JP6281941B2 - 誘電体の屈折率の検出方法およびその装置、膜厚検出方法およびその装置ならびに表面粗さ検出方法およびその装置 - Google Patents

誘電体の屈折率の検出方法およびその装置、膜厚検出方法およびその装置ならびに表面粗さ検出方法およびその装置 Download PDF

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本発明は誘電体の屈折率の検出方法およびその装置、膜厚検出方法およびその装置ならびに表面粗さ検出方法およびその装置に関し、例えばガスタービン用の遮熱コーティングのトップコートの屈折率、膜厚および表面粗さを検出する場合に適用して有用なものである。
近年、光波と電波の間の周波数領域における電磁波であるテラヘルツ波(周波数0.1〜10THz)の非破壊検査応用が進んでいる。テラヘルツ波はプラスチック、セラミック、木材、塗料等の誘電体を比較的よく透過するため、内部構造の画像化、内部欠陥の検出とともに、膜厚測定に利用されている(非特許文献1参照)。
テラヘルツ波を誘電体の膜厚測定に適用する場合には、テラヘルツ帯における測定対象である誘電体の屈折率が必要になる。通常、屈折率は透過型配置におけるテラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS)により測定される。THz−TDSでは、テラヘルツ波の伝搬経路中に既知の長さの測定対象の挿入前後における透過波の振幅と位相の変化から屈折率を算出している。したがって、金属表面上の誘電体に関しては、透過波が得られないため適用できず、この場合には反射型配置による測定が必要になる。
例えばガスタービンのブレード等、燃焼環境で使用する高温部品の基材を保護するためブレードとなる基材の表面には遮熱コーティング(TBC)が施される。TBCはセラミックスを金属表面に溶射して施工される。この場合、TBCのセラミックス層の屈折率は溶射条件やその後の高温環境における焼結等により変化する。したがって、TBCの材料であるセラミックスの屈折率が分かっていても、セラミックス層の屈折率と一致するとは限らない。しかも、セラミックス層は金属基板上に一体となって溶射されているので、透過測定を行うことはできない。
このように金属と一体となったTBC等、誘電体の屈折率は、テラヘルツ波等の電磁波を利用した反射測定で求める必要がある。しかしながら、反射測定の結果は、測定対象である誘電体の表面粗さの影響を受ける。そこで、テラヘルツ波の反射により誘電体の屈折率を求める場合は、測定対象となる誘電体の表面粗さを仮定する等、特別な工夫をする必要があった(非特許文献2参照)。
テラヘルツ波を用いたガスタービン用遮熱コーティングのトップコート膜厚測定 福地 哲生 他(5名);電学論A 132巻2号 P166〜172 平成24年 テラヘルツ波を用いたガスタービン翼遮熱コーティングのトップコート膜厚測定 福地 哲生 他(6名);電学論A 133巻7号 P395〜401 平成25年
しかしながら、非特許文献2において仮定した表面粗さは真値とは異なり、高精度に真値を反映したものとはいえない場合が多いので、検出された屈折率の値とその真値とのズレが大きく、結果として前記屈折率を利用した膜厚の検出値の誤差も大きくなる。
本発明は、上述の点に鑑み、電磁波の反射により誘電体の屈折率等を検出する場合において高精度に屈折率等を検出し得る誘電体の屈折率の検出方法およびその装置、膜厚検出方法およびその装置ならびに表面粗さ検出方法およびその装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、テラヘルツ波等の電磁波の反射特性を利用して表面が粗面である誘電体の表面粗さの影響を除去することが、高精度屈折率の測定において必須となる点に思い至り、当該測定において表面粗さの影響を除去する方法を検討した。すなわち、誘電体の屈折率を、テラヘルツ波等の電磁波を利用して、高精度に検出するには、粗面である誘電体の表面粗さの影響を可及的に除去することが肝要であり、そのためには誘電体の実質的な鏡面反射率を求めれば良いことに思い至った。誘電体の鏡面反射率を求めるには、鏡面反射が入射波と同じ経路を戻ること、散乱は入射波よりも広い角度分布を有することから、その一部のみが入射波と同じ経路を戻ることを利用すれば良い。
