実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、電子写真方式の画像形成装置を例として説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、顕色剤であるトナーにより感光体ドラムの表面に形成されたトナー画像を用紙上に転写し、その用紙を加熱しながら加圧することにより、転写されたトナーを用紙に定着させることで画像を形成するようになっている。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、ステープルや接着剤の替りに、画像形成用のトナーを用いて複数枚の用紙を重ねた状態で綴じる綴じ処理ユニットを備えている。このように、トナーを用いて用紙を綴じることができるのは、電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーは、加熱されることで軟化し冷却されることで硬化するといった性質を有するためである。即ち、電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーは、重ねられた状態の複数枚の用紙間で押圧されながら加熱された後に冷却されることでその用紙間で溶着し、その結果、用紙を綴じるための接着剤として機能するためである。
そのため、本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成出力の際、用紙の印刷領域に対して目的の画像を形成する他に、用紙を綴じる位置(以下、「綴じ位置」とする)に対して綴じ用のトナー(以下、「綴じ用トナー」とする)を付着させるように構成されている。
このような画像形成装置において、本実施形態に係る要旨の一つは、用紙に対して綴じ処理を実行した後、綴じた用紙の厚さを測定し、測定した厚さに基づいて、その用紙に対する綴じ処理が成功したか否かを判定することにある。従って、本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、用紙に対する綴じ処理が成功したか否かを検知することが可能となる。これにより、本実施形態に係る綴じ処理ユニットは、用紙に対する綴じ処理が失敗した際の対策、例えば、綴じ処理を再度実行する、綴じ処理の際の押圧力や温度、押圧時間等を変更するといった対策をとることが可能となる。
まず、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を簡略化して示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット2、画像形成ユニット3、折り処理ユニット4、綴じ処理ユニット5、給紙テーブル6、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)7、排紙トレイ8により構成されている。そして、本実施形態に係る画像形成装置1は、この他に通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)として構成される。
スキャナユニット2は、複数のフォトダイオードが一列に並べられ、これに並列にCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の受光素子が配置されたリニアイメージセンサにより原稿を読み取ることで原稿を電子化する。画像形成ユニット3は、入力された画像データに基づいてCMYK(Cyan Mgenta Yellow Key Plate)の描画情報を生成し、生成された描画情報に基づいて、給紙された用紙に対して画像形成出力を実行する。
折り処理ユニット4は、画像形成ユニット3から搬送されてきた画像形成済みの用紙に対して折り処理を実行する。綴じ処理ユニット5は、画像形成ユニット3若しくは折り処理ユニット4から搬送されてきた画像形成済みの用紙や折り処理が施された用紙に対して綴じ処理を実行する。即ち、本実施形態においては、綴じ折り処理ユニット5が、シート処理装置として機能する。給紙テーブル6は、画像形成ユニット3に用紙を給紙する。ADF7は、スキャナユニット2に原稿を自動搬送する。排紙トレイ8は、画像形成ユニット3、折り処理ユニット4、綴じ処理ユニット5から搬送されて排紙された用紙や用紙束を積載する。
このように構成された本実施形態に係る画像形成装置1は、用紙が二つ折りされた際に形成される折り目付近に画像形成ユニット3により綴じ用トナーを付着させ、その綴じ用トナーが付着された用紙を折り処理ユニット4により上記折り目で二つ折りにし、その用紙に付着された綴じ用トナーを綴じ処理ユニット5により溶着させることで、見開きの冊子を作成するように構成されている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。尚、画像形成装置1は、図2に示すハードウェア構成に加えて、プリンタ、スキャナ、ファクシミリを実現するためのエンジンを備える。
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス90を介して接続されている。また、I/F50には表示部60、操作部70及び専用デバイス80が接続されている。
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
I/F50は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。表示部60は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースであり、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置によって実現される。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
専用デバイス80は、スキャナユニット2、画像形成ユニット3、折り処理ユニット4、綴じ処理ユニット5、ADF7において専用の機能を実現するためのハードウェアである。専用デバイス80は、スキャナユニット2においては、紙面上に表示されている画像を読み取る読取装置である。画像形成ユニット3においては、紙面上に画像形成出力を実行するプロッタ装置である。折り処理ユニット4においては、用紙を搬送する搬送機構や、搬送される用紙を折るための折り処理機構である。綴じ処理ユニット5においては、用紙を搬送する搬送機構や、折り処理が施された用紙を綴じ若しくは複数枚の用紙を重ねて綴じるための綴じ処理機構である。この綴じ処理ユニット5に含まれる綴じ処理機構の構成が、本実施形態に係る要旨の1つである。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がRAM20にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を模式的に示すブロック図である。尚、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ100、スキャナエンジン200、プリントエンジン300、折り処理エンジン400、綴じ処理エンジン500、ディスプレイパネル600、ネットワークI/F700を有する。また、コントローラ100は、主制御部110、エンジン制御部120、画像処理部130、操作表示制御部140及び入出力制御部150を有する。
スキャナエンジン200は、スキャナユニット2に備えられ、光学情報を電気信号に変換する光電変換素子を含む原稿読取部であり、ADF7により自動搬送されてきた原稿、若しくは、図示しない原稿台ガラスにセットされた原稿を光学的に走査して読み取って画像情報を生成する原稿読取部である。ADF7及びスキャナエンジン200は、図1に示す専用デバイス80によって実現される。
