以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる画像形成装置の実施形態を詳細に説明する。以下の各実施形態では、本発明の画像形成装置を電子写真方式のカラー印刷装置、具体的には、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色の色成分画像を記録紙上で重ね合わせて画像を形成する印刷装置に適用した場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。本発明の画像形成装置は、電子写真方式で画像を形成する装置であれば、カラー、モノクロを問わず適用でき、例えば、電子写真方式の複写機や複合機(MFP:Multifunction Peripheral)などにも適用できる。なお、複合機とは、印刷機能、複写機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する装置である。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の印刷装置の構成について説明する。
図1は、第1実施形態の印刷装置1の一例を示す機械的構成図である。図1に示すように、印刷装置1は、画像形成部10Y、10M、10C、及び10Kと、中間転写ベルト60と、支持ローラ61、62と、二次転写部対向ローラ63と、二次転写ローラ64と、表面電位センサ65と、用紙カセット70と、給紙ローラ71と、搬送ローラ対72と、紙厚センサ80と、定着装置90と、二次転写電源200とを、備える。
画像形成部10Y、10M、10C、及び10Kは、図1に示すように、中間転写ベルト60の移動方向(矢印a方向)の上流側から、画像形成部10Y、10M、10C、10Kの順番で中間転写ベルト60に沿って配置されている。
図2は、第1実施形態の画像形成部10Yの一例を示す機械的構成図である。図2に示すように、画像形成部10Yは、感光体ドラム11Yと、帯電装置20Yと、現像装置30Yと、一次転写ローラ40Yと、クリーニング装置50Yとを、備える。画像形成部10Y及び図示せぬ照射装置は、感光体ドラム11Y上で作像プロセス(帯電工程、照射工程、現像工程、転写工程、及びクリーニング工程)を行うことにより、感光体ドラム11Y上にイエローの色成分画像(トナー画像)を形成し、中間転写ベルト60に転写する。
なお、画像形成部10M、10C、及び10Kは、いずれも画像形成部10Yと共通の構成要素を備えており、画像形成部10Mは、作像プロセスを行うことによりマゼンタの色成分画像(トナー画像)を形成し、画像形成部10Cは、作像プロセスを行うことによりシアンの色成分画像(トナー画像)を形成し、画像形成部10Kは、作像プロセスを行うことによりブラックの色成分画像(トナー画像)を形成する。このため、以下では、画像形成部10Yの構成要素についての説明を主に行い、画像形成部10M、10C、及び10Kの構成要素については、画像形成部10Yの構成要素の符号に付したYに替えてそれぞれM、C、Kを付すに留め(図1参照)、その説明を省略する。
感光体ドラム11Yは、像担持体であり、図示せぬ感光体ドラム駆動装置により矢印b方向に回転駆動される。感光体ドラム11Yは、例えば、外径60mmの有機感光体である。感光体ドラム11M、11C、及び11Kについても同様に、図示せぬ感光体ドラム駆動装置により矢印b方向に回転駆動される。
なお、ブラック用の感光体ドラム11Kと、カラー用の感光体ドラム11Y、11M、及び11Cとを、独立して回転駆動できるようにしてもよい。これにより、モノクロ画像を形成する場合にはブラック用の感光体ドラム11Kのみを回転駆動し、カラー画像を形成する場合には感光体ドラム11Y、11M、11C、及び11Kを同時に回転駆動させることができる。
まず、帯電工程では、帯電装置20Yは、回転駆動されている感光体ドラム11Yの表面を帯電する。具体的には、帯電装置20Yは、例えばローラ形状の導電性弾性体である帯電ローラ(図示省略)に対して直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する。これにより、帯電装置20Yは、帯電ローラと感光体ドラム11Yとの間で直接放電を起こし、感光体ドラム11Yを所定の極性、例えば、マイナス極性に帯電する。
続いて、照射工程では、図示せぬ照射装置は、感光体ドラム11Yの帯電面に光変調されたレーザ光Lを照射し、感光体ドラム11Yの表面にイエローの色成分画像に対応した静電潜像を形成する。この結果、レーザ光Lが照射され感光体ドラム11Yの表面部分の電位の絶対値が低下した部分が静電潜像(画像部)となり、レーザ光Lが照射されず電位の絶対値が高く保たれた部分が地肌部となる。
続いて、現像工程では、現像装置30Yは、感光体ドラム11Y上に形成された静電潜像をイエロートナーで現像し、感光体ドラム11Y上にイエローのトナー画像を形成する。
現像装置30Yは、収容容器31Yと、収容容器31Yに収容された現像スリーブ32Yと、収容容器31Yに収容されたスクリュー部材33Yとを、備える。収容容器31Yには、イエロートナーとキャリアとを有する2成分現像剤が収容されている。現像スリーブ32Yは、現像剤担持体であり、収容容器31Yの開口部を介して感光体ドラム11Yと対向するように配置されている。スクリュー部材33Yは、現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌部材である。スクリュー部材33Yは、現像スリーブ側となる現像剤の供給側と、図示せぬトナー補給装置から供給を受ける受給側とに配置され、図示せぬ軸受け部材によって収容容器31Yに回転自在に支持されている。
続いて、転写工程では、一次転写ローラ40Yは、感光体ドラム11Y上に形成されたイエローのトナー画像を中間転写ベルト60に転写する。なお、感光体ドラム11Y上には、トナー画像の転写後においても未転写トナーが僅かながら残存する。
