JP6284862B2 - 細胞配置決定装置および方法並びにプログラム - Google Patents

細胞配置決定装置および方法並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、培養された細胞を2次元的または3次元的に配置して組織を形成する際の細胞の配置方法を決定する細胞配置決定装置および方法並びにプログラムに関するものである。
近年、皮膚、網膜または心筋などの細胞をシート状に培養し、これを患者に移植することによって治療を行う再生医療が注目されている。また、再生医療に利用する血球や神経などの細胞を培養することも考えられている。
このような皮膚などの細胞シートを生産する際には、まず、生体から少量の細胞を採取し、採取した細胞からiPS細胞などの未分化細胞へ誘導し、得られた未分化細胞を培養する。そして、得られた細胞を皮膚細胞に分化誘導し、分化誘導された細胞をシート状に配列して培養することによって生産される。また、たとえば特許文献1には、複数種の分化した体性細胞を組み合わせて培養することが提案されている。
一方、上述したように細胞の培養を行う際、細胞の品質を評価し、管理することが重要である。そこで、細胞の画像を撮像し、その画像に基づいて細胞の品質を評価することが行われている。たとえば特許文献2においては、神経細胞を撮像した画像を評価することが提案されている。
特開2013−78344号公報 特開2013−236563号公報
ここで、上述したように複数の細胞を配置して皮膚や神経などの組織を形成する場合、その組織を形成する細胞の培養環境や培養手技の手間のかけ方の違いによって、個々の細胞の品質に優劣がつく場合がある。
したがって、このような細胞を無作為に配列した場合、たとえば品質の良い細胞が局在して配置されたり、品質の悪い細胞が局在して配置されたりし、組織としての機能にムラができる可能性がある。したがって、品質の良い細胞または品質の悪い細胞をなるべく分散して配置させたい場合がある。
また、逆に、品質の良い細胞を凝集させて配置させた方が、より品質の良い組織が生成でき、品質の悪い部分を容易に取り除くことができる場合もある。
本発明は、上記の問題に鑑み、品質の異なる細胞を目的に応じて所望の配置パターンで配列することができる細胞配置決定装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の細胞配置決定装置は、細胞を培養する単位である細胞培養単位毎の画像に基づいて、細胞培養単位毎の細胞の品質を画像評価する細胞品質評価部と、細胞培養単位毎の画像評価の結果に基づいて、各細胞培養単位に対して分類を付与する分類付与部と、各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類に基づいて、その各細胞培養単位の細胞の2次元的または3次元的な配置方法を決定する細胞配置決定部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の細胞配置決定装置においては、分類付与部によって付与される分類は、細胞の品質を順位づけるランクとすることができる。
また、細胞配置決定部は、複数の細胞培養単位のうちランクが相対的に高い細胞培養単位の細胞から優先して配置を決定することができる。
また、細胞配置決定部は、ランクが相対的に高い細胞培養単位の細胞を分散させて配置することができる。
また、細胞配置決定部は、ランクが相対的に高い細胞培養単位の細胞を規則的に配置することができる。
また、細胞配置決定部は、ランクが相対的に高い細胞培養単位の細胞を不規則に配置することができる。
また、細胞配置決定部は、ランクが相対的に高い細胞培養単位の細胞を凝集させて配置することができる。
また、細胞配置決定部は、複数の細胞培養単位のうちランクが相対的に低い細胞培養単位の細胞から優先して配置を決定することができる。
また、細胞配置決定部は、ランクが相対的に低い細胞培養単位の細胞を分散させて配置することができる。
また、細胞配置決定部は、ランクが相対的に低い細胞培養単位の細胞を規則的に配置することができる。
また、細胞配置決定部は、ランクが相対的に低い細胞培養単位の細胞を不規則に配置することができる。
また、細胞配置決定部は、ランクが相対的に低い細胞培養単位の細胞を凝集させて配置することができる。
また、細胞配置決定部は、細胞培養単位で培養される細胞から構成される組織の情報を取得し、その取得した組織の情報に基づいて、細胞培養単位の細胞の配置方法を決定することができる。
また、細胞配置決定部によって決定された配置方法に基づいて、細胞培養単位の細胞を2次元的または3次元的に配置する制御信号を細胞配置装置に出力する制御部を備えることができる。
また、細胞配置決定部によって決定された配置方法を報知する報知部を備えることができる。
また、報知部は、細胞配置決定部によって決定された配置方法を表示させることができる。
また、報知部は、細胞配置決定部によって決定された配置方法を示す光を照射させることができる。
また、細胞配置決定部は、予め設定された配置パターンと、各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類とに基づいて、2次元的または3次元的な配置方法を決定することができる。
また、細胞配置決定部は、自動的に生成した配置パターンと、各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類とに基づいて、2次元的または3次元的な配置方法を決定することができる。
本発明の細胞配置決定方法は、細胞を培養する単位である細胞培養単位毎の画像に基づいて、細胞培養単位毎の細胞の品質を画像評価し、その細胞培養単位毎の画像評価の結果に基づいて、各細胞培養単位に対して分類を付与し、その各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類に基づいて、その各細胞培養単位の細胞の2次元的または3次元的な配置方法を決定することを特徴とする。
