JP6293575B2 - マイクロヒータ、及び、ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、発熱抵抗体を備えるマイクロヒータについての技術に関する。
従来、基板上に温度依存性の金属抵抗膜(発熱抵抗素子)が形成されたマイクロヒータが知られている(例えば、特許文献1)。
特開平10−213470号公報
特許文献1の技術では、白金により形成された金属抵抗膜の結晶粒径を800Å以上とすることでマイクロヒータの抵抗温度特性のバラツキを小さくしている。ここで、通電時の温度上昇により、通電が終了し発熱抵抗体の温度が常温に戻った後の発熱抵抗体の抵抗値は変化する。しかしながら、特許文献1の技術では、発熱抵抗体への通電が開始される前と、通電が終了し発熱抵抗体の温度が常温に戻った後の抵抗値変化の割合を低減させることについては考慮されていない。発熱抵抗体の抵抗値に変化が生じることによって、発熱抵抗体を用いたセンサの検出精度が低下する場合がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、上面と下面とを有する板状の基板と、前記上面に設けられた絶縁層と、前記絶縁層に埋め込まれた発熱抵抗素子とを備えるマイクロヒータが提供できる。このマイクロヒータの発熱抵抗素子は、前記絶縁層の面内方向に沿って成長する面内成長によって結晶粒が形成された第1層と、前記第1層上において前記絶縁層の厚さ方向に沿って成長する柱状成長によって結晶粒が形成された第2層と、を有し、前記第1層の厚さをT1とし、前記第2層の厚さをT2とした場合に、T2/T1は2.3以上を満たすことを特徴とする。一般に、面内成長によって結晶粒が形成された第1層よりも、柱状成長によって結晶粒が形成された第2層の方が、層に存在する結晶欠陥の割合が低い。この形態のマイクロヒータによれば、T2/T1が2.3以上を満たすことで発熱抵抗素子に存在する結晶欠陥の割合を低くできる。これにより、発熱抵抗素子を発熱させた場合(マイクロヒータの使用時)に発熱抵抗素子が加熱されることで結晶欠陥が低減する割合を低減できる。よって、マイクロヒータの使用前(発熱抵抗素子を加熱する前)とマイクロヒータの通電が終了し発熱抵抗体の温度が常温に戻った後との発熱抵抗素子の抵抗値の変化を低減できる。
(2)上記形態のマイクロヒータにおいて、前記発熱抵抗素子は白金を主成分としても良い。この形態のマイクロヒータによれば、発熱抵抗素子の主成分として金属のうちで比較的経時変化の少ない白金を用いることで、発熱抵抗素子の抵抗値の変化を更に低減できる。
(3)本発明の他の一形態によれば、形態1又は形態2に記載のマイクロヒータを備えた被検出ガスを検出するためのガスセンサが提供できる。この形態のガスセンサによれば、マイクロヒータの使用前(発熱抵抗素子を加熱する前)と通電が終了し発熱抵抗体の温度が常温に戻った後との発熱抵抗素子の抵抗値の変化を低減できるので、被検出ガスの検出精度の低下を抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、マイクロヒータ、マイクロヒータを備えるガスセンサ、ガスセンサを備える車両等の態様で実現することができる。
本発明の第1実施形態としてのマイクロヒータの上面図である。 図1の1F−1F断面図である。 マイクロヒータの製造方法を示すフローチャートである。 発熱抵抗素子の断面模式図である。 本実施形態の発熱抵抗素子の一部分におけるFIB−TEMを用いた第1の断面図である。 図5の断面図に第1層と第2層との境界線を記した図である。 本実施形態の発熱抵抗素子の他の一部分におけるFIB−TEMを用いた第2の断面図である。 図7の断面図に第1層と第2層との境界線を記した図である。 膜厚比(T2/T1)と抵抗変化率との関係を示す図である。 ガスセンサの上面図である。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態としてのマイクロヒータ10の上面図である。図2は、図1の1F−1F断面図である。図1及び図2に示すように、マイクロヒータ10は、複数の層30,38,40が積層された構造を有する。
