JP6295028B2 - 除染方法及び地盤固結方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、放射性物質に汚染された農地表層土を固化して、放射性物質を除去するための技術である。本発明は、例えば、放射性物質で汚染された農地から再び放射性物質が拡散しないよう防止するために、固化材を農地表層に散布し、放射性物質を封じ込め、短期間に表層土を削り取る地盤固結方法に関する。
汚染された農地から再び放射性物質が拡散するのを防ぐために、マグネシウム系固化材をプラントで水と練混ぜてスラリー化し、そのスラリーをポンプで農地表層土に散布している。マグネシウム系固化材を使用した場合、プラントでバッチ練りして運搬しているために、練混ぜ作業、ポンプで散布する作業、作業後にプラントやポンプを掃除する作業が必要であり、かなりの労力がかった。
マグネシウム系固化材は、完全に固化するまで少なくとも3〜7日程度必要とするために、散布前の表層土に水溜まりがある場合や、養生期間中に降雨が発生した場合には、固化材が希釈により固化せず、更に養生期間が長くなり、表層土を削り取る作業が遅れることがあった。特に、冬季は低温になるため顕著であった。このように固化しないと農地から再び放射性物質が拡散するおそれがあった。
農地に散布する場合、アルカリ性の高いセメントは使用しにくかった。固化材が硫酸塩を含むと、嫌気性バクテリアにより硫酸塩が反応し、硫酸ガスを生じ、その後の稲の生育を阻害するおそれがあった。一般的なセメント系固化材は石膏を含むため、硫化水素が発生する可能性があり、使用できなかった(非特許文献1,2)
放射性廃棄物の固化方法としては、放射性廃棄物をアルカリで処理した後、高炉スラグを混合し、必要に応じて硬化速度を速めるために、12CaO・7Alや11CaO・7Al・CaX等のカルシウムアルミネートを添加する方法が提案されている。この技術は、一度放射性廃棄物をアルカリで処理した後に、高炉スラグとカルシウムアルミネートを混合して固化させる方法である(特許文献1)。放射性廃棄物を含有する汚染水の固化処理方法としては、カルシウムアルミネート、石膏、更にベントナイト又はゼオライトを含有する固化材で固化して、埋設処理する方法が提案されている。この技術は、カルシウムアルミネートを主成分としているが、高炉スラグを含有しない固化材であり、放射性廃棄物を含む汚染水を固化する方法である(特許文献2)。いずれの技術も、高炉スラグとカルシウムアルミネートを配合した固化材に加水して連続スラリー化し、そのスラリーを放射性物質で汚染された表層土に散布して表層のみを固化させる本発明とは異なるものであり、カルシウムアルミネートの最適CaO/Alモル比も示されていない。
セメントを用いない固化材を用いた固化方法としては、カルシウムアルミネートとスラグを主成分とする懸濁型固化材を水ガラスや水溶性シリカ化合物と併用して地盤に注入し、固結する工法が提案されている(特許文献3〜5)。この技術は、カルシウムアルミネート、スラグ、石膏、ベントナイトを組み合わせて、遅延剤を併用して、固化材100質量部に対して、水500〜600質量部で練混ぜた高水比の注入材である。この技術は、カルシウムアルミネートの最適CaO/Alモル比、固化時間、強度発現性が示されていない点で、本発明と異なる。
セメントに、カルシウムアルミネート、石膏、高性能減水剤を配合した放射性廃棄物の固化剤が提案されている(特許文献6〜8)。この技術は、セメントにカルシウムアルミネートや石膏を配合した急硬セメントを、放射性廃棄物と練混ぜて固化させる技術である。この技術は、セメントを含まない高炉スラグにカルシウムアルミネートを配合した固化材を、圧縮空気で空気圧送し、固化材に水を送給して連続スラリー化して、放射性物質が堆積した表層面に散布して表層を固化させる本発明とは異なる。
カルシウムアルミネートを主成分とする粉末急結剤をスラリー化して、セメントコンクリートに添加する急結剤がトンネル現場で用いられている(特許文献7〜9)。この技術は、カルシウムアルミネートを主成分とする急結剤を単独で使用しないで、必ずコンクリートに添加して使用するものであり、農地表層土に急結剤スラリーのみを吹付けて、表層土を固化させた実施例がない。
特開昭62−238499号公報 特開2013−7599号公報 特開2002−60748号公報 特開2002−88752号公報 特開昭63−205600号公報 特開平1−223398号公報 特開2002−332798号公報 特開2009−270282号公報 特開2003−81669号公報
