以下、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理システムに含まれる画像処理装置をデジタル複合機に適用した場合において、デジタル複合機と携帯端末装置とが通信を行う際のデジタル複合機および携帯端末装置の外観を示す概略図である。図2は、この発明の一実施形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。
図1および図2を参照して、画像処理システム27aに含まれるデジタル複合機11は、デジタル複合機11全体の制御を行うデジタル複合機制御部12と、デジタル複合機11側から発信する情報やユーザーの入力内容を表示する表示画面21を含み、印刷部数や階調性等の画像形成の条件や電源のオンまたはオフを入力させる操作部13と、セットされた原稿を自動的に読み取り位置へ搬送するADF(Auto Document Feeder)22を含み、原稿の画像を読み取る画像読み取り部14と、読み取った画像やネットワーク25を介して送信された画像データを基に画像を形成する画像形成部15と、画像形成部15に供給する用紙を収納する複数の給紙カセット23と、送信された画像データや入力された画像形成条件等の格納を行う画像処理装置格納部としてのデジタル複合機ハードディスク16と、公衆回線24に接続されており、ファクシミリ送信やファクシミリ受信を行うファクシミリ通信部17と、ネットワーク25と接続するためのデジタル複合機ネットワークインターフェース部18と、携帯端末装置41a等のような外部装置と近距離通信(NFC(Near Field Communication)通信)を行うためのデジタル複合機NFC通信部19とを備える。給紙カセット23については、三つ設けられており、それぞれの給紙カセット23について、異なるサイズや異なる方向の用紙を複数収納することができる。
デジタル複合機11は、不図示の用紙搬送路および用紙搬送路において用紙の紙詰まりが発生したことを検知する紙詰まり検知センサー20を含み、デジタル複合機11内に用紙を搬送させるための搬送ユニット30が設けられている。搬送ユニット30は、例えば、給紙カセット23から画像形成部15まで用紙を搬送する。
デジタル複合機11は、搬送ユニット30に含まれる用紙搬送路において用紙が詰まってしまった場合に、用紙の紙詰まりを解消するための第一のカバー28a、および第二のカバー28bを備える。第一のカバー28aと第二のカバー28bはそれぞれ開閉可能に構成されており、異なる用紙搬送路で詰まった用紙を取り除く際に利用される。また、デジタル複合機11は、第一および第二のカバー28a、28bの開閉を検知するカバー開閉検知部29を備える。カバー開閉検知部29は、第一のカバー28a、第二のカバー28bが開けられた場合や閉じられた場合に、それぞれの開閉状態を検知する。すなわち、カバー開閉検知部29は、第一のカバー28a、第二のカバー28bのそれぞれについて、開閉状態を検知する。
なお、デジタル複合機11は、画像データの書き出しや読み出しを行うDRAM(Dynamic Random Access Memory)等を備えるが、これらについては、図示および説明を省略する。また、図2中の矢印は、制御信号や制御、画像に関するデータの流れを示している。
デジタル複合機11は、画像読み取り部14により読み取られた原稿を用いて画像形成部15において画像を形成することにより、複写機として作動する。また、デジタル複合機11は、デジタル複合機ネットワークインターフェース部18を通じて、ネットワーク25に接続されたコンピューター26a、26bから送信された画像データを用いて、画像形成部15において画像を形成して用紙に印刷することにより、プリンターとして作動する。すなわち、画像形成部15は、要求された画像を印刷する印刷部として作動する。また、デジタル複合機11は、ファクシミリ通信部17を通じて、公衆回線24から送信された画像データを用いて、DRAMを介して画像形成部15において画像を形成することにより、また、画像読み取り部14により読み取られた原稿の画像データを、ファクシミリ通信部17を通じて公衆回線24に画像データを送信することにより、ファクシミリ装置として作動する。デジタル複合機11は、画像処理に関し、複写機能、プリンター機能、ファクシミリ機能等、複数の機能を有する。すなわち、デジタル複合機11は、画像形成部15における画像形成等の画像処理を行う画像処理部を備える。さらに、各機能に対しても、詳細に設定可能な機能を有する。
