JP2013202016A - 細胞配置装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の培養細胞を非侵襲的に剥離し組み合わせて再配置することで細胞ネットワークの空間パターンを構築し再培養する装置および方法の提供。
【解決手段】培養皿の底面に溶液のカルシウムイオンの濃度の違いによって重合・脱重合の変化を行う高分子ゲルを薄層状にコーティングし、かつ、1細胞単位で細胞を培養するチャンバーをその上面に配置することで、1細胞単位で細胞培養ができ、かつ、カルシウムイオンのキレート剤を、回収したい細胞のチャンバー位置に作用させることで、1細胞単位の局所に培養細胞を剥離回収する装置ならびに方法。
【選択図】なし
【解決手段】培養皿の底面に溶液のカルシウムイオンの濃度の違いによって重合・脱重合の変化を行う高分子ゲルを薄層状にコーティングし、かつ、1細胞単位で細胞を培養するチャンバーをその上面に配置することで、1細胞単位で細胞培養ができ、かつ、カルシウムイオンのキレート剤を、回収したい細胞のチャンバー位置に作用させることで、1細胞単位の局所に培養細胞を剥離回収する装置ならびに方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、複数の培養細胞を非侵襲的に剥離し組み合わせて再配置することで細胞ネットワークの空間パターンを構築し再培養する装置および方法に関する。
多細胞生物の組織から採取し初代培養した細胞には様々な種類の細胞が混在している。このように組織中、培養液中の特定の細胞を同定することは、生物学・医学的な分析においては重要な技術であるため、さまざまな方法が開発されているが、特に、細胞の形状の違いがほとんど無い場合には、蛍光抗体で染色した情報あるいは目視の情報を基に細胞を1つ1つ識別する必要があった。この技術については、例えば、近年、定量化イメージングサイトメトリー(Quantitative Imaging Cytometry)という技術として研究開発が進んでいる(非特許文献1:Harnett, M., “Laser scanning cytometry: understanding the immune system in situ. Nature Review Immunology, Vol. 7, pp. 897-904 (2007))。このイメージングサイトメトリーは、従来の光学顕微鏡のイメージング法とサイトメトリーの概念を融合したもので、従来の組織のランダムな顕微鏡イメージングから、細胞形状や蛍光標識などの特定のインデックスについて基準値を設けて、組織中のすべての細胞を計測して統計処理するものである。しかし、これらを一旦培養皿上で培養すると、上記観察手法で目的の細胞を見出しても特定の細胞のみ剥離し再培養することは難しい。
現状として癌細胞や線維芽細胞をはじめとする株化した細胞は、自身の増殖性のため培養皿から剥離し、継代、維持を行っている。この剥離には蛋白分解酵素であるトリプシンや、細胞外基質であるコラゲナーゼ等の酵素を用いる。しかしながら、このような細胞剥離剤は細胞にとって傷害性が高く一般的に組織から採取し培養した初代培養細胞の剥離は不可能である。そのため、一旦培養し,目的の細胞が見つかったとしてもそれを回収し再利用することは難しい。
近年、再生医療の分野において組織の中から幹細胞を分離,あるいはES細胞を培養・分化し、臓器を再生する試みがなされている。しかし,培養皿上で分化した細胞を移植のように利用するためには非侵襲的に剥離することが必須になる。培養皿上で一旦分化した細胞を非侵襲的に剥離する技術が発展することで生理学的な細胞の性質、神経で例えるならば、発火頻度や興奮性・抑制性細胞、心筋細胞ならば、拍動周期の異なる細胞を一度確認した後回収し、再利用することが可能になる。培養液中の特定の細胞を分離し回収することは生物学・医学的な分析においては重要な技術である。
この培養中の細胞を非侵襲的に剥離・回収する技術の一例としてポリN-イソプロピルアクリルアミド(PIPAAm)がある(特許文献1:特開2006-238707,特許文献2:特開2000-219708,特許文献3:特開2000-219709, 非特許文献2:J R Soc Interface. 6 Suppl 3:S293-309 (2009))。この物質は培養する温度である37℃付近では疎水性の性質を20℃付近では親水性の性質を持つ物質である。PIPAAmを培養皿にコーティングし、細胞培養したものを30分程度20℃付近に温度変化させることにより、細胞を非侵襲的に剥離することに成功している。この物質をコーティングしたシャーレでは酵素を使うこと無しに細胞を剥離できるため、細胞間同士の結合も外すことなくシャーレ上から回収することができる。そのため、細胞同士が結合した細胞シートを作製回収することが可能になる。これは初代培養された細胞や幹細胞から分化した様々な細胞を回収することが可能になることを意味する。しかし、この手段で細胞を剥がすとなると培養皿全体を冷やすことになる。そのため、培養皿中の細胞を全て剥がすことになり、目的の細胞のみを回収するまでに至っていない。さらに、線虫から採取した細胞のように、20℃で培養する細胞等の場合は培養すら不可能である。今後、再生医療の発展に伴い必要な細胞を一細胞単位から性質が揃った細胞を非侵襲的に回収する技術の需要は高まりつつあるため、新たな技術開発が必要である。
発明者らは、上記課題を解決するための基板の底面に溶液のカルシウムイオンの濃度の違いによって重合・脱重合の変化を行う高分子ゲルを薄層状にコーティングし、かつ、1細胞単位で細胞を培養するチャンバーをその上面に配置することで、1細胞単位で細胞培養ができ、かつ、カルシウムイオンのキレート剤を、回収したい細胞のチャンバー位置に作用させることで、1細胞単位の局所に培養細胞を剥離回収する一連の装置ならびに方法を発明し、1細胞単位での細胞回収、および再培養技術を可能にしている(特許文献4:WO2011/102385)。
Harnett, M., "Laser scanning cytometry: understanding the immune system in situ. Nature Review Immunology, Vol. 7, pp. 897-904 (2007)
Nagase K, Kobayashi J, Okano T. J R Soc Interface. 6 Suppl 3:S293-309 (2009)
