容器形状の複雑なものに関しては殺菌剤を沸点以上に加熱しガス化させ容器に噴霧凝縮させ、熱風で乾燥除去する方法が主流である。この殺菌方法ではガス化する殺菌剤(過酸化水素)の量が殺菌性能、薬剤残留の点で重要な管理ファクターになることは言うまでもない。すなわち、ガス化する殺菌剤の量(ガス化装置に供給する過酸化水素の流量)を一定に保ち(安定的に供給し)かつその量をリアルタイムで厳密に管理する必要がある。殺菌剤としては過酸化水素が主として使用されているが、この薬品は気泡の発生を起こしやすく、流量計測が難しいという問題がある。本出願人はこれを解決すべく差圧式の流量監視システムを確立済みである(例えば、特許文献1参照)。しかし、流量計の2次側配管に異常があった場合、例えば配管からの漏れがあった場合、ガス化する過酸化水素の量は正常と認識されているにもかかわらず、発生させる過酸化水素のガス性状は規定よりも薄くなるため、容器の殺菌性能が不十分となり容器に残存した微生物により充填物が腐敗変敗を起こすことになる。過酸化水素ガス搬送ラインのより末端で過酸化水素ガス濃度を測定、管理するのが理想である。
過酸化水素ガス濃度を測定するものとして電気化学式センサーを使用されたものが汎用されているが、容器殺菌に用いられる過酸化水素ガスの温度は160℃等の沸点以上のものが多く、また約15000ppm等の高濃度のためセンサーの測定レンジとは大きく逸脱しているため、ガス搬送ラインに組み込むことができないのが現状である。しかし、センサーの使用条件下であるガス性状であればインラインで組み込みガス濃度管理として問題なく使用できる。例えば汎用の過酸化水素ガス濃度計の使用条件はドレーゲル社製の場合、0〜7000ppm、−40℃〜65℃、ATI社製の場合、0〜2000ppm、−25〜55℃で、結露がないことが条件となっている。
他方、充填包装機械の過酸化水素ガス殺菌装置におけるガス化装置としては、一端に熱風入口と他端に熱風出口とを有する熱風管と、熱風入口に殺菌液をガス化しうる温度の熱風を供給する熱風源と、熱風出口から噴出する熱風の流れと逆向きに殺菌液を噴霧し、噴霧され微粒子化した殺菌液を熱風と衝突させるための噴霧ノズルと、少なくとも熱風管の熱風出口及び噴霧ノズルの先端の噴出部を取り囲んでいる密閉状のガス化タンクとを備えており、ガス化タンクにおける熱風出口を挟んで噴霧ノズルの先端の噴出部と反対側にガス排出口が形成されていることを特徴とする殺菌液ガス化装置(例えば、特許文献2参照)や、一端に入り口を、他端に出口をそれぞれ有する熱風管と、入り口に過酸化水素水をガス化しうる温度の熱風を供給する熱風源と、熱風管内に殺菌剤を噴霧する噴霧手段とを備えている殺菌剤ガス化装置において、前記噴霧手段が噴口を熱風管内に臨ませた気液混合二重管構造の噴霧ノズルを有する殺菌剤ガス化装置等が知られている(例えば、特許文献3〜5参照)。また、過酸化水素ガス濃度をリアルタイムで測定する方法としては、イオン導電体を用いる方法等が知られている(例えば、特許文献6〜9参照)。
特開2005−200027号公報 国際公開第2012/077307号パンフレット 特開2007−20744号公報 特開2001−276189号公報 特開2001−224669号公報 特開2006−250697号公報 特開2000−97906号公報 特開平11−160265号公報 特開平9−131390号公報
高濃度の過酸化水素ガスは容易に凝縮が生じるため、特に8000ppm以上の高濃度ガスを直接濃度測定する手段は一般的でなく、通常は、バブリング法によりガス濃度を測定している。しかし、この場合、短時間のガス濃度変化を捉える手段にはなりえないという問題があった。また、多くの場合、殺菌装置のガス品質を連続監視する手段としては、ガスを生成するための熱風ガス化用エアと過酸化水素水の供給状態(温度、量、圧力等)を複合的に監視し、ガス品質の良否判定を行うのが一般的で、複雑で信頼性に乏しいものであった。本発明の課題は、充填包装機械の過酸化水素ガス殺菌システムにおいて、過酸化水素水のガス化装置により生成する過酸化水素ガスとガス化用エアとが混合した過酸化水素含有エアの過酸化水素ガス濃度を、汎用の過酸化水素ガス濃度計を用いて、リアルタイムでモニタリングすることができる装置を提供することにある。