本発明の細胞配置決定プログラムは、細胞を培養する単位である細胞培養単位毎の画像に基づいて、細胞培養単位毎の細胞の品質を画像評価する細胞品質評価部と、細胞培養単位毎の画像評価の結果に基づいて、各細胞培養単位に対して分類を付与する分類付与部と、各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類に基づいて、その各細胞培養単位の細胞の2次元的または3次元的な配置方法を決定する細胞配置決定部としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明の細胞配置決定装置および方法並びにプログラムによれば、細胞を培養する単位である細胞培養単位毎の画像に基づいて、細胞培養単位毎の細胞の品質を画像評価し、その細胞培養単位毎の画像評価の結果に基づいて、各細胞培養単位に対して分類を付与し、その各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類に基づいて、その各細胞培養単位の細胞の2次元的または3次元的な配置方法を決定するようにしたので、品質の異なる細胞を目的に応じて所望の配置パターンで配列することができる。
本発明の細胞配置決定装置の一実施形態を用いた組織形成システムの概略構成を示すブロック図 培養容器の一例を示す図 各ウェルの位置情報とそのウェルのランクとを対応付けたテーブルの一例を示す図 細胞コロニーが配置されるプレートの一例を示す図 細胞コロニーの配置パターンの一例を示す図 細胞コロニーの配置パターンを自動生成する方法を説明するためのフローチャート 本発明の細胞配置決定装置の一実施形態を用いた組織形成システムの作用を説明するためのフローチャート 図1に示す組織形成システムの変形例の概略構成を示すブロック図
以下、本発明の細胞配置決定装置の一実施形態を用いた組織形成システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の組織形成システム1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の組織形成システム1は、図1に示すように、細胞培養装置10と、撮像装置50と、細胞配置決定装置60と、入力装置70と、表示装置80と、細胞配置装置90とを備えている。
細胞培養装置10は、第1〜第3の培養部20,30,40と、制御部11とを備えている。
第1〜第3の培養部20,30,40は、細胞の培養を行うものである。培養対象の細胞としては、たとえば皮膚、網膜または心筋などのシート状の組織を形成する細胞もしくは血球、神経または臓器などの組織を形成する細胞などがある。なお、培養対象の細胞としては、これらに限らず、2次元的に配置されてシート状の組織を形成する細胞および3次元的に配置されて所定の組織を形成する細胞であれば如何なるものでもよい。
各培養部20,30,40内には、培養対象の細胞を培地に播種した培養容器が1または複数収容されている。なお、本実施形態における第1〜第3の培養部20,30,40の基本的な構成は同じであるので、ここでは第1の培養部20の構成を中心に説明する。第1の培養部20は、ステージ21と、搬送部22とを備えている。
ステージ21は、培養対象の細胞が播種された培養容器が設置されるものである。図2は、本実施形態において用いられる培養容器2の一例を示している。本実施形態において用いられる培養容器2は、図2に示すように、4行6列の24個のウェルWを備えたウェルプレートである。各ウェルWには、それぞれ培地と1または複数の培養対象の細胞コロニーが収容されており、この各ウェルW内において細胞コロニーが培養される。なお、本実施形態においては、この各ウェルWのそれぞれが、本発明における細胞培養単位に相当する。また、ステージ21は、培養容器2を振盪させる機構を備えていてもよい。
搬送部22は、撮像装置50によって培養容器2における各ウェルWの画像を撮像する際、第1の培養部20から撮像装置50における撮像位置まで培養容器2を搬送するものである。搬送部22の具体的な構成としては、たとえば回転ステージとその回転ステージを回転させる駆動機構とを備えたものとし、上述したステージ21から回転ステージに移動させた培養容器2を、駆動機構により回転ステージを回転させることによって撮像装置50まで搬送する構成としてもよいし、搬送ベルトとその駆動機構とを備えたものとし、搬送ベルトによって培養容器2を撮像装置50まで搬送する構成としてもよい。また搬送ロボットを備えたものとし、搬送ロボットによって培養容器2を撮像装置50まで搬送する構成としてもよい。
第2の培養部30および第3の培養部40は、上述したように基本的な構成は第1の培養部20と同じである。すなわち、ステージ21,31,41の構成は同じであり、搬送部22,32,42の構成は同じである。
制御部11は、細胞培養装置10全体を制御するものであり、第1〜第3の培養部20,30,40の搬送部22,32,42の動作および第1〜第3の培養部20,30,40における培養条件などを制御するものである。具体的には、制御部11は、第1〜第3の培養部20,30,40内の温度、湿度、光源の照度、酸素濃度、二酸化炭素濃度およびステージ21,31,41の振盪条件などの培養条件を制御するものである。なお、これらの培養条件を調整するための構成については、公知な構成を用いることができる。また、第1〜第3の培養部20,30,40のそれぞれの培養条件は、同じ培養条件としてもよいし、異なる培養条件としてもよい。
ここで、本実施形態の組織形成システム1においては、上述したウェルW毎に培養された細胞コロニーを2次元的または3次元的に配置して皮膚や臓器などの組織を形成する。この際、第1〜第3の培養部20,30,40のうちのいずれかの培養部によって培養された細胞コロニーのみを用いて組織を形成するようにしてもよいし、複数の培養部によって培養された細胞コロニーを用いて組織を形成するようにしてもよい。
また、上述したように細胞コロニーを配列して皮膚や臓器などの組織を形成する場合、配列される細胞コロニーの品質の均一化を図る必要がある。たとえば、上述したように複数の培養部によって培養された細胞コロニーを用いて組織を形成する場合、複数の培養部の培養条件が同じになるように制御したとしても、細胞コロニーによって成熟度が異なっていたりして、必ずしも各培養部によって培養された細胞コロニーの品質が同じになるとは限らない。そこで、たとえば第1〜第3の培養部20,30,40のそれぞれの培養開始時期または培養速度などの培養条件を異なるものとし、第1〜第3の培養部20,30,40によって培養された細胞コロニーを用いて組織を形成するようにしてもよい。