本発明者らは、培養中の特定の細胞を一細胞単位から非侵襲的に、かつ任意の培養温度を維持しながら温度変化を与えることなく回収する非侵襲的培養細胞剥離装置ならびに非侵襲的培養細胞剥離法を提供するために、培養皿の底面に溶液のカルシウムイオンの濃度の違いによって重合・脱重合の変化を行う高分子ゲルを薄層状にコーティングし、1細胞単位で細胞を培養するチャンバーをその上面に配置し、そのチャンバー内で1細胞単位で細胞培養をした後、カルシウムイオンのキレート剤を、回収したい細胞のチャンバー位置に作用させることで、1細胞単位の局所に培養細胞を剥離回収する装置ならびに方法の開発を行ってきた。選択的に特定の細胞を1細胞レベルで回収できる細胞回収技術を有効に活用するためには、細胞状態を解析する技術と、細胞観察をして定量的に閾値を設けて、その閾値の値に応じて細胞を回収する技術の開発にも成功している。さらに複雑な細胞ネットワーク配置を持った構成的な細胞集団を培養し計測すること、あるいは、1細胞単位で細胞電位等を計測する技術についても開発に成功している。
生体組織から分離した初代細胞を培養皿に培養し、表現型を観察できる状態まで分化した細胞は通常の培養方法では非侵襲的に剥がすことが非常に困難である。そのため、細胞の生理学的な解析はできても、それらを別な用途に再利用するため剥離する研究は未だなされていない。この問題は再生医療研究に大きく関わってくる。
胚性幹細胞(ES細胞)や誘導多能性幹細胞(iPS細胞)は、通常、神経細胞や心筋細胞などの分化細胞に誘導させるためには培養皿上に接着することで行っている。そのため、培養皿上で分化した細胞を移植するためには非侵襲的に剥離する必要がある。また、分化した細胞は一種類の細胞のみに分化するわけではなく、様々なタイプの細胞に分化することが知られている。そのため、必要な細胞を確認しながら一細胞単位から、非侵襲的に回収する必要がある。また、細胞はその種類の違いによって、培養する温度条件が異なっており、かつ、細胞によっては温度変化を与えることが細胞の状態を変化させる可能性があることから、どのような温度環境でも培養を行うことができ、かつ、細胞を回収するときにも、この温度を保ったままで細胞回収が出来ることが望ましい。また、このように幹細胞から分化させた細胞は、特にヒト細胞については、これを適切に組織モデルとして構築することができれば、ヒト個体では実現できなかった、早期での創薬スクリーニングや疾病のメカニズムの解明に効果的に利用できる可能性を持っているが、ここで重要なことは、臓器内の組織がヘテロな異種細胞が緻密に組み合わされた構造をいかにしてチップ上に構成的に構築するかという問題を解決する手法の開発である。
このように培養中の特定のターゲットとする細胞を同定して、かつ、一細胞単位から非侵襲的に、かつ任意の培養温度を維持しながら温度変化を与えることなく回収することが求められている。また、同定あるいは回収した細胞を、1細胞レベルで空間配置を厳密に行って細胞間ネットワークを構成的に構築することが求められている。
また、特定のターゲット細胞を選択的に回収するためには、ターゲットとなる細胞を識別する細胞観察要素であるサイトメトリー技術と細胞に対して非侵襲な細胞回収要素が融合した技術が求められている。
このような状況に鑑み、本発明は、以下の細胞培養装置、細胞培養装置の製造方法、非侵襲的培養細胞剥離法、選択的な培養細胞の回収・再培養方法および培養細胞を提供する。
[1](i)基板上に形成されたゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルを含む細胞培養担体層およびその上に形成された1細胞単位での細胞培養を可能にする容積を有するマイクロチャンバーを1個備えた、1個またはそれ以上の非侵襲的剥離用培養チップを用いて第1の培養皿において細胞を培養する工程、
(ii)上記細胞の培養状態を観察し、所望の細胞を含む上記非侵襲的剥離用培養チップを選択する工程、
(iii)光学顕微鏡下で操作して上記選択した培養チップを上記第1の培養皿から取り出し、上記チップを培養液を含んだ第2の培養皿の所望の位置に対して浸積し、ゾル化剤を適用して上記担体層をゾル化して該担体層から上記細胞を剥離することによって、上記細胞を上記第2の培養皿の所望の位置に配置する工程、ならびに
(iv)工程(i)〜(iii)、または工程(ii)および(iii)を所望回繰り返す工程
を含む、細胞配置方法(method for arranging cells)。
[2]上記ゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルが、アルギン酸カルシウムまたはアルギン酸マグネシウムゲルを含むアルギン酸ゲルであり、上記ゾル化剤がカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンのキレート剤である、上記[1]に記載の細胞配置方法。
[3]上記マイクロチャンバーが、上記担体層の表面に形成されたアガロース層の一部を除去することによって形成されたものである、上記[1]または[2]に記載の細胞配置方法。
[4]上記非侵襲的剥離用培養チップが、細胞電位を計測することができる電極または複数の電極のアレイを、上記チップの上記基板表面と上記細胞担体層との間にさらに備え、
上記工程(ii)において、上記電極を用いて上記細胞の細胞電位を測定し、該測定した細胞電位に基づいて上記所望の細胞を選択することを含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の細胞配置方法。
[5]細胞ネットワークを構築するために使用される、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の細胞配置方法。
[6]上記[5]に記載の方法により作製された細胞ネットワーク(cellular network)。
[7]上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の方法に用いるための細胞配置装置システムであって、
基板の表面に形成された、ゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルを含む細胞培養担体層を備え、1細胞単位での細胞培養を可能にする容積を有するマイクロチャンバーが上記細胞培養担体層上に1個設けられた、1個またはそれ以上の非侵襲的剥離用培養チップと、
上記非侵襲的剥離用培養チップを用いて細胞を培養するための第1の培養皿と、
上記第1の培養皿で培養された上記チップ上の上記細胞の中から選択された細胞を再培養するための第2の培養皿と、
上記選択された細胞を上記第2の培養皿へ移動させるために、上記第2の培養皿上の配置すべき上記細胞の位置を光学的に確認して制御するための光学顕微鏡を含む光学装置と、
上記非侵襲的剥離用培養チップの上記細胞培養担体層をゾル化するために、ゾル化剤を上記第2の培養皿へ導入する手段と
を備える、細胞配置装置システム(device system for arranging cells)。
[8]上記ゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルが、アルギン酸カルシウムまたはアルギン酸マグネシウムゲルを含むアルギン酸ゲルであり、上記ゾル化剤がカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンのキレート剤である、上記[7]に記載の細胞配置装置システム。