プリントエンジン300は、画像形成ユニット3に備えられた画像形成部であり、給紙テーブル6から搬送されてきた用紙61に対して画像形成出力を実行することにより画像を描画する画像形成部である。本実施形態に係るプリントエンジン300の具体的態様としては、電子写真方式による画像形成機構である。このプリントエンジン300により画像が描画された画像形成済みの用紙は、折り処理エンジン400若しくは綴じ処理エンジン500に搬送され、若しくは、排紙トレイ8に排紙される。このプリントエンジン300は、図1に示す専用デバイス80によって実現される。尚、本実施形態に係るプリントエンジン300は、画像形成出力の際、用紙の印刷領域に対して目的の画像を形成する他に、後段の綴じ処理ユニット5において用紙を綴じる位置(綴じ位置)に対して綴じ用のトナー(綴じ用トナー)を付着させるように構成されている。
折り処理エンジン400は、折り処理ユニット4に備えられ、画像形成ユニット3から搬送されてきた画像形成済みの用紙に対して折り処理を施す。この折り処理エンジン400により折り処理が施された折り処理済みの用紙は、綴じ処理エンジン500に搬送され、若しくは、排紙トレイ8に排紙される。
綴じ処理エンジン500は、綴じ処理ユニット5に備えられ、画像形成ユニット3から搬送されてきた複数枚の画像形成済みの用紙に対して綴じ処理を施すことで、その複数枚の画像形成済みの用紙を綴じることにより、見開きの冊子を作成する。尚、本実施形態に係る綴じ処理エンジン500は、ステープルや接着剤の替りに、トナーを用いて複数枚の用紙を重ねた状態で綴じるように構成されている。この綴じ処理エンジン500により作成された見開きの冊子は、排紙トレイ8に排紙される。
ディスプレイパネル600は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル600は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。ディスプレイパネル600は、図1に示す表示部60及び操作部70によって実現される
ネットワークI/F700は、画像形成装置1がネットワークを介して管理者用端末やPC(Personal Computer)等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェース、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)、FeliCa(登録商標)等のインタフェースが用いられる。このように、本実施形態に係る画像形成装置1は、ネットワークI/F900を介して接続された端末から印刷依頼の画像データや、印刷要求などの各種制御コマンドを受信する。ネットワークI/F700は、図1に示すI/F50によって実現される。
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30やHDD40等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM20にロードされ、それらのプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部110は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。また、主制御部110は、入出力制御部150を制御し、ネットワークI/F900及びネットワークを介して他の装置にアクセスする。エンジン制御部120は、スキャナエンジン200、プリントエンジン300等の駆動部を制御し若しくは駆動させる。
画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、PDL(Page Description Language)等により記述された画像情報、例えば、入力された印刷ジョブに含まれる文書データ若しくは画像データに基づいて描画情報を出力情報として生成する。この描画情報とは、CMYK(Cyan Mgenta Yellow Key Plate)のビットマップデータ等の情報であり、画像形成部であるプリントエンジン300が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。
また、画像処理部130は、スキャナエンジン200から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像形成装置1に格納され若しくはネットワークI/F700及びネットワークを介して他の機器に送信される情報である。尚、本実施形態に係る画像形成装置1は、画像情報の代わりに描画情報が直接入力され、直接入力された描画情報に基づいて画像形成出力を実行することも可能である。
操作表示制御部140は、ディスプレイパネル600に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル600を介して入力された情報を主制御部110に通知する。入出力制御部150は、ネットワークI/F700及びネットワークを介して入力される信号や命令を主制御部110に入力する。
次に、本実施形態に係るプリントエンジン300の詳細な構成について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る画像形成装置1の主走査方向からの断面図である。
図4に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、給紙テーブル6から給紙された用紙61に対してプリントエンジン300により画像を形成した後、綴じ処理ユニット5に搬送し、若しくは、排紙トレイ8に排紙する構成を備えるものである。
また、図4に示すように、本実施形態に係るプリントエンジン300は、無端状搬送手段310に沿って各色の各作像ユニット320が並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。即ち、本実施形態に係るプリントエンジン300は、駆動ローラ312と従動ローラ313とに架け渡された搬送ベルト311に沿って、この搬送ベルト311の搬送方向の上流側から順に、複数の作像ユニット、C版作像ユニット320C、M版作像ユニット320M、Y版作像ユニット320Y、K版作像ユニット320Kが配列されて構成されている。
これら複数の作像ユニット320C、320M、320Y、320Kは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。C版作像ユニット320Cはシアンの画像を、M版作像ユニット320Mはマゼンタの画像を、Y版作像ユニット320Yはイエローの画像を、K版作像ユニット320Kはブラックの画像をそれぞれ形成する。尚、以下の説明においては、C版作像ユニット320Cについて具体的に説明するが、他の作像ユニット320M、320Y、320KはC版作像ユニット320Cと同様であるので、その他の作像ユニット320M、320Y、320Kの各構成要素については、C版作像ユニット320Cの各構成要素に付したCに替えて、M、Y、Kによって区別した符号を図に表示するにとどめ、説明を省略する。
搬送ベルト311は、回転駆動される駆動ローラ312と従動ローラ313とに架け渡されたエンドレスのベルト、即ち、無端状ベルトであって、各作像ユニット、C版作像ユニット320C、M版作像ユニット320M、Y版作像ユニット320Y、K版作像ユニット320Kによって中間転写画像が形成される中間転写ベルトである。駆動ローラ312は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ312と、従動ローラ313とが搬送ベルト311を移動させる。
C版作像ユニット320Cは、感光体としての感光体ドラム321C、この感光体ドラム321Cの周囲に配置された帯電ユニット322C、現像ユニット323C、除電器324C、トナー回収ユニット325Cを備える。