次に、上記した操作部13の構成について、さらに詳細に説明する。図3は、操作部13の概略的な構成を示す外観図である。図3を参照して、操作部13は、印刷部数等を入力させるための0〜9までの数字、および「*」や「#」の記号を入力させるテンキー31と、印刷の開始やファクシミリ送信の開始を指示させるスタートキー32と、デジタル複合機11の電源のオンまたはオフを入力させる電源キー33と、デジタル複合機11の有するプリンター機能やコピー機能等の選択を指示させるメニューキー34と、種々の画像形成の条件や使用ユーザーの登録を指示させる登録キー35と、テンキー31等を用いてユーザーにより入力された指示の内容をキャンセルさせるリセットキー36と、上記した表示画面21とを含む。表示画面21は、液晶のタッチパネル機能を有しており、ユーザーの指での押圧等により、表示画面21からも画像形成条件等を入力させると共に、機能の選択等を行うことができる。
次に、上記したデジタル複合機ハードディスク16に格納されている情報の内容について説明する。図4は、デジタル複合機ハードディスク16に格納されたコード情報の内容を示す概念図である。
図4を参照して、デジタル複合機ハードディスク16には、画像処理を行うための操作に関連する案内情報群37a、37bが格納されている。具体的には、画像処理を行うための操作として、画像形成部15における画像形成時において紙詰まりが生じた場合の解除の処理の操作に関連する案内情報が複数、案内情報群37aに格納されている。
案内情報群37aには、報知内容として「左側の中央のカバーを開ける」という操作を促す処理番号「1」を付けられた案内情報38aと、報知内容として「異なるカバーが開いている」という状態を知らせる処理番号「2」を付けられた案内情報38bと、報知内容として「搬送ユニットに見えており詰まっている用紙を取り除く」という操作を促す処理番号「3」を付けられた案内情報38cと、報知内容として「カバーを元に戻す」という操作を促す処理番号「4」を付けられた案内情報38dと、報知内容として「作業終了」という終了の状態を知らせる処理番号「5」を付けられた案内情報38eとが含まれている。
これらの案内情報38a〜38eについては、「分類」、「音声情報としての報知コード(以下、報知コード(音声)と称する場合がある)」、「画像情報としての報知コード(以下、報知コード(画像)と称する場合がある)」、および「次の処理」の内容も含まれている。「分類」としては、案内情報38a、38c、38d、38eについては、正しい手順で操作が行われた場合の案内を示す正常処理、案内情報38bとしては、誤った手順で操作が行われた場合の案内を示す異常処理として分類されている。
「報知コード(音声)」としては、四桁の数値であって先頭の数値が「1」となり、下一桁が昇順となるよう番号が割り振られている。この場合、案内情報38a〜38eは、「1001」、「1002」、「1003」、「1004」、「1005」となるようにコードが割り振られている。「報知コード(画像)」としては、四桁の数値であって先頭の数値が「2」となり、下一桁が昇順となるよう番号が割り振られている。すなわち、案内情報38a〜38eは、「2001」、「2002」、「2003」、「2004」、「2005」となるようにコードが割り振られている。すなわち、案内情報は、音声により報知される案内情報と、画像により報知される案内情報とを識別可能となるよう構成されている。この場合、コードに示される四桁の数値のうちの先頭の数値が「1」か「2」かで、音声案内情報か画像案内情報かを識別することができる。
「次の処理」としては、可能性として進むと考えられる処理の番号が割り振られている。案内情報38aについては、処理番号「2」と「3」、案内情報38bについては、処理番号「1」、案内情報38cについては、処理番号「4」、案内情報38dについては、処理番号「5」、案内情報38eについては、処理番号は割り振られていない。
デジタル複合機ハードディスク16には、このような案内情報38a〜38eから構成される案内情報群37aが格納されている。デジタル複合機ハードディスク16には、他の案内情報群37b等も格納されているが、説明を省略する。なお、この案内情報群37a、37bについては、デジタル複合機11の機種によってそれぞれ異なるものである。