そこで、図1に示すように、送受信器の手前にレンズ01の視野角φを制限するための視野絞り02を配設し、視野角φを変えながら金属板03の鏡面03Aからの反射波と誘電体04の粗面04Aからの反射波を測定する。図1(a)は鏡面03Aからの反射波を大きい視野角φで測定する場合、図1(b)は粗面04Aからの反射波を大きい視野角φで測定する場合、図1(c)は鏡面03Aからの反射波を小さい視野角φで測定する場合、図1(d)は粗面04Aからの反射波を小さい視野角φで測定する場合をそれぞれ概念的に示している。
図1(a)および図1(c)に示す場合において、鏡面03Aから得られる反射波の強度信号Iは、視野絞り02を通過して鏡面03Aに到達し、鏡面反射した後、再び視野絞り02を通過し、レンズ01からビームスプリッター05を介して受信器に到達する反射波の強度を表す。ここで、鏡面03Aの反射率R=1であり、これは視野角φにおいて受信できる最大強度である。一方、粗面04Aから得られる反射波の強度信号Iは、同様に受信器へ到達する反射波の強度であるが、粗面4Aの鏡面反射率RはR<1であること、散乱によって損失が生じることを考慮すると、全ての視野角φにおいてI<Iとなる。
送信時に視野絞り02を通過した電磁波に対する鏡面反射波は、視野角φに関わらず、原理的にはその全てが再び視野絞り02を通過して受信器へ戻る。一方、散乱した電磁波はより広い角度分布を有するため、その一部のみ(鏡面反射に近い角度に散乱された電磁波のみ)が再び視野絞り02を通過できる。すなわち、図1(d)に示すように、視野角φが十分小さいと、散乱の大部分は視野外に戻り受信されない。つまり,受信される強度信号Iの大部分が鏡面反射によるものとなる。したがって、I/Iを最小視野角φ=0まで外挿すれば(実際にφ=0とすると反射波を測定できないため、十分小さい視野角φまで測定する)、散乱の影響を取り除くことができる。よって、式(1)が成り立つ。
鏡面反射率Rが求まれば、式(2)から誘電体の屈折率を求めることができる。
逆に,視野角φが大きいと、鏡面反射に対する散乱の割合が増し、散乱に伴う損失によって受信器へ戻る入射波の割合は低下する。すなわち、見かけ上の反射率は低下する。ここでI/Iを最大視野角φ=πまで外挿すれば(実際にφ=πとすると反射波を測定できないため、十分大きい視野角φまで測定する)、見かけ上の反射率Rは散乱の影響を最大限含んだ値となる。見かけ上の反射率Rは式(3)で与えられる。
かかる検討結果から、見かけ上の反射率I/Iは視野角φに依存することが分かる。式(1)および式(3)から、I/Iの視野角φに対する依存性は図2に示すような形となることが想定される。すなわち、視野角φに対する比(I/I)を表す視野角依存特性曲線が視野角φ=0となる点で鏡面反射率Rが与えられ、この鏡面反射率Rを前記式(2)に代入することにより誘電体04の表面が粗面04Aであることの影響を除去した屈折率nを得る。
かかる知見を基礎とする本発明の第1の態様は、
誘電体である測定試料の粗面にレンズを介して電磁波を垂直に入射させ、前記粗面で反射された前記電磁波の強度を表す第1の強度信号Iを検出する一方、金属板の鏡面に前記レンズを介して前記電磁波を垂直に入射させ、前記鏡面で反射された前記電磁波の強度を表す第2の強度信号Iを検出し、
さらに前記第1および第2の強度信号I,Iを前記レンズの複数の視野角においてそれぞれ検出するとともに、各視野角における前記第1および第2の強度信号I,Iの比を求めて前記視野角に対する前記比を表す特性曲線を得、
前記特性曲線を視野角零に向けて外挿することにより視野角が零のときの鏡面反射率Rを求め、該鏡面反射率Rに基づき前記測定試料の屈折率を検出することを特徴とする誘電体の屈折率の検出方法にある。
本態様によれば、電磁波の反射を利用した粗面である誘電体の屈折率の検出の際に、粗面の表面粗さの影響を実質的に除去することができるので、粗面である誘電体の屈折率を高精度に検出し得る。
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載する誘電体の屈折率の検出方法において、