[9]上記マイクロチャンバーが、上記担体層の表面に形成されたアガロース層の一部を除去することによって形成されたものである、上記[7]または[8]に記載の細胞配置装置システム。
[10]細胞電位を計測することができる電極または複数の電極のアレイを、上記チップの上記基板表面と上記細胞担体層との間にさらに備える、上記[7]〜[9]のいずれか一項に記載の細胞配置装置システム。
[11]細胞ネットワークを構築するために使用される、上記[7]〜[10]のいずれか一項に記載の細胞配置システム。
[1](i)基板上に形成されたゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルを含む細胞培養担体層およびその上に形成された1細胞単位での細胞培養を可能にする容積を有するマイクロチャンバーを1個備えた、1個またはそれ以上の非侵襲的剥離用培養チップを用いて第1の培養皿において細胞を培養する工程、
(ii)上記細胞の培養状態を観察し、所望の細胞を含む上記非侵襲的剥離用培養チップを選択する工程、
(iii)光学顕微鏡下で操作して上記選択した培養チップを上記第1の培養皿から取り出し、上記チップを培養液を含んだ第2の培養皿の所望の位置に対して浸積し、ゾル化剤を適用して上記担体層をゾル化して該担体層から上記細胞を剥離することによって、上記細胞を上記第2の培養皿の所望の位置に配置する工程、ならびに
(iv)工程(i)〜(iii)、または工程(ii)および(iii)を所望回繰り返す工程
を含む、細胞配置方法(method for arranging cells)。
[2]上記ゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルが、アルギン酸カルシウムまたはアルギン酸マグネシウムゲルを含むアルギン酸ゲルであり、上記ゾル化剤がカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンのキレート剤である、上記[1]に記載の細胞配置方法。
[3]上記マイクロチャンバーが、上記担体層の表面に形成されたアガロース層の一部を除去することによって形成されたものである、上記[1]または[2]に記載の細胞配置方法。
[4]上記非侵襲的剥離用培養チップが、細胞電位を計測することができる電極または複数の電極のアレイを、上記チップの上記基板表面と上記細胞担体層との間にさらに備え、
上記工程(ii)において、上記電極を用いて上記細胞の細胞電位を測定し、該測定した細胞電位に基づいて上記所望の細胞を選択することを含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の細胞配置方法。
[5]細胞ネットワークを構築するために使用される、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の細胞配置方法。
[6]上記[5]に記載の方法により作製された細胞ネットワーク(cellular network)。
[7]上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の方法に用いるための細胞配置装置システムであって、
基板の表面に形成された、ゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルを含む細胞培養担体層を備え、1細胞単位での細胞培養を可能にする容積を有するマイクロチャンバーが上記細胞培養担体層上に1個設けられた、1個またはそれ以上の非侵襲的剥離用培養チップと、
上記非侵襲的剥離用培養チップを用いて細胞を培養するための第1の培養皿と、
上記第1の培養皿で培養された上記チップ上の上記細胞の中から選択された細胞を再培養するための第2の培養皿と、
上記選択された細胞を上記第2の培養皿へ移動させるために、上記第2の培養皿上の配置すべき上記細胞の位置を光学的に確認して制御するための光学顕微鏡を含む光学装置と、
上記非侵襲的剥離用培養チップの上記細胞培養担体層をゾル化するために、ゾル化剤を上記第2の培養皿へ導入する手段と
を備える、細胞配置装置システム(device system for arranging cells)。
[8]上記ゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルが、アルギン酸カルシウムまたはアルギン酸マグネシウムゲルを含むアルギン酸ゲルであり、上記ゾル化剤がカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンのキレート剤である、上記[7]に記載の細胞配置装置システム。
[9]上記マイクロチャンバーが、上記担体層の表面に形成されたアガロース層の一部を除去することによって形成されたものである、上記[7]または[8]に記載の細胞配置装置システム。
[10]細胞電位を計測することができる電極または複数の電極のアレイを、上記チップの上記基板表面と上記細胞担体層との間にさらに備える、上記[7]〜[9]のいずれか一項に記載の細胞配置装置システム。
[11]細胞ネットワークを構築するために使用される、上記[7]〜[10]のいずれか一項に記載の細胞配置システム。
本発明により、培養細胞を一細胞単位から選択的に非侵襲的に培養皿または基板から剥離し再利用することを実現できる。
また、本発明により、再利用すべき培養細胞を効率的に選別、回収することができる。また、特定の細胞を細胞配置をすることで希望する細胞の組み合わせからなる細胞ネットワークを構築することができる。
本発明は、一実施形態において、細胞培養装置を提供する。この細胞培養装置は、培養皿(culture plate)と、その培養皿の表面に形成された、ゾル化剤によってゾル化可能な高分子ゲルを含む細胞培養担体層(cell culture carrier layer)とを備える。
本発明のさらなる実施形態では、上記の担体層の上部表面に形成されたアガロース層(agarose layer)をさらに備える。この実施形態では、このアガロース層の一部が除去されることによって、1細胞単位での細胞培養を可能にする容積を有するマイクロチャンバーおよび該マイクロチャンバーから伸びるマイクロチャネルが形成されている。
本発明において使用される「高分子ゲル」には、典型的には、EDTAあるいはEGTAなどの金属イオンのキレート剤によって金属イオンをキレートすることでゾル化する高分子ゲル、すなわち、例えば、アルギン酸カルシウムゲル、アルギン酸マグネシウムゲル等のアルギン酸ゲルが含まれるがこれらに限定されない。不溶化(または変性)されたアルギン酸ゲルには、例えば、アルギン酸ポリリジンゲルが含まれる。
