《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図6に基づいて、詳細に説明する。図1には、第1の実施形態に係る電子機器システム500Aの構成がブロック図にて示されている。電子機器システム500Aは、図1に示すように、携帯機器10Aと、物品側機器30Aと、を備える。
(物品側機器30A)
物品側機器30Aは、例えば、ユーザが所有する物品(靴、傘等)に設けられる。本実施形態においては、図2(A)に示すように、物品側機器30Aは、ユーザが所有する傘60Aの柄61の内部や表面に設けられているものとする。
物品側機器30Aは、図1に示すように、記憶部31と、通信ユニット32と、制御部33と、を備える。
記憶部31は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリであり、物品側機器30Aを認識するための情報を格納する。本実施形態においては、記憶部31は、物品側機器30AのID番号を格納する。
通信ユニット32は、他の機器と通信を行うものであり、例えばBluetooth(登録商標)、Felica(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)などの近接通信や、ユーザを介した人体通信などを用いることができる。本実施形態において、通信ユニット32は、物品側機器30Aが設けられる物品のユーザと接触する位置(例えば、図2(A)に示す柄61の一部)に設けられる電極部321と、電極部321を用いて人体通信を行う人体通信部322と、を備える。人体通信部322は、後述する携帯機器10Aの人体通信部112と通信し、記憶部31に記憶された物品側機器30AのID番号を携帯機器10Aに送信する。なお、人体通信には、人体に微弱な電流を流して、その電流を変調して情報を伝達する電流方式や、人体の表面に誘起する電界を変調して情報を伝達する電界方式などがある。本実施形態においては、いずれの方式を用いることも可能である。また、ユーザが素手である場合(すなわち、電極部321が手と接触している場合)はもちろん、手袋をしている場合(すなわち、電極部321が手と対向している場合)でも、人体通信は可能である。
なお、例えば、靴に対して物品側機器30Aを設ける場合には、電極部321は、靴のユーザの足に触れる位置(靴の内部側面や、中敷等)に設ければよい。この場合、ユーザが素足である場合(すなわち、電極部321が足と接触している場合)はもちろん、靴下を履いている場合(すなわち、電極部321が足と対向している場合)でも、人体通信は可能である。
制御部33は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有し、物品側機器30A全体を制御する。制御部33が実行する処理の詳細については後述する。
(携帯機器10A)
携帯機器10Aは、ユーザにより携帯された状態で利用される情報機器である。携帯機器10Aとしては、携帯電話、スマートフォン、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等を採用することができるが、本実施形態では、携帯機器10Aは、スマートフォンであるものとする。携帯機器10Aは、電話機能やインターネット等に接続するための通信機能、および、プログラムを実行するためのデータ処理機能等を有する。なお、携帯機器10Aの必要な構成を腕時計、メガネ、補聴器などのユーザが身につける物に設けて携帯機器としてもよい。
図1に示すように、携帯機器10Aは、通信ユニット11と、記憶部12と、制御部13と、マイク14と、撮像部15と、加速度センサ16と、位置検出部17と、カレンダ部18と、報知部19と、を備える。
通信ユニット11は、他の機器と通信を行うものであり、例えばBluetooth(登録商標)、Felica(登録商標)、RFIDなどの近接通信や、人体を介した人体通信などを用いることができる。本実施形態においては、通信ユニット11は、携帯機器10Aの一部(例えばユーザの手が触れる外面)に設けられた電極部111と、当該電極部111を用いて人体通信を行う人体通信部112と、を有する。人体通信部112は、ユーザが物品と接触している状態で物品側機器30Aと人体通信を行い、前述した物品側機器30Aの記憶部31に記憶されている物品側機器30AのID番号を、物品側機器30Aから受信する。なお、ユーザと携帯機器10Aが直接接触している場合はもちろん、手袋を着用している場合(すなわち、電極部111が手と対向している場合)や、携帯機器10Aが、ユーザの着用している衣服のポケット等に収められている場合でも、人体通信は可能である。
記憶部12は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリや、ハードディスクドライブ等であり、物品側機器30Aから受信したID番号を記憶する。
制御部13は、CPU、RAM、ROM等を有し、携帯機器10A全体を制御する。制御部13は、ユーザの所有する物品に設けられた物品側機器30Aと携帯機器10Aとをペアリングするペアリング処理や、ユーザが手に取ったり身につけたりした物品がユーザのものか否かを判定する判定処理を行う。制御部13が実行する各処理の詳細については、後述する。
マイク14は、携帯機器10Aの周囲の音を集音するためのものである。マイク14が集音した音響データは、制御部13へ入力される。
撮像部15は、画像(静止画、動画)を撮像するためのものである。撮像部15が撮像した画像は、制御部13へ入力される。
加速度センサ16は、携帯機器10Aの加速度を検出し、検出結果を制御部13へ出力する。
位置検出部17は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサであり、ユーザの位置情報を検出し、制御部13に出力する。
カレンダ部18は、年、月、日、時刻といった時間情報を取得して、制御部13に出力する。
報知部19は、制御部13の制御に基づき、制御部13が実行したペアリング処理や判定処理の結果をユーザに報知するためのものであり、表示部191と、スピーカ192と、振動部193と、を備える。
