JP6291638B1 - 磁気力測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁石を利用して磁性化細胞に対する磁気力の定量評価や、超電導磁石の保守点検を行う際の磁気力を検知する磁気力測定装置において、軽量で、低電圧で作動する安価な、磁気検出手段用の移動手段を有し、かつ磁気検出手段の駆動振れを微小にした小型、軽量で、安価で高精度な磁気力測定装置を提供する。【解決手段】所定の微小移動距離δL離れた少なくとも2か所の位置で、磁束密度を測定する同一の磁気センサーを往復移動させる移動手段であるアクチエータを、低電圧で伸縮する形状記憶合金製の伸縮線材と電極を組み合わせた伸縮手段と、前記磁気センサーを保持し、前記伸縮手段と直接もしくは間接的に一体化されて移動する素子移動保持手段と、前記素子移動保持手段の移動距離を拘束する移動拘束手段で構成する。【選択図】図2

Description

本発明は、磁場中において磁性細胞や工具等の磁性物質に、物理的な磁気力が作用する磁気特性を精度よく測定できる、軽量で、小型で、作動時の振動が少ない安価で高精度な磁気力測定装置に関する。
近年、急速な進展を示す再生医療分野において、膝関節の軟骨や骨の再生医療の研究が進められており、核磁気共鳴画像装置用造影剤を磁性微粒子として取り込ませた間葉系幹細胞(以下磁性幹細胞と称す)の外部誘導手段として、強い磁気力を提供できる磁場発生手段である例えば電磁石の超電導バルク磁石や永久磁石の適用が、臨床応用を目標に積極的に進められている。
現状の再生医療試験では、超電導バルク磁石の磁界内で、前記磁性幹細胞の注入部位や誘導先への細胞の軌跡を、内視鏡を使用しながら確認して行っている。しかし、多数のデータを整理する場合、両部位における磁気力の重要なファクターの一つである磁気力係数を定量的に把握し、治療効果を比較検討することが重要である。
一方、超電導磁気浮上式列車や核磁気共鳴イメージング(以下、MRIと記す)に搭載される超電導磁石は大型で高磁場を発生させるため、車両やMRIの超電導磁石周りの保守点検等を行う際、磁気力を定量的に把握し、携帯するスパナや、鉄製部品を有する機器や、磁気カード等の磁性物質等の磁気吸引事故や磁気メモリーの破壊事故に対する、安全予防を行うことが重要である。
ここで、磁気力を測定するために必要な磁束密度Bを計測する磁気検出手段としては、一般的にホール素子やSQUID素子等がある。ホール素子は、常温で使用できる。
磁気力Fm[N]の計算式を(1)式に示す。体積がV[m3]の磁性微粒子が置かれた空間の磁束密度をB[T]とすると、磁気力Fmは、磁束密度Bと磁気勾配ΔBの積の磁気力係数fm[T2/m]に比例する。ここで,κは磁化率[-],μ0は真空透空透磁率[N/A2]である。

Fm=V・κ・B・ΔB/μ0
=V・κ・fm/μ0・・・・・・・・・・・(1)
したがって、微小移動距離δL[m]離れた3次元空間内の2点の位置である位置Za、位置Zbでの磁束密度BaおよびBbを測定すれば、磁束密度差(Ba-Bb)をδLで除してZa、Zbの2点間の磁気勾配ΔBab=(Ba-Bb)/δLを計算でき、Za、Zb間の平均磁束密度Bab=(Ba+Bb)/2を計算し、磁気力係数fm=Bab×ΔBabを算出できる。ここで、磁性微粒子の定まった物性であるκ,μ0が明らかであれば磁気力Fmを(1)式により、計算して求めることができる。すなわち、磁気力係数fmは磁気力Fmの大きさを決める重要なファクターである。
従来、磁束密度Bの測定は、1個の磁気測定用の例えばホール素子の磁気センサーを高電圧で作動する圧電アクチエータに組み込み、微小移動距離δLの数十μmから数百μmを短時間にトラバースし、少なくとも2点の測定位置で磁束密度Bを測定し、その測定結果より測定位置での磁気勾配ΔB、磁気力Fmを算出する装置が特許公開2013-195172に開示されている。
また、上記アクチエータでの微小移動距離δL確保のための駆動を、数ボルトの低電圧で作動するミニエアーポンプの空気圧を利用し、この空気圧で膨張、収縮して伸縮変形するベロー体等の弾性体を使用し、数百μm磁気センサーを移動させる空圧アクチエータの構造が、特許公開2016-014576開示されている。なお、2点の測定位置で磁束密度Bを測定し、その測定結果より測定位置での磁気勾配ΔB、磁気力Fmを算出する方法は特許公開2013-195172に開示されている内容と同様である。
特許公開2013-195172 特許公開2016-014576
前記特許文献1の引例において、磁気勾配ΔBを求めるのに使用する圧電アクチエータ本体はトラバースの距離数十μmから数百μmを確保するため多数の高価なピエゾ素子を多数積層する必要があり、かなり高価となり、かつ圧電アクチエータ駆動直流電圧が150Vと高く、そのための専用の高電圧の駆動ドライバーも高価であり、重く、高価な装置となる問題があった。
前記特許文献2の引例において、空圧アクチエータの駆動を、エアーポンプの空気圧を利用しているため、ポンプの吐出圧の脈動で空気アクチエータが振動し、このためアクチエータに直結した磁気センサーが磁場空間内で振動し、磁束密度Bの測定精度が低下し、磁気勾配ΔB、磁気力Fmの算出値に誤差が生じる問題があった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、軽量で、安価な磁気検出手段用の移動手段を有し、かつ数ボルトの低電圧で駆動可能で微振動のアクチエータにより、磁気検出手段の移動時の駆動振動を極力少なくした高精度な磁気力測定装置を提供することである。
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の磁気力測定装置では、所定の微小移動距離δL離れた少なくとも2か所の位置で、磁束密度Bを測定する同一の磁気センサーを往復移動させる移動手段であるアクチエータを、数ボルトの低電圧で伸縮する例えばTi-Ni系等の形状記憶合金の形状記憶物質を有する伸縮線材と電極を組み合わせた伸縮手段と、前記磁気センサーを保持し、前記伸縮手段と直接もしくは間接的に一体化されて移動する素子移動保持手段と、前記素子移動保持手段の移動距離を拘束する移動拘束手段で構成する。
本構造および構成の磁気力測定装置によれば、直流電圧1〜5V程度の低電圧の給電で前記形状記憶合金製の伸縮線材が温度変化により、線長の約5%緩やかに伸縮するので、これに一体化した素子移動保持手段を振動なく静かに移動させることができ、保持した前記磁気センサーを、移動拘束手段で例えば0.2mmの微小移動距離δLだけ正確に移動でき、この移動前後の位置a、位置bであるZa,Zbでの磁束密度を精度よく測定できる。
かかる目的を達成するためになされた請求項2記載の磁気力測定装置では、アクチエータ内に、前記素子移動保持手段の移動方向端部に、前記素子移動手段の移動前の状態で前記移動方向に反発力が作用し、前記伸縮線材が内部を貫通する弾性体を備えた構造とする。
本構造および構成の磁気力測定装置によれば、給電により所定の電圧で伸縮手段を伸縮させ、素子移動保持手段を所定の方向に移送させるとともに前記弾性体が円筒体の円周縁部で均一に反発するので、前記素子移動保持手段が傾きなくスムースに移動でき、磁気センサーが移動方向に対して傾くことが無く、移動距離を正確に担保するとともに、磁束密度の計測精度の低下を防止できる。さらに、移動後、無給電により前記伸縮手段および素子移動保持手段を元の位置に戻す際、前記弾性体の弾性反力で前記方向と反対方向に素子移動保持手段を復帰させ、精度良く微小移動距離δLを担保できる。