アルギン酸ゲルの「ゾル化剤」には、金属イオンのキレート剤として、例えば、カルシウムイオンのキレート剤(例:EDTA・2Na、EGTA、NTA(Nitrilo Triacetic Acid)、クエン酸、フィチン酸等)(特に、アルギン酸カルシウムゲルの場合)、マグネシウムイオンのキレート剤(例:EDTA・2Na)(特に、アルギン酸マグネシウムゲルの場合)が含まれるが、これらに限定されない。
高分子ゲルまたはアルギン酸ゲルの「不溶化剤」または「変性剤」には、例えば、ポリリジン(ポリ-L-リジン:PLL)などのカチオン性試薬、および酸性試薬(アルギン酸より強酸の試薬)が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の細胞培養装置は、例えば、細胞接着基質(cell adhesive substrate)を混ぜたアルギン酸ナトリウムに塩化カルシウム溶液を作用させて薄層のアルギン酸カルシウムゲルを培養皿上に作成することで作製することができる。本発明のさらなる実施形態の細胞培養装置では、そのアルギン酸カルシウムゲル層の上に、さらにアガロースゲルの薄膜を積層・密着させ、アガロース層の一部を目的とする細胞培養に適した形状に局所的に除去して、細胞接着基質を混ぜたアルギン酸カルシウムをむき出しにしてマイクロチャンバーおよびそれから伸びるマイクロチャネルを構築する。したがって、本発明はまた、一実施形態において、細胞培養装置の製造方法を提供する。
本発明においては、アガロース層を局所的に溶解させることによって、細胞を配置するためのチャンバーを構築する。本発明によれば、水の吸収がある波長の集束赤外光をアガロース層に照射してその温度変化によってゲル状態のアガロースをゾル状態にし、光学的に、その位置を確認しながらゾル状態にするアガロース領域を指定してチャンバーを構築することができる。
本発明はまた、培養細胞の非侵襲的剥離方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、培養皿の上にコーティングされたアルギン酸層のみ(アガロースゲル層なし)を用いて細胞を分散培養して組織化した集団細胞群を作成し、これを剥離することで、シート上の細胞を簡便に非侵襲的に回収する方法を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、アルギン酸層の上にアガロースゲル層を設け、そのアガロースゲル層の一部を除去してマイクロチャンバーとマイクロチャネルとを形成し、そのマイクロチャンバーおよびマイクロチャネル中で神経細胞を培養させることで神経ネットワークを人工的に作成した培養神経細胞を、ネットワークの形状を維持しながら非侵襲的に剥離し再利用する方法を提供する。
より具体的には、本発明は、培養皿の表面に形成したアルギン酸シート上のアガロース層を赤外集束光にて一部溶解し、一定の形のチャンバーおよびチャネルを形成して、その中で神経細胞を培養することにより神経細胞の分化程度を明らかにした上での非侵襲剥離方法を提供する。具体的には、一細胞がちょうど接着できる直径約50μm程度、アガロースを溶かして小規模のチャンバーを作成し(以下、マイクロチャンバーと呼ぶ)、追加工として神経の突起が直線上に伸張できる程度の幅約10μm長さ約100μm程度の溝(以下、マイクロチャネルと呼ぶ)をマイクロチャンバーにつなげるように作成(以下、パターニングと呼ぶ)し、パターニングした箇所に細胞を載せ、しばらく培養を続けるとマイクロチャネルに沿って神経突起が伸張してくることから、その様子を確認し剥離することで選択的剥離方法を提供する。
本発明の一実施形態における細胞培養装置のマイクロチャンバー内で、1細胞単位で細胞培養をし、細胞の状態を光学的あるいは電気的に観察する手段によって観察し、その観察結果に基づいて1つのチャンバー単位でゾル化剤(例:カルシウムイオンのキレートを行うことができる薬剤)を添加した溶液を添加することでアルギン酸ゲル(例:アルギン酸カルシウムゲル)層をゾル化し、下層がゾル化されたことによって浮遊した目的細胞を回収することによって、培養細胞を非侵襲的に単離することができる。
すなわち、例えば、培養皿の底面に溶液のカルシウムイオンの濃度の違いによって重合・脱重合の変化を行う高分子ゲルを薄層状にコーティングし、かつ、1細胞単位で細胞を培養するチャンバーをその上面に配置することで、1細胞単位で細胞培養ができ、かつ、カルシウムイオンのキレート剤(例:EDTA・2Na、EGTA、NTA (Nitrilo Triacetic Acid)、クエン酸、フィチン酸等)を、回収したい細胞のチャンバー位置に作用させることで、1細胞単位の局所に培養細胞を剥離回収することができる。
さらに、本発明によれば、一細胞から数細胞を同時に回収できる程度の内径を持つ中空のマイクロニードルを用意し、ニードル内を、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA・2Na)入りの培養液で満たし、この培養液中のEDTA・2Naによってアルギン酸カルシウムゲル内のカルシウムをキレーティングすることによりゾル化させることができることから、培養数日後、接着し、光学的あるいは電気的計測手法によって表現型が明らかになった細胞を対象に、上記のEDTA・2Na入り培地をマイクロニードルによって局所的に吹きかけることでチャンバー単位で、局所的に培養細胞の足場となっているアルギン酸カルシウムをゾル化することで、非侵襲的に目的の細胞のみを剥離させることができる。
さらに、本発明においては、培養細胞の足場となっているアルギン酸カルシウムがゾル化したことによって浮遊した細胞をマイクロニードルによって回収し、別な細胞培養皿に移すことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲がこれらの実施形態に限定されるものではない。
図1は、培養細胞非侵襲的剥離に使用する本発明の細胞培養装置の構成の一例を概念的に示す図である。図1Aは、培養皿に薄膜状の細胞接着基質201を混ぜ込んだアルギン酸ゲル(例:アルギン酸カルシウムゲルまたはアルギン酸マグネシウムゲル)を培養皿101に作成した細胞培養装置の例を示す。図1Bは、培養皿101の上に敷かれた細胞接着基質201の上にアガロースシート301をコーティングし、局所加熱により一部アガロースが溶けたマイクロパターニングされた培養皿からなる細胞培養装置の例を示す。細胞接着基質201は培養する細胞によって変更可能である。本発明において使用されうる細胞接着基質としては、例えば、ポリリジンやポリエチレンイミン等のカチオン性試薬、コラーゲン、ビトロネクチン、ラミニン、フィブロネクチン、レクチン等がある。ただし、アルギン酸ゲルはポリリジン(ポリ-L-リジン:PLL)などのカチオン性試薬や酸性試薬(アルギン酸より強酸の試薬)を混ぜ込むとEDTA・2Naのようなキレート剤によってゾル化しなくなる。そのためマイクロコンタクトプリンティング法などにより、不溶化する領域を広域のシート状にせず、一細胞程度が接着できる微小な区域をタイル上に作製することで細胞をアルギン酸シート上で培養しつつも一細胞毎にキレート剤で剥離できるような工夫を施す(図7〜9を参照)。また、その他の接着基質としては、アルギン酸ゲルを変性させにくい試薬(例:中性化したコラーゲンtype IV、ビトロネクチン、ラミニン、フィブロネクチン、レクチン等)を混ぜ込むことが好ましい。また、201は細胞結合ドメインであるアルギニン-グリシン-アスパラギン酸からなるタンパク質をアルギン酸とクロスリンクさせる事で接着能を上げたアルギン酸を使用しても良い。マイクロチャンバー302とマイクロチャネル303は図2に示すアガロース加工を行う装置によって作製する。
