以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては、実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。Z軸方向は、例えば鉛直方向に設定され、X軸方向及びY軸方向は、例えば、水平方向に平行で互いに直交する方向に設定される。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るセンサユニットの一例を示す図である。センサユニット100は、光切断法によって測定対象(被検物)Mの3次元形状を求める。この場合において、センサユニット100は、ライン光Lを照射して測定対象M上に光切断線を形成させ、その光切断線を撮像して画像データを取得する装置である。なお、センサユニット100によって得られた画像データを用いて所定の演算を別途行うことにより、測定対象Mの3次元形状を算出することができる。
センサユニット100は、図1に示すように、光照射部10と、撮像光学系20と、第1撮像部30と、第2撮像部40と、制御部CONTとを備えている。これら光照射部10、撮像光学系20、第1撮像部30及び第2撮像部40は、互いの位置関係が変化しないように、不図示の筐体などに固定されて配置されている。
光照射部10は、測定対象Mに対して第1方向D1(例えばZ方向)に離れた位置に配置されている。光照射部10は、測定対象Mの表面にライン光Lを投影する投影光学系の一例である。測定対象Mは、平坦な平面である載置面Fに載置されている。測定対象Mは、載置面Fに治具等を介して固定されてもよい。載置面FはXY面と平行な面に設定されている。第1方向D1は、この載置面Fに交差する方向である。光照射部10は、測定対象Mに対してライン光Lを照射する。ライン光Lは、第1方向D1と交差する測定対象M上の第2方向D2(例えばX方向)に沿うようなライン状の光である。このライン光Lには、第1方向D1において、後述する第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2が設定されている。
測定対象Mに照射されたライン光Lにより、測定対象Mの表面上には光切断線(ライン状のパターン)PCLが形成される。光切断線PCLは、測定対象Mの表面上に形成されるライン光Lの投影像である。光切断線PCLは、測定対象Mの表面の凹凸形状に応じて形成される。従って、第1方向D1に段差がある場合は、その段差に対応して光切断線PCLが形成される。
撮像光学系20は、測定対象M上に形成される光切断線PCLの像を取り込む。撮像光学系20は、光軸AXを有している。光軸AXの軸線方向(光軸方向)は、第1方向D1とは異なっている。撮像光学系20は、単一の光学素子が用いられることに限定されず、複数個の屈折系または反射系の光学素子が組み合わされて構成される。また、これら光学素子の一部または全部は、光軸AXまたは光軸AXに対して直交する方向に移動可能に形成されてもよい。
第1撮像部30及び第2撮像部40は、撮像光学系20を介してライン光Lの光切断線PCLをそれぞれ撮像する。第1撮像部30は、ライン光Lのうち第1測定範囲L1において形成される光切断線PCLを撮像する。第2撮像部40は、ライン光Lのうち第2測定範囲L2において形成される光切断線PCLを撮像する。第1撮像部30及び第2撮像部40は各撮像面と共役な面が異なり、共役な面でのライン光Lの像が撮像される。測定対象Mで反射する光は第1撮像部30と第2撮像部40とに分割される。第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とは、図1に示すように、第1方向D1に接続された状態で設定される。第1撮像部30及び第2撮像部40は、図1のように、離れて配置されることに限定されず、互いに接触させて配置されてもよい。
第1撮像部30及び第2撮像部40は、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子を備えている。第1撮像部30及び第2撮像部40によって撮像された光切断線PCLは、ライン光Lの画像データとして取得され、電気信号に変換されて制御部CONTに送信されるようになっている。第1撮像部30及び第2撮像部40は、それぞれ制御部CONTによって制御される。また、第1撮像部30及び第2撮像部40は、同一タイプの固体撮像素子が用いられるが、これに代えて異なるタイプの固体撮像素子が用いられてもよい。また、第1撮像部30及び第2撮像部40は、同一の大きさの受光面を持つものが用いられてもよく、また、異なる大きさの受光面を持つものが用いられてもよい。
制御部CONTは、光照射部10、第1撮像部30及び第2撮像部40の動作を統括的に制御する。制御部CONTは、例えば、CPU(Central Processing Unit)やメモリを含んで構成される。制御部CONTは、第1撮像部30及び第2撮像部40から送信される撮像データを受信し、この撮像データをメモリ等に記憶させる。また、制御部CONTは、メモリ等の記憶された撮像データに基づいて3次元形状を算出する演算部を備えてもよい。また、制御部CONTは、撮像データを他の外部装置に送信するための送受信部を備えてもよい。
このようなセンサユニット100は、光照射部10、撮像光学系20、第1撮像部30及び第2撮像部40の位置関係を変化させることなく、ライン光Lを第3方向D3(例えばY方向)に走査させることが可能となっている。この第3方向D3は、ライン光Lの第2方向D2に交差する方向である。ライン光Lを走査させる構成としては、不図示の駆動部によってセンサユニット100もしくは測定対象MをY方向に平行移動させる構成であってもよいし、不図示の回転駆動部によってセンサユニット100をθX方向に回転させる構成であってもよい。
ライン光Lを第3方向D3に走査することにより、光切断線PCLが測定対象Mの表面をY方向に移動する。このY方向に移動する光切断線PCLを、所定の時間間隔または連続した動画として第1撮像部30及び第2撮像部40によって撮像することにより、測定対象Mのうち光切断線PCLが移動した経路上の画像データが得られる。Y方向への光切断線PCLの移動は、例えばセンサユニット10のY方向への走査情報として制御部CONTに送信される。走査情報としては、センサユニット10または測定対象M(載置面F)の所定時間ごとの位置データや、センサユニット10の時間ごとのθX周りの角度データ等が用いられる。
図2は、段差を有する測定対象M0に対して光切断線を形成し、この光切断線の像を取得する様子を模式的に示す図である。図2(a)に示すように、測定対象M0の+Z側には、第1面M1と第2面M2とが形成されている。第1面M1と第2面M2との間には、段差M3が形成されている。段差M3は、ライン光Lの第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とを跨ぐように形成されている。
光照射部10は、プローブ11と、光源12と、照明光学系13とを有している。プローブ11は、例えば円筒状に形成されており、内部に光源12及び照明光学系13を収容している。光源12は、例えば単一波長または複数の波長のレーザ光を射出するレーザダイオードを有している。光源12は、−Z方向にレーザ光を射出する。照明光学系13は、光源12からのレーザ光を、ライン光Lに成形して−Z方向に射出する。ライン光Lは、XZ平面に平行な平面S1に沿って形成される。
照明光学系13から射出されたライン光Lは、−Z方向へ向けて厚さt(Y方向の寸法)が徐々に縮小されていく。このようなライン光Lのうち厚さが最も小さくなる部分(ビームウェスト)が測定範囲として利用される。本実施形態では、このビームウェストに第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2が設定される。ライン光LのうちZ方向の一定範囲にビームウェストが形成されており、第1測定範囲L1は、このビームウェストの−Z側半分の範囲に設定されている。第2測定範囲L2は、ビームウェストの+Z側半分の範囲に設定されている。したがって、第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とは、第1方向D1において異なる測定範囲として設定される。第1測定範囲L1と第2測定範囲L2との間は、連続していてもよいし、離れていてもよい。図2(a)に示すように、第1測定範囲L1において、ライン光Lの光切断線PCL1は、第1方向D1を含む平面S1上に形成される。また、第1測定範囲L1と第2測定範囲L2の一部が重なって設定されても構わない。第1測定範囲L1と第2測定範囲L2との重なった領域でライン光Lが検出される場合には、どちらか一方の結果を用いることができる。また、第1測定範囲L1と第2測定範囲L2との重なった領域でライン光Lが検出される場合には、両方の結果を用いることができる。この場合には、両方の結果から、平均した結果を用いても構わない。なお、第1測定範囲L1と第2測定範囲L2との、Z方向と平行の範囲が異なっていても構わない。
撮像光学系20としては、上記したように一又は複数のレンズを有している。図2では、図を判別しやすくするため、一枚のレンズとして示している。撮像光学系20は、主面S2を有している。この主面S2は、撮像光学系20が複数のレンズを有する場合には、複数のレンズを一枚のレンズとした場合の主面に相当する。
第1撮像部30は、受光面30aを有している。第2撮像部40は、受光面40aを有している。第1撮像部30の受光面30a及び第2撮像部40の受光面40aは、同一の平面S3に並べて配置されている。第1撮像部30は、図2(a)に示すように、平面S1のうち第1測定範囲L1に対応する範囲を撮像可能である。したがって、第1測定範囲L1において、測定対象M0の第1面M1や側面に形成された光切断線PCL1の像は、撮像光学系20を介して、受光面30aによって取得される。