前記外挿は、前記特性曲線において屈曲点を与える視野角より小さい視野角の範囲で、複数の測定点において前記第1および第2の強度信号I,Iの比が一定となる特性曲線の一端を視野角零に向けて行なうことを特徴とする誘電体の屈折率の検出方法にある。
本態様によれば、特性曲線の外挿を、視野角=0に向けて適確に実施し得る。
本発明の第3の態様は、
第1または第2の態様に記載する誘電体の屈折率の検出方法において検出した屈折率をn、光速をc、前記誘電体を前記電磁波が一往復する時間をΔtとするとき、前記測定試料の膜厚dをd=(c・Δt/2n)で求めることを特徴とする誘電体の膜厚の検出方法にある。
本態様によれば、d=(c・Δt/2n)で与えられる膜厚dを高精度に検出された屈折率nを用いて求めることができるので、膜厚も高精度に検出し得る。
本発明の第の態様は、
誘電体である測定試料の粗面にレンズを介して電磁波を垂直に入射させ、前記粗面で反
射された前記電磁波の強度を表す第1の強度信号Iを検出するとともに、金属板の鏡面に
前記レンズを介して前記電磁波を垂直に入射させ、前記鏡面で反射された前記電磁波の強
度を表す第2の強度信号Iを検出する反射波検出手段と、
前記レンズから前記粗面および前記鏡面に向かって照射される前記電磁波を絞るように
前記レンズの視野角を調整する視野絞り手段と、
それぞれ複数の前記視野角において検出した前記第1の強度信号および第2の強度信号
の強度の時間軸特性を記憶している記憶手段と、
各視野角における前記第1および第2の強度信号I,Iの情報を前記記憶手段から読
み出し、前記第1および前記第2の強度信号I,Iの比を求めて前記視野角に対する前
記比を表す特性曲線を得るとともに、前記特性曲線を視野角零に向けて外挿することによ
り前記視野角が零のときの鏡面反射率Rを求め、該鏡面反射率Rに基づき前記測定試
料の屈折率を演算する演算手段とを有することを特徴とする誘電体の屈折率の検出装置に
ある。
本態様によれば、電磁波の反射を利用した測定試料の屈折率の検出の際に、誘電体の表面粗さの影響を実質的に除去することができるので、測定試料が、一般に粗面である誘電体であってもその屈折率を高精度に検出し得る。
本発明の第の態様は、
の態様に記載する誘電体の屈折率の検出装置において、
前記外挿は、前記特性曲線において屈曲点を与える視野角より小さい視野角の範囲で、
複数の測定点において前記第1および第2の強度信号I,Iの比が一定となる特性曲線
の一端を視野角零に向けて行なうことを特徴とする誘電体の屈折率の検出装置にある。
本態様によれば、特性曲線の外挿を視野角=0に向けて適確に実施し得る。
本発明の第の態様は、
または第の態様に記載する誘電体の屈折率の検出装置において検出した屈折率を
n、光速をc、前記測定試料を前記電磁波が一往復する時間をΔtとするとき、前記測定
試料の膜厚dをd=(c・Δt/2n)で求めるように前記演算手段を構成したことを特
徴とする誘電体の膜厚の検出装置にある。
本態様によれば、d=(c・Δt/2n)で与えられる膜厚dを高精度に検出された屈折率nを用いて求めることができるので、膜厚も高精度に検出し得る。
本発明の第の態様は、
または第の態様に記載する演算手段は、さらに前記第1の強度信号Iをフーリエ
変換することにより周波数領域の第3の強度信号I(f)を得るとともに、前記第2の強
度信号Iをフーリエ変換することにより周波数領域の第4の強度信号I(f)を得、
前記第3の強度信号I(f)と第4の強度信号I(f)との比が式(5)
の関係があることを利用して、式(5)の傾きとして表面粗さδを求めるように構成した
ことを特徴とする誘電体の表面粗さの検出装置にある。
本態様によれば、高精度に検出された誘電体の屈折率を既知の式に代入するだけで、正確な表面粗さを容易かつ適切に求めることができる。すなわち、触診式の粗さ計を用いる場合に較べ、測定試料の表面に接触することなく非接触で所望の測定試料の表面粗さを検出し得る。したがって、測定試料が、美術品等である場合に特に有用なものとなる。
本発明によれば、誘電体の表面粗さの影響を実質的に除去して粗面である誘電体の屈折率を正確に検出することができる。また、かかる屈折率を利用して前記誘電体の膜厚および表面粗さも高精度に求めることができる。
