JP6289120B2 - 血管内視鏡システム - Google Patents

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Description

本発明は、血管内視鏡システムに関するものである。
従来、冠動脈等の血管の診断に、血管内に挿入可能な極細の血管内視鏡を使用して血管の内部を直接観察する方法が用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。血管内は赤い血液で満たされているため、そのままの状態では血管の内部を光学的に観察することができない。そこで、血管内視鏡の先端から前方へ向かって低分子デキストラン溶液のような透明液体を噴射するフラッシングを行うことによって、血管内視鏡の前方の血液を一時的に透明液体に置換して透明な視界を得る方法が用いられている。
一方、血管内視鏡に搭載される対物レンズも極細でなければならず、使用される対物レンズは画角の狭いものに限られていたが、近年、画角の広い極細の対物レンズの開発が進んでいる。狭角の血管内視鏡の場合、一度に観察可能な範囲が狭く、例えば、血管内壁を全周にわたって観察したい場合には血管内視鏡の先端を移動させながら観察する必要があった。これに対し、広角の血管内視鏡の場合、血管内壁を全周にわたって一度に観察することができる。
"血管内視鏡 ビジブル"、[online]、ファイバーテック株式会社、[平成25年12月19日検索]、インターネット<http://www.fibertech.jp/m1_1_2.html?id=m1&ps=-20>
しかしながら、血管内視鏡を広角化した場合、上記のフラッシングを用いたので以下のような不都合が生じる。すなわち、フラッシングによって血液が透明液体に置換される領域は、主に血管内視鏡の前方である。したがって、視野のうち、狭角領域においては透明な視界が得られるが、血管内壁の観察に必要な広角領域においては血液が透明液体に置換され難く、血管内壁を良好に観察することができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、広角領域において透明な視界を確実に得られ、血管内壁を良好に観察することができる血管内視鏡システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、血管内に挿入可能な内視鏡と、該内視鏡の外周面との間に長手方向に連通する隙間を形成するように前記内視鏡を長手方向に沿って収容し、先端部分の側壁に壁厚方向に貫通形成された噴出口を有する外套管と、前記隙間を前記外套管の基端から前記先端部分に向かって前記長手方向に流動する液体の流動方向を前記先端部分において半径方向外方へ変化させる流動方向変更手段とを備え、前記噴出口が、前記外套管の基端から先端に向かって漸次半径方向外方へ変位するように前記長手方向に対して傾斜して形成され、前記噴出口と前記長手方向との成す角度が、前記内視鏡の半画角と略同一である血管内視鏡システムを提供する。
本発明によれば、血管内に外套管を挿入し、この外套管の先端部分に内視鏡の先端が位置するように外套管内に内視鏡を配置し、外套管と内視鏡との隙間に基端側から透明液体を供給する。隙間を外套管の基端から先端部分まで長手方向に沿って流動してきた透明液体は、外套管の先端部分において、流動方向変更手段によって半径方向外方に位置する噴出口へ指向され、噴出口から外套管の側方へ向かって噴出する。これにより、特に外套管の先端部分の側壁周辺において血液が透明液体に置換されるので、血管内壁の観察に必要な広角領域において透明な視界を確実に得られ、血管内壁を良好に観察することができる。
上記発明においては、前記噴出口が、前記外套管の前記基端から先端に向かって漸次半径方向外方へ変位するように前記長手方向に対して傾斜して形成され、前記噴出口と前記長手方向との成す角度が、前記内視鏡の半画角と略同一であ
このようにすることで、内視鏡の視野の広角領域において透明な視野をさらに確実に得ることができる。
また、上記発明においては、前記噴出口が、前記外套管の前記長手方向および周方向のうち少なくとも一方に間隔を空けて複数形成されていてもよい。
このようにすることで、外套管の先端部分の周囲のより広範囲において透明な視界を得ることができる。
また、上記発明においては、前記外套管の先端部分の側壁の少なくとも一部分が、壁厚方向に貫通する多数の網の目を前記噴出口として有するメッシュ状に形成されていてもよい。
このようにすることで、噴出口として機能する網の目が多数形成されていることによって、個々の網の目に作用する透明液体の流体圧力を低減することができる。
