JP6290876B2 - 神経前駆細胞を用いた細胞治療における移植補助剤 - Google Patents

神経前駆細胞を用いた細胞治療における移植補助剤 Download PDF

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Description

本発明は、神経前駆細胞を用いた細胞治療における移植補助剤に関する。
パーキンソン病は、進行性の神経変性疾患であり、黒質線条体のドパミン作動性神経(ドパミン作動性ニューロン)の喪失を特徴とする。これまでの臨床研究から、胎生期中脳細胞の移植よって、パーキンソン病患者の運動症状の改善が確認されている。このような事実から、パーキンソン病の治療方法として細胞補充療法が考えられる。
Hsieh,J. et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA.(2004) 101, 16659−16664. Abematsu, M. et al., J Clin. Invest.,(2010) 120, 3255−3266.
多能性幹細胞、特に人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、ドパミン作動性神経を大量に供給できる可能性を有している。そのため多能性幹細胞は、新しいドナー細胞源として考えられる。しかしながら、本発明者らの知見によれば、iPS細胞等の幹細胞から分化した神経前駆細胞及びドパミン作動性神経細胞は、脳内への移植後の残存率(以下、「生存率」という場合がある。)が極めて低い。
そこで、本発明の目的は、移植後の神経前駆細胞から誘導されるドパミン作動性神経細胞の残存率の向上が可能な、神経前駆細胞の移植補助剤を提供することにある。
本発明者らは、神経前駆細胞の移植に際し、抗てんかん薬として使用されているバルプロ酸又はゾニサミドを補助剤として対象に投与することによって、移植後のドパミン作動性神経細胞の残存率が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
従来、インビトロの系において、バルプロ酸が海馬由来の神経前駆細胞をニューロンに分化させること(非特許文献1)、及び脊髄損傷のモデルマウスにおいて、神経幹細胞の移植と同時にバルプロ酸を投与すると、神経細胞への分化が促進すること(非特許文献2)は報告されていた。しかしながら、バルプロ酸が、移植後の分化誘導型のドパミン作動性神経細胞の残存率を向上させることは知られていなかった。抗てんかん薬であるゾニサミドについても、移植後の神経前駆細胞及びドパミン作動性神経細胞の残存率の向上に関する知見は存在しなかった。
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]バルプロ酸及び/又はゾニサミドを有効成分として含有する、神経前駆細胞の移植補助剤。
[2]上記神経前駆細胞を移植する2日前以降に、投与されるように用いられる、上記[1]に記載の移植補助剤。
[3]上記神経前駆細胞がiPS細胞由来である、上記[1]又は[2]に記載の移植補助剤。
[4]ドパミン作動性神経の変性疾患治療用である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の移植補助剤。
[5]上記ドパミン作動性神経の変性疾患がパーキンソン病である[4]に記載の移植補助剤。
[6]1日当り、100〜1200mgの上記バルプロ酸、又は1日当り、10〜600mgの上記ゾニサミドが、ヒトに対して投与されるように用いられる、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の移植補助剤。
[7]上記神経前駆細胞を移植する2日前以降に、ヒトに対して投与されるように用いられる、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の移植補助剤。
さらに本発明は、以下に関する。
[8]バルプロ酸及び/又はゾニサミドの有効量を、神経前駆細胞が移植された哺乳動物に投与することを含む、移植後の上記神経前駆細胞から誘導されるドパミン作動性神経細胞の残存率を向上させるための方法。
[9]上記哺乳動物がヒトである、上記[8]に記載の方法。
[10]上記神経前駆細胞を移植する2日前以降に、バルプロ酸及び/又はゾニサミドの有効量を投与する、上記[8]又は[9]に記載の方法。
[11]上記神経前駆細胞がiPS細胞由来である、上記[8]〜[10]のいずれかに記載の方法。
[12]上記哺乳動物が、ドパミン作動性神経の変性疾患に罹患している、上記[8]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13]上記ドパミン作動性神経の変性疾患がパーキンソン病である、上記[12]に記載の方法。
[14]上記有効量が、1日当り、100〜1200mgの上記バルプロ酸、又は1日当り、10〜600mgの上記ゾニサミドである、上記[8]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15]上記神経前駆細胞を移植する2日前以降に、ヒトに対してバルプロ酸及び/又はゾニサミドの有効量を投与する、上記[8]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[16]哺乳動物に移植後の神経前駆細胞から誘導されるドパミン作動性神経細胞の残存率を向上させるために使用される、バルプロ酸及び/又はゾニサミド。
[17]上記神経前駆細胞を移植する2日前以降に、投与されるように用いられる、上記[16]に記載のバルプロ酸及び/又はゾニサミド。
[18]上記神経前駆細胞がiPS細胞由来である、上記[16]又は[17]に記載のバルプロ酸及び/又はゾニサミド。