撮像装置50は、培養容器2の各ウェルWの画像を撮像するものである。撮像装置50は、各ウェルWを撮像して画像信号を出力する光学系51と、光学系51を制御する制御部52とを備えている。
光学系51は、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡または明視野顕微鏡などの顕微鏡を備えたものである。これらの顕微鏡は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge-Coupled Device)センサなどの撮像素子を備えており、この撮像素子から各ウェルW内を撮像した画像信号が出力される。
制御部52は、撮像装置50全体を制御するものであるが、たとえば培養容器2内の各ウェルWを撮像する際の撮像位置の変更や、光学系51の光学倍率などを制御するものである。
細胞配置決定装置60は、細胞品質評価部61と、分類付与部62と、細胞配置決定部63と、制御部64とを備えている。細胞配置決定装置60は、コンピュータに対して本発明の細胞配置決定プログラムの一実施形態がインストールされたものである。細胞配置決定装置60は、中央処理装置、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えており、ハードディスクに細胞配置決定プログラムの一実施形態がインストールされている。そして、このプログラムが制御部64に設けられた中央処理装置によって実行されることによって、図1に示すような、細胞品質評価部61、分類付与部62、細胞配置決定部63および表示制御部65が動作する。
細胞品質評価部61は、撮像装置50から出力された各ウェルWの画像信号に基づいて、ウェルW単位で細胞の品質を画像評価するものである。細胞の品質を評価するとは、たとえば、細胞の活性度、密集度、成熟度、色味または水分含有度などといった細胞の質を評価することであり、評価対象はこれらに限らず、その他の細胞の質を表す評価対象を評価するようにしてもよい。
なお、上記細胞の品質の評価は、個々の細胞で品質を評価してもよいし、細胞コロニーの品質を評価するようにしてもよい。後で詳述するように、細胞コロニーの品質を評価する方法としては、細胞コロニーの形状の円形度、大きさまたは輝度ムラなどを評価する方法がある。また、個々の細胞の品質を評価する方法としては、細胞の数、密度、分布状態、増殖速度、動作速度、ハロの発生状態または個々の細胞の形状を評価する方法がある。
具体的には、細胞品質評価部61は、ウェルWを撮像した画像内に含まれる細胞コロニーを特定し、その細胞コロニーの形状の円形度、細胞コロニー内の細胞の数、密度、分布状態または外形、細胞コロニー内の細胞の増殖速度または動作速度、もしくは細胞コロニーの大きさなどを計測し、これらの少なくとも1つの値を用いてウェルW内の細胞コロニーの品質の評価値を取得するものである。評価値については、上述した細胞コロニーの特徴量のうちのいずれか1つの特徴量を用いて算出するようにしてもよいし、複数の特徴量から算出するようにしてもよい。また、評価値を算出する際に用いる特徴量の種類をユーザが入力装置70を用いて指定および変更できるようにしてもよい。
細胞コロニーの特定方法としては、たとえば撮像された画像を輝度の閾値を用いて2値化することによって細胞コロニーを特定することができるが、その他の公知な方法を用いるようにしてもよい。なお、上述したように、本実施形態においては各ウェルWが本発明における細胞培養単位に相当するものである。したがって、本実施形態の細胞品質評価部61はウェルW単位で評価値を取得するものである。
細胞品質評価部61において、細胞コロニー内の細胞の数または密度を評価値として取得する場合には、たとえば細胞内に含まれる核や核小体に着目して細胞の数をカウントするようにしてもよい。この際、たとえば核を1つ含む細胞や、複数の核を有する細胞や、核小体を有する細胞などに限定してカウントするようにしてもよい。
また、細胞の増殖速度を評価値として取得する場合には、時系列に同じウェルを撮像した2つの画像に含まれる細胞の数をそれぞれ計測し、2つの画像に含まれる細胞の数の差を撮像間隔で除算して取得するようにすればよい。
また、細胞の動作速度を評価として取得する場合には、たとえば時系列に同じウェルを撮像した2つの画像に含まれる個々の細胞について、パターンマッチングなどを用いて同じ細胞同士を対応付け、その対応付けられた細胞同士の直線移動距離を撮像間隔で除算することによって個々の細胞の動作速度を求め、その個々の細胞の動作速度の平均値、最大値、最小値または中央値などを評価値として取得するようにすればよい。
また、細胞の形状に基づいて評価値を取得する場合には、個々の細胞の円形度を算出し、その円形度の平均値、最大値、最小値または中央値などを評価値として取得するようにすればよい。また、円形度に限らず、培養対象の細胞の種類毎に細胞の形状パターンを予め記憶しておき、画像内の個々の細胞と上記形状パターンとの類似度を算出し、その類似度の平均値、最大値、最小値または中央値などを評価値として取得するようにすればよい。培養対象の細胞の種類情報については、たとえばユーザが設定入力すればよい。
また、細胞コロニーの大きさを評価値として取得する場合には、たとえば細胞コロニーの面積、周囲長、最大径などを取得することができる。
また、細胞コロニーの形状に基づく評価値を取得する場合においても、細胞コロニーの円形度に限らず、培養対象の細胞の種類毎に細胞コロニーの形状パターンを予め記憶しておき、画像から特定された細胞コロニーの形状と上記形状パターンとの類似度を算出し、その類似度を評価値として取得してもよい。培養対象の細胞の種類情報については、たとえばユーザが設定入力すればよい。
また、たとえば細胞コロニーの画像の輝度や、均一性や粗さなどのテクスチャを評価値として取得するようにしてもよい。たとえば細胞の成熟度が進行すると細胞の密集度が高くなり、さらに細胞が積層されて、画像の輝度が次第に高くなる。したがって、輝度が高いほど成熟度が進行しているといえる。