センサユニット100では、図2に示すように、ライン光Lの光切断線PCL1が形成される第1測定範囲L1(平面S1)と、撮像光学系20の主面S2(レンズ主面)と、第1撮像部30の受光面30aを含む平面S3とが、一つの直線Pで交わるように配置されている。このように、第1測定範囲L1と、撮像光学系20と、受光面30aとがシャインプルーフの原理に従って配置されているため、光切断線PCL1は、撮像光学系20を介して第1撮像部30の受光面30aにおいてフォーカスされた状態で投影される。
図2(b)は、測定対象M0の第2面M2を計測する様子を示している。なお、図2(b)では、図2(a)に対して、測定対象M0との間のZ方向の距離を変化させずにセンサユニット100を−Y方向に移動させた場合(または測定対象M0を+Y方向に移動させた場合)を示している。図2(b)に示すように、ライン光Lは、測定対象M0の第1面M1から段差M3を超えて第2面M2に移動する。このとき、第2面M2はライン光Lの第1測定範囲L1よりも+Z側に位置するため、ライン光Lの光切断線PCL2は、平面S1のうち第1測定範囲L1から外れて、第2測定範囲L2に形成されることになる。したがって、第2面M2上の光切断線PCL2は、第1撮像部30による撮像範囲から外れることになる。
一方、第2撮像部40は、平面S1のうち第2測定範囲L2に対応する範囲を撮像可能である。したがって、測定対象M0の第2面M2及びその側面に形成された光切断線PCL2は、撮像光学系20を介して、第2撮像部40の受光面40aによって取得される。この場合、ライン光Lの光切断線PCL2が形成される第2測定範囲L2(平面S1)と、撮像光学系20の主面S2(レンズ主面)と、第2撮像部40の受光面40aを含む平面S3とが、上記と同様に、一つの直線Pで交わるように配置されている。このように、第2測定範囲L2と、撮像光学系20と、受光面40aとがシャインプルーフの原理に従って配置されているため、光切断線PCL2は、撮像光学系20を介して第2撮像部40の受光面40aにおいてフォーカスされた状態で投影される。
なお、図2(b)に示す場合、測定対象M0の側面に形成される光切断線PCL2の下方部分(−Z側部分)は、第1測定範囲L1に入っているため、この側面の下側部分については、上記のように第1撮像部30によって取得される。
制御部CONTは、第1撮像部30及び第2撮像部40のそれぞれから送信された画像データを合成する合成処理部を備えてもよい。この合成処理部では、第1撮像部30及び第2撮像部40のそれぞれから送られた画像データに基づいて、例えば特徴点を連結させるか、または予め設定された指標マーク等を用いて連結させて、画像データを合成する。また、制御部CONTは、第1撮像部30から送信される画像データに基づいて、第1撮像部30の画素毎の座標データを算出する。また、一方、制御部CONTは、第2撮像部40から送信される画像データに基づいて、第2撮像部40の画素毎の座標データを算出する。それぞれ算出された座標データを合成しても構わない。
なお、制御部CONTは、センサユニット100が有していても構わないし、センサユニット100の外部装置(例えばコンピュータ)が有していても構わない。勿論、制御部CONTは、センサユニット100の内部と、センサユニット100の外部との両方に設けても構わない。例えば、センサユニット100の内部の制御部CONTにおいて、第1撮像部30、第2撮像部40からの画像データを取得し、画像データを合成した合成画像を作成する。作成された合成画像は、センサユニット100の外部の制御部CONTに送信される。受信した、センサユニット100の外部の制御部CONTは合成画像データから、座標データを作成する。このように複数の箇所に設けられた制御部CONTで、画像データから、座標データを作成しても構わない。この場合に、センサユニット100が有している制御部CONTは、光照射部10と第1撮像部30及び第2撮像部40の姿勢の変化に伴い、制御部CONTの姿勢も変化する。一方、センサユニット100の外部の制御部CONTは、光照射部10と第1撮像部30及び第2撮像部40の姿勢が変化しても、制御部CONTの姿勢は変化しない。すなわち、外部装置に設けられているために、センサユニット100は、外部装置と独立して駆動するためである。
また、シャインプルーフの原理に従う場合、撮像光学系20を介して受光面30aに結像される第1測定範囲L1の像の大きさと、同じく撮像光学系20を介して受光面40aに結像される第2測定範囲L2の像の大きさとは異なるものとなる。図2では、第2撮像部40の受光面40aに投影される像は、第1撮像部30の受光面30aに投影される像よりも大きくなる。従って、制御部CONTまたは外部装置は、予め像の大きさの比率等を取得しておくことにより、画像の合成時に比率を計算して処理することにより、画像の合成を精度よく行うことができる。また、このような像の大きさに対応して、第1撮像部30及び第2撮像部40の解像度を変えるようにしてもよい。また、第1撮像部30及び第2撮像部40は、受光面30a、40aに投影される像の大きさに合わせた寸法のものがそれぞれ用いられてもよい。
このように、第1実施形態によれば、ライン光Lにおいて第1方向D1の測定範囲が互いに異なる第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2を設定するとともに、第1測定範囲L1に対応する領域を撮像する第1撮像部30と、第2測定範囲L2に対応する領域を撮像する第2撮像部40とを備えるため、第1方向D1に高さが異なる測定対象M0であっても、センサユニット100自体をZ方向に移動させることなく、測定範囲を切り替えて光切断線PCL1、PCL2を撮像できる。これにより、大型の撮像部を用いる必要がなく、センサユニット100を小型化することができる。なお、このような効果は、以下の変形例においても同様である。
また、第1撮像部30と第2撮像部40とが設置されると、設置される第1撮像部30および第2撮像部40に合わせて、撮像光学系20を設計することで、第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2を設定することができる。例えば、第1撮像部30と第2撮像部40との近接設置可能な距離があり、第1撮像部30と第2撮像部40との間に撮像できない領域があっても、撮像光学系を設計することで、第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2を設定することができる。設定できる第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2は連続して設定することも可能となる。このように、第1撮像部30および第2撮像部を並べて配置するほかに、測定対象Mで反射する光を所定の方向に導くための撮像光学系20を用いることで、測定範囲を第1測定範囲L1および第2測定範囲L2と増やすことが可能となる。
なお、上述の実施形態では、第1方向D1に第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2を設定したが、設定する方向はこれに限られない。例えば、第1方向D1と直交する方向に設定しても構わない。この場合には、ライン光Lの長手方向に平行な方向に第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2を設定しても構わない。
また、上述の実施形態では、第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2を設定したが、もちろん、設定できる測定範囲の数はこれに限られない。第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2の他に、第3測定範囲を設けても構わない。この場合には、第1方向D1と平行に、第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2の外側に第3測定範囲を設定しても構わない。また、例えば、第1方向D1に平行な方向に配置される第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2に対して、第1方向D1と直交する方向に第3測定範囲を設定しても構わない。
また、上述の実施形態では、第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2の受光面の面積は同一でもよいし、それぞれが異なった面積でも構わない。
なお、上述の実施形態では、第1方向D1に沿って、第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2を配置したので、第1方向D1に沿って、第1測定範囲L1のみ配置されている場合に、測定対象Mの凹凸の第1方向D1に沿った距離が第1測定範囲L1よりも長い場合には、測定対象Mの表面が第1測定範囲L1に配置されるようにセンサユニット100と測定対象Mとの相対距離を変更する必要があるが、測定対象Mの凹凸の第1方向D1に沿った距離が第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2にあればセンサユニット100と測定対象Mとの相対距離を変更する必要がない。そのため、センサユニット100と測定対象Mとの相対距離を調整する時間を短縮することができる。