図2に示すように、マイクロヒータ10は、板状の基板38と、基板38の上面(第1面)38faに設けられた第1絶縁層30と、基板38の下面(第2面)38fbに設けられた第2絶縁層(第2絶縁膜)40と、を備える。上面38faと下面38fbとは互いに対向する。
図1に示すように、基板38の外形形状は略矩形状である。基板38は、シリコン基板である。図2に示すように、基板38は空洞部52aを有する。空洞部52aは、基板38の中央部分に上面38faから下面38fbにまで至る貫通孔としての第1空洞部52aを有する。
第1絶縁層30は、外形が略矩形状の膜状である。第1絶縁層30は、第1膜32と、第2膜34と、第3膜36と、第4膜37とを備える。第1膜32〜第4膜37は、この順番で基板38上に積層されている。第1膜32は、基板38の上面38fa上に窒化ケイ素を用いて形成される。第2膜34は、第1膜32上に酸化ケイ素(SiO)を用いて形成される。第3膜36は、第2膜34上に酸化ケイ素(SiO)を用いて形成される。第4膜37は、第3膜36上に窒化ケイ素を用いて形成される。第2絶縁層40は、基板38の下面38fb上に窒化ケイ素を用いて形成される。第2絶縁層40は、空洞部52aと重なる位置に貫通孔としての第2空洞部52bを有する。第1空洞部52aと第2空洞部52bとで形成される貫通孔を単に「空洞部52」とも呼ぶ。空洞部52は、基板38の下面38fbに形成された凹部であるとも言える。
マイクロヒータ10は、更に、密着層28と、ヒータ層としての発熱抵抗素子29と、第1配線27aと、第2配線27bと、第1電極パッド55と、第2電極パッド56とを備える。密着層28は、第1絶縁層30に埋め込まれている。詳細には、密着層28は、第3膜36に埋め込まれて配置されている。密着層28は、タンタル(Ta)やニオブ(Nb)などの金属によって形成されている。発熱抵抗素子29,第1配線27a,第2配線27bは、密着層28上に形成されている。
図1に示すように、発熱抵抗素子29は、第1絶縁層30のうち空洞部52と接する部分である薄膜部50に埋め込まれている。詳細には、発熱抵抗素子29は、薄膜部50のうちの第3膜36に埋め込まれている。本実施形態では、発熱抵抗素子29は白金によって形成されている。なお、発熱抵抗素子29の詳細については後述する。
図1に示すように、第1電極パッド55及び第2電極パッド56は、マイクロヒータ10の上面10faの一辺に並んで配置されている。第1電極パッド55及び第2電極パッド56は、例えば、アルミニウム(Al)又は金(Au)で形成されている。第1電極パッド55は、第3膜36及び第4膜37に形成された第1コンタクトホール41(図2)に挿通される。第1電極パッド55は、第1絶縁層30に埋め込まれた第1配線27aを介して発熱抵抗素子29に電気的に接続されている。第2電極パッド56は、第3膜36及び第4膜37に形成された第2コンタクトホール42(図2)に挿通される。第2電極パッド56は、第1絶縁層30に埋め込まれた第2配線27bを介して発熱抵抗素子29に電気的に接続されている。第1配線27a及び第2配線27bは、発熱抵抗素子29と同じ材料(例えば、白金)を用いて形成されている。なお、第1配線27a及び第2配線27bは、発熱抵抗素子29と異なる材料(金属)によって形成されても良い。
第1膜32と第2絶縁層40と第4膜37とは、内部応力が引張応力である膜(層)である。第2膜34と第3膜36とは、内部応力が圧縮応力である膜である。
図3は、マイクロヒータ10の製造方法を示すフローチャートである。基板38の上面38fa上に第1膜32を形成し、基板38の下面38fb上に第2絶縁層40を形成する(ステップS10)。第1膜32は、上面38fa上の全域に亘って形成される。第2絶縁層40は、下面38fb上の全域に亘って形成される。ステップS10は、原料ガスとしてジクロロシランガス(SiHCl)とアンモニアガス(NH)を用いた低圧CVD法(LP−CVD法)によって第1膜32及び第2絶縁層40を成膜することで実現される。
次に、第1膜32上に第2膜34を形成する(ステップS12)。第2膜34は、第1膜32上の全域に亘って形成される。ステップS12は、原料ガスとしてケイ酸エチル(Si(CO))を用いたプラズマCVD法によって第2膜34を成膜することで実現される。