本発明の原理を説明するための説明図である。 視野角と、強度信号I,Iの比との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係る誘電体の屈折率の検出装置を示すブロック図である 強度信号I(実線)と強度信号I(点線)時間特性を視野絞りの複数の開口径oおよび視野角φをパラメータとして示す特性図である。 視野角を変化させて行った測定における強度信号I,Iの比を表す特性曲線を示す特性図である。 テラヘルツ波の照射により誘電体の膜厚を測定する場合の態様を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
<誘電体の屈折率の検出>
図3は本発明の実施の形態に係る誘電体の屈折率の検出装置を示すブロック図である。同図に示すように、本形態に係る誘電体の屈折率の検出装置は、反射波検出部1、テラヘルツ波の送信器2、テラヘルツ波の受信器3、記憶部4、演算部5および表示部6を有する。反射波検出部1は、同一の垂直な光軸の上下2箇所に配設されている2枚のレンズ7,8を有しており、レンズ8の下方に配設された金属板12の表面である鏡面12Aまたは測定試料である誘電体13の粗面13Aにテラヘルツ波を収束させて垂直入射させる。ここで、金属板12は、例えばSUS板を好適に使用でき、誘電体13は、例えばタービン翼に溶射される遮熱コーティング(TBC)のトップコートを形成する部材であり、その表面が粗面13Aとなっている。この誘電体13が、屈折率の測定対象である。ここで、誘電体13の粗面13Aの表面粗さは未知である。
レンズ8の下方にはレンズ8の視野を絞る視野絞り10が配設してある。ここで、視野絞り10はレンズ8から基準試料12または測定試料13の表面に向かうテラヘルツ波を絞ることができるものであれば、特にその構造に限定はない。例えば、通常のカメラレンズの絞り構造を適用して好適に構成することができる。
ビームスプリッター9は、レンズ7,8の光軸に対し45°傾斜させてレンズ7,8の間に配設されている。かくして、金属板12の鏡面12Aまたは誘電体13の粗面13Aで反射され、レンズ8を介して戻ってきたテラヘルツ波をビームスプリッター9で45°屈曲させてレンズ11に入射させる。
レンズ11はテラヘルツ波の反射波を受信器3に入射させる。受信器3に入射された反射波は反射強度の時間特性を表す電気信号に変換されて記憶部4に記憶される。
以下、金属板12の鏡面12Aで反射された反射波の反射強度をI、測定試料である誘電体13の粗面13Aで反射された反射波の反射強度をIの符号で表す。
受信器3で検出され、記憶部4に記憶される強度信号Iと強度信号Iの時間特性を図4に示す。同図において、実線が強度信号Iの時間特性を、点線が強度信号Iの時間特性をそれぞれ示している。各時間特性は、図4に示す視野絞り10の複数の開口径oおよび視野角φをパラメータとして示している。
上述の如き時間特性は、コントローラ13でレーザーパルス発生器12、遅延装置14および記憶部4を制御することにより記憶部4にデータとして記憶される。さらに詳言すると、レーザーパルス発生器12はコントローラ13の制御信号によりレーザーパルスを発生させ、このレーザーパルスにより送信器2からテラヘルツ波を照射させるとともに、遅延装置14を介して受信器3を動作させることによりテラヘルツ波の反射波を受信させる。ここで、前記レーザーパルスは遅延装置14で所定時間ずつ遅延される。この結果、受信器3における反射波の取り込みタイミングが逐次遅延される。かくして、受信器3では、時間軸上でスキャンした離散的な値としての反射波の強度を表わすデータが得られ、かかるデータが記憶部4に読み込まれる。この結果、図4に示す強度信号I、Iが生成される。記憶部4の読み込みタイミングは、受信器3における反射波の取り込みタイミングに同期するように、コントローラ13で制御される。
演算部5は、記憶部4に記憶している強度信号Iの時間特性および強度信号Iの時間特性を表すデータに基づき所定の演算を行うことにより測定試料である誘電体13の屈折率nを求める。すなわち、各視野角φにおける強度信号I,Iの比を求めて視野角φに対する強度信号I,Iの比(I/I)を表す図5に示すような特性曲線を得る。その後、前記特性曲線を視野角φ=0に向けて外挿することにより視野角φ=0のときの鏡面反射率Rを求める。最後に、鏡面反射率Rに基づき誘電体13の屈折率nを演算する。ここで、外挿は、図5に示す特性曲線において屈曲点Pを与える視野角φより小さい視野角φの範囲で、複数の測定点において前記第1および第2の強度信号I,Iの比が一定となる特性曲線の一端を、視野角零に向けて延長することにより実施する。