また、上述の実施形態では、第1方向D1に沿って設定された、第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とを用いて、測定対象Mの表面形状を計測したが、設置される少なくとも一方だけを用いて、測定対象Mの表面形状を計測しても構わない。例えば、第1方向D1における測定対象Mの表面形状の凹凸が第1測定範囲L1内である場合には、第2測定範囲L2を用いることなく第1測定範囲L1のみを用いても構わない。また、測定対象Mの表面形状の情報(例えば、CADなどの設計情報)から、測定対象Mの表面形状の凹凸の第1方向D1の距離が第1測定範囲L1内であっても、第1測定範囲L1内に測定対象Mの表面を配置するために、センサユニット100と測定対象Mとの相対距離を変えるための煩雑な操作が必要である場合には、設定される第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とを用いても構わない。これにより、煩雑な操作を解消することができる。
なお、上述の実施形態においては、第1撮像部30および第2撮像部40が不図示の部材を用いて、撮像光学系20および第1撮像部30および第2撮像部40の位置関係を変化させないように、不図示の部材に固定されている。不図示の部材により、撮像光学系20により光切断線PCLが撮像される方向は一つである。すなわち、測定対象物で反射する光切断線PCLの光は、撮像光学系20に導かれ、第1撮像部30で受光する光と、第2撮像部40で受光する光とで分けることができる。なお、第1撮像部30と第2撮像部40とで受光する光を導くための撮像光学系20は2つ以上あっても構わない。例えば、第1撮像部30と第2撮像部40とで、それぞれ独立した撮像光学系20を備えて、それぞれ第1撮像部30および第2撮像部40に対応した撮像光学系20により測定対象物Mで反射する光切断線PCLの光を受光しても構わない。この場合に、第1撮像部30とそれに対応する撮像光学系20、また第2撮像部40とそれに対応する撮像光学系20とがそれぞれ不図示の部材によって、第1方向D1に第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とを配置することできる。
また、第1撮像部30および第2撮像部40とで、測定対象物Mで反射した光が受光する方向が異なっていても構わない。例えば、光切断線PCLを挟んで、第1撮像部30とそれに対応する撮像光学系20と、第2撮像部40とそれに対応する撮像光学系20を配置しても構わない。例えば、図2において、Y方向において、光切断線PCLを挟むように、第1撮像部30と第2撮像部40とを配置しても構わない。この場合において、第1撮像部30の受光面30aを含む平面と、撮像光学系20の主面を含む平面と、第1測定範囲L1とを含む平面とが一つの直線Pで交わるように配置される。図3に示す通りである。一方、この場合にはおいて、第2撮像部40の受光面40aを含む平面と、撮像光学系20の主面を含む平面と、第2測定範囲L2とを含む平面とが一つの直線Pで交わるように配置される。この場合に、第1測定範囲L1を含む平面と第2測定範囲L2を含む平面とが同一なので、直線Pも同一になる。一方、Y方向において、光切断線PCLを挟むように、第1撮像部30と第2撮像部40とが配置されるので、第1撮像部30の受光面30aを含む平面と、第2撮像部40の受光面40aを含む平面とは異なる。また、第1撮像部30及び第2撮像部40にそれぞれ対応する撮像光学系20の主面を含む平面が異なる。
<第1変形例>
次に、第1変形例について図面を参照して説明する。図4は、第1変形例に係るセンサユニット100Aの一例を示す図である。なお、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図4に示すように、本変形例に係るセンサユニット100Aは、第1撮像部30の受光面30aと第2撮像部40の受光面40aとが、互いに交差する平面S3、S4に配置されている。なお、以下の説明では、平面S3と平面S4との交線を直線Qとする。
また、センサユニット100Aは、ハーフミラー(分割部)HMを有している。ハーフミラーHMは、不図示の支持具等によってセンサユニット100Aに固定されている。ハーフミラーHMは、測定対象の表面に形成される光切断線PCL1、PCL2の像を第1撮像部30と第2撮像部40とに分割する。ハーフミラーHMは、平面S5に配置されている。平面S5は、直線Qにおいて平面S3及び平面S4と交差するように設定されている。平面S3の間の角度と平面S4との間の角度は、等しくなるように配置される。したがって、平面S3と平面S4とは、平面S5を基準として対称に配置されている。これにより、図4に示すように、第2撮像部40が平面S4に配置される場合であっても、第2測定範囲L2、撮像光学系20、第2撮像部40はシャインプルーフの原理が維持される。従って、第2撮像部40の受光面40aにおいて、第2測定範囲L2内の光切断線PCL2はフォーカスされた状態となる。
第2撮像部40は、平面S4に受光面40aを配置している。すなわち、第1撮像部30と第2撮像部40とが同一平面にない構成となっている。なお、図4では、第2撮像部40を平面S4に配置しているが、これに代えて、第1撮像部30を平面S4に配置させ、第2撮像部を平面S3に配置させてもよい。
光切断線PCL1の像のうち、ハーフミラーHMを透過する成分は、第1撮像部30の受光面30aに到達する。一方、光切断線PCL1の像のうち、ハーフミラーHMで反射される成分は、受光面30aには到達せず、検出には用いられない。また、光切断線PCL2の像のうち、ハーフミラーHMで反射される成分は、第2撮像部40の受光面40aに到達する。一方、光切断線PCL2の像のうち、ハーフミラーHMを透過する成分は、受光面40aには到達せず、検出には用いられない。
したがって、第1撮像部30では、ハーフミラーHMを透過した光に含まれる光切断線PCL1の像が取得される。また、第2撮像部40では、ハーフミラーHMで反射される光に含まれる光切断線PCL2の像が取得される。本変形例では、光切断線PCL1、PCL2の一部を受光するが、光切断線PCL1等の光強度が大きい場合はそのまま画像データとして用いることができる。また、光強度が低い場合は、その後の画像処理の段階でゲインを掛けてもよい。
また、本変形例では、第2撮像部40とハーフミラーHMとの距離を調節可能である。従って、上記した第1実施形態のように、第1撮像部30及び第2撮像部40で取得される画像の大きさが異なる場合、第2撮像部40の位置を変更することで、第1撮像部30に対して、大きさが同一の像、または大きさの差を小さくした像を取得することが可能となる。
このように、本変形例によれば、第1撮像部30と第2撮像部40とを同一平面に並べて配置するのではなく、互いに異なる位置に配置することにより、第1撮像部30及び第2撮像部40の配置の自由度が高くなる。このため、センサユニット100Aの設計の幅が広がることになり、コンパクトな設計を行うこともできる。
なお、本変形例では、ハーフミラーHMを用いるが、これに限定するものではない。例えば全反射ミラーが用いられてもよい。全反射ミラーが用いられる場合は、この全反射ミラーを光路中に進入または退避させるための駆動装置が用いられてもよい。例えば、第1測定範囲L1を測定する場合は全反射ミラーを退避させて第1撮像部30によって第1測定範囲L1の画像データを取得する。次いで、第2測定範囲L2を測定する場合は、全反射ミラーを光路中に進入させ、その反射光を第2撮像部40で受光して画像データを取得する。このように全反射ミラーが用いられることにより、測定対象に形成される光切断線の光強度が小さい場合でも明るい画像データを取得することができる。なお、全反射ミラーを配置した場合でも第1測定範囲L1の像と干渉しない場合は、全反射ミラーの進退駆動は不要である。
また、例えば、ミラーなどとは異なり、電気により駆動するDMDや液晶表示パネルなどを用いても構わない。
なお、本変形例では、第1撮像部30と第2撮像部40とがそれぞれ第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とに対応していたが、第1撮像部30と第2撮像部40とで第1測定範囲L1を計測することと、第1撮像部30と第2撮像部40とでそれぞれ第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とを計測することとを選択できるようにしても構わない。
また、第1撮像部30と第2撮像部40とが、それぞれ第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とに対応していたが、第3撮像部と第4撮像部を設けて、第1測定範囲L1の撮像を複数の撮像部で行っても構わない。例えば、第1測定範囲L1を第1撮像部30と第3撮像部とで撮像する場合に、第1撮像部30と第3撮像部との少なくとも一方の結果を採用しても構わない。また、例えば、第1測定範囲L1を第1撮像部30と第3撮像部とで撮像する場合に、第1撮像部30と第3撮像部との両方の結果を用いて、計測結果としても構わない。この場合に、第1撮像部30と第3撮像部との結果を平均して用いても構わない。平均に用いる手法は、相乗平均、相加平均など適宜選択することができる。
<第2変形例>
次に、第2変形例について説明する。なお、上記した実施形態及び変形例と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