農地除染対策の技術書(第4編 参考資料編)農林水産省 H24.8 農地除染対策の技術書(第1編 調査・設計編)農林水産省H24.8
本発明は、例えば、表層土に水溜まりがあっても、冬季間であっても、マグネシウム系固化材のように長い養生期間を必要とせずに固化するため、放射性物質を再拡散させずに、短期間で表層土を削り取る除染作業を速やかに実施できる地盤固結方法を提供する。
本発明は、高炉スラグ100質量部とカルシウムアルミネート類10〜100質量部を含有し、かつ、固化材100質量部に対して1〜3質量部の繊維を含有する固化材100質量部を送給し、途中で、水70〜300質量部を混合して固化材スラリーとし、該固化材スラリーを放射性廃棄物で汚染された土壌である地盤に吹き付けにより散布して、地盤を固化し、地盤を固化した後に表層土を削り取る除染方法であり、固化材を大気圧換算で2〜7m/minの圧縮空気で空気圧送し、固化材供給管の周囲より加水し、固化材を連続的にスラリー化する除染方法であり、固化材が、硫酸塩を含有せず、かつ、セメントを含有しない該除染方法であり、固化材を送給する固化材供給管、水が合流する吐出管を有し、(固化材供給管Aの内径d)/(吐出管の内径D)で示す内径比(d/D)が0.3〜0.95である固化材スラリー化装置を使用して固化材を連続的にスラリー化する該除染方法でありカルシウムアルミネート類のCaO/Alモル比が2.0〜2.5である該除染方法であり繊維の長さが3〜10mmである該除染方法であり、繊維がビニロン繊維である該除染方法であり、固化材が放射性廃棄物用固化材であり高炉スラグの組成が、高炉スラグ100部質量中、CaO39〜45質量部、Al12〜16質量部、SiO32〜36質量部である該除染方法であり、固化材を送給する固化材供給管、水が合流する吐出管、水を送給する水供給管から構成され、固化材供給管は固化材圧送管に接続し、吐出管は輸送管ホースに接続され、水供給管は、その外周で水圧送管に接続され、固化材供給管と吐出管は対峙するように配置され、水供給管は、固化材供給管と吐出管の対峙部分を覆うように設置され、固化材供給管と吐出管の間隙から、水供給管から送給される水を吐出管に送給し、(固化材供給管Aの内径d)/(吐出管の内径D)で示す内径比(d/D)が0.3〜0.95である固化材スラリー化装置を使用して固化材を連続的にスラリー化する該除染方法であり、固化材スラリー化装置で製造された固化材スラリーは、輸送管ホースを通り、散布され、水を圧送する圧力は、固化材の輸送圧より少なくとも0.1MPa以上大きく、輸送管ホースの長さが、1〜2mである該除染方法であり、高炉スラグの粉末度はブレーン比表面積で4000cm/g以上であり、カルシウムアルミネート類のガラス化率は70%以上であり、カルシウムアルミネート類の粒度はブレーン比表面積で3000cm/g以上である該除染方法であり、高炉スラグ100質量部とカルシウムアルミネート類10〜100質量部を含有し、かつ、固化材100質量部に対して1〜3質量部の繊維を含有する固化材100質量部を送給し、途中で、水70〜300質量部を混合して固化材スラリーとし、該固化材スラリーを放射性廃棄物で汚染された土壌である地盤に吹き付けにより散布して、地盤を固化し、地盤を固化した後に表層土を削り取る地盤固結方法であり、固化材を大気圧換算で2〜7m /minの圧縮空気で空気圧送し、固化材供給管の周囲より加水し、固化材を連続的にスラリー化する地盤固結方法である。
本発明は、例えば、固化材スラリーを、連続して製造すると同時に農地表層土に散布することができるために、効率的な作業ができる。本発明は、例えば、散布後、固化材スラリーの養生期間が短いために、放射性物質を再拡散させずに、速やかに除染作業を行うことができる。
固化材スラリーの散布方法の一例を示す説明図である。 固化材スラリー化装置の部分拡大図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
図1は、本発明で用いる固化材スラリーの製造装置の一構成例を示したものである。
本発明は、高炉スラグとカルシウムアルミネート類を含有する固化材100質量部を送給し、途中で、水70〜300質量部を混合して固化材スラリーとし、該固化材スラリーを地盤に散布して、地盤を固化する地盤固結方法である。
本発明は、例えば、固化材を、空気圧送し、途中で、水を送給して連続スラリー化し、地盤に散布して、地盤を固化することが好ましい。本発明は、例えば、固化材を空気圧送し、固化材供給管の周囲より加水し、連続的にスラリー化し、地盤に散布して、地盤を固化することがより好ましい。地盤としては、効果が大きい点で、農地表層が好ましく、放射性廃棄物で汚染された農地表層土がより好ましい。