一次転写ローラ40Yは、例えば導電性のスポンジ層を有する弾性ローラであり、中間転写ベルト60の裏面から感光体ドラム11Yに対して押し当てられるように配置されている。なお、弾性ローラには、一次転写バイアスとして定電流制御されたバイアスが印加されている。一次転写ローラ40Yは、例えば、外形が16mmであり、心金径が10mmであり、スポンジ層の抵抗Rの値が約3E7Ωである。なお、スポンジ層の抵抗Rの値は、接地された外径30mmの金属ローラを10Nで押し当てた状態で一次転写ローラ40Yの心金に電圧Vを1000V印加したときに流れる電流Iからオームの法則(R=V/I)を用いて算出した値である。
続いて、クリーニング工程では、クリーニング装置50Yは、感光体ドラム11Y上に残存している未転写トナーを払拭する。クリーニング装置50Yは、クリーニングブレード51Yと、クリーニングブラシ52Yとを、備える。クリーニングブレード51Yは、感光体ドラム11Yの回転方向に対してカウンタ方向から感光体ドラム11Yと当接している状態で感光体ドラム11Yの表面をクリーニングする。クリーニングブラシ52Yは、感光体ドラム11Yの回転方向と逆方向に回転しながら感光体ドラム11Yと接触している状態で感光体ドラム11Yの表面をクリーニングする。
図1に戻り、中間転写ベルト60は、支持ローラ61、62や二次転写部対向ローラ63などの複数のローラに掛け回されたエンドレスのベルトであり、支持ローラ61、62の一方が回転駆動させられることにより矢印a方向に無端移動する。中間転写ベルト60には、まず、画像形成部10Yによりイエローのトナー画像が転写され、続いて、画像形成部10Mによりマゼンタのトナー画像、画像形成部10Cによりシアンのトナー画像、画像形成部10Kによりブラックのトナー画像が順次重畳して転写される。これにより、中間転写ベルト60上にフルカラーのトナー画像が形成される。そして中間転写ベルト60は、形成されたフルカラーの画像を二次転写部対向ローラ63と二次転写ローラ64との間に搬送する。中間転写ベルト60は、例えば、厚さが60μm、体積抵抗率が約1e9Ωcm(三菱化学製ハイレスタ−UP MCP HT450 印加電圧100Vでの測定値)の無端状カーボン分散ポリイミド樹脂で構成される。支持ローラ62は接地されている。
表面電位センサ65(例えば、TDK(株)製EFS−22D)は、支持ローラ62に対向する形で、中間転写ベルト60から約4mm離れた位置に配置されている。表面電位センサ65は、中間転写ベルト60上に転写されたトナー像が支持ローラ62を通過する際、トナー層の表面電位を計測する。
用紙カセット70には、複数の記録紙が重ね合わせて収容される。本実施形態では、記録紙は、凹凸の大きいレザック紙であるものとするがこれに限定されるものではない。
給紙ローラ71は、用紙カセット70の最上部に位置する記録紙Pに当接されており、当接している記録紙Pを給紙する。
搬送ローラ対72(搬送手段の一例)は、給紙ローラ71により給紙された記録紙P(記録媒体の一例)を、二次転写部対向ローラ63と二次転写ローラ64との間に(矢印c方向)所定のタイミングで搬送する。
紙厚センサ80(検知手段の一例)は、搬送ローラ対72により搬送中の記録紙Pの紙厚を順次検知する。なお、紙厚センサ80は、搬送ローラ対72により搬送されている記録紙Pの先端が二次転写部対向ローラ63及び二次転写ローラ64に到達するまでに記録紙Pの紙厚を検知する。
図3は、第1実施形態の紙厚センサ80の一例を示す機械的構成図である。図3に示すように、紙厚センサ80は、透過型センサであり、記録紙搬送経路の上ガイド板73の上部に配置された発光ダイオード81と、記録紙搬送経路の下ガイド板74の下部に配置された受光素子82とを、備える。発光ダイオード81は、記録紙Pが発光ダイオード81と受光素子82との間を通過する際に、受光素子82に対して光を所定周期で発光する。受光素子82は、発光ダイオード81から光が発光される毎に、発光ダイオード81から発光され記録紙Pを透過した光の光量を検知する。これにより、受光素子82は、記録紙Pの紙厚を順次検知し、紙厚に応じた信号(電圧)を順次出力する。なお、受光素子82は、紙厚が厚いほど低い値(電圧)を出力するものとする。本実施形式では、紙厚センサ80は、光方式で紙厚を検知する例について記載しているが、これに限定されるものではなく、超音波方式で紙厚を検知するようにしてもよい。この場合、紙厚センサ80は、超音波を発信する発信器と超音波を受信する受信器とを備え、受信器が、発信器から発信され記録紙Pを透過した超音波を検出することにより、記録紙Pの紙厚を検知し、紙厚に応じた信号を出力する。
図1に戻り、二次転写部対向ローラ63と二次転写ローラ64との間に形成された二次転写ニップ(図示省略)は、中間転写ベルト60により搬送されたフルカラーのトナー画像を、搬送ローラ対72により搬送された記録紙P上に一括転写する。
二次転写部対向ローラ63は、例えば、外形が24mmであり、心金径が16mmであり、導電性のNBR系ゴム層である。なお、導電性のNBR系ゴム層の抵抗Rの値は、1次転写ローラ40Yと同様の測定方法で約4E7Ωである。二次転写ローラ64は、例えば、外形が24mmであり、心金径が14mmであり、導電性のNBR系ゴム層である。なお、導電性のNBR系ゴム層の抵抗Rの値は、1次転写ローラ40Yと同様の測定方法で約1E6Ω以下である。
二次転写部対向ローラ63(転写手段の一例)には、転写バイアス用の二次転写電源200が接続されている。二次転写電源200は、二次転写ニップがフルカラーのトナー画像を記録紙P上に転写する際に、二次転写部対向ローラ63に電圧を印加する。具体的には、二次転写電源200は、紙厚センサ80により検知された記録紙Pの紙厚に応じて、直流電圧のみを二次転写部対向ローラ63に印加したり、直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧を二次転写部対向ローラ63に印加したりする。これにより、二次転写部対向ローラ63と二次転写ローラ64との間に電位差が生じ、フルカラーのトナーが中間転写ベルト60から記録紙P側へ向かう電圧が生じるため、フルカラーのトナー像を記録紙Pに転写することができる。ここで、本実施形態における電位差は、(二次転写部対向ローラ63の電位)−(二次転写ローラ64の電位)とする。
