JP6293850B1 - 医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ安定化する方法 - Google Patents

医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ安定化する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アジルサルタンの速やかな溶出性を維持しつつ、アジルサルタンの経時的な安定性を向上することができるアジルサルタン含有医薬組成物及びその製造方法、並びに医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ前記アジルサルタンを安定化する方法を提供する。【解決手段】アジルサルタンを含有する医薬組成物であって、前記アジルサルタンの平均粒子径が、1.6μm超、14.3μm未満であるアジルサルタン含有医薬組成物などである。【選択図】なし

Description

本発明は、アジルサルタン含有医薬組成物及びその製造方法、並びに医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ前記アジルサルタンを安定化する方法に関する。
アジルサルタンは、下記構造式で表される化合物である(化学名:2−Ethoxy−1−{[2’−(5−oxo−4, 5−dihydro−1, 2, 4−oxadiazol−3−yl)biphenyl−4−yl]methyl}−1H−benzo[d]imidazole−7−carboxylic acid)。アジルサルタンは、アンギオテンシンII受容体拮抗薬であり、高血圧症の治療薬として知られている。
これまでに、アジルサルタンを含有する医薬組成物として、アジルサルタンと、低融点油脂状物質と、低粘度結合剤とを含有してなる固形医薬組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この提案では、低融点油脂状物質を配合することによりアジルサルタンの経時的な分解を抑制し、安定性を高めた製剤の薬物溶出性を改善するために、低粘度結合剤が製剤中に添加されている。
しかしながら、前記提案でも、アジルサルタンの経時的な安定性は十分とは言えず、更なる安定性の向上が強く求められているのが現状である。
したがって、アジルサルタンの速やかな溶出性を維持しつつ、アジルサルタンの経時的な安定性を向上することができるアジルサルタン含有医薬組成物及びその製造方法、並びに医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ前記アジルサルタンを安定化する方法の提供が強く求められているのが現状である。
国際公開2008/018569号
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、アジルサルタンの速やかな溶出性を維持しつつ、アジルサルタンの経時的な安定性を向上することができるアジルサルタン含有医薬組成物及びその製造方法、並びに医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ前記アジルサルタンを安定化する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> アジルサルタンを含有する医薬組成物であって、
前記アジルサルタンの平均粒子径が、1.6μm超、14.3μm未満であることを特徴とするアジルサルタン含有医薬組成物である。
<2> 前記アジルサルタンの平均粒子径が、5.0μm〜12.0μmである前記<1>に記載のアジルサルタン含有医薬組成物である。
<3> 平均粒子径が1.6μm超、14.3μm未満のアジルサルタンを用いることを特徴とするアジルサルタン含有医薬組成物の製造方法である。
<4> 前記アジルサルタンの平均粒子径が、5.0μm〜12.0μmである前記<3>に記載のアジルサルタン含有医薬組成物の製造方法である。
<5> 医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ前記アジルサルタンを安定化する方法であって、
平均粒子径が1.6μm超、14.3μm未満のアジルサルタンを用いることを特徴とする方法である。
<6> 前記アジルサルタンの平均粒子径が、5.0μm〜12.0μmである前記<5>に記載の方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、アジルサルタンの速やかな溶出性を維持しつつ、アジルサルタンの経時的な安定性を向上することができるアジルサルタン含有医薬組成物及びその製造方法、並びに医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ前記アジルサルタンを安定化する方法を提供することができる。
図1は、試験例1における平均粒子径の影響度の検証を行った結果を示す図である。
(アジルサルタン含有医薬組成物)
本発明のアジルサルタン含有医薬組成物は、アジルサルタンを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<アジルサルタン>
前記アジルサルタンは、下記構造式で表される化合物である(化学名:2−Ethoxy−1−{[2’−(5−oxo−4, 5−dihydro−1, 2, 4−oxadiazol−3−yl)biphenyl−4−yl]methyl}−1H−benzo[d]imidazole−7−carboxylic acid)。
前記アジルサルタンは、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
−平均粒子径(D50)−
