JP6285708B2 - 保護チューブ - Google Patents
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Description
例えば、端末に端子を圧着した電線に先に通された通し保護チューブは、コネクタ接続部の近傍(コネクタ首下)に電線を露出させることにより、電線端末に取付けた端子をコネクタに挿入する際の作業代の余裕(電線を折り曲げてコネクタに端子を挿入するための余裕長さ)を確保しなければならないため、ワイヤハーネスの両端側においてコネクタ等に保護チューブを突き当てるようにして外装を施すことができない。また、腹割き保護チューブは、コネクタ接続作業後にスリットを開いて外装できるのでワイヤハーネス両端側でコネクタ等に突き当てることはできるが、外周に粘着テープ等を巻いて開きを規制しなければならず、余分な作業や部材が必要となってコスト高となる。
特許文献1に開示されたワイヤハーネスの保護チューブ取付構造は、図9に示すように、複数の支線501の分岐点503の電線群にテープ505を巻き付けて電線群に固着しておく一方、上記複数の支線501を外装する1本の可撓性を有する樹脂製の共用チューブ507を設け、該共用チューブ507の内周面を上記テープ505に当接させ、該テープ505を乗り越えて上記共用チューブ507を移動可とするが停止位置で保持させるように構成している。幹線509には、図9の(a)に示すように、スリット入りコルゲートチューブ511が被せられ、該コルゲートチューブ511の先端より上記テープ505が出た位置に取り付けられるように設定されている。各支線端末のコネクタ513を相手部品515と接続する時は、図9の(b)に示すように、上記共用チューブ507を幹線側へと位置させて保持しておく。そして、コネクタ接続後は、図9の(c)に示すように、共用チューブ507を移動させて複数の支線501に外嵌させた状態で保持している。
(1) 小口径保護チューブと、前記小口径保護チューブに相対移動可能に被せられた大口径保護チューブとによってワイヤハーネスの電線を保護する保護チューブであって、長手方向に沿って相対移動される前記小口径保護チューブと前記大口径保護チューブとは、前記小口径保護チューブ及び前記大口径保護チューブの少なくとも一方のチューブ軸線直交断面形状が円形断面を所定以上に押圧変形させた非円形に形成されることによって互いに摩擦係合することを特徴とする保護チューブ。
ワイヤハーネスの電線に外挿された保護チューブは、伸長する方向に小口径保護チューブと大口径保護チューブが相対移動(スライド)される。小口径保護チューブと大口径保護チューブとは、少なくとも一方のチューブ軸線直交断面形状が円形断面を所定以上に押圧変形させた非円形に形成されることによって互いに摩擦係合する。伸長した保護チューブにおける小口径保護チューブと大口径保護チューブとは、長手方向の相対移動が規制され、両端が一方の基準部分と他方の基準部分に位置決めされた状態に保持される。これにより、小口径保護チューブ及び大口径保護チューブの固定工程への速やかな移行が可能となり、ワイヤハーネスの電線を保護する電線保護作業を行いやすくできる。
本発明の一実施形態に係る保護チューブ11は、例えば車両用のワイヤハーネス13に好適に用いることができる。
従って、小口径保護チューブ35(又は大口径保護チューブ37)は、巻取りリール55に巻き付けられて搬送されることにより、チューブ軸線直交断面形状が円形断面を所定以上に押圧変形させた略楕円形(非円形)に形成される。勿論、他の方法によって、小口径保護チューブ及び大口径保護チューブ37の何れか一方のチューブ軸線直交断面形状を略楕円形(非円形)に形成することもできる。
本実施形態に係る保護チューブ11の取付方法は、小口径保護チューブ35と、小口径保護チューブ35に相対移動可能に被せられて小口径保護チューブ35より短い大口径保護チューブ37とに電線15が挿通される保護チューブ挿通工程と、大口径保護チューブ37の一端部39がワイヤハーネス13の一方の基準部分(第1コネクタ23)に位置決めされる大口径保護チューブ位置決め工程と、一方の基準部分に位置決めされた大口径保護チューブ37に対して相対移動させて小口径保護チューブ35の他端部41がワイヤハーネス13の他方の基準部分(第2コネクタ25)に位置決めされる小口径保護チューブ位置決め工程と、大口径保護チューブ37の他端部43が小口径保護チューブ35の外周面にオーバーラップした状態に固定される保護チューブ固定工程と、を備える。