固化材をスラリー化するために使用する水(符号4)を水ポンプ(符号2)で固化材スラリー化装置(符号1)に導入し、固化材供給管A(供給管A)の周囲から加水することにより、固化材を連続してスラリー化することができる。
例えば、添加機(符号3)で固化材を空気圧送する圧縮空気の流量は、安定してスラリー化できる点で、大気圧換算で2〜7m/minが好ましく、3〜6m/minがより好ましい。2m/min未満であると固化材スラリー化装置内で固化材が滞留、固化して閉塞し、安定してスラリー化できない場合がある。7m/minを超えるとミストが飛散して粉じんが多くなる場合がある。圧縮空気は、コンプレッサー(符号5)により、添加機(符号3)へ送給する。添加機としては、急結剤添加機「デンカNATMクリ−ト」等が挙げられる。
水を圧送する圧力は、固化材の輸送圧より少なくとも0.1MPa以上大きくすることが好ましい。0.1MPa未満だと、固化材を安定してスラリー化できない場合がある。
本発明で使用する固化材スラリー化装置(符号1)は、固化材を送給する固化材供給管A、水が合流する吐出管B、水を送給する水供給管Cから構成されている。固化材供給管Aは固化材圧送管7に接続し、吐出管Bは輸送管ホース6に接続されている。水供給管Cは、その外周で水圧送管8に接続されている。固化材供給管Aと吐出管Bは対峙するように配置されている。水供給管Cは、固化材供給管Aと吐出管Bの対峙部分を覆うように設置されている。固化材供給管Aの内径は。吐出管Bの内径より小さい。固化材供給管Aと吐出管Bの間隙から、水供給管Cから送給される水を吐出管Bに送給する。
(固化材供給管Aの内径d)/(吐出管Bの内径D)で示す内径比(d/D)は0.3〜0.95が好ましい。内径比(d/D)が小さいと固化材供給管Aと吐出管Bの間隙に固化材が滞留して固化して閉塞する場合があり、内径比(d/D)が大きいと水が安定して送給されにくいため、固化材を安定してスラリー化することができず、固化して閉塞する場合がある。
固化材スラリー化装置(符号1)で製造された固化材スラリーは、輸送管ホース(符号6)を通り、排出され、農地表層土へ散布される。輸送管ホース(符号6)の長さは、固化材スラリー化装置(符号1)を地面に置いて、作業員が取り回しできる長さであれば良く、そのためには1〜2mが好ましい。1m未満であるとスラリー化装置を地面に置くことができにくいため、ホースの取り回しができない場合があり、2mを超えるとホース内でスラリーが固結して閉塞する場合がある。
本発明で使用する高炉スラグは、銑鉄を製造するときに発生する鉄鋼スラグを粉砕して製造されるものであり、一般的な高炉セメントやコンクリート用混和材として用いられているものである。高炉スラグの組成は、効果が大きい点で、高炉スラグ100部質量中、CaO39〜45質量部、Al12〜16質量部、SiO32〜36質量部が好ましく、CaO40〜44質量部、Al13〜15質量部、SiO 33〜35質量部がより好ましい。高炉スラグの粉末度はブレーン比表面積で4000cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上がより好ましい。4000cm/g未満であると、固化材スラリーの固化時間や強度発現性が低下する場合がある。
本発明で使用するカルシウムアルミネート類は、カルシア原料とアルミナ原料を混合して、キルンでの焼成或いは電気炉で溶融し、急冷して得られるCaOとAlとを主成分とする水和活性を有する物質の総称である。CaOとAlのモル比は、1.7〜3.0が好ましく、2.0〜2.5がより好ましく、更にCaOやAlの一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と置換した化合物、或いは、CaOとAlとを主成分とするものに、これらが少量固溶した化合物も使用できる。モル比が1.7未満であると短時間に固化せずに、強度発現性が低下する場合があり、モル比が3.0を超えると短時間で固化しても、強度発現性が低下する場合がある。