かかる目的を達成するためになされた請求項3記載の磁気力測定装置では、前記アクチエータ内の伸縮する伸縮線材を、例えばL字状に配置し、伸縮方向の角度を持たせ、磁気センサー移動方向のアクチエータの形状を短縮する構造とする。
本構造および構成の磁気力測定装置によれば、伸縮方向をL字状に構成できるので、磁気センサーの移動方向の移動距離は微小移動距離δLあれば十分であり、磁気センサーの移動方向の伸縮線材の線長を非常に短くできる。したがって、磁気密度の測定箇所の入り口が例えば円筒状の狭い空間であっても、挿入が可能となり、小型で、軽量な磁気力計測装置を提供できる効果がある。
かかる目的を達成するためになされた請求項4記載の磁気力測定装置では、伸縮線材を有したアクチエータと磁気センサーを直交する3軸方向に配置し、少なくとも内2軸方向向きに請求項3記載のアクチエータを配置する構造とする。
本構造および構成の磁気力測定装置によれば、直交する3軸方向の磁束密度および磁気勾配を同時に計測できるので、磁気力を含めた磁気特性のベクトルを算出でき、磁気力の合成値および磁気力の作用方向を算出できる。したがって、小型で、軽量な3次元の磁気力を計測できる磁気力計測装置を提供できる効果がある。
かかる目的を達成するためになされた請求項5記載の磁気力測定装置では、伸縮線材を有したアクチエータと磁気センサーを、直交する3軸方向のうち少なくとも1軸方向きに配置し、該アクチエータと磁気センサーを回転駆動手段で直角方向に回転往復移動できる構造とする。
本構造および構成の磁気力測定装置によれば、直交する2軸方向の磁束密度と磁気勾配を、1つのアクチエータと磁気センサーを回転移動させることで計測できる。したがって、3軸方向に配置するアクチエータと磁気センサーの個数を減らして3次元の磁気力を計測できるので、低コストの3次元の磁気力計測装置を提供できる効果がある。
かかる目的を達成するためになされた請求項6記載の磁気力測定装置では、前記アクチエータ内の伸縮する伸縮線材を、例えば逆U字状に折り返して配置し、逆U字状の頂点から両端側の並列状の伸縮線材の伸縮量をほぼ均等にするように配置する構造とする。
本構造および構成の磁気力測定装置によれば、逆U字状の線状の伸縮線材の折返し部の頂部の伸縮方向の移動量が少ないので、折返し部の伸縮による線材への曲げ疲労荷重がかかることが無く、伸縮線材の破損を防止することができ、信頼性が高い磁気力計測装置を提供できる効果がある。
さらに、伸縮線材を折り返して配置することにより、伸縮線材に給電する電極を静止配置できるので、伸縮線材の伸縮で移動するセンサーホルダーが移動しても給電線が動かないので、給電線が移動中に他の箇所に接触しセンサーホルダーの移動が阻害されるリスクが無くなり、測定の信頼性を向上できる効果がある。
かかる目的を達成するためになされた請求項7記載の磁気力測定装置では、一方向の磁気特性の測定を行う前記1個のアクチエータと一個の前記磁気センサーを、前記方向に対して直角な面内で複数箇所に移動させる面内移動手段に固定支持する構造とする。
本構造によれば、前記1個のアクチエータと一個の前記磁気センサーで、位置座標が明らかな複数個所の磁気特性が計測できるので、このデータを基に逆問題の3次元磁気特性数値解析で測定箇所の3次元磁気特性が求めることができるので、低コストな磁気力計測装置を提供できる効果がある。
本発明によれば、磁束密度を測定する磁場空間内で伸縮手段を構成する伸縮物質で構成した伸縮線材を低い電圧で振動無く伸縮でき、この伸縮の変位で磁気センサーを一体化した素子移動保持手段を、移動拘束手段で正確に微小移動距離δLだけ振動を極力少なく移動させて前記1つの磁気センサーで磁束密度を計測できるので、小型で、軽量で、安価で、高精度に磁気密度、磁気勾配および磁気力を測定、演算できる磁気力計測装置を提供できる効果がある。
また、素子移動保持手段を弾性体で保持する構造により、移動の後、前記弾性体の復元力により素子移動保持手段を移動前の位置に容易に復帰でき、更に精度よく微小移動距離δLを維持できるので、さらに精度よく磁気勾配と磁気力を測定、演算できる磁気力計測装置を提供できる効果がある。
また、3次元の磁束密度の測定空間で直交する2軸方向の磁束密度と磁気勾配を、1つのアクチエータと磁気センサーを回転移動させることで計測できるので、前記2軸方向に直交する残り1軸方向にもう1つのアクチエータと磁気センサーの2つのアクチエータと磁気センサーで直交する3軸方向の磁気力を含めた磁気特性のベクトルを測定、算出でき、3軸方向に配置するアクチエータと磁気センサーの個数を減らして低コストの3次元の磁気力計測装置を提供できる効果がある。
また、伸縮線材を折り返して配置するので、折返し部の頂部の伸縮方向の移動量が少なくなり、折返し部の伸縮による線材への曲げ疲労荷重がかかることが無く、伸縮線材の破損を防止することができ、さらに、伸縮線材を折り返して配置することにより、伸縮線材に給電する両電極を静止配置できるので、伸縮線材の伸縮で移動するセンサーホルダーが移動しても電極に接続された給電線が動かず、給電線が移動中に他の箇所に接触しセンサーホルダーの移動が阻害されるリスクが無くなり、測定の信頼性を向上できる効果がある。
本発明による1軸方向の磁気特性を計測する磁気力測定装置の構造、構成を示す図である。 実施例1のアクチエータの構造を示す断面図である。 図2のE−E矢視図である。 実施例1のアクチエータによる磁気センサーの移動後の構造を示す断面図である。 実施例1の磁気特性測定装置の構成を示すフローチャート図である。 本発明による実施例2のアクチエータとホルダーの構造を示す断面図である。 実施例2のアクチエータの構造を示す断面図である。 図2のE−E矢視図である。 実施例2のアクチエータの伸縮線材の構造を示す拡大断面図である。 本発明による実施例3のアクチエータとホルダーの構造を示す断面図である。 実施例3の磁気特性測定装置の構成を示すフローチャート図である。 本発明による実施例4のアクチエータとホルダーの構造を示す断面図である。 本発明による実施例4の磁気特性測定装置の構成を示すフローチャート図である。 本発明による実施例5のアクチエータの伸縮線材と電極の構造を示す拡大断面図である。 実施例6のアクチエータの回転駆動手段の構造を示す拡大断面図である。
(実施例1)
図1は、本発明による磁気力測定装置1の構造、構成を示す図であり一部アクチエータ部分を断面図で示しており、図2は図1の磁気センサーを微小移動距離だけ移動させる前のアクチエータ3の拡大断面図、図3は図2のE−E矢視図、図4は図1の磁気センサーを微小移動距離だけ移動させた後のアクチエータ3の拡大断面図、図5は磁気センサーを用いた磁気特性測定装置の構成を示すフローチャート図である。
図1、図2および図3に示すように、磁気力測定装置1は、以下の構成品で構成される。すなわち、磁場発生手段である例えば超電導磁石(図示せず)の磁場空間内において、磁気力測定装置1は、例えば磁気検出手段であるホール素子の磁気センサー2を内蔵し、Z軸方向の微小移動距離δLzだけ磁気センサー2を移動させる非磁性材もしくは微少磁性材を含む材料で構成したアクチエータ3、磁気センサー2を固定保持するアクチエータ3を支持する非磁性で高剛性のホルダー4、給電・計測線5の端子台7を介してまとめた結束線8、手もしくは3脚等の他の静止体(図示せず)で固定支持する非磁性の部材のグリップ9、磁気センサー2およびアクチエータ3に給電し、計測を制御し、計測値を演算し、演算結果を表示する計測装置本体10と、計測装置本体10と長尺の結束線11と連結コネクター12で構成される。