本発明者は、過酸化水素水のガス化装置、該ガス化装置により生成する過酸化水素ガスとガス化用エアとが混合した過酸化水素含有エアの主流搬送ラインから、分岐ラインを介して分取したサンプリングガスを希釈ラインに導入し、希釈されたサンプリングガスを汎用の過酸化水素ガス濃度計を用いてリアルタイムで測定する方法について検討した。その際、分岐ラインを介してサンプリングガスをポンプと流量計を用いて分取する方法が考えられたが、吸引ポンプの定量性、耐薬品性、耐熱性、価格等の点で問題があることがわかった。そこで、希釈ライン内の圧力を主流搬送ライン内の圧力より低下させることによって、主流搬送ラインの過酸化水素含有エア流の一部をサンプリングガスとして、前記分岐ラインを介して、希釈ライン内に吸引すると、サンプリングガスが一定量吸引できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
そして、ガス化された高濃度、高温の過酸化水素含有エア中の実際の過酸化水素ガス濃度を測定する必要がある場合は事前に希釈倍率を確認しておけばよく、希釈倍率は、例えば、ガス化装置に過酸化水素を未供給の状態で高温エアを搬送させ、分岐ラインのオリフィスの二次側(下流)にフロースイッチ等の流量計を組み込み、希釈用エア供給量と吸引量の関係から算出することができる。このように、希釈倍率を求めておくことでガス濃度センサー表示値×希釈倍率=実際の過酸化水素ガス濃度となる。
また、運用上の管理点としては、ガス化用エア量(圧力センサーで管理)、ガス化用ヒータ温度(熱電対で管理)、希釈用エア量(フロースイッチで管理)、分岐ラインへの吸入エア量調整(開度固定のオリフィスで管理)を挙げることができ、これらを管理するだけで発生したガスの状態をモニタリングできる。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)充填包装機械の過酸化水素ガス殺菌システムにおける過酸化水素ガス濃度のリアルタイムモニタリング装置であって、前記過酸化水素ガス殺菌システムが、過酸化水素水のガス化装置、該ガス化装置により生成する過酸化水素ガスとガス化用エアとが混合した過酸化水素含有エアのガス噴出口部、ガス化装置とガス噴出口部とを連通する主流搬送ライン、及び、ガス噴出口部が開口する殺菌室を備え、前記モニタリング装置が、分岐ラインと希釈ラインと過酸化水素ガス濃度検出部とを備え、前記分岐ラインが、前記主流搬送ライン又は殺菌室から過酸化水素含有エアの一部をサンプリングガスとして分取するため、主流搬送ライン又は殺菌室に内設又は配設されたガス分取開口端部と、サンプリングガスを希釈ライン内で希釈するため、希釈ラインに内設又は配設されたガス導出開口端部をその両端に有し、前記希釈ラインが、その一端が高圧エア源に接続された、一定流量の希釈用エアの供給口部と、前記分岐ラインのガス導出開口端部において、サンプリングガスを希釈用エアにより希釈・混合するミキシング部と、希釈・混合されたサンプリングガスを過酸化水素ガス濃度検出部に送出する送出部とを備え、希釈ライン内の圧力を主流搬送ライン又は殺菌室内の圧力より低下させることによって、主流搬送ライン又は殺菌室内の過酸化水素含有エアの一定量をサンプリングガスとして、前記分岐ラインを介して、希釈ライン内に吸引することを特徴とするモニタリング装置。
(2)分岐ラインに、オリフィス又は流量調整ニードルが設けられていることを特徴とする上記(1)記載のモニタリング装置。
(3)分岐ラインのガス分取開口端が、過酸化水素含有エアの噴出口部の上流近傍の主流搬送ラインに内設されていることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のモニタリング装置。