表示部191は、例えば、液晶表示素子を用いたデバイスであり、制御部13の制御に基づき、ペアリング処理や判定処理の結果を表示する。スピーカ192は、制御部13の制御に基づき、ペアリング処理や判定処理の結果を、音によりユーザに報知する。振動部193は、制御部13の制御に基づき、ペアリング処理や判定処理の結果を、振動によりユーザに報知する。
(ペアリング処理)
次に、図3(A)及び図3(B)のフローチャートを用いて、物品側機器30Aと携帯機器10Aとのペアリング処理について説明する。なお、ペアリング処理は、ユーザが、傘や靴など、他人と取り間違えたくない、あるいは取り間違えやすい自己の所有品を携帯機器10Aに登録する場合に行われる処理である。
図3(A)は、携帯機器10Aの制御部13が実行する処理の一例を示すフローチャートであり、図3(B)は、物品側機器30Aの制御部33が実行する処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、図3(A)の処理は、ユーザが「初期設定モード」に設定した携帯機器10Aを携帯し、ペアリング処理を行いたい物品(傘、靴)を手に持ったり身につけたりする(図2(B)参照)ことにより携帯機器10Aと物品側機器30Aとの人体通信が成立すると、開始される。
図3(A)の処理では、まず、ステップS11において、携帯機器10Aの制御部13は、物品側機器30Aに対し、人体通信を用いて、ID番号の送信を要求する。
一方、物品側機器30Aの制御部33は、図3(B)のステップS31において、携帯機器10AからID番号の送信要求を受信するまで待機している。そして、制御部33はID番号の送信要求を受信すると、ステップS33に移行する。
ステップS33に移行すると、制御部33は、記憶部31に記憶されている物品側機器30AのID番号を携帯機器10Aに対して送信し(人体通信し)、ステップS31に戻る。
一方、図3(A)において、制御部13は、物品側機器30AにID番号の送信を要求した後、ステップS13において、物品側機器30AからID番号を受信したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合、制御部13は、ステップS15に移行し、所定時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判断する。所定時間が経過していない場合には、制御部13は、ステップS13に戻る。
ID番号を受信しないまま所定時間が経過した場合、すなわち、ステップS13の判断が否定され、ステップS15の判断が肯定された場合、制御部13は、ステップS17に移行する。そして、ステップS17において、制御部13は、ID番号が受信できない旨を報知し、ステップS23に進む。具体的には、制御部13は、「物品側機器30AのID番号が受信できません」との音声をスピーカ192から出力したり、同様のメッセージを表示部191に表示したりすることによって、報知を行う。また、制御部13は、振動部193によって携帯機器10Aを振動させることにより、当該報知を行ってもよい。
一方、所定時間が経過する前にID番号を受信した場合、すなわち、ステップS15の判断が肯定される前に、ステップS13が肯定された場合、制御部13は、ステップS19に進む。そして、ステップS19において、制御部13は、受信したID番号を記憶部12に記憶する。これにより、図4に示すペアリング情報テーブルが更新される。ペアリング情報テーブルは、ID番号の項目を備え、このID番号の項目に、ステップS13で受信した物品側機器30AのID番号が格納される。なお、図4に示すペアリング情報テーブルには、ID番号が1つしか格納されていないが、本実施形態においては、ペアリング情報テーブルは、傘、靴、カバン等にそれぞれ設けられた物品側機器30AのID番号、すなわち、複数のID番号を格納することが可能である。
続くステップS21において、制御部13は、ペアリングが正常に行われた旨を報知し、ステップS23に進む。具体的には、制御部13は、「ペアリングが正常に終了しました」との音声をスピーカ192から出力したり、同様のメッセージを表示部191に表示したりすることによって、報知を行う。また、制御部13は、ステップS17で用いる振動の態様とは異なる態様で、振動部193によって携帯機器10Aを振動させることにより、当該報知を行ってもよい。
ステップS23に移行すると、制御部13は、初期設定モードを終了する指示をユーザから受け付けたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合、制御部13は、ステップS11に戻る。一方、初期設定モードを終了する指示をユーザから受け付けた場合には、制御部13は、図3(A)の処理を終了する。
以上のペアリング処理により、ユーザは、他人と取り間違えたくない物品(本実施形態では傘)に取り付けられた物品側機器30Aの情報を簡単に携帯機器10Aの記憶部12に登録することができる。すなわち、携帯機器10Aと物品側機器30Aとのペアリングを簡単に行うことができる。携帯機器10Aの記憶部12への登録は、携帯機器10Aに電子決済機能がある場合には、この電子決済機能により物品側機器30Aを購入して物品側機器30Aに触れたことをトリガーとして行ってもよい。または、物品側機器30Aが購入された時点で通信ユニット32を通信可能な状態とし(販売前は通信を不可としておく)、携帯機器10Aの位置検出部17の出力に基づきユーザが所定の場所(例えば自宅)で物体側機器30Aを触ったタイミングで行うようにしてもよい。
(判定処理)
次に、図5(A)及び図5(B)に示すフローチャートを用いて、複数の同種の物品の中からユーザが選んだ物品が、ユーザの所有品であるか否かを判定する判定処理について説明する。なお、本実施形態においては、図5(A)の処理は、ユーザが判定モードに設定した携帯機器10Aを携帯し、ペアリング処理済の物品側機器30Aを備える物品を手に持ったり身につけたりすることにより、携帯機器10Aと物品側機器30Aとの人体通信が成立すると、図5(A)の処理が開始される。なお、携帯機器10Aを判定モードに設定する代わりに、ユーザが所定の場所(例えば、自宅)から所定距離離れた場合(外出した場合)に、携帯機器10Aと物品側機器30Aとの人体通信が成立すると、図5(A)の処理が開始されるようにしてもよい。