図2および図3に示すように、アクチエータ3は、磁気センサー2を頂部に一体化して移動する素子移動保持手段である例えば導電性を有するアルミニューム製の円盤状の鍔14を有した中空部を有するセンサーホルダー13と、これを移動させる駆動力を発生するための、例えば材質がTi-Ni系の形状記憶合金の伸縮物資で、線径が例えば0.05mmの伸縮線材15を該中空部内に配置しその端部は該中空部の上端部に接着材6等で固定され、この線材に絶縁被覆膜を有する可撓性のある細い給電線16,17で数Vの直流電圧を、例えば融点が80℃以上であるハンダ等の接続点である電極18,電極19で給電ONおよび給電OFFされる。
給電線17は孔34、孔35を介して、給電線16は孔35を介して端子台7に結線されている。また、少なくともハンダ接続箇所の伸縮線材表面部分に銅メッキや銅の微粒子を焼結処理して、ハンダの濡れ性を高めても良い。
センサーホルダー13は、例えば樹脂材等の電気絶縁材で製作された上部電気絶縁体20で案内され、センサーホルダー13の半径方向を適切なクリアランスで紙面Z方向の上下方向にスムースに移動可能であり、その移動距離は、鍔14を挟むように配置された非磁性で導電性を有する例えばアルミニュウムで製作された下端拘束板21,上端拘束板22を、非磁性の電気絶縁板23で拘束し、電気絶縁板23のZ方向の板厚と鍔14のZ方向の板厚の差で決定され、その差が微小移動距離δLzになるように鍔14の板厚が選定されている。
センサーホルダー13の下部には、孔24hを有する太鼓状で高分子ゴムやシリコン製等の電気絶縁性の弾性体24が配置され、弾性体24下端は下部電気絶縁体25の内壁面で移動が拘束されており、弾性体24のZ方向の弾性力でセンサーホルダー13はZ方向に押し上げられ、鍔14は上端拘束板22に接触している。また、上部電気絶縁体20、上端拘束板22、電気絶縁板23、下端拘束板21および下部電気絶縁体25は、ビス26で機械的に一体化されている。
導電性のセンサーホルダー13には、ハンダ27で絶縁被覆膜を有する可撓性のある細い信号線28が接続され、細孔29を通じて端子台7に接続されている。導電性の上端拘束板22には、ハンダ30で絶縁被覆膜を有する可撓性のある細い信号線31が接続され、端子台7に接続されている。
また、導電性の下端拘束板21には、ハンダ32で絶縁被覆膜を有する可撓性のある細い信号線33が接続され、端子台7を介して結束線8にまとめて結線されている。アクチエータ3はビス36で高剛性のホルダー4に一体化されている。
図2の状態において、給電線16,17間の電圧は0Vで伸縮線材15は縮んでいない状態であり、弾性体24の弾性力でセンサーホルダー13は紙面上方に押し上げられており鍔14が上端拘束板22に接触し、信号線28と信号線31は電気的に導通し、信号線28と信号線33は電気的に絶縁している。Z方向に磁束密度差がある磁場空間において、この状態である位置Zaでの磁束密度Baを計測する。
図2の状態で、センサーホルダー13の鍔14が上端拘束板22で拘束され、この位置で磁気センサー2は図中Z軸方向での上端位置であるZaにあり、測定位置確認手段である信号線28と信号線31の電気的導通および信号線28と信号線33の電気的に絶縁状態であるシグナルaの電気信号を発する。
次に、給電線16,17で電極18,19間に直流電圧例えば3Vを給電すると、Ti-Ni合金製の伸縮線材15はジュール熱で温度が室温から約60℃に上昇し、線長の約5%縮む。この時の収縮力は約18gf発生し、図4に示すように、この収縮力でセンサーホルダー13を紙面下方向に弾性体24を縮めながら引き下げ、鍔14が下端拘束板21に接触し、センサーホルダー13および磁気センサー2は微小移動距離δLzだけ移動する。この状態では信号線28と信号線31は電気的に絶縁し、信号線28と信号線33は電気的に導通している状態でシグナルbの電気信号を発する。この状態である位置Zbでの磁束密度Bbを計測する。
磁気センサー2で磁束密度を計測された微小移動距離δLz離れた位置Za、位置Zbでの測定値の磁束密度BaおよびBbを用いて、両磁束密度差(Ba-Bb)をδLzで除してZa、Zbの2点間の磁気勾配ΔBab=(Ba-Bb)/δLzを計算でき、Za、Zbの平均磁束密度Bab=(Ba+Bb)/2を計算し、磁気力係数fm=Bab×ΔBabを算出する。
次に、給電線16,17間の電圧を0Vに戻すと発熱は無くなり、伸縮線材15は放熱で温度が室温に低下して元の形状に戻り、弾性体24が伸びて、弾性体24の復元の弾性力によりセンサーホルダー13が上昇し、鍔14が上端拘束板22に接触し移動が拘束されて図2の元の位置に戻る。
次に、2点間の磁束密度を計測し、計測結果を演算処理して求める物理量を表示する場合の手順について説明する。
ここで、磁気特性測定装置1の構成を示す図5のフローチャート図において、計測装置本体10は、磁気センサー2に電気を供給し、センサー電気信号を磁束密度に演算する給電・演算機能と、測定タイミング制御機能を有する給電・演算・制御手段41と、前記磁束密度の演算値の記録およびこれらの記録データを用いた平均磁束密度Bの演算機能、磁気勾配ΔBの演算機能、磁気力係数fmの演算機能、単位磁気力Fuの演算機能や、それぞれの演算値を例えば液晶表示画面に表示するための表示・制御機能や、前記給電・演算・制御手段41を制御するとともに計測、演算結果を記憶保存する機能等を有する演算・表示・制御手段42、前記演算・表示・制御手段42の制御により図1中の演算値表示液晶画面の平均磁束密度B用表示画面43,磁気勾配ΔB用表示画面44,磁気力係数fm用表示画面45,単位磁気力Fu用表示画面46や、警報用LED表示灯やブザーの警報器47への給電や、表示、警報、制御機能を有する測定・演算値表示警告手段48、前記各手段に給電する充電式のバッテリー等の給電機器源49、外部電源(図示せず)から前記給電機器49に給電する電源コード50で構成される。
信号線28、31,33で構成する測定位置確認手段51の短絡、絶縁状態で位置を認識するシグナルaを受け、給電・演算・制御手段41や演算・表示・制御手段42で処理して、磁気センサー2がZaにあると判断し、給電・演算・制御手段41で磁気センサー2からの磁束密度の計測データを給電・計測線5を通じて受信し、演算して測定値Baとしてデータを保存する。
測定値Baとして受け入れた後は、次のステップに移る。給電・演算・制御手段41から給電線16,17を通じて、約3Vの直流電圧を給電機器49から間接的に給電される。伸縮線材15は線長の約5%が縮み、約18gfの収縮力で図4に示すようにセンサーホルダー13と磁気センサー2を紙面下方向に弾性体24を縮めながら引き下げ、鍔14が下端拘束板21に接触し、センサーホルダー13および磁気センサー2は所定の微小移動距離δLzとして例えば0.2mmだけ正確に移動し移動距離を担保できる。
この状態では鍔14が下端拘束板21に接触し、測定位置確認手段51の信号線28と信号線31は電気的に絶縁し、信号線28と信号線33は電気的に導通している状態であるシグナルbの電気信号を発する。
シグナルbを受け、給電・演算・制御手段41や演算・表示・制御手段42で処理して、磁気センサー2が位置Zbにあると判断し、給電・演算・制御手段41で磁気センサー2からの磁束密度の計測データを、給電・計測線5を通じて受信し、演算して測定値Bbとしてデータを保存する。この状態で位置Zbでの磁束密度Bbを計測する。
測定値Bbとして受け入れた後は、微小移動距離δLz離れたZa、Zbでの演算値の磁束密度BaおよびBbを測定値とし、両磁束密度差(Ba-Bb)をδLzで除してZa、Zbの2点間の磁気勾配ΔBab=(Ba-Bb)/δLzを演算でき、Za、Zbの平均磁束密度Bab=(Ba+Bb)/2を演算し、磁気力係数fm=Bab×ΔBabを演算する。