[19]上記哺乳動物がドパミン作動性神経の変性疾患に罹患している、上記[16]〜[18]のいずれかに記載のバルプロ酸及び/又はゾニサミド。
[20]上記ドパミン作動性神経の変性疾患がパーキンソン病である[19]に記載のバルプロ酸及び/又はゾニサミド。
[21]1日当り、100〜1200mgの上記バルプロ酸、又は1日当り、10〜600mgの上記ゾニサミドが、ヒトに対して投与されるように用いられる、上記[16]〜[20]のいずれかに記載のバルプロ酸及び/又はゾニサミド。
[22]上記神経前駆細胞を移植する2日前以降に、ヒトに対して投与されるように用いられる、上記[16]〜[21]のいずれかに記載のバルプロ酸及び/又はゾニサミド。
本発明によれば、移植後の神経前駆細胞から誘導されるドパミン作動性神経細胞の残存率の向上が可能な、神経前駆細胞の移植補助剤を提供することが可能になる。
マウスiPS細胞から神経前駆細胞を経て中脳ドパミン作動性神経細胞へ分化誘導するためのスケジュールを示す図である。 マウスiPS細胞から神経前駆細胞を経て中脳ドパミン作動性神経細胞への分化に伴う、各マーカー遺伝子の発現の経時変化を示すRT−PCRの写真である。 インビトロ実験における、マウスiPS細胞由来の神経前駆細胞の各マーカー分子の発現量を示すグラフである。 インビトロ実験における、マウスiPS細胞由来の中脳ドパミン作動性細胞の各マーカー分子の発現量を示すグラフである。 インビトロ実験における、マウスiPS細胞由来の中脳ドパミン作動性細胞のカスパーゼ3の発現量を示すグラフである。 インビボ実験における、マウスiPS細胞由来の移植片中の各マーカー分子の発現量を示すグラフである。 インビボ実験における、マウスiPS細胞由来の移植片の体積及び移植片中に存在する中脳ドパミン作動性細胞の数を示すグラフである。 インビボ実験における、ヒトiPS細胞由来の移植片中に存在する中脳ドパミン作動性細胞の数を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る神経前駆細胞の移植補助剤(以下、単に「移植補助剤」という場合がある。)は、バルプロ酸(化学名:2−プロピルペンタン酸ナトリウム)及び/又はゾニサミド(化学名:1,2−ベンズイソキサゾール−3−メタンスルホンアミド)を有効成分として含有する(以下、バルプロ酸、ゾニサミドをそれぞれ、「VPA」、「ZNS」という場合がある。)。
ここで、移植補助剤とは、移植後の細胞の残存率を向上させること、移植後の細胞を所望の細胞種へと導くこと又は移植後の細胞の腫瘍化を防ぐこと等によって、細胞移植による所望の効果を発揮させるために、移植を補助する薬剤のことを意味する。移植補助剤は、例えば、移植後の目的神経細胞の生存率向上剤、生着率向上剤又は分化誘導向上剤として把握することもできる。移植後の目的表現型神経細胞(中脳ドパミン作動性細胞)の残存率が向上したかどうかは、例えば、移植してから7日後〜4週後の残存するドパミン産生細胞又は脳内ドパミンの産生量等の増加率をコントロールと比較して、統計的な有意性があるかどうかで判別してもよく、移植片のサイズが継時的に不変であることでも判別できる。ここで、移植から上述の判別を行うための検査までの日数が延びることに対して問題がないため、移植から検査までの日数は「7日後〜4週後」に限られず、特に上限は設けない。
移植補助剤は、有効成分として、バルプロ酸又はゾニサミドを単独で含有していてもよいし、バルプロ酸及びゾニサミドを共に含有していてもよい。例えば、バルプロ酸はSigma社から入手可能であり、ゾニサミドは大日本住友製薬株式会社から入手可能である。
移植補助剤は、有効成分であるバルプロ酸及び/又はゾニサミドのみを含有するものであっても、この有効成分と他の成分とを含有するものであってもよい。他の成分としては、例えば、薬学的に許容される担体、賦形剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等が挙げられる。この他にも、経口的又は非経口的な投与に合わせて、適当な他の成分を適宜調製することができる。
「有効成分として含有する」とは、バルプロ酸又はゾニサミドが酸等のフリー体の形態のみならず、これらの薬学的に許容される塩の形態として、移植補助剤に含有する場合も含む。薬学的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩等が挙げられる。
患者の症状、年齢及び体重等の種々の条件によって変化し得るが、経口投与によってヒトに対して投与される場合、移植補助剤は例えば、1日用量当り、100〜1200mg、又は400〜1200mgのバルプロ酸を有効成分として含有することができる。移植補助剤は、経口投与によってヒトに対して投与される場合、例えば、1日用量当り、10〜600mg、又は25〜200mgのゾニサミドを有効成分として含有することができる。
移植補助剤の適用の対象となる神経前駆細胞とは、神経細胞に分化が可能な細胞を意味する。
神経前駆細胞は、ヒト等の哺乳動物の脳組織から単離した細胞であってもよい。神経前駆細胞は、胚性幹細胞(ES細胞)及びiPS細胞等の多能性幹細胞から分化誘導させて得られた細胞(それぞれ、ES細胞由来の細胞、iPS細胞由来の細胞という場合がある。)であってもよい。脳組織から単離した細胞としては、例えば、Nature Neuroscience,2,1137(1999)又はN. Engl. J. Med. ;344:710-9(2001)に記載されるような胎児の中脳組織に含有される細胞が例示される。神経前駆細胞は、ドパミン産生前駆細胞であってもよい。
神経前駆細胞をヒト等の哺乳動物の脳組織から単離する場合、PSA−NCAM、CD24及びCorin等の神経前駆細胞又は神経細胞に特異的に発現するマーカー分子を指標として、フローサイトメトリー法等の公知の方法によって単離することができる。