カルシウムアルミネート類のガラス化率は、反応活性の点で70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。ガラス化率は加熱前のサンプルについて、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピーク面積Sを予め測定し、その後1000℃で2時間加熱後、1〜10℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法による加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積Sを求め、更に、これらのS及びSの値を用い、下記の式を用いてガラス化率χを算出する。
ガラス化率χ(%)=100×(1−S/S
カルシウムアルミネート類の粒度は、急結性や初期強度発現性の点で、ブレーン比表面積(以下、ブレーン値という)3000cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上がより好ましい。ブレーン値が小さいと、高炉スラグ粉末との反応が低下して、固化材スラリーの固化時間や強度発現性が低下する場合がある。
カルシウムアルミネート類の使用量は、高炉スラグ100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、30〜70質量部がより好ましい。10質量部未満では固化材スラリーの固化時間や強度発現性が低下する場合があり、100質量部を超えると急激に固化するため、固化材スラリー化装置(符号1)内で固化材がスケーリングして固結し、閉塞し、強度が低下し、更に、材料コストが高くなり、経済的でない場合がある。強度発現性が低いと、堆積した放射性物質を含む表層土を剥ぎ取る効果が低下する場合がある。
固化材は、石膏等の硫酸塩を、固化材100部中、3質量以下含有することが好ましく、1質量以下含有することがより好ましく、硫酸塩を含有しないことが最も好ましい。
固化材は、セメントを、固化材100部中、3質量以下含有することが好ましく、1質量以下含有することがより好ましく、セメントを含有しないことが最も好ましい。
表層土を削り取る面積を大きくし、放射性物質を除去しやすくするために、繊維を使用してもよい。本発明で使用する繊維は、固化材に混合する。繊維は、無機質、有機質いずれも使用できる。無機質繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、ロックウール、石綿、セラミック繊維等が挙げられる。有機質繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、セルロース繊維、パルプ、麻、木毛等が挙げられる。繊維の長さは、3〜10mmが好ましい。3mm未満では表層土の削り取る面積が小さくなる場合があり、10mmを超えると固化材が固化材スラリー化装置内で滞留してスケーリングし、固結して閉塞する場合がある。
繊維の使用量は、固化材100質量部に対して0〜3質量部が好ましく、1〜3質量部がより好ましい。配合しない場合は、表層土の削り取る面積が小さくなる場合があり、3質量部を超えると固化材圧送時に、固化材が固化材スラリー化装置内で滞留して閉塞する場合がある。
本発明で使用する固化材には、クエン酸、グルコン酸、酒石酸等のオキシカルボン酸、又はその塩、アルカリ金属炭酸塩等を併用することができる。
本発明では、他に酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、フライアッシュ、減水剤、高性能減水剤、AE剤、AE減水剤、増粘剤、高分子エマルジョン等のうちの一種又は二種以上を併用してもよい。
本発明で使用する固化材スラリー中の水量は、固化材100質量部に対して70〜300質量部が好ましく、100〜200質量部がより好ましい。70質量部未満では固化材スラリーを均一に散布できない場合があり、経済的でなく、固化材スラリーの粘度が上昇し、吐出管内でスケーリングして固化し、閉塞する場合がある。300質量部を超えると固化材スラリーの固化時間が遅れ、強度発現性が低下し、堆積した放射性物質を含む表層土を剥ぎ取る効果が低下する場合がある。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1
高炉スラグ100質量部に対して、カルシウムアルミネート類を表1に示す量混合して固化材を調製し、固化材100質量部に対して水200質量部を加え、練混ぜて、固化材スラリーを調製した。固化材スラリーについて、固化時間と圧縮強度を測定した。結果を表1に併記する。
<使用材料>
高炉スラグ:市販の高炉スラグ粉末、高炉スラグ100部質量中、CaO41〜43質量部、Al13〜15質量部、SiO33〜34質量部、ブレーン比表面積6000cm