また、上記発明においては、前記流動方向変更手段が、前記外套管内において前記内視鏡の先端と対向して配置されて前記液体の前記長手方向の流れを遮る遮断面を有する遮断部材を備えていてもよい。
このようにすることで、隙間を長手方向に流動してきた液体は、内視鏡の先端を超えた位置において遮断面にぶつかることによって、その流動方向を半径方向外方へ変化させる。これにより、簡易な構成でありながら透明液体の流動方向を効果的に変化させることができる。
また、上記発明においては、前記遮断部材が、可視光に対して透明であってもよい。
このようにすることで、内視鏡の前方も観察することができる。
また、上記発明においては、前記外套管が、その先端開口を少なくとも部分的に閉塞する先端壁を有し、前記遮断部材が、前記先端壁であってもよい。
このようにすることで、外套管の一部分を遮断部材として機能させることによって、別途部材を設ける必要がなく、簡易な構成とすることができる。
また、上記発明においては、前記遮断部材が、前記長手方向に移動可能に設けられていてもよい。
このようにすることで、噴出口からの透明液体の噴出量は、遮断面との位置関係に応じて異なり、遮断面と半径方向に隣接する噴出口と、遮断面よりも基端側に位置する噴出口から透明液体が主に噴出する。したがって、外套管内の遮断部材の位置を変更することによって、血液を透明液体に置換する範囲を変更することができる。
また、上記発明においては、前記遮断部材が、前記外套管の半径方向に配置された板部材であってもよく、前記外套管の半径方向に拡張および収縮可能なバルーンであってもよい。
このようにすることで、遮断部材を簡易な構成とすることができる。
また、上記発明においては、前記流動方向変更手段が、前記内視鏡の先端部分に設けられ、前記内視鏡の先端に向かって漸次径寸法が拡大する錘状部を備えていてもよい。
このようにすることで、簡易な構成でありながら透明液体の流動方向を効果的に変化させることができる。また、供給された透明液体は主に、錘状部と略対向する位置の噴出口から噴出する。すなわち、外套管の先端部分の周囲のうち、血管内壁の観察に必要十分な範囲に対して選択的に透明液体を供給することによって、透明液体の供給量を低減することができる。
本発明によれば、広角領域において透明な視界を確実に得られ、血管内壁を良好に観察することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る内視鏡システムの全体構成図である。 図1の内視鏡システムの使用方法を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る内視鏡システムの構成とその使用方法を示す図である。 図3の内視鏡システムの変形例の構成とその使用方法を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る内視鏡システムの構成とその使用方法を示す図である。 図5の内視鏡システムの変形例の構成とその使用方法を示す図である。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る血管内視鏡システム10について図1および図2を参照して説明する。
本実施形態に係る血管内視鏡システム10は、図1に示されるように、極細の内視鏡1と、該内視鏡1を収容する外套管2とを備えている。
内視鏡1は、先端面の前方の視野Fを観察する直視型であり、例えば60°以上の広い画角ωを有している。
外套管2は、血管内に挿入可能な外形寸法を有し、開放された基端から内視鏡1を長手方向に挿入可能になっている。外套管2内に内視鏡1が挿入された状態において内視鏡1の外周面と外套管2の内周面との間に液体の通路3となる円筒状の隙間を形成されるように、内視鏡1の外径寸法と外套管2の内径寸法はそれぞれ設計されている。外套管2の基端部分には、通路3に液体を供給するための供給口2aが設けられている。
また、外套管2の少なくとも先端部分は、可視光に対して透明な材質、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートからなり、外套管2の内側から外側を内視鏡1によって光学的に観察可能になっている。
外套管2の先端壁(遮断部材、流動方向変更手段)2bは、基端側から先端側に向かって漸次径寸法が小さくなる円錐状である。円錐の頂点に対応する先端壁2bの中心には、血管内において外套管2を案内するためのガイドワイヤが挿入可能な先端孔2cが形成されている。ガイドワイヤは、例えば、直径0.010インチのものが好適に使用される。