神経前駆細胞をES細胞及びiPS細胞等の幹細胞から分化誘導させて得る場合、公知の方法を利用することができる。例えば、iPS細胞から神経前駆細胞を分化させる方法としては、(1)無血清浮遊凝集塊培養法(Serum−free Floating culture of Embryoid Bodies−like aggregates、SFEB)(Watanabe K., et al. Nat. Neurosci. 8:288-96, 2005)、(2)ストローマ細胞上で多能性幹細胞を培養して分化させる方法(SDIA法)(Kawasaki H., et al. Neuron. 28:31-40, 2000)、(3)マトリゲル上に薬剤を添加して培養する方法(Chambers SM., et al. Nat. Biotechnol. 27:275-80, 2009)、(4)低分子化合物を用いる方法(Morizane A. et al. J. Neurosci. Res. 89:117-126, 2011)等が挙げられる。多能性幹細胞から分化した神経前駆細胞を単離する方法としては、上記神経前駆細胞をヒト等の哺乳動物の脳組織から単離する場合と同様の方法を用いることができる。
ここで、多能性幹細胞とは、生体に存在するすべての細胞に分化が可能である多能性を有し、かつ、増殖能を併せもつ幹細胞を意味する。多能性幹細胞には、特に限定されないが、例えば、胚性幹(ES)細胞、核移植によって得られるクローン胚由来の胚性幹(ntES)細胞、精子幹細胞(GS細胞)、胚性生殖細胞(EG細胞)、人工多能性幹(iPS)細胞、培養線維芽細胞及び骨髄幹細胞由来の多能性幹細胞(Muse細胞)等が含まれる。多能性幹細胞は、ES細胞、ntES細胞、又はiPS細胞であってもよい。倫理的な点を加味すると多能性幹細胞は、iPS細胞であってもよい。
ES細胞は、哺乳動物に由来する受精卵から作製することができる。哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、サル、ヒト等が挙げられる。哺乳動物はヒトであってもよい。
具体的には、まず、受精卵から発生した胚盤胞をフィーダー細胞と共に培養し、内部細胞塊を増殖させる。その後、増殖した上記内部細胞塊に由来する細胞を単一細胞に分離させてフィーダー細胞に植え継ぐ操作を繰り返すことによってES細胞株を得ることができる(Thomson JA., et al. (1998), Science. 282:1145-1147及びH. Suemori et al. (2006), Biochem. Biophys. Res. Commun., 345:926-932)。
iPS細胞は、哺乳動物に由来する体細胞から作製することができる。哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、サル、ヒト等が挙げられる。哺乳動物はヒトであってもよい。
具体的には、例えば、皮膚細胞等の体細胞に複数の所定の初期化因子を導入して得られる、多分化能を獲得した細胞が挙げられる。初期化因子として、例えばOct3/4、Sox2、Sox1、Sox3、Sox15、Sox17、Klf4、Klf2、c-Myc、N-Myc、L-Myc、Nanog、Lin28、Fbx15、ERas、ECAT15-2、Tcl1、beta-catenin、Lin28b、Sall1、Sall4、Esrrb、Nr5a2、Tbx3、Glis1等が例示される。これらの初期化因子は、単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。初期化因子の組み合わせとしては、例えば、WO2007/069666、WO2008/118820、WO2009/007852、WO2009/032194、WO2009/058413、WO2009/057831、WO2009/075119、WO2009/079007、WO2009/091659、WO2009/101084、WO2009/101407、WO2009/102983、WO2009/114949、WO2009/117439、WO2009/126250、WO2009/126251、WO2009/126655、WO2009/157593、WO2010/009015、WO2010/033906、WO2010/033920、WO2010/042800、WO2010/050626、WO2010/056831、WO2010/068955、WO2010/098419、WO2010/102267、WO2010/111409、WO2010/111422、WO2010/115050、WO2010/124290、WO2010/147395、WO2010/147612、Huangfu D., et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26: 795-797、Shi Y., et al. (2008), Cell Stem Cell, 2: 525-528、Eminli S., et al. (2008), Stem Cells. 26:2467-2474、Huangfu D., et al. (2008), Nat. Biotechnol. 26:1269-1275、Shi Y., et al. (2008), Cell Stem Cell, 3, 568-574、Zhao Y., et al. (2008), Cell Stem Cell, 3:475-479、Marson A., (2008), Cell Stem Cell, 3, 132-135、Feng B., et al. (2009), Nat. Cell Biol. 11:197-203、R.L. Judson et al., (2009), Nat. Biotech., 27:459-461、Lyssiotis CA., et al. (2009), Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 106:8912-8917、Kim JB., et al. (2009), Nature. 