定着装置90は、フルカラーのトナー像が転写された記録紙Pを加熱及び加圧することにより、フルカラーのトナー像を記録紙Pに定着する。そして、フルカラーのトナー像が定着された記録紙Pは、印刷装置1の外部に排紙される。
図4は、第1実施形態の印刷装置1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、印刷装置1は、紙厚センサ80と、エンジン制御部100と、二次転写電源200と、二次転写部対向ローラ63とを、備える。
紙厚センサ80は、発光ダイオード81と受光素子82とを備えており、記録紙の紙厚を順次検知し、検知した紙厚に応じた紙厚信号を順次エンジン制御部100に出力する。具体的には、受光素子82は、発光ダイオード81から発光され記録紙Pを透過した光の光量を検出することにより、記録紙Pの紙厚を検知し、検知した紙厚に応じた紙厚信号をエンジン制御部100に出力する。
エンジン制御部100は、エンジン制御、例えば、画像形成に関わる制御を行うものであり、I/O制御部110と、CPU(Central Processing Unit)120と、RAM(Random Access Memory)130と、ROM(Read Only Memory)140とを、備える。
I/O制御部110は、各種信号の入出力を制御するものであり、A/D変換部112と、電圧制御部114とを、備える。A/D変換部112は、紙厚センサ80(受光素子82)から入力されたアナログの紙厚信号をデジタルの紙厚信号に変換する。電圧制御部114については、後述する。
CPU120は、I/O制御部110からデジタルの紙厚信号を取得し、記録紙の紙厚の差、即ち、凹凸の大きさを算出する。そしてCPU120は、算出した紙厚の差が第1閾値よりも小さい場合には、二次転写電源200に直流電圧のみで高圧出力させることを電圧制御部114に指示し、算出した紙厚の差が第1閾値以上の場合には、二次転写電源200に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧で高圧出力させることを電圧制御部114に指示する。CPU120は、RAM130を作業領域として上述の処理を行う。
図5は、第1実施形態のCPU120の詳細構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、CPU120は、書込部121と、算出部123と、判定部125とを、含む。
書込部121は、A/D変換部112からデジタルの紙厚信号を取得する毎に、取得した紙厚信号が示す値を紙厚情報(厚さ情報の一例)としてRAM130に書き込む。
算出部123は、RAM130に書き込まれた紙厚情報それぞれの中から紙厚の差の算出用の紙厚情報を特定し、特定した紙厚情報を用いて紙厚の差を算出する。具体的には、算出部123は、RAM130に書き込まれた紙厚情報それぞれの中から最大値及び最小値を紙厚の差の算出用の紙厚情報として特定し、特定した最大値及び最小値の差を紙厚の差として算出する。
判定部125は、算出部123により算出された紙厚の差が第1閾値以上であるか否かを判定する。そして判定部125は、紙厚の差が第1閾値よりも小さい場合には、二次転写電源200に直流電圧のみで高圧出力させることを電圧制御部114に指示し、紙厚の差が第1閾値以上の場合には、二次転写電源200に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧で高圧出力させることを電圧制御部114に指示する。
RAM130は、揮発性の記憶装置(メモリ)であり、CPU120などの作業領域として使用される。
ROM140は、不揮発性の読出専用の記憶装置(メモリ)であり、印刷装置1で実行される各種プログラムや印刷装置1で実行される各種処理に使用されるデータなどを記憶する。例えばROM140は、二次転写電源200に直流電圧の出力を指示するための直流出力制御データや二次転写電源200に交流電圧の出力を指示するための交流出力制御データを記憶する。
電圧制御部114は、CPU120により直流電圧のみでの高圧出力が指示された場合、ROM140に記憶されている直流出力制御データに基づく直流出力制御信号を二次転写電源200に出力する。また電圧制御部114は、CPU120により直流電圧に交流電圧を重畳した高圧出力が指示された場合、直流出力制御信号及びROM140に記憶されている交流出力制御データに基づく交流出力制御信号を二次転写電源200に出力する。
二次転写電源200は、出力部205を含む。出力部205は、電圧制御部114から直流出力制御信号が入力された場合、二次転写部対向ローラ63に対して直流電圧のみの高圧出力を行い、二次転写部対向ローラ63に電圧を印加する。また二次転写電源200は、電圧制御部114から直流出力制御信号及び交流出力制御信号が入力された場合、二次転写部対向ローラ63に対して直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧での高圧出力を行い、二次転写部対向ローラ63に電圧を印加する。
図6は、第1実施形態の出力部205の電気的構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、出力部205は、交流電源制御部210Aと、直流電源制御部210Bとを有する。交流電源制御部210Aは、交流制御部201Aと、交流駆動部202Aと、交流高圧トランス203Aと、交流検出部204Aとを、有する。直流電源制御部210Bは、直流制御部201Bと、直流駆動部202Bと、直流高圧トランス203Bと、直流検出部204Bとを、有する。なお図6に示す例では、二次転写電源200の動作に用いられる電源入力の図示は、省略している。