以下、一例として、雨が降っており、図2(B)に示すように、ユーザが、判定モードに設定した携帯機器10Aを携帯するとともに、携帯機器10Aとペアリングした物品側機器30Aを備える傘60Aを持って飲み会に出かけた場合について、説明する。
図5(A)の処理では、まず、ステップS41において、携帯機器10Aの制御部13は、物品側機器30Aとの通信が切断されたか否かを判断する。ユーザが飲み会の会場へと移動している間は、ユーザは傘60Aを手にしているため、携帯機器10Aと物品側機器30Aとの間で人体通信が成立し、ステップS41の判断が繰り返される。そして、ユーザが飲み会の会場に到着し、図2(C)に示す傘立て92に傘60Aを入れ、傘60Aの柄61から手を離すと、携帯機器10Aと物品側機器30Aとの間の人体通信が切断される。この場合、ステップS41の判断が肯定され、ステップS42に移行する。なお、物品側機器30Aが靴に設けられている場合には、ユーザが靴を脱ぐと、ステップS41の判断が肯定されることになる。
ステップS42に移行すると、制御部13は、位置検出部17からユーザ(携帯機器10A)の位置情報を取得し、カレンダ部18から日時情報を取得し、当該取得した情報を、通信が切断された物品側機器30AのID番号と関連付けて記憶部12に記憶する。本実施形態においては、制御部13は、ペアリング情報テーブルにおいて、携帯機器10Aとペアリングされている物品側機器30AのID番号“A12345”に、物品側機器30Aとの通信が途切れた位置(緯度,経度)と日時とを関連付けて記憶する(図6参照)。
次いで、制御部13は、ステップS43〜S45の判断処理によって、携帯機器10Aと物品側機器30Aとの通信が成立すべきタイミングを検知する。ここでは、ユーザが飲み会を終え、図2(C)に示すように、傘立て92に収納されている複数の傘(物品側機器30Aを備える傘60A,物品側機器30Aを備えていない傘60B)の中から、物品側機器30Aを備える傘60Aを取り上げたものとする。
制御部13は、まず、ステップS43において、ユーザの所定の動作(例えば、傘を取り上げる、靴を履く等)を検知したか否かを判断する。ここで、制御部13は、マイク14が集音した音響データと、加速度センサ16が検出した携帯機器10Aの加速度に基づいて、ユーザの動作を認識し、当該認識した動作が、所定の動作か否かを判断する。なお、音響データと加速度に基づく動作の認識は、例えば、文献「大内一成、土井美和子,加速度と音とで日々の生活行動を認識するActivityAnalyzer,インタラクション2011」に記載された方法を用いることができる。本実施形態において、制御部13は、ユーザが傘を取り上げる動作を検知するものとする。ここでは、ユーザが傘60Aを取り上げる動作を行ったので、ステップS43の判断が肯定され、制御部13は、携帯機器10Aと物品側機器30Aとの通信が成立すべきタイミングを検知したとして、ステップS46に移行する。なお、制御部13は、周知の画像解析技術を用いて、撮像部15で撮像した画像を用いてユーザの動作を認識してもよい。
ステップS46に移行すると、制御部13は、物品側機器30Aとの人体通信が成立しているか否かを判断する。上記のように、ユーザが物品側機器30Aを備える傘60Aを取り上げた場合には、物品側機器30Aとの人体通信が成立するので、ステップS46の判断が肯定される。この場合、制御部13は、ステップS49に移行する。
ステップS49に移行すると、制御部13は、物品側機器30AにID番号の送信を要求する。
一方、物品側機器30Aの制御部33は、図5(B)のステップS61において、携帯機器10AからID番号の送信要求を受信するまで待機している。そして、携帯機器10Aから、ID番号の送信要求を受信した段階で、ステップS61の判断が肯定され、ステップS63に移行する。
ステップS63に移行すると、制御部33は、記憶部31に記憶されている自己のID番号を携帯機器10Aに送信し、ステップS61に戻る。
図5(A)に戻り、携帯機器10Aの制御部13は、ステップS50において、物品側機器30AからID番号を受信する。次いで、ステップS51において、制御部13は、ステップS50において受信したID番号が、ペアリングされている物品側機器30AのID番号か否かを判断する。具体的には、制御部13は、ステップS50において受信したID番号が、図6のペアリング情報テーブルに存在するか否かを判断する。言い換えれば、ステップS51では、受信したID番号に基づいて、ペアリングした物品側機器30Aとの通信が成立しているか否かを判断している。
ここで、ステップS51の判断が否定された場合、ユーザが、物品側機器30Aを備える他人の傘を傘立て92から取り上げたことを意味する。この場合、制御部13は、ステップS48に移行し、ユーザが自分の傘を持っていない(他人の傘を持っている)旨をユーザに報知する。このとき、制御部13は、表示部191に、ユーザが取り上げた傘が自己の所有品ではない旨や、ユーザが傘を取り間違えている旨を表示してもよいし、スピーカ192から警告音を出力してもよいし、振動部193により携帯機器10Aを振動させてもよい。
一方、ステップS51での判断が肯定された場合、ユーザが、傘立て92から自身の傘を取り上げたことを意味する。この場合、制御部13は、ステップS52に移行し、取り上げた傘がユーザの傘(所有品)である旨をユーザに報知する。このとき、制御部13は、表示部191に、ユーザが取り上げた傘がユーザのものである旨を表示してもよいし、ステップS48で出力する音とは異なる音をスピーカ192から出力させてもよいし、あるいは、ステップS48の振動の態様とは異なる振動で携帯機器10Aを振動させてもよい。なお、ユーザが自身の傘を取り上げた場合には、ユーザに対する報知を行わないこととしてもよい。ステップS52の処理後は、制御部13は、ステップS41に戻る。
ところで、ステップS46の判断が否定された場合、すなわち、物品側機器30Aとの人体通信が成立していない場合には、制御部13は、ステップS47に進み、所定時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判断する。ステップS47の判断が否定された場合(所定時間が経過していない場合)には、制御部13は、ステップS46に戻る。一方、ステップS47の判断が肯定された場合(所定時間が経過した場合)には、ステップS48に移行する。なお、ユーザが傘を取り上げる動作を検知した(S43:肯定)にも関わらず、物品側機器30Aとの人体通信が成立しないまま所定時間が経過した(S47:肯定)ということは、ユーザが、物品側機器30Aが取り付けられていない傘(他人の傘60B)を取り上げたということを意味する。したがって、ステップS48に移行した場合には、制御部13は、ユーザが自分の傘を持っていない(他人の傘を持っている)旨をユーザに報知し、その後、ステップS46に戻る。