461:649-643、Ichida JK., et al. (2009), Cell Stem Cell. 5:491-503、Heng JC., et al. (2010), Cell Stem Cell. 6:167-74、Han J., et al. (2010), Nature. 463:1096-100、Mali P., et al. (2010), Stem Cells. 28:713-720、Maekawa M., et al. (2011), Nature. 474:225-9.等に記載の組み合わせ等が例示される。初期化因子の組み合わせは、Oct3/4、Klf4及びSox2の組み合わせであってもよい。
さらに、iPS細胞は、所定の機関(京都大学等)から入手可能である。例えば、Oct3/4遺伝子、Klf4遺伝子及びSox2遺伝子を導入することによって得られるマウス由来iPS細胞株である440A3細胞株が京都大学から入手可能である。ヒト由来iPS細胞株としては、例えば、201B7、409B2、1039A1等が挙げられる。
神経前駆細胞は、ES細胞由来の細胞でも同様の結果がもたらされる。
移植補助剤は、神経前駆細胞を対象である哺乳動物に移植する前後の時期又は移植と同時に、上記哺乳動物に投与されるように用いることができる。移植補助剤は、神経前駆細胞を移植する2日前以降に、投与されるように用いられてもよい。神経前駆細胞を移植する2日前以降に移植補助剤を投与することによって、有効成分が有効血中濃度を維持した状態で、移植を行うことができる。ここで、「神経前駆細胞を移植する2日前」とは、対象である哺乳動物に上記神経前駆細胞を移植する日を基準として2日前であることを意味する。
対象となる哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、サル、ヒト等が挙げられる。本実施形態に係る移植補助剤は、ヒトに対して用いてもよい。
移植補助剤は、投与の目的、投与方法、投与対象の状況(性別、年齢、体重、病状等)によって異なるが、ヒトに対して投与される場合、例えば、1日当り、100〜1200mg、又は400〜1200mgの上記バルプロ酸が、投与されるように用いられてもよい。例えば、1日当り、10〜600mg、又は25〜200mgの上記ゾニサミドが、投与されるように用いられてもよい。
移植補助剤は、上述の投与量で1日1回投与する場合、少なくとも1回以上、対象である哺乳動物に投与されるように用いられてもよい。移植補助剤は、上述の投与量で1日1回投与する場合、60〜180回、又は90〜120回、対象である哺乳動物に投与されるように用いられてもよい。
移植補助剤の投与経路は、経口投与又は非経口投与のいずれでもよいし、経口投与であってもよい。通常用いられる投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、舌下錠、シロップ剤、懸濁液等が挙げられる。液剤の形にした移植補助剤を注射剤として非経口的に投与してもよい。上記投与剤形は許容される通常の担体、賦形剤、結合剤、安定剤等に、バルプロ酸及び/又はゾニサミドを有効成分として配合することによって製造することができる。移植補助剤を注射剤として用いる場合には、許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。
移植補助剤を対象である哺乳動物に投与すると、神経前駆細胞及び上記神経前駆細胞から分化したドパミン作動性ニューロンの移植後の残存率が向上する。そのため、上記移植補助剤は、ドパミン作動性神経の変性疾患の治療用又は予防用として用いられてもよい。
ドパミン作動性神経の変性疾患とは、ドパミン作動性神経が減少することに起因する疾患であり、例えば、パーキンソン病、レビー小体型認知症等が挙げられる。
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、体外で神経前駆細胞に本発明の移植補助剤を添加して、ドパミン作動性神経等の移植用細胞の調製を行った後に、得られた移植用細胞を、脳部位等に移植してもよい。この場合、所望の移植用細胞に分化させるために十分な量の移植補助剤を添加し、例えば48〜192時間保持した後に、目的とする脳部位に移植する。移植用細胞を目的とする脳部位に移植した後、上記移植を行った哺乳動物に本発明の移植補助剤を、更に全身投与してもよい。
材料及び方法
ドパミン作動性ニューロンのマウスiPS細胞からの分化
マウスiPS細胞株である440A3細胞は、10−25継代の後に使用された。Oct3/4、Klf4及びSox2の三つの遺伝子を有するプラスミドベクターによって生じた440A3細胞は、Nanogエンハンサー及びプロモーターの制御下にある、緑色蛍光タンパク質(GFP)及びピューロマイシン耐性遺伝子を有していた。上記GFP遺伝子及びピューロマイシン耐性遺伝子は、440A3細胞が分化していないときにのみ活性化する。440A3細胞において、外来性遺伝子の組込みは報告されていない。