そして、図6の(a)に示すように、電線15の他方端に接続された複数の端子金具33が、第2コネクタ25のコネクタハウジング内の端子収容室にそれぞれ挿入され、電線15の他方端に第2コネクタ25が取り付けられる。
この後、図6の(b)に示すように、ワイヤハーネス13の電線15に外挿された大口径保護チューブ37と小口径保護チューブ35のうち、先ず、大口径保護チューブ37の一端部39が第1コネクタ23側に寄せられる。これにより、ワイヤハーネス13の一方の基準部分である第1コネクタ23に対して大口径保護チューブ37の一端部39が位置決めされる大口径保護チューブ位置決め工程が完了する。
上述した本実施形態に係る保護チューブ11では、図1に示すように、ワイヤハーネス13の電線15の外周側に、小口径保護チューブ35と大口径保護チューブ37とが挿入(外挿)される。小口径保護チューブ35及び大口径保護チューブ37が外挿されたワイヤハーネス13の電線15は、一端側の第1コネクタ23が一方の基準部分となり、他端側の第2コネクタ25が他方の基準部分となる。両端側がコネクタの本実施形態の場合には、第1コネクタ23が取り付けられた電線15の他方の端から小口径保護チューブ35及び大口径保護チューブ37が外挿される。そして、小口径保護チューブ35及び大口径保護チューブ37が外挿された電線15の他方の端には、第2コネクタ25が取り付けられる。
即ち、押し出し成形されて巻取りリール55に巻き付けられた小口径保護チューブ45は、ワイヤハーネス13の製造ラインに搬送され、巻取りリール55から引き出されて所定長さに切断された後、電線15に挿通される(図4(b)参照)。ここで、巻取りリール55から引き出された小口径保護チューブ45は、巻き付けられた際の塑性変形によって直線状に戻ることはない。
従って、小口径保護チューブ45は、巻取りリール55に巻き付けられて搬送されることにより、長手方向に沿って所定以上に湾曲された曲線形状に形成される。勿論、他の方法によって、小口径保護チューブ及び大口径保護チューブの少なくとも一方を長手方向に沿って所定以上に湾曲された曲線状に形成することもできる。
本実施形態に係る保護チューブ47の取付方法は、小口径保護チューブ45と、小口径保護チューブ45に相対移動可能に被せられて小口径保護チューブ45より短い大口径保護チューブ37とに電線15が挿通される保護チューブ挿通工程と、大口径保護チューブ37の一端部39がワイヤハーネス13の一方の基準部分(第1コネクタ23)に位置決めされる大口径保護チューブ位置決め工程と、一方の基準部分に位置決めされた大口径保護チューブ37に対して相対移動させて小口径保護チューブ35の他端部41がワイヤハーネス13の他方の基準部分(第2コネクタ25)に位置決めされる小口径保護チューブ位置決め工程と、大口径保護チューブ37の他端部43が小口径保護チューブ45の外周面にオーバーラップした状態に固定される保護チューブ固定工程と、を備える。
そして、図7の(b)に示すように、電線15の他方端に接続された複数の端子金具33が、第2コネクタ25のコネクタハウジング内の端子収容室にそれぞれ挿入され、電線15の他方端に第2コネクタ25が取り付けられる。
この後、図7の(c)に示すように、ワイヤハーネス13の電線15に外挿された大口径保護チューブ37と小口径保護チューブ45のうち、先ず、大口径保護チューブ37の一端部39が第1コネクタ23側に寄せられる。これにより、ワイヤハーネス13の一方の基準部分である第1コネクタ23に対して大口径保護チューブ37の一端部39が位置決めされる大口径保護チューブ位置決め工程が完了する。