交流制御部201Aには、電圧制御部114から交流高圧トランス203Aの交流高圧出力の電流又は電圧を設定するAC_PWM信号(交流出力制御信号)が入力され、また、交流検出部204Aから当該交流検出部204Aにより検出された交流高圧トランス203Aの交流高圧出力の出力電流値及び出力電圧値が入力される。そして交流制御部201Aは、入力されたAC_PWM信号で指示された電流又は電圧で、かつ、入力された出力電流値が所定値となるように、交流駆動部202Aを介して交流高圧トランス203Aの駆動を制御する。
交流駆動部202Aには、電圧制御部114から二次転写電源200の交流電圧の周波数を設定するCLK信号が入力される。そして交流駆動部202Aは、入力されたCLK信号及び交流制御部201Aからの制御に従って、交流高圧トランス203Aを駆動する。なお、電圧制御部114からCLK信号で二次転写電源200の交流電圧の周波数を交流駆動部202Aに指示するのではなく、交流駆動部202Aが予め用意された固定の周波数を用いるようにしてもよい。
交流高圧トランス203Aは、交流駆動部202Aにより駆動され、二次転写電源200からの交流電圧を変圧して、交流高圧出力を行う。また交流高圧トランス203Aは、直流高圧トランス203Bからの直流高圧出力と交流高圧出力とを重畳した高圧出力を行う。
交流検出部204Aは、交流高圧トランス203Aの交流高圧出力の出力電流値及び出力電圧値を検出し、交流制御部201Aに出力する。また、交流検出部204Aは、検出した出力電流値及び出力電圧値をAC_FB_I信号として電圧制御部114に出力する。これは、エンジン制御部100において、負荷状態を監視するためである。
ここで、交流検出部204Aは、交流制御部201Aにおいて、交流高圧トランス203Aの交流高圧出力の定電流制御及び定電圧制御の両制御を可能とするために、出力電流値及び出力電圧値を検出している。但し本実施形態では、交流制御部201Aは、定電圧制御よりも定電流制御を優先しており、通常は、出力電流値を用いた定電流制御を行っている。本実施形態では、出力電圧値は、交流高圧トランス203Aの交流高圧出力の上限電圧の抑制のために使用され、交流制御部201Aは、出力電圧値を用いて無負荷状態などでの最高電圧を制御する。
直流制御部201Bには、電圧制御部114から直流高圧トランス203Bの直流高圧出力の電流又は電圧を設定するDC_PWM信号(直流出力制御信号)が入力され、また、直流検出部204Bから当該直流検出部204Bにより検出された直流高圧トランス203Bの直流高圧出力の出力電流値及び出力電圧値が入力される。そして直流制御部201Bは、入力されたDC_PWM信号で指示された電流又は電圧で、かつ、入力された出力電流値が所定値となるように、直流駆動部202Bを介して直流高圧トランス203Bの駆動を制御する。
直流駆動部202Bは、直流制御部201Bからの制御に従って、直流高圧トランス203Bを駆動する。
直流高圧トランス203Bは、直流駆動部202Bにより駆動され、二次転写電源200からの直流電圧を変圧して、直流高圧出力を行う。
直流検出部204Bは、直流高圧トランス203Bの直流高圧出力の出力電流値及び出力電圧値を検出し、直流制御部201Bに出力する。また、直流検出部204Bは、検出した出力電流値及び出力電圧値をDC_FB_I信号として電圧制御部114に出力する。これは、エンジン制御部100において、負荷状態を監視するためである。
ここで、直流検出部204Bは、直流制御部201Bにおいて、直流高圧トランス203Bの直流高圧出力の定電流制御及び定電圧制御の両制御を可能とするために、出力電流値及び出力電圧値を検出している。但し本実施形態では、直流制御部201Bは、定電圧制御よりも定電流制御を優先しており、通常は、出力電流値を用いた定電流制御を行っている。本実施形態では、出力電圧値は、直流高圧トランス203Bの直流高圧出力の上限電圧の抑制のために使用され、直流制御部201Bは、出力電圧値を用いて無負荷状態などでの最高電圧を制御する。
ここでは、二次転写電源200のみで直流と交流とを重畳した高圧出力を行う例について記載したが、電圧レベルが高い時は電源自体を作ることが困難になるので、直流電源及び交流電源をリレーで切り替える方式で直流と交流とを重畳した高圧出力を行うようにしてもよい。
図7は、第1実施形態の二次転写電源200で直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧の時間変化の一例の説明図である。ここで、Voffは、印加電圧による対向部材(二次転写ローラ64)に対する転写部材(二次転写部対向ローラ63)の電位差(転写部材の電位−対向部材の電位)の時間平均値を表す。ここでは、対向部材の電位は0Vであるため、Voffは、二次転写電源200から転写部材に印加される直流成分と同じ値となる。またVppは、印加電圧のピーク間電圧を表す。またVtは、転写部材から対向部材へ向かう方向の電圧のピーク値を表し、Vrは、対向部材から転写部材へ向かう方向の電圧のピーク値を表す。
図8は、第1実施形態の二次転写電源200で直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧を二次転写部対向ローラ63に印加した場合の記録紙Pへのトナー付着原理の一例の説明図である。直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧で二次転写部対向ローラ63を印加した場合、図7に示すような電圧波形となるため、二次転写部対向ローラ63から二次転写ローラ64へ向かう電圧及び二次転写ローラ64から二次転写部対向ローラ63へ向かう電圧が所定周期で切り替わる。この結果、図8に示すように、中間転写ベルト60(図示省略)に形成されたフルカラーのトナー像のトナーTが記録紙Pへ向かう方向及びその反対方向に動きだし、ある程度の電圧レベルになると、記録紙Pの凹部にトナーが付着する。
図9は、第1実施形態の二次転写電源200で直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧を二次転写部対向ローラ63に印加した場合の記録紙Pへのトナー付着状態の一例を示す図である。図9に示す例では、記録紙Pの凹部及び凸部に満遍なくトナーが付着しているため、白抜けなどの濃度ムラが発生していないことがわかる。