このように構成されたC版作像ユニット320Cは、画像形成に際してシアンの中間転写画像を搬送ベルト311に形成する。即ち、C版作像ユニット320Cは、画像形成に際してまず、感光体ドラム321Cの表面を暗中にて帯電ユニット322Cにより一様に帯電させる。そして、C版作像ユニット320Cは、一様に帯電した感光体ドラム321Cへ光書き込み装置330Cからシアン画像に対応した光を照射させることにより静電的に書き込みを行い、感光体ドラム321Cの表面にシアン画像に対応した静電潜像を形成する。
そして、上記のようにして感光体ドラム321Cの表面にシアン画像に対応した静電潜像が形成されると、C版作像ユニット320Cは、現像ユニット323Cによりこの静電潜像をシアントナーで可視像化することにより感光体ドラム321Cの表面上にシアンのトナー画像を形成する。
C版作像ユニット320Cは、このトナー画像を、感光体ドラム321Cと搬送ベルト311とが当接若しくは最も接近する位置(以下、「前段転写位置」とする)で、一次転写ローラ340Cを不図示の付勢部材によって感光体ドラム321Cに押し当てることで搬送ベルト311上に転写する。
この転写により、搬送ベルト311上にはシアンのトナーによる画像、即ち、シアンの中間転写画像が形成される。尚、このとき、一次転写ローラ340Cには転写バイアスが印加され、その転写バイアスによって前段転写位置における感光体ドラム321Cと一次転写ローラ340Cの間で転写電界が形成されており、この転写電界の作用により感光体ドラム321Cから搬送ベルト311にトナー画像が転写される。
C版作像ユニット320Cは、シアンの中間転写画像を搬送ベルト311に形成し終えると、感光体ドラム321Cの表面上に残留したトナーをトナー回収ユニット325Cにより回収した後、感光体ドラム321Cの表面を除電器324Cにより除電し、次の画像形成のための準備、例えば、トナーボトル350Cから不図示のトナー供給機構により現像ユニット323Cへシアンのトナーの補給等を行って待機する。
以上のようにして、C版作像ユニット320Cにより搬送ベルト311上に転写されたシアンのトナーによる画像、即ち、シアンの中間転写画像は、駆動モータと駆動ローラ312と従動ローラ313とにより搬送ベルト311を移動させることで次のM版作像ユニット320Mに搬送される。M版作像ユニット320Mは、C版作像ユニット320Cでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム321M上にマゼンタのトナー画像を形成し、そのマゼンタのトナー画像を既に形成されたシアンの中間転写画像に重畳して搬送ベルト311上に転写する。この転写により、搬送ベルト311上にはマゼンタのトナーによる画像、即ち、マゼンタの中間転写画像が形成される。このようにして、搬送ベルト311上にシアンとマゼンタとの中間転写画像が形成される。
搬送ベルト311上に形成されたシアン、マゼンタの中間転写画像は、さらに次の作像ユニット、Y版作像ユニット320Y、K版作像ユニット320Kに順次搬送され、同様の動作により、感光体ドラム321Y上に形成されたイエローのトナー画像と、感光体ドラム321K上に形成されたブラックのトナー画像とが、既に形成されている中間転写画像に重畳されて搬送ベルト311上に転写される。この転写により、搬送ベルト311上にはイエローのトナーによる画像とブラックのトナーによる画像、即ち、イエローとブラックとの中間転写画像が形成される。こうして、搬送ベルト311上にフルカラーの中間転写画像が形成される。
このようにして搬送ベルト311上にフルカラーの中間転写画像が形成されると、給紙テーブル6に収納された用紙61が最も上のものから順に給紙ローラ301と分離ローラ対302とにより分離給紙されてレジストローラ対303に向かって送り出される。そして、用紙61は、レジストローラ対303でスキューが修正された後、レジストローラ対303により搬送ベルト311の搬送タイミングに合わせてその搬送経路上において用紙61と搬送ベルト311とが接触する位置若しくは最も接近する位置(以下、「後段転写位置」とする)に搬送される。
このようにして搬送された用紙61は、後段転写位置において二次転写ローラ360が不図示の付勢部材によって従動ローラ313に押し当てられることで、搬送ベルト311上に形成されているフルカラーの中間転写画像が転写される。これにより、用紙61の紙面上に画像が形成される。紙面上に画像が形成された用紙61は、更に搬送されて定着ユニット370にて画像形成面に垂直な方向から挟み込まれて加熱されながら加圧されることにより画像が定着された後、排紙ローラ対390により綴じ処理ユニット5に搬送され、若しくは、排紙トレイ8に排紙される。
尚、本実施形態に係る定着ユニット370は、画像形成面に垂直な方向から用紙61を挟み込みながら回転することにより用紙61を搬送しつつ加圧するための定着ローラ対371を備える。また、定着ローラ対371の定着面上には加熱素子が備えられており、本実施形態に係る定着ユニット370は、この定着ローラ対371により用紙61を加熱するようになっている。このように、本実施形態に係る定着ユニット370は、定着ローラ対371により用紙61を画像形成面に垂直な方向から挟み込むことで加熱しながら加圧し、画像を定着するようになっている。
ベルトクリーナー380は、後段転写位置の下流側であってC版作像ユニット320Cよりも上流側において搬送ベルト311に押し当てられたクリーニングブレードにより搬送ベルト311の表面に付着したトナーを掻きとることで、搬送ベルト311をクリーニングする。
このように、本実施形態においては、無端状搬送手段310、作像ユニット320、光書き込み装置330、一次転写ローラ340、トナーボトル350、二次転写ローラ360、定着ユニット370、ベルトクリーナー380によりプリントエンジン300が構成される。
また、図4に示したように、本実施形態においては、中間転写画像が搬送ベルト311上に形成されてその中間転写画像が用紙に転写される方式、即ち、間接転写方式の画像形成装置を例にして説明するが、図5に示すように、用紙に画像が直接形成される方式、即ち、直接転写方式の画像形成装置であっても適用可能である。
次に、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じる用紙61について、図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)を参照して説明する。図6(a)、(b)は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じる用紙61の一例を示す図である。図7(a)、(b)は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じる1枚目及び最後の用紙61の一例を示す図である。尚、図6(a)、(b)においては、n枚目に綴じられる用紙Pnについて示している。
図6(a)、(b)に示すように本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じる用紙61は、折り処理ユニット4により二つ折りが施されており、その両面の折り目付近には画像形成ユニット3により綴じ用トナー62が付着されている。
尚、図7(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じる1枚目の用紙P1における1ページ目、及び、最後の用紙であるz枚目の用紙Pzにおける4zページ目には綴じ用トナー62は付着されない。これは、1ページ目及び4zページ目には他の用紙が綴じられることがないためである。