また、成熟度が進行して上述したように幹細胞が増殖して積層された状態となった場合、画像の均一性が高くなり、また凹凸の少ない滑らかな画像となる。したがって、画像の均一性が高い、または画像が滑らかであるほど成熟度が進行しているといえる。画像の均一性や滑らかさの特徴量の取得方法については、既に公知な手法を用いることができる。
また、細胞コロニー内に発生するハロを検出し、その検出したハロに基づいて評価値を取得するようにしてもよい。ハロとは、細胞間を通過した回折光に起因して発生するものである。ハロは、画像内においては白スジとして現れる。したがって、この白スジを検出することによって画像内におけるハロを検出することができる。白スジの検出方法としては、公知の方法を用いることができ、たとえば予め設定された閾値以上の輝度値を有する画素を検出するようにしてもよいし、フィルタ処理などによって白い線を検出するようにしてもよい。
そして、たとえば細胞コロニー内の白スジの画素の数を計測し、白スジの画素の数を評価値として取得するようにしてもよい。この場合、白スジの画素の数が多いほど細胞の密集度が低く、質の悪い細胞コロニーであると考えられる。また、白スジの画素の数ではなく、白スジの画素の密度などといった空間的分布を表す値を評価値として取得するようにしてもよい。この場合、白スジの画素が局在しているほど質の悪い細胞コロニーであると考えられる。また、細胞コロニー内の局所領域毎の白スジ画素の数や密度について、ヒストグラム化し、そのヒストグラムに基づいて空間的分布を解析するようにしてもよい。
また、細胞コロニーの水分含有度に基づいて評価値を取得する場合には、たとえば細胞コロニーが培養されるウェルの端部における表面張力によるメニスカスの状態を画像評価するようにすればよい。ウェル内の培養液が極端に少ない場合、培養環境として好ましくない状態であるので、そのウェル内の細胞コロニーの品質は悪いものとなるからである。具体的には、たとえばウェルの底面形状が平面的である場合、ウェル内の培養液が一定以上の場合、ウェルの壁面付近でメニスカスがやや発生し、ウェルの中央はメニスカスが発生していない状態となる。このようなメニスカスの違いは画像の輝度の相違として検出することができる。
また、ウェル内の培養液の液面が、ウェルの底面に相当近くなるほど培養液の量が減少している場合、ウェルの壁面だけでなく、ウェルの中央付近までメニスカスが拡大する。これは、培養液の位置エネルギーよりも壁面での表面張力が勝るため、液面の中央付近からも多くの培養液がウェルの壁面側に引っ張られるからである。または、培養液の量が減少している場合、ウェルの壁面ほど液面が高くなり、画像輝度も高くなる。また、ウェル内の培養液がほとんど存在しない場合、メニスカスが存在しない状態となる。
上述したようなメニスカスの発生状態を画像の輝度から評価することによってウェル内の培養液の量を評価することができ、これによりウェル内の細胞コロニーの水分含有度を評価することができる。そして、たとえば細胞コロニーの水分含有度が多いほど大きな評価値を与えるようにすればよい。
なお、上記説明では、ウェルの底面形状が平面的である場合について説明したが、たとえば胚様体を小単位で培養する場合、ウェルの底面形状が球面的である場合もある。この場合にも、ウェル内の培養液の量に応じてメニスカスの発生状態が異なるので、これを評価することによって細胞コロニーの水分含有度を評価することができる。
また、たとえば、使用する培地の色によっても細胞の品質の評価を行うことができる。具体的には、通常、薄赤である培地は、コンタミやCO過多によって黄色く変色する。したがって、明視野観察や偏光観察によって培地の色に異常が認められた場合には品質のランクが下げる評価値を与えるようにしてもよい。なお、培地の色と評価値との関係については、予め設定しておくようにすればよい。
細胞品質評価部61は、たとえば1つのウェルW内に複数の細胞コロニーが含まれる場合には、その複数の細胞コロニーの評価値の平均値、最大値、最小値または中央値などを評価値として取得するようにしてもよい。ただし、本実施形態のように各ウェルWを細胞培養単位とする場合、各ウェルW内に1つの細胞コロニーを播種することが望ましい。また、複数の細胞コロニーを播種する場合には、それらの細胞コロニーが結合しないような配置で播種することが、品質の画像評価の精度の点からは好ましい。
分類付与部62は、上述したようにして算出した各ウェルWの評価値に基づいて、各ウェルWに対して分類を付与するものである。具体的には、本実施形態の分類付与部62は、各ウェルWに対して品質のランクを付与するものであり、たとえば評価値を閾値判定することによって評価値が大きいものから段階的にランク付けを行う。本実施形態においては、評価値が大きい順にAランク、Bランク、Cランクの3段階にランク付けするものとする。
なお、分類付与部62によるランク付けについては、現在の各ウェルWを評価した評価値に基づいてランクを決定するようにしてもよいし、各ウェルWを経時的に複数回評価して複数の評価値を取得しておき、その複数の評価値に基づいてランクを決定するようにしてもよい。具体的には、たとえば複数の評価値の加算値などに基づいてランクを決定すればよいが、この際、現時点に対して時間的により近い時点の評価値の重み付けを大きくして加算するようにしてもよい。
また、ランク付けをする際に用いる閾値は、分類付与部62に予め記憶しておくようにしてもよいし、ユーザが入力装置70を用いて指定および変更できるようにしてもよい。
また、分類付与部62が、ランク付けをする際に用いる閾値を自動的に生成するようにしてもよい。具体的には、まず、全てのウェルWまたは一部の複数のウェルWの画像を上述した品質評価の前にプレ撮像し、そのプレ撮像された各ウェルWの画像に基づいて、複数のウェルWの評価値を算出する。そして、この予め取得された評価値に基づいて、たとえば上述したランク付けを行った場合に、各ランクA,B,CのウェルWの数が均等な割合となる閾値を演算するようにすればよい。なお、必ずしも各ランクA,B,CのウェルWの数が均等な割合でなくてもよく、ユーザによって指定された割合となるように閾値を演算するようにしてもよい。