(4)分岐ラインのガス分取開口端が、過酸化水素含有エア流の下流に向かって開口するように配設されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載のモニタリング装置。
(5)ガス化装置におけるガス化用エア量が200〜500L/分であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載のモニタリング装置。
(6)希釈用エア量が100〜120L/分であることを特徴とする上記(5)記載のモニタリング装置。
(7)希釈用エア量と吸引量の関係から算出することができる希釈倍率が30〜40倍であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか記載のモニタリング装置。
その他の態様としては、本発明の過酸化水素ガス殺菌システムにおける過酸化水素ガス濃度のリアルタイムモニタリング装置を用いた、過酸化水素ガス濃度のリアルタイムモニタリング方法を挙げることができる。
これまで汎用の流量センサーでは気泡の発生により、H流量管理の精度が懸念されていたが、本発明によると、ガス濃度センサーにてリアルタイムで管理することが可能となった。すなわち、ガス化用エア量、希釈用エア量は汎用の流量センサーもしくは圧力計、ヒーター温度は熱電対で常時管理し、Hの流量も汎用の測定器で管理し、かつガス濃度を測定、管理することでより信頼性のある容器殺菌システムが確立できる。
本発明の過酸化水素ガス濃度のリアルタイムモニタリング装置を備えた過酸化水素ガス殺菌システムの概略図である。 本発明の過酸化水素ガス濃度のリアルタイムモニタリング装置におけるミキシング部の拡大図である。 本発明の過酸化水素ガス濃度のリアルタイムモニタリング装置を備えた過酸化水素ガス殺菌システムが搭載された充填包装機械の正面図である。 本発明の過酸化水素ガス濃度のリアルタイムモニタリング装置を備えた過酸化水素ガス殺菌システムが搭載された充填包装機械の側面図である。
本発明の充填包装機械の過酸化水素ガス殺菌システムにおける過酸化水素ガス濃度をリアルタイムでモニタリングする装置としては、前記過酸化水素ガス殺菌システムが、過酸化水素水のガス化装置、該ガス化装置により生成する過酸化水素ガスとガス化用エアとが混合した過酸化水素含有エアのガス噴出口部、ガス化装置とガス噴出口部とを連通する主流搬送ライン、ガス噴出口が開口する殺菌室とを備え;前記モニタリング装置が、分岐ラインと希釈ラインと過酸化水素ガス濃度検出部とを備え、;前記分岐ラインが、前記主流搬送ライン又は、殺菌室から過酸化水素含有エアの一部をサンプリングガスとして分取するため、主流搬送ライン又は殺菌室に内設又は配設されたガス分取開口端部と、サンプリングガスを希釈ライン内で希釈するため、希釈ラインに内設又は配設されたガス導出開口端部をその両端に有し、;前記希釈ラインが、その一端が高圧エア源に接続された、一定流量の希釈用エアの供給口部と、前記分岐ラインのガス導出開口端部において、サンプリングガスを希釈用エアにより希釈・混合するミキシング部と、希釈・混合されたサンプリングガスを過酸化水素ガス濃度検出部に送出する送出部とを備え、エジェクターの原理により、希釈ライン内の圧力を主流搬送ライン又は殺菌室内の圧力より低下させることによって、主流搬送ライン又は殺菌室内の過酸化水素含有エアの一定量をサンプリングガスとして、前記分岐ラインを介して、希釈ライン内に吸引することを特徴とする装置であれば特に制限されず、上記充填包装機械の過酸化水素ガス殺菌装置としては、牛乳や清涼飲料等の液体食品を、紙容器やPETボトル等のプラスチック容器に充填するにあたって、製品の棚寿命を延ばす目的で、食品充填前の容器や、運転開始前の食品充填包装機械を過酸化水素ガスを用いて殺菌する装置を挙げることができる。