このとき、本実施形態に係る画像形成ユニット3は、1色のトナーでしか画像を形成することができない場合にはそのトナーを綴じ用トナーとして用紙61に付着させるが、多色のトナーで画像を形成することができる場合にはいずれかのトナーを綴じ用トナーとして用紙61に付着させれば良い。尚、本実施形態に係る画像形成ユニット3は、トナーボトル350C、M、Y、Kを備え、多色のトナーで画像を形成することができる場合、収容しているトナーの残量が最も多いトナーボトル350に収容されているトナー、若しくは、最も消費の少ないトナーを綴じ用トナーとして用紙61に付着させるように構成されていても良い。即ち、本実施形態においては、トナーボトル350が、顕色剤収容部として機能する。本実施形態に係る画像形成装置1は、このように構成されることで、印刷領域に目的の画像を形成するといった本来の画像形成機能に影響を与えることがない。
図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)に示すように、用紙61の折り目付近に綴じ用トナー62が付着されているため、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、複数枚の用紙61の折り目付近に付着されているその綴じ用トナー62を溶着させることにより、図8及び図9に示すような見開きの冊子を作成することができるようになっている。
尚、図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)においては、二つ折りの内側の向かい合う面の両面に綴じ用トーが付着される例について説明したが、そのどちらかの片面にのみ綴じ用トナーが付着されていれば良い。前者の場合、剥離強度を向上させることが可能となり、後者の場合、トナーの消費量を低減させることが可能となる。また、図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)においては、二つ折りの外側の面と、その外側の面に重なる他の二つ折りの外側の面との両面に綴じ用トーが付着される例について説明したが、そのどちらかの片面にのみ綴じ用トナーが付着されていれば良い。前者の場合、剥離強度を向上させることが可能となり、後者の場合、トナーの消費量を低減させることが可能となる。
次に、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が用紙に対して綴じ処理を行う際の動作例について、図10(a)、(b)及び図11を参照して説明する。次いで、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じ処理が施された用紙の厚さを測定する際の動作例について、図12を参照して説明する。図10(a)、(b)、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が用紙61を搬送する様子を示す図である。図11は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が用紙61を綴じる際の様子を示す図である。図12は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じ処理が施された用紙61の厚さを測定する際の様子を示す図である。尚、以下で説明する各動作部の動作は、主制御部110及びエンジン制御部120の制御により行われる。
本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、用紙に対して綴じ処理を行う際にはまず、図10(a)に示すように、用紙取得ローラ対510により折り処理ユニット4から綴じ用トナー62が付着された1枚目の用紙P1を取得する。そして、図10(b)に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、取得した1枚目の用紙P1を矢印の方向が示す経路に従って綴じ処理部520まで搬送する。
このようにして、1枚目の用紙P1が綴じ処理部520まで搬送されてくると、図11に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ処理部520まで搬送されてきた1枚目の用紙P1を用紙支持部521により、綴じ用トナー62が付着されている綴じ位置で支持する。尚、複数枚の用紙が順次、綴じ処理部520まで搬送されてきた場合、用紙支持部521は、それら複数枚の用紙における綴じ用トナー62が付着されている一端を揃えて支持することができる。
そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、押圧部522を加熱しながら矢印の方向に移動させることで、用紙支持部521に支持されている1枚目の用紙61の綴じ用トナー62が付着されている綴じ位置を押圧しながら加熱する。こうすることで、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ用トナー62を1枚目の用紙P1の折り目付近で溶着させ、1枚目の用紙P1を綴じるようになっている。即ち、本実施形態においては、綴じ処理部520が、貼り合わせ処理部として機能する。
尚、本実施形態に係る用紙支持部521及び押圧部522の用紙に接触する部分は、フッ素樹脂加工等の汚れをはじくような特殊な加工が施され、若しくは、フッ素樹脂等の汚れをはじく特殊な素材で構成されているため、用紙に付着しているトナーがその接触部分に付着することによる汚れを防止することができるようになっている。
上記のようにして1枚目の用紙P1に対する綴じ処理が完了すると、図12に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、その用紙の厚さt1を光学式測距センサである厚さ測定センサ530により測定する。尚、本実施形態においては、厚さ測定センサ530として光学測距センサにより用紙の厚さを測定する例について説明するが、これに限らず、用紙の厚さを測定することができる機構であれば良く、例えば、レーザーを用いた測距センサにより測定しても良いし、カメラ等の撮像装置を用いて画像処理により測定しても良い。即ち、本実施形態においては、厚さ測定センサ530が、厚さ測定部として機能する。
そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、図10(a)、(b)、図11、図12に示す動作を綴じる対象となる全ての用紙P1〜Pzに対して行うことにより、上述した図8及び図9に示すような見開きの冊子を作成することができるようになっている。
このように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、図10(a)、(b)、図11、図12に示す動作により綴じ処理を行うが、このとき、綴じ処理が必ず成功するとは限らず、例えば、綴じ位置が完全に綴じられていなかったり、綴じ位置がずれてしまったりする等、失敗することがある。
そこで、本実施形態に係るが綴じ処理ユニット5は、綴じ処理を実行する度に用紙束の厚さを測定することで、その厚さに基づいて綴じ処理が成功したか否かを判定するように構成されており、このことを要旨の一つとしている。
例えば、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、図13(a)に示すように、n枚の用紙を綴じ、図13(b)に示すように、そのときの用紙束の厚さtnを測定したとする。尚、以下の説明においては、1枚目の用紙が綴じられた後に測定されたその厚さをt1、2枚目の用紙が綴じられた後に測定されたその厚さをt2、n枚目の用紙が綴じられた後に測定されたその厚さをtnといったように、綴じられた用紙束の厚さを示す際、厚さを表す記号tに、綴じられた用紙の枚数を下付の文字で添えることで表すことにする。
