JP6282811B2 - プラズマ発光装置とそれに用いる電磁波発生器 - Google Patents

プラズマ発光装置とそれに用いる電磁波発生器 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、プラズマ発光装置とそれに用いる電磁波発生器に関する。
従来、倉庫等の高天井に設置される照明器具や道路照明等の高出力が求められる照明装置には、主として高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ等の高輝度放電ランプ(High Intensity Discharge lamp:HID)が用いられてきた。省エネルギーへの要求が強まるにつれて、照明装置に対しても省エネルギー化が求められている。HIDにおいても、透光性セラミックスからなる発光管を備えたメタルハライドランプ(セラミックメタルハライドランプ)等で高効率化による省エネルギー化が進められているものの、十分とは言えない。セラミックメタルハライドランプは他のHIDと同様に輝度が経時的に劣化し、十分な寿命を有しているとは言えない。このため、設置コストやメンテナンスコストが高くなるという欠点を有している。
長寿命で省エネルギーな照明装置として、LED照明が注目されている。LED照明は、発光ダイオード(LED)を発光源や蛍光体の励起源として用いている。このため、LED照明は消費電力が少なく、寿命も数万時間から10万時間程度と長いという特徴を有している。しかしながら、LED照明は一般的に低出力の照明装置に広く適用されているものの、高出力が求められる照明装置には不向きとされている。すなわち、LED照明を高出力化するとエネルギー変換効率が悪くなり、発熱量が増大するために寿命が著しく短くなる。高天井用の照明装置として用いた場合には、配光照度も不足する。
HIDやLED等を用いた照明装置とは別に、無電極バルブ内に充填された発光物質をマイクロ波で励起してプラズマ発光させるプラズマ照明装置が知られている。プラズマ照明装置は、例えばマイクロ波発生器と、マイクロ波発生器で発生させたマイクロ波が導かれるマイクロ波集束器と、マイクロ波集束器内に設置された無電極バルブとを有している。無電極バルブ内に充填された発光物質は、マイクロ波集束器で無電極バルブに集束させたマイクロ波で励起されることによりプラズマ発光する。無電極のプラズマ照明は、バルブ内の発光物質を物理的な接触なしに活性化させることから長寿命であることに加えて、点光源であるが故に配光設計に好適な照明装置である。しかしながら、従来のプラズマ照明装置は入力電力に対する発光効率が不十分であるという難点を有しており、このために発光効率の改善やそれに基づく全光束の向上が望まれている。
特表2004−505429号公報 特開2005−085749号公報 特表2010−527129号公報
本発明が解決しようとする課題は、発光効率の改善およびそれに基づく全光束の向上を実現したプラズマ発光装置とそれに用いる電磁波発生器を提供することにある。
実施形態のプラズマ発光装置は、電磁波発生器と、電磁波発生器に電力を供給する電源部と、電磁波発生器から放射される電磁波を伝送する導波管と、導波管内を伝送される電磁波を受信するアンテナと、アンテナから電磁波が照射される電磁波集束器と、電磁波集束器内に配置され、かつ発光物質が充填された無電極バルブを有し、電磁波集束器で電磁波を無電極バルブに集束させることにより発光物質を励起してプラズマ発光させる発光部とを具備する。電磁波発生器は、アノード円筒と、アノード円筒の内壁から管軸に向かって放射状に配置され、12枚のみのアノード共振板とを有するアノード部と、アノード円筒の管軸に沿って配置されたフィラメントを有するカソード部と、アノード円筒の管軸方向に磁場を発生させる、磁束密度が230mT以上の永久磁石を有する励磁回路とを備える。電磁波発生器において、700W以下の入力電力で発生させる電磁波の最大出力効率が70%以上であり、150W以上700W以下の範囲の入力電力で発生させる電磁波の出力効率の変動率が15%以下である。
実施形態のプラズマ発光装置の概略構成を示す図である。 図1に示すプラズマ発光装置における電磁波発生器および電源部の構成を示す図である。 実施形態のプラズマ発光装置における電磁波発生器のアノード電流と出力効率との関係を示す図である。 実施形態のプラズマ発光装置における電磁波発生器の入力電力と出力効率との関係を示す図である。 実施形態のプラズマ発光装置における電磁波発生器のアノード電流と動作電圧との関係を示す図である。 実施形態のプラズマ発光装置における電磁波発生器の入力電力と出力電力との関係を示す図である。 実施形態のプラズマ発光装置における電磁波発生器のアノード電流と発振周波数との関係を示す図である。 実施形態の第1のプラズマ発光装置(入力400W)における電磁波発生器の出力効率とランプ全光束との関係を示す図である。 実施形態の第1のプラズマ発光装置(入力400W)における発光部効率とランプ全光束との関係を示す図である。 実施形態の第1のプラズマ発光装置(入力400W)の調光時における入力電力とランプ全光束との関係を示す図である。 実施形態の第1のプラズマ発光装置(入力400W)の調光時における入力電力とランプ発光効率との関係を示す図である。 実施形態の第1のプラズマ発光装置(入力400W)の調光時における入力電力とランプ全光束の低下率との関係を示す図である。 