次に、第2膜34上にパターニング前の密着層28と、密着層28上にパターニング前の発熱抵抗素子29、第1配線27a、及び、第2配線27bとを形成する(ステップS14)。具体的には、ターゲット物質としてタンタルを用いたスパッタ法によって第2膜34上にパターニング前の密着層28を形成する。次に、ターゲット物質として白金を用いたスパッタ法によってパターニング前の密着層28上にパターニング前の発熱抵抗素子29、第1配線27a、及び、第2配線27bを形成する。ステップS14の後に、密着層28、発熱抵抗素子29、第1配線27a、及び、第2配線27bが所定の形状になるように、フォトリソグラフィ及びエッチングを行うことでパターニングする(ステップS16)。
次に、第2膜34上に第3膜36を形成する(ステップS18)。第3膜36は、第2膜34上の全域に亘って形成される。また、第3膜36は、第2膜34上に形成された発熱抵抗素子29と第1配線27aと第2配線27bとを覆う。ステップS18は、ステップS12と同様に、原料ガスとしてケイ酸エチル(Si(CO))を用いたプラズマCVD法によって行われる。
次に、第3膜36上に第4膜37を形成する(ステップS20)。第4膜37は、第3膜36上の全域に亘って形成される。ステップS20は、ステップS10と同様に、原料ガスとしてジクロロシランガス(SiHCl)とアンモニアガス(NH)を用いた低圧CVD法(LP−CVD法)によって行われる。
次に、第1電極パッド55と第2電極パッド56とを形成する(ステップS22)。ステップS22は、例えば、第1コンタクトホール41及び第2コンタクトホール42を形成した後に、ターゲット物質として金を用いたスパッタ法によって第1と第2コンタクトホール41,42内及び第4膜37上に成膜し、第1電極パッド55と第2電極パッド56が所定の形状になるように、フォトリソグラフィ及びエッチングを行うことでパターニングする(ステップS22)。
次に、空洞部52を形成する(ステップS24)。ステップS24は、基板38の下面38fb(図2)をエッチングのためにパターニングし、異方性エッチング溶液(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム溶液)を用いて第2絶縁層40及び基板38をエッチング処理することで実現される。
上記ステップS10〜ステップS24の処理を行うことで、図2に示すマイクロヒータ10が製造される。
図4は、発熱抵抗素子29の断面模式図である。図4は、基板38の上面10faに垂直な断面を模式的に示している。発熱抵抗素子29は、第1層29aと第2層29bとを備える。第1層29aは、発熱抵抗素子29が形成される下地層としての密着層28上に形成されている。第2層29bは、第1層29a上に形成されている。
第1層29aと第2層29bとは、結晶成長の種類が異なる。言い換えれば、第1層29aと第2層29bとは結晶の形状が異なる。第1層29aは、第1絶縁層30の面内方向PDに沿って概ね成長する結晶粒81の集合体である。第2層29bは、第1絶縁層30の厚さ方向TD(すなわち基板38に垂直な方向TD)に沿って概ね成長する結晶粒82の集合体である。第1層29aは、発熱抵抗素子29を形成するために密着層28上に形成される初期成長層である。第2層29bは、第1層29a上に形成され、結晶粒82が厚さ方向TDに沿って概ね成長した柱状成長層である。
第1層29aは、基板38の上面38faに垂直な断面(所定断面)において、面内方向PDに沿った長さ(最大長さ)PLaが、厚さ方向TDに沿った長さ(最大長さ)TLaよりも長い結晶粒81の集合体である。第2層29bは、所定断面において、面内方向PDに沿った長さ(最大長さ)PLbが、厚さ方向TDに沿った長さ(最大長さ)TLbよりも短い結晶粒82の集合体である。
本実施形態において、第1層29aの厚さをT1とし、第2層29bの厚さをT2とした場合に、膜厚比(T2/T1)は2.3以上を満たす。厚さT1は、所定断面における第1層29aの厚さの平均値であり、厚さT2は、所定断面における第2層29bの厚さの平均値である。厚さT2は、発熱抵抗素子29の厚さの平均値から第1層29aの厚さの平均値を差し引くことで算出される。膜厚比(T2/T1)は、発熱抵抗素子29を成膜するためのスパッタ時間を変更することで調整できる。すなわち、第1層29aの厚さT1は、スパッタ時間に拘わらず概ね一定であるのに対し、第2層29bの厚さT2は、スパッタ時間を長くする程大きくなる。よって、スパッタ時間を長くすることで膜厚比(T2/T1)を大きくできる。