このとき、図14に示すように、綴じられた用紙束の厚さは、綴じ処理が成功していれば、理想的には、用紙が1枚ずつ綴じられる毎にΔtずつ増加するはずである。但し、厚さ測定センサ530の誤差や、綴じ処理ユニット5のコンディション、綴じ用トナーの付着量のばらつき、各用紙の厚さのばらつき、使用環境、用紙の種類、印刷内容等の要因により、綴じ処理が成功したとしても完全にΔtずつ増加するとは限らないため、本実施形態においてはそれらを考慮して冗長性を持たせている。即ち、本実施形態においては、n枚目の用紙が綴じられた後の理想的な厚さをtn(Ideal)とし、この理想的な値tn(Ideal)に冗長性を持たせた値を規定値としている。以下では、このときの規定値の最大値をtn(Max)、最小値をtn(Min)とする。
従って、図15左端に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、測定した厚さtnが規定値tn(Min)と規定値tn(Max)との間に収まっていれば、即ち、tn(Min)≦tn≦tn(Max)であれば、n枚目の用紙に対する綴じ処理が成功したと判定することが可能である。
一方、図15中央に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、測定した厚さtnが規定値tn(Max)よりも大きくなっていれば、即ち、tn>tn(Max)であれば、n枚目の用紙に対する綴じがあまいとして、n枚目の用紙に対する綴じ処理が失敗したと判定することが可能である。
また、図15右端に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、測定した厚さtnが規定値tn(Min)よりも小さくなっていれば、即ち、tn<tn(Min)であれば、本来ならなければならないはずのn枚目の用紙が抜けているとして、若しくは、n枚目の用紙の綴じ位置がずれているとして、n枚目の用紙に対する綴じ処理が失敗したと判定することが可能である。
このように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ処理を実行する度に用紙束の厚さを測定することで、その厚さに基づいて綴じ処理が成功したか否かを判定するように構成されている。従って、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、用紙に対する綴じ処理が成功したか否かを検知することが可能となる。これにより、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、用紙に対する綴じ処理が失敗した際の対策、例えば、綴じ処理を再度実行する、綴じ処理の際の押圧力や温度、押圧時間等を変更するといった対策をとることが可能となる。
尚、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、厚さ測定センサ530により用紙の厚さを測定する際、綴じ処理が実行された綴じ位置に相当する部分の厚さを測定し、若しくは、その綴じ位置により近い位置に相当する部分の厚さを測定することで、綴じ処理が成功したか否かをより精度良く判定することが可能となる。これは、用紙面に平行な方向において綴じ位置から遠ざかるほど用紙のカールや反りが大きくなるためである。従って、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、用紙の厚さを測定する際、用紙面に平行な方向において綴じ位置から遠い位置で測定するほどその影響を受けやすくなるためである。
次に、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じ処理を実行する際の処理について、図16を参照して説明する。図16は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じ処理を実行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図16に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ処理を実行する際にはまず、折り処理ユニット4から二つ折りが施された用紙を用紙取得ローラ対510により取得する(S1601)。そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、取得した用紙を綴じ処理部520まで搬送すると、搬送されてきた用紙に対して綴じ処理部520により綴じ処理を実行する(S1602)。
そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S1602において綴じ処理が施された用紙の厚さを厚さ測定センサ530により測定し(S1603)、主制御部110によりその厚さが規定値内であるか否かを判定する(S1604)。本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S1604における判定処理において、測定された厚さが規定値内ではないと判定された場合(S1604/NO)、主制御部110により綴じ処理が失敗したと判定して(S1605)、エンジン制御部120により綴じ処理の設定を変更する(S1606)。即ち、本実施形態においては、主制御部110が、貼り合わせ処理の成否を判定する判定部として機能し、エンジン制御部120が、設定変更部として機能する。
尚、本実施形態においては、判定部及び設定変更部はそれぞれ、主制御部110及びエンジン制御部120により実現される例について説明するが、これに限らず、その他の制御部、例えば、ROM30やHDD40等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM20にロードされ、それらのプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部により実現されても良いし、集積回路などのハードウェアによって実現されても良い。
ここで、綴じ処理の設定の変更とは、例えば、綴じ処理の際の温度や押圧力、押圧時間等の変更であって、後述するS1608において綴じ処理を再度実行する際に適用される変更である。そのため、その変更内容は、S1602における最初の綴じ処理が実行された際の設定よりも綴じやすくなるように変更する。このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、再生紙や上質紙、光沢紙といった用紙の種類、薄紙や厚紙といった用紙の厚さ、A4やB5といった用紙のサイズ等に関する用紙情報や、綴じ枚数や綴じ位置、ページ数等に関する綴じ情報、綴じ用トナーの付着量や種類、両面か片面かといった付着の仕方等に関する綴じ用トナー情報等の情報を参照して変更内容を決定するようにも良い。これは、それらの情報に応じて綴じ用トナーの溶着具合が変化するためである。即ち、本実施形態においては、用紙情報が、シート情報として、綴じ情報が、シートの貼り合わせ態様として、綴じ用トナー情報が、顕色剤の付着態様として参照される。
例えば、図17に示すように、綴じ処理が実行された用紙の剥離強度は、綴じ用トナーを溶着させる際の溶着温度に応じて変化するため、S1606においては剥離強度が大きくなるように加熱温度を変更することで、S1602において最初の綴じ処理を実行した際よりも、後述するS1608において綴じ処理を再度実行する際の方が綴じやすくなる。
また、例えば、図18に示すように、綴じ処理が実行された用紙の剥離強度は、綴じ用トナーを溶着させる際の溶着時間に応じて変化するため、S1606においては剥離強度が大きくなるように溶着時間を変更することで、S1602において最初の綴じ処理を実行した際よりも、後述するS1608において綴じ処理を再度実行する際の方が綴じやすくなる。