実施形態の第2のプラズマ発光装置(入力700W)における電磁波発生器の出力効率とランプ全光束との関係を示す図である。 実施形態の第2のプラズマ発光装置(入力700W)における発光部効率とランプ全光束との関係を示す図である。 実施形態の第2のプラズマ発光装置(入力700W)の調光時における入力電力とランプ全光束との関係を示す図である。 実施形態の第2のプラズマ発光装置(入力700W)の調光時における入力電力とランプ発光効率との関係を示す図である。 実施形態の第2のプラズマ発光装置(入力700W)の調光時における入力電力とランプ全光束の低下率との関係を示す図である。 実施形態のプラズマ発光装置の光束維持率を従来の照明装置と比較して示す図である。 実施形態における電磁波発生器の構成例を示す断面図である。 図19に示す電磁波発生器のアノード部およびカソード部を示す上面図である。 図19に示す電磁波発生器のアノード部の概念図である。 実施形態における電磁波発生器の動作電圧と電子効率との関係を示す図である。 実施形態における電磁波発生器の動作電圧と磁束密度との関係を示す図である。
以下、実施形態のプラズマ発光装置について、図面を参照して説明する。図1はプラズマ発光装置の概略構成を示す図である。図1に示すプラズマ発光装置1は、電磁波発生器2と、電磁波発生器2に電力を供給する電源部3と、電磁波発生器2から放射される電磁波を伝送する導波管4と、導波管4内を伝送される電磁波を受信するアンテナ5と、アンテナ5から電磁波が照射される電磁波集束器6と、電磁波集束器6内に設置された無電極バルブ7を有する発光部とを具備する。無電極バルブ7には、発光物質が充填されている。電磁波は、電磁波集束器6で無電極バルブ7に集束され、これにより無電極バルブ7内に充填された発光物質が励起されてプラズマ発光する。
実施形態のプラズマ発光装置1の構成について述べる。電磁波発生器2は図2に示すように、カソード部(陰極)11とアノード部(陽極)12とを備えている。カソード部11およびアノード部12は、高周波の電磁波(以下、マイクロ波と記す)を発生させる発振部として機能する。発生させるマイクロ波の周波数は、国際電気通信連合(International Telecommunication Union:ITU)により、電波法による放射許容値の規制を受けない工業・科学・医療用帯域であるISM(Industrial, Scientific and Medical)バンドに割り当てられている、2450±50MHzが好ましい。
例えば、その近傍のISMバンドとしての915±15MHzバンドでは、共振波長が長くなる(2450MHzの共振波長が12cmであるのに対して、915MHzの共振波長は33cm)ので、電磁波集束器や無電極バルブが大型化する。また、この帯域の使用認可は、南北アメリカ地域のみに限られている。さらに、5800±75MHzバンドは、共振波長が短くなる(5800MHzの共振波長は5cm)ので、電磁波集束器や無電極バルブを小型化できる反面、無電極バルブの発光量が少なくなる等の難点がある。2450±50MHzバンドによれば、電磁波集束器6や無電極バルブ7の小型化と無電極バルブ7の発光量とを両立させることができる。
アノード部12は、カソード部11を取り囲むように配置されている。電源部3は、主電源13、電源供給・制御回路14、カソード電源15、アノード電源16等を備えている。このような電源部3からカソード部11およびアノード部12に電力が供給される。アノード部12の管軸方向には、励磁回路17から磁場が印加されている。電磁波発生器2の具体的な構成については、後に詳述する。
カソード部11をヒータで加熱しつつ、アノード部12に正の電圧を印加すると、カソード部11からアノード部12に向けて電子が放出される。カソード部11から放出された電子は、カソード部11とアノード部12との間の電界、およびアノード部12の管軸方向に印加された磁場によって、カソード部11とアノード部12との間の空間で軌道が曲げられて周回運動する。周回電子は熱電子流となって、共振器の高周波電界により集群してスポーク状の電子極を形成して同期回転する。これによって、マイクロ波が発生する。発生したマイクロ波は、電磁波発生器2の出力部18から放射される。
電磁波発生器2の出力部18は、導波管4の内部に配置されている。マイクロ波は電磁波発生器2の出力部18から導波管4内に放射される。出力部18から放射されたマイクロ波は、導波管4内を伝送される。導波管4内には、伝送されたマイクロ波を受信するアンテナ5の入力端5aが配置されている。アンテナ5は、入力端5aが導波管4の内部に配置され、かつ出力端5bが電磁波集束器6と接続されるように設置されている。アンテナ5の入力端5aで受信したマイクロ波は、出力端5bから電磁波集束器6に照射される。電磁波集束器6内には、発光物質が充填された無電極バルブ7が設置されている。
無電極バルブ7は、例えば中空構造の石英ガラス管や透光性セラミックス管等で構成されている。無電極バルブ7にセラミックス管を適用する場合、その構成材料としてはアルミナ、窒化アルミニウム、イットリウム・アルミニウム複合酸化物(YAG)、マグネシウム・アルミニウム複合酸化物(スピネル)、イットリア等の焼結体や単結晶体が例示される。無電極バルブ7内に充填される発光物質としては、臭化インジウム(InBr3等)、ヨウ化ガリウム(GaI3等)、ヨウ化ストロンチウム(SrI2等)等の金属ハロゲン化物、あるいは硫黄(S)、セレン(Se)、これらを含む化合物等が挙げられる。発光物質は、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等から選ばれる少なくとも1種の希ガスと共に、無電極バルブ7内に封入される。