さらに、標準的な鉄の磁性物の体積Vを例えば1×10−6(=1cm)とし、鉄の磁化率χとして例えば0.5,真空透磁率μ0として例えば4π×10-7N/A2を入力して給電・演算・制御手段42に記憶させ、これらの値を用いて単位磁気力Fuを演算し、演算したこれらの磁気特性である平均磁束密度Babを平均磁束密度B用表示画面43に,磁気勾配ΔBabを磁気勾配ΔBab用表示画面44に,磁気力係数fmを磁気力係数fm用表示画面45に,単位磁気力Fuを単位磁気力Fu用表示画面46に表示する。
さらに、予め設定された所定の単位磁気力Fu値を給電・演算・制御手段42に記憶させ、計測後演算された単位磁気力FuがFuを超えた場合、工具等の磁性体が磁気力で磁気吸引される危険リスクがあるとして、警報器47に給電し、警告音を発生させる。
一連の測定を終えると、給電・演算・制御手段42からの制御信号により、給電・演算・制御手段41から給電線16,17からの給電を止めて0Vとし、伸縮線材15は放熱で温度が低下して元の形状に戻り、弾性体24が伸びて、弾性体24の復元の弾性力によりセンサーホルダー13が上昇し、鍔14が上端拘束板22に接触し移動が拘束されて図2の状態に戻り、シグナルaの電気信号を発し、この信号で計測の終了を演算・表示・制御手段42が判定し、1回目の磁気特性の計測を終了する。
また、1回の磁気密度測定で測定精度が不足すると測定者が判断する場合には、測定回数を複数回行えば測定精度向上が可能となり、給電・演算・制御手段42に測定回数例えば5回を記憶させ、5回の磁束密度計測を制御、実施し、平均処理された前記の磁気特性をそれぞれ演算し表示、警報を行うことができる。
以上、本実施例によれば、乾電池の電源でも作動できる直流電圧数Vの低電圧の給電で前記Ti-Ni系合金製の単純な1本の線材の伸縮線材15と弾性体24を組み合わせた駆動手段で、磁気センサー2を一体化した素子移動保持手段のセンサーホルダー13を必要な移動距離だけ、伸縮線材15の伸縮方向と同じ方向に、緩やかに、振動なく移動でき、さらに保持した前記磁気センサー2を、移動拘束手段の上端拘束板22、下端拘束板21で移動距離を例えば0.2mmの微小移動距離δLzを正確に担保して、この移動前後の位置Za,Zbでの磁束密度を精度よく測定できので、小型で、軽量で、安価で、高精度に磁気勾配と磁気力を測定、演算できる磁気力計測装置を提供できる効果がある。
また、給電による伸縮線材15の伸縮方向と同じ方向に、センサーホルダー13と弾性体24を緩やかに、振動なく移動できるので、両構成要素には引張・圧縮荷重のみが作用し、曲げ荷重が作用せず、曲げ荷重による過度な曲げ応力は作用しないので、繰り返し伸縮変形に対して破損するリスクは非常に小さく、複数回の長期間の作動に対して信頼性が高く、丈夫で高精度に、磁束密度、磁気勾配と磁気力を測定、演算できる磁気力計測装置を提供できる効果がある。
なお、本実施では伸縮線材を弾性体の内側を貫通させて配置するので、円筒状の弾性体の円周縁部で均一に前記素子移動保持手段を反発駆動するので、素子移動保持手段を傾きなくスムースに移動でき、磁気センサーが移動方向に対して傾くことが無く、移動距離を正確に担保するとともに、磁束密度の計測精度の低下を防止できる効果がある。また、本実施では弾性体24として弾性復元力を有するゴムやシリコン製の高分子ジェルを用いた場合について説明したが、非磁性や弱磁性のコイルバネや板バネや風船等の前記弾性体であっても同様な効果が生じる。
また、本実施例ではホルダー4およびアクチエータ部を手に持って測定する場合について説明したが、ホルダー4およびアクチエータ部の手振れを防止するために、固定支持の三脚(図示せず)や、これに支持されたフレキシブルアーム等(図示せず)で床や固定機器から間接的に固定支持すれば、測定時の揺れを防止でき、更に高精度な磁気勾配と磁気力を測定、演算できる磁気力計測装置を提供できる。
またシグナルa、シグナルbに対応して、Za,Zbの位置を認識したのち、例えば計測装置本体10上にLED球(図示せず)を点灯させて、各位置の状態を表示して測定者が認識できるようにしてもよい。
また、本実施例では伸縮線材15としてTi-Ni系合金製の単純な1本の線材を使用した場合について説明したが、複数本束ねて構成しても同様な効果があり、さらに複数本内1本が破損しても伸縮作動を担保でき信頼性が高まる効果がある。
また、本実施例では伸縮線材15としてTi-Ni系合金製の単純な1本の線材を使用した場合について説明したが、伸縮線材15をコイル状に構成した伸縮コイル材(図示せず)を用いても同様な効果があり、さらに伸縮線材15の縮み量が大きく移動距離が拘束板で強制的に制限され伸縮線材15内に発生する引き張り荷重で伸縮線材15やハンダが破損するリスクに対し、伸縮コイル材の弾性体自身の磁気センサー2の移動方向に対する変位吸収量が大きく、拘束板で強制的に制限されても伸縮線材15内に発生する引き張り荷重が大きく増加しないので、伸コイル材やハンダが破損するリスクが大幅に減少して伸縮作動を担保でき、さらに信頼性が高まる効果がある。
また、本実施例では伸縮線材15としてTi-Ni系合金製の単純な1本の線材を使用した場合について説明したが、伸縮線材15の線長方向の一部を、Ti-Ni系合金よりも弾性係数が大きい電導性部材やポリアミド系合成繊維等の非電導性線材で構成した複合伸縮線材(図示せず)でも同様な効果がある。
この場合、伸縮線材15の縮み量が大きく移動距離が拘束板で強制的に制限され伸縮線材15内に発生する引き張り荷重で伸縮線材15やハンダが破損するリスクに対し、弾性係数が大きいポリアミド系合成繊維の変位吸収量が大きく、拘束板で強制的に制限されても伸縮線材15内に発生する引き張り荷重が大きく増加しないので、Ti-Ni系合金線材やハンダ部が破損するリスクが大幅に減少して伸縮作動を担保でき、さらに信頼性が高まる効果がある。ここで、伸縮線材15と給電線16,17の結合はTi-Ni系合金線材の両端部にハンダで結線される。
また、本実施例では伸縮線材15と給電線16,17の結線はハンダで行った場合について説明したが、伸縮線材15と給電線16,17とを、ビスやワッシャー等で機械的に電導一体化しても同様な効果が生じる。
この場合、伸縮線材15の縮み量が大きく移動距離が拘束板で強制的に制限され伸縮線材15内に発生する引き張り荷重で低融点のハンダが剥がれるなどでハンダが破損するリスクに対し、ハンダより強度が高い機械的結合で構成できるので、上記結線部が破損するリスクが非常に小さく、さらに信頼性が高まる効果がある。
また、本実施例では伸縮線材15としてTi-Ni系合金製の線材を使用した場合について説明したが、伸縮線材15として鉄−マンガン−ケイ素合金、Ag-Cd合金、Au-Cd合金、Cu-Al-Ni合金、Cu-Sn合金、Cu-Zn合金、Cu-Zn-X (X = Si, Al, Sn)合金、Fe-Pt合金、Mn-Cu合金、Fe-Mn-Si合金、Fe-Ni-Co-Al合金、Pt合金、Co-Ni-Al合金、Co-Ni-Ga合金、Ni-Fe-Ga合金、Ti-Pd合金、Ni-Ti等の形状記憶合金や、形状記憶樹脂と樹脂加熱物質との組合せ材であっても、同様な効果がある。
(実施例2)
図6、図7、図8および図9は、本発明による磁気力測定装置1の実施例2のアクチエータ52の構造、構成を示しており、図6はアクチエータ52とホルダー4の構造を示し一部アクチエータ部分を断面図で示している。図7はアクチエータ52の構造を示す断面図であり、図8は、図7のE−E矢視図で、図9はアクチエータの他の伸縮線材の構造を示す拡大断面図である。アクチエータ52が、前記実施例1のアクチエータ3と異なる構造は、伸縮線材15の伸縮方向が直線からL字方向となる構造にある。