図2は、本発明の細胞培養装置のアガロース層の加工を行う際のアガロース加工装置の全体構成の模式図である。アガロース加工装置は、1480nmのラマンファイバーレーザー発生器501、レーザーシャッター702、ダイクロイックミラー703、対物レンズ701、ミラー706、CCDカメラ704、xyステージ601から構成される。ラマンファイバーレーザー発生器501より発生したラマンファイバーレーザー502がダイクロイックミラー703で反射し、対物レンズ701で集束される。集束された1480nmレーザー集束光503によって非侵襲剥離用ディッシュ401上のアガロースを局所加熱しマイクロチャンバー302とマイクロチャネル303を作成する。マイクロチャンバー302、およびマイクロチャネル303の作成は、ラマンファイバーレーザー発生器501のレーザーの出力ならびに対物レンズ701の倍率、シャッター702のシャッタースピードを変更し、レーザー集束光503の出力ならびに焦点半径、照射時間を変更することによって行い、それにより様々な形状に加工することができる。マイクロチャネル303は照射光503を照射し続けながらxyステージ601を移動することで作成することができる。対物レンズ701、ミラー706、CCDカメラ704を利用して撮影像705を観察しながらこのような加工を行う。シャッター702、およびxyステージ601をコンピュータで自動制御することにより、自動的に加工することもできる。
図3は、非侵襲剥離培養皿上での細胞培養から、細胞剥離、細胞回収、再培養の一連のステップを経時的に示した模式図である。まず、ステップ1として、非侵襲剥離用培養皿401上で細胞培養を開始する。アガロースシート301上には細胞は接着せず細胞接着基質のアルギン酸シート201上に細胞が接着する。数日培養後、細胞が分化し、表現型を表したところで、ステップ2として、EDTA入り培地1001をマイクロニードル901によって目的細胞付近に吹きかけることで細胞801下の細胞接着基質のアルギン酸シート201を局所的にゾル化させる。それにより、接着・分化していた細胞を非侵襲的に剥離する。ステップ3としてステップ2で使用したマイクロニードル901によって回収する。ステップ3にて回収した細胞は、ステップ4として別の培養皿に移すことにより、再培養を行う。ステップ4の再培養としては培養皿以外にも生体組織にそのまま移植しても良い。
図4は、図3における行程を実際に行い観察した結果を示す図である。図4では上段(A1, A2)にて細胞をアガロースゲル層のない非侵襲培養皿にて分散培養後の剥離・再培養の様子を示し、下段(B1, B2)にてアガロース層を備える培養皿においてアガロース加工後マイクロチャンバー・マイクロチャネル上で培養した細胞の非侵襲的剥離・回収・再培養の様子を時系列に撮影したものである。再培養は、剥離30分後から接着している様子が観察される。
図5は培養細胞の生理学的性質を解析した上で特徴のある細胞のみを剥離・回収する行程を自動化した装置システムの概略図を表したものである。XYステージ601上に非侵襲細胞剥離用培養皿401ならびに細胞回収用培養皿402を用意し、CCDカメラ704、制御用パソコン2001を用いて細胞集団の生理学的特徴抽出を行った上でアルギン酸溶解液吐出用マイクロピペット902で目的の細胞の近傍に溶解液を吐出して局所的に目的の細胞を剥離し、細胞回収用マイクロピペット903にて剥離した目的の細胞を回収する。なお、図示していないが、本発明の装置システムは、XYステージ601上の培養皿中の細胞を観察するための光学顕微鏡系を備えており、CCDカメラ704はその光学顕微鏡系に光学的に接続されている。本発明において使用しうる光学顕微鏡としては、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、明視野顕微鏡、暗視野顕微鏡、走査型光学顕微鏡等が含まれるが、これらに限定されない。
回収された細胞は細胞回収培養皿402にて再培養を行う。この作業に必要なCCDによる細胞画像解析、XYステージの制御、アルギン酸溶解液吐出の制御、細胞回収を制御用パソコン2001にて自動で行う。これにより細胞の形状、細胞周期、細胞コロニー解析(ヘキスト試薬等の細胞呈色試薬や、走査型共焦点ラマン分光による細胞内分子の空間分布の特性、細胞コロニーの大きさ、あるいは細胞コロニーのサイズの経時変化など)、あるいは細胞内の核と細胞サイズとの比、細胞質の細胞内小器官の量・分布解析による細胞分化度等を指標として細胞の分離・回収ができる。
図6は培養シャーレ上に培養された培養細胞の画像解析による細胞ソーティングの手順である。まず、CCDカメラ704と制御用パソコン2001により、非侵襲剥離用培養皿上の培養細胞を解析する。次に細胞の特徴を確認するパラメータ(例:細胞の形状、細胞周期、細胞コロニー形状ならびにサイズの経時解析、細胞分化度)の計測を行い、回収したい特徴を持つ領域(または閾値)を制御用パソコンにて設定する。次に、設定した特徴を持つ細胞をアルギン酸溶解液吐出用マイクロピペット902で剥がし、細胞回収用マイクロピペット903にて回収し細胞回収用培養皿402に移す。溶解液吐出用マイクロピペット902を含むマイクロピペット部は、溶解液を保持する溶解液槽および溶解液を送液するための手段(例:ポンプ、シリンジ、モータ等)などをさらに備えていてもよい。細胞回収用マイクロピペット903を含むマイクロピペット部は、細胞を吸引するための手段(例:ポンプ、シリンジ、モータ等)などをさらに備えていてもよい。
図7は神経細胞を剥離するための非侵襲剥離用培養皿の作製法の行程である。アルギン酸ゲル(例:アルギン酸カルシウムゲル、アルギン酸マグネシウムゲル)にPLLをスタンプするための鋳型をポリジメチルシロキサン(PDMA)で作製し、スタンプする場所にPLLを乾燥させる。次に、アルギン酸上に軽く押しつけることによりアルギン酸にスタンプされ、アルギン酸とPLLの反応によりコンタクトされたところのみ不溶化したマイクロパターンが形成される。