また、例えば、図19に示すように、綴じ処理が実行された用紙の剥離強度は、綴じ用トナーを溶着させる際の押圧力に応じて変化するため、S1606においては剥離強度が大きくなるように押圧力を変更することで、S1602において最初の綴じ処理を実行した際よりも、後述するS1608において綴じ処理を再度実行する際の方が綴じやすくなる。
そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S1606において変更された設定にて綴じ処理部520により綴じ処理を再度実行して(S1607)、同一の用紙に対する綴じ処理の実行回数をカウントする(S1608)。本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ処理が再度実行された用紙の厚さを厚さ測定センサ530により再度測定し(S1609)、主制御部110によりその厚さが規定値内であるか否かを再度判定する(S1610)。
本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S1610における判定処理において、再度測定された厚さが規定値内ではないと判定された場合(S1610/NO)、主制御部110により綴じ処理が再度失敗したと判定して(S1611)、綴じ処理の繰り返し回数が予め設定されている上限回数に達したか否かを主制御部110により判定する(S1612)。
本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S1612における判定処理において、綴じ処理の繰り返し回数が予め設定されている上限回数に達していないと判定された場合(S1612/NO)、同一の用紙に対して繰り返しS1606以降の処理と同様の処理を実行する。一方、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S1612における判定処理において、綴じ処理の繰り返し回数が予め設定されている上限回数に達したと判定された場合(S1612/YES)、異常処理を実行し(S1613)、綴じ処理を実行する際の処理を終了する。ここで、異常処理とは、例えば、綴じ処理の実行停止や、ディスプレイパネル600へのエラー表示、警告音の発生等である。
一方、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S1604における判定処理において、測定された厚さが規定値内であると判定された場合(S1604/YES)、若しくは、S1610における判定処理において、再度測定された厚さが規定値内であると判定された場合(S1610/YES)、綴じ処理を実行するべき全ての用紙を綴じたか否かを主制御部110により判定する(S1614)。
本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S1614における判定処理において、綴じ処理を実行するべき全ての用紙を綴じていないと判定された場合(S1614/NO)、折り処理ユニット4から二つ折りが施された次の用紙を用紙取得ローラ対510により取得し(S1615)、取得した次の用紙に対してS1602以降の処理と同様の処理を実行する。一方、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S1614における判定処理において、綴じ処理を実行するべき全ての用紙を綴じたと判定された場合(S1614/YES)、綴じ処理を終了する。
尚、図16においては、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ処理を再度実行して失敗した場合には、その都度、綴じ処理の設定を変更し、変更した設定にて綴じ処理を繰り返し実行する例について説明したが、S1606における綴じ処理の設定の変更に関しては1度のみ行って、その後に繰り返し実行される綴じ処理については、1度のみ変更されたその設定にて実行するように構成されていても良い。
また、図16においては、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ処理が失敗した場合、その都度、綴じ処理を再度実行する例について説明したが、例えば、綴じ処理が失敗しても、綴じ処理の設定を変更するが、同じ用紙に対して綴じ処理を再度実行するのではなく、次の用紙を取得してから変更された設定にて綴じ処理を実行するように構成されていても良い。
そこで、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5がこのように構成された場合に、綴じ処理を実行する際の処理について、図20を参照して説明する。図20は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じ処理を実行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図20に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ処理を実行する際にはまず、折り処理ユニット4から二つ折りが施された用紙を用紙取得ローラ対510により取得する(S2001)。そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、取得した用紙を綴じ処理部520まで搬送すると、搬送されてきた用紙に対して綴じ処理部520により綴じ処理を実行する(S2002)。
そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S2002において綴じ処理が施された用紙の厚さを厚さ測定センサ530により測定し(S2003)、主制御部110によりその厚さが規定値内であるか否かを判定する(S2004)。本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S2004における判定処理において、測定された厚さが規定値内ではないと判定された場合(S2004/NO)、綴じ処理を実行するべき全ての用紙を綴じたか否かを主制御部110により判定する(S2005)。
本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S2005における判定処理において、綴じ処理を実行するべき全ての用紙を綴じていないと判定された場合(S2005/NO)、主制御部110により綴じ処理が失敗したと判定して(S1605)、エンジン制御部120により綴じ処理の設定を変更して(S2006)、折り処理ユニット4から二つ折りが施された次の用紙を用紙取得ローラ対510により取得し(S2007)、取得した次の用紙に対してS2002以降の処理と同様の処理を実行する。
一方、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S2005における判定処理において、綴じ処理を実行するべき全ての用紙を綴じたと判定された場合(S2005/YES)、主制御部110により綴じ処理が失敗したと判定して(S2008)、異常処理を実行し(S2009)、綴じ処理を実行する際の処理を終了する。
一方、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S2004における判定処理において、測定された厚さが規定値内ではないと判定された場合(S2004/NO)、綴じ処理を実行するべき全ての用紙を綴じたか否かを主制御部110により判定する(S2010)。
本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S2010における判定処理において、綴じ処理を実行するべき全ての用紙を綴じていないと判定された場合(S2010/NO)、折り処理ユニット4から二つ折りが施された次の用紙を用紙取得ローラ対510により取得し(S2007)、取得した次の用紙に対してS2002以降の処理と同様の処理を実行する。一方、S2010における判定処理において、綴じ処理を実行するべき全ての用紙を綴じたと判定された場合(S2010/NO)、綴じ処理を実行する際の処理を終了する。