電磁波集束器6としては、空洞共振器型や誘電体共振器型が知られている。これらのうち、誘電体共振器型の電磁波集束器6を使用することが好ましい。誘電体共振器型の電磁波集束器6を使用することによって、電磁波集束器6に照射されたマイクロ波のエネルギー密度が向上するため、無電極バルブ7を有する発光部によるプラズマ発光の安定性が向上し、さらに発光出力や発光効率等を高めることができる。また、無電極バルブ7の発光時に発生する熱の放散性を高めることができる。
誘電体共振器型の電磁波集束器6は、高誘電物質からなる集束器本体61を備えている。誘電体共振器型電磁波集束器6の集束器本体61は、誘電率が2以上の固体もしくは液体の高誘電物質で構成することが好ましい。固体状の高誘電物質としては、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、チタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム等のチタン酸塩、ジルコン酸ストロンチウム等のジルコン酸塩、およびそれらの複合化合物を主成分とするセラミックス材料(焼結体や単結晶体)が例示される。
誘電体共振器型電磁波集束器6を使用する場合、発光物質や希ガス等が封入された無電極バルブ7は、高誘電物質からなる集束器本体61内に設置される。例えば、固体状の高誘電物質で所定のサイズを有する直方体状の集束器本体61を形成する。集束器本体61の1つの面に空洞部62を設け、この空洞部62内に無電極バルブ7を設置する。アンテナ5の出力端5bは、集束器本体61の他の面、例えば空洞部62を設けた面と対向する面に設置される。無電極バルブ7とアンテナ5の出力端5bの設置位置は、マイクロ波の共振周波数等に応じて設定される。集束器本体61の無電極バルブ7および空洞部62の設置部を除く外面は、マイクロ波を反射する金属被膜等で覆ってもよい。これによって、マイクロ波のエネルギー密度が向上する。
アンテナ5の出力端5bから電磁波集束器6に照射されたマイクロ波は、例えば高誘電物質からなる集束器本体61内で共振し、マイクロ波の共振周波数等に基づいて設置された無電極バルブ7に集束される。無電極バルブ7に集束したマイクロ波のエネルギーによって、無電極バルブ7内に充填された希ガスが電離してプラズマが発生する。金属ハロゲン化物等の発光物質は、発生したプラズマにより励起され、これにより発光(プラズマ発光)する。プラズマ発光は、電極を有しないバルブ(無電極バルブ7)内で発生する現象であるため、物理的な接触劣化がなく、長寿命の発光装置を提供することができる。
ところで、従来のプラズマ照明装置では、前述したように必ずしも十分な発光効率や全光束等が得られていない。その原因について、長らく多くの研究者が実験および研究を繰り返してきたが、原因を究明することができなかった。そのような状況下において、本願発明者は鋭意研究を行った結果、従来のプラズマ照明装置はマイクロ波の供給源であるマイクロ波発生器が十分な出力効率を有しておらず、このために入力電力に対するプラズマ発光装置の発光効率が不十分になることを見出した。
例えば、入力電力1W当たり100ルーメンの発光効率を有する400Wクラスの高輝度放電ランプ(HID)の全光束は4万ルーメン程度である。従来のプラズマ照明装置でそのようなHIDと同等の全光束を得るためには、入力電力400Wに対して出力効率が100%のマイクロ波発生器と、マイクロ波を1W当たり100ルーメンの光に変換することが可能な無電極バルブを有する発光部とが必要になる。しかし、従来のマイクロ波発生器の400Wの入力電力に対する出力効率は65%程度であるため、全光束は26000ルーメン以下となり、プラズマ照明装置の発光効率も入力電力1W当たり65ルーメン以下でしかない。よって、発光部の性能を十分に引き出せていないことが分かる。また、照明装置で4万ルーメンの全光束を得るためには、マイクロ波発生器への入力電力を上げて、400Wの出力を出す必要がある。マイクロ波発生器の出力効率が65%の場合、マイクロ波発生器への入力電力は600W以上が必要になる。
また、入力電力1W当たり100ルーメンの発光効率を有する700WクラスのHIDの全光束は約7万ルーメン(照明装置でのランプ全光束は56000ルーメン程度)である。従来のプラズマ照明装置でそのようなHIDと同等の全光束を得るためには、概算、マイクロ波1W当り100ルーメンの光に変換する発光部を有する700Wクラスのプラズマ照明装置に対して、出力効率が80%のマイクロ波発生器が必要になる。しかし、従来のマイクロ波発生器における700Wの入力電力に対する出力効率は70%未満であるため、マイクロ波1W当り100ルーメンの光に変換する発光部を有するプラズマ照明装置のランプ全光束は49000ルーメン以下となる。プラズマ照明装置の発光効率も入力電力1W当り70ルーメン以下でしかない。よって、発光部の性能を十分に引き出せていないことが分かる。また、照明装置で56000ルーメンの全光束を得るためには、マイクロ波発生器の出力効率が70%未満の場合、入力電力は約810Wが必要となる。