ところで、ステップS43の判断が否定された場合、すなわち所定の動作(傘を取り上げる動作)を制御部13が検知しない場合には、制御部13は、ステップS44に移行する。
ステップS44では、制御部13は、ユーザが物品側機器30A(他人の物品(傘)に設けられているものも含む)と接触したか否か、すなわち、物品側機器30Aとの人体通信が成立したか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、制御部13は、ステップS49に移行し、上述したように、ステップS49以降の処理・判断を実行する。一方、ステップS44の判断が否定された場合(物品側機器30Aとの人体通信が成立しない場合)には、制御部13は、ステップS45に移行する。
ステップS45に移行すると、制御部13は、ユーザが物品側機器30Aとの通信が途切れた位置の近傍にいるか否かを判断する。ユーザが物品側機器30Aとの通信が途切れた位置の近傍にいるか否かは、ペアリング情報テーブル(図6)に格納された通信切断場所の情報と、位置検出部17から取得したユーザの位置情報とにより判断できる。ステップS45の判断が否定された場合、ステップS43に戻るが、肯定された場合には、制御部13は、ステップS53に移行する。
なお、上記ステップS45では、制御部13は、物品側機器30Aとの通信が途切れた時刻から所定の時間(例えば、1時間)が経過しているか否かをあわせて判断してもよい。これにより、飲み会の途中にトイレ等に行くためにユーザが傘立て92の近傍を通った場合に、ステップS53以降の処理が行われてしまうのを防ぐことができる。なお、物品側機器30Aとの通信が途切れた時刻から所定の時間が経過したか否かは、図6に示すペアリング情報テーブルに格納された通信切断日時の情報と、カレンダ部18から取得した時刻情報とにより判断できる。
ステップS45の判断が肯定されて、ステップS53に移行すると、制御部13は、物品側機器30Aとの人体通信が成立したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合、制御部13は、ステップS54に進み、所定時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判断する。ステップS54の判断が肯定された場合(所定時間が経過した場合)には、ステップS55に移行する。なお、物品側機器30Aとの通信が途切れた位置の近傍にユーザがいると判断された(S45:肯定)にも関わらず、物品側機器30Aとの人体通信が成立しないまま所定時間が経過した(S54:肯定)ということは、ユーザが、傘を取り忘れているということを意味する。したがって、ステップS55に移行した場合には、制御部13は、ユーザが自分の傘を持っていない、すなわち、傘を置き忘れている旨をユーザに報知する。
一方、所定時間が経過するまでに物品側機器30Aとの人体通信が成立した場合、すなわち、ステップS54の判断が肯定される前に、ステップS53の判断が肯定された場合、制御部13は、上述したのと同様にに、ステップS49以降の処理・判断を実行する。
このようにして、図5(A)の処理は、ユーザが判定モードを解除するまで繰り返される。
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によれば、ユーザに保持される携帯機器10Aは、ユーザを介した人体通信によりユーザが使用する物品(傘)に備えられた物品側機器30Aと通信を行う通信ユニット11と、通信ユニット11と物品側機器30Aとの通信が成立すべきタイミングを検知する制御部13と、制御部13が当該タイミングを検知した場合に、通信ユニット11と物品側機器30Aとの通信状態、すなわち、通信ユニット11と物品側機器30Aとの通信が成立しているか否かに基づき、携帯機器10Aとペアリングされた物品側機器30Aを備える物品をユーザが持っているか否かを報知する報知部19と、を備えている。すなわち、携帯機器10Aは、通信ユニット11と物品側機器30Aとの通信が成立すべき適切なタイミングで、携帯機器10Aとペアリングされた物品側機器30Aが設けられた物品をユーザが持っているか否かを報知する。これにより、ユーザは、置き忘れや取り間違い防止に関して特別な操作や作業を行わなくても、適切なタイミングで、所有品の置き忘れや、取り間違いを知ることができる。
また、本第1の実施形態において、通信ユニット11と物品側機器30Aとの通信状態は、携帯機器10Aが、物品側機器30AのID番号を受信したか否かに基づき判定される。これにより、制御部13は、物品側機器30Aが設けられていない物品や、ペアリングしていないID番号を有する物品側機器30Aが設けられた物品を、ユーザの所有品でないと判断することができる。
また、本第1の実施形態において、制御部13は、マイク14や加速度センサ16の出力に基づきユーザの動作を検知し、当該ユーザの動作に基づいて、通信ユニット11と物品側機器30Aとの通信が成立すべきタイミングを検知する。これにより、制御部13は、所定の動作(傘を持ち上げる等)を検知したときに、通信ユニット11と物品側機器30Aとの通信状態に基づいて、ユーザがペアリングされた物品側機器30Aが設けられた物品を持っているか否かを判断するので、物品側機器30Aが設けられた物品と、物品側機器30Aが設けられていない物品とが混在するような場合にも、取り間違えを報知することができる。
また、本第1の実施形態において、制御部13は、通信ユニット11との通信が可能な物品側機器30A(他人の所有品に設けられているものも含む)とユーザとの接触状態に基づいて、通信ユニット11と物品側機器30Aとの通信が成立すべきタイミングを検知する。これにより、制御部13は、ユーザが物品側機器30Aに触れた適切なタイミングで、ユーザの持っている物品がユーザの所有品であるか否かを判定する処理を行うことができる。この場合、制御部13は、所定の動作(傘を持ち上げる動作等)を検知できなかった場合にも、物品側機器30Aとユーザとが接触したタイミングで、ユーザの持っている物品がユーザの所有品であるか否かを判定することができるため、ユーザが物品を取り間違える事態を確実に防止することができる。