以上、説明したように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、用紙に対して綴じ処理を実行した後、綴じた用紙の厚さを測定し、測定した厚さに基づいて、その用紙に対する綴じ処理が成功したか否かを判定することを要旨の一つとしている。従って、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、用紙に対する綴じ処理が成功したか否かを検知することが可能となる。これにより、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、用紙に対する綴じ処理が失敗した際の対策、例えば、綴じ処理を再度実行する、綴じ処理の際の押圧力や温度、押圧時間等を変更するといった対策をとることが可能となる。
尚、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、図15を参照して説明したように、n枚の用紙を綴じ、そのときの用紙束の厚さを厚さ測定センサ530により測定した場合、測定された厚さtnが規定値tn(Min)と規定値tn(Max)との間に収まっているか否かを判定することにより、n枚目の用紙に対する綴じ処理が成功したか否かを判定する例について説明した。この他、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、n−1枚目の用紙を綴じたときの用紙束の厚さtn−1と、n枚目の用紙を綴じたときの用紙束の厚さtnとの差を算出し、算出された差Δtnに基づいて、n枚目の用紙に対する綴じ処理が成功したか否かを判定するように構成されていても良い。
このとき、図14に示すように、綴じられた用紙束の厚さは、綴じ処理が成功していれば、理想的には、用紙が1枚ずつ綴じられる毎にΔtずつ増加するはずである。但し、厚さ測定センサ530の誤差や、綴じ処理ユニット5のコンディション、綴じ用トナーの付着量のばらつき、各用紙の厚さのばらつき、使用環境、用紙の種類、印刷内容等の要因により完全にΔtずつ増加するとは限らないため、本実施形態においてはそれらを考慮して冗長性を持たせている。即ち、本実施形態においては、n枚目の用紙が綴じられた後の理想的な厚さの増加をΔt(Ideal)とし、この理想的な値に冗長性を持たせた値を規定値としている。本実施形態においては、tn−1(Min)とtn(Max)との差をこのときの規定値の最大値Δt(Max)、tn−1(Max)とtn(Min)との差をこのときの規定値の最小値Δt(Min)としている。
従って、図21左端に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、算出された差Δtnが規定値Δtn(Min)と規定値Δtn(Max)との間に収まっていれば、即ち、Δtn(Min)≦Δtn≦Δtn(Max)であれば、n枚目の用紙に対する綴じ処理が成功したと判定することが可能である。
一方、図21中央に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、算出された差Δtnが規定値Δtn(Max)よりも大きくなっていれば、即ち、Δtn>Δtn(Max)であれば、n枚目の用紙に対する綴じがあまいとして、n枚目の用紙に対する綴じ処理が失敗したと判定することが可能である。
また、図21右端に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、算出された差Δtnが規定値Δtn(Min)よりも小さくなっていれば、即ち、Δtn<Δtn(Min)であれば、本来ならなければならないはずのn枚目の用紙が抜けているとして、若しくは、n枚目の用紙の綴じ位置がずれているとして、n枚目の用紙に対する綴じ処理が失敗したと判定することが可能である。
また、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、二つ折りの折り目付近に綴じ用トナーが付着された用紙を綴じることで見開きの冊子を作成するように構成されている例について説明したが、いずれか一辺に綴じ用トナーが付着された折られていない用紙を複数枚重ねて綴じることにより見開きの冊子を形成するように構成されていても同様に適用可能である。
また、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、1枚の用紙が重なる度に綴じ処理を実行するように構成されている例について説明したが、複数枚の用紙が重なってからまとめて綴じ処理を実行するように構成されていても良い。
また、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ用トナーを溶着させることで重なっている用紙を綴じる例について説明したが、ステープルや専用の接着剤により重なっている用紙を綴じるように構成されていても適用可能である。
また、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ処理部520により綴じ用トナーを溶着させる際、その綴じ位置に押圧部522を押し当てることで押圧しながら加熱する例について説明したが、この他、綴じ位置に押圧ローラを押し当てその押圧ローラを綴じ位置上で移動させることで押圧しながら加熱するように構成されていても良い。また、この他、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ処理部520により綴じ用画像としてのトナーを溶着させる際、超音波溶着や振動溶着、高周波溶着により上記綴じ用トナーを溶着させるように構成されていても良い。さらに、この他、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、利用者の操作により上記綴じ位置を押圧しながら加熱することで上記綴じ用トナーを溶着させるアイロン様の装置により構成されていても良い。
また、本実施形態においては、スキャナユニット2、画像形成ユニット3、折り処理ユニット4、綴じ処理ユニット5が、画像形成装置1に備えられる構成について説明したが、各ユニットそれぞれが異なる独立した装置として構成され、それらの装置が連結されて画像形成システムを構成するようにしても良い。
また、本実施形態においては、電子写真方式の画像形成装置を例として説明したが、インクの特性が本実施形態に係るトナーと同様の性質を有していれば、インクジェット方式の画像形成装置であってもよい。即ち、インクジェット方式の画像形成装置に用いられるインクが、加熱されることで軟化し冷却されることで硬化するといった性質を有していれば、重ねられた状態の複数枚の用紙間で加熱されて冷却されることでその用紙間で溶着し、その結果、用紙を綴じるための接着剤として機能するため、本実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1に係る画像形成装置1は、用紙が二つ折りされた際に形成される折り目付近に画像形成ユニット3により綴じ用トナーを付着させ、その綴じ用トナーが付着された用紙を折り処理ユニット4により上記折り目で二つ折りにし、その用紙に付着された綴じ用トナーを綴じ処理ユニット5により溶着させることで、見開きの冊子を作成するように構成されている例について説明した。
一方、本実施形態に係る画像形成装置1は、用紙が三つ折りされて綴じられた際に袋綴じが形成されるように画像形成ユニット3により綴じ用トナーを付着させ、その綴じ用トナーが付着された用紙を折り処理ユニット4により三つ折りにし、その用紙に付着された綴じ用トナーを綴じ処理ユニット5により溶着させることで、1枚の用紙で袋綴じを形成するように構成されている例について説明する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