そして、分類付与部62は、各ウェルWの培養容器2内における位置情報を取得し、図3に示すように各ウェルWの培養容器2内における位置情報(P1〜P24)とそのウェルWのランクとを対応付けたテーブルを生成するものである。図3に示すようなテーブルを培養容器2毎に生成するようにしてもよい。
細胞配置決定部63は、分類付与部62において各ウェルWに付与されたランクに基づいて、皮膚や神経などの組織を形成するための細胞コロニーの配置方法を決定するものである。以下、細胞コロニーの配置方法を決定する方法について説明する。
まず、組織を形成する細胞コロニーは、図4に示すようなプレート上に配置される。プレート上には、図4において十字印で示すように、直交するX方向およびY方向についてN×Nの多数の配置座標が設定されている。組織を形成する細胞コロニーは、後述する配置パターンにしたがって図4に示す配置座標のいずれかに設置される。
細胞配置決定部63には、図5I〜IIIに示すような3つの配置パターンが予め記憶されている。図5Iに示す配置パターンは、細胞コロニーをプレートの全体に亘って規則的に分散させて配置させる配置パターンである。この規則的な分散の配置パターンにおける各点は、少なくとも1つの配置座標の間隔を空けて配置される。また、規則的な分散の配置パターンとしては、図5に示すような、正方格子の各交点に細胞コロニーを配置する配置パターンに限らず、その他の矩形格子、斜方格子、六角格子または平行体格子などの各交点に細胞コロニーを配置する配置パターンとしてもよい。要するに、規則的に各点が配列されている配置パターンであれば如何なるパターンでもよい。
また、図5IIに示す配置パターンは、細胞コロニーをプレートの全体に亘って不規則に分散させて配置させる配置パターンである。この不規則な分散の配置パターンについては、たとえば乱数を用いた方法によって生成するようにすれば良いが、その他の公知な方法を用いることができる。
また、図5IIIに示す配置パターンは、細胞コロニーをプレートの一部の範囲に凝集させて配置させる配置パターンである。図5IIIに示す配置パターンは、図5Iおよび図5IIに示す配置パターンに比べて分散性が低い配置パターンである。なお、図5IIIに示す配置パターンでは、凝集範囲をプレートの中央に配置するようにしたが、これに限らず、たとえば逆にプレートの周辺範囲などその他の位置に凝集範囲を配置するようにしてもよい。凝集範囲内の配置パターンについては、規則的な配置パターンでもよいし、不規則な配置パターンでもよい。また、配置パターンの各点の間隔は、図5Iに示す規則的な分散の配置パターンにおける間隔よりも狭くしてもよいし、同じにしてもよいし、プレートの配置座標の間隔と同じにしてもよい。また、凝集範囲を複数設けるようにしてもよい。
なお、図5I〜IIIに示す配置パターンは模式図であって、点の数や点の間隔などは正確なものではない。
そして、細胞配置決定部63は、分類付与部62において各ウェルWに付与されたランクと図5I〜IIIに示す配置パターンとに基づいて、細胞コロニーの配置方法を決定する。具体的には、細胞配置決定部63において、上述したAランク〜Cランクの細胞コロニーのうち、優先的に配置する細胞コロニーのランクが選択され、かつ図5I〜IIIの配置パターンのうちのいずれか1つの配置パターンが選択される。
そして、まず、選択されたいずれかの配置パターンの点上に、選択されたいずれかのランクの細胞コロニーを配置し、次に、選択された配置パターンの点以外の配置座標の位置に、選択されていないランクの細胞コロニーを配置する。具体的には、たとえば選択されたランクがAランクであり、選択された配置パターンが図5Iに示す配置パターンである場合には、まず、図5Iに示す配置パターンの各点上にAランクの細胞コロニーを配置する。次に、図5Iに示す配置パターンの点以外の配置座標の位置にBランクおよびCランクの細胞コロニーを配置する。BランクおよびCランク細胞コロニーの配置方法については、規則的に分散させて配置するようにしてもよいし、不規則に分散させて配置するようにしてもよい。
このように、細胞配置決定部63は、選択された配置パターンの各点上に、選択されたランクの細胞コロニーを配置した後に、選択されていないランクの細胞コロニーを配置してプレート全体における細胞コロニーの配置方法を決定する。
なお、優先的に配置する細胞コロニーのランクの選択および配置パターンの選択については、たとえばユーザが入力装置70を用いて選択するようにしてもよいし、細胞配置決定部63が自動的に選択するようにしてもよい。
優先的に配置する細胞コロニーを自動的に選択する方法としては、たとえば各ウェルWにランク付けした結果における各ランクのウェルWの数の割合に基づいて、優先的に配置するランクを選択するようにしてもよい。具体的には、たとえばAランクのウェルWの数がCランクのウェルWの数よりも多い場合には、Cランクの細胞コロニーを優先的に配置させるランクの細胞コロニーとして選択するようにしてもよい。これは、品質の悪いCランクの細胞コロニーが少ない場合には、これを優先して分散配置させることによって組織全体においてその品質が目立たないようにしたり、または優先して凝集配置させることによって後で取り除くことを容易にしたりする観点から決められた選択方法である。
また、常にAランクの細胞コロニーを優先的に配置させるランクの細胞コロニーとして選択するようにしてもよい。このようにAランクの細胞コロニーを優先的に配置させることによって、品質の良い細胞コロニーほど配置制約がない状態で配置を決定することができる。そして、たとえば品質の良い細胞を規則的または不規則に組織全体に亘って分散配置することによって組織機能の向上を期待することができる。また、品質の良い細胞を凝集配置することによって品質の良い細胞からなる組織だけを採取し易くすることができる。
また、逆に、常にCランクの細胞コロニーを優先的に配置させるランクの細胞コロニーとして選択するようにしてもよい。このようにCランクの細胞コロニーを優先的に配置させることによって、品質の悪い細胞コロニーほど配置制約がない状態で配置を決定することができる。そして、たとえば品質の悪い細胞を規則的または不規則に組織全体に亘って分散配置することによって品質の悪い細胞同士が結合してがん組織を形成することが防止することができる。また、品質の悪い細胞を凝集配置することによって品質の悪い部分を取り除くことが容易となる。たとえば、品質の悪い細胞をプレートの周辺範囲に凝集配置させることによって、周辺を切り取るだけで良質な細胞シートを採取することができる。