カルシウムアルミネート類:CaO/Alモル比2.2、非晶質、ガラス化率95%、ブレーン比表面積5000cm
<測定方法>
ブレーン比表面積:JISR5201に準じて測定した。
固化時間:固化材スラリーを調製してから、固化材スラリーの流動性がなくなるまでの時間を、固化時間とした。
圧縮強度:JISR5201に準じて測定した。材齢1日までは20℃気乾養生、以降は標準養生とした。
Figure 0006295028
実施例2
高炉スラグ100質量部に対して、表2に示すCaO/Alモル比を有するカルシウムアルミネート類50質量部を混合して固化材を調製したこと以外は、実施例1と同様の試験を実施した。結果を表2に併記する。
Figure 0006295028
実施例3
表3に示すブレーン値を有する高炉スラグ100質量部に対して、表3に示すブレーン値を有するカルシウムアルミネート類50質量部を混合して固化材を調製したこと以外は、実施例1と同様の試験を実施した。結果を表3に併記する。
Figure 0006295028
実施例4
図1に従い、固化材スラリーを散布した。下記特記したこと以外は、実施例1と同様に試験した。
添加機「デンカNATMクリート」(符号3)に配管口径1B(内径25mm)のホースを取付けた。添加機(符号3)から固化材スラリー化装置(符号1)まで0.4Mpaの圧力と5m/minの空気量で、固化材を空気輸送した。固化材スラリー化装置(符号1)に、水ポンプ(符号2)で水(符号4)を、0.6Mpaの圧力で圧入した。固化材スラリー化装置(符号1)において、内径比(d/D)を0.7とした。固化材スラリー化装置(符号1)の吐出管(符号B)に接続する輸送管ホース(符号6)の長さを1.5mとした。
固化材は、高炉スラグ100質量部に対して、カルシウムアルミネート類40質量部を混合したものを使用した。固化材をスラリー化する水は、固化材100質量部に対して表4に示す量を使用した。固化材スラリーを吐出し、固化材スラリーの固化時間、圧縮強度、残留ヨウ素量を測定した。固化材スラリー化装置のスケーリング状態は、添加機「デンカNATMクリート」の圧送圧で評価した。圧送圧が上がった場合は、固化材スラリー化装置内でスケーリングしたと評価した。結果を表4に併記する。
<使用材料>
土壌:水田の土(含水比50%)
ヨウ化ナトリウム水溶液:水100質量部にヨウ化ナトリウム試薬1質量部溶解した水溶液。
模擬汚染土:バットに詰めた水田の土の表面にヨウ化ナトリウム水溶液を散布して室内で一日乾燥し、調製したもの
<測定方法>
圧送圧:添加機「デンカNATMクリート」の圧送圧を測定した。
吹付物固化時間:固化材スラリーを輸送管ホース(符号6)先端から吐出した後、固化材スラリーの流動性がなくなるまでの時間とした。
吹付物圧縮強度:固化材スラリーを型枠に吹き付けた後、JISR5201に準じて測定した。材齢1日までは20℃気乾養生、以降は標準養生とした。
残留ヨウ素量:341mm×480mm×82mmのステンレスバットに、水田の土を約75mm詰め、その表面にヨウ化ナトリウ水溶液を均一に散布して室内で一日乾燥した。その土の表面に固化材スラリーを吹き付けにより、約5mmの厚さになるように散布し、7日間養生後、硬化した固化物をヘラで剥ぎ取った。その下の土を土壌表面から10mm程度採取し、乾燥し、土壌中のヨウ素量をICP発光分析装置で分析した。
Figure 0006295028
実施例5
固化材をスラリー化するための水を、固化材100質量部に対して200質量部使用し、固化材を空気圧送する空気量を表5に示す量にしたこと以外は実施例4と同様に試験した。結果を表5に併記する。
<測定方法>
粉じん量:341mm×480mm×82mmのステンレスバットに、水田の土を約75mm詰め、その表面にヨウ化ナトリウ水溶液を均一に散布して室内で一日乾燥した。その土の表面に固化材スラリーを吹き付けにより、約5mmの厚さになるように散布した。吹付け場所から風下5mの場所で、デジタル粉塵計P5Lで、1分間の粉じん量を測定した。
Figure 0006295028
実施例6
固化材をスラリー化するための水を、固化材100質量部に対して200質量部使用し、固化材100質量部に対して繊維を表6に示す量使用したこと以外は実施例4と同様に試験した。ここで、固化材とは、高炉スラグ、カルシウムアルミネート類、繊維を含有するものをいう。結果を表6に併記する。
<使用材料>
繊維a:市販のビニロン繊維、繊維長5mm
繊維b:市販のガラス繊維、繊維長5mm
<測定方法>