まず、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じる用紙61について、図22(a)、(b)を参照して説明する。図22(a)、(b)は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じる用紙61の一例を示す図である。
図22(a)、(b)に示すように、内三つ折りの用紙61が綴じられた際に袋綴じとなる位置に綴じ用トナー62が付着されているため、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、その綴じ用トナー62を溶着させることにより、図23及び図24に示すような内三つ折りの用紙で袋綴じを作成することができるようになっている。
尚、図22(a)、(b)においては、三つ折りの内側の向かい合う面の両面に綴じ用トーが付着される例について説明したが、そのどちらかの片面にのみ綴じ用トナーが付着されていれば良い。前者の場合、剥離強度を向上させることが可能となり、後者の場合、トナーの消費量を低減させることが可能となる。また、図22(a)、(b)においては、三つ折りの折り目により分割される各領域の一辺にのみ綴じ用トナーが付着され、一辺のみが綴じられた袋綴じが作成される例について説明したが、図25(a)、(b)に示すように、各領域の全ての辺に綴じ用トナーが付着されて、全ての辺が綴じられた完全な袋綴じが作成されように構成されていても良い。
このとき、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、図10(a)、(b)、図11、図12に示す動作を綴じる対象となる用紙に対して行うことにより図23及び図24に示すような内三つ折りの用紙で袋綴じを作成することができるようになっている。
このように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、図10(a)、(b)、図11、図12に示す動作により綴じ処理を行うが、このとき、綴じ処理が必ず成功するとは限らず、例えば、綴じ位置が完全に綴じられていなかったり、綴じ位置がずれてしまったりする等、失敗することがある。
そこで、本実施形態に係るが綴じ処理ユニット5は、綴じ処理を実行する度に用紙束の厚さを測定することで、その厚さに基づいて綴じ処理が成功したか否かを判定するように構成されており、このことを要旨の一つとしている。
例えば、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、図26(a)に示すように、内三つ折りの用紙を綴じて袋綴じを作成し、図26(b)に示すように、そのときの用紙の厚さsを測定したとする。
このとき、図27に示すように、袋綴じられた用紙の厚さは、綴じ処理が成功していれば、理想的にはs(Ideal)となるはずである。但し、厚さ測定センサ530の誤差や、綴じ処理ユニット5のコンディション、綴じ用トナーの付着量のばらつき、各用紙の厚さのばらつき、使用環境、用紙の種類、印刷内容等の要因により、綴じ処理が成功したとしても完全にs(Ideal)になるとは限らないため、本実施形態においてはそれらを考慮して冗長性を持たせている。即ち、本実施形態においては、内三つ折りの用紙が袋綴じされた後の理想的な厚さをs(Ideal)とし、この理想的な値s(Ideal)に冗長性を持たせた値を規定値としている。以下では、このときの規定値の最大値をs(Max)、最小値をs(Min)とする。
従って、図28に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、測定した厚さSが規定値s(Min)と規定値s(Max)との間に収まっていれば、即ち、s(Min)≦s≦s(Max)であれば、内三つ折りの用紙に対する袋綴じのための綴じ処理が成功したと判定することが可能である。
一方、図28に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、測定した厚さsが規定値s(Max)よりも大きくなっていれば、即ち、s>s(Max)であれば、用紙に対する綴じがあまいとして、内三つ折りの用紙に対する袋綴じのための綴じ処理が失敗したと判定することが可能である。
また、図29に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、測定した厚さsが規定値s(Min)よりも小さくなっていれば、即ち、s<s(Min)であれば、用紙の綴じ位置がずれているとして、内三つ折りの用紙に対する袋綴じのための綴じ処理が失敗したと判定することが可能である。
このように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、袋綴じのための綴じ処理を実行した後、その用紙の厚さを測定することで、その厚さに基づいて綴じ処理が成功したか否かを判定するように構成されている。従って、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、用紙に対する袋綴じのための綴じ処理が成功したか否かを検知することが可能となる。これにより、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、用紙に対する袋綴じのための綴じ処理が失敗した際の対策、例えば、袋綴じのための綴じ処理を再度実行する、袋綴じのための綴じ処理の際の押圧力や温度、押圧時間等を変更するといった対策をとることが可能となる。
次に、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じ処理を実行する際の処理について、図30を参照して説明する。図30は、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5が綴じ処理を実行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図30に示すように、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、綴じ処理を実行する際にはまず、折り処理ユニット4から内三つ折りが施された用紙を用紙取得ローラ対510により取得する(S3001)。そして、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、取得した用紙を綴じ処理部520まで搬送すると、S1602〜S1610における処理と同様の処理を実行する(S3010)。
本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S3010における判定処理において、再度測定された厚さが規定値内ではないと判定された場合(S3010/NO)、S1611〜S1613における処理と同様の処理を実行する。一方、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、S3010における判定処理において、再度測定された厚さが規定値内であると判定された場合(S3010/YES)、綴じ処理を終了する。
尚、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、内三つ折りの用紙を袋綴じするように構成されている例について説明したが、図31に示すような外三つ折りの用紙を袋綴じするように構成されていても良いし、二つ折りや四つ折り、観音折り等のその他の折り方で折られた用紙を袋綴じするように構成されていても良い。また、この他、本実施形態に係る綴じ処理ユニット5は、複数枚の用紙を重ねて袋綴じするように構成されていても良い。