このように、従来のプラズマ照明装置でHIDと同程度の全光束を得るためには、入力電力を上げる必要があり、省エネルギー化を実現することができない。この原因は、上記したように従来のマイクロ波発生器の出力効率にある。すなわち、従来のマイクロ波発生器は700Wを超えて1000W以下、もしくはそれ以上の入力電力で高出力を発生するものの、700W以下の入力電力に対しては出力が不十分であり、これが従来のプラズマ照明装置の全光束や発光効率を低下させる要因となっていることを見出した。さらに、150〜700Wの範囲で入力電力を変化させた場合のマイクロ波発生器の出力変動が大きく、これによりプラズマ照明装置を調光した際の発光効率が低下することも見出した。
本願発明は、マイクロ波発生器の700W以下の入力電力に対する出力効率の向上の本質を究明することによって、プラズマ照明装置の発光効率や全光束を向上させることを可能にしたものである。すなわち、本願発明のプラズマ発光装置1は、700W以下の入力電力に対するマイクロ波(電磁波)の最大出力効率が70%以上である電磁波発生器2を備えている。700W以下の入力電力に対するマイクロ波の最大出力効率が70%以上である電磁波発生器2によれば、無電極バルブ7を有する発光部を効率よく発光させることができる。従って、プラズマ発光装置1の全光束や発光効率を高めることが可能となる。700W以下の入力電力に対するマイクロ波の最大出力効率を向上させるにあたって、低電流領域で発生させるマイクロ波の最大出力効率を高めることが有効である。具体的には、電磁波発生器2の200mA以下のアノード電流領域におけるマイクロ波の最大出力効率は70%以上であることが好ましい。これによって、700W以下の入力電力で明るさや省エネルギー性等に優れるプラズマ発光装置1を提供することができる。
上述したように、実施形態の電磁波発生器2においては、700W以下の入力電力で発生させるマイクロ波の最大出力効率が70%以上であり、さらに200mA以下のアノード電流領域で発生させるマイクロ波の最大出力効率が70%以上である。入力電力の下限値は特に限定されるものではないが、マイクロ波は150W以上700W以下の範囲に最大出力効率を示すことが好ましい。同様に、マイクロ波は50mA以上200mA以下の範囲に最大出力効率を示すことが好ましい。また、400Wクラスのプラズマ発光装置1を構成する場合、電磁波発生器2で発生させるマイクロ波は150W以上500W以下の範囲に最大出力効率を示すことが好ましい。
そして、700W以下の入力電力で発生させるマイクロ波の最大出力効率が70%以上である電磁波発生器2を使用することによって、省エネルギー性に優れるプラズマ発光装置1の発光効率や全光束を高めることができる。また、700W以下の入力電力に対して200mA以下のアノード電流領域でマイクロ波を発生させることによって、700W以下の入力電力に対するマイクロ波の最大出力効率を高めることができる。従って、入力電力が700W以下で、省エネルギー性、発光効率、全光束等に優れるプラズマ発光装置1を再現性よく提供することができる。マイクロ波の最大出力効率は、上記した入力電力領域およびアノード電流領域において75%以上であることがより好ましく、これによって発光効率や全光束をさらに向上させることができる。
電磁波発生器2におけるマイクロ波(電磁波)の出力効率[単位:%]は、動作電圧(アノード電圧)Eb[単位:kV]とアノード電流Ib[単位:mA]と出力電力Po[単位:W]とから、下記の式(1)に基づいて求められる値である。
出力効率[%]=出力/(動作電圧×アノード電流)×100…(1)
電磁波発生器2に対する入力電力は、下記の式(2)に基づいて求められる値である。
入力電力[W]=動作電圧[kV]×アノード電流[mA] …(2)
マイクロ波の最大出力効率は、700W以下の入力電力における出力効率の最大値、または200mA以下のアノード電流における出力効率の最大値を示すものである。
表1および図3〜7に、実施例による電磁波発生器2の入力電力、アノード電流、動作電圧(アノード電圧)、出力電力、マイクロ波の出力効率、および発振周波数の一例を示す。実施例の電磁波発生器2は、700W以下の入力電力に対する最大出力効率、および200mA以下のアノード電流領域(低電流領域)での最大出力効率が70%以上(具体的には76.3%)であることが分かる(表1、図3〜4参照)。さらに、実施例の電磁波発生器2は、150〜700Wの範囲の入力電力および50〜200mAの範囲のアノード電流に対して出力効率の変動が小さいことが分かる(表1、図3〜4参照)。また、実施例の電磁波発生器2は、700W以下の入力電力に対して3.5〜3.7kV程度の動作電圧が保たれていることが分かる(表1、図5参照)。
Figure 0006282811
表1および図3〜7には、比較例として700W以下の入力電力および200mA以下のアノード電流における最大出力効率が70%未満である電磁波発生器を併せて示す。比較例の電磁波発生器は、低電流領域での最大出力効率が70%未満(具体的には69.5%)であるだけでなく、150〜700Wの範囲の入力電力および50〜200mAの範囲のアノード電流に対して出力効率の変動が大きく、入力電力およびアノード電流によっては60%以下まで低下している。よって、実施例の電磁波発生器2は、比較例の電磁波発生器に比べて出力特性に優れている(表1、図6参照)。