削り取り質量:341mm×480mm×82mmのステンレスバットに、水田の土を約75mm詰め、その表面にヨウ化ナトリウ水溶液を均一に散布して室内で一日乾燥した。その土の表面に固化材スラリーを吹き付けにより、約5mmの厚さになるように散布し、7日間養生後、硬化した固化物を、幅5cm、長さ3cmのヘラで剥ぎ取った。ヘラで削り取れた固化材の質量を測定した。
Figure 0006295028
本発明によれば、例えば、以下の利用可能性を有する。本発明は、固化材スラリーを放射能汚染された農地表層に散布することにより、放射能汚染された農地から再び放射性物質が拡散するのを防止することができる。本発明は、表層土を削り取るための養生期間を長期間必要としない。本発明は、短時間に固化するために、放射性物質を再拡散させずに除染作業を速やかに実施できる。本発明は、固化材スラリーを放射性廃棄物で汚染された農地表層土に吹き付けて、表層土を固化することにより、除染することができる。
1 固化材スラリー化装置
2 水ポンプ
3 添加機
4 水
5 コンプレッサー
6 輸送管ホース
7 固化材圧送管
8 水圧送管
A 固化材供給管
B 吐出管
C 水供給管

Claims (11)

  1. 高炉スラグ100質量部とカルシウムアルミネート類10〜100質量部を含有し、かつ、固化材100質量部に対して1〜3質量部の繊維を含有する固化材100質量部を送給し、途中で、水70〜300質量部を混合して固化材スラリーとし、該固化材スラリーを放射性廃棄物で汚染された土壌である地盤に吹き付けにより散布して、地盤を固化し、地盤を固化した後に表層土を削り取る除染方法であり、固化材を大気圧換算で2〜7m/minの圧縮空気で空気圧送し、固化材供給管の周囲より加水し、固化材を連続的にスラリー化する除染方法。
  2. 固化材が、硫酸塩を含有せず、かつ、セメントを含有しない請求項1記載の除染方法。
  3. 固化材を送給する固化材供給管、水が合流する吐出管を有し、(固化材供給管Aの内径d)/(吐出管の内径D)で示す内径比(d/D)が0.3〜0.95である固化材スラリー化装置を使用して固化材を連続的にスラリー化する請求項1又は2記載の除染方法。
  4. カルシウムアルミネート類のCaO/Alモル比が2.0〜2.5である請求項1〜のうちの1項記載の除染方法。
  5. 繊維の長さが3〜10mmである請求項1〜4のうちの1項記載の除染方法。
  6. 繊維がビニロン繊維である請求項1〜5のうちの1項記載の除染方法。
  7. 高炉スラグの組成が、高炉スラグ100部質量中、CaO39〜45質量部、Al12〜16質量部、SiO32〜36質量部である請求項1〜のうちの1項記載の除染方法。
  8. 固化材を送給する固化材供給管、水が合流する吐出管、水を送給する水供給管から構成され、固化材供給管は固化材圧送管に接続し、吐出管は輸送管ホースに接続され、水供給管は、その外周で水圧送管に接続され、固化材供給管と吐出管は対峙するように配置され、水供給管は、固化材供給管と吐出管の対峙部分を覆うように設置され、固化材供給管と吐出管の間隙から、水供給管から送給される水を吐出管に送給し、(固化材供給管Aの内径d)/(吐出管の内径D)で示す内径比(d/D)が0.3〜0.95である固化材スラリー化装置を使用して固化材を連続的にスラリー化する請求項1〜7のうちの1項記載の除染方法。
  9. 固化材スラリー化装置で製造された固化材スラリーは、輸送管ホースを通り、散布され、水を圧送する圧力は、固化材の輸送圧より少なくとも0.1MPa以上大きく、輸送管ホースの長さが、1〜2mである請求項記載の除染方法。
  10. 高炉スラグの粉末度はブレーン比表面積で4000cm/g以上であり、カルシウムアルミネート類のガラス化率は70%以上であり、カルシウムアルミネート類の粒度はブレーン比表面積で3000cm/g以上である請求項1〜のうちの1項記載の除染方法。
  11. 高炉スラグ100質量部とカルシウムアルミネート類10〜100質量部を含有し、かつ、固化材100質量部に対して1〜3質量部の繊維を含有する固化材100質量部を送給し、途中で、水70〜300質量部を混合して固化材スラリーとし、該固化材スラリーを放射性廃棄物で汚染された土壌である地盤に吹き付けにより散布して、地盤を固化し、地盤を固化した後に表層土を削り取る地盤固結方法であり、固化材を大気圧換算で2〜7m /minの圧縮空気で空気圧送し、固化材供給管の周囲より加水し、固化材を連続的にスラリー化する地盤固結方法。
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