図5は、本実施形態の発熱抵抗素子29の一部分におけるFIB−TEMを用いた第1の断面図である。第1の断面図は、基板38の上面38faに垂直な断面図である。図6は、図5の断面図に第1層29aと第2層29bとの境界線BDを記した図である。図6に示す断面図において、膜厚比(T2/T1)は2.3以上である。
図7は、本実施形態の発熱抵抗素子29の他の一部分におけるFIB−TEMを用いた第2の断面図である。第2の断面図は、基板38の上面38faに垂直な断面図である。図8は、図7の断面図に第1層29aと第2層29bとの境界線BDを記した図である。図8に示す断面図において、膜厚比(T2/T1)は2.3以上である。
図9は、膜厚比(T2/T1)と抵抗変化率との関係を示す図である。図9では、膜厚比(T2/T1)が異なる3つのサンプルNo.1〜No.3に対する抵抗変化率を求めた結果である。サンプルNo.1〜No.3は、マイクロヒータ10である。サンプルNo.1は、膜厚比(T2/T1)が0.98であり、サンプルNo.2は、膜厚比(T2/T1)が2.3であり、サンプルNo.3は膜厚比(T2/T1)が3.75である。発熱抵抗素子29の厚さ(平均の厚さ)は、サンプルNo.1が150nmであり、サンプルNo.2が250nmであり、サンプルNo.3が360nmである。第1層29aの厚さT1(平均厚さT1)は、サンプルNo.1〜No.3のいずれにおいても75.8nmである。また、発熱抵抗素子29を形成するためのスパッタ時間は、サンプルNo.1が19分42秒であり、サンプルNo.2が31分42秒であり、サンプルNo.3が45分3秒である。サンプルNo.1〜サンプルNo.3のそれぞれについて、9つのサンプルについて抵抗変化率を測定すると共に、それらの測定結果の平均値を算出した。
抵抗変化率は、以下のように算出した。サンプルNo.1〜No.3について、温度を上昇させる前(マイクロヒータ10への通電前)の発熱抵抗素子29の抵抗値Rbを測定する。また、サンプルNo.1〜No.3について、発熱抵抗素子29の温度を400℃まで上昇させ、400℃の温度で100時間維持した後に常温にまで低下させた発熱抵抗素子29の抵抗値Rfを測定する。そして、以下の式(1)を用いて抵抗変化率を算出した。
図9に示すように、膜厚比(T2/T1)が2.3以上のサンプルNo.2及びNo.3では、抵抗変化率の平均値が0.05%以下となった。抵抗変化率が0.05%以下であれば、マイクロヒータ10を用いたガスセンサなどの検出精度の低下を抑制できる。
上記のごとく、本実施形態のマイクロヒータ10は、発熱抵抗素子29の膜厚比(T2/T1)が2.3以上である。一般に、面内成長によって結晶粒が形成された第1層29aよりも、柱状成長によって結晶粒が形成された第2層29bの方が、層に存在する結晶欠陥の割合が低い。よって、発熱抵抗素子29における第2層29bの割合を高くすることで、発熱抵抗素子29を発熱させた場合(マイクロヒータの使用時)に発熱抵抗素子29が加熱されることで結晶欠陥が低減する割合を低減できる。よって、マイクロヒータ10の使用前(発熱抵抗素子を加熱する前)と通電が終了し発熱抵抗素子29の温度が常温に戻った後との発熱抵抗素子29の抵抗値の変化を低減できる。なお、発熱抵抗素子29の抵抗値の変化を更に低減するために、膜厚比(T2/T1)は、3.0以上であることが好ましく、3.75(サンプルNo.3)以上であることが更に好ましい。
また、本実施形態では、発熱抵抗素子29が金属のうちで比較的経時変化の少ない白金によって形成されているため、発熱抵抗素子の抵抗値の変化を更に低減できる。
B.第2実施形態:
図10は、第1実施形態のマイクロヒータ10を用いたガスセンサ100の上面図である。ガスセンサ100は、被検出ガスへの熱伝導を利用して被検出ガスの濃度を検出する熱伝導式ガス検出器である。このガスセンサ100は、例えば、エネルギー源として水素ガスを利用した燃料電池を搭載するシステム(例えば、燃料電池自動車や、家庭用燃料電池システム)に配置され、可燃性ガスである水素ガスを検出する。これにより、システム内における水素ガスの漏れを検出できる。