また、本第1の実施形態において、携帯機器10Aは、ユーザの位置情報を検出する位置検出部17を備え、制御部13は、ユーザの位置情報に基づいて、通信ユニット11と物品側機器30Aとの通信が成立すべきタイミングを検知する。これにより、制御部13は、ユーザが、物品側機器30Aとの通信が途切れた場所(傘立て92の近傍)にいるのに通信ユニット11と物品側機器30Aとの通信が成立しない場合に、ユーザが、物品側機器30Aを備える物品(傘60A)を置き忘れていると判定することができため、ユーザに所有品の置忘れを報知することができる。
なお、上記第1の実施形態において、物品側機器30Aは、物品に予め設けられていてもよいし(物品側機器30Aが設けられた状態で販売されている)、ユーザは、ペアリング処理を行った物品側機器30Aを、自己の所有品に取り付けてもよい。また、携帯機器10Aは、スマートフォン等の多機能な端末でなくてもよく、例えば、取り間違え防止に必要な構成のみを備えた専用の端末であってもよい。この場合、ユーザは、ペアリング処理済みの携帯機器10Aと物品側機器30Aとを購入し、物品側機器30Aを自己の所有品に取り付け、携帯機器10Aを携帯するようにしてもよい。
なお、上記第1の実施形態において、ユーザが、ペアリング情報テーブル内のデータを適宜削除できるようにしてもよい。これにより、使わなくなった物品や、廃棄した物品に取り付けられていた物品側機器30AのID番号については、判定処理を行わなくてよくなるため、判定処理の速度を向上させることができる。また、ペアリング情報テーブルに、物品名の項目を設けてもよい。これにより、ユーザは、各ID番号が、いずれの物品に設けられた物品側機器30AのID番号であるのかを把握することができる。
《第2の実施形態》
次に、図7〜図9(B)に基づき、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態にかかる電子機器システム500Bは、ユーザがスキー場においてスノーボードをレンタルした場合に用いられるシステムである。
本第2の実施形態にかかる電子機器システム500Bは、図7に示すように、携帯機器10Bと、物品側機器30Bと、を備える。
(携帯機器10B)
携帯機器10Bは、第1の実施形態の携帯機器10Aと同一の構成のほか、物品側機器30BとBluetooth(登録商標)やFelica(登録商標)などの近接通信を行うための通信ユニット21を備えている。通信ユニット21は、物品側機器30Bとの近接通信を行うためのアンテナ部211と、通信制御部212と、を有している。
(物品側機器30B)
物品側機器30Bは、第1の実施形態の物品側機器30Aと同一の構成のほか、携帯機器10BとBluetooth(登録商標)やFelica(登録商標)などの近接通信を行うための通信ユニット34を備えている。通信ユニット34は、携帯機器10Bとの近接通信を行うためのアンテナ部341と、通信制御部342とを有している。なお、本実施形態において、人体通信用の電極部321は、図8(A)に示すように、ユーザがスノーボード70Aを持つときに、ユーザの手と接触する位置に設けられるものとする。なお、本実施形態においても、ユーザが素手である場合(すなわち、電極部321が手と接触している場合)はもちろん、手袋をしている場合(すなわち、電極部321が手と対向している場合)でも、人体通信は可能である。
(ペアリング処理)
第2の実施形態においては、ユーザがスキー場でレンタルしたスノーボードに取り付けられた物品側機器30Bと携帯機器10Bとをペアリングするものとする。なお、第2の実施形態のペアリング処理では、携帯機器10Bと物品側機器30Bとのペアリングを、第1の実施形態と同様、人体通信を用いて行ってもよいし、近接通信を用いて行ってもよい。その他の処理は、第1の実施形態のペアリング処理(図3(A),図3(B))と同様であるため、説明を省略する。
(判定処理)
図9(A)及び図9(B)は、本第2の実施形態における判定処理を示すフローチャートである。以下、ユーザがたくさんのスノーボードの中から、自己のレンタルしたスノーボードを探し出す場合を例にとり、判定処理について詳細に説明する。なお、図9(A)の処理は、ユーザが判定モードに設定された携帯機器10Bを携帯し、携帯機器10Bと、携帯機器10Bとペアリングされた物品側機器30Bとの間の近接通信が成立した場合(ユーザがスノーボード70Aの使用を開始した場合)に開始されるものとする。なお、携帯機器10Bに判定モードを設定する代わりに、携帯機器10Bを保持するユーザが所定の場所(例えば、レンタルショップ)から所定距離離れた場合に、携帯機器10Bと、携帯機器10Bとペアリングされた物品側機器30Bとの間の近接通信が成立すると、図9(A)の処理が開始されるようにしてもよい。
図9(A)の処理では、まず、ステップS101において、制御部13は、ペアリングされた物品側機器30Bとの近接通信が切断されたか否かを判断する。本処理は、ユーザが物品側機器30Bが設けられたスノーボードの使用を中断したか否かを判断している。例えば、ユーザが、昼食を食べるために、スノーボードをレストラン前で足から外し、図8(B)に示すように、スノーボードをラックに立てかけてレストランに向かったとする。この場合、物品側機器30Bとの近接通信が切断されるので、ステップS101の判断が肯定され、制御部13は、ステップS103に移行する。
ステップS103に移行すると、制御部13は、位置検出部17からユーザ(携帯機器10B)の位置情報を取得し、カレンダ部18から日時情報を取得し、当該取得した情報を、携帯機器10Bとペアリングされている物品側機器30BのID番号と関連付けて記憶部12に記憶する(図6参照)。
次いで、ステップS105では、制御部13は、携帯機器10Bと物品側機器30Bとの近接通信が成立すべきタイミングを検知するまで待機する。本実施形態においては、制御部13は、ユーザがレストランから出た場合に、携帯機器10Bと物品側機器30Bとの近接通信が成立すべきタイミングであると検知する。なお、制御部13は、予め記憶部12に記憶されているレストランの位置情報と、位置検出部17から取得したユーザの位置情報とに基づいて、ユーザがレストランから出たか否かを判断することができる。ここでは、ユーザがレストランでの食事を終え、レストランの外に出てきたものとする。この場合、ステップS105の判断が肯定され、ステップS107に移行する。
ステップS107に移行すると、制御部13は、物品側機器30Bとの通信が途切れた位置を、表示部191に表示する。例えば、制御部13は、表示部191に地図を表示し、地図上に通信が途切れた位置を表示してもよい。これにより、ユーザは、スノーボードを置いた位置を把握することができるので、自己のスノーボードを探しやすくなる。
次いで、ステップS109では、制御部13は、物品側機器30Bとの近接通信の通信状態を報知する。例えば、近接通信をBluetooth(登録商標)により行っている場合には、制御部13が、表示部191に、「物品側機器30Bとの通信範囲外にあります」、「物品側機器30Bとの通信範囲内です」等を表示することにより、ユーザは、自身が自己のスノーボードに近づいているか否かを知ることができる。また、例えば、RFIDにより近接通信を行っている場合には、制御部13は、物品側機器30Bとの通信強度の強弱に応じた音をスピーカ192から出力してもよい。これにより、ユーザは、スピーカ192から出力される音により、自身が、自己のスノーボードに近づいているか否かを知ることができ、スノーボードを探しやすくなる。
次いで、ステップS111では、制御部13は、物品側機器30Bとの人体通信が成立すべきタイミングを検知したか否かを判断する。この場合、例えば、制御部13は、マイク14が集音した音響データと、加速度センサ16が検出した携帯機器10Bの加速度に基づいて認識したユーザの動作が、スノーボードを取り上げる動作であった場合に、携帯機器10Bと物品側機器30Bとの人体通信が成立すべきタイミングを検知したと判断する。なお、ここでは、図8(B)に示すように、ユーザがラックに立てかけてある複数のスノーボード(物品側機器30Bを備えるスノーボード70A,物品側機器30Bを備えていないスノーボード70B)の中から、図8(C)に示すようにスノーボード70Bを取り上げたとする。この場合、ステップS111の判断が肯定され、ステップS113に移行する。
ステップS113に移行すると、制御部13は、物品側機器30Bとの人体通信が成立しているか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合、ステップS115に進み、制御部13は、所定時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS117に移行する。なお、図8(C)に示すように、ユーザが物品側機器30Bを備えていないスノーボード70Bを取り上げた場合には、物品側機器30Bとの人体通信が成立しないまま所定時間が経過するので、制御部13は、ステップS117に移行する。
ステップS117に移行すると、制御部13は、ユーザがスノーボードを取り間違えている旨をユーザに報知し、ステップS113に戻る。このとき、制御部13は、表示部191に、ユーザが取り上げたスノーボードが、他人のものである旨を表示してもよいし、スピーカ192から警告音を出力してもよいし、あるいは、振動部193により携帯機器10Bを振動させてもよい。これにより、ユーザは、取り上げたスノーボードが自分のものではないことを知ることができる。以下、取り上げたスノーボードが自分のものではないと認識したユーザが、スノーボード70Bをラックに返し、物品側機器30Bを備えるスノーボード70Aを取り上げたとして、説明を続ける。
ユーザが物品側機器30Bを備えるスノーボード70Aを取り上げ、ステップS113の判断が肯定されると、制御部13は、ステップS119に移行する。ステップS119に移行すると、制御部13は、物品側機器30BにID番号の送信を要求する。
これに対し、物品側機器30Bの制御部33は、図9(B)のステップS131において、携帯機器10BからID番号の送信要求を受信するまで待機している。したがって、制御部33は、携帯機器10BからID番号の送信要求を受信した段階で、ステップS131の判断が肯定され、ステップS133に移行する。ステップS133に移行すると、制御部33は、記憶部31に記憶されている自己のID番号を携帯機器10Bに送信し、ステップS131に戻る。
図9(A)に戻り、携帯機器10Bの制御部13は、ステップS121において、物品側機器30BからID番号を受信する。次いで、ステップS123では、制御部13は、ステップS121において受信したID番号が、ペアリングされている物品側機器30BのID番号か否か(ペアリング情報テーブルに存在するか否か)を判断する。すなわち、制御部13は、ペアリングした物品側機器30Bとの人体通信が成立しているか否かを判断する。
ステップS123での判断が否定された場合、ユーザが、物品側機器30Bを備える他人のスノーボードを取り上げたことを意味する。この場合、制御部13は、ステップS117に移行し、スノーボードを取り間違えている旨をユーザに報知する。
一方、ステップS123での判断が肯定された場合、ユーザが、自己のスノーボードを取り上げたことを意味する。この場合、制御部13は、ステップS125に移行し、取り上げたスノーボードがユーザのものである(取り間違えていない)旨をユーザに報知する。このとき、制御部13は、その旨を表示部191に表示してもよいし、ステップS117で出力する音とは異なる音をスピーカ192から出力してもよい。あるいは、制御部13は、ステップS117の振動の態様とは異なる振動で携帯機器10Bを振動させてもよい。ステップS125の処理後は、制御部13は、ステップS101に戻る。
このようにして、図9(A)の処理は、ユーザが判定モードを解除するまで繰り返される。
以上、詳細に説明したように、本第2の実施形態によれば、ユーザが保持する携帯機器10Bは、ユーザを介した人体通信により物品側機器30Bと通信を行う通信ユニット11と、近距離通信により物品側機器30Bと通信を行う通信ユニット21と、通信ユニット11および通信ユニット21と、スノーボードに設けられた物品側機器30Bとの通信が成立すべきタイミングを検知する制御部13と、制御部13が当該タイミングを検知した場合に、通信ユニット11と物品側機器30Bとの通信状態に基づき、ユーザが選択したスノーボードが、ペアリングした物品側機器30Bが設けられたスノーボードであるか否かを報知する報知部19と、を備えている。このように、通信ユニット11および通信ユニット21と、スノーボードに設けられた物品側機器30Bとの通信が成立すべき適切なタイミングで、ユーザが選択したスノーボードが、ペアリングした物品側機器30Bが設けられたスノーボードであるか否かを報知するので、たくさんのスノーボードの中から自己のレンタルしたものを選択する場合において、他人のスノーボードと取り間違える事態を防止することができる。
また、本第2の実施形態において、表示部191、スピーカ192、および振動部193は、通信ユニット21と物品側機器30Bとの通信状態(通信強度)に応じて、表示形式や、音声、振動態様を変えて、ペアリングした物品側機器30Bとユーザ(携帯機器10B)との位置関係(遠い、近い)を報知する。これにより、ユーザは、自身が、自己のスノーボードに近づいているのか否かを知ることができ、スノーボードを探すのに費やす時間を短縮することができる。
また、表示部191は、通信ユニット21と物品側機器30Bとの通信が途切れた位置を報知するので、ユーザは、スノーボードを置いたおおよその位置を知ることができ、自己のスノーボードを探すのに費やす時間を短縮することができる。
なお、上記第2の実施形態において、物品側機器30Bは、レンタル用のスノーボードに設けられていたが、これに限られるものではない。ユーザが物品側機器30Bを自己の所有するスノーボードに設けてもよい。また、スノーボードに限らず、スキー板やスキーウェア、スケート靴、ボーリングの球などに設けてもよい。また、携帯機器10Bは、スマートフォン等の多機能を有するものではなく、例えば、取り間違え防止に必要な構成のみを備えた専用の端末であってもよい。この場合、例えば、レンタルショップの店員が、携帯機器10Bと物品側機器30Bとを予めペアリングしておき、物品側機器30Bが設けられたスノーボードの貸し出し時に、当該物品側機器30Bとペアリングされた携帯機器10Bを合わせてユーザに貸し出せばよい。
《第3の実施形態》
次に、図10〜図12(B)に基づき、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態にかかる電子機器システム500Cは、立食パーティ等において、グラスの取り間違えを防止するために用いられるシステムである。
図10には、第3の実施形態に係る電子機器システム500Cがブロック図にて示されている。図10に示すように、電子機器システム500Cは、携帯機器10Cと、物品側機器30Cと、を備えている。
(携帯機器10C)
携帯機器10Cは、ユーザにより携帯された状態で利用される情報機器である。なお、以下の説明において、携帯機器10Cは、取り間違え防止用の専用端末であり、パーティの参加者は全員携帯するものの、給仕係(ウェイター,ウェイトレス)は携帯しないものとする。
携帯機器10Cは、図10に示すように、通信ユニット11と、記憶部12と、制御部13と、マイク14と、加速度センサ16と、を備える。
通信ユニット11は、他の機器と通信を行うものであり、例えばBluetooth(登録商標)、Felica(登録商標)、RFIDなどの近接通信や、人体を介した人体通信などを用いることができる。本実施形態においては、通信ユニット11は、携帯機器10Cの筐体の一部に設けられユーザと接触する電極部111と、当該電極部111を用いて人体通信を行う人体通信部112と、を有する。人体通信部112は、ユーザが物品側機器30Cが設けられたグラスを持っている状態で物品側機器30Cと人体通信を行い、後述する記憶部12に記憶されている携帯機器10CのID番号を物品側機器30Cに送信する。なお、ユーザと携帯機器10Cとが直接接触している場合はもちろん、手袋を着用している場合(すなわち、電極部111が手と対向している場合)や、携帯機器10Cが、ユーザの着用している衣服のポケット等に収められている場合でも、人体通信は可能である。
記憶部12は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリや、ハードディスクドライブ等であり、携帯機器10Cを識別するための情報を格納する。本実施形態においては、記憶部12は、携帯機器10CのID番号を記憶するものとする。
制御部13は、CPU、RAM、ROM等を有し、携帯機器10C全体を制御する。制御部13が実行する処理の詳細については、後述する。
マイク14は、携帯機器10Cの周囲の音を集音するためのものである。マイク14が集音した音響データは、制御部13へ入力される。
加速度センサ16は、携帯機器10Cの加速度を検出し、検出結果を制御部13へ出力する。
(物品側機器30C)
物品側機器30Cは、図11(A)に示すように、パーティ会場で使用されるグラス80に設けられる。本実施形態においては、パーティ会場で使用される全てのグラス80に物品側機器30Cが設けられているものとする。図10および図11(A)に示すように、物品側機器30Cは、記憶部31と、通信ユニット32と、制御部33と、加速度センサ35と、表示部36と、を備える。
記憶部31は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリであり、携帯機器10Cから受信した、携帯機器10Cを認識するための情報(ID番号)を格納する。
通信ユニット32は、他の機器と通信を行うものであり、例えばBluetooth(登録商標)、Felica(登録商標)、RFIDなどの近接通信や、ユーザを介した人体通信などを用いることができる。本実施形態において、通信ユニット32は、グラス80の一部(ユーザの手が接触する外周面(図11(A)参照))に設けられる電極部321と、電極部321を用いて人体通信を行う人体通信部322と、を有する。人体通信部322は、携帯機器10Cの人体通信部112と通信し、携帯機器10Cから、携帯機器10CのID番号を受信する。なお、ユーザが素手である場合(すなわち、電極部321が手と接触している場合)はもちろん、手袋をしている場合(すなわち、電極部321が手と対向している場合)でも、人体通信は可能である。
制御部33は、CPU、RAM、ROM等を有し、物品側機器30C全体を制御する。制御部33が実行する処理の詳細については、後述する。
加速度センサ35は、物品側機器30Bの加速度を検出し、検出結果を制御部33に出力する。なお、本実施形態において、制御部33および加速度センサ35は、図11(A)に示すグラス80の底部に位置する電子部品収納部81に格納されている。
表示部36は、後述するペアリング処理や判定処理の結果をユーザに報知するためのものであり、本実施形態においては、青色LEDと赤色LEDとを備える。表示部36は、制御部33の制御の下、青色LEDを点灯したり、赤色LEDを点灯したりする。
次に、携帯機器10Cの制御部13が実行する処理および物品側機器30Cの制御部33が実行する処理の一例について、図12(A),図12(B)のフローチャートを用いて説明する。本実施形態において、図12(A)の処理は、パーティの参加者であるユーザが携帯機器10Cの電源をONすると開始され、図12(B)の処理は、給仕係等が物品側機器30Cの電源をONすると開始される。
図12(A)の処理では、まず、ステップS201において、携帯機器10Cの制御部13が、物品側機器30Cとの人体通信が成立すべきタイミングを検知するまで待機する。本実施形態では、制御部13は、マイク14が集音した音響データと、加速度センサ16が検出した携帯機器10Cの加速度に基づいてユーザの動作を認識する。そして、制御部13は、認識した動作がグラスを取り上げる動作であった場合に、携帯機器10Cと物品側機器30Cとの通信が成立すべきタイミングを検知したと判断する。例えば、携帯機器10Cを携帯しパーティ会場に入場したユーザが、新しいグラスを取り上げた場合、制御部13は、ステップS203に移行する。
ステップS203に移行すると、制御部13は、物品側機器30Cとの人体通信が成立するまで待機する。そして、物品側機器30Cとの人体通信が成立すると、制御部13は、ステップS205に移行する。ステップS205に移行すると、制御部13は、記憶部12に記憶されている携帯機器10CのID番号を、物品側機器30Cに送信し、ステップS201に戻る。
一方、物品側機器30Cの制御部33は、図12(B)のステップS221において、加速度センサ35の出力に基づき、グラスが取り上げられるまで待機する。制御部33は、例えば、加速度センサ35が検出したグラスの加速度がしきい値以上であった場合に、グラスが取り上げられたと判断する。ユーザがグラスを取り上げた場合、制御部33は、ステップS223に移行する。
ステップS223に移行すると、制御部33は、携帯機器10Cとの間で人体通信が成立したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合、ステップS225に進み、制御部13は、所定時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判断する。所定時間が経過していない場合には、制御部13は、ステップS223に戻る。ここで、パーティの参加者は、携帯機器10Cを携帯しているため、パーティの参加者がグラス80を取り上げると所定時間内に携帯機器10Cとの間で人体通信が成立するはずである。すなわち、ステップS225の判断が肯定される前に、ステップS223の判断が肯定されるということは、グラスを持ち上げたのがパーティの参加者であることを意味する。ステップS223の判断が肯定され、ステップS227に移行すると、制御部33は、携帯機器10Cから、携帯機器10CのID番号を受信する。
次いで、ステップS229では、制御部33は、記憶部31に記憶されているペアリング情報テーブルに、ID番号が既に格納されているか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合、制御部33は、ステップS231に移行する。なお、ステップS229の判断が否定されるのは、ユーザがグラス80を初めて取り上げたためである。
ステップS231に移行すると、制御部33は、人体通信が成立した携帯機器10CのID番号を記憶部31のペアリング情報テーブルに記憶する。これにより、携帯機器10Cと、ユーザが取り上げたグラス80に設けられた物品側機器30Cとがペアリングされる。なお、本実施形態において、ペアリング情報テーブルは、携帯機器10CのID番号を1つのみ記憶するものとする。
次いで、ステップS233では、制御部33は、ペアリングが正常に行われた旨をユーザに報知する。例えば、表示部36が備える青色LEDを1回点灯させる。これにより、ユーザは、自身が携帯する携帯機器10Cと、グラスとをペアリングできたことを確認することができる。
次いで、ユーザが、パーティの途中で、飲み物がまだ入っているグラスをテーブルに置き、しばらくしてまた、テーブル上のグラスを取り上げた場合について説明する。この場合、図12(A)の処理において、ステップS201およびS203の判断が肯定される。そして、携帯機器10Cの制御部13は、ステップS205においてID番号を送信し、ステップS201に戻る。
一方、物品側機器30Bの制御部33は、図12(B)の処理において、ステップS221〜S227の処理を実行し、ステップS229の判断を行う。ここで、一度誰かによって使用されたグラス80に設けられた物品側機器30Cのペアリング情報テーブルには、誰かのID番号が既に格納されている。したがって、このような場合には、図12(B)のステップS229の判断が肯定され、制御部33は、ステップS235に移行する。
ステップS235に移行すると、制御部33は、ステップS227で受信したID番号が、ペアリングされた携帯機器10CのID番号であるか否かを判断する。すなわち、制御部33は、ステップS227で受信したID番号が、ペアリング情報テーブルに格納されているID番号と一致するか否かを判断する。
例えば、ユーザが取り上げたグラスが、他の参加者が使用していたグラスである場合、ステップS227で受信したID番号が、ペアリング情報テーブルに格納されているID番号と一致しない。したがって、このような場合には、ステップS235の判断が否定され、制御部33は、ステップS239において、取り上げたグラスが、ユーザのグラスではない旨を報知する