また、外套管2の先端部分の側壁には、外套管2の長手方向に対して斜めに貫通する側孔(噴出口、流動方向変更手段)2dが形成されている。側孔2dは、先端側に向かって外套管2の半径方向外方に漸次変位するように傾斜している。側孔2dの長手方向と外套管2の長手方向とが成す角度は、内視鏡1の半画角と同等またはそれ以上であることが好ましい。側孔2dは、外套管2の周方向および長手方向に間隔を空けて複数形成されている。
次に、このよう構成された血管内視鏡システム10の作用について説明する。
本実施形態に係る血管内視鏡システム10を使用して血管内壁Bを画像診断するためには、まず、ガイドワイヤ4を体外から体内の目的の血管A、例えば冠動脈まで挿入する。次に、体外においてガイドワイヤ4の基端部を先端孔2cから外套管2内に挿入し、外套管2をガイドワイヤ4に沿って前進させることによって外套管2を冠動脈まで挿入する。
次に、外套管2内に内視鏡1を挿入し、図2に示されるように、内視鏡1の画角ωのうち最も外側(視野Fのうち、半径方向の最外位置)が側孔2dよりも先端側に配される位置に、外套管2内において内視鏡1を位置決めする。このときに、外套管2内での内視鏡1の位置決めを容易に行えるように、外套管2と内視鏡1のそれぞれ基端部分に、内視鏡1の先端と側孔2dとの長手方向の位置関係を示す目印が設けられていることが好ましい。
次に、供給口2aから通路3に低分子デキストラン溶液のような透明液体を供給する。透明液体の供給は、例えば、供給口2aに接続したシリンジを用いて行われる。通路3を基端側から先端側へ流れた透明液体は、外套管2の先端壁2bの内面(遮断面)2eによって長手方向の流れが遮られることによって、その流動方向を側孔2dに向かって半径方向外方へ変化させ、側孔2dへ流れ込む。そして、側孔2dから外套管2の外側へ噴出した透明液体は、外套管2の先端部分の周辺を満たしていた血液を先端側へ押し出す。これにより、外套管2の先端部分の周囲の血液が一時的に透明液体に置換される。この状態において、内視鏡1の先端と血管内壁Bとの間の光路が透明液体で満たされることによって、内視鏡1の透明な視界が確保され、血管内壁Bを鮮明に観察することができる。図2以降の図面において矢印は、透明液体の流れを表わしている。
この場合に、本実施形態によれば、透明液体が、内視鏡1の観察方向に対して斜め側方に放射状に噴出されることによって、内視鏡1の視野Fのうち特に広角領域において血液が透明液体に効果的に置換され、内視鏡映像内の特に外周部において透明な視界が得られる。これにより、広角な内視鏡1を用いて血管内壁Bを良好に観察することができるという利点がある。また、外套管2内で内視鏡1を長手方向に移動させることによって、血管A内で外套管2を移動させることなく観察範囲を前後方向に容易に移動することができ、血管内壁Bを広範囲にわたって観察することができるという利点がある。
なお、本実施形態においては、側孔2dが、外套管2の長手方向に対して傾斜して形成されていることとしたが、これに代えて、側孔2dは、外套管2の長手方向に対して垂直に形成されていてもよい。
また、本実施形態においては、側孔2dを設けることに代えて、外套管2の先端部分の少なくとも一部分が、壁厚方向に貫通する多数の網の目を有するメッシュ状に形成されていてもよい。この場合には、網の目が噴出口として機能することになるが、略同一の孔径の噴出口が多数存在することによって、個々の噴出口に作用する透明液体の流体圧力を低減することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る血管内視鏡システム20について図3および図4を参照して説明する。
なお、本実施形態においては、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と共通の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る血管内視鏡システム20は、図3に示されるように、内視鏡1の形状において、第1の実施形態と主に異なっている。
本実施形態において、内視鏡1の先端部分の外側には、先端に向かって漸次径寸法が大きくなる錘状部(流動方向変更手段)5が設けられている。錘状部5は、内視鏡1の先端部分を錘状に成形することによって構成されていてもよく、寸胴の内視鏡1の先端部分に着脱可能な錐台状のアタッチメントから構成されていてもよい。
錘状部5の側面の、外套管2の長手方向に対する傾斜角度は、内視鏡1の半画角ω/2と同等またはそれ以上である。錘状部5の長手方向の寸法は、約0.5mm〜2mmであることが好ましく、錘状部5の最大外径寸法は、内視鏡1の外径寸法に対して約5%〜40%太くなっており、約1mm〜4mmであることが好ましい。
外套管2の内径は、錘状部5の最大外径よりも大きく、外套管2の壁厚は、約0.05mm〜0.8mmであることが好ましい。