未分化の440A3細胞は、マイトマイシンCで処理されたマウス胎児線維芽細胞(MEF)(フィーダー細胞)と共に、DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium、Wako社製)中で維持管理された。このようにすることによって、分化してしまった440A3細胞を除去した。上記DMEMは、1%のウシ胎仔血清(FBS)、5%のノックアウト血清代替物(KSR;インビトロジェン社製)、0.1mMの非必須アミノ酸、1mMのピルビン酸ナトリウム、0.1mMの2−メルカプトエタノール(2−ME;インビトロジェン社製)、2000U/mlの白血病抑制因子(インビトロジェン社製)及び1.5μg/mlのプロマイシンを含んでいた。iPS細胞を神経系細胞に分化誘導するため、無血清浮遊凝集塊培養法(SFEB法)を使用した。つまり、440A3細胞の集合体を0.25%のトリプシン/1mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸)で個々の細胞に分離し、96ウェル低粘着性プレート(商品名:Lipidure−Coat Plate A−US96、NOF Corporation製)上に、3000細胞/ウェルの濃度(細胞密度)で撒いた。その後、GMEM(Glasgow Minimum Essential Medium)、5%のKSR、0.1mMの非必須アミノ酸、1mMのピルビン酸ナトリウム及び0.1mMの2−MEを含有する分化培地の中で、上記440A3細胞の再集合を誘発するようにし、この日を0日目とした(図1)。この分化プロセスの間、図1に記載されているように、中脳ドパミン作動性の表現型を誘発するために様々な因子が上記分化培地に加えられた。具体的には、SFEB法を開始してから3日目から7日目に20ng/mlのマウスFGF−8b(R&D systems社製)を加え、SFEB法を開始してから4日目から7日目に10ng/mlの組み換え型マウスソニックヘッジホッグ(C25II)N末端(R&D systems社製)を加え、SFEB法を開始してから7日目以降に1%のN−2サプリメント(Gibco社製)及び200nMのアスコルビン酸を加えた。KSRは、SFEB法を開始してから7日目に分化培地から除去された。
Fluorescence−Activated Cell Sorting(FACS)
SFEB法を開始してから9日目に、440A3細胞をリン酸生理食塩水(PBS(−))で2度洗浄した。その後、37℃でAccumax(Innovate Cell Technologies社製、商品名)を使用した5分間培養によって440A3細胞を単一細胞に分離した。上記細胞は、FACSバッファーで回収された。上記FACSバッファーは、2%のFBS、20mMのD型グルコース及び1%のペニシリン/ストレプトマイシン(P/S、インビトロジェン社製)を含有するPBS(−)で構成されていた。回収された細胞は、緩やかなピペッティング操作で単一細胞浮遊液へと機械的に分離された。次に、上記細胞をマウス抗PSA−NCAM抗体(希釈倍率1:200,Millipore社製)とともに4℃で30分ほどインキュベートした。その後、遠心分離機を用いて洗浄操作を2度行い、更に上記細胞を二次抗体であるAlexaFluor 594が標識されたロバ抗マウスIgG(希釈倍率1:400,インビトロジェン社製)とともに30分間インキュベートした。死細胞及び細胞の破片は、7−アミノアクチノマイシン−D(7−AAD,BD Pharmigen社製)染色剤を用いて除去した。残った生存細胞は再度、最終濃度(細胞密度)1×10細胞/mlで懸濁させた。細胞ソーティングは、488nmアルゴンレーザー、633nmヘリウム−ネオンレーザー、100μmノズル及びFACSDivaソフトウェアプログラムを備えたFACSAriaIIセルソーター(Becton Dickison社製)を用いて行われた。PSA−NCAM陽性率は、一次抗体を用いていないネガティブコントロールを基準として決定された。
試験化合物を使用した神経前駆細胞をドパミン作動性神経細胞へ分化誘導するためのインビトロ処理
細胞ソーティングの後、細胞の再集合を誘発するため、DMEM/F12培地(Wako社製)において、PSA−NCAM細胞群を96ウェルプレート上に、20000細胞/ウェルの濃度(細胞密度)で播種した。上記DMEM/F12培地は、1%のN−2サプリメント、200nMのアスコルビン酸、2%のB27サプリメント(インビトロジェン社製)、0.5mMのL−グルタミン及び1%のP/Sを含んでいた。アポトーシスを防ぐために、ROCK阻害剤Y−27632(Wako社製)が、細胞ソーティングの過程とその後の一晩の培養とにおいて、30μMの濃度で使用された。SFEB法を開始してから10日目に、バルプロ酸(VPA)(Sigma社製)、ゾニサミド(ZNS)ナトリウム塩(大日本住友製薬株式会社製)、17β エストラジオール(E2)(Sigma社製)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)(R&D Systems社製)、又はPBS(−)のいずれかが、4日間培地に加えられた。VPA、ZNS及びE2はそれぞれ三つの異なる濃度で使用された。すなわち、VPAの濃度は0.01mM、0.1mM及び1mMであり、ZNSの濃度は1μM、10μM及び100μMであり、E2の濃度は1nM、10nM及び100nMであった。GDNFは、20mg/ml加えて、ポジティブコントロールとした。VPA及びE2の効果を中和するため、アデニル酸シクラーゼ阻害剤である2,5−ジデオキシアデノシン(ddA,100μM;Santa Cruz Biotechnology社製)又はエストロゲン受容体拮抗薬であるICI182780(ICI,2μM;Wako社製)が、SFEB法を開始してから10日目に培地に加えられた。
マウスiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞の移植実験