次に、この発明の一実施形態に係る画像処理システム27aに含まれる携帯端末装置41aの構成について説明する。携帯端末装置41aは、他の装置とNFC通信を行う携帯端末装置NFC通信部42と、ネットワーク25と接続するための携帯端末装置ネットワークインターフェース部43と、画像データ等のデータを記憶する携帯端末装置記憶部44と、携帯端末装置41a自身の有するデータやネットワーク25を介して得られた情報を表示すると共に、携帯端末装置41a自身への入力を受け付けると共に携帯端末装置41aの情報を表示し、画像により情報を報知する報知部としてのタッチパネル45と、携帯端末装置41a全体の制御を行う携帯端末装置制御部46と、携帯端末装置41aによる音声により情報を報知する報知部としての音声報知機構47とを備える。
携帯端末装置41aは、ユーザーが手軽に持ち運べる程度の大きさである。携帯端末装置41aは、主にタッチパネル45を利用して操作される。携帯端末装置41aとしては、例えば、携帯電話やスマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC等が挙げられる。
携帯端末装置41aに備えられる携帯端末装置記憶部44には、デジタル複合機11の機種に関連する情報と、デジタル複合機11の機種に応じた音声案内情報および画像案内情報が格納されている。また、携帯端末装置41aを所有するユーザーに対して音声案内情報を用いた音声案内、および画像案内情報を用いた画像案内を行うプログラム、すなわち、アプリケーションも、携帯端末装置記憶部44にインストールされている。このアプリケーションについては、ネットワーク25を介して、例えば、コンピューター26a、26b等からダウンロードすることにより、インストールされている。
図5は、携帯端末装置記憶部44に格納された音声案内情報および画像案内情報を示す概念図である。図5を参照して、携帯端末装置記憶部44には、音声案内に関連する情報を格納する音声案内情報格納領域51aと、画像案内に関連する情報を格納する画像案内情報格納領域51bとが割り当てられている。
音声案内情報格納領域51aには、左側の中央のカバーを開けることを促すことを音声として報知するための音声案内情報52aと、音声案内情報52aに紐付けて設けられ、音声案内情報52aをコードで示すコード情報53aと、誤ったカバーを開けていることを検知した場合に、正しいカバーと現在開いているカバーとの位置関係を認識させながら正しいカバーを開けることを促すことを音声として報知するための音声案内情報52bと、音声案内情報52bをコードで示すコード情報53bと、他の音声案内情報52cと、音声案内情報52cをコードで示すコード情報53cとが格納されている。
音声案内情報52aは、音声報知機構47により、「本体に向かって左側の中央のカバーを開けてください。1番の番号が目印です。」と発声される情報である。音声案内情報52bは、音声報知機構47により、「今、開いているカバーの右下にある1番の番号のカバーを開けてください。」と発声される情報である。音声案内情報52a〜52cを用いて、携帯端末装置41aに備えられた音声報知機構47により、所定のタイミングで音声により所定の音声案内情報52a〜52cを報知する。
画像案内情報格納領域51bには、左側の中央のカバーを開けることを促す画像として報知するための画像案内情報56aと、画像案内情報56aに紐付けて設けられ、画像案内情報56aをコードで示すコード情報57aと、誤ったカバーを開けていることを検知した場合に、正しいカバーと現在開いているカバーとの位置関係を認識させながら正しいカバーを開けることを促すことを画像として報知するための画像案内情報56bと、画像案内情報56bをコードで示すコード情報57bと、他の画像案内情報56cと、画像案内情報56cをコードで示すコード情報57cとが格納されている。