次に、このように構成された血管内視鏡システム20の作用について説明する。
供給口2aから通路3へ透明液体を供給するまでの手順は、第1の実施形態と同様である。通路3を基端側から先端側へ流れた透明液体は、外套管2の長手方向に対して傾斜した錘状部5の側面に沿って流動する間に半径方向外方へ偏向され、錘状部5と半径方向に対向する側孔2dから主に噴出する。これにより、第1の実施形態と同様に、内視鏡1の透明な視界が確保され、血管内壁Bを鮮明に観察することができる。
この場合に、本実施形態によれば、内視鏡1の先端部分に錘状部5が設けられていることによって、側孔2dからの透明液体の噴出量が側孔2dの位置によって異なり、透明液体が、錘状部5と対向している側孔2dから最も勢い良く噴出する。すなわち、外套管2の先端部分の周辺領域のうち、血管内壁Bの観察に必要十分な範囲に対して選択的に透明液体が供給される。これにより、透明液体の供給量を低減することができるという利点がある。本実形態のその他の効果については、第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。
なお、本実施形態においては、外套管2内で内視鏡1を移動させることによって観察範囲を前後方向に移動させる場合に、透明液体を噴出させながら内視鏡1を移動させてもよく、内視鏡1の移動後に透明液体を噴出させてもよい。
また、本実施形態においては、内視鏡1の前方においては、血液の透明液体への置換効率が低くなる。そこで、内視鏡1に長手方向に貫通形成された送水チャネルを使用し、送水チャネルから内視鏡1の前方に向かって透明液体を噴出させてもよい。
また、本実施形態においては、外套管2の先端壁2bが円錐状に形成されて、先端孔2cとガイドワイヤ4との隙間を除いて閉塞されている構成について説明したが、これに代えて、図4に示されるように、外套管2の先端が開放されていてもよい。
このようにすることで、例えば内視鏡1の図示しない処置具チャネルを介して血管Aに挿入した処置具6を外套管2の先端から突出させ、該処置具6を用いて血管Aに処置を施すことが可能となり、内視鏡映像による診断と処置具6による処置とを連続して行うことができる。例えば、狭窄部位を内視鏡映像で確認し、ステントを有する治療カテーテルを血管A内に挿入して狭窄部位にステントを移植する工程を、連続して行うことができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る血管内視鏡システム30について図5および図6を参照して説明する。
なお、本実施形態においては、第1および第2の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1および第2の実施形態と共通の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る血管内視鏡システム30は、図5に示されるように、外套管2の内部に、内視鏡1よりも先端側に配置される遮断板7をさらに備えている点において、第1および第2の実施形態と主に異なっている。遮断板7は、内視鏡1の外径よりも大きく外套管2の内径よりも小さい径寸法を有する円板状の部材であり、外套管2の長手方向に略垂直に配置されている。
遮断板7には、外套管2の長手方向に沿って該外套管2の基端側まで延びるワイヤ7aが接続されている。操作者は、このワイヤ7aを押し引きすることによって、遮断板7を外套管2の長手方向に移動させ、内視鏡1の先端と遮断板7との間の距離を変更することができるようになっている。ワイヤ7aは、内視鏡1が有するチャネル内を通過していてもよく、内視鏡1と外套管2との間の通路3を通過していてもよい。
遮断板7は、可視光に対して透明な材質からなり、遮断板7の内側から外側を内視鏡1によって光学的に観察可能になっている。
遮断板7の、内視鏡1と対向配置される遮断面7bは、図4に示されるように、外套管2の長手方向に垂直な平坦形状であってもよく、その他の形状であってもよい。例えば、外套管2の長手方向に沿って流動してきた透明液体の流動方向を半径方向外方へ滑らかに変更して側孔2dへ向かわせるために、遮断面7bは、基端側から先端側に向かって漸次径寸法が大きくなる円錐状であってもよい。
次に、このように構成された血管内視鏡システム30の作用について説明する。
供給口2aから通路3へ透明液体を供給するまでの手順は、第1の実施形態と同様である。通路3を基端側から先端側へ流れた透明液体は、内視鏡1の先端を超えた位置において長手方向の流れが遮断面7bによって遮られることによって流動方向を半径方向外方へ変更させ、遮断板7よりも基端側に位置する側孔2dから主に噴出する。これにより、第1の実施形態と同様に、内視鏡1の透明な視界が確保され、血管内壁Bを鮮明に観察することができる。