次に、電磁波発生器2の出力効率とそれを用いたプラズマ発光装置1の特性との関係について説明する。まず、入力電力が400Wクラスのプラズマ発光装置(実施例1)の特性について、表2および図8〜12に基づいて述べる。図8に実施例の電磁波発生器の出力効率とそれを用いた400Wクラスのプラズマ発光装置(実施例1)の全光束との関係を示す。図8は発光部効率(ランプ発光効率)に基づいて、電磁波発生器の出力効率とプラズマ発光装置の全光束との関係を示している。図9にプラズマ発光装置の発光部効率と全光束との関係を、出力効率が75%の電磁波発生器2を用いたプラズマ発光装置(実施例1−1)、出力効率が70%の電磁波発生器を用いたプラズマ発光装置(実施例1−2)、および出力効率が65%の電磁波発生器を用いたプラズマ発光装置(比較例1)について示す。図8および図9から明らかなように、低電力領域および低電流領域での最大出力効率が70%以上の電磁波発生器2を用いることによって、400Wクラスのプラズマ発光装置1の全光束を向上させることができる。
実施例の電磁波発生器2は、低電力領域および低電流領域での最大出力効率に優れるだけでなく、150〜700Wの範囲の入力電力および50〜200mAの範囲のアノード電流に対して出力効率の変動幅が小さい(表1、図3〜4参照)。具体的には、実施例の電磁波発生器2は150〜700Wの範囲の入力電力および50〜200mAの範囲のアノード電流に対する出力効率の変動率が15%以下(具体的には7.6%)である。ここで、電磁波発生器2の出力効率の変動率は、150〜700Wの範囲の入力電力および50〜200mAの範囲のアノード電流に対する出力効率の最大値と最小値とから、下記の式(3)に基づいて求められる値である。
出力効率の変動率[%]=(最大値−最小値)/最大値×100…(3)
表2および図10〜12に、入力電力を150〜400Wの範囲で変化させた場合のランプ全光束(図10)、ランプ発光効率(図11)、および全光束の低下率(図12)の測定結果を示す。これらの図はプラズマ発光装置1への入力電力を変化させて調光した場合のランプ全光束やランプ発光効率等に相当する。図10〜12には、比較例の電磁波発生器を用いたプラズマ発光装置(比較例1)と400Wクラスのメタルハライドランプ(比較例2)の調光時における全光束、発光効率、全光束の低下率の測定結果を併せて示す。メタルハライドランプ(比較例2)の調光は、調光安定器を用いて実施した。
Figure 0006282811
表2および図10〜12に示すように、150〜700Wの範囲の入力電力に対する出力効率の変動率が15%以下の電磁波発生器2によれば、例えばプラズマ発光装置1の明るさを調整(調光)するために入力電力を変化させた場合においても、発光部の発光効率が維持される。すなわち、実施例の電磁波発生器を用いたプラズマ発光装置(実施例1)は、全光束に優れるだけでなく、調光時の発光効率に優れるものである。従って、調光時における発光効率の低下に伴う消費電力の増大等を抑制することができる。さらに、400Wから150Wまでの入力電力に対する出力効率の変動幅が小さいため、全灯時(100%)に対して約30%まで調光幅を広げることができる。メタルハライドランプの場合、調光器を用いても調光幅は全灯時(100%)に対して60%程度にすぎない。
次に、入力電力が700Wクラスのプラズマ発光装置(実施例2)の特性について、表3および図13〜17に基づいて述べる。図13に実施例の電磁波発生器の出力効率とそれを用いた700Wクラスのプラズマ発光装置(実施例2)の全光束との関係を示す。図13は発光部効率(ランプ発光効率)に基づいて、電磁波発生器の出力効率とプラズマ発光装置のランプ全光束との関係を示している。図14にプラズマ発光装置の発光部効率とランプ全光束との関係を、出力効率が75%の電磁波発生器2を用いたプラズマ発光装置(実施例2−1)、出力効率が70%の電磁波発生器を用いたプラズマ発光装置(実施例2−2)、および出力効率が65%の電磁波発生器を用いたプラズマ発光装置(比較例2)について示す。図13および図14から明らかなように、低電力領域および低電流領域での最大出力効率が70%以上の電磁波発生器2を用いることによって、700Wクラスのプラズマ発光装置1の全光束を向上させることができる。
実施例の電磁波発生器2は、前述したように低電力領域および低電流領域での最大出力効率に優れるだけでなく、150〜700Wの範囲の入力電力および50〜200mAの範囲のアノード電流に対して出力効率の変動幅が小さく、具体的には15%以下(具体的には7.6%)である。表3および図15〜17に、入力電力を150〜700Wの範囲で変化させた場合のランプ全光束(図15)、ランプ発光効率(図16)、全光束の低下率(図17)の測定結果を示す。これらの図はプラズマ発光装置1への入力電力を変化させて調光した場合の全光束や発光効率等に相当する。図15〜17には、比較例の電磁波発生器を用いたプラズマ発光装置(比較例3)と700Wクラスのメタルハライドランプ(比較例4)の調光時における全光束、発光効率、全光束の低下率の測定結果を併せて示す。メタルハライドランプ(比較例4)の調光は、調光安定器を用いて実施した。