生後10週間のSprague−Dawleyラット(SDラット、清水実験材料株式会社製)は、京都大学動物実験ガイドラインに従って取り扱われた。上記SDラットに麻酔をかけ、両側の線条体中にドナー細胞を定位固定的に注射することによって移植した。SFEB法を開始してから9日目の二つの細胞集合体(平均3.1x10細胞)を1μlのPBS(−)中に集めた状態で、ドナー細胞として各トラクトへの移植に使用した。上記PBS(−)には、終濃度で30μMのY−27632が加えられていた。その後、VPA(150mg/kg/日)、ZNSナトリウム塩、(30mg/kg/日)、E2(80μM/kg/日)、又は生理食塩水の腹腔内注射を、上記ドナー細胞を移植する2日前から施し、剖検される日まで続けた。免疫抑制のために、全てのSDラットに対して、1日用量である10mg/kgのサイクロスポリンA(CsA、Wako社製)を投与した。ドナー細胞の移植後4週間で、上記SDラットは、深麻酔の下、4%のパラホルムアルデヒドを心臓内にかん流することによって脳を洗浄及び固定した。剖検の日、最後の試験化合物又はCsAの注射から1時間後に各SDラットから血液サンプルが採取された。これらのサンプルはSRL,Inc.(東京、日本)に送られ、上述の投与された医薬(試験化合物)の血中濃度が測定された。
ヒトiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞の移植実験
生後12週間のSCIDラット(京都大学医学部動物実験施設にて作製)は京都大学動物実験ガイドラインに従って取り扱われた。上記SCIDラットに麻酔をかけ、両側の線条体中にドナー細胞を定位固定的に注射することによって移植した。ヒトiPS細胞株である1039A1細胞から調製したドパミン神経前駆細胞(平均2.7x10細胞)を2μlのPBS(−)中に集めた状態で、ドナー細胞として各トラクトへの移植に使用した。上記PBS(−)には、終濃度で30μMのY−28632が加えられていた。その後、VPA(150mg/kg/日若しくは600mg/kg/日、それぞれ高用量、低用量という場合がある)、ZNSナトリウム塩(30mg/kg/日若しくは60mg/kg/日、それぞれ高用量、低用量という場合がある)、又は生理食塩水の腹腔内注射を、上記ドナー細胞を移植する2日前から施し、剖検される日まで続けた。ドナー細胞の移植後4週間で、上記SCIDラットは、深麻酔の下、4%のパラホルムアルデヒドを心臓内にかん流することによって脳を洗浄及び固定した。剖検の日、最後の試験化合物の注射から1時間後に各SCIDラットから血液サンプルが採取された医薬(試験化合物)の血中濃度が測定された。
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)
トータルRNAはRNeasy Plus Miniキット(Qiagen社製)を使用して抽出された。抽出されたトータルRNAは、Super Script III First−Strand Synthesis System(インビトロジェン社製)を使用して逆転写された。各PCRは、Hot StarTaq DNA ポリメラーゼ(Qiagen社製)を使用して行われた。逆転写酵素を加えないことで、各プライマーに対するコントロール増幅反応が行われた。MEFがその他のネガティブコントロールとして使用された。RT−PCRの検出対象となった遺伝子の配列はいずれも公知であり、その遺伝子の配列に基づいて、プライマーの設計及び増幅産物の分子量の見積もりが行われた。
免疫蛍光法
インビトロ実験では、SFEB法を開始してから14日目に上述の試験化合物で処理された細胞集合体を、4%のパラホルムアルデヒドで固定した。その後、固定した細胞集合体を冷凍し、免疫細胞化学用のミクロトームを使用して10μM厚の薄片に切断した。一方、インビボ実験(移植実験)では、移植実験の後SDラット又はSCIDラットの脳を取り出し、4%のパラホルムアルデヒドで再度2日間固定した。その後、固定したSDラット又はSCIDラットの脳を30%のスクロース中で3日間低温保存し、冷凍し、免疫組織化学のために40μM厚の薄片に切断した。スフィア(球状の細胞塊)及び脳の凍結切片に透過処理を施し、PBS(−)中に室温で一時間ブロッキングすることで、サンプルとした。上記PBS(−)には、0.3%のトライトン−X及び2%のロバ血清が含まれていた。その後、上記切片を一次抗体とともに4℃で一晩インキュベーションを行った。本実施例で使用した一次抗体は、ウサギ抗チロシンヒドロキシラーゼ抗体(希釈倍率1:400,TH;Millipore社製)、マウス抗TH抗体(希釈倍率1:200,Millipore社製)、ヒツジ抗TH抗体(希釈倍率1:400,Millipore社製)、マウス抗Tubβ3抗体(希釈倍率1:1000,Tujl;Covance社製)、ラット抗NURR1抗体(希釈倍率1:1000,カン研究所、神戸、日本)、ウサギ抗Ki67抗体(希釈倍率1:1000,Novocastra社製:NCL−Ki67p)、ウサギ抗カスパーゼ3抗体(希釈倍率1:500,Santa Cruz Biotechnology社製)、ラット抗M2M6抗体(希釈倍率1:50,Developmental Study Hybridoma Bank社製)、マウス抗Nestin抗体(希釈倍率1:50;Millipore社製)、ウサギ抗Pitx3抗体(希釈倍率1:500;Chemicon社製)、ヤギ抗HNF−3β抗体(希釈倍率1:500,Foxa2;Santa Cruz Biotechnology社製)、マウス抗ヒトNuclei抗体(希釈倍率1:1000;Millipore社製)及びマウス抗NeuN抗体(希釈倍率1:500,Chemicon社製)である。PBS(0.05%のTween−20)中で3度洗浄した後、サンプルをAlexa Fluor結合二次抗体とともに室温で1時間インキュベートした。さらに3度洗浄した後、上記サンプルを核染色のためDAPIとともにインキュベートし、パーマフロー(Dako)を使用して標本にした。免疫反応性細胞は、共焦点レーザーマイクロスコープ(Fluoview FV1000D;Olympus社製)で可視化した。各マーカーの陽性細胞の割合を決定するため、標識細胞を、少なくとも3度の独立した実験において手動で数えた。Ki67/Nestin細胞の移植片の体積及び数は、BZ−II解析ソフトウェアプログラム(Keyence)を使用して決定した。各移植片における免疫反応性細胞の数を予測するため、6片毎に細胞数を手動で数え、Abercrombie Correctionを適用した(Abercrombie,1946)。