第2変形例に係るセンサユニット(以下、センサユニット100Bと呼ぶ。)は、分割部として、図4に示すハーフミラーHMに代えて、ダイクロイックプリズム(分割部)が用いられる。ダイクロイックプリズムは、ダイクロイック膜を有している。ダイクロイック膜は、測定対象Mの表面に形成される光切断線PCL1、PCL2の像を、波長に応じて第1撮像部30と第2撮像部40とに分割する。ダイクロイック膜は、ハーフミラーHMと同様、平面S5に配置されている。したがって、第2撮像部40が平面S4に配置される場合であっても、第1変形例と同様に、第2測定範囲L2、撮像光学系20、第2撮像部40はシャインプルーフの原理が維持される。従って、第2撮像部40の受光面40aにおいて、第2測定範囲L2内の光切断線PCL2はフォーカスされた状態となる。
ダイクロイック膜は、所定波長の光(第1波長成分)は透過させるとともに、第1波長成分とは異なる波長の光(第2波長成分)を透過する。また、光照射部10の光源12(図2参照)は、これら第1及び第2波長成分を含んだライン光Lを射出するものが用いられる。
第1測定範囲L1に形成された光切断線PCL1の像のうち、第1波長成分は、ダイクロイック膜を透過して第1撮像部30の受光面30aに到達する。一方、光切断線PCL1の像のうち、第2波長成分は、ダイクロイック膜で反射される。この第2波長成分は受光面30aには到達せず、撮像されない。また、第2測定範囲L2に形成された光切断線PCL2の像のうち、第2波長成分は、ダイクロイック膜によって反射され、第2撮像部40の受光面40aに到達する。一方、光切断線PCL2の像のうち、第1波長成分は、ダイクロイック膜を透過する。この第1波長成分は、ダイクロイック膜を透過して受光面40aには到達せず、撮像されない。
したがって、第1撮像部30では、ダイクロイック膜を透過した第1波長成分の光による光切断線PCL1の像が取得される。これにより、第1測定範囲L1における光切断線PCL1は、第1撮像部30によって撮像されることになる。また、第2撮像部40では、ダイクロイック膜で反射される第2波長成分による光切断線PCL2の像が取得される。これにより、第2測定範囲L2における光切断線PCL2は、第2撮像部40によって撮像されることになる。すなわち、第1方向D1において異なる第1及び第2測定範囲L1、L2の画像を、それぞれ異なる第1及び第2撮像部30、40で取得する。
このように、本変形例によれば、上記した第1変形例と同様に、第1撮像部30と第2撮像部40とを同一平面に並べて配置するのではなく、互いに異なる位置に配置することにより、第1撮像部30及び第2撮像部40の配置の自由度が高くなる。このため、センサユニット100Bの設計の幅が広がることになり、コンパクトな設計を行うこともできる。さらに、本変形例では、ダイクロイック膜により波長を選択して透過または反射を行うため、第1及び第2測定範囲L1、L2に対応して正確な像を取得することができる。
また、本変形例において、第1撮像部30と第2撮像部40とで異なる特性を持つものが用いられてもよい。例えば、第1撮像部30として、第1波長成分の検出感度に優れた受光素子を用いるとともに、第2撮像部40として、第2波長成分の検出感度に優れた受光素子を用いるようにしてもよい。これにより光切断線PCL1、PCL2の検出感度を向上させることができる。
なお、本変形例においても、第1撮像部30及び第2撮像部40は、シャインプルーフの原理に従った位置に配置されている。このため、光切断線PCL1及びPCL2の像は、それぞれ受光面30a、40aにおいてピントが合った状態で取得される。また、第1撮像部30及び第2撮像部40で取得される画像を制御部CONTによって補正することで、投影倍率の差が低減された画像データを得ることが可能となる。
また、上記した第1実施形態、第1及び第2変形例では、第1方向D1の測定範囲を第1測定範囲L1と第2測定範囲L2の2つに分けているが、これに限定されない。例えば、測定範囲を第1方向D1に3つ以上に分けて、第3測定範囲、第4測定範囲・・・と設定してもよい。この場合、第3測定範囲等の光切断線の像を取得するように、第3撮像部、第4撮像部・・・が配置される。なお、これら第3撮像部等は、第1撮像部30等と同様に受光面を平面S3に沿って配置されるか、図4に示すようにハーフミラーHM等の反射光を受光するように平面S4に受光面が配置される。
また、上記した第1実施形態、第1及び第2変形例では、1つの撮像光学系20を介して光切断線PCL1、PCL2の像を取り込んでいるが、これに限定されず、第1または第2撮像部30、40のそれぞれに対応した撮像光学系が用いられてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。上記した第1実施形態では、ライン光Lに形成された測定範囲を第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2に分けて、それぞれの像を第1及び第2撮像部30、40で個別に取得する構成を例に挙げて説明した。ただし、これに限定するものではなく、ライン光Lの測定範囲を第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とに切り替えて形成させ、それぞれの測定範囲において形成される像を取得する構成としてもよい。例えば、ライン光Lの厚さtが最も小さくなる部分(ビームウェスト)の長さが、第1方向D1(Z方向)において短い場合は、Z方向に変化が大きい測定対象に対応できなくなる。この場合、測定範囲を第1方向D1に移動させることで、Z方向に変化が大きい測定対象にも対応可能となる。
図5は、第2実施形態に係るセンサユニット200の一例を示す図である。なお、上記した実施形態及び変形例と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図5(a)に示すように、センサユニット200は、光照射部210と、撮像光学系20と、撮像部230と、波長設定部(変更部)240と、制御部CONTとを備えている。撮像光学系20の構成は、第1実施形態と同一である。これら光照射部210、撮像光学系20及び撮像部230は、互いの位置関係が変化しないように、不図示の筐体などに支持具等によって固定されて配置されている。光照射部210は、測定対象Mの表面にライン光Lを投影する投影光学系の一例である。
光照射部210は、プローブ211と、光源212と、照明光学系213とを有している。プローブ211は、例えば円筒状に形成されており、内部に光源212及び照明光学系213を収容している。光源212は、例えば異なる波長の光を射出可能なレーザダイオードを有している。本実施形態では、例えば、波長が約650nmの赤色光と、波長が約450nmの青色光とを照射可能なレーザダイオードなどが用いられる。光源212は、−Z方向にレーザ光を射出する。照明光学系213は、光源212からのレーザ光を、ライン光Lに成形して−Z方向に射出する。ライン光Lは、XZ平面に平行な平面S1に沿って形成される。なお、使用する光の波長として上記した赤色と青色に限定されず、例えば赤色と緑色や、青色と緑色などが用いられてもよい。使用する光の波長に関する事項は、後述する変形例についても同様である。
波長設定部240は、光源212から射出されるライン光Lの波長を切り替えることができるようになっている。波長設定部240によるライン光Lの波長の切り替えは、制御部CONTによって制御される。例えば、図5(a)に示すように、制御部CONTの指示により、波長設定部240は、光源212のうち赤色光源を点灯させ、青色光源を消灯させることで、光源212から赤色ライン光Lrを射出させることができる。
照明光学系213から射出された赤色ライン光Lrは、−Z方向へ向けて厚さtrが徐々に縮小されていき、厚さtrが最も小さくなる部分(ビームウェスト)が形成されている。第1測定範囲L1は、Z方向について、このビームウェストのほぼ全体に設定されている。測定対象の表面が第1測定範囲L1に配置される場合、赤色ライン光Lrの光切断線PCL1はその表面に形成される。なお、この光切断線PCL1は、平面S1上に形成される。また、図5(a)に示すように、赤色ライン光Lrでは、第2測定範囲L2において厚さtrが十分に小さくなっていない。
撮像部230は、受光面231を有している。上記した第1実施形態等と異なり、単一の撮像部230が用いられる。撮像部230の受光面231は、平面S3に配置されている。赤色ライン光Lrの光切断線PCL1の像は、撮像光学系20を介して、受光面231によって取得される。
図5(b)は、光源212から射出されるライン光Lを青色ライン光Lbに切り替えたときの様子を示す図である。図5(b)に示すように、制御部CONTの指示により、波長設定部240は、光源212のうち青色光源を点灯させ、赤色光源を消灯させることで、光源212から青色ライン光Lbを射出させることができる。
照明光学系213から射出された青色ライン光Lbは、−Z方向へ向けて厚さtbが徐々に縮小されていき、厚さtbが最も小さくなる部分(ビームウェスト)が形成されている。第2測定範囲L2は、Z方向について、このビームウェストのほぼ全体に設定されている。また、図5(b)に示すように、青色ライン光Lbでは、第1測定範囲L1において厚さtbが−Z方向へ向かうほど拡がっており、厚さtbが十分に小さくなっていない。
上記のように、赤色ライン光Lr及び青色ライン光Lbを切り替えることにより、第1方向D1における測定範囲を変更することができる。これは、光照明部210の照明光学系213における軸上色収差を利用したものである。すなわち、波長によって光学系の屈折率の変化を利用したものであり、波長の短い光は波長の長い光に比べて、焦点距離が短くなる。このため、青色ライン光Lbの第2測定範囲L2は、赤色ライン光Lrの第1測定範囲L1よりも+Z側に形成される。このように、照明光学系213の軸上色収差を利用して、Z方向の位置が異なる第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とを切り替えることが可能である。