図7は、図6の磁気センサー2およびセンサーホルダーとなる弾性板バネ53を微小移動距離δLzだけ移動させるアクチエータ52の拡大断面図の構成を示す。
図7においてアクチエータ52は、例えば非磁性絶縁基材の樹脂製の弾性板バネ53と、弾性板バネ53の一端部に一体化された電導性の例えば銅製の上端平板54と磁気センサー2と、弾性板バネ53の他端を片持ち梁状に固定支持ずる断面がL字状の非磁性の例えば樹脂製の電気絶縁下部台座55と、上端平板54のZ軸方向の紙面上部方向移動の上限位置を上端平板54との接触で拘束する電導性の例えばステンレス鋼製の上端拘束平板56と、前記弾性板バネ53の一端部に一体化された電導性の例えば銅製の下端平板57と、前記紙面の下方向移動の下限位置を下端平板57との接触で拘束する電導性の例えばステンレス鋼製の下端拘束平板58と、上端拘束平板56と下端拘束平板58との積層間隔を制限し移動距離δLzを確保する板厚を有した非磁性の例えばセラミックス製の電気絶縁板59と、電気絶縁下部台座55、下端拘束平板58、電気絶縁板59および上端拘束平板56を機械的に一体化するビス60と、弾性板バネ53の一端部とハンダ61で一端を、さらに他端を電気絶縁下部台座55とハンダ62と接着剤で固定支持され、電気絶縁下部台座55に固定支持された支持板63の回転軸64の周りをスムースに回転する回転円筒体65でL字状に張られた伸縮線材66と、電気絶縁下部台座55と非磁性で高剛性のホルダー4を機械的に一体化するビス36で主に構成される。
図7の状態において、給電線67,68間の電圧は0Vで伸縮線材66は縮んでいない状態であり、弾性板バネ53の弾性力で上端平板54と磁気センサー2は紙面上方に押し上げられており、測定位置確認手段を構成する上端平板54が上端拘束平板56に接触し、上端平板54にハンダ69で電気的に一体化された信号線70と、上端拘束平板56にハンダ71で電気的に一体化された信号線72は電気的に導通している。
さらに下端拘束平板58と下端平板57は非接触であるので、下端平板57にハンダ73で電気的に一体化された信号線74と、下端拘束平板58にハンダ75で電気的に一体化された信号線76は電気的に絶縁されているシグナルaの電気信号を発する。
Z軸方向に磁束密度差がある磁場空間において、この測定位置確認手段のシグナルaを受け、給電・演算・制御手段41や演算・表示・制御手段42で処理して、磁気センサー2が位置Zaにあると判断し、給電・演算・制御手段41で磁気センサー2からの磁束密度の計測データを、給電・計測線5を通じて受信し、演算して測定値Baとしてデータ保存する。
次に、給電線67,68でハンダ61,62間に直流電圧例えば3Vを給電すると、伸縮線材66はジュール熱で温度が上昇し、線長の約5%縮む。この時の収縮力は約18gf発生し、この収縮力で片持ち梁となっている弾性板バネ53の上端平板54と磁気センサー2を紙面下方向に縮めながら引き下げ、測定位置確認手段を構成する上端平板54が上端拘束平板56から離れ、下端平板57が下端拘束平板58に接触し、上端平板54および磁気センサー2は微小移動距離δLzだけ移動する。
この状態では信号線70と信号線72は電気的に絶縁し、信号線74と、下端拘束平板58と信号線76は電気的に導通しているシグナルbの電気信号を発する。
この測定位置確認手段のシグナルbを受け、給電・演算・制御手段41や演算・表示・制御手段42で処理して、磁気センサー2が位置Zbにあると判断し、給電・演算・制御手段41で磁気センサー2からの磁束密度の計測データを、給電・計測線5を通じて受信し、演算して測定値Bbとしてデータ保存する。
ここで、位置Za、位置Zbでの測定値の磁束密度BaおよびBbを用いて、両磁束密度差(Ba-Bb)をδLzで除してZa、Zbの2点間の磁気勾配ΔBab=(Ba-Bb)/δLzを計算でき、Za、Zbの平均磁束密度Bab=(Ba+Bb)/2を計算し、磁気力係数fm=Bab×ΔBabを算出する。
次に、給電線67,給電線68間の電圧を0Vに戻すと発熱は無くなり、伸縮線材66は放熱で温度が低下して伸び、弾性板バネ53の弾性力で図7の元の形状に戻り、上端平板54と磁気センサー2は紙面上方に押し上げられ、上端平板54が上端拘束平板56に接触しシグナルaの電気信号を発する。その後の物性値の演算や演算結果の表示手順は実施例1と同様である。
給電線67、給電線68、信号線74は孔77を通じ、他の信号線とともに孔35を通じて端子台7に連結され、結束線8にまとめられている。
以上、本実施例によれば、伸縮線材66の伸縮方向をL字状に構成できるので、磁気センサー2の移動方向の移動距離は微小移動距離δLzあれば十分であるので、磁気センサー2の移動方向の伸縮線材66の線長を非常に短くでき、アクチエータ52を実施例1のアクチエータ3よりも薄く、細く構成できる。
したがって、磁気密度Bの測定箇所の入り口が例えば円筒状の狭い空間であっても、挿入が可能となり、小型で、軽量な磁気力計測装置を提供できる効果がある。
また、本実施例では伸縮線材としてTi-Ni系合金製の単純な1本の線材をL字状に使用した場合について説明したが、図9に示すように、湾曲のあるL字コーナー部を有する線材を、例えばTi-Ni系合金のより伸び易い、弾性係数が大きな材質のポリアミド系合成繊維の非電導線材78で構成し、非電導線材78の一端は弾性板バネ53と例えば接着材79で一体化され、回転軸64の周りをスムースに回転する回転円筒体65に沿ってL字状に曲げられ、その他端はTi-Ni系合金製の単純な1本の伸縮線材80と接着材81で連結され、伸縮線材80と電気絶縁下部台座55とはハンダ62と接着剤で固定支持され、給電線68と伸縮線材80はハンダ82で電気的に一体化されている。
本複合伸縮線材では、伸縮線材80への通電状態では材料が硬化し弾性が損なわれ曲がり難くなるが、湾曲部はポリアミド系合成繊維であるので、伸縮線材80の縮み量を受けて非電導線材78はスムースに湾曲のあるL字コーナー部に沿って移動し、抵抗なく弾性板バネ53を変形させ、L字コーナー部での抵抗力をより小さくでき、伸縮時の許容負荷力が小さい伸縮線材80であっても、所定の移動距離を確保できて信頼性の向上させる効果がある。
(実施例3)
図10に本発明による磁気力測定装置の実施例3の3次元の3軸磁気力測定装置100の構造、構成を示し、アクチエータ3y、52zの一部分を断面図で示しており、図11に磁気特性測定装置の構成を示すフローチャート図を示している。
図10が図1、図6と異なる点は3次元の3軸アクチエータ101を、1軸方向に移動させるアクチエータ3および52を、図中の3軸X,Y,Z軸方向にそれぞれ3個のアクチエータ52x、3y、52zとして配置し、それぞれのアクチエータを非磁性材もしくは弱磁性体で製作された3軸アクチエータホルダー102に機械的もしくは接着剤で一体化した構造と、図1の計測装置本体10の代わりに3軸に関する磁気的物性値を表示する計測装置本体103で構成することにある。
また、計測装置本体103に表示する磁気特性項目に関し、3軸X,Y,Z軸方向の磁束密度B,磁気勾配ΔB,磁気力係数fmを表示させ、さらに3軸の磁気特性からそれらを合成したベクトルの値の磁束密度B,磁気勾配ΔB,磁気力係数fmを算出し演算値を表示する表示器、ベクトル方向に対する3軸に対する角度成分θx、θy、θzの演算値を表示する表示器を備えた構造にある。ここで、番号の沿字は3軸X,Y,Z軸の方向や成分を示す。
図10において、3軸アクチエータ101の2個のアクチエータ52x、52zは、例えば図7、図8のアクチエータ52と同一の構造で、アクチエー3yは例えば図1、図2、図3、図4で示したアクチエータ3と同一の構造である。