統計分析
統計分析はグラフパッドプリズムソフトウェアプログラム5.0bバージョン(GraphPad Software)を使用して行った。全ての量的データは平均値±SD(標準偏差)として示され、One−way ANOVA及びNewman−Keuls事後解析テストが使用された。差はP<0.05で統計的に有意と判定した。
結果
ドパミン作動性ニューロンのマウスiPS細胞からの分化
SFEB法を用いてマウスiPS細胞株である440A3細胞からドパミン作動性ニューロンを分化誘導した。上記440A3細胞は、SFEB法を開始してから14日目まで継続して増殖していた。分化誘導に伴って、Nanog−GFPの発現が徐々に減少し、SFEB法を開始してから9日目には、ほとんど発現が確認されなかった。各遺伝子マーカーの経時的な発現変化を示したRT−PCRの写真を図2に示す。多能性を示す細胞集団(Oct3/4、Nanog)が、SFEB法を開始してから6〜9日目に未熟神経前駆細胞(NPC)(Nestin+)に分化し、その後Tuj1神経細胞に分化したことが確認された(図2)。このTuj1神経細胞は、ドパミン作動性ニューロンの特異的マーカーであるLmx1a、Nurr1及びTHも発現していた。
得られた細胞集団には、未分化の細胞及び非神経細胞も含まれていた。そこで、均一性の高いNPCの集団を得るために、FACSを用いて、PSA−NCAMの細胞をソートした。PSA−NCAMは、神経細胞の表面に特異的に発現している細胞接着分子である。SFEB法を開始してから9日目には、得られた細胞集団の約60%がPSA−NCAM陽性(PSA−NCAM)であった。FACSによってソートされたPSA−NCAMの細胞は、再集合した後、さらに5日後に成熟した。成熟した細胞は、免疫細胞化学法に用いた。上記成熟した細胞の集合体の切片を免疫蛍光染色したところ、大部分がTuj1神経細胞であり、その中に、中脳のドパミン作動性ニューロンが存在していた。上記ドパミン作動性ニューロンは、TH、NURR1、FOXA2及びPITX3を同時に発現していた。
インビトロにおける、VPA及びE2のドパミン作動性ニューロンへの分化に対する影響
VPA、ZNS及びE2がインビトロにおいて、ドパミン作動性ニューロンへの分化誘導に影響があるか調べた。SFEB法を開始してから10日目〜14日目の間、再集合したPSA−NCAM細胞を、VPA、ZNS又はE2の存在下で培養した。SFEB法を開始してから14日目に免疫細胞化学法を行ったところ、どの試験化合物においても90%以上の細胞が神経細胞マーカーであるTuj1を発現していた(図3(A))。コントロールの細胞では、5.2±1.1%がTHであった。これに対し、VPA(0.01mM、0.1mM)又はE2(10nM)の存在下で培養した細胞は、TH細胞の割合が、コントロールに対して約2倍にまで増加していた(それぞれ、12.1±1.5%、11.7±0.4%及び12.2±2.3%)(図3(B))。VPA及びE2のこのような効果が環状AMP経路又はエストロゲン受容体を介して行われているのかどうかを調べるため、アデニル酸シクラーゼ阻害剤であるddA又はエストロゲン受容体拮抗剤であるICIをそれぞれ用いた。100μMのddA又は2μMのICIをそれぞれ0.1mMのVPA又は10nMのE2と共に細胞に加えて培養したところ、TH細胞の増加の割合が顕著に減少した(図3(C))。一方、ddA又はICIを単独で細胞に加えてもコントロールと比較して、TH細胞の割合に変化は見られなかった。
次に、FOXA2、NURR1、PITX3及びTH等の中脳ドパミン作動性ニューロンのマーカー分子を対象に、二重標識による免疫細胞化学法を行った。0.1mMのVPAを加えて培養した細胞において、THFOXA2細胞及びTHNURR1細胞の割合が、コントロールのときと比較して顕著に増加していた(それぞれ、1.00±0.58%対0.25±0.22%、及び1.00±0.70%対0.37±0.32%、図4)。分化誘導の期間が短すぎたこと及びGDNFのようなサイトカインを加えて、細胞を培養しなかったことから、PITX3細胞は、ほとんど観察されなかった。これらの結果から、VPAと共に細胞を培養することによって、ドパミン作動性ニューロンへの分化及び中脳様ドパミン作動性ニューロン表現型の獲得が促進されることが示唆された。
次に、アポトーシス細胞のマーカーであるカスパーゼ3の発現を指標として、上述の試験化合物がTH神経細胞のインビトロにおける生存率に与える影響を評価した。コントロールのスフィアにおいて、TH神経細胞の18.0±5.9%がカスパーゼ3を発現していた。この結果から、5分の1のドパミン作動性ニューロンがアポトーシスに向かっていることが示唆された(図5)。一方、VPA又はE2の存在下で培養した細胞は、アポトーシスに向かっているドパミン作動性ニューロンの割合が低かった。しかしながら、4つのグループ間で、有意差は認められなかった。
移植したNPCの神経細胞への分化に対するVPAの影響
次に、VPA、ZNS又はE2の全身投与が、移植片中のドパミン作動性ニューロンの生存率及び分化に影響を及ぼすかどうか調べた。この移植実験では、SFEB法を開始してから9日目に、FACSによるソートを行っていない細胞集団(2つの細胞集合体中に3.1×10細胞、PBS中)をSDラットの線条体に移植した。移植に使用したSDラットは、移植を行う日の2日前から殺処分される日まで(移植後4週間)毎日、上述の薬剤のうちの1つ及び免疫抑制剤であるCsAを腹腔内投与された。殺処分の日、CsAの血中濃度は平均で3700±898ng/mlであった。VPA、ZNS及びE2の血中濃度は、それぞれ、158.5±3.9μg/ml、2.43±0.13μg/ml及び1141±926pg/mlであった。