画像案内情報56aは、タッチパネル45により表示される「本体に向かって左側の中央のカバーを開けてください。1番の番号が目印です。」との文字情報58aと、それぞれ簡略的に図示されたユーザー61a、デジタル複合機62a、第一のカバー63a、第二のカバー64aから模式的に表される画像情報59aとから構成されている。画像情報59aにおいては、ユーザー61a、デジタル複合機62a、第一のカバー63a、第二のカバー64aのそれぞれの相対的な位置関係を主に示している。なお、矢印でユーザーがデジタル複合機11に相対する方向を示している。また、開けることを要求する第二のカバー64aについては、ハッチングで示している。画像案内情報56bは、タッチパネル45により表示される「今、開いたカバーは、青色のカバーです。」との文字情報58b、および「右下のオレンジのカバーを開けてください。」との文字情報58cと、それぞれ簡略的に図示されたユーザー61b、デジタル複合機62b、第一のカバー63b、第二のカバー64bから模式的に表される画像情報59bとから構成されている。画像情報59bにおいては、画像情報59aと同様に、ユーザー61b、デジタル複合機62b、第一のカバー63b、第二のカバー64bのそれぞれの相対的な位置関係を主に示している。また、現在誤って開けられている第一のカバー63bを青色とし、開けることを要求する第二のカバー64bをオレンジ色として、それぞれ異なるハッチングで示している。
この発明の一実施形態に係る画像処理システム27aは、上記した構成のデジタル複合機11と、ネットワーク25を介してデジタル複合機11に接続される複数のコンピューター26a、26bと、NFC通信によりデジタル複合機11と近距離通信が可能な携帯端末装置41aとを備える。デジタル複合機11、および携帯端末装置41aは、インターネットのようなネットワーク25を介して、コンピューター26a、26bと接続可能である。なお、この実施形態においては、複数のコンピューター26a、26bについては、2台示している。各コンピューター26a、26bはそれぞれ、デジタル複合機11に対して、ネットワーク25を介して印刷要求を行って印刷をすることができる。デジタル複合機11とコンピューター26a、26bとは、LAN(Local Area Network)ケーブル等を用いて有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよく、ネットワーク25内には、他のデジタル複合機やサーバーが接続されている構成でもよい。
携帯端末装置41aは、ネットワーク25を経由して、コンピューター26a、26bからアプリケーション等に代表されるプログラムをダウンロード可能に構成されている。すなわち、携帯端末装置41aからの要求に応じ、ネットワーク25を介して、コンピューター26a、26bにアクセスし、要求するプログラムのダウンロードを行うことができる。ダウンロードされたプログラムは、携帯端末装置記憶部44に記憶される。
次に、この発明の一実施形態に係る画像処理システム27aに備えられるデジタル複合機11により画像処理としてのコピーを行った際に紙詰まりが発生した場合について説明する。図6は、この発明の一実施形態に係る画像処理システム27aに備えられるデジタル複合機11によりコピーを行った際に紙詰まりが発生した場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図6を参照して、まず、ユーザーは、デジタル複合機11が設置されている箇所に赴く。この時、画像処理システム27aに備えられる携帯端末装置41aをユーザーは携帯している。
ユーザーは、デジタル複合機11により、コピーの要求を行う。具体的には、コピーを行う原稿をADF22にセットし、操作部13におけるスタートキー32を押下して、コピー命令を発する。コピーの諸条件については、操作部13の表示画面21によるタッチパネルにおいて入力される。
デジタル複合機11は、コピーの要求を受け付け、コピーを開始する(図6において、ステップS11、以下、「ステップ」を省略する)。すなわち、ADF22によって読み取り位置まで搬送された原稿の画像を画像読み取り部14で読み取り、読み取られた画像を基に画像形成部15において画像を形成する。そして、給紙カセット23から搬送ユニット30により画像形成部15に搬送された用紙に形成した画像を転写し、定着させて出力する。
ここで、用紙を搬送する際に、用紙の紙詰まりが発生したとする。そうすると、デジタル複合機11は、用紙の紙詰まりを検知する(S12)。この場合、給紙カセット23から給紙された用紙が、搬送ユニット30における用紙搬送路の途中、具体的には、第二のカバー28bが設けられた位置の近辺で用紙が詰まったことを、紙詰まり検知センサー20によって検知する。そして、デジタル複合機11は、第二のカバー28bを開けて詰まった用紙を取り除く必要があることを認識する。