Figure 0006282811
表3および図15〜17に示すように、150〜700Wの範囲の入力電力に対する出力効率の変動率が15%以下の電磁波発生器2によれば、例えばプラズマ発光装置1の明るさを調整(調光)するために入力電力を変化させた場合においても、発光部の発光効率が維持される。すなわち、実施例の電磁波発生器を用いたプラズマ発光装置(実施例2)は、全光束に優れるだけでなく、調光時の発光効率に優れるものである。従って、調光時における発光効率の低下に伴う消費電力の増大等を抑制することができる。さらに、700Wから150Wまでの入力電力に対する出力効率の変動幅が小さいため、全灯時(100%)に対して約30%まで調光幅を広げることができる。700Wクラスのメタルハライドランプの場合、調光器を用いても調光幅は全灯時に対して50%程度にすぎない。
上述したように、700W以下の入力電力に対する最大出力効率が70%以上である電磁波発生器2を適用することによって、例えば400Wクラスや700Wクラスのプラズマ発光装置1の全光束を向上させることができる。さらに、入力電力が400W未満のプラズマ発光装置1においても同様である。また、700W以下の入力電力に対して200mA以下のアノード電流領域で電磁波を発生させることによって、電磁波の最大出力効率を高めることができる。従って、入力電力を700W以下としたプラズマ発光装置1の全光束を向上させることが可能になる。加えて、150〜700Wの範囲の入力電力に対する出力効率の変動率が15%以下の電磁波発生器2によれば、プラズマ発光装置1の調光を効率よく実施することができ、さらに調光幅を広げることができる。
実施形態のプラズマ発光装置1は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ等のHIDと同様に、倉庫等の高天井に設置される照明器具や道路照明等の高出力が求められる照明装置に好適である。さらに、150〜700Wの範囲の入力電力で発光効率を維持しつつ調光可能であるため、HIDに比べて省エネルギー性に優れ、また無電極バルブ7を有する発光部を使用しているため、寿命特性に優れるものである。従って、実施形態のプラズマ発光装置1は、エネルギー効率の向上による消費電力の低減と、長寿命化による装置コストやメンテナンスコストの低減とを具現化させた、省エネルギーな照明装置として極めて有効に利用可能なものである。実施形態のプラズマ発光装置1は、入力電力が700W以下の照明装置に対して有効であるが、例えば入力電力が800W程度の照明装置(入力電力が700Wを超えて800W以下程度の照明装置)としても利用することができる。さらに、実施形態のプラズマ発光装置1は照明装置に限らず、プロジェクタの光源等に適用することも可能である。
表4および図18に、実施形態のプラズマ発光装置(実施例1)とメタルハライドランプ(比較例2)とLED(比較例5)の加速試験による経時的な光束維持率の測定結果を示す。表4および図18に示すように、実施形態のプラズマ発光装置(実施例1)はメタルハライドランプ(比較例2)に比べて光束維持率に優れるものである。プラズマ発光装置とメタルハライドランプとLEDの光束維持率を比較すると、実施形態のプラズマ発光装置(実施例1)はメタルハライドランプ(比較例2)やLED(比較例5)に比べて10000時間後の光束維持率に優れており、さらに20000時間後の光束維持率もプラズマ発光装置(実施例1)が上回っていることが分かる。
Figure 0006282811
次に、実施形態のプラズマ発光装置1に用いる電磁波発生器2の具体的な構成について、図19〜21を参照して説明する。電磁波発生器2は、発振部本体としてカソード部(陰極部)11とアノード部(陽極部)12とを備えている。アノード部12は、アノード円筒21と、アノード円筒21の内壁から管軸に向かって放射状に等間隔に配置された複数枚のアノード共振板22とを有している。アノード共振板22の外側端部は、アノード円筒21の内壁に固定されており、内側端部は遊端になっている。カソード部11は、アノード円筒21の内側に管軸に沿って配置された、例えば螺旋状のフィラメント23を有している。フィラメント23は、アノード共振板22の遊端と間隔をあけて、空洞共振器を形成する電子作用空間内に配置されている。
アノード共振板22の上辺(出力部側)および下辺(入力部側)には、一対の第1のストラップリング24a、24bと、第1のストラップリング24a、24bの外側に位置し、第1のストラップリングより径が大きい一対の第2のストラップリング25a、25bとが交互に接続されている。例えば、アノード共振板22の上辺は、1つ目のアノード共振板22から数えて奇数番目のアノード共振板22同士が第1のストラップリング24aで接続されており、偶数番目のアノード共振板22同士が第2のストラップリング25aで接続されている。アノード共振板22の下辺は、逆に奇数番目のアノード共振板22同士が第2のストラップリング25bで接続されており、偶数番目のアノード共振板22同士が第1のストラップリング24bで接続されている。