Nestin(NPCのマーカー)及びKi67(増殖している細胞のマーカー)を対象として二重標識を用いた免疫組織化学法を行ったところ、移植した細胞の15〜20%がNestin細胞であったが、4つのグループ間で有意差は認められなかった(図6(A))。Nestin細胞中のKi67細胞の割合は、すべての移植片においてとても低かった(<0.1%)。Nestin細胞は、この時点において、静止期又は有糸分裂後細胞となっていることが示唆された。一方、成熟神経細胞のマーカーであるNeuNを対象として免疫組織化学法を行ったところ、VPAを投与したSDラットでは、移植片の全細胞数に対するNeuN細胞の割合が、コントロールのSDラットと比較して有意に増加していた(77.9±5.1%対57.7±9.4%、図6(B))。この結果によって、VPAは移植したNPCの神経細胞への分化を促進することが示唆された。移植された細胞は、免疫蛍光染色を用いてM2M6をマーカーとして同定した。M2M6は、移植された細胞(マウスの細胞)にのみ発現し、宿主であるSDラットの細胞には発現しない。移植して4週間後、すべてのグループにおいて、移植片は良好に生存し、癌化のサインも観察されなかった。移植片の体積については、VPAを投与したSDラットが最も小さく(4.33±2.14mm)、コントロールのSDラットが最も大きかった(9.76±3.19mm)。しかし、有意差は認められなかった(図7(A))。
VPA又はZNSの投与による、マウスiPS細胞由来神経前駆細胞を含む移植片中の中脳ドパミン作動性ニューロンの残存率の向上
移植後4週間目の移植片中におけるTH細胞の数を、4つのグループ間で比較した。二重標識を用いた免疫組織化学法を行ったところ、VPAを投与したSDラットの移植片では、コントロールのSDラットの移植片と比較して、TH細胞の数が顕著に多かった(それぞれ、1396±864細胞、393±311細胞、図7(B))。コントロールのSDラットの移植片において、TH細胞のごく一部が中脳マーカーであるFOXA2を共発現していた(24.7±9.3%)。これに対して、VPA又はZNSを投与したSDラットの移植片では、大部分のTH細胞が、FOXA2であった(それぞれ、81.8±33.6%及び80.4±21.1%)。統計学的な分析によって、VPA又はZNSを投与したSDラットの移植片中における中脳ドパミン作動性ニューロン(THFOXA2)の数は、コントロールのSDラットの移植片と比較して、有意に増加していることが示された(それぞれ、984±770細胞、835±540細胞及び97±76細胞、図7(C))。これらの結果から、VPA又はZNSの全身投与によって、移植した神経前駆細胞から分化したドパミン作動性ニューロンの残存率が向上することが示唆された。ZNSを投与した場合、移植したNPCの神経細胞への分化の割合が、コントロールと同程度であること(図6(B))から、移植後の残存率と、NPCの神経細胞への分化の効率とは互いに独立した関係にあることが示唆された。
VPA又はZNSの投与による、ヒトiPS細胞由来神経前駆細胞を含む移植片中の中脳ドパミン作動性ニューロンの生存率
移植後4週間目の移植片中におけるTH細胞の数を、5つのグループ間で比較した。二重標識を用いた免疫組織化学法を行ったところ、高用量のZNSを投与したSCIDラットの移植片では、コントロールのSCIDラットの移植片と比較して、TH細胞の数が顕著に多かった。(それぞれ、6480±2145細胞、3026±1349細胞、図8(A)。図中の「*」は、p<0.05であることを示す。)。コントロールのSCIDラットの移植片においては、TH細胞のうち中脳マーカーであるFOXA2を共発現していた細胞が76.3±9.7%であったのに対し、高用量のZNSを投与したSCIDラットの移植片では、TH細胞のうち91.8±6.2%がFOXA2であった。統計学的な分析によって、高用量のZNSを投与したSCIDラットの移植片中における中脳ドパミン作動性ニューロン(THFOXA2)の数は、コントロールのSCIDラットの移植片と比較して、有意に増加していることが示された(それぞれ、5889±1821細胞、2297±1116細胞、図8(B)。図中の「*」及び「**」は、それぞれ、p<0.05、及び、p<0.01であることを示す。)。これらの結果から、ZNSの全身投与によって、移植した神経前駆細胞から分化したドパミン作動性ニューロンの残存率が向上することが示唆された。
本発明の移植補助剤は、神経前駆細胞、特にiPS細胞由来の神経前駆細胞の移植において、レシピアント脳移植部位でのドパミン作動性ニューロンの残存率を向上させることに有用である。さらに、上記移植補助剤がバルプロ酸を含む場合、上記移植補助剤は、神経前駆細胞のドパミン作動性神経への分化を促進させることにも有用である。

Claims (6)

  1. ニサミドを有効成分として含有する、神経前駆細胞の移植補助剤。
  2. 前記神経前駆細胞の移植補助が、移植後のドパミン作動性ニューロンの生存率向上、生
    着率向上又は分化誘導向上である、請求項1に記載の移植補助剤。
  3. 前記神経前駆細胞を移植する2日前以降に、投与されるように用いられる、請求項1
    は2に記載の移植補助剤。
  4. 前記神経前駆細胞がiPS細胞由来である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の移植
    補助剤。
  5. ドパミン作動性神経の変性疾患治療用である、請求項1〜のいずれか一項に記載の移
    植補助剤。
  6. 前記ドパミン作動性神経の変性疾患がパーキンソン病である、請求項に記載の移植補
    助剤。
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