過酸化水素ガス殺菌システムにおける過酸化水素水のガス化装置としては、前記特許文献2〜5に記載されたガス化装置、特に特許文献2記載の、一端に熱風入口と他端に熱風出口とを有する熱風管と、熱風入口に殺菌液をガス化しうる温度の熱風を供給する熱風源と、熱風出口から噴出する熱風の流れと逆向きに殺菌液を噴霧し、噴霧され微粒子化した殺菌液を熱風と衝突させるための噴霧ノズルと、少なくとも熱風管の熱風出口及び噴霧ノズルの先端の噴出部を取り囲んでいる密閉状のガス化タンクとを備えており、ガス化タンクにおける熱風出口を挟んで噴霧ノズルの先端の噴出部と反対側にガス排出口が形成されている殺菌液ガス化装置を特に好適に例示することができる。上記ガス化装置におけるガス化用エア量(微粒子化用エア量とHガス化用エア量の和で、トータルガス化用エア量という場合がある)としては200〜500L/分、特に300〜450L/分、とりわけ400〜430L/分が好ましい。
過酸化水素ガス殺菌装置の主流搬送ライン(パイプライン)には、ガス化装置により発生する過酸化水素ガスとガス化用エアとが混合した過酸化水素含有エア流からその一部一定量をサンプリングガスとして分取するための分岐ライン(パイプライン)のガス分取開口端部が、主流搬送ラインの管内に二重管状に気密に内設(連通状態で挿設)されるか、又は主流搬送ラインの管壁に気密に配設(連通状態で付設)されている。かかる分岐ラインのガス分取開口端部は、過酸化水素含有エアの噴出口部の上流近傍に設けることが、包装材料等に実際に噴射・暴露するガス濃度を反映する点で好ましい。また、分岐ラインのガス分取開口端部が主流搬送ラインの管内に二重管状に気密に内設される場合、ガス分取開口端部は過酸化水素含有エア流の下流に向かって開口するように配設すると、ガス化装置からの過酸化水素含有エア流の動圧の影響を受けない点で好ましい。そしてまた、主流搬送ラインのガス化装置側には、ガス温度測定用熱電対を配設しておくことができる。
分岐ラインのガス導出開口端部は、希釈ライン(パイプライン)の管内に二重管状に気密に内設(連通状態で挿設)されるか、又は主流搬送ラインの管壁に気密に配設(連通状態で付設)されている。かかる分岐ラインのガス導出開口端部が希釈ラインの管内に二重管状に気密に内設(連通状態で挿設)される場合、ガス導出開口端部は希釈用エア流の下流に向かって開口するように配設すると、高圧エア源からの希釈用エア流の動圧の影響を受けない点で好ましい。また、分岐ラインには、オリフィス又は流量調整ニードルを設けることが、主流搬送ラインから過剰量の搬送過酸化水素含有エアの吸引を防止しうる点で好ましい。
希釈ラインの上流側端部である希釈用エアの供給口部は、エアコンプレッサー等の高圧エア源に接続されており、必要に応じて、希釈用エア量調整用レギュレータや希釈用エア量管理用フローメータを設けることにより一定流量の希釈用エアを搬送することができる。トータルガス化用エア量が200〜500L/分のとき、希釈用エア量としては、50〜150L/分、好ましくは70〜130L/分、より好ましくは100〜120L/分を例示することができ、希釈倍率としては、30〜40倍、好ましくは33〜37倍を例示することができる。
過酸化水素ガス濃度検出部としては、過酸化水素ガス濃度をリアルタイムで測定することができる濃度検出計を備えておれば特に制限されず、前記特許文献6〜9に記載された過酸化水素ガス濃度測定システムや、市販の測定レンジが0〜2000ppm、−25〜55℃過酸化水素ガス濃度計(ATI社製)や、0〜7000ppm、−40℃〜65℃過酸化水素ガス濃度計(ドレーゲル社製)を有利に用いることができる。
次に、本発明の過酸化水素ガス濃度のリアルタイムモニタリング装置を図1により説明するが、本発明の技術的範囲はこれにより制限されるものではない。
過酸化水素ガス殺菌システムには、モニタリング装置1の他、H水貯留タンク2、H水送液パイプ3、H水送液ポンプ4、計量計(キーエンス社製)5、ガス温度測定用熱電対6、主流搬送ライン7、過酸化水素含有エアのガス噴出口部8及びガス化装置10が備えられている。ガス化装置10は、H微粒子化エア量管理用フローメータ11、H微粒子化エアパイプ12、微粒子化用の気液混合二重管構造の噴霧ノズル13、ブロワー14、ヒータ(ライスター社製)15、ヒータ制御用熱電対16、ガス化用エアパイプ(熱風管)17、ガス化タンク18で構成され、ガス化用エアパイプ(熱風管)17に熱風を送り込み、同時に、噴霧ノズル13から殺菌液のミストを、熱風出口から噴出する熱風の流れと逆向きに噴霧すると、噴霧され微粒子化したミスト状殺菌液は、ガス化用エアパイプ(熱風管)17の熱風出口から噴出する熱風と衝突し、効率よくほぼ完全にガス化される。こうして、ほぼ完全にガス化されたH液は、過酸化水素含有エアとしてガス化タンク18から排出され、主流搬送ライン7を通ってガス噴出口部8から容器C内に噴射される。