磁気センサー2xによるアクチエータ52xの作動、移動距離δLx移動前後の磁気密度Bxの測定および磁気勾配ΔBxの演算は実施例2で示した手順と同様である。
また、磁気センサー2yによるアクチエータ3yの作動、移動距離δLy移動前後の磁気密度By,の測定および磁気勾配ΔByの演算は実施例1で示した手順と同様である。
さらに、磁気センサー2zによるアクチエータ52zの作動、移動距離δLz移動前後の磁気密度Bzの測定および磁気勾配ΔBzの演算は実施例2で示した手順と同様である。
以上、磁気センサー2x、2y、2zを使用して、所定の位置での3軸X,Y,Z軸方向の磁束密度Bx,By,Bzを測定し、それぞれの測定結果をそれぞれのアクチエータに接続された駆動電圧、信号線や測定電圧を送受信する実施例1や実施例2と同様な配線群およびこれらを束ねた配線8xyzで信号を計測装置本体103に送信する。
測定開始ボタン等(図示せず)で電源が入力されたのち、図11に示すように、それぞれのアクチエータが所定の微小移動距離だけ移動する前の状態において、それぞれのアクチエータの測定位置確認手段のそれぞれのシグナルaを受け、給電・演算・制御手段41や演算・表示・制御手段42で処理して、磁気センサー2x、2y、2zがそれぞれの位置Xa,Ya,Zaにあると判断し、磁気センサー2x、2y、2zからの磁束密度の計測データを、給電・計測線5x、5y、5zおよび端子台7x、7y、7zを通じて給電・演算・制御手段41でそれぞれの磁束密度の測定値Bax、Bay、Bazを受信し演算・表示・制御手段42で演算し保存する。
測定値Bax、Bay、Bazを受け入れた後は、次のステップに移る。給電・演算・制御手段41から結束線8xyzから端子台7x、7y、7zに接続された給電・計測線群を介してそれぞれの給電線を通じて、それぞれの伸縮線材に約3Vの直流電圧を給電され、それぞれの磁気センサーは各X,Y,Z軸方向に微小移動距離δLx、δLy、δLz(図示せず)移動し、それぞれのアクチエータの測定位置確認手段のからそれぞれのシグナルbの電気信号を発する。
シグナルbを受け、給電・演算・制御手段41や演算・表示・制御手段42で処理して、磁気センサー2x、2y、2zがそれぞれの位置Xb、Yb、Zbにあると判断し、給電・演算・制御手段41でそれぞれの磁気センサーからの磁束密度の計測データを、給電・計測線群を通じて測定値Bbx、として受信する。この状態でそれぞれの位置Xb、Yb、Zbでの磁束密度Bbx、Bby、Bbzを計測する。
次に、微小移動距離δLx,δLy,δLzだけ離れたXa,Ya,ZaおよびXb,Yb,Zbでの演算値のそれぞれの磁束密度Bax,Bay,BazおよびBbx、Bby,Bbzを測定値とし、両磁束密度差(Bax-Bbx)、(Bay-Bby),(Baz-Bbz)をそれぞれ微小移動距離δLx、δLb、δLzで除して2点間の磁気勾配ΔBabx、ΔBaby、ΔBabzを演算でき、また、Za、Zbの平均磁束密度Babx=(Bax+Bbx)/2、同様にBaby,Babzを演算し、磁気力係数fmx=Babx×ΔBabx、同様にfmy、fmzを演算する。
このようにして、給電・演算・制御手段41で演算された3軸方向の平均磁束密度Babx,Baby,Babz、磁気勾配ΔBabx、ΔBaby、ΔBabz、および磁気力係数fmx、fmy、fmzの計算値は、演算・表示・制御手段42に出力値を送信され、デジタル表示器に平均磁束密度、磁気勾配および磁気力係数の各項目毎に、X軸に関してはデジタル表示器104x,105x,106xに、Y軸に関してはデジタル表示器104y,105y,106yに、Z軸に関してはデジタル表示器104z,105z,106zにそれぞれの計算値が表示される。
さらに、前記計算値は3軸の各成分値を表示しているので、それらの値を使用して合成ベクトル値として、合成磁束密度Bc、合成磁気勾配ΔBcおよび合成fmcを通常の3次元ベクトル計算方法で計算し、さらに合成ベクトルの3軸に対する角度θx、θy、θzおよび合成角度θcを通常の3次元ベクトル角度計算方法で計算して、演算・表示・制御手段42に出力値を送信され、容器103の表面のデジタル表示器107,108および109に計算結果が表示され、角度θx、θy、θzおよび合成角度θc値は、デジタル表示器110x、110y、110zおよび110cに表示される。
さらに、演算・表示・制御手段42で画像表示処理されて出力値を容器103にその信号が送信され、X、Y、Z軸と合成ベクトル方向が図中の破線の矢印に示すように、液晶画面111上に表示される。
さらに、標準的な鉄の磁性物の体積Vを例えば1×10−6(=1cm)とし、鉄の磁化率χとして例えば0.5,真空透磁率μとして例えば4π×10-7N/A2を入力して給電・演算・制御手段42に記憶させ、これらの値を用いて単位磁気力Fuを演算し、単位磁気力Fu用表示画面112に表示する。
さらに、予め設定された所定の単位磁気力Fu値を給電・演算・制御手段42に記憶させ、計測後演算された単位磁気力FuがFuを超えた場合、工具等の磁性体が磁気力で磁気吸引される危険リスクがあるとして、警報器47に給電し、警告音等を発生させる。
一連の測定を終えると、給電・演算・制御手段42からの制御信号により、給電・演算・制御手段41から給電線からの給電を止めて0Vとし、3軸それぞれのアクチエータの伸縮線材は放熱で温度が低下して元の形状、長さに戻り、それぞれにシグナルaの状態に戻る。この計測を所定の回数実施し、その都度の平均値を表示させ計測を終了する。
本実施例では、直交する3軸の磁気センサーで磁気力係数のベクトルの値およびその作用方向を表示できるので、3次元の磁気力特性を定量的に得られ、さらに高精度の磁気誘導に関する特性を測定できる磁気力測定装置を提供することができる。
(実施例4)
図12および図13は、本発明による磁気力測定装置の実施例4の磁気力測定装置120を説明する図で、図12はアクチュエータ113の構造を示す図でアクチエータ3yおよびアクチエータ52zは断面図で示しており、図13は磁気特性測定装置の構成を示すフローチャート図である。
本構造が図10のアクチエータ101と異なる点は、アクチエータ3yがホルダー4mと接着剤やビス止め(図示せず)等で機械的に一体化されて固定支持され、アクチエータ52zがホルダー114に接着剤やビス止め(図示せず)等で機械的に一体化されて固定支持される構造にある。
さらに、ホルダー4mに固定支持されて、給電・演算・制御手段42からの制御信号により、給電・演算・制御手段41からの結束線8yzmを通じて、給電線8mからの給電を受け回転を制御される、例えば超音波駆動の回転モータ115の回転軸116に、ホルダー114は固定支持され、Y軸を回転軸として例えば90度往復回転することができる。
図12の状態から90℃回転させることによって、磁気センサー2zでX軸方向の磁束密度Bxを測定することができ、図10における磁気センサー2xと同等の機能を有することができる。
ここで、両軸の磁束密度の測定の制御は、図13のフローチャートに示すように、回転モータ115の90度回転前後の回転角度等の電気的シグナルz、シグナルxを給電・演算・制御手段42のプログラムで制御信号として発し、給電・演算・制御手段41から回転モータ115を制御し、磁気センサー2zからの磁束密度を測定して行う。
したがって、本実施例の構造によれば、1個の磁気センサー2zでZ軸とX軸方向の磁束密度を測定できるので、磁気センサーの個数を低減でき、装置の低コスト化を実現できる効果がある。
(実施例5)