なお、優先的に配置する細胞コロニーのランクをどのランクにするかについては、組織を形成する細胞の特性やユーザの組織の使用用途などによって決定するようにすればよい。
また、配置パターンを自動的に選択する方法としては、たとえば目的の組織の種類に応じて配置パターンを選択するようにすればよい。具体的には、目的の組織の種類と配置パターンとを対応付けたテーブルを設定しておき、ユーザによって入力装置70を用いて設定入力された組織の種類に基づいて、その組織に応じた配置パターンを選択するようにすればよい。具体的には、目的の組織が血管である場合には、図5IIIに示す凝集の配置パターンを選択し、目的の組織が心筋細胞である場合には、図5Iまたは図5IIに示す分散の配置パターンを選択するようにすればよい。配置パターンの選択方法については、上記の選択方法に限らず、その他、ユーザが目的とする組織の種類や状態に応じて適宜設定するようにすればよい。
なお、規則的な分散、不規則な分散および凝集とは、一般的には周波数特性の違いを表現したものである。したがって、周波数、帯域およびパワーなどによって、規則的な分散の配置パターンと不規則な分散の配置パターンと凝集の配置パターンとを絶対的に区別するようにしてもよいし、複数種類の配置パターン中で相対的に区別するようにしてもよい。
また、上述したように各ランクの細胞コロニーの配置方法を決定する際、各ランクの細胞コロニーの数の割合を制御するようにしてもよい。具体的には、たとえば単位面積当たりのAランクの細胞コロニーの割合が50%以上となるように制御したりしてもよい。また、Aランクの細胞コロニー数が50%、Bランクの細胞コロニー数が30%、Cランクの細胞コロニー数が20%となるように制御するようにしてもよい。各ランクの細胞コロニー数の割合については、予め設定するようにしてもよいし、ユーザが入力装置70を用いて設定および変更したりしてもよい。
また、上記説明では、図5I〜IIIに示すような予め記憶された配置パターンを用いて細胞コロニーの配置方法を決定するようにしたが、細胞配置決定部63において、配置パターンを自動的に生成するようにしてもよい。以下、この配置パターンの自動生成について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
細胞配置決定部63は、まず、目的とする組織を形成するために用いる各ランクの細胞コロニーの数を取得する(S10)。各ランクの細胞数については、たとえばユーザが入力装置70を用いて設定入力するようにすればよい。
そして、細胞配置決定部63は、各ランクの細胞数を組織全体における各ランクの細胞コロニーの面積率に変換する(S12)。なお、ここでいう各ランクの細胞コロニーの面積率とは、組織全体の面積に対して各ランクの細胞コロニーの面積が占める割合のことである。個々の細胞コロニーの面積については、予め設定されているものとする。
次に、各ランクの細胞コロニーの面積率に基づいて組織的ディザ法や誤差拡散法を用いてドット配置パターンを生成し、そのドット配置パターンを各ランクの細胞コロニーの配置パターンとして取得する(S14)。
なお、このように配置パターンを自動生成する際にも、各ランクに対して優先順位が設定され、優先順位が高いものから配置パターンを生成する。そして、一度、所定のランクの細胞コロニーが割り当てられた点については、そのランクより優先順位の低いランクの配置パターンの生成の際には使用しないようにする。
また、組織的ディザ法や誤差拡散法を用いてドット配置パターンを生成する際、各ドットの配置可能位置に制約を設けることによって周波数特性の異なるドット配置パターンを生成することができる。たとえばドット同士が近くなるほどエネルギーが低くなるような関数を設けて逐次ドット配置した場合には、凝集的なドット配置パターンとなり、ドット同士が離れるほどエネルギーが低くなるような関数を設けて逐次ドット配置した場合には、分散的なドット配置パターンとなる。ドット配置パターンを生成する際に用いる関数については、予め記憶された配置パターンを選択する場合と同様に、ユーザが入力装置70を用いて選択してもよいし、組織の種類に応じて自動的に選択するようにしてもよい。
上述したようにして各ランクの細胞コロニーについてそれぞれ配置パターンが生成され、全てのランクの細胞コロニーの配置パターンが生成されると処理を終了する(S16)。
なお、上記説明では、全てのランクの細胞コロニーの配置パターンを生成するようにしたが、必ずしも全てのランクについて配置パターンを生成しなくてもよく、Aランクのみ配置パターンを生成したり、Cランクのみの配置パターンを生成したりし、残りのランクの細胞コロニーについては、乱数的に配置するようにしてもよい。
以上が、細胞コロニーの配置パターンの自動生成方法の説明である。
なお、上述したように配置パターンを自動生成する場合においても、上述したように各ランクの細胞コロニーの数の割合を制御するようにしてもよい。
図1に戻り、制御部64は、細胞配置決定装置60全体を制御するものである。また、制御部64は、細胞配置決定部63によって決定された細胞コロニーの配置方法で各ランクの細胞コロニーが配置されるように細胞配置装置90に対して制御信号を出力するものである。制御部64は、この際、分類付与部62において生成された、各ウェルWの位置情報と各ウェルWのランクとを対応づけたテーブルを参照することによって、必要なランクの細胞コロニーが培養されたウェルWを特定し、そのウェルWから細胞コロニーを採取する制御信号を細胞配置装置90に出力するものである。
また、制御部64は、表示制御部65を備えている。表示制御部65は、撮像装置50において撮像された画像を表示装置80に表示させたり、細胞品質評価部61における品質評価の結果および細胞配置決定部63により決定された細胞コロニーの配置パターンなどを表示装置80に表示させたりするものである。表示装置80は、液晶ディスプレイなどの表示デバイスによって構成されるものである。