モニタリング装置1は、分岐ライン20と希釈ライン30と過酸化水素ガス濃度検出部40とを備え、分岐ライン20は、主流搬送ライン7から過酸化水素含有エアの一部をサンプリングガスとして分取するため、その下方が主流搬送ライン7の管内に二重管状に気密に内設され、その下端がガス分取開口端部21として過酸化水素含有エア流の下流に向かって開口するように配設されている。また分岐ライン20の上方は、サンプリングガスを希釈ライン30内で希釈するため、希釈ライン30の管内に気密に内設されている。また、ガス分取開口端部21とガス導出開口端部22の間の分岐ライン20には、流量調整ニードル23が設けられている他、分岐ライン20への吸引量測定用フロースイッチ24が着脱自在に設けられている。
希釈ライン30には、その上流端が高圧エア源(図示せず)に、希釈用エア量調整用レギュレータ31、希釈用エア量管理用フローメータ32、除菌フィルタ33を介して接続された、一定流量の希釈用エアの供給口部34と、前記分岐ライン20のガス導出開口端部22において、サンプリングガスを希釈用エアにより希釈・混合するミキシング部35と、希釈・混合されたサンプリングガスを過酸化水素ガス濃度検出部40に送出する送出部36とを備えている。送出部36には、必要に応じて、低濃度低温Hガス分解用ハニカム触媒37を設けることもできる。過酸化水素ガス濃度検出部40には、ATI社製Hガス濃度計センサ41やATI社製Hガス濃度計表示部42が設けられている。
図2には、上記ミキシング部35が拡大して示されている。ミキシング部35はT字型の管継手によって形成されている。ミキシング部35には、その左方から中央部付近まで達するように希釈用エアの供給口部34が取付けられている。また、ミキシング部35には、その右側から送出部36が取り付けられている。供給口部34の端部開口部と送出部36の端部開口部は、ミキシング部35内で相対するように設けられている。送出部36の内径は供給口部34の内径より大径になっている。さらに、ミキシング部35には、下方から分岐ライン20がガス導出開口端部22をミキシング部35内に臨むように接続されている。このように構成することによって、ミキシング部35内は、エジェクターの原理により、負の静圧が生じて真空になる。
次に、本発明の過酸化水素ガス濃度のリアルタイムモニタリング装置を備えた過酸化水素ガス殺菌システムが搭載された充填包装機械の正面図及び側面図を図3及び図4に示す。この容器Cの殺菌システムは、容器外面殺菌装置52と、容器内面殺菌装置53を備えている。また、この殺菌システムにおいて、容器Cはチャンバー50で覆われた殺菌室51内を通過する。本発明のモニタリング装置における分岐ライン20のガス分取開口端部21は、例えば図1、図4に示されるように、ガス噴出口部8に設けてガス噴出口部8のガス濃度を監視してもよいし、例えば図4に示されるように、殺菌室51に設けて、容器外面殺菌時の殺菌室内のガス濃度を監視してもよい。
本発明を以下の実施例により説明するが、本発明の技術的範囲はこれにより制限されるものではない。また、以下の実施例においては、分岐ラインに設けられた流量調整ニードルを、ガス化エア量400L/分、希釈用エア100L/分のときサンプリング量が3.1L/分となるようにあらかじめ調整した。
(1)ガス希釈用エア供給量が吸引量に及ぼす影響