用紙の紙詰まりを検知すると、デジタル複合機11は、ユーザーの携帯している携帯端末装置41aとの近距離通信を開始する(S13)。この場合、デジタル複合機NFC通信部19と携帯端末装置NFC通信部42との間でNFC通信を開始する。ここで、デジタル複合機NFC通信部19は、操作情報送信部として作動する。また、携帯端末装置NFC通信部42は、操作情報受信部として作動する。そして、携帯端末装置41aは、NFC通信によりデジタル複合機11の機種の情報をデジタル複合機11から取得する。
また、携帯端末装置41aにおいてアプリケーションをダウンロードする(S14)。この場合、ネットワーク25を経由して、例えば、コンピューター26aまたはコンピューター26bにアクセスし、コンピューター26aまたはコンピューター26bに格納されているプログラムとしてのアプリケーションを、携帯端末装置41aにダウンロードする。このアプリケーションは、音声報知機構47やタッチパネル45により携帯端末装置記憶部44に記憶された案内情報を報知することを可能とするアプリケーションである。また、デジタル複合機11の機種に応じて対応するプログラムのアプリケーションをダウンロードする。
次に、携帯端末装置41aにおいて、ダウンロードしたアプリケーションを起動する(S15)。その後、デジタル複合機11は、現在の紙詰まりの状況に沿った案内情報に相当するコード情報を送信する(S16)。この場合、報知コード(音声)として「1001」、報知コード(画像)として「2001」を送信する。なお、このコード情報は、パケット送信により送信される。
携帯端末装置41aは、送信されたコード情報を受信した後、受信したコード情報を基に、音声案内および画像案内を行う(S17)。図7は、音声案内および画像案内を行っている場合の携帯端末装置41aを示す図である。図7を参照して、携帯端末装置41aにおいて、音声報知機構47による音声案内情報52aとして、「本体に向かって左側の中央のカバーを開けてください。1番の番号が目印です。」と発声されている。また、タッチパネル45において、コード情報「2001」に対応する画像案内情報56aが表示されている。
ユーザーは、携帯端末装置41aにおいて報知された音声案内および画像案内により、案内された操作を行う。この場合、ユーザーは、音声報知機構47により促された音声案内およびタッチパネル45により促された画像案内に沿って、デジタル複合機11の左側の中央に位置する第二のカバー28bを開けるとする。そうすると、デジタル複合機11は、カバー開閉検知部29により第二のカバー28bが開けられたことが検知されるため、ユーザーの操作が正しいと判断する(S18において、YES)。ここで、カバー開閉検知部29およびデジタル複合機制御部12等は、案内情報に対して行われた操作の結果を検知する操作結果検知部として作動する。
その後、ユーザーによって、第二のカバー28bの近辺に詰まっていた用紙が取り除かれる。用紙が取り除かれたことを紙詰まり検知センサー20によって検知されると、第二のカバー28bを元に戻すことを案内する報知コード(音声)「1004」、報知コード(画像)「2004」を携帯端末装置41aに送信する。ここで、紙詰まり検知センサー20およびデジタル複合機制御部12等は、操作結果検知部による検知結果に基づいて、操作情報送信部により送信する案内情報を決定する送信情報決定部として作動する。そして、次の操作の案内を報知する(S19において、NO、およびS22)。
その後、ユーザーにより、第二のカバー28bが元に戻される。すなわち、ユーザーにより、第二のカバー28bが閉じられる。第二のカバー28bが閉じられたことをカバー開閉検知部29により検知されると、ユーザーの操作が正しいと判断する(再びS18において、YES)。
次に、操作が終了したと判断すれば(S19において、YES)、操作終了を報知する報知コード(音声)「1005」、報知コード(画像)「2005」を送信し、案内の終了を報知する(S20)。その後、NFC通信を解除し、コピーを再開する(S21)。