このように、本実施形態によれば、内視鏡1よりも先端側に遮断板7が配置されていることによって、側孔2dからの透明液体の噴出量が側孔2dの位置によって異なり、遮断板7よりも基端側の側孔2dから透明液体が勢い良く噴出し、遮断板7よりも先端側の側孔2dからはほとんど透明液体が噴出しない。すなわち、外套管2の先端部分の周辺領域のうち、遮断板7よりも基端側の範囲に対して選択的に透明液体が供給される。したがって、外套管2内において遮断板7の位置を変更することによって、透明液体の供給範囲を変更することができるという利点がある。
さらに、遮断板7を、内視鏡1の先端から例えば2mm〜10mm離れた位置から徐々に基端側へ移動させながら透明液体の供給を続けることによって、遮断板7の先端側の領域を透明液体で満たしながら透明液体を側孔2dから噴出させることができる。これにより、内視鏡1の前方も観察することができるという利点がある。本実形態のその他の効果については、第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。
なお、本実施形態においては、遮断部材として、遮断板7を用いることとしたが、これに代えて、図6に示されるように、外套管2の径方向に収縮および拡張可能なバルーン8を用いてもよい。バルーン8も、遮断板7と同様に、ワイヤ8aの操作によって外套管2の長手方向に移動可能に設けられていることが好ましい。通路3を基端側から先端側へ流れた透明液体は、内視鏡1の先端側に配置されている膨張したバルーン8の、基端側の外面(遮断面)8bによって流動方向が半径方向外方へ変更される。これにより、遮断板7を用いたときと同様の効果を得ることができる。
1 内視鏡
2 外套管
2a 供給口
2b 先端壁(遮断部材、流動方向変更手段)
2c 先端孔
2d 側孔(噴出口)
2e 内面(遮断面)
3 通路(隙間)
4 ガイドワイヤ
5 錘状部(流動方向変更手段)
6 処置具
7 遮断板(遮断部材、流動方向変更手段)
7b,8b 遮断面
8 バルーン(遮断部材、流動方向変更手段)
10,20,30 血管内視鏡システム
A 血管
B 血管内壁
F 視野
ω 画角

Claims (10)

  1. 血管内に挿入可能な内視鏡と、
    該内視鏡の外周面との間に長手方向に連通する隙間を形成するように前記内視鏡を長手方向に沿って収容し、先端部分の側壁に壁厚方向に貫通形成された噴出口を有する外套管と、
    前記隙間を前記外套管の基端から前記先端部分に向かって前記長手方向に流動する液体の流動方向を前記先端部分において半径方向外方へ変化させる流動方向変更手段とを備え
    前記噴出口が、前記外套管の基端から先端に向かって漸次半径方向外方へ変位するように前記長手方向に対して傾斜して形成され、
    前記噴出口と前記長手方向との成す角度が、前記内視鏡の半画角と略同一である血管内視鏡システム。
  2. 前記噴出口が、前記外套管の前記長手方向および周方向のうち少なくとも一方に間隔を空けて複数形成されている請求項1に記載の血管内視鏡システム。
  3. 前記外套管の先端部分の側壁の少なくとも一部分が、壁厚方向に貫通する多数の網の目を前記噴出口として有するメッシュ状に形成されている請求項に記載の血管内視鏡システム。
  4. 前記流動方向変更手段が、前記外套管内において前記内視鏡の先端と対向して配置されて前記液体の前記長手方向の流れを遮る遮断面を有する遮断部材を備える請求項1から請求項のいずれかに記載の血管内視鏡システム。
  5. 前記遮断部材が、可視光に対して透明である請求項に記載の血管内視鏡システム。
  6. 前記外套管が、その先端開口を少なくとも部分的に閉塞する先端壁を有し、
    前記遮断部材が、前記先端壁である請求項または請求項に記載の血管内視鏡システム。
  7. 前記遮断部材が、前記長手方向に移動可能に設けられている請求項または請求項に記載の血管内視鏡システム。
  8. 前記遮断部材が、前記外套管の半径方向に配置された板部材である請求項、請求項および請求項のいずれかに記載の血管内視鏡システム。
  9. 前記遮断部材が、前記外套管の半径方向に拡張および収縮可能なバルーンである請求項、請求項および請求項のいずれかに記載の血管内視鏡システム。
  10. 前記流動方向変更手段が、前記内視鏡の先端部分に設けられ、前記内視鏡の先端に向かって漸次径寸法が拡大する錘状部を備える請求項1から請求項のいずれかに記載の血管内視鏡システム。
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