ここで、測定対象である誘電体13の粗面13Aの屈折率nは、図5に示す特性曲線を視野角φ=0に向けて外挿することにより得た鏡面反射率Rを式(6)に代入することにより求める。
演算部5による演算結果は表示部6に表示される。
かかる本形態では、まず金属板12をレンズ8の下方に配置した状態で、その鏡面12Aに、送信器2から照射されるテラヘルツ波をレンズ7、8を介して垂直に入射させる。次に、鏡面12Aで反射されたテラヘルツ波の強度を表す強度信号Iを検出して記憶部4に記憶させる。同様の操作を視野絞り10で視野角φを変えて複数回繰り返す。
さらに、金属板12に代えて粗面13Aを有する誘電体13をレンズ8の下方に配設した状態で、レンズ7、8を介して粗面13Aにテラヘルツ波を垂直に入射させ、粗面13Aで反射されたテラヘルツ波の強度を表す強度信号Iを検出して記憶部4に記憶させる。同様の操作を視野絞り10により視野角φを変えて、金属板12の場合と同様に、複数回繰り返す。
最後に、記憶部4に記憶させたI、Iに基づき両者の比を求め、図5に示す特性図を作成するとともに、前記特性曲線を視野角φ=0に向けて外挿することにより視野角φ=0のときの鏡面反射率Rを求める。続いて鏡面反射率Rに基づき所定の演算を行うことにより、誘電体13の屈折率nを求め、その結果を表示部6に表示する。
<誘電体の膜厚検出>
粗面13Aを有する誘電体13の膜厚は、次のような原理により検出することができる。図6に示すように、誘電体13にテラヘルツ波を照射した場合の反射波は、誘電体13の表面からの反射波(同図(a)参照)と、誘電体13の内部や裏面からの反射波(同図(b)参照)とに分離される。ここで、テラヘルツ波が膜厚d、屈折率nの誘電体13中を1往復するのに要する時間TはT=(2nd/c(cは光速))で与えられる。したがって、膜厚dは、表面反射のパルスと裏面反射のパルスの幅(同図(c)参照)、すなわちテラヘルツ波が屈折率nの誘電体13中を1往復するのに要する時間Tを計測することによりd=(cT/2n)として求めることができる。
したがって、本実施の形態においては、強度信号IまたはIに基づき時間Tを演算するとともに、この時間Tと上述の実施の形態で求めた屈折率nとを利用することにより、
d=(cT/2n)の式の演算を行なうように、図3に示す演算部5を構成することにより、膜厚dを正確に求めることができる。
<誘電体の表面粗さ検出>
図4に示す強度信号Iをフーリエ変換することにより周波数領域の強度信号I(f)を得るとともに、強度信号Iをフーリエ変換することにより周波数領域の強度信号I(f)を得ることができる。
一方、強度信号I(f)と強度信号I(f)との比(I(f)/I(f))は式(7)の関係が成立している。
そこで、式(7)の関係を利用すれば、式(7)の傾きとして表面粗さδを求めることができる。
したがって、本実施の形態においては、図3に示す演算部5を、記憶部4に記憶されている時間領域の強度信号Iおよび強度信号Iに基づきこれらをフーリエ変換して周波数領域の強度信号I(f)、強度信号I(f)を生成し、さらに両者の比(I(f)/I(f))を求めるように構成すれば、上式(7)の関係を利用して粗面13Aの表面粗さδを求めることができる。
なお、上記実施の形態では電磁波としてテラヘルツ波を用いる場合を説明したが、これに限るものでは勿論ない。測定対象となる誘電体の表面粗さにより適切な波長の電磁波を選定すればよい。
本発明は製造条件により特性が変わり、しかも溶射等により基材に一体化された誘電体膜、例えばガスタービン用の遮熱コーティングのトップコートの屈折率、膜厚および表面粗さ等を検出する産業分野で利用することができる。
I、I 反射強度
1 反射波検出部
2 送信器
3 受信器
4 記憶部
5 演算部
7,8 レンズ
9 ビームスプリッター
10 視野絞り
12 金属板
12A 鏡面
13 誘電体
13A 粗面