図8Aはアルギン酸シート上にマイクロコンタクトプリンティングされたPLLの形状の一部を示す。また、図8BはPLLがマイクロコンタクトプリンティングされたアルギン酸シート上に初代海馬神経細胞を培養した時の図である。このように、所望のデザインの鋳型を利用することで、一細胞程度が接着できるような微小な区域を適宜(例えば、タイル状に)、不溶化する領域として、作製することができ、その結果、細胞をアルギン酸シート上で培養しつつも一細胞毎にキレート剤で剥離できるようになる。
図9は、図7および図8に示すような非侵襲剥離用培養皿を用いて神経細胞を培養した後、培養した神経細胞を一細胞毎に非侵襲的に剥離する様子を、従来の方法と対比して模式的に示した図である。図9Aは、PLLを培養皿上のアルギン酸ゲル層の全面に作用させた場合、図9BはPLLをタイル状に作用させた場合をそれぞれ示している。図9Aのように、培養担体の全体が不溶化されたアルギン酸ゲル4001になっていると、マイクロピペット904を用いてゾル化剤1002を作用させたとしても一細胞毎に非侵襲的に培養皿から剥離することは困難である。これに対して、図9Bのように、PLLを図7、8で示すようにタイル状に適用させた場合は、タイル模様の目地部分は不溶化されていないアルギン酸ゲル4002であるため、ゾル化剤1002を作用させた場合にゾル化させることができ、それによって、培養細胞を一細胞毎に非侵襲的に培養皿から剥離することが可能となる。
図10は、培養細胞の細胞電位を計測する多電極を底面に配置した非侵襲剥離培養皿上での細胞培養から、細胞剥離、細胞回収、再培養の一連のステップを経時的に示した模式図である。まず、図10Aと図10Bに模式的に示されているように、ステップ1として、非侵襲剥離用培養皿401上で細胞培養を開始する。培養皿101の上に細胞電位を計測することができる電極アレイ5001が配置され、その上にアルギン酸層201が配置されている。さらに、アルギン酸層201の上に特定の形状で配置されているアガロースシート301上には細胞は接着せず細胞接着基質のアルギン酸シート201上に細胞が接着する。数日培養後、細胞が分化し、計測した細胞電位のパターンから細胞に発現した膜イオンチャンネルタンパク質等のタンパク質の発現が回収したい細胞種の表現型を表したところで、図10Cに示したように、ステップ2として、EDTA入り培地1001をマイクロニードル901によって目的細胞付近に吹きかけることで細胞801下の細胞接着基質のアルギン酸シート201を局所的にゾル化させる。それにより、接着・分化していた細胞を非侵襲的に剥離する。図10Dおよび図10Eに示したように、ステップ3としてステップ2で使用したマイクロニードル901によって回収する。さらに図10Fあるいは図10Gに示したように、ステップ3にて回収した細胞は、ステップ4として別の培養皿あるいは、電極付きの細胞培養皿に移すことにより、再培養を行う。ステップ4の再培養としては培養皿以外にも生体組織にそのまま移植しても良い。本装置においては、細胞電位の計測による細胞の識別のために取得するデータは、例えば、細胞表面に発現した各イオンチャンネルの脱分極後の解放時間に基づいて各イオンチャンネルの存在の有無および/もしくは発現のおおよその量、ならびに/または接合する細胞間での脱分極刺激の伝達の有無および/もしくは程度や伝達速度等をパラメータとして得るものとし、その各データについて域値を定めて、そのデータの組み合わせから細胞の分化状態あるいは表現型の変化を連続して計測して回収すべき細胞となったかどうかの確認を行ったり、あるいは細胞培養開始後、細胞が電極に接着し、細胞電位の計測が可能となったところで上記取得データによって単純に細胞種や表現型の同定を行ったりすることができ、その結果に基づいて回収する細胞を決定する。
図11は、ヒトES細胞由来心筋細胞を例に本技術の利用法の一例を具体的に示す。図11Aは、図10Aに示した細胞電位を計測する電極アレイ5001を配置した非侵襲剥離培養皿の一例の上で心筋細胞クラスターを培養している顕微鏡写真である。図11Bは、この図11Aの構成を具体的に模式化したものである、細胞電位を計測する各電極5002は、電線5003で細胞電位計測部5004と接続されており、各電極から、その電極上の細胞の電位を実時間で連続計測することができるようになっている。細胞電位計測部5004は、例えば、電極の電位のアナログ信号を増幅する電極数と同じ数だけ同時に並列処理が可能なアナログアンプアレイ部、増幅後のアナログ信号を並列で同時処理できるAD変換アレイ部、得られたデジタル信号を処理するデジタル演算回路部、細胞に強制刺激を与えるために各電極に一電極単位で刺激を与えることが可能なDA変換型刺激電流印加部、計測信号から刺激信号の印加タイミングをあらかじめ設定した条件で自動で指示するフィードバック制御部、細胞への刺激印加と細胞信号の受信時との間で回路をスイッチングするスイッチング回路アレイ部、また、必要に応じて初段でのアナログノイズフィルターアレイ等で構成されうる。また、この細胞電位計測部は、例えば、パソコン等からなる細胞電位データ解析部(または細胞判別部もしくは制御・解析部)5005と接続されており、各電極上の細胞の電位データを解析して、細胞の種類、状態を解析して、その結果をモニターに表示できるようになっている。図11Cは、得られた細胞電位データの一例のグラフである。このグラフで示されたように、細胞電位データを解析することで、細胞表面に発現したさまざまなイオンチャンネルの発現状態を分析し、特定の希望する細胞電位データを持つ細胞を選択することができる。特に、本技術を用いて長時間連続計測することで、細胞の特性を解析するだけでなく、細胞培養中に細胞で発現するタンパク質等の変化によって徐々に変化する細胞の電位データの特性の変化を追跡し、欲しい状態になったことを確認して、その時に細胞を回収することも可能となる。また。本実施例では、ヒト幹細胞から分化させた心筋細胞を用いたが神経細胞についても同様に計測して、その特性を確認することができる。さらに、自発発火の特性を持たない細胞については、各電極5002に電場を印加する回路を付加して、各電極上の細胞を刺激し、その応答を各電極5002によって計測することもできる。
図12は、培養細胞を再配置する装置と手法について、その一例を模式的に示したものである。以下にその手順について説明する。なお、ここで説明する手順は、図2および図5に示したような、CCDカメラ、XYステージ、光学顕微鏡等を備えたマイクロマニピュレーションシステムを用いて顕微鏡下で行うことができる。この実施形態ではさらに、チップホルダー1200を操作するためのZ方向、XY方向、および回転の操作が可能なマイクロマニピュレーション装置を用いることができる。
(ステップ1)