アノード円筒21の管軸方向の両端部には、一対の集磁板26a、26bが対向して設けられている。集磁板26a、26bは、それぞれ漏斗状の形状を有し、中央に貫通孔が設けられている。集磁板26a、26bの貫通孔の中心は、アノード円筒21の管軸上に位置している。集磁板26aの上方および集磁板26bの下方には、それぞれ環状の永久磁石27a、27bが配置されている。永久磁石27a、27bは、ヨーク28で囲われている。集磁板26a、26bと永久磁石27a、27bとヨーク28は、アノード円筒21の管軸方向に磁場を発生させる励磁回路17を構成している。
集磁板26bの管軸方向の下方には、フィラメント印加電力および動作電圧を供給する入力部29が設けられている。集磁板26aの管軸方向の上方には、マイクロ波をアンテナリード30から放射する出力部18が設けられている。アンテナリード30は、1つのアノード共振板22から導出されている。アノード共振板22により形成される空洞共振器の作用空間内に生じる電界と、励磁回路17により管軸方向に発生させた磁界と、入力部29から供給されるフィラメント印加電力および動作電圧によって、フィラメント23から放出された熱電子は作用空間で周回運動を行うことによって、マイクロ波を発振させる。マイクロ波はアンテナリード33を介して出力部18から放射される。
ここで、発振部本体としてカソード部11とアノード部12とを備える電磁波発生器2は、同軸円筒電極間の電流を管軸方向に付与される磁界で制御して発振させる、一種の二極管である。同軸円筒の二極管にアノード電圧を印加すると、カソードから放出された電子は真っ直ぐにアノードに達する。アノード・カソード軸に平行に磁界を加えると、電子は運動方向と磁界方向に直角な力を受けて曲がった軌跡を描く。磁界がさらに強くなると、アノード面をかすめて再びアノードに向かう。このときの磁界の磁束密度を臨界磁束密度と呼ぶ。この現象は磁界を一定にしてアノード電圧を減少させた場合も同様であり、アノード電圧が低くなると電子がアノードに到達しなくなる。この限界電圧をカットオフ電圧と呼ぶ。アノード電圧がカットオフ電圧を超えると電流が急激に流れるため、電磁波発生器2は高いカットオフ電圧を持った一種のダイオードと言える。
電磁波発生器2のアノード部12は複数に分割されているため、図21に示すようにC、Lの等価回路で表現される共振器を構成している。分割されたアノード共振板22間には、発振しない状態でも微弱なマイクロ波が振動しており、正常な状態では高周波電界は隣り合うアノード共振板22間で反対の向きとなっている。隣り合うアノード共振板22間の位相差は180度(πラジアン)であり、この状態をπモードと呼ぶ。高周波電界は、共振周波数の周期で変化している。カソード部11を加熱し、アノード部12に電圧を印加すると、電子はアノード部12の周りを周回する。アノード電圧と磁束密度との比を変えると電子の周回速度が変化するため、これを調整することで周回角速度を共振器における高周波電界の変化速度(電界の角速度)と等しくすることができる。
加速電界のある空間では電子はカソード部11側に収縮し、減速電界のある空間ではアノード部12側に広がるため、電子はスポーク状の電子群を構成する。この電子群は、共振回路の高周波電界の回転周期と同期して回転する間に、減速電界中の電子が位置エネルギーを失ってアノード部12に収束するため、共振器にエネルギーを与えて発振することになる。このとき、スポーク状の電子群の形状はアノード共振板22の枚数により変化し、アノード共振板22の枚数が多いほどスポーク形状が先鋭になる。スポーク形状が先鋭になるほど、流れる誘導電流が小さくなるため、出力効率の最大点が低電流領域側に移行する。このため、電磁波発生器2は12枚以上のアノード共振板22を有している。
図19〜21は12枚のアノード共振板22を有する電磁波発生器2を示している。12枚以上のアノード共振板22を有するアノード部12によれば、低入力電力および低電流領域での出力効率を高め、かつ出力効率の変動幅を小さくすることができる。アノード共振板22の分割数が増えると、共振板間の高周波電界の単位当たりの密度が大きくなり、共振のQ値が大きくなる。すなわち、電子効率が向上する。また、アノード共振板22の分割数が増えると、流れる誘導電流の許容値が小さくなり、低電流領域で出力効率が最大となる。このような点から、低入力電力および低電流領域での出力効率を高める上で、12枚以上のアノード共振板22を有するアノード部12が有効となる。
図22および図23に電磁波発生器2の動作電圧(アノード電圧)と電子効率および磁束密度との関係を示す。カソード部11から放出された熱電子は、カソード部11とアノード部12との間の電界により加速されることで運動エネルギーを得るが、電界に直交する磁界の影響により回転運動をする。この回転運動をする際に、アノード共振板22の先端を通過することで、アノード部12に誘導電流が発生する。この誘導電流がマイクロ波電力となる。この電子が電界から得た運動エネルギーをマイクロ波エネルギーに変換する効率を電子効率と呼ぶ。電子効率ηeの理論式は下式によって表される。
Figure 0006282811
上記した式において、raはアノード内径(2ra)の半径、rcはカソード外径(2rc)の半径、σはアノード内径の半径(ra)とカソード外径の半径(rc)との比(rc/ra)、Boは 臨界磁束密度、Bは設計磁束密度、nはモード数(アノード分割N/2)、α1、α2は定数、λは波長である。