従って、測定対象の表面が第2測定範囲L2に配置される場合、青色ライン光Lbを用いて第2測定範囲L2にある測定対象の表面に光切断線PCL2を形成させる。なお、この光切断線PCL2は、平面S1上に形成される。青色ライン光Lbによる光切断線PCL2の像は、光切断線PCL1と同様に、撮像光学系20を介して、撮像部230の受光面231によって取得される。
センサユニット200では、上記したセンサユニット100と同様に、赤色ライン光Lrの光切断線PCL1及び青色ライン光Lbの光切断線PCL2が形成される第1及び第2測定範囲L1、L2(平面S1)と、撮像光学系20の主面S2(レンズ主面)と、撮像部230の受光面231を含む平面S3とが、一つの直線Pで交わるように配置されている。このように、第1及び第2測定範囲L1、L2と、撮像光学系20と、受光面231とがシャインプルーフの原理に従って配置されているため、撮像光学系20を介した光切断線PCL1、PCL2は、撮像部230の受光面231においてフォーカスされた状態で投影される。
なお、光切断線PCL1の像は受光面231のうち直線Pに近い側の領域に投影される。一方、光切断線PCL2の像は、受光面231のうち直線Pから遠い側の領域に投影される。また、光切断線PCL1、PCL2の像は、撮像光学系20に対してそれぞれ光路長が異なっている。このため、光切断線PCL1、PCL2の像は、撮像部230の受光面230aにおいて倍率が異なって投影されている。例えば、光切断線PCL1の像は、光切断線PCL2の像より小さな像として受光面230aに投影される。この場合、制御部CONTは、撮像部230によって取得された画像データの一方または双方を補正することで、投影倍率の差を解消することができる。
このように、第2実施形態によれば、波長設定部240において光照射部210から射出されるライン光Lの波長を切り替えることにより、ライン光Lの測定範囲を第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とで切り替えることができる。これにより、高さ方向(第1方向D1、Z方向)が異なる測定対象に対して光切断線の像を得ることができる。従って、高さ方向に変化が大きな測定対象であっても光切断線を容易かつ確実に撮像することができる。
なお、上記したセンサユニット200では、単一の撮像部230を用いて複数の測定範囲での光切断線の像を得るようにしているが、これに限定されない。例えば、第1及び第2測定範囲L1、L2に対応して複数の撮像部が配置されてもよい。この場合、各撮像部は、図2に示すように、平面S3に沿って配置される場合や、図4に示すように、ハーフミラーHM等を用いて撮像部の一方を平面S4(図4等参照)に配置させてもよい。
また、上記したセンサユニット200では、赤色ライン光Lr及び青色ライン光Lbを切り替えて照射しているが、これに限定されない。例えば、赤色ライン光Lr及び青色ライン光Lbを同時に照射して、第1及び第2測定範囲L1、L2に同時に形成される光切断線PCL1、PCL2を同時に撮像部230によって撮像してもよい。この場合、上記した波長設定部240は不要となる。また、赤色ライン光Lr及び青色ライン光Lbを同時に照射する場合、他の波長の光を受光しないように、撮像部230の第1測定範囲L1に対応する領域と、第2測定範囲L2に対応する領域とのそれぞれに波長選択フィルタを配置してもよい。
<第3変形例>
次に、第3変形例について図面を参照して説明する。図6は、第3変形例に係るセンサユニット200Aの一例を示す図である。なお、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図6(a)及び(b)に示すように、センサユニット200Aは、撮像部230Aが第1位置PT1と第2位置PT2との間で移動可能な構成となっている。撮像部230Aは、図5に示す撮像部230と比較して小さいものが用いられる。
撮像部230Aは、平面S3に沿って移動可能に構成される。例えば、平面S3に沿ってリニアガイドが形成され、このリニアガイドを移動可能な可動部材に撮像部230Aが固定される。撮像部230Aは、例えばリニアモータ等の移動装置250の駆動により移動する。移動装置250の駆動は、制御部CONTによって制御される。なお、移動装置250としては、リニアモータの他にボールねじ機構やピエゾ素子等のアクチュエータが用いられてもよい。
第1位置PT1は、第1測定範囲L1に対応する位置に設定される。従って、撮像部230Aが第1位置PT1にある場合、第1測定範囲L1における光切断線PCL1の像は、撮像光学系20を介して撮像部230Aによって撮像可能となる。また、第2位置PT2は、第2測定範囲L2に対応する位置に設定される。従って、撮像部230Aが第2位置PT2にある場合、第2測定範囲L2における光切断線PCL2の像は、撮像光学系20を介して撮像部230Aによって撮像可能となる。なお、撮像部230Aは、第1位置PT1及び第2位置PT2のそれぞれにおいて、光切断線PCL1、PCL2の像を撮像可能な受光面231Aを有している。
図6(a)に示すように、光源212から赤色ライン光Lrが射出され、第1測定範囲L1に設定されている場合、赤色ライン光Lrの光切断線PCL1の像は、撮像光学系20を介して第1位置PT1に到達する。したがって、赤色ライン光Lrが射出される場合には、制御部CONTの指示により移動装置250を駆動し、撮像部230Aを第1位置PT1に配置させる。これにより、光切断線PCL1の像は、撮像部230Aの受光面231Aに投影される。
また、図6(b)に示すように、光源212から青色ライン光Lbが射出され、第2測定範囲L2が形成されている場合、青色ライン光Lbの光切断線PCL2の像は、撮像光学系20を介して第2位置PT2に到達する。したがって、青色ライン光Lbが射出される場合には、制御部CONTの指示により移動装置250を駆動し、撮像部230Aを第2位置PT2に配置させる。これにより、光切断線PCL2の像は、撮像部230Aの受光面231Aを介して取得される。
このように、本変形例によれば、第1及び第2測定範囲L1、L2の双方を同時にカバーするような大きな撮像素子を用いる必要がない。第1及び第2測定範囲L1、L2の一方を撮像可能な小さな撮像素子を用いることができるので、撮像素子の低コスト化を図ることができる。
<第4変形例>
次に、第4変形例について図面を参照して説明する。図7は、第4変形例に係るセンサユニット200Bの一例を示す図である。なお、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図7(a)及び(b)に示すように、センサユニット200Bは、光照射部210Bにおいて、赤色光を射出する第1光源212aと、青色光を射出する第2光源212bとが個別に配置されている。第1光源212aは、例えば、波長が約650nmの赤色光を射出する赤色レーザダイオードなどが用いられる。第2光源212bは、例えば、波長が約450nmの青色光を射出する青色レーザダイオードなどが用いられる。
このセンサユニット200Bは、波長設定部(変更部)240Bを有している。波長設定部240Bは、制御部CONTからの指示により、第1光源212aと第2光源212bとを切り替える。波長設定部240Bによって第1光源212aと第2光源212bとを切り替えて用いることにより、赤色ライン光Lr及び青色ライン光Lbを切り替えて射出可能としている。
光照射部210Bは、導光光学系214を有している。導光光学系214は、第1光源212aから照明光学系213まで赤色光を導光する。導光光学系214は、ミラー214aとダイクロイックミラー214bとを有している。ミラー214aは、第1光源212aから射出された赤色光を+Y方向に全反射する。ダイクロイックミラー214bは、ミラー214aに対して+Y方向であって第2光源212bの−Z方向の位置に配置されている。ダイクロイックミラー214bは、赤色光を反射するとともに、青色光を透過する。この導光光学系214によって、赤色ライン光Lr及び青色ライン光Lbのいずれも平面S1に沿って照射される。
図7(a)に示すように、第1光源212aから赤色光が−Z方向に射出される場合、この赤色光はミラー214aによって+Y方向に反射され、ダイクロイックミラー214bによって−Z方向に反射される。この赤色光は、照明光学系213によって赤色ライン光Lrに成形されて光照射部210Bから−Z方向に射出される。これにより、第1測定範囲L1が形成される。従って、第1測定範囲L1において、赤色ライン光Lrにより形成された光切断線PCL1の像は、撮像光学系20を介して撮像部230の受光面231に投影される。これにより、光切断線PCL1の像は、撮像部230によって取得される。
図7(b)に示すように、第2光源212bから青色光が−Z方向に射出される場合、この青色光はダイクロイックミラー214bを−Z方向に透過する。この青色光は、照明光学系213によって青色ライン光Lbに成形されて光照射部210Bから−Z方向に射出される。これにより、第2測定範囲L2が形成される。従って、第2測定範囲L2において、青色ライン光Lbにより形成された光切断線PCL2の像は、撮像光学系20を介して撮像部230の受光面231に投影される。これにより、光切断線PCL2の像は、撮像部230によって取得される。
このように、本変形例によれば、赤色光を射出する第1光源212aと青色光を射出する第2光源212bとを別個に設けることにより、各色の光源をまとめて配置させる場合に比べて、大きな光量を容易に確保することができる。これにより、撮像部230において明るい画像を容易に取得することができる。