前記アジルサルタンの平均粒子径(D50)としては、1.6μm超、14.3μm未満であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5.0μm〜12.0μmが好ましく、7.0μm〜10.0μmがより好ましい。前記平均粒子径(D50)が前記好ましい範囲内であると、医薬組成物におけるアジルサルタンの溶出性と経時的な安定性がより優れる点で、有利である。
本発明における平均粒子径(D50)とは、レーザー回折法により測定した体積基準の平均粒子径をいう。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する(以下、「メジアン径」と称することもある)。
前記アジルサルタンの平均粒子径(D50)を調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジェットミルを用いる方法、ピンミルを用いる方法、フェザーミルを用いる方法、ボールミルを用いる方法、ハンマーミルを用いる方法、乳鉢を用いる方法などが挙げられる。
前記アジルサルタン含有医薬組成物におけるアジルサルタンの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5質量%〜40質量%などが挙げられる。
<その他の成分>
前記アジルサルタン含有医薬組成物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、製剤分野において通常使用される添加剤を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、糖類、結合剤、安定化剤、滑沢剤、崩壊剤、矯味剤、香料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アジルサルタン含有医薬組成物におけるその他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記アジルサルタン含有医薬組成物におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−糖類−
前記糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳糖、マンニトール、キシリトール、ソルビトールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記乳糖としては、例えば、乳糖水和物、無水乳糖、噴霧乾燥乳糖、流動層造粒乳糖、異性化乳糖、還元乳糖などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マンニトールとしては、例えば、D体、L体、ラセミ体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−結合剤−
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−安定化剤−
前記安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸トリエチル、マクロゴール、グリセリン、ポリソルベート、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アジルサルタンの経時的な安定性をより向上することができる点で、クエン酸トリエチルが好ましい。
−滑沢剤−
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−崩壊剤−
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デンプン(トウモロコシデンプン等)、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−矯味剤−
前記矯味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−香料−
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、l−メントール、バニリン、オレンジ油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アジルサルタン含有医薬組成物の剤形としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、素錠、チュアブル錠、フィルムコーティング錠、口腔内崩壊錠等の錠剤などが挙げられる。
前記アジルサルタン含有医薬組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する本発明のアジルサルタン含有医薬組成物の製造方法により製造することが好ましい。
本発明のアジルサルタン含有医薬組成物は、1.6μm超、14.3μm未満のアジルサルタンを用いることにより、アジルサルタンの速やかな溶出性を維持しつつ、アジルサルタンの経時的な安定性を向上することができる。
なお、本発明において、速やかな溶出性とは、溶出試験液として日本薬局方溶出試験第2液(pH6.8)を用い、日本薬局方一般試験法溶出試験第2法(パドル法)により溶出試験を行った場合に、15分の時点における溶出率が85%以上であることを言う。
(アジルサルタン含有医薬組成物の製造方法)
本発明のアジルサルタン含有医薬組成物の製造方法としては、平均粒子径が1.6μm超、14.3μm未満のアジルサルタンを用いる限り、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができるが、打錠用粉末調製工程と、打錠工程と、必要に応じて更にその他の工程とを含む方法が好ましい。
<打錠用粉末調製工程>