所望細胞選別用培養皿12101中に、非侵襲的剥離用培養チップ1200を浸け、チップ1200上で細胞801を培養する。このチップ1200は1個の細胞を載置するのに十分な大きさであればよく、1つのチップ1200上で1個の細胞が培養されている。このステップ1の段階で、へテロな細胞集団からの1細胞について1チップを用いることで、1異種細胞/1チップでチップ1200のセットを用意することができる。培養された細胞の状態が安定し、その細胞の種類が細胞の形状あるいは、図11の場合と同様にチップ1200に電極が配置されている場合には細胞電位の特性から同定でき、求める細胞が載っているチップであった場合には、このチップ1200を次のプロセスに用いる。また、図4のB1に示したように、チップ1200表面のアガロースシート301をパターニングすることで、たとえば神経細胞等の細胞突起を伸長する細胞の細胞突起の方向制御を行った形状で細胞を用意する事も可能である。また、
所望細胞選別用培養皿12101中に、非侵襲的剥離用培養チップ1200を浸け、チップ1200上で細胞801を培養する。このチップ1200は1個の細胞を載置するのに十分な大きさであればよく、1つのチップ1200上で1個の細胞が培養されている。このステップ1の段階で、へテロな細胞集団からの1細胞について1チップを用いることで、1異種細胞/1チップでチップ1200のセットを用意することができる。培養された細胞の状態が安定し、その細胞の種類が細胞の形状あるいは、図11の場合と同様にチップ1200に電極が配置されている場合には細胞電位の特性から同定でき、求める細胞が載っているチップであった場合には、このチップ1200を次のプロセスに用いる。また、図4のB1に示したように、チップ1200表面のアガロースシート301をパターニングすることで、たとえば神経細胞等の細胞突起を伸長する細胞の細胞突起の方向制御を行った形状で細胞を用意する事も可能である。また、
(ステップ2)
次に細胞パターンを構築するため、所望の細胞が載ったチップ1200をチップホルダー1201にセットし、細胞配置用培養皿12102中の培養液に浸ける。次に、チップの位置を水平方向、細胞の方向を制御するための角度の回転、あるいは垂直方向に制御して、光学顕微鏡等の光学的手段によって観察しながら培養皿底面上の希望する位置に配置したい細胞801を移動させる。配置させた後に、マイクロニードル901等からゾル化剤1002を導入し、接着基質入りアルギン酸シート201をゾル化によって消失させて、細胞801を培養皿12102上に移動させる。このとき、上記、チップ上に細胞突起の伸長した形状をパターニングしている場合は、培養皿12102上に置く伸長の方向をチップホルダー1201の回転角度を制御することで培養皿12102への転写方向を制御できる。
次に細胞パターンを構築するため、所望の細胞が載ったチップ1200をチップホルダー1201にセットし、細胞配置用培養皿12102中の培養液に浸ける。次に、チップの位置を水平方向、細胞の方向を制御するための角度の回転、あるいは垂直方向に制御して、光学顕微鏡等の光学的手段によって観察しながら培養皿底面上の希望する位置に配置したい細胞801を移動させる。配置させた後に、マイクロニードル901等からゾル化剤1002を導入し、接着基質入りアルギン酸シート201をゾル化によって消失させて、細胞801を培養皿12102上に移動させる。このとき、上記、チップ上に細胞突起の伸長した形状をパターニングしている場合は、培養皿12102上に置く伸長の方向をチップホルダー1201の回転角度を制御することで培養皿12102への転写方向を制御できる。
(ステップ3)
チップ1200から転写したターゲット細胞801を培養皿12102上で再培養する。ここで本実施例では、底面にコラーゲン等の細胞接着因子を単に塗布した培養皿12102を用いているが、ここで図4のB1に示したような細胞接着因子を塗布した底面の上にアガロース等でのパターニングを行ったものの空間パターンにあわせて細胞を配置したり、あるいは、図11でも示したような多電極アレイチップを用いて、細胞を電極の空間配置にあわせて配置することもできる。
チップ1200から転写したターゲット細胞801を培養皿12102上で再培養する。ここで本実施例では、底面にコラーゲン等の細胞接着因子を単に塗布した培養皿12102を用いているが、ここで図4のB1に示したような細胞接着因子を塗布した底面の上にアガロース等でのパターニングを行ったものの空間パターンにあわせて細胞を配置したり、あるいは、図11でも示したような多電極アレイチップを用いて、細胞を電極の空間配置にあわせて配置することもできる。
(ステップ4)
次に、細胞801に対して空間配置をした他の細胞802が培養された他の非侵襲的剥離用培養チップ1200を選択し、これを上記ステップ2と同様に、チップホルダー1201にセットして、培養皿12102中に配置し、今度は、細胞801の位置に対して、希望する所定の空間位置に細胞802を移動させ、その後、ゾル化剤を添加して細胞802をチップ上の希望する位置に配置する。
次に、細胞801に対して空間配置をした他の細胞802が培養された他の非侵襲的剥離用培養チップ1200を選択し、これを上記ステップ2と同様に、チップホルダー1201にセットして、培養皿12102中に配置し、今度は、細胞801の位置に対して、希望する所定の空間位置に細胞802を移動させ、その後、ゾル化剤を添加して細胞802をチップ上の希望する位置に配置する。
(ステップ5)
細胞802が配置されたところで、再度、細胞が培養皿12102上に安定するまで静置する。
細胞802が配置されたところで、再度、細胞が培養皿12102上に安定するまで静置する。
以上のような手順で細胞を配置する。これは2つの細胞801と802の配置の手順を示したものであるが、より多種、多数の細胞を培養しているチップ1200を用いて、ステップ3からステップ5を繰り返すことで、より複雑な細胞集団、あるいは細胞ネットワークをチップ上に構築することができる。
本発明は、培養細胞を一細胞単位で選択的にかつ非侵襲的に剥離し再利用することを実現するために有用である。特に、本発明の非侵襲的培養細胞剥離方法により得られる培養細胞は、再生医療の分野において組織から分離した細胞(例えば、幹細胞、ES細胞)を培養・分化し、臓器再生する場合に利用する培養細胞として有用である。また、細胞を浮遊した状態にし、流路中に流して細胞をソーティングするFACSやフローサイトソーターとは異なるパラメータ、細胞の形状等を利用した細胞のソーティングを可能にするため、より詳細な情報を持った細胞を再生医療等の産業に利用可能である。
101,102…培養皿または基板
201…接着基質入りアルギン酸シート
301…アガロースシート
302…マイクロチャンバー
303…マイクロチャネル
401…非侵襲剥離用培養皿
402…細胞回収用培養皿
501…1480nmラマンファイバーレーザー発生器
502…1480nmラマンファイバーレーザー
503…1480nmレーザー集束光
601…xyステージ
701…対物レンズ
702…シャッター
703…ダイクロイックミラー
704…CCDカメラ
705…撮影像
706…ミラー