なお、本変形例では、波長設定部240Bが第1光源212aと第2光源212bとを切り替えて用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、第2実施形態と同様に、第1光源212aと第2光源212bとを同時に用いるようにしてもよい。この場合、第1光源212aから射出される赤色光は、赤色ライン光Lrとして光照射部210Bから射出され、第1測定範囲L1を形成する。また、第2光源212bから射出される青色光は、青色ライン光Lbとして光照射部210Bから射出され、第2測定範囲L2を形成する。このように、赤色ライン光Lrによる第1測定範囲L1と青色ライン光Lbによる第2測定範囲L2とが同時に形成される。
また、本変形例では、互いに異なる波長の光を射出する第1光源212a及び第2光源212bが共通の照明光学系213を介して射出される構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、第1光源212a及び第2光源212bからの光が異なる照明光学系を介して射出されるようにしてもよい。
また、導光光学系214は、上記したものに限定されず、例えば、光ファイバ等が用いられてもよい。また、撮像部230に代えて、上記した第3変形例のような移動可能な小型の撮像部230Aが用いられてもよい。
また、上記したセンサユニット200Bでは、単一の撮像部230を用いているが、これに限定されない。例えば、第1及び第2測定範囲L1、L2に対応して複数の撮像部が配置されてもよい。この場合、各撮像部は、図2に示すように、平面S3に沿って配置される場合や、図3及び図4に示すように、ハーフミラーHM等を用いて撮像部の一方を平面S4(図3等参照)に配置させてもよい。
<第5変形例>
次に、第5変形例について図面を参照して説明する。図8は、第5変形例に係るセンサユニット200Cの一例を示す図である。なお、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図8(a)及び(b)に示すように、センサユニット200Cは、光の波長を選択して受光する複数の画素232を有した撮像部230が用いられる。画素232は、撮像部230の受光面231のうち、第1位置233に配置された複数の画素232aと、第2位置234に配置された複数の画素232bとを有する。
第1位置233は、第1測定範囲L1に対応し、光切断線PCL1の像が撮像光学系20を介して投影される。第2位置234は、第2測定範囲に対応し、光切断線PCL2の像が撮像光学系20を介して投影される。第1位置233の画素232aは、赤色の波長を選択して受光するものが用いられる。第2位置234の画素232bは、青色の波長を選択して受光するものが用いられる。撮像部230には、このような画素232の選択を行う画素選択部260が接続される。画素選択部260による画素232の選択は、制御部CONTからの指示によって行う。
図8(a)に示すように、光源212から赤色ライン光Lrが射出され、第1測定範囲L1が設定されている場合、光切断線PCL1の像は、撮像光学系20を介して撮像部230の第1位置233に到達する。したがって、赤色ライン光Lrが射出される場合には、画素選択部260により、第1位置233に配置される複数の画素232aによって受光させるようにする。これにより、光切断線PCL1の像は、撮像部230の画素232aを介して取得される。
図8(b)に示すように、光源212から青色ライン光Lbが射出され、第2測定範囲L2が設定されている場合、光切断線PCL2の像は、撮像光学系20を介して撮像部230の第2位置234に到達する。したがって、青色ライン光Lbが射出される場合には、画素選択部260により、第2位置234に配置される複数の画素232bによって受光させるようにする。これにより、光切断線PCL2の像は、撮像部230の画素232bを介して取得される。
このように、本変形例によれば、撮像部230の画素232a、232bによって光の波長を選択して受光するので、赤色ライン光Lrまたは青色ライン光Lbによって形成された光切断線PCL1、PCL2を効率よく撮像することができる。また、撮像部230に備える複数の画素232のうち受光する画素を選択できるため、全ての画素232を常時駆動させる必要がなく、撮像部230の駆動電力を低減できる。
なお、本変形例では、画素選択部260により画素232a、232bを切り替えているが、これに限定されない。例えば、画素選択部260を設けずに、第1及び第2測定範囲L1、L2の双方において、全ての画素232から受光させるようにしてもよい。また、図8では、第1位置233に画素232aを配置させ、第2位置234に画素232bを配置させているが、これに限定されない。例えば、撮像部230の全面において画素232a、232bを交互に配置させてもよい。また、撮像部230は、画素232a、232bとは異なる波長を選択して受光可能な画素(例えば、緑色を受光可能な画素)と組み合わされて配置されてもよい。
また、上記したセンサユニット200Cでは、平面S3に沿って画素232a、232b配置させているが、これに限定されない。例えば、第1位置233の画素232aを平面S3に配置させるとともに、第2位置234の画素232bを異なる平面(例えば、図3等に示す平面S4等)に配置させてもよい。
<第6変形例>
次に、第6変形例について説明する。なお、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。第6変形例に係るセンサユニット(以下、センサユニット200Dと呼ぶ。)は、光照射部(以下、光照射部210Dと呼ぶ。)が単一波長の光を射出する光源(以下、光源212Dと呼ぶ。)を有する。また、センサユニット200Dは、光照射部210Dを第1方向D1(Z方向)に移動可能に形成されるとともに、光照射部210Dを移動させるための駆動部(以下、駆動部270と呼ぶ。)を有している。
光照射部210Dは、例えば、第1方向D1に沿って配置されたリニアガイドを移動可能な可動部材に固定される。駆動部270は、光照射部210Dを第1位置215と第2位置216との間で移動させる。駆動部270としては、例えば、リニアモータやボールねじ機構等が用いられる。駆動部270の駆動は、制御部CONTからの指示によって行う。光照射部210Dは、接触式または非接触式のリミットスイッチや、光学式の測定器、エンコーダ等を用いることにより、第1位置(以下、第1位置215と呼ぶ。)または第2位置(第2位置216と呼ぶ。)に対して位置決めを行う。
ここで、光源212Dからライン光Lが射出される場合、ライン光LのビームウェストBWは、プローブ211の−Z側の端面から所定距離(以下、機械的作動距離L3と呼ぶ。)だけ離れた位置に形成される。この構成において、駆動部270を駆動させ、光照射部210Dを第1位置215と第2位置216との間で移動させることにより、機械的作動距離L3の値が変化しないまま、ライン光LのビームウェストBWの位置が第1方向D1で移動する。このセンサユニット200Dは、上記した第2実施形態の第1測定範囲L1に対応する位置にビームウェストBWが形成されるような光照射部210Dの位置を第1位置215とし、第2測定範囲L2に対応する位置にビームウェストBWが形成されるような光照射部210Dの位置を第2位置216とする。
これにより、駆動部270を駆動して第1位置215に光照射部210Dを位置させた場合、第1測定範囲L1が設定される。したがって、光切断線PCL1の像は、撮像光学系20を介して撮像部230に投影される。また、駆動部270を駆動して第2位置216に光照射部210Dを位置させた場合、第2測定範囲L2が設定される。したがって、光切断線PCL2の像は、光学系20を介して撮像部230に投影される。
このように、本変形例によれば、駆動部270が光照射部210Dを第1方向D1に移動させることにより第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とを切り替えることができるため、単一波長の光を射出する光源212Dを用いるときでも、第1方向D1における測定範囲を容易に変更することができる。
また、上記したセンサユニット200Dでは、単一の撮像部230を用いているが、これに限定されない。例えば、第1及び第2測定範囲L1、L2に対応して複数の撮像部が配置されてもよい。この場合、各撮像部は、図2に示すように、平面S3に沿って配置される場合や、図4に示すように、ハーフミラーHM等を用いて撮像部の一方を平面S4(図4等参照)に配置させてもよい。
<第7変形例>
次に、第7変形例について説明する。なお、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。第7変形例に係るセンサユニット(以下、センサユニット200Eと呼ぶ。)は、光照射部(以下、光照射部210Eと呼ぶ。)が単一波長の光を射出する光源(以下、光源212Eと呼ぶ。)を有する。また、センサユニット200Eは、光照射部210Eの照明光学系213を第1方向D1(Z方向)に移動させる構造が採用される。
照明光学系213は、1つまたは2つ以上の光学素子が組み合わされて構成されている。これら光学素子のうち1つ以上が第1方向D1に移動可能に支持されている。照明光学系213は、移動可能な光学素子を移動させる駆動部(以下、駆動部270Eと呼ぶ。)を有している。駆動部270Eとしては、例えば、ピエゾ素子等のアクチュエータが用いられる。駆動部270Eの駆動は、制御部CONTからの指示によって行う。