図14は、本発明による磁気力測定装置の実施例5の磁気力測定装置のアクチュエータ121の構造を示す断面図である。本構造が実施例1の図2のアクチエータ3と異なる点は、以下の構造にある。
アクチュエータ121の伸縮線材122は電気絶縁材製のセンサーホルダー123の上部の孔124と孔125を貫通して、頂部で折り返して通し、下部の孔126を貫通して紙面左右に分け、例えば銅製の正電極127と座金128の間に一端を挟みネジ129で下部電気絶縁体25に固定支持され、電気的に一体化され、ハンダ130で給電線131と電気的に一体化されている。なお、伸縮線材122とセンサーホルダー123との接触面は円曲面で接するように加工してあり(図示せず)、伸縮線材122と下部電気絶縁体25との接触面も円曲面で接するように加工している。
さらに、他端は例えば銅製の負電極132と座金の間に一端を挟みネジで下部電気絶縁体25に固定支持され、電気的に一体化されハンダ133で給電線134と電気的に一体化されている。
電気絶縁体のセンサーホルダー123には、非磁性で導電性の例えばアルミニュウムで製作された円盤状の鍔135が接着剤等で機械的に一体化されている。
図14の状態において、給電線131,134間の電圧は0Vで伸縮線材122は縮んでいない状態であり、弾性体24の弾性力でセンサーホルダー123は紙面上方に押し上げられており、鍔135が上端拘束板22に接触し、信号線28と信号線31は電気的に導通し、信号線28と信号線33は電気的に絶縁している。Z方向に磁束密度差がある磁場空間において、この状態である位置Zaでの磁束密度Baを計測する。
次に、給電線131,134でハンダ130,133間に直流電圧例えば3Vを給電すると、伸縮線材122はジュール熱で温度が上昇し、固定された正電極127および負電極132を固定端として線長の約5%が紙面Z軸方向に縮む。この収縮力でセンサーホルダー123、鍔135を、Z軸方向の下方向に弾性体24を縮めながら引き下げ、鍔135が下端拘束板21に接触し、センサーホルダー13および磁気センサー2は微小移動距離δLzだけ移動する。
この状態では信号線28と信号線31は電気的に絶縁し、信号線28と信号線33は電気的に導通している。この状態である位置Zbでの磁束密度Bbを計測する。この後のそれぞれの物性値の演算、表示の処理は実施例1と同様である。
したがって、本実施例の磁気力測定装置の構造によれば、逆U字状の線状の伸縮物質の折返し部の頂部において、両側部の伸縮量がほぼ同一であり、頂部の伸縮方向の移動量が少ないので、折返し部の伸縮による線材への曲げ疲労荷重がかかることが無く、伸縮物質の疲労破損を防止することができ、信頼性が高い磁気力計測装置を提供できる効果がある。
さらに、伸縮線材を折り返して配置することにより、伸縮線材に給電する両電極を静止配置できるので、伸縮線材の伸縮でセンサーホルダーが移動しても給電線が動かないので、給電線が移動中に他の箇所に接触しセンサーホルダーの移動が阻害されるリスクが無くなり、測定の信頼性を向上できる効果がある。さらに、伸縮線材を折り返して配置することにより、折返し前後の伸縮線材には互いに逆方向に同じ電流が流れるので、伸縮線材が発生する伸縮線材周りの磁界は互いに逆向きになるのでお互いにキャンセルするので、伸縮線材が発生源となる磁気センサーに与える磁気ノイズが減少し、さらに測定精度が向上する効果がある。ここで、伸縮線材をホルマル被覆等の薄い電気絶縁材でコーティングすることにより、折り返した伸縮線材を電気絶縁状態でより接近させて配置することにより、上記キャンセル効果が増して、さらに測定精度が向上する効果がある。
さらに、伸縮線材を折り返して配置することにより、センサーホルダーを移動させる収縮力は2倍作用するので、伸縮線材の伸縮で移動するセンサーホルダーが移動中に他の箇所に接触して摩擦抵抗力が生じても、センサーホルダーの移動が阻害されるリスクがこの収縮力の増加により無くなり、さらに測定の信頼性を向上できる効果がある。
(実施例6)
図15は、本発明による磁気力測定装置の実施例6の磁気力測定装置のアクチュエータ136の構造を示す図であり、アクチエータ3yを断面図で示している。本構造が図10の3軸アクチエータ101と異なる点は、以下の構造にある。
y軸方向に配置されたアクチエータ3yがホルダー114と接着剤やビス止め(図示せず)等で機械的に一体化されて固定支持され、給電・演算・制御手段42からの制御信号により、給電・演算・制御手段41からの結束線8ymを通じて、給電線8mからの給電を受け回転を制御される、例えば超音波駆動の回転モータ115の回転軸116にホルダー114は固定支持され、Y軸を回転軸としてアクチエータ3yを所定の回転角度で回転、静止させることができる。ホルダー114はホルダー4に、接着剤やビス止め(図示せず)等で機械的に一体化されて固定支持されている。
本実施例の構造によれば、1個の磁気センサー2yでZ―X軸面内において、回転モータ115の複数の所定の回転角毎の位置、すなわち各位置の座標値での磁束密度、磁気勾配、磁気力の磁気特性を実施例1と同様に計測、算出できる。
この複数の位置情報の座標値と各位置での磁気特性結果をベースに、逆問題として3次元の数値解析を行い、磁場発生源による測定位置での磁気力のベクトルの合成値と方向を算出することができる。
したがって、本実施例によれば、1個のアクチエータ3yと磁気センサー2yおよび回転モータ115の組合せにより磁場発生源による磁気力の3次元ベクトルの合成値と方向を算出し、これにより3次元の磁気力特性を定量的に得られ、さらに低コストで3次元の磁気力特性を測定できる3次元の磁気力測定装置を提供することができる。
なお、本実施例では1個のアクチエータ3yと磁気センサー2yと、回転モータ115の組合せによりZ―X軸面内の複数個所の磁気特性を計測する例で説明したが、回転モータ115の代わりに例えばピエゾ素子で駆動する2軸ステージ上に1個のアクチエータ3yと磁気センサー2yを固定支持し、Z―X軸面内の複数個所の座標位置に該2軸ステージで移動させて磁気特性を計測する構成にしても同様な効果が生じる。
なお、本実施例では1個のアクチエータ3yと磁気センサー2yと、回転モータ115の組合せによりZ―X軸面内の複数個所の磁気特性を計測した例で説明したが、アクチエータ3yと磁気センサー2yをZ―X軸面に複数個所静止配置しても、磁場発生源による磁気力のベクトルの合成値と方向を算出することができ、この場合は、回転させる作動時間が必要なくなり、より短時間内に測定、算出することができる。
以上の実施例では、磁気センサーとしてホール素子を用いた例で説明したが、ホール素子の代わりにSQUOID素子や磁気抵抗素子、アモルファス・ワイヤを利用する磁気インピーダンス方式やコイルに磁束を通して誘導電流を検知するフラックス・ゲート方式のセンサーを用いても同様な効果がある。
また、以上の実施例では、表示する磁気特性演算値毎に磁気特性演算値の表示画面を設けて説明したが、磁気特性演算値の項目数より少ない表示画面で、押しスイッチの切替によって複数の項目の演算値を同一の表示画面に表示できるようにしても同様な効果が生じる。
また、以上の実施例では、磁気センサーの計測制御、アクチエータの作動制御、計測結果の演算および表示、計測、演算結果の記憶保存を、計測装置本体に内蔵した給電・演算・表示・制御手段および測定・演算値表示警告手段で行うことで説明したが、給電・演算・表示・制御手段および測定・演算値表示警告手段を、計測装置本体と有線もしくは無線によるデータ伝送手段でデータ共有できる汎用の小型電子計算機や、携帯電話機や、メガネ式やゴーグル型やヘルメット型の小型電子計算表示器等に前記機能をプログラムミングして実施しても、同様な効果が生じる。