ガスセンサ100は、マイクロヒータ10に加え、測温抵抗体96と、配線97,98と、電極パッド57,58とを備える。測温抵抗体96は、被検出ガスを含む流体(雰囲気ガス)の温度を検出するための部材である。測温抵抗体96は、発熱抵抗素子29の周囲の一部を取り囲むように、発熱抵抗素子29の外側に配置されている。測温抵抗体96は、発熱抵抗素子29と同様に第1絶縁層30の(図2)の内部(詳細には、図2の第2膜34上)に形成されている。測温抵抗体96は、抵抗値が温度に比例して変化する導電性材料によって形成されている。本実施形態では、測温抵抗体96は白金によって形成されている。本実施形態の測温抵抗体96は、温度の上昇に伴って抵抗値が増大する。なお、測温抵抗体96は、符号96で示す領域中に細い白金パターンが形成されることで構成されているが図示は省略する。電極パッド57,58は、配線97,98を介して測温抵抗体96に電気的に接続されている。発熱抵抗素子29は、被検出ガスの濃度を検出するための検出素子として機能する。
被検出ガスとして例えば水素ガスの濃度を検出する場合、水素ガスへの熱伝導によって発熱抵抗素子29から奪われる熱量の大きさは、水素ガス濃度に応じた大きさとなる。このことから、一定温度に制御される発熱抵抗素子29の端子間電圧の変化に基づいて水素ガス濃度を検出できる。ここで、発熱抵抗素子29の端子間電圧は、被検出ガスの温度の影響を受けるため、測温抵抗体96の抵抗値に基づき検出される温度を用いて、発熱抵抗素子29の端子間電圧に基づき検出した水素ガスの濃度を補正する。これにより、ガスセンサ100は、水素ガス濃度を検出できる。
C.変形例:
C−1.第1変形例:
上記実施形態では、発熱抵抗素子29は白金によって形成されていたが、これに限定されるものではない。発熱抵抗素子29は、白金を主成分とする金属(白金を50質量%以上含む金属)によって形成されることが好ましい。発熱抵抗素子29の主成分として金属のうちで比較的経時変化の少ない白金を用いることで、発熱抵抗素子29の抵抗値の変化を更に低減できる。
C−2.第2変形例:
上記実施形態では、マイクロヒータ10は密着層28(図2)を有していたが省略しても良い。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…マイクロヒータ
10fa…上面
27a…第1配線
27b…第2配線
28…密着層
29…発熱抵抗素子
29a…第1層
29b…第2層
30…第1絶縁層
32…第1膜
34…第2膜
36…第3膜
37…第4膜
38…基板
38fa…上面
38fb…下面
40…第2絶縁層
41…第1コンタクトホール
42…第2コンタクトホール
50…薄膜部
52…空洞部
52a…第1空洞部
52b…第2空洞部
55…第1電極パッド
56…第2電極パッド
57…電極パッド
81…結晶粒
82…結晶粒
96…測温抵抗体
97…配線
100…ガスセンサ
PD…面内方向
TD…厚さ方向
BD…境界線

Claims (3)

  1. 上面と下面とを有する板状の基板と、前記上面に設けられた絶縁層と、前記絶縁層に埋め込まれた発熱抵抗素子とを備えるマイクロヒータであって、
    前記発熱抵抗素子は、
    前記絶縁層の面内方向に沿って成長する面内成長によって結晶粒が形成された第1層と、
    前記第1層上において前記絶縁層の厚さ方向に沿って成長する柱状成長によって結晶粒が形成された第2層と、を有し、
    前記第1層の厚さをT1とし、前記第2層の厚さをT2とした場合に、T2/T1は2.3以上を満たす、ことを特徴とするマイクロヒータ。
  2. 請求項1に記載のマイクロヒータであって、
    前記発熱抵抗素子は白金を主成分とする、ことを特徴とするマイクロヒータ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のマイクロヒータを備えた被検出ガスを検出するためのガスセンサ。
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