駆動部270Eは、照明光学系213のうち1つまたは複数の光学素子を第1位置(以下、第1位置217と呼ぶ。)と第2位置(以下、第2位置218と呼ぶ。)との間で移動させる。ここで、光源212Eから単一波長の光が射出され、光照射部210Eからライン光Lが射出される場合、ライン光LのビームウェストBWは、プローブ211の−Z側の端面から所定距離(機械的作動距離)だけ離れた位置に形成される。この構成において、駆動部270Eが照明光学系213の光学素子を第1位置217と第2位置218との間で移動させることにより、機械的作動距離が変化し、ライン光LのビームウェストBWの位置が第1方向D1を移動する。
このセンサユニット200Eは、上記した第2実施形態の第1測定範囲L1に対応する位置にビームウェストBWが形成されるような照明光学系213(光学素子)の位置を第1位置217とし、第2測定範囲L2に対応する位置にビームウェストBWが形成されるような照明光学系213(光学素子)の位置を第2位置218とする。
これにより、駆動部270Eを駆動して第1位置217に照明光学系213を位置させた場合、第1測定範囲L1が設定される。したがって、光切断線PCL1の像は、撮像光学系20を介して撮像部230に投影される。また、駆動部270Eを駆動して第2位置218に照明光学系213を位置させた場合、第2測定範囲L2が設定される。したがって、光切断線PCL2の像は、光学系20を介して撮像部230に投影される。
このように、本変形例によれば、駆動部270Eが照明光学系213(光学素子)を第1方向D1に移動させることにより第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とを切り替えることができるため、単一波長の光を射出する光源212Eを用いるときでも、第1方向D1における測定範囲を容易に変更することができる。
また、上記したセンサユニット200Eでは、単一の撮像部230を用いているが、これに限定されない。例えば、第1及び第2測定範囲L1、L2に対応して複数の撮像部が配置されてもよい。この場合、各撮像部は、図2に示すように、平面S3に沿って配置される場合や、図4に示すように、ハーフミラーHM等を用いて撮像部の一方を平面S4(図4等参照)に配置させてもよい。
また、上記した第2実施形態及び第3〜第7変形例では、第1方向D1の測定範囲を第1測定範囲L1と第2測定範囲L2の2つに分けているが、これに限定されない。例えば、測定範囲を第1方向D1に3つ以上に分けて、第3測定範囲、第4測定範囲・・・と設定してもよい。この場合、第3測定範囲等を設定するように、複数の波長の光を用いること(第2実施形態及び第3〜第5変形例)、光照射部210Dを移動させること(第6変形例)、照明光学系213を移動させること(第7変形例)、によってそれぞれ対応可能である。
また、上記した第2実施形態及び第3〜第7変形例では、1つの撮像光学系20を介して光切断線PCL1、PCL2の像を取り込んでいるが、これに限定されず、第1または第2撮像部30、40のそれぞれに対応した撮像光学系が用いられてもよい。
<形状測定装置>
図9は、図1に示すセンサユニット100を備えた形状測定装置300の実施形態の一例を示す模式図である。図9に示すように、形状測定装置300は、測定機本体301と、制御ユニット340とを備えている。測定機本体301は、基台302と、移動部(走査系)310と、測定ヘッド313と、支持装置330とを備えている。
基台302は、水平な基準面を備えている。この基台302の基準面に基づいて、直交座標系(機械座標系)が定義される。互いに直交するX軸とY軸とが基準面に対して平行に定められ、Z軸が基準面に対して直交する方向に定められている。また、基台302には、Y方向(紙面に垂直な方向でこれを前後方向とする)に延びるガイドレール(不図示)が設けられている。
移動部310は、基台302に形成されたガイドレール上をY方向に移動可能に設けられている。移動部310は、一対の支柱310a、310bと、この支柱310a、310b間に架け渡されたフレーム310cとを備えており、門型に構成される。支柱310a、310bは、基台302からZ方向に起立して設けられている。フレーム310cは、支柱310aと支柱310bとの間に、X方向に沿って水平に架け渡されている。移動部310の移動は、後述する制御ユニット340によって制御される。フレーム310cには、X方向(左右方向)に移動可能なキャリッジ(不図示)が設けられている。
測定ヘッド313は、フレーム310cのキャリッジに対してZ方向(上下方向)に移動可能に設けられている。測定ヘッド313は、キャリッジが移動することによりフレーム310cをX方向に移動可能となっている。測定ヘッド313の移動は、後述する制御ユニット340によって制御される。測定ヘッド313は、測定対象Mの形状を検出するセンサユニット100を有している。センサユニット100は、ヘッド回転機構313aを介して測定ヘッド313に取り付けられる。センサユニット100は、ヘッド回転機構313aによりθZ方向に回転する。センサユニット100の回転は、後述する制御ユニット340によって制御される。
また、フレーム310cには、フレーム回転部310dが設けられている。フレーム回転部310dは、フレーム310cをθX方向に回転させる。フレーム310cがθX方向に回転することにより、センサユニット100から照射されるライン光LをY方向に走査することができる。なお、ライン光LのY方向への走査をフレーム310cの回転によって行うことに限定されない。例えば、移動部310をY方向に移動させることにより、ライン光LをY方向に走査させてもよい。
移動部310の内部には、不図示のヘッド駆動部と、ヘッド位置検出部とが設けられている。ヘッド駆動部は、測定ヘッド313をX方向、Y方向、Z方向、θX方向、θZ方向に、例えば電動によって移動させる。ヘッド位置検出部は、測定ヘッド313の座標を検出し、後述する制御ユニット340に測定ヘッド313の座標値を示す信号を出力する。
基台302上には、支持装置330が設けられている。支持装置330は、ステージ331と、支持テーブル332とを備えている。ステージ331は、測定対象Mを保持する。支持テーブル332は、θX方向及びθZ方向にステージ331を回転させる。これにより、ステージ331は、基台302の基準面に対して傾斜または水平回転する。
制御ユニット340は、制御部341と、入力装置342と、モニタ344とを備える。制御部341は、測定機本体301を制御する。制御部341は、センサユニット100からの画像情報と、移動部310によるセンサユニット100の走査情報とに基づいて測定対象Mの形状を算出する。入力装置342は、各種指示情報を入力するキーボードやマウスなどであり、この入力装置には、ジョイスティック343が付加されてもよい。モニタ344は、計測画面、指示画面、計測結果等を表示する。
次に、上記構成の形状測定装置300における3次元形状の測定処理の流れについて以下に説明する。この形状測定装置300は、センサユニット100を用いることにより、光切断法を利用して測定対象Mの3次元形状を測定する。図10は、形状測定装置300における3次元形状の測定処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
ユーザによって測定対象Mがステージ331上の所定位置に載置された後、測定処理が開始される。まず、制御部341は、センサユニット100の光照射部10から測定対象Mに対してライン光LをZ方向(第1方向D1)照射させる(ステップS01)。これにより、測定対象Mの表面にX方向(第2方向D2)のライン光Lが投影され、測定対象Mの形状に応じた光切断線が形成される。
そして、制御部341は、ライン光Lを照射させつつ、フレーム310cをθX方向に回転させ、または移動部310をY方向に移動させることによりセンサユニット100を移動させ、ライン光LをY方向(第3方向D3)に走査させる(ステップS02)。これにより、光切断線が測定対象Mの表面をY方向に移動する。なお、ライン光Lを走査させる手法としてセンサユニット100を移動させることに限定されず、例えば、基台302上のステージ331をY方向に移動又はθX方向に回転させるようにして、測定対象Mを移動させてもよい。
制御部341は、センサユニット100の第1撮像部30及び第2撮像部40(撮像部)により、測定対象Mの表面に沿って移動する光切断線の像を撮像させる(ステップS03)。制御部341は、光切断線が第1測定範囲L1及び第2測定範囲L2のうちいずれの測定範囲で形成されたものかを判断し、判断結果に基づいて第1撮像部30又は第2撮像部40を選択して光切断線の像を撮像させてもよい。このステップS03により、測定対象Mの表面の画像データを取得する。
制御部341は、ライン光L(光切断線)の走査情報と撮像部による画像データとに基づいて、測定対象Mの表面の3次元形状を算出する(ステップS04)。制御部341は、ライン光の走査情報と光切断線の画像データから、三角測量の原理に基づいて、例えば測定対象Mの表面のXYZ座標に関する点群データを算出する。この点群データは、モニタ344に表示させてもよい。
本実施形態では、上記のセンサユニット100を備えるため、例えば、測定対象MにZ方向の大きな段差が存在する場合であっても、測定範囲を切り替えることで光切断線を容易にかつ確実に撮像することができる。従って、変化の大きな測定対象Mであっても対応可能とすることにより、測定精度に優れた形状測定装置300が得られる。