ここで、比較例として、二次転写電源200で直流電圧のみを二次転写部対向ローラ63に印加した場合の記録紙Pへのトナー付着状態の一例を図10に示す。図10に示す例では、記録紙Pの凹部にトナーが付着しておらず、白抜けなどの濃度ムラが発生していることがわかる。
次に、第1実施形態の印刷装置の動作について説明する。
図11は、第1実施形態の印刷装置1で行われる転写制御処理の一例を示すフローチャートであり、図12は、第1実施形態の印刷装置1で行われる転写制御手法の一例の説明図である。以下では、図12の説明図を参照しながら図11のフローチャートを説明する。なお、図11及び図12において、Cは、紙厚情報の書込回数を表し、S(C)は、紙厚情報を表し、S(C)maxは、紙厚情報の最大値を表し、S(C)minは、紙厚情報の最小値を表し、Aは第1閾値を表すものとする。
まず、書込部121は、Cの値及びS(C)の値を0に初期化する(ステップS100)。本実施形態では、紙厚センサ80が記録紙P(の先端)を検知すると、書込部121が、ステップS100の処理を行うものとする。
続いて、書込部121は、発光ダイオード81を点灯させ(ステップS102)、発光ダイオード81からの透過光の光量を受光素子82に検知させることにより、記録紙Pの紙厚を検知させる(ステップS104)。そして受光素子82は、検知した紙厚に応じた紙厚信号をエンジン制御部100に出力し、A/D変換部112は、受光素子82から入力されたアナログの紙厚信号をデジタルの紙厚信号に変換する。
続いて、書込部121は、A/D変換部112からデジタルの紙厚信号を取得し、取得した紙厚信号が示す値をS(C)に設定し、RAM130に書き込む(ステップS106)。
続いて、書込部121は、Cをインクリメントし(ステップS108)、Cの値が10以上となるまでステップS102〜S108の処理を繰り返す(ステップS110でNo)。なお、書込部121は、図12に示すように、ステップS102〜S108の処理を1msの周期で繰り返すものとする。この結果、図12に示すように、10回分のS(C)がRAM130に書き込まれる。ここでは、1msの周期でステップS102〜S108の処理を繰り返せば、記録紙Pの凹部の紙厚及び凸部の紙厚をS(C)に設定できるものとする。
続いて、Cの値が10以上となると(ステップS110でYes)、算出部123は、RAM130に書き込まれた10回分のS(C)の中から、S(C)max及びS(C)minを特定し(ステップS112)、図12に示すように、S(C)max−S(C)minを算出する。
続いて、判定部125は、S(C)max−S(C)minがA以上であるか否かを判定する(ステップS114)。
S(C)max−S(C)minがA以上である場合(ステップS114でYes)、判定部125は、二次転写電源200に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧で高圧出力させることを電圧制御部114に指示し、電圧制御部114は、直流出力制御信号及び交流出力制御信号を二次転写電源200に出力する。
そして二次転写電源200の出力部205は、二次転写部対向ローラ63に対して直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧で高圧出力を行い、二次転写部対向ローラ63に電圧を印加する(ステップS116)。これにより、二次転写部対向ローラ63は、直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧を用いて、記録紙Pに画像を転写する。
一方、S(C)max−S(C)minがAより小さい場合(ステップS114でNo)、判定部125は、二次転写電源200に直流電圧で高圧出力させることを電圧制御部114に指示し、電圧制御部114は、直流出力制御信号を二次転写電源200に出力する。
そして二次転写電源200の出力部205は、二次転写部対向ローラ63に対して直流電圧で高圧出力を行い、二次転写部対向ローラ63に電圧を印加する(ステップS118)。これにより、二次転写部対向ローラ63は、直流電圧を用いて、記録紙Pに画像を転写する。
なお、図11及び図12で説明したC及びS(C)の初期化タイミング、並びにS(C)の設定周期は、一例であり、これに限定されるものではなく、適宜設定可能である。また、記録紙Pの搬送位置を基準にしてもよいし、時間を基準にしてもよい。
以上のように第1実施形態によれば、記録紙の凹凸の大きさが所定以上の場合には、直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧を用いて画像を記録紙に転写するので、画像の濃度ムラを低減することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、紙厚情報からノイズを除去する例について説明する。なお以下では、第1実施形態との相違点の説明を主に行い、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素については、第1実施形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
図13は、第2実施形態の印刷装置301のCPU420の詳細構成の一例を示すブロック図である。図13に示すように、第2実施形態のCPU420は、算出部423が第1実施形態と相違する。
算出部423は、RAM130に書き込まれた紙厚情報それぞれのうち最大値及び最小値を除いた厚さ情報の中から紙厚の差の算出用の紙厚情報を特定し、特定した紙厚情報を用いて紙厚の差を算出する。例えば算出部423は、RAM130に書き込まれた紙厚情報それぞれのうち最大値及び最小値を除いた厚さ情報の中から最大値の次に大きい次最大値及び最小値の次に小さい次最小値を紙厚の差の算出用の紙厚情報として特定し、特定した次最大値及び次最小値の差を紙厚の差として算出する。