入力装置70は、マウスやキーボードなどを備えたものであり、ユーザによる設定入力を受け付けるものである。本実施形態における入力装置70は、上述したように優先的に配置するランクの細胞コロニーの選択を受け付けたり、予め記憶された配置パターンの選択を受け付けたりするものである。また、第1〜第3の培養部20,30,40の培養条件を変更する場合に、その培養条件の変更の入力を受け付けたりするものである。なお、表示装置80をタッチパネルとし、タッチパネル画面を押圧することによって設定入力を受け付ける構成とし、表示装置80が入力装置70を兼ねてもよい。
細胞配置装置90は、細胞配置決定装置60の制御部64から出力された制御信号に基づいて、プレート上に各ランクの細胞コロニーを配置するものである。細胞配置装置90の具体的な構成としては、たとえばロボットアームを備えたものとし、培養容器2の各ウェルW内における細胞コロニーを培地とともに吸引機構によって吸い上げ、その吸い上げた細胞コロニーをロボットアームによってプレート上の所定の位置まで移動させるようにすればよい。
次に、本実施形態の組織形成システム1の作用について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、細胞培養装置10の第1〜第3の培養部20,30,40において、目的の組織を形成する細胞コロニーが培養される。そして、目的の組織を形成する際には、各培養部20,30,40によって培養された細胞コロニーの品質が評価される。
具体的には、各培養部20,30,40における培養容器2が撮像装置50に搬送され、撮像装置50において培養容器2内の各ウェルWの画像が撮像される(S20)。そして、撮像装置50によって撮像された各ウェルWの画像は、細胞配置決定装置60の細胞品質評価部61に入力され、細胞品質評価部61は、各ウェルWの画像に基づいて、各ウェルの品質の評価値を算出する(S22)。
細胞品質評価部61において算出された各ウェルWの評価値は分類付与部62に出力され、分類付与部62は、入力された各ウェルWの評価値に基づいて各ウェルWに対してランクを付与し、各ウェルWの位置情報と各ウェルWのランクとを対応づけたテーブルを生成する(S24)。
次に、細胞配置決定部63において、分類付与部62において各ウェルWに付与されたランクに基づいて、各ランクの細胞コロニーの配置方法が決定される(S26)。
そして、制御部64において、細胞配置決定部63において決定された各ランクの細胞コロニーの配置方法と、各ウェルWの位置情報と各ウェルWのランクとを対応づけたテーブルとに基づいて制御信号が生成され、その制御信号が細胞配置装置90に出力される。細胞配置装置90は、入力された制御信号に基づいて各ウェルWから各ランクの細胞コロニーを採取し、プレート上に移動させて配置させる(S28)。
なお、上記実施形態の組織形成システム1においては、細胞品質評価部61における評価結果に基づいて評価値を算出し、その評価値に基づいてランク付けを行うようにしたが、たとえば細胞品質評価部61において細胞コロニーの色味を評価する場合には、分類付与部62においてランク付けを行うことなく、色毎の分類を付与するようにしてもよい。
たとえば皮膚のシートの生産を考えた場合、培養された細胞コロニーには、赤味が強いものや黄色味が強いものなどが存在し、色味のばらつきが生じ得る。この場、同色系統の細胞コロニーを凝集して配置した場合、皮膚の色ムラが生じるため好ましくない。
そこで、上述したように分類付与部62において各ウェルWに色毎の分類を付与し、たとえば同色系統のウェルWの細胞コロニーが分散配置されるように配置方法を決定するようにすればよい。具体的には、たとえば図5Iまたは図5IIに示す分散の配置パターンを用いて同色系統のウェルWの細胞コロニーの配置方法を決定するようにすればよい。この場合も、1つの同色系統のウェルWの細胞コロニーを優先的に分散配置した後、残りの色系統のウェルWの細胞コロニーをランダムに配置するようにしてもよい。
また、上記実施形態の組織形成システム1においては、細胞配置装置90によって細胞コロニーをプレート上に自動的に配置するようにしたが、これに限らず、ユーザが手動で細胞コロニーをプレート上に配置するようにしてもよい。この場合、ユーザは、たとえば表示装置80に表示された各ランクの細胞コロニーの配置方法を参照するようにすればよい。なお、この場合、表示制御部65が本発明の報知部に相当するものである。
また、ユーザが手動で細胞コロニーをプレート上に配置する場合、各ランクの細胞コロニーの配置方法を示す光をプレート上に照射し、その光を参照してユーザが各ランクの細胞コロニーを配置するようにしてもよい。図8は、各ランクの細胞コロニーの配置方法を示す光をプレート上に照射する配置位置照明装置100を設けた組織形成システム3の概略構成を示すものである。図8の組織形成システム3においては、制御部64が、細胞配置決定部63によって決定された細胞コロニーの配置方法に基づいて制御信号を生成して配置位置照明装置100に出力し、配置位置照明装置100は、入力された制御信号に基づいて、プレート上に細胞コロニーの配置方法を示す光を照射する。具体的には、配置位置照明装置100は、たとえばランク毎に異なる色の光でプレート上を照射したり、または各ランクを表す文字や記号などを投影する光をプレート上に照射したりする。なお、この場合、制御部64が本発明の報知部に相当するものである。
また、上記実施形態の組織形成システム1,2においては、細胞コロニーを2次元的に配置する場合について説明したが、細胞コロニーを3次元的に配置するようにしてもよい。細胞コロニーを3次元的に配置する場合、上述した2次元の細胞コロニーの配置方法の決定をZ軸方向(厚さ方向)に繰り返して行うようにしてもよいし、3次元の細胞コロニーの配置パターンを予め記憶しておいたり、自動生成したりしてもよい。
また、上記実施形態の組織形成システム1,2においては、培養容器2の各ウェルWを細胞培養単位としたが、たとえば培養容器2またはウェルW内の個々の細胞コロニーや個々の細胞を細胞培養単位としてもよい。すなわち、細胞コロニー毎または細胞毎に品質を評価してランクを付与し、そのランクに基づいて配置方法を決定するようにしてもよい。