801、802…細胞
802…神経細胞
901…マイクロニードル
902…アルギン酸溶解液吐出用マイクロピペット
903…細胞回収用マイクロピペット
904…ゾル化剤吐出用マイクロピペット
1001…EDTA入り培地
1002…ゾル化剤
2001…制御用パソコン
3001…PMDS スタンプ
3002…PLL
3003…アルギン酸ゲル
4001…不溶化されたアルギン酸ゲル
4002…不溶化されていないアルギン酸ゲル
5001…電極アレイ
5002…電極
5003…電線
5004…細胞電位計測部
5005…細胞電位データ解析部
1200…非侵襲的剥離用培養チップ
1201…チップホルダー
1202…チップホルダーの移動および回転方向
12101…所望細胞選別用培養皿
12102…細胞配置用培養皿
201…接着基質入りアルギン酸シート
301…アガロースシート
302…マイクロチャンバー
303…マイクロチャネル
401…非侵襲剥離用培養皿
402…細胞回収用培養皿
501…1480nmラマンファイバーレーザー発生器
502…1480nmラマンファイバーレーザー
503…1480nmレーザー集束光
601…xyステージ
701…対物レンズ
702…シャッター
703…ダイクロイックミラー
704…CCDカメラ
705…撮影像
706…ミラー
801、802…細胞
802…神経細胞
901…マイクロニードル
902…アルギン酸溶解液吐出用マイクロピペット
903…細胞回収用マイクロピペット
904…ゾル化剤吐出用マイクロピペット
1001…EDTA入り培地
1002…ゾル化剤
2001…制御用パソコン
3001…PMDS スタンプ
3002…PLL
3003…アルギン酸ゲル
4001…不溶化されたアルギン酸ゲル
4002…不溶化されていないアルギン酸ゲル
5001…電極アレイ
5002…電極
5003…電線
5004…細胞電位計測部
5005…細胞電位データ解析部
1200…非侵襲的剥離用培養チップ
1201…チップホルダー
1202…チップホルダーの移動および回転方向
12101…所望細胞選別用培養皿
12102…細胞配置用培養皿
Claims (11)
- (i)基板上に形成されたゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルを含む細胞培養担体層およびその上に形成された1細胞単位での細胞培養を可能にする容積を有するマイクロチャンバーを1個備えた、1個またはそれ以上の非侵襲的剥離用培養チップを用いて第1の培養皿において細胞を培養する工程、
(ii)前記細胞の培養状態を観察し、所望の細胞を含む前記非侵襲的剥離用培養チップを選択する工程、
(iii)光学顕微鏡下で操作して前記選択した培養チップを前記第1の培養皿から取り出し、前記チップを培養液を含んだ第2の培養皿の所望の位置に対して浸積し、ゾル化剤を適用して前記担体層をゾル化して該担体層から前記細胞を剥離することによって、前記細胞を前記第2の培養皿の所望の位置に配置する工程、ならびに
(iv)工程(i)〜(iii)、または工程(ii)および(iii)を所望回繰り返す工程
を含む、細胞配置方法。 - 前記ゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルが、アルギン酸カルシウムまたはアルギン酸マグネシウムゲルを含むアルギン酸ゲルであり、前記ゾル化剤がカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンのキレート剤である、請求項1に記載の細胞配置方法。
- 前記マイクロチャンバーが、前記担体層の表面に形成されたアガロース層の一部を除去することによって形成されたものである、請求項1または2に記載の細胞配置方法。
- 前記非侵襲的剥離用培養チップが、細胞電位を計測することができる電極または複数の電極のアレイを、前記チップの前記基板表面と上記細胞担体層との間にさらに備え、
前記工程(ii)において、前記電極を用いて前記細胞の細胞電位を測定し、該測定した細胞電位に基づいて前記所望の細胞を選択することを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の細胞配置方法。 - 細胞ネットワークを構築するために使用される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞配置方法。
- 請求項5に記載の方法により作製された細胞ネットワーク。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法に用いるための細胞配置装置システムであって、
基板の表面に形成された、ゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルを含む細胞培養担体層を備え、1細胞単位での細胞培養を可能にする容積を有するマイクロチャンバーが前記細胞培養担体層上に1個設けられた、1個またはそれ以上の非侵襲的剥離用培養チップと、
前記非侵襲的剥離用培養チップを用いて細胞を培養するための第1の培養皿と、
前記第1の培養皿で培養された前記チップ上の前記細胞の中から選択された細胞を再培養するための第2の培養皿と、
前記選択された細胞を前記第2の培養皿へ移動させるために、前記第2の培養皿上の配置すべき前記細胞の位置を光学的に確認して制御するための光学顕微鏡を含む光学装置と、
前記非侵襲的剥離用培養チップの前記細胞培養担体層をゾル化するために、ゾル化剤を前記第2の培養皿へ導入する手段と
を備える、細胞配置装置システム。 - 前記ゾル化剤によりゾル化可能な高分子ゲルが、アルギン酸カルシウムまたはアルギン酸マグネシウムゲルを含むアルギン酸ゲルであり、前記ゾル化剤がカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンのキレート剤である、請求項7に記載の細胞配置装置システム。
- 前記マイクロチャンバーが、前記担体層の表面に形成されたアガロース層の一部を除去することによって形成されたものである、請求項7または8に記載の細胞配置装置システム。
- 細胞電位を計測することができる電極または複数の電極のアレイを、前記チップの前記基板表面と前記細胞担体層との間にさらに備える、請求項7〜9のいずれか一項に記載の細胞配置装置システム。
- 細胞ネットワークを構築するために使用される、請求項7〜10のいずれか一項に記載の細胞配置システム。
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JP2016059306A (ja) * | 2014-09-17 | 2016-04-25 | 富士フイルム株式会社 | 細胞配置決定装置および方法並びにプログラム |
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