図14は、第2実施形態の印刷装置301で行われる転写制御処理の一例を示すフローチャートであり、図15は、第2実施形態の印刷装置301で行われる転写制御手法の一例の説明図である。以下では、図15の説明図を参照しながら図14のフローチャートを説明する。なお、図14及び図15において、S(C)max2は、紙厚情報の次最大値(2番目に大きい値)を表し、S(C)min2は、紙厚情報の次最小値(2番目に小さい値)を表すものとする。
まず、ステップS200〜S210までの処理は、図11のステップS100〜S110までの処理と同様である。
続いて、Cの値が10以上となると(ステップS210でYes)、算出部423は、RAM130に書き込まれた10回分のS(C)の中から、S(C)max2及びS(C)min2を特定し(ステップS212)、図15に示すように、S(C)max2−S(C)min2を算出する。
続いて、判定部125は、S(C)max2−S(C)min2がA以上であるか否かを判定する(ステップS214)。
S(C)max2−S(C)min2がA以上である場合(ステップS214でYes)、判定部125は、二次転写電源200に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧で高圧出力させることを電圧制御部114に指示し、電圧制御部114は、直流出力制御信号及び交流出力制御信号を二次転写電源200に出力する。なお、ステップS216の処理は、図11のステップS116の処理と同様である。
一方、S(C)max2−S(C)min2がAより小さい場合(ステップS214でNo)、判定部125は、二次転写電源200に直流電圧で高圧出力させることを電圧制御部114に指示し、電圧制御部114は、直流出力制御信号を二次転写電源200に出力する。なお、ステップS218の処理は、図11のステップS118の処理と同様である。
紙厚センサ80にノイズが混入した場合、紙厚情報の値が極端に大きくなるか小さくなるが、第2実施形態では、RAM130に書き込まれた紙厚情報それぞれのうち最大値及び最小値を除いた厚さ情報の中から紙厚の差の算出用の紙厚情報を特定している。このため第2実施形態によれば、紙厚センサ80にノイズが混入した場合であってもノイズを除去することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、厚紙の場合に直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧を用いて画像を記録紙に転写する例について説明する。なお以下では、第1実施形態との相違点の説明を主に行い、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素については、第1実施形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
図16は、第3実施形態の印刷装置501のCPU620の詳細構成の一例を示すブロック図である。図16に示すように、第3実施形態のCPU620は、算出部623及び判定部625が第1実施形態と相違する。
算出部623は、RAM130に書き込まれた紙厚情報それぞれを用いて紙厚の平均値を更に算出する。
判定部625は、算出部623により算出された紙厚の平均値が第2閾値以上であるか否かを更に判定する。そして判定部625は、紙厚の差が第1閾値以上であり、かつ紙厚の平均値が第2閾値以上である場合には、二次転写電源200に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧で高圧出力させることを電圧制御部114に指示する。また判定部625は、紙厚の平均値が第2閾値よりも小さい場合にも、二次転写電源200に直流電圧のみで高圧出力させることを電圧制御部114に指示する。
図17は、第3実施形態の印刷装置501で行われる転写制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図17において、SaveはS(C)の平均値を表し、Bは第2閾値を表すものとする。
まず、ステップS300〜S310までの処理は、図11のステップS100〜S110までの処理と同様である。
続いて、Cの値が10以上となると(ステップS310でYes)、算出部623は、RAM130に書き込まれた10回分のS(C)を用いてSaveを算出する(ステップS312)。
続いて、判定部625は、算出部623により算出されたSaveがB以上であるか否かを判定する(ステップS314)。
SaveがB以上である場合(ステップS314でYes)、ステップS316へ進む。一方、SaveがBより小さい場合(ステップS314でNo)、判定部625は、二次転写電源200に直流電圧で高圧出力させることを電圧制御部114に指示し、電圧制御部114は、直流出力制御信号を二次転写電源200に出力する。そしてステップS322へ進む。
以降のステップS316〜S322までの処理は、図11のステップS112〜S118までの処理と同様である。
以上のように第3実施形態では、紙厚の差が第1閾値以上であり、かつ紙厚の平均値が第2閾値以上である場合に、直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧を用いて画像を記録紙に転写する。このため第3実施形態によれば、記録紙が厚紙であり、当該記録紙の凹凸が大きい場合に直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧を用いて画像を記録紙に転写することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1実施形態と異なる電源構成、具体的には、直流電源及び交流電源をリレーで切り替える例について説明する。なお以下では、第1実施形態との相違点の説明を主に行い、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素については、第1実施形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
図18は、第4実施形態の印刷装置701の二次転写電源800の電気的構成の一例を示すブロック図である。図18に示すように、二次転写電源800は、重畳電源810と、DC電源830とを、備えている。第4実施形態では、重畳電源810は、二次転写電源800に着脱可能であるものとするが、これに限定されるものではない。
重畳電源810は、D/A変換部811と、駆動部812と、昇圧部813と、D/A変換部814と、駆動部815と、昇圧部816と、出力部817と、入力部818と、入力部819と、出力部820とを、備える。
D/A変換部811は、電圧制御部114から、昇圧部813のDC高圧出力の電流又は電圧を設定するPWM信号(直流出力制御信号)が入力され、入力されたPWM信号をデジタルからアナログに変換する。
駆動部812は、D/A変換部811によりアナログに変換されたPWM信号に従って、昇圧部813を駆動する。また駆動部812は、昇圧部813のDC高圧出力の出力電流値及び出力電圧値を電圧制御部114に出力する。これは、エンジン制御部100において、負荷状態を監視するためである。
昇圧部813は、駆動部812により駆動され、重畳電源810からのDC電圧を変圧して、DC高圧出力を行う。また昇圧部813は、DC高圧出力の出力電流値及び出力電圧値を駆動部812に出力する。
D/A変換部814は、電圧制御部114から、昇圧部816のAC高圧出力の電流又は電圧を設定するPWM信号(交流出力制御信号)が入力され、入力されたPWM信号をデジタルからアナログに変換する。
駆動部815は、D/A変換部814によりアナログに変換されたPWM信号に従って、昇圧部816を駆動する。また駆動部815は、昇圧部816のAC高圧出力の出力電流値及び出力電圧値を電圧制御部114に出力する。これは、エンジン制御部100において、負荷状態を監視するためである。
昇圧部816は、駆動部815により駆動され、重畳電源810からのAC電圧を変圧し、AC高圧出力と昇圧部813からのDC高圧出力を重畳して重畳高圧出力を行う。また昇圧部816は、AC高圧出力の出力電流値及び出力電圧値を駆動部815に出力する。
出力部817は、昇圧部816の重畳高圧出力をDC電源830に出力する。
入力部818には、出力部817により出力された重畳高圧出力がDC電源830から入力される。
入力部819には、DC電源830からのDC高圧出力が入力される。
出力部820は、入力部818に重畳高圧出力が入力されている場合、当該重畳高圧出力を二次転写部対向ローラ63に対して行う。また出力部820は、入力部819にDC高圧出力が入力されている場合、当該DC高圧出力を二次転写部対向ローラ63に対して行う。
DC電源830は、D/A変換部831と、駆動部832と、昇圧部833と、D/A変換部834と、駆動部835と、昇圧部836と、出力部837と、DC用リレー838と、AC用リレー839とを、備える。
D/A変換部831は、電圧制御部114から、昇圧部833のDC高圧出力(−)の電流又は電圧を設定するPWM信号(直流出力制御信号)が入力され、入力されたPWM信号をデジタルからアナログに変換する。
駆動部832は、D/A変換部831によりアナログに変換されたPWM信号に従って、昇圧部833を駆動する。また駆動部832は、昇圧部833のDC高圧出力(−)の出力電流値及び出力電圧値を電圧制御部114に出力する。これは、エンジン制御部100において、負荷状態を監視するためである。
昇圧部833は、駆動部832により駆動され、DC電源830からのDC電圧を変圧して、DC高圧出力(−)を行う。また昇圧部833は、DC高圧出力(−)の出力電流値及び出力電圧値を駆動部832に出力する。
D/A変換部834は、電圧制御部114から、昇圧部836のDC高圧出力(+)の電流又は電圧を設定するPWM信号(直流出力制御信号)が入力され、入力されたPWM信号をデジタルからアナログに変換する。
駆動部835は、D/A変換部834によりアナログに変換されたPWM信号に従って、昇圧部836を駆動する。また駆動部835は、昇圧部836のDC高圧出力(+)の出力電流値及び出力電圧値を電圧制御部114に出力する。これは、エンジン制御部100において、負荷状態を監視するためである。
昇圧部836は、駆動部835により駆動され、DC電源830からのDC電圧を変圧して、DC高圧出力(+)を行う。また昇圧部836は、DC高圧出力(+)の出力電流値及び出力電圧値を駆動部835に出力する。
出力部837は、昇圧部833のDC高圧出力(−)と昇圧部836のDC高圧出力(+)とを合成して、DC用リレー838に出力する。
DC用リレー838は、高圧出力をDC高圧出力に切り替えるリレーであり、電圧制御部114から入力されるDCRY信号によりオン/オフが切り替えられる。DC用リレー838は、オンである場合、出力部837からのDC高圧出力を重畳電源810に出力する。
AC用リレー839は、高圧出力を重畳高圧出力に切り替えるリレーであり、電圧制御部114から入力されるACRY信号によりオン/オフが切り替えられる。AC用リレー839は、オンである場合、重畳電源810からの重畳高圧出力を重畳電源810に出力する。
このように、第4実施形態の二次転写電源800では、DC高圧出力と重畳高圧出力とをリレーで切り替える。
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
(変形例1)
例えば、上記各実施形態において、二次転写部対向ローラ63は、紙厚の差に応じた電圧の交流電圧を用いて記録紙に画像を転写するようにしてもよい。この場合、図19に示すような紙厚の差と二次転写電源200、800の交流高圧出力の電圧値とを対応付けたテーブルをROM140に格納しておけばよい。図19に示す例では、紙厚の差が大きくなるほど二次転写電源200、800の交流高圧出力の電圧値が大きくなっており、記録紙にトナーが付着し易くなっている。但し、紙厚の差が小さい場合に直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧を印加すると、電力増加や画像チリが発生してしまう。このため、紙厚の差が0の場合には、交流高圧出力の電圧値は0となっており、直流電圧のみを印加するようになっている。