また、培養容器2を細胞培養単位としてもよく、上記実施形態においては、培養容器2として4行6列のウェルを備えたウェルプレートを用いるようにしたが、ウェルの個数はこれに限られない。また、ウェルプレートに限らず、パック、フラスコまたはタンクなどの浮遊培養用の培養容器でもよい。浮遊培養を行う場合には、たとえば培養容器に接続された流路を流れる細胞の画像を撮像するようにしてもよい。この場合、培養容器毎に品質を評価してランクを付与し、そのランクに基づいて培養容器内の細胞コロニーや細胞の配置方法を決定するようにすればよい。
1,2 組織形成システム
2 培養容器
10 細胞培養装置
11 制御部
20,30,40 第1〜第3の培養部
21,31,41 ステージ
22,32,42 搬送部
50 撮像装置
51 光学系
52 制御部
60 細胞配置決定装置
61 細胞品質評価部
62 分類付与部
63 細胞配置決定部
64 制御部
65 表示制御部
70 入力装置
80 表示装置
90 細胞配置装置
100 配置位置照明装置

Claims (20)

  1. 細胞を培養する単位である細胞培養単位毎の画像に基づいて、前記細胞培養単位毎の細胞の品質を画像評価する細胞品質評価部と、
    前記細胞培養単位毎の画像評価の結果に基づいて、該各細胞培養単位に対して前記細胞の品質を順位づけるランクである分類を付与する分類付与部と、
    前記各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類に基づいて、前記分類が各々付与された前記細胞培養単位を前記分類毎に予め定めた割合で該各細胞培養単位の細胞の2次元的または3次元的な配置方法を決定する細胞配置決定部と
    備えた細胞配置決定装置。
  2. 前記細胞配置決定部が、複数の前記細胞培養単位のうち前記ランクが相対的に高い前記細胞培養単位の細胞から優先して配置を決定する請求項記載の細胞配置決定装置。
  3. 前記細胞配置決定部が、前記ランクが相対的に高い前記細胞培養単位の細胞を分散させて配置する請求項記載の細胞配置決定装置。
  4. 前記細胞配置決定部が、前記ランクが相対的に高い前記細胞培養単位の細胞を規則的に配置する請求項または請求項3記載の細胞配置決定装置。
  5. 前記細胞配置決定部が、前記ランクが相対的に高い前記細胞培養単位の細胞を不規則に配置する請求項または請求項3記載の細胞配置決定装置。
  6. 前記細胞配置決定部が、前記ランクが相対的に高い前記細胞培養単位の細胞を凝集させて配置する請求項記載の細胞配置決定装置。
  7. 前記細胞配置決定部が、複数の前記細胞培養単位のうち前記ランクが相対的に低い前記細胞培養単位の細胞から優先して配置を決定する請求項記載の細胞配置決定装置。
  8. 前記細胞配置決定部が、前記ランクが相対的に低い前記細胞培養単位の細胞を分散させて配置する請求項記載の細胞配置決定装置。
  9. 前記細胞配置決定部が、前記ランクが相対的に低い前記細胞培養単位の細胞を規則的に配置する請求項または請求項8記載の細胞配置決定装置。
  10. 前記細胞配置決定部が、前記ランクが相対的に低い前記細胞培養単位の細胞を不規則に配置する請求項または請求項8記載の細胞配置決定装置。
  11. 前記細胞配置決定部が、前記ランクが相対的に低い前記細胞培養単位の細胞を凝集させて配置する請求項記載の細胞配置決定装置。
  12. 前記細胞配置決定部が、前記細胞培養単位で培養される細胞から構成される組織の情報を取得し、該取得した組織の情報に基づいて、前記細胞培養単位の細胞の配置方法を決定する請求項1から請求項11のいずれか1項記載の細胞配置決定装置。
  13. 前記細胞配置決定部によって決定された配置方法に基づいて、前記細胞培養単位の細胞を2次元的または3次元的に配置する制御信号を細胞配置装置に出力する制御部を備えた請求項1から請求項12のいずれか1項記載の細胞配置決定装置。
  14. 前記細胞配置決定部によって決定された配置方法を報知する報知部を備えた請求項1から請求項13のいずれか1項記載の細胞配置決定装置。
  15. 前記報知部が、前記細胞配置決定部によって決定された配置方法を表示させる請求項14記載の細胞配置決定装置。
  16. 前記報知部が、前記細胞配置決定部によって決定された配置方法を示す光を照射させる請求項14記載の細胞配置決定装置。
  17. 前記細胞配置決定部が、予め設定された配置パターンと、前記各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類とに基づいて、前記2次元的または3次元的な配置方法を決定する請求項1から請求項16のいずれか1項記載の細胞配置決定装置。
  18. 前記細胞配置決定部が、自動的に生成した配置パターンと、前記各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類とに基づいて、前記2次元的または3次元的な配置方法を決定する請求項1から請求項16のいずれか1項記載の細胞配置決定装置。
  19. 細胞を培養する単位である細胞培養単位毎の画像に基づいて、前記細胞培養単位毎の細胞の品質を画像評価し、
    該細胞培養単位毎の画像評価の結果に基づいて、該各細胞培養単位に対して前記細胞の品質を順位づけるランクである分類を付与し、
    該各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類に基づいて、前記分類が各々付与された前記細胞培養単位を前記分類毎に予め定められた割合で該各細胞培養単位の細胞の2次元的または3次元的な配置方法を決定する
    細胞配置決定方法。
  20. 細胞を培養する単位である細胞培養単位毎の画像に基づいて、前記細胞培養単位毎の細胞の品質を画像評価する細胞品質評価部と、
    前記細胞培養単位毎の画像評価の結果に基づいて、該各細胞培養単位に対して前記細胞の品質を順位づけるランクである分類を付与する分類付与部と、
    前記各細胞培養単位にそれぞれ付与された分類に基づいて、前記分類が各々付与された前記細胞培養単位を前記分類毎に予め定められた割合で該各細胞培養単位の細胞の2次元的または3次元的な配置方法を決定する細胞配置決定部としてコンピュータを機能させることを特徴とする細胞配置決定プログラム。
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