なお、本実施形態では、センサユニット100を備える構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、上記したセンサユニット100A、100B、200、200A、200B、200C、200D、200Eを備える構成であってもよい。センサユニット200〜200Eが用いられる場合、制御部341は、ライン光Lを照射する際に、ライン光Lの測定範囲を第1測定範囲L1と第2測定範囲L2とのいずれかに選択することができる。
<構造物製造システム及び構造物製造方法>
図11は、構造物製造システムの実施形態の一例を示すブロック図である。図11に示す構造物製造システム400は、上記した形状測定装置300と、設計装置410と、成形装置420と、制御装置(検査装置)430と、リペア装置440とを有している。
設計装置410は、構造物の形状に関する設計情報を作製する。そして、設計装置410は、作製した設計情報を成形装置420及び制御装置430に送信する。ここで、設計情報とは、構造物の各位置の座標を示す情報である。
成形装置420は、設計装置410から送信された設計情報に基づいて構造物を成形する。この成形装置420の成形工程は、鋳造、鍛造、または切削などが含まれる。形状測定装置300は、成形装置420により作製された構造物(測定対象M)の3次元形状、すなわち構造物の座標を測定する。そして、形状測定装置300は、測定した座標を示す情報(以下、形状情報という。)を制御装置430に送信する。
制御装置430は、座標記憶部431及び検査部432を有している。座標記憶部431は、設計装置410から送信される設計情報を記憶する。検査部432は、座標記憶部431から設計情報を読み出す。また、検査部432は、座標記憶部431から読み出した設計情報と、形状測定装置300から送信される形状情報とを比較する。そして、検査部432は、比較結果に基づき、構造物が設計情報の通りに成形されたか否かを検査する。
また、検査部432は、成形装置420により成形された構造物が良品であるか否かを判定する。構造物が良品であるか否かは、例えば、設計情報と形状情報との誤差が所定の閾値の範囲内であるか否かにより判定する。そして、検査部432は、構造物が設計情報の通りに成形されていない場合は、その構造物を設計情報の通りに修復することができるか否かを判定する。修復することができると判定した場合は、検査部432は、比較結果に基づき、不良部位と修復量を算出する。そして、検査部432は、不良部位を示す情報(以下、不良部位情報という。)と、修復量を示す情報(以下、修復量情報という。)と、をリペア装置440に送信する。
リペア装置440は、制御装置430から送信された不良部位情報と修復量情報とに基づいて、構造物の不良部位を加工する。
図12は、構造物製造システム400による処理を示すフローチャートであり、構造物製造方法の実施形態の一例を示している。図12に示すように、設計装置410は、構造物の形状に関する設計情報を作製する(ステップS11)。設計装置410は、作製した設計情報を成形装置420及び制御装置430に送信する。制御装置430は、設計装置410から送信された設計情報を受信する。そして、制御装置430は、受信した設計情報を座標記憶部431に記憶する。
次に、成形装置420は、設計装置410が作製した設計情報に基づいて構造物を成形する(ステップS12)。そして、形状測定装置300は、成形装置420が成形した構造物の3次元形状を測定する(ステップS13)。その後、形状測定装置300は、構造物の測定結果である形状情報を制御装置430に送信する。次に、検査部432は、形状測定装置300から送信された形状情報と、座標記憶部431に記憶されている設計情報とを比較して、構造物が設計情報の通りに成形されたか否か検査する(ステップS14)。
次に、検査部432は、構造物が良品であるか否かを判定する(ステップS15)。構造物が良品であると判定した場合は(ステップS15:YES)、構造物製造システム400による処理を終了する。一方、検査部432は、構造物が良品でないと判定した場合は(ステップS15:NO)、検査部432は、構造物を修復することができるか否かを判定する(ステップS16)。
検査部432が構造物を修復することができると判定した場合は(ステップS16:YES)、検査部432は、ステップS14の比較結果に基づいて、構造物の不良部位と修復量を算出する。そして、検査部432は、不良部位情報と修復量情報とをリペア装置440に送信する。リペア装置440は、不良部位情報と修復量情報とに基づいて構造物のリペア(再加工)を実行する(ステップS17)。そして、ステップS13の処理に移行する。すなわち、リペア装置440がリペアを実行した構造物に対してステップS13以降の処理が再度実行される。一方、検査部432が構造物を修復することができないと判定した場合は(ステップS16:NO)、構造物製造システム400による処理を終了する。
このように、構造物製造システム400及び構造物製造方法では、形状測定装置300による構造物の測定結果に基づいて、検査部432が設計情報の通りに構造物が作製されたか否かを判定する。これにより、成形装置420により作製された構造物が良品であるか否か精度よく判定することができるとともに、その判定の時間を短縮することができる。また、上記した構造物製造システム400では、検査部432により構造物が良品でないと判定された場合に、直ちに構造物のリペアを実行することができる。
なお、上記した構造物製造システム400及び構造物製造方法において、リペア装置440が加工を実行することに代えて、成形装置420が再度加工を実行するように構成してもよい。
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態や変形例に記載の範囲には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態や変形例に、多様な変更または改良を加えることが可能である。また、上記の実施形態や変形例で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。そのような変更または改良、省略した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記した実施形態や変形例の構成を適宜組み合わせて適用することも可能である。
上記した各実施形態及び変形例において、第1方向D1と第2の方向D2とが直交していたが、第1方向D1と第2の方向D2とが異なる方向であれば直交していなくてもよい。例えば、第2の方向D2は、第1方向D1に対して60度や80度の角度に設定されてもよい。また、第2方向D2と第3の方向D3とが直交することに限定されず、第2方向D2と第3の方向D3とが異なる方向であれば直交していなくてもよい。
また、上記した実施形態に係る形状測定装置300においては、門型の移動部310にセンサユニット100が取り付けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、例えば米国公開2009/0299688号に記載のように、センサユニット100をロボットハンドの先端に取り付けるようにしてもよい。
また、上記した各実施形態及び変形例において、測定対象Mが1回の走査で第1撮像部30等の撮像視野に収まらない場合は、測定対象Mの異なる位置をそれぞれ測定して、各測定結果をつなぎ合わせることで測定対象M全体の3次元形状を測定してもよい。測定結果をつなぎ合わせる際には、測定結果の一部を重ねあわせる、オーバーラッピング処理が用いられてもよい。このオーバーラッピング処理は、制御部CONTまたは制御部341が行う。
オーバーラッピング処理について説明する。先ず、第1撮像部30等によって測定対象Mの第1部分を走査して撮像する。次いで、測定対象Mの第1部分と一部重なる第2部分を走査して撮像する。制御部CONT等は、第1部分及び第2部分についてそれぞれ3次元形状を算出する。さらに、制御部CONT等は、第1部分と第2部分とが重なる部分をサーチし、この部分を重ねることにより第1部分及び第2部分の3次元形状をつなぎ合わせる。なお、制御部CONT等は、第1部分の3次元形状と第2部分の3次元形状とで共通の座標データとなる所定領域の画素をサーチして、第1部分と第2部分との重複部分を判断する。なお、制御部CONT等は、共通の座標データとなる所定領域の画素をサーチすることに代えて、予め測定対象Mや測定対象Mを載置した載置部分にマークを貼付し、このマークの座標データに基づいて第1部分の3次元形状と第2部分の3次元形状とをつなげても構わない。
このような処理を測定対象Mの全体が撮像されるまで繰り返し実行することで、測定対象M全体の3次元形状が測定される。これによれば、測定対象Mが大きな物体でも、測定対象M全体の3次元形状を容易に測定することができる。
また、形状測定装置300等の一部の構成をコンピュータにより実現してもよい。例えば、制御部341をコンピュータにより実現してもよい。この場合、コンピュータは、記憶部に記憶された形状測定プログラムに従って、第1方向D1に離れて配置された測定対象Mに対して、第1方向D1と交差する測定対象M上の第2方向D2にライン光Lを照射する処理と、ライン光Lを測定対象M上に走査する処理と、第1方向D1と異なる光軸方向AXを有する撮像光学系20を介して、第1方向D1の第1測定範囲L1におけるライン光Lの像、及び第1測定範囲L1に対して第1方向D1の測定範囲が異なる第2測定範囲L2におけるライン光Lの像の少なくとも一方を撮像する処理と、撮像による画像情報と走査による走査情報とに基づいて、測定対象Mの形状を算出する処理と、を実行する。
また、この形状測定プログラムは、光ディスクやCD−ROM、USBメモリ、SDカード等の、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよい。