JP6281384B2 - 尿素scrシステム - Google Patents

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Description

本発明は、尿素SCRシステムに関する。
自動車等の排気ガスに尿素水を噴射して、この排気ガスに含まれるNOxをN等に化学変化させることにより、上記排気ガスを浄化する、尿素SCRシステムと呼ばれるシステムが知られている。この尿素SCRシステムに用いられる尿素水噴射弁の内部には、ノズルボディ及びニードルと称される、ステンレス製の部品が設けられている(下記特許文献1参照)。
上記ノズルボディは、尿素水噴射弁の先端に設けられている。また、上記ニードルは、軸線方向に進退動作して、ノズルボディに接離する部品である。尿素水噴射弁は、上記ノズルボディとニードルとが接離する、単位時間あたりの回数等を制御することにより、所定量の尿素水を噴射できるよう構成されている。
ノズルボディとニードルは繰り返し接離するため、これらを構成するステンレス鋼には、高い耐摩耗性が要求される。また、ノズルボディとニードルは、排気ガスによって加熱されて高温になった尿素水に接触するため、ノズルボディ等を構成するステンレス鋼には、高温の尿素水に対する高い耐腐食性が要求される。
近年、温度がより高い環境で使用できる尿素水噴射弁の開発が進められている。温度がより高い環境で尿素水噴射弁を使用すると、尿素水噴射弁内部の尿素水の温度がより高くなる。そのため、ノズルボディやニードルを、より高温の尿素水に耐えられるステンレス鋼によって形成する必要がある。
特開2009−250161号公報
しかしながら、従来のステンレス鋼は、温度がより高い尿素水に接触すると、溶解してしまう場合があった。そのため、従来のステンレス鋼を用いてノズルボディやニードルを形成した場合、尿素水の温度がより高くなると溶解してしまい、尿素水の噴射量を正確に制御できなくなるという問題が考えられた。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、温度がより高い尿素水に対しても充分な耐腐食性を有し、かつ耐摩耗性が高いステンレス鋼を用いた尿素水噴射弁を備える、尿素SCRシステムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、内燃機関から排出された排ガスが流れる排管と、該排管内に設けられたSCR触媒と、上記排管のうち上記SCR触媒よりも上記排ガスの上流側に位置する部位に取り付けられた尿素水噴射弁と、を備える尿素SCRシステムであって、
上記尿素水噴射弁は、その先端に設けられたノズルボディと、軸線方向に進退することにより上記ノズルボディに接離するニードルとを備え、上記ノズルボディ及び上記ニードルを構成するステンレス鋼は、HRC硬さが40以上であり、かつ下記式(1)を満たし、
上記尿素水噴射弁には、該尿素水噴射弁内を流れる尿素水を冷却する冷却器が設けられ、
上記排管には貫通孔が形成され、該貫通孔に上記尿素水噴射弁が挿し込まれており、該尿素水噴射弁の上記先端は、上記排管の内面よりも上記排管の内側に位置していることを特徴とする尿素SCRシステム。
Cr−10C+2Ni≧2.18×10−3−1.87×10−1t+9 ・・・(1)
但し、上記式(1)における元素記号は、その元素の質量%を意味し、元素記号の前の数値は定数であり、tは上記ノズルボディ及び上記ニードルに接触する上記尿素水の最高温度(℃)であり、上記ステンレス鋼はC:0.2質量%以下(0質量%含む)、Ni:3〜11質量%、Cr:12質量%以上を含有する。
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、尿素水噴射弁用ステンレス鋼の腐食は、高温尿素水に含まれるCO 2−及びHCO が主な原因となることを見出した。すなわち、尿素((HN)C=O)水が熱によって分解してCO 2−やHCO に解離し、この解離したイオンによって不動態皮膜が破壊されるため、ステンレス鋼が腐食するのである。上記式(1)に含まれるCr−10C+2Niは、CO 2−等が腐食原因となる場合におけるステンレス鋼の耐腐食性指標である。この数値が高いほど、ステンレス鋼の、CO 2−等に対する耐腐食性が高まる。
尿素水の温度が高くなると、上記イオンによって不動態被膜が破壊されやすくなり、ステンレス鋼が腐食しやすくなる。そのため、上記ノズルボディやニードルを、耐腐食性指標がより高いステンレス鋼によって形成する必要が生じる。
本発明者らは、ステンレス鋼に要求される耐腐食性指標と、尿素水の最高温度tとの関係を見出した。つまり、耐腐食性指標が上記式(1)を満たせば、尿素水噴射弁を温度がより高い環境で使用し、尿素水の最高温度tがより高くなったとしても、ノズルボディ等を構成するステンレス鋼が尿素水に溶解せず、長期間にわたって、尿素水の噴射量を正確に制御できることを見出した。
また、上記尿素水噴射弁用ステンレス鋼は、HRC硬さが40以上である。そのため、高い耐摩耗性が要求される、尿素水噴射弁のノズルボディ及びニードル用のステンレス鋼として、好適に用いることができる。
以上のごとく、本発明によれば、温度がより高い尿素水に対しても充分な耐腐食性を有し、かつ耐摩耗性が高いステンレス鋼を用いた尿素水噴射弁を備える、尿素SCRシステムを提供することができる。
実施例1における、ステンレス鋼を160℃の尿素水に120時間浸漬したときの、耐食性指標と腐食量との関係を表したグラフ。 実施例1における、ステンレス鋼を120℃の尿素水に120時間浸漬したときの、耐食性指標と腐食量との関係を表したグラフ。 実施例1における、ステンレス鋼を80℃の尿素水に120時間浸漬したときの、耐食性指標と腐食量との関係を表したグラフ。 実験例1における、尿素水の温度と、ステンレス鋼がその温度の尿素水に溶解しないようにするために最低限必要な耐食性指標との関係を表したグラフ。 実施例2における、尿素水噴射弁の断面図。 実施例2における、尿素水噴射弁の先端部の拡大断面図。 実施例2における、尿素SCRシステムの概念図。
上記尿素SCRシステムは、車両用の尿素SCRシステムとすることができる。
(実施例1)
下記表1に示すごとく、組成および耐腐食性指標(Cr−10C+2Ni)が互いに異なる、複数種類のステンレス鋼(材料No.1〜11)を用意した。そして、各ステンレス鋼の、尿素水に対する耐腐食性を測定する実験を行った。
Figure 0006281384
この実験では、まず、各ステンレス鋼を用いて、直径6.7mm、高さ5.0mmの円柱状の試験片を作成した。そして、個々の試験片を密閉容器に入れ、濃度32.5質量%の尿素水を100ml注入して、120時間加熱した。加熱温度は、80℃、120℃、160℃に条件振りした。120時間経過した後、各試験片を容器から取り出し、それぞれの質量を測定した。これにより、各試験片が、尿素水によって腐食する割合(質量%)を算出した。各材料の耐腐食性指標(Cr−10C+2Ni)と、120時間経過後の腐食割合とを上記表1に示す。
表1のデータを用いて、尿素水の温度を160℃にした場合の、耐腐食性指標と腐食割合との関係をグラフにしたものを、図1に示す。このグラフから、尿素水の温度が160℃の場合は、耐腐食性指標が35質量%未満であると、ステンレス鋼が尿素水に溶解してしまうことが分かる。また、耐腐食性指標が35質量%以上であれば、ステンレス鋼は160℃の尿素水に溶解しないことが分かる。
次に、表1のデータを用いて、尿素水の温度を120℃にした場合の、耐腐食性指標と腐食割合との関係をグラフにしたものを、図2に示す。このグラフから、尿素水の温度が120℃の場合は、耐腐食性指標が18質量%未満であると、ステンレス鋼が尿素水に溶解してしまうことが分かる。また、耐腐食性指標が18質量%以上であれば、ステンレス鋼は尿素水に溶解しないことが分かる。
次に、表1のデータを用いて、尿素水の温度を80℃にした場合の、耐腐食性指標と腐食割合との関係をグラフにしたものを、図3に示す。このグラフから、尿素水の温度が80℃の場合は、耐腐食性指標が8質量%未満であると、ステンレス鋼が尿素水に溶解してしまうことが分かる。また、耐腐食性指標が8質量%以上であれば、ステンレス鋼は尿素水に溶解しないことが分かる。
以上説明したように、ステンレス鋼が尿素水に溶解しないようにするためには、尿素水の温度が80℃の場合は、耐腐食性指標を最低でも8質量%にする必要があり、尿素水の温度が120℃の場合は、耐腐食性指標を最低でも18質量%にする必要がある。また、尿素水の温度が160℃の場合は、耐腐食性指標を最低でも35質量%にする必要がある。尿素水の温度と、ステンレス鋼がこの温度の尿素水に溶解しないようにするために最低限必要な耐腐食性指標との関係を、図4に示す。
同図に示すグラフの上側の領域は、ステンレス鋼が尿素水に溶解しない領域であり、下側の領域は、ステンレス鋼が尿素水に溶解する領域である。グラフの曲線は、(尿素水の温度、耐腐食性指標)=(80℃、8質量%)、(120℃、18質量%)、(160℃、35質量%)の各点を通る。この曲線の近似式は、下記式で表すことができる。
耐腐食性指標=2.18×10−3−1.87×10−1t+9
耐腐食性指標が、この曲線よりも高い値に設定されていれば、ステンレス鋼は、尿素水に溶解しない。つまり、尿素水噴射弁内のノズルボディとニードルを構成するステンレス鋼が、下記式(1)を満たせば、その尿素水噴射弁において想定される最高温度tの尿素水には、ステンレス鋼は溶解しない。
Cr−10C+2Ni≧2.18×10−3−1.87×10−1t+9 ・・・(1)
例えば、尿素水噴射弁が、最高100℃になる環境で使用される場合、その尿素水噴射弁内の尿素水の最高温度tは100℃となる。上記式(1)の右辺にt=100を代入すると、12.1になる。そのため、ノズルボディ及びニードルを、耐腐食性指標が12.1質量%以上のステンレス鋼によって形成しておけば、ノズルボディ及びニードルが尿素水に溶解することを防止できることが分かる。
また、例えば、尿素水噴射弁が、最高140℃になる環境で使用される場合、その尿素水噴射弁内の尿素水の最高温度tは140℃となる。上記式(1)の右辺にt=140を代入すると、25.5になる。そのため、ノズルボディ及びニードルを、耐腐食性指標が25.5質量%以上のステンレス鋼によって形成しておけば、ノズルボディ及びニードルが尿素水に溶解することを防止できることが分かる。
なお、尿素水の最高温度tの適用範囲は、80〜160℃である。最高温度tがこの範囲であれば、上記式(1)を満たす。
また、上記表1から、材料No.1、2のステンレス鋼は、Cの含有量がそれぞれ0.65質量%、および0.5質量%と多いため、これが原因となって耐腐食性指標(Cr−10C+2Ni)が低くなっていることが分かる。Cは、ステンレス鋼の硬度を高める成分であるが、ステンレス鋼の、尿素水に対する耐腐食性を低下させる性質がある。表1のデータから、少なくとも120℃程度の、高温の尿素水に対する充分な耐腐食性を確保するためには、Cの含有率をなるべく低くする必要があり、0.2質量%以下にすることが望ましいことが分かる。
また、表1から、材料No.3のステンレス鋼は、Niの含有量が0.3質量%と少ないため、120℃の尿素水に22質量%溶解していることが分かる。表1のデータから、少なくとも120℃程度の、高温の尿素水に対する充分な耐腐食性を確保するためには、Niの含有量を3質量%以上にすることが望ましいことが分かる。但し、Niの含有量が増えすぎると、ステンレス鋼の硬度が低下しやすくなる。そのため、Niの含有量は、11質量%以下にすることが好ましい。
Crは、ステンレス鋼の、尿素水に対する耐腐食性を高める成分である。Crが12質量%未満になると、充分な耐腐食性を備えることができなくなる。また、Crは、ステンレス鋼の硬度を高める成分でもある。
以上の理由により、尿素水噴射弁用のステンレス鋼は、C:0.2質量%以下(0質量%を含む)、Ni:3〜11質量%、Cr:12質量%以上を含有することが好ましい。なお、上記ステンレス鋼には、C、Ni、Cr以外の成分を含有させることもできる。例えば、表1に示すように、Mo、Al、Nを含有させてもよい。この他には、Cu、Si、Mn、P、S等の元素を含有させることもできる。
Cu及びAlは、ステンレス鋼の、尿素水に対する耐腐食性を低下させる性質がある。そのため、CuとAlの含有量は、なるべく少なくすることが好ましい。Cuが0.3質量%を超える場合や、Alが0.1質量%を超える場合は、充分な耐腐食性を得られなくなるおそれがある。
また、Moが2.0質量%未満になると、ステンレス鋼の硬度が低下したり、耐腐食性が低下したりする場合がある。Moが4.0質量%を超えると、熱間加工性が低下したり、コストアップしたりする問題が生じる。また、Nが0.2質量%を超えると、残留オーステナイトが増加して硬度が低下しやすくなる。
以上の理由により、尿素水噴射弁用のステンレス鋼は、Cu:0.3質量%以下(0質量%含む)、Al:0.1質量%以下(0質量%含む)、Mo:2.0〜4.0質量%、N:0.2質量%以下(0質量%含む)となるように、組成を調整することが好ましい。
以上説明したように、本例によれば、温度がより高い尿素水に対しても充分な耐腐食性を有し、かつ耐摩耗性が高いステンレス鋼を用いた尿素水噴射弁を備える、尿素SCRシステムを提供することができる。
(実施例2)
本発明の効果を確認する実験を行った。まず、下記表2に示すステンレス鋼を用意した。
Figure 0006281384
表2から分かるように、このステンレス鋼は、C:0.2質量%以下、Ni:3〜11質量%、Cr:12質量%以上、Cu:0.3質量%以下、Al:0.1質量%以下、Mo:2.0〜4.0質量%、N:0.2質量%以下を含有する。また、上記ステンレス鋼は、HRC硬さが40以上であり、耐腐食性指標(Cr−10C+2Ni)は24.68質量%である。
上記ステンレス鋼を用いてノズルボディ2及びニードル3を作成した。そして、これらノズルボディ2及びニードル3を有する尿素水噴射弁1を作成した。この尿素水噴射弁1を、温度が120℃になる環境で、車両寿命に相当する回数、接離させて、尿素水4を噴射する実験を行った。そして、ノズルボディ2及びニードル3が尿素水4に溶解せず、尿素水4の噴射量を正確に維持できるか否かを確認した。
実験の結果、ノズルボディ2及びニードル3は尿素水4に腐食せず、実験の前後にわたって、尿素水4の噴射量を正確に維持できることを確認できた。これは、上記ステンレス鋼が上記式(1)を満たしていることが理由の一つであると考えられる。つまり、上記ステンレス鋼の耐腐食性指標(Cr−10C+2Ni)は24.68質量%であり、尿素水の最高温度tが120℃であるときの式(1)の右辺の値は18質量%である。そのため、このステンレス鋼は、式(1)を満たしている。
また、上記ステンレス鋼は、HRC硬さが40以上であり、かつ、組成を実施例1に記載した範囲内にしてある。そのため、ノズルボディ等が摩耗しにくく、上記実験結果を得られたと考えられる。
次に、尿素水噴射弁1の構造について説明する。図5、図6に示すごとく、尿素水噴射弁1は、ニードル3、ノズルボディ2、電磁コイル11、磁性体35、ばね部材30を備える。ノズルボディ2は、尿素水噴射弁1の先端10に設けられている。ニードル3は、尿素水噴射弁1内に設けられており、軸線方向(Z方向)に進退することにより、ノズルボディ2に接離するよう構成されている。この尿素水噴射弁1は、尿素SCRシステム(図7参照)に用いられる。
ばね部材30は、ニードル3をZ方向における先端側へ加圧している。電磁コイル11に通電すると、磁性体35をZ方向の後端側に引き付ける磁力が発生する。そのため、ばね部材30の加圧力に抗して、ニードル3が後端側へ移動する。また、電磁コイル11への通電を停止すると、磁力が消失し、ばね部材30の加圧力によって、ニードル3が先端側へ移動する。このようにニードル3を進退動作させることにより、後述する弁部40を開閉し、噴射する尿素水4の量を制御できるよう構成されている。
尿素水噴射弁1は、制御装置(図示しない)に接続するためのコネクタ12を備える。コネクタ12内には、制御ピン13が設けられている。制御ピン13は、上記電磁コイル11に接続している。制御装置から、制御ピン13を介して電磁コイル11に制御電流を流すことにより、ニードル3を進退動作させるよう構成されている。
ニードル3は、中空になっている。また、ニードル3には、貫通孔38が形成されている。ニードル3とノズルボディ2との間には、これらが接離することによって開閉する弁部40が形成されている。
ノズルボディ2には、Z方向に貫通した穴部28が形成されている。また、ノズルボディ2には、ノズルプレート5を取り付けてある。ノズルプレート5には、噴射孔50が形成されている。
尿素水4は、尿素水噴射弁1の後端部100から導入され、ばね部材30の内側、及びニードル3の内側空間Sを流れる。そして、貫通孔38、弁部40、噴射孔50を通って、外部に噴射される。
ニードル3が後退すると弁部40が開き、尿素水4が流れて、噴射孔50から尿素水40が噴射する。本例の尿素水噴射弁1は、弁部40を開閉する単位時間当たりの回数を制御することにより、尿素水40の噴射量を制御できるよう構成されている。
図7に示すごとく、尿素水噴射弁1は、車両の排気管6に取り付けられる。車両のエンジンから発生した排気ガスgは、排気管6内を流れ、SCR触媒8を通る。この排気ガスgに尿素水4を噴射する。そして、排気ガスに含まれるNOxと尿素とを、SCR触媒8において化学反応させ、N、CO、HO等に変化させる。
尿素水噴射弁1の先端10は、排気管6内に挿入されている。そのため、先端10に設けられたノズルボディ2及びニードル3は、排気ガスgによって加熱される。また、尿素水噴射弁1には、冷却器19が取り付けられている。冷却器19を用いて尿素噴射弁1を冷却し、ノズルボディ2及びニードル3が、予め定められた温度よりも高くならないようにしてある。
上述したように、近年、尿素水噴射弁1を、より温度が高い環境で使用できるようにすることが求められている。具体的には、尿素水噴射弁1の使用最高温度が120℃以上になってしまう場合でも、充分に使用できる尿素水噴射弁1が求められている。使用最高温度が120℃以上になると、尿素水噴射弁1内の尿素水4の最高温度tが120℃以上になる。しかしながら、本例では、ノズルボディ2及びニードル3を、上記式(1)を満たすステンレス鋼によって形成してあるため、ノズルボディ2及びニードル3が120℃以上の尿素水4に腐食しないようにすることができ、長期間にわたって、尿素水4の噴射量を正確に制御することができる。
1 尿素水噴射弁
2 ノズルボディ
3 ニードル
4 尿素水

Claims (3)

  1. 内燃機関から排出された排ガスが流れる排管(6)と、該排管(6)内に設けられたSCR触媒(8)と、上記排管(6)のうち上記SCR触媒(8)よりも上記排ガスの上流側に位置する部位に取り付けられた尿素水噴射弁(1)と、を備える尿素SCRシステムであって、
    上記尿素水噴射弁(1)は、その先端に設けられたノズルボディ(2)と、軸線方向に進退することにより上記ノズルボディ(2)に接離するニードル(3)とを備え、上記ノズルボディ(2)及び上記ニードル(3)を構成するステンレス鋼は、HRC硬さが40以上であり、かつ下記式(1)を満たし、
    上記尿素水噴射弁(1)には、該尿素水噴射弁(1)内を流れる尿素水(4)を冷却する冷却器(19)が設けられ、
    上記排管(6)には貫通孔が形成され、該貫通孔に上記尿素水噴射弁(1)が挿し込まれており、該尿素水噴射弁(1)の上記先端は、上記排管(6)の内面よりも上記排管(6)の内側に位置していることを特徴とする尿素SCRシステム。
    Cr−10C+2Ni≧2.18×10−3−1.87×10−1t+9 ・・・(1)
    但し、上記式(1)における元素記号は、その元素の質量%を意味し、元素記号の前の数値は定数であり、tは上記ノズルボディ(2)及び上記ニードル(3)に接触する上記尿素水(4)の最高温度(℃)であり、上記ステンレス鋼はC:0.2質量%以下(0質量%含む)、Ni:3〜11質量%、Cr:12質量%以上を含有する。
  2. 上記尿素水(4)の最高温度tは80〜160℃であることを特徴とする請求項1に記載の尿素SCRシステム
  3. 上記ステンレス鋼は、さらに、Cu:0.3質量%以下(0質量%含む)、Al:0.1質量%以下(0質量%含む)、Mo:2.0〜4.0質量%、N:0.2質量%以下(0質量%含む)を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の尿素SCRシステム
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