前記打錠用粉末調製工程は、アジルサルタンと、必要に応じてその他の成分から選択された成分とを混合し、アジルサルタンを含有する打錠用粉末を得る工程である。
前記混合の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アジルサルタンの粉末と、必要に応じてその他の成分とを混合する態様、前記アジルサルタンを含む造粒物と、必要に応じてその他の成分とを混合する態様などが挙げられる。前記混合の方法及び条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記アジルサルタンを含む造粒物は、アジルサルタンのみからなるものであってもよいし、前記その他の成分を含むものであってもよい。
前記その他の成分の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末、造粒物などが挙げられる。
前記造粒の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式造粒法などが挙げられる。
前記湿式造粒法の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動層造粒法、撹拌造粒法、押出し造粒法、噴霧造粒法などが挙げられる。これらの中でも、撹拌造粒法、流動層造粒法が好ましい。
前記造粒の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−アジルサルタン−
前記アジルサルタンは、上述した本発明のアジルサルタン含有医薬組成物の<アジルサルタン>の項目に記載したものと同様である。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した本発明のアジルサルタン含有医薬組成物の<その他の成分>の項目に記載したものなどが挙げられる。
<打錠工程>
前記打錠工程は、前記打錠用粉末を打錠し、素錠を得る工程である。
前記打錠の方法の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロータリー式打錠機を用いる方法などが挙げられる。
前記打錠の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記素錠にコーティング溶液を塗布し、フィルムコーティング錠を得るフィルムコーティング工程などが挙げられる。
前記その他の工程の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
本発明のアジルサルタン含有医薬組成物の製造方法によれば、速やかな溶出性と、経時的な安定性とを両立した本発明のアジルサルタン含有医薬組成物を効率良く製造することができる。
(医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ前記アジルサルタンを安定化する方法)
本発明の医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ前記アジルサルタンを安定化する方法としては、平均粒子径が1.6μm超、14.3μm未満のアジルサルタンを用いる限り、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができるが、打錠用粉末調製工程と、打錠工程と、必要に応じて更にその他の工程とを含む方法が好ましい。
<打錠用粉末調製工程>
前記打錠用粉末調製工程は、上述した本発明のアジルサルタン含有医薬組成物の製造方法の<打錠用粉末調製工程>の項目に記載したものと同様である。
<打錠工程>
前記打錠工程は、上述した本発明のアジルサルタン含有医薬組成物の製造方法の<打錠工程>の項目に記載したものと同様である。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した本発明のアジルサルタン含有医薬組成物の製造方法の<その他の工程>の項目に記載したものなどが挙げられる。
本発明の医薬組成物におけるアジルサルタンの安定化方法によれば、アジルサルタンの速やかな溶出性を維持しつつ、アジルサルタンの経時的な安定性の低下を抑制することができる。
以下、試験例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
(試験例1)
<錠剤−1〜6の製造>
−アジルサルタン−
平均粒子径(D50)が異なる以下の6種のアジルサルタンを用意した。なお、各アジルサルタンの粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置マスターサイザー3000(マルバーン社製)を用いて、乾式法により測定した。
(1) 平均粒子径が27.4μmのアジルサルタン(錠剤−1用原料)
(2) 平均粒子径が14.3μmのアジルサルタン(錠剤−2用原料)
(3) 平均粒子径が8.3μmのアジルサルタン(錠剤−3用原料)
(4) 平均粒子径が7.9μmのアジルサルタン(錠剤−4用原料)
(5) 平均粒子径が5.3μmのアジルサルタン(錠剤−5用原料)
(6) 平均粒子径が1.6μmのアジルサルタン(錠剤−6用原料)
−打錠用粉末の調製−
乳糖(Phamatose 200M、DFE pharma社製) 66.8g、及びコーンスターチ(コーンスターチW、日本コーンスターチ株式会社製) 20g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL、日本曹達株式会社製) 6g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH21、信越化学工業株式会社製) 6gを秤量し、高速攪拌混合機(メカノミル1L、岡田精工株式会社)で混合し、賦形剤混合粉末を得た。