ガス化装置のヒーターはOFFの状態、エア温度20℃で行った。ガス化装置に所定のエアおよびガス希釈用エアを所定量供給したときの容器殺菌用ガス化装置ライン(主流)からガス濃度測定ライン(支流)に吸引される量をSMCフロースイッチで測定した。結果を[表1]に示す。その結果、希釈用エア量が増加することで吸引量が増えていることがわかる。
(2)ガス化エア温度(昇温状態)が吸引量に及ぼす影響
ガス化装置に所定のエアおよびガス希釈用エアを所定量供給したときの容器殺菌用ガス化装置ライン(主流)からガス濃度測定ライン(支流)に吸引される量をSMCフロースイッチで測定した。ガス化装置のヒーターを各温度に設定し、吸引される量を測定した。また、希釈用エア量は80L/分で固定した。結果を[表2]に示す。その結果、ヒーターをON=エア温度が上昇しても吸引量にはほとんど影響を及ぼさないことがわかる。
(3)ガス化エア温度(昇温状態)が吸引量に及ぼす影響
ガス化装置に所定のエアおよびガス希釈用エアを所定量供給したときの容器殺菌用ガス化装置ライン(主流)からガス濃度測定ライン(支流)に吸引される量をSMCフロースイッチで測定した。ガス化装置のヒーターを各温度に設定し、吸引される量を測定した。また、希釈用エア量は100L/分で固定した。結果を[表3]に示す。その結果、ヒーターをON=エア温度が上昇しても吸引量にはほとんど影響を及ぼさないことがわかる。
(4)ガス希釈用エア量と希釈倍率の関係
希釈倍率を、表1のデータより次式により求めた。
希釈倍率={(希釈用エア量+吸引量)÷吸引量}
算出結果を[表4]に示す。その結果、ガス希釈用エア量は100〜120L/分、ガス化トータルエア量200〜500L/分で管理することが好ましいことがわかる。
(5)ガス希釈用エア量およびガス化ヒーター温度がガス濃度に及ぼす影響
微粒子化用エア量=20L/分で固定、ガス化用エア量=400L/分で固定、ガス化用トータルエア量=420L/分、H流量=約10ml/分の条件下、ガス希釈用エア量、ガス化用ヒーター温度を変え、分岐ラインに設置したガス濃度センサー表示値よりガス濃度を換算した。結果を[表5]に示す。その結果、ガス希釈用エア量100〜120L/分において、ガス濃度計表示値は非常に近値となっており、ガス濃度管理として使用可能であり、理論上のガス濃度値からのズレは10%程度であることがわかる。
(6)ガス化用エア量がガス濃度に及ぼす影響
量、希釈用エア量、ガス化用ヒーター温度一定条件の下、すなわち、希釈用エア量=100L/分で固定、H流量=10ml/分で固定、ガス化用ヒーター温度=300℃で固定、H濃度=35.4%の条件下、ガス化用エア量を変化させ、分岐ラインに設置したガス濃度センサーにて濃度を測定した。結果を[表6]に示す。その結果、ガス化用エア量を変化させた場合、ガス濃度もそれに追随し反応していることがわかる。
(7)H量がガス濃度に及ぼす影響
ガス化用エア量、ガス化用ヒーター温度、希釈用エア量一定条件の下、すなわち、希釈用エア量=100L/分で固定、ガス化用エア量=400L/分で固定、ガス化用ヒーター温度=300℃で固定の条件下、H量を可変し、分岐ラインに設置したガス濃度センサーにて濃度を測定した。結果を[表7]に示す。その結果、H量を変化させた場合、ガス濃度もそれに追随し反応していることが分かる。
(8)ガス濃度測定結果
ヒーター温度、希釈用エア量、ガス化用エア量等を[表8]に示す一定条件下、H量を変化させ、分岐ラインに設置したガス濃度センサー(ATI社製過酸化水素ガス濃度計)にて濃度を測定した。結果を[表9]に示す。その結果、H設定値に対し、±3mlの幅でインターロックを設定すれば、ガス濃度管理用として十分な機能を有していることがわかった。すなわち、設定値に対して±3ml/分で上下限値を設けてやれば、例えば15ml/分を設定値(正常値)、12ml/分を下限値、18ml/分を上限値とすると、ガス濃度センサーで十分管理できることがわかる。
上記実験における過酸化水素ガス濃度(表においては「ガス濃度」と表示)の測定には過酸化水素ガス濃度計(ATI社製)を用いた。かかる過酸化水素ガス濃度計(ATI社製)の仕様を[表10]に示す。