Claims (7)

  1. 誘電体である測定試料の粗面にレンズを介して電磁波を垂直に入射させ、前記粗面で反
    射された前記電磁波の強度を表す第1の強度信号Iを検出する一方、金属板の鏡面に前記
    レンズを介して前記電磁波を垂直に入射させ、前記鏡面で反射された前記電磁波の強度を
    表す第2の強度信号Iを検出し、
    さらに前記第1および第2の強度信号I,Iを前記レンズの複数の視野角においてそ
    れぞれ検出するとともに、各視野角における前記第1および第2の強度信号I,Iの比
    を求めて前記視野角に対する前記比を表す特性曲線を得、
    前記特性曲線を視野角零に向けて外挿することにより視野角が零のときの鏡面反射率R
    を求め、該鏡面反射率Rに基づき前記測定試料の屈折率を検出することを特徴とする
    誘電体の屈折率の検出方法。
  2. 請求項1に記載する誘電体の屈折率の検出方法において、
    前記外挿は、前記特性曲線において屈曲点を与える視野角より小さい視野角の範囲で、
    複数の測定点において前記第1および第2の強度信号I,Iの比が一定となる特性曲線
    の一端を視野角零に向けて行なうことを特徴とする誘電体の屈折率の検出方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載する誘電体の屈折率の検出方法において検出した屈折率
    をn、光速をc、前記誘電体を前記電磁波が一往復する時間をΔtとするとき、前記測定
    試料の膜厚dをd=(c・Δt/2n)で求めることを特徴とする誘電体の膜厚の検出方
    法。
  4. 誘電体である測定試料の粗面にレンズを介して電磁波を垂直に入射させ、前記粗面で反
    射された前記電磁波の強度を表す第1の強度信号Iを検出するとともに、金属板の鏡面に
    前記レンズを介して前記電磁波を垂直に入射させ、前記鏡面で反射された前記電磁波の強
    度を表す第2の強度信号Iを検出する反射波検出手段と、
    前記レンズから前記粗面および前記鏡面に向かって照射される前記電磁波を絞るように
    前記レンズの視野角を調整する視野絞り手段と、
    それぞれ複数の前記視野角において検出した前記第1の強度信号および第2の強度信号
    の強度の時間軸特性を記憶している記憶手段と、
    各視野角における前記第1および第2の強度信号I,Iの情報を前記記憶手段から読
    み出し、前記第1および前記第2の強度信号I,Iの比を求めて前記視野角に対する前
    記比を表す特性曲線を得るとともに、前記特性曲線を視野角零に向けて外挿することによ
    り前記視野角が零のときの鏡面反射率Rを求め、該鏡面反射率Rに基づき前記測定試
    料の屈折率を演算する演算手段とを有することを特徴とする誘電体の屈折率の検出装置。
  5. 請求項に記載する誘電体の屈折率の検出装置において、
    前記外挿は、前記特性曲線において屈曲点を与える視野角より小さい視野角の範囲で、
    複数の測定点において前記第1および第2の強度信号I,Iの比が一定となる特性曲線
    の一端を視野角零に向けて行なうことを特徴とする誘電体の屈折率の検出装置。
  6. 請求項または請求項に記載する誘電体の屈折率の検出装置において検出した屈折率
    をn、光速をc、前記測定試料を前記電磁波が一往復する時間をΔtとするとき、前記測
    定試料の膜厚dをd=(c・Δt/2n)で求めるように前記演算手段を構成したことを
    特徴とする誘電体の膜厚の検出装置。
  7. 請求項または請求項に記載する前記演算手段は、さらに前記第1の強度信号Iをフ
    ーリエ変換することにより周波数領域の第3の強度信号I(f)を得るとともに、前記第
    2の強度信号Iをフーリエ変換することにより周波数領域の第4の強度信号I(f)
    を得、前記第3の強度信号I(f)と第4の強度信号I(f)との比が式(2)
    の関係があることを利用して、式(2)の傾きとして表面粗さδを求めるように構成した
    ことを特徴とする誘電体の表面粗さの検出装置。
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