この賦形剤混合粉末を9.88gとり、前記(1)〜(6)のいずれかのアジルサルタン 2g、及びステアリン酸マグネシウム 0.12gを添加して混合し、打錠用粉末を得た。
−打錠−
前記打錠用粉末を、万能材料試験装置(オートグラフ、株式会社島津製作所製)と、直径8.0mmの杵及び臼とを用いて、圧力8,000Nで打錠し、1錠あたり240mg(アジルサルタンとして40mg含有)の錠剤−1〜6を得た。
下記表1に錠剤1錠中の組成を示す。
<評価>
−溶出試験−
錠剤−1〜6のそれぞれについて、溶出試験液として日本薬局方溶出試験第2液(pH6.8)を用い、日本薬局方一般試験法溶出試験第2法(パドル法)により溶出試験を行った。結果を表2に示す。
なお、前記溶出試験において溶出したアジルサルタンの量は、以下のようにして測定、算出した。
−−溶出したアジルサルタンの量の測定及び算出−−
[標準溶液の調製]
アジルサルタンの原薬 22.22mgをメタノールに加えて溶解し、100mLとした(溶液(A))。前記溶液(A)を10mLとり、メタノールを加えて50mLとした(溶液(B))。前記溶液(B)と、前記溶出試験液とを1:1(体積比)で混合し、標準溶液とした。
[試料溶液の調製]
所定の時間(5分間、10分間、又は15分間)にベッセルからサンプリングした液と、メタノールとを1:1(体積比)で混合し、UPLCに供する試料溶液とした。
[分析条件]
装置 : UPLC(Waters社製)
検出波長 : 250nm
カラム温度 : 30℃
移動相 : バッファー(10mMリン酸二水素カリウム溶液をリン酸でpH3.0に調整したもの):アセトニトリル=30:70(体積比)の混液
注入量 : 0.5μL
流速 : 0.3mL/分間
カラム : ACQUITY UPLC BEH C18(Waters社製、粒子径 1.7μm、2.1mm×100mm)
[アジルサルタンの量の算出]
前記分析の結果から、アジルサルタンの量(アジルサルタンの溶出率)を下記式から算出した。
アジルサルタンの溶出率(%)=(ru/rs)×(Cs/L)×V×100
上記式中、「ru」は前記試料溶液におけるアジルサルタンの面積を示し、「rs」は前記標準溶液におけるアジルサルタンの面積を示し、「Cs」は前記標準溶液におけるアジルサルタンの濃度(mg/mL)を示し、「L」は試料のアジルサルタン含量を示し、「V」は試験溶液の量を示す。
表2の結果から、平均粒子径が14.3μm未満のアジルサルタンを用いた錠剤−3〜6では、速やかな溶出性を示すことが確認された。一方、平均粒子径が14.3μm以上のアジルサルタンを用いた錠剤−1及び2では、適切な溶出性が得られなかった。
−安定性試験−
錠剤−1〜6のそれぞれについて、60℃(開放)で1週間保存した後、アジルサルタンの類縁物質の量、即ち、アジルサルタンの分解物質の量を、以下のようにしてHPLCを用いて測定した。アジルサルタンの類縁物質の量(%)は、HPLCのアジルサルタン原薬に由来する全ピーク面積中の類縁物質のピーク面積の%で表した。結果を表4に示す。
−−アジルサルタンの類縁物質の量の測定−−
[試料溶液の調製]
保存後の前記錠剤に、90%アセトニトリルを加えて、20mLとした。
得られた溶液を0.45μmフィルター(商品名:Millex−LH、ミリポア社製)を用いてろ過したものを、HPLCに供する試料溶液とした。
[HPLC条件]
装置 : 日立 Chromaster 5000シリーズ
カラム : Inertsil ODS−3 5μm、4.6mm×150mm、25℃
注入量 : 10μL
検出 : UV 250nm
流量 : 1.5mL/分間
収集時間 : 60分間
バッファー : 10mMリン酸二水素カリウム溶液、リン酸でpH3.0に調整した。
移動相A : バッファー:アセトニトリル=65:35(体積比)の混液
移動相B : バッファー:アセトニトリル=30:70(体積比)の混液
グラジエントプログラム : 下記表3に記載
表4の結果から、アジルサルタンの平均粒子径が小さくなるほど、安定性が低下する傾向にあると考えられた。特に、平均粒子径が5.3μmのアジルサルタンと用いた錠剤−5と、平均粒子径が1.6μmのアジルサルタンを用いた錠剤−6との間では、劇的に安定性が低下していた。
−−平均粒子径の影響度の検証−−
使用したアジルサルタンの平均粒子径が最も大きく、安定であった錠剤−1を基準とし、各錠剤について、「錠剤−1における総類縁物質量との差(A)」と、「錠剤−1におけるアジルサルタンの平均粒子径との差(B)」とを求め、両者の比((A)/(B))を算出した。前記比は、アジルサルタンの平均粒子径が一定量小さくなるときに、アジルサルタンの安定性の低下に寄与するパラメーターとして考えることができる。結果を表5及び図1に示す。
図1の横軸は、アジルサルタンの平均粒子径(μm)を示し、縦軸は比((A)/(B))を示す。
表5及び図1の結果からも、平均粒子径が5.3μmのアジルサルタンと用いた錠剤−5と、平均粒子径が1.6μmのアジルサルタンを用いた錠剤−6との間では、劇的に安定性が低下していることが確認された。
以上の結果から、平均粒子径が、1.6μm超、14.3μm未満のアジルサルタンを用いることで、医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつアジルサルタンを安定化できることが確認された。
なお、一般的には、原薬の平均粒子径を小さくすることと、原薬の安定性が低下することとの間に相関関係があることは知られていない。

Claims (1)

  1. 医薬組成物におけるアジルサルタンの速やかな溶出性を維持し、かつ前記アジルサルタンを安定化する方法であって、
    平均粒子径が7.0μm〜8.3μmであるアジルサルタンを用いることを特徴とする方法。
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