本発明によると、容器の殺菌性能、薬剤残留に関するファクターである過酸化水素ガス濃度が、汎用の過酸化水素ガス濃度計を使用してリアルタイムで管理できることから、本発明は、充填包装機械の分野、特に、充填包装機械の過酸化水素ガス殺菌システムの分野で有用である。
1 モニタリング装置
2 H水貯留タンク
3 H水送液パイプ
4 H水送液ポンプ
5 計量計
6 ガス温度測定用熱電対
7 主流搬送ライン
8 過酸化水素含有エアのガス噴出口部
10 ガス化装置
11 H微粒子化エア量管理用フローメータ
12 H微粒子化エアパイプ
13 微粒子化用の気液混合二重管構造の噴霧ノズル
14 ブロワー
15 ヒータ
16 ヒータ制御用熱電対
17 Hガス化用エアパイプ(熱風管)
18 ガス化タンク
20 分岐ライン
21 ガス分取開口端部
22 ガス導出開口端部
23 流量調整ニードル
24 吸引量測定用フロースイッチ
30 希釈ライン
31 希釈用エア量調整用レギュレータ
32 希釈用エア量管理用フローメータ
33 除菌フィルタ
34 希釈用エアの供給口部
35 ミキシング部
36 送出部
37 低濃度低温Hガス分解用ハニカム触媒
40 過酸化水素ガス濃度検出部
41 Hガス濃度計センサ
42 Hガス濃度計表示部
50 チャンバー
51 殺菌室
52 容器外面殺菌装置
53 容器内面殺菌装置
C 容器

Claims (5)

  1. 充填包装機械の過酸化水素ガス殺菌システムにおける過酸化水素ガス濃度のリアルタイムモニタリング装置であって、
    前記過酸化水素ガス殺菌システムが、過酸化水素水のガス化装置、該ガス化装置により生成する過酸化水素ガスとガス化用エアとが混合した過酸化水素含有エアのガス噴出口部、ガス化装置とガス噴出口部とを連通する主流搬送ライン、及び、ガス噴出口部が開口する殺菌室を備え、
    前記モニタリング装置が、分岐ラインと希釈ラインと過酸化水素ガス濃度検出部とを備え、
    前記分岐ラインが、前記主流搬送ライン又は殺菌室から過酸化水素含有エアの一部をサンプリングガスとして分取するため、主流搬送ライン又は殺菌室に内設又は配設されたガス分取開口端部と、サンプリングガスを希釈ライン内で希釈するため、希釈ラインに内設又は配設されたガス導出開口端部をその両端に有し、
    前記希釈ラインが、その一端が高圧エア源に接続された、一定流量の希釈用エアの供給口部と、前記分岐ラインのガス導出開口端部において、サンプリングガスを希釈用エアにより希釈・混合するミキシング部と、希釈・混合されたサンプリングガスを過酸化水素ガス濃度検出部に送出する送出部とを備え、
    希釈ライン内の圧力を主流搬送ライン又は殺菌室内の圧力より低下させることによって、主流搬送ライン又は殺菌室内の過酸化水素含有エアの一定量をサンプリングガスとして、前記分岐ラインを介して、希釈ライン内に吸引することを特徴とするモニタリング装置。
  2. 分岐ラインに、オリフィス又は流量調整ニードルが設けられていることを特徴とする請求項1記載のモニタリング装置。
  3. 分岐ラインのガス分取開口端が、過酸化水素含有エアの噴出口部の上流近傍の主流搬送ラインに内設されていることを特徴とする請求項1又は2記載のモニタリング装置。
  4. 分岐ラインのガス分取開口端が、過酸化水素含有エア流の下流に向かって開口するように配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のモニタリング装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載のモニタリング装置を用いて、
    ガス化装置におけるガス化用エア量を200〜500L/分とし、希釈用エア量を100〜120L/分とし、希釈用エア量と吸引量の関係から算出することができる希釈倍率を30〜40倍とすることを特徴とする、充填包装機械の過酸化水素ガス殺菌システムにおける過酸化水素ガス濃度をモニタリングする方法。
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