上述した他の実施形態に係る保護チューブ47によれば、図7に示すように、小口径保護チューブ45に大口径保護チューブ37が被せられると、大口径保護チューブ37の内周面に、小口径保護チューブ45の外周面が長手方向に離間する少なくとも2個所以上で圧接し、小口径保護チューブ45と大口径保護チューブ37が摩擦係合する。また、小口径保護チューブ45が曲線状に形成されることにより、挿通された電線15がこれら小口径保護チューブ45及び大口径保護チューブ37の内周面に対して長手方向に離間する少なくとも2個所以上で圧接し、小口径保護チューブ45及び大口径保護チューブ45と電線15も摩擦係合する。このような摩擦係合によって、伸長された保護チューブ47における小口径保護チューブ45と大口径保護チューブ37とは、長手方向の相対移動が規制され、両端が一方の基準部分である第1コネクタ23と他方の基準部分である第2コネクタ25に位置決めされた状態に保持される。これにより、小口径保護チューブ45及び大口径保護チューブ37の固定工程への速やかな移行が可能となり、ワイヤハーネス13の電線15を保護する電線保護作業を行いやすくできる。
[1] 小口径保護チューブ35と、前記小口径保護チューブ35に相対移動可能に被せられた大口径保護チューブ37とによってワイヤハーネス13の電線15を保護する保護チューブ11であって、長手方向に沿って相対移動される前記小口径保護チューブ35と前記大口径保護チューブ37とは、前記小口径保護チューブ35及び前記大口径保護チューブ37の少なくとも一方のチューブ軸線直交断面形状が円形断面を所定以上に押圧変形させた非円形に形成されることによって互いに摩擦係合することを特徴とする保護チューブ11。
[2] 上記[1]の保護チューブ11であって、前記小口径保護チューブ35及び前記大口径保護チューブ37の両方のチューブ軸線直交断面形状が、円形断面を所定以上に押圧変形させた非円形に形成されることを特徴とする保護チューブ11。
[3] 小口径保護チューブ45と、前記小口径保護チューブ45に相対移動可能に被せられた大口径保護チューブ37とによってワイヤハーネス13の電線15を保護する保護チューブ47であって、長手方向に沿って相対移動される前記小口径保護チューブ45と前記大口径保護チューブ37とは、前記小口径保護チューブ45と前記大口径保護チューブ37の少なくとも一方が長手方向に沿って所定以上に湾曲された曲線状に形成されることによって互いに摩擦係合することを特徴とする保護チューブ47。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
13…ワイヤハーネス
15…電線
35…小口径保護チューブ
37…大口径保護チューブ
Claims (3)
- 小口径保護チューブと、前記小口径保護チューブに相対移動可能に被せられた大口径保護チューブとによってワイヤハーネスの電線を保護する保護チューブであって、
長手方向に沿って相対移動される前記小口径保護チューブと前記大口径保護チューブとは、前記小口径保護チューブ及び前記大口径保護チューブの少なくとも一方のチューブ軸線直交断面形状が円形断面を所定以上に押圧変形させた非円形に形成されることによって互いに摩擦係合することを特徴とする保護チューブ。 - 請求項1に記載の保護チューブであって、
前記小口径保護チューブ及び前記大口径保護チューブの両方のチューブ軸線直交断面形状が、円形断面を所定以上に押圧変形させた非円形に形成されることを特徴とする保護チューブ。 - 小口径保護チューブと、前記小口径保護チューブに相対移動可能に被せられた大口径保護チューブとによってワイヤハーネスの電線を保護する保護チューブであって、
長手方向に沿って相対移動される前記小口径保護チューブと前記大口径保護チューブとは、前記小口径保護チューブが前記大口径保護チューブより長く、前記小口径保護チューブと前記大口径保護チューブのうち少なくとも前記小口径保護チューブが長手方向に沿って所定以上に湾曲された曲線状に形成されることによって、挿通された前記電線がこれらの内周面に対して圧接し、前記小口径保護チューブ及び前記大口径保護チューブと前記電線とが互いに摩擦係合することを特徴とする保護チューブ。
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