一方、S18において、ユーザーが第二のカバー28bではなく、誤って第一のカバー28aを開けた場合について説明する。ユーザーが第一のカバー28aを開けたことをカバー開閉検知部29により検知されると、ユーザーによって行われた操作が正しくないと判断する(S18において、NO)。
そうすると、第一のカバー28aを元に戻して、第二のカバー28bを開けることを案内する報知コード(音声)「1002」、報知コード(画像)「2002」を携帯端末装置41aに送信し、正しい操作の案内を報知する(S23)。すなわち、ユーザーの誤った操作に対するフォローの案内をする。
ユーザーが、誤ったカバーを開けてしまったことを音声案内および画像案内により認識すると、ユーザーは、第一のカバー28aを閉じると共に、第二のカバー28bを開ける。この場合、特に、画像案内情報56bにより、視覚的に現在誤って開けてしまった第一のカバー28aと、本来開けるべき第二のカバー28bとの相対的な位置関係が容易に把握できるので、ユーザーが正しく第二のカバー28bを開けることを促進することができる。
その後、ユーザーによって第一のカバー28aが閉じられると共に第二のカバー28bが開けられたことをカバー開閉検知部29によって検知されると、正しい操作であると判断される(S18において、YES)。その後は上記と同様に、操作が終了されるまで、音声案内および画像案内を行う。そして、案内の終了を報知し(S20)、コピーを再開する(S21)。
このような画像処理システム27aによると、デジタル複合機11に備えられる画像処理部により画像処理を行う際に、操作に関連する案内情報を近距離通信で送信し、携帯端末装置41aに備えられる操作情報受信部としての携帯端末装置NFC通信部42によって受信することができる。そして、受信した案内情報について、携帯端末装置41aに備えられる報知部としての音声報知機構47およびタッチパネル45によって、音声および画像により報知することができる。そうすると、ユーザーは、近距離通信を利用して、携帯端末装置41aから報知される案内情報に基づいて、デジタル複合機11の操作を行うことができる。この場合、ユーザーの携帯する携帯端末装置41aを利用することにより、デジタル複合機11の構成を単純にすることができる。また、このような案内情報の報知であれば、聴覚や視覚を用いて、案内情報を報知することができるので、ユーザーが操作を誤るおそれを低減することができる。したがって、このような画像処理システム27aは、簡易な構成でユーザーの操作性を向上することができる。
この場合、デジタル複合機11は、案内情報に対して行われた操作の結果を検知する操作結果検知部と、操作結果検知部による検知結果に基づいて、操作情報送信部により送信する案内情報を決定する送信情報決定部とを備えるため、リアルタイムで操作に対するフォローを行うことができる。
また、この場合、案内情報は、コードにより構成されているため、データの送受信の負担を大きく低減することができる。さらには、処理速度の向上を図ることができる。
また、この場合、案内情報は、音声により報知される案内情報と、画像により報知される案内情報とを識別可能となるよう構成されている。したがって、報知機構による報知を行う際に、処理の負担を軽減することができる。
また、この場合、案内情報は、コードにより構成されているため、通信における処理の負担を軽減することができる。
なお、上記の実施の形態において、操作の処理の手順についての情報を記憶しておき、携帯端末装置41aとの情報の送受信に基づいて行われた操作に関連する情報を画像処理装置ハードディスク16に格納するよう制御するようにしてもよい。すなわち、デジタル複合機制御部12は、携帯端末装置41aとの情報の送受信に基づいて行われた操作に関連する情報をデジタル複合機ハードディスク16に格納するよう制御するよう構成してもよい。こうすることにより、誤りやすい操作や手順について、予めユーザーに報知するよう構成することができる。また、案内情報をより充実したものとするための参考のデータとすることができる。この場合、この参考のデータを、定期的にデジタル複合機11の管理者や管理会社に電子メール等により伝達する構成としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、携帯端末装置41aは、音声および画像の双方により情報を報知することとしたが、これに限らず、音声および画像のうちの少なくともいずれか一方により情報を報知する構成としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、画像処理システム27aに含まれる携帯端末装置41aは、一つとしたが、これに限らず、画像処理システムにおいて、携帯端末装置を複複数備える構成としてもよい。