また、以上の実施例では、磁気センサーの微小移動距離δLは、アクチエータの例えば電気絶縁板22の板厚とセンサーホルダーの円盤状鍔の厚さで担保したが、それぞれの板厚を調整して製作した異なった微小移動距離δLを準備し、アクチエータを取り換えて種々の磁気勾配の計測で適正に使い分けて計測することにより、超高磁気勾配の磁場空間では微小移動距離δLを狭くし、平均磁束密度をより精度よく計測することにより、磁気特性を精度よく計測でき、更に測定精度を担保できる磁気力計測装置を提供できる効果がある。
また、以上の実施例では、アクチエータ内の磁気センサー、センサーホルダーや計測線が露出している構造で説明したが、これらの保護のため、アクチエータ外周部を非磁性の例えばプラスチック製の保護カバーで覆っても、前記効果を担保できる。
したがって、本発明によれば、伸縮アクチエータの伸縮手段を形状記憶合金系線材で構成するので、数ボルトの低電圧の給電発熱で、振動無く収縮し、給電停止による放熱冷却で振動無く伸びる伸縮デバイスを提供でき、この伸縮の変位で磁気センサーを一体化したセンサーホルダーである素子移動保持手段を磁束密度測定空間において、小型で、軽量で安価な構造で、かつ移動時に振動が無いように構成し、精度よく微小移動距離δLだけ移動できるので、前記磁気センサーで移動前後の磁束密度を計測でき、小型で、軽量で、安価で、高精度に磁気勾配と磁気力を測定、演算できる磁気力計測装置を提供できる効果がある。
さらに、本発明によれば、伸縮線材を弾性体の内側を貫通させて配置するので、円筒状の弾性体の円周縁部で均一に前記素子移動保持手段を反発するので、素子移動保持手段を傾きなくスムースに移動でき、磁気センサーが移動方向に対して傾くことが無く、移動距離を正確に担保するとともに、磁束密度の計測精度の低下を防止できる効果がある。
1・・・磁気力測定装置、2・・・磁気センサー、3・・・アクチエータ、4・・・ホルダー、5・・・給電・計測線、6・・・接着剤、7・・・端子台、8・・・結束線、9・・・グリップ、10・・・計測装置本体、11・・・結束線、12・・・連結コネクター、13・・・センサーホルダー、14・・・鍔、15・・・伸縮線材、16、17・・・給電線、18,19・・・電極、20・・・上部電気絶縁体、21・・・下端拘束板、22・・・上端拘束板、23・・・電気絶縁板、24・・・弾性体、25・・・下部電気絶縁容器、28、31、33・・・信号線、41・・・給電・演算・制御手段、42・・・演算・表示・制御手段、43・・・平均磁束密度B用表示画面、44・・・磁気勾配ΔB用表示画面、45・・・磁気力係数Fm用表示画面、46・・・単位磁気力Fu用表示画面、47・・・警報器、48・・・測定・演算値表示警告手段、51・・・測定位置確認手段、52・・・アクチエータ、53・・・弾性板バネ、54・・・上端平板、55・・・電気絶縁下部台座、56・・・上端拘束平板、57・・・下端平板、58・・・下端拘束平板、59・・・電気絶縁板、66・・・伸縮線材、67,68・・・給電線、70、72、74・・・信号線、78・・・非電導線材、80・・・伸縮線材、100・・・3軸磁気力測定装置、101・・・3軸アクチエー、103・・・計測装置本体、113・・・アクチエータ、114・・・ホルダー、115・・・回転モータ、122・・・伸縮線材、127・・・正極の電極板、132・・・負極の電極板、135・・・鍔

Claims (7)

  1. 磁気力を発生する磁場発生手段の3次元の磁場空間内において、第一の位置および第二の位置での磁気特性を測定する磁気力測定装置において、
    少なくとも、該第一の位置で磁気密度を測定する磁気検出手段と、
    少なくとも給電のON、OFFにより温度変化して伸縮変形する形状記憶物質を有する伸縮線材を内蔵し、該第一の位置から第二の位置に該磁気検出手段を移動させる該移動手段と、
    該移動手段の移動距離を拘束する移動拘束手段
    を備えたことを特徴とする磁気力測定装置。
  2. 磁気力を発生する磁場発生手段の磁場空間内において、第一の位置および第二の位置での磁気特性を測定する磁気力測定装置において、
    少なくとも、該第一の位置で磁気密度を測定する磁気検出手段と、
    少なくとも給電のON、OFFにより温度変化して伸縮変形する形状記憶物質を有する伸縮線材を内蔵し、該第一の位置から第二の位置に該磁気検出手段を移動させる移動手段と、
    該移動手段の移動距離を拘束する移動拘束手段と
    該移動手段が第二の位置から第一の位置に移動する方向に弾性力を作用させ、該伸縮線材を貫通させる空間を有する弾性体
    を備えたことを特徴とする磁気力測定装置。
  3. 磁気力を発生する磁場発生手段の磁場空間内において、第一の位置および第二の位置での磁気特性を測定する磁気力測定装置において、
    少なくとも、該第一の位置で磁気密度を測定する磁気検出手段と、
    給電のON、OFFにより温度変化して伸縮変形する形状記憶物質製線材を有するL字状の伸縮線材を内蔵し、該第一の位置から第二の位置に該磁気検出手段を移動させる該移動手段と、
    該移動手段の移動距離を拘束する移動拘束手段
    を備えたことを特徴とする磁気力測定装置。
  4. 磁気力を発生する磁場発生手段の磁場空間内において、少なくとも3次元の一方向での第一の位置および第二の位置での磁気特性を測定する磁気力測定装置において、
    少なくとも、該第一の位置で磁気密度を測定する磁気検出手段と、
    該第一の位置から第二の位置に該磁気検出手段を移動させる請求項1記載の第一の移動手段と、
    他の二方向での該第一の位置から第二の位置に該磁気検出手段を移動させる請求項3記載の移動手段、
    を備えたことを特徴とする磁気力測定装置。
  5. 磁気力を発生する磁場発生手段の磁場空間内において、第一の位置および第二の位置での磁気特性を測定する磁気力測定装置において、
    少なくとも、該第一の位置で磁気密度を測定する磁気検出手段と、
    該第一の位置から第二の位置に該磁気検出手段を移動させる第一の移動手段と、
    他の二方向での該第一の位置から第二の位置に該磁気検出手段を移動させる第二の移動手段と、
    少なくとも該第二の移動手段を回転させる回転手段
    を備えたことを特徴とする磁気力測定装置。
  6. 磁気力を発生する磁場発生手段の磁場空間内において、第一の位置および第二の位置での磁気特性を測定する磁気力測定装置において、
    少なくとも、該第一の位置で磁気密度を測定する磁気検出手段と、
    給電のON、OFFにより温度変化して伸縮変形する形状記憶物質を有し折返し部を有する伸縮線材を内蔵し、該第一の位置から第二の位置に該磁気検出手段を移動させる該移動手段と、
    該移動手段の移動距離を拘束する移動拘束手段
    を備えたことを特徴とする磁気力測定装置。
  7. 磁気力を発生する磁場発生手段の磁場空間内において、少なくとも3次元の一方向での第一の位置および第二の位置での磁気特性を測定する磁気力測定装置において、
    少なくとも、該第一の位置で磁気密度を測定する磁気検出手段と、
    給電のON、OFFにより温度変化して伸縮変形する形状記憶物質製線材を有する伸縮線材を内蔵し、該第一の位置から第二の位置に該磁気検出手段を移動させる該移動手段と、
    該移動手段の移動距離を拘束する移動拘束手段と、
    該一方向に同一角度を有する面内で該移動手段と該磁気検出手段を移動させる面内移動手段
    を備えたことを特徴とする磁気力測定装置。
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