図22および図23は上記した2式から求めたものである。図22および図23において、実施例はアノード共振板22の数が12枚の電磁波発生器、比較例はアノード共振板22の数が10枚の電磁波発生器である。実施例の電磁波発生器は、一定の磁束密度に対するアノード電圧が低いものの、電子効率が高くなることが分かる。基本的に、磁束密度が高いほど電子効率は向上する。例えば、アノード電圧を3.5kVとした場合、比較例の電磁波発生器の磁束密度は200mT以下であるのに対して、実施例の電磁波発生器は磁束密度が230mT以上となる永久磁石27a、27bを使用することによって、さらに効率の向上を達成することができる。
上述したように、12枚以上のアノード共振板22を有するアノード部12と磁束密度が230mT以上の永久磁石27a、27bとを適用することによって、表1および図3〜7に示したように、200mA以下のアノード電流領域(低電流領域)での最大出力効率が70%以上、さらに150〜700Wの範囲の入力電力に対する出力効率の変動率が15%以下の電磁波発生器2を実現することができる。そして、このような電磁波発生器2を適用することによって、前述したように全光束を高め、かつ調光時の効率と調光幅とを向上させたプラズマ発光装置1を提供することが可能となる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…プラズマ発光装置、2…電磁波発生器、3…電源部、4…導波管、5…アンテナ、5a…入力端、5b…出力端、6…電磁波集束器、61…集束器本体、62…空洞部、7…無電極バルブ、11…カソード部、12…アノード部、13…主電源、14…電源供給・制御回路、15…カソード電源、16…アノード電源、17…励磁回路、18…出力部、21…アノード円筒、22…アノード共振板、23…フィラメント、26a,26b…集磁板、27a,27b…永久磁石、28…ヨーク、30…アンテナリード。

Claims (7)

  1. 電磁波発生器と、
    前記電磁波発生器に電力を供給する電源部と、
    前記電磁波発生器から放射される電磁波を伝送する導波管と、
    前記導波管内を伝送される前記電磁波を受信するアンテナと、
    前記アンテナから前記電磁波が照射される電磁波集束器と、
    前記電磁波集束器内に配置され、かつ発光物質が充填された無電極バルブを有し、前記電磁波集束器で前記電磁波を前記無電極バルブに集束させることにより前記発光物質を励起してプラズマ発光させる発光部とを具備し、
    前記電磁波発生器は、
    アノード円筒と、前記アノード円筒の内壁から管軸に向かって放射状に配置され、12枚のみのアノード共振板とを有するアノード部と、
    前記アノード円筒の管軸に沿って配置されたフィラメントを有するカソード部と、
    前記アノード円筒の管軸方向に磁場を発生させる、磁束密度が230mT以上の永久磁石を有する励磁回路とを備え、
    700W以下の入力電力で発生させる前記電磁波の最大出力効率が70%以上であり、150W以上700W以下の範囲の入力電力で発生させる前記電磁波の出力効率の変動率が15%以下であることを特徴とするプラズマ発光装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ発光装置において、
    前記電磁波発生器は、前記入力電力に対して200mA以下のアノード電流領域で前記電磁波を発生させ、かつ前記アノード電流領域における前記電磁波の最大出力効率が70%以上であることを特徴とするプラズマ発光装置。
  3. 請求項2に記載のプラズマ発光装置において、
    前記電磁波発生器は、50mA以上200mA以下のアノード電流領域で発生させる前記電磁波の出力効率の変動率が15%以下であることを特徴とするプラズマ発光装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ発光装置において、
    前記電磁波集束器は高誘電物質からなる集束器本体を備え、前記無電極バルブは前記集束器本体内に設置されていることを特徴とするプラズマ発光装置。
  5. 無電極バルブを備えるプラズマ発光装置に電磁波を供給する電磁波発生器であって、
    アノード円筒と、前記アノード円筒の内壁から管軸に向かって放射状に配置され、12枚のみのアノード共振板とを有するアノード部と、
    前記アノード円筒の管軸に沿って配置されたフィラメントを有するカソード部と、
    前記アノード円筒の管軸方向に磁場を発生させる、磁束密度が230mT以上の永久磁石を有する励磁回路とを具備し、
    700W以下の入力電力で発生させる前記電磁波の最大出力効率が70%以上であり、150W以上700W以下の範囲の入力電力で発生させる前記電磁波の出力効率の変動率が15%以下であることを特徴とするプラズマ発光装置用電磁波発生器。
  6. 請求項5に記載のプラズマ発光装置用電磁波発生器において、
    前記入力電力に対して200mA以下のアノード電流領域で前記電磁波を発生させ、かつ前記アノード電流領域における前記電磁波の最大出力効率が70%以上であることを特徴とするプラズマ発光装置用電磁波発生器。
  7. 請求項6に記載のプラズマ発光装置用電磁波発生器において、
    50mA以上200mA以下のアノード電流領域で発生させる前記電磁波の出力効率の変動率が15%以下であることを特徴とするプラズマ発光装置用電磁波発生器。
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