図8は、この場合の画像処理システムの構成を示すブロック図である。図8を参照して、この発明の他の実施形態に係る画像処理システム27bは、デジタル複合機11と、二つの携帯端末装置41a、41bとを備える。デジタル複合機11、携帯端末装置41aの構成については、上記と同様であるため、それらの説明を省略する。また、携帯端末装置41bについては、携帯端末装置41aと同様の構成であるため、この説明も省略する。携帯端末装置41aは、例えば、小型で音声を聞き取りやすいスマートフォンが適用される。また、携帯端末装置41bとしては、例えば、画面が大きく視覚情報が得やすいタブレットPCが適用される。
このような画像処理システム27bにおいては、音声による報知部を含む携帯端末装置41aと、画像による報知部を含む携帯端末装置41bとを異ならせるよう構成してもよい。すなわち、画像処理システム27bは、音声により情報を報知する報知部を含む第一の携帯端末装置41aと、第一の携帯端末装置41aとは別途設けられており、画像により情報を報知する報知部を含む第二の携帯端末装置41bとを含む構成としてもよい。
図9は、二つの携帯端末装置41a、41bにおいて、報知する案内情報を異ならせた場合を示している。図9を参照して、スマートフォンを適用した第一の携帯端末装置41aにおいては、音声報知機構47において、音声案内情報52aによる案内を行うようにする。また、タブレットPCを適用した第二の携帯端末装置41bにおいては、画像案内情報56aによる案内を行うようにする。すなわち、第一の携帯端末装置41aでは、音声案内情報52aを用いて、音声報知機構47による音声による案内を行い、第二の携帯端末装置41bでは、その画面65において、画像案内情報56aを表示するようにする。この場合、コード情報53a〜53c、57a〜57cの先頭の数値が「1」である案内情報を、携帯端末装置41aによって報知し、コード情報53a〜53c、57a〜57cの先頭の数値が「2」である案内情報を、携帯端末装置41bによって報知するようにしてもよい。こうすることにより、音声案内情報と画像案内情報との双方を用いて操作を行うことができ、ユーザーの操作の誤りをより効率的に低減することができる。
なお、上記の実施の形態においては、画像処理システムは、二つのコンピューターを含む構成としたが、これに限らず、コンピューターを含まない構成としてもよい。すなわち、画像処理システムは、デジタル複合機と、デジタル複合機と近距離通信が可能な携帯端末装置とを含む構成としてもよい。もちろん、画像処理システムは、携帯端末装置を3つ以上含んでいてもよいし、デジタル複合機を2つ以上含んでいてもよい。
また、上記の実施の形態においては、携帯端末装置にアプリケーションのようなプログラムをダウンロードすることによりインストールすることとしたが、これに限らず、他の媒体を用いて、携帯端末装置に備えられる携帯端末装置記憶部に記憶させるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、コードにより案内情報を送受信することとしたが、これに限らず、直接の画像や音声による案内情報を送受信することにしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、操作結果検知部による検知結果に基づいて、送信する案内情報を決定し、送信することとしたが、これに限らず、例えば、所定の案内情報を送信してから所定の時間経過後、他の案内情報を送信する構成としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、案内情報は、音声により報知される案内情報と、画像により報知される案内情報とを識別可能となるよう構成されていることとしたが、これに限らず、音声により報知される案内情報と、画像により報知される案内情報とを混在させていても構わない。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。