具体的には、判定部125、625は、図19に示すテーブルを参照して、算出された紙厚の差に対応する交流高圧出力の電圧値を特定し、二次転写電源200、800に特定した交流高圧出力の電圧値で高圧出力させることを電圧制御部114に指示し、電圧制御部114は、直流出力制御信号及び指示された電圧値に応じた交流出力制御信号を二次転写電源200、800に出力するようにすればよい。この結果、二次転写部対向ローラ63は、紙厚の差に応じた電圧の交流電圧を用いて記録紙に画像を転写する。
また例えば、図19に示すようなテーブルを記録紙の種類を示す紙種毎にROM140に格納しておき、図示せぬオペレーションパネルなどからの紙種を設定する入力に応じて、使用するテーブルを切り替えるようにしてもよい。このようにすれば、記録紙の種類毎に最適な電圧(交流電圧)で画像を転写することができる。
(変形例2)
また例えば、上記各実施形態において、紙厚センサ80を複数設けるようにしてもよい。具体的には、紙厚センサ80を副走査方向に複数設けるようにしてもよい。例えば、紙厚センサ80を副走査方向に2つ設け、図20に示すように、2つの紙厚センサ80に基づく20個のS(C)の中から最大値と最小値を算出するようにしてもよい。このようにすれば、位置に応じて凹凸にばらつきがある記録紙や傷が付いてしまった記録紙であっても、凹凸の大きさを適切に検知することができ、最適にトナーを付着させることができる。なお、紙厚センサ80の数は、2つ以上であればいくつであってもよい。
(変形例3)
また例えば、上記第2実施形態〜上記第4実施形態を適宜組み合わせるようにしてもよい。
(変形例4)
また例えば、上記各実施形態では、転写バイアス用の二次転写電源200、800を二次転写部対向ローラ63に接続して転写バイアスを印加する例について説明したが、転写バイアス用の二次転写電源200、800を二次転写ローラ64に接続して転写バイアスを印加するようにしても、問題なく記録紙へトナー像を転写することができる。
また例えば、転写バイアス用の二次転写電源200、800の一方を二次転写部対向ローラ63に接続し、他方を二次転写ローラ64に接続に接続する形態でも、問題なく記録紙へトナー像を転写することができる。
(変形例5)
また例えば、上記各実施形態では、交流電圧の波形が正弦波である場合を例に取り説明したが、矩形波などの他の波形であってもよい。
(変形例6)
また例えば、上記各実施形態では、印刷装置1、301、501、701に紙厚センサ80を設けて紙厚を検知する例について説明したが、給紙装置と印刷装置とを別々に設ける場合には、給紙装置に紙厚センサを設け、印刷装置が給紙装置から紙厚センサの検知結果を取得するようにしてもよい。
(変形例7)
また例えば、上記各実施形態では、当該記録紙の凹凸が大きい場合に直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧を用いて画像を記録紙に転写する例について説明したが、当該記録紙の凹凸が大きい場合に交流電圧のみを用いて画像を記録紙に転写するようにしてもよい。
(変形例8)
また例えば、上記各実施形態において、印刷装置は、サーバ装置を備え、サーバ装置が、紙厚の差を算出し、第1閾値以上か否かを判定するようにしてもよい。
図21は、変形例8の印刷システム900の一例を示す外観図である。印刷システム900は、プロダクションプリンティング機であり、サーバ装置920を備える。サーバ装置920は、例えば、外付けサーバやDFE(Digital Front End)などと呼ばれる外部コントローラが該当する。印刷システム900は、印刷装置901に、給紙を行う大容量給紙ユニット902、表紙等の利用に使われるインサータ903、折りを行う折りユニット904、ステープルやパンチなどを行うフィニッシャー905、及び裁断を行う断裁機906などの周辺機が用途に合わせて組み合わされる。なお上記各実施形態の周辺機器は、大容量給紙ユニット902、インサータ903、及び折りユニット904が該当するが、これに限定されるものではない。
図22は、変形例8のサーバ装置920の一例を示すハードウェア構成図である。図22に示すように、サーバ装置920は、通信I/F部930と、記憶部940(HDD942、ROM944、RAM946)と、画像処理部950と、CPU990と、I/F部960とを備え、それぞれがバスB2で相互に接続されている。
図22の例では、サーバ装置920は専用線1000を介して印刷装置901と接続される。但し、サーバ装置920と印刷装置901との接続形態はこれに限定されず、例えば、サーバ装置920と印刷装置901との必要な通信速度を担保できれば、サーバ装置920と印刷装置901とをネットワークを介して接続してもよい。
図22に示すように、印刷装置901は、I/F部1010と、印刷部1002と、操作表示部1060と、その他I/F部1070と、紙厚センサ1080とを備え、それぞれがバスB3で接続されている。I/F部1010は、印刷装置901をサーバ装置920に接続するための手段であり、I/F部1010には専用線1000が接続される。印刷装置901は、サーバ装置920のCPU990の制御の下、印刷ジョブを実行する。
そして、サーバ装置920に搭載されたCPU990が、上述の各実施形態の印刷装置のCPU120、420、620が実行している処理を実行する。つまり、CPU990が、書込部121、算出部123、423、623、及び判定部125、625を含む。但し、CPU990が、書込部121、算出部123、423、623、及び判定部125、625を全て含む必要はなく、これら各部の少なくとも一部を含み、残りを印刷装置901のCPU(図示省略)が含むようにしてもよい。つまり、紙厚の差を算出し、第1閾値以上か否かを判定する処理を、印刷装置901とサーバ装置920とで分担して行うようにしてもよい。
なお、上述した各実施形態及び各変形例は、一例を示すものであり、構成やプロセス条件が変わっても本発明を実現できることを他の画像形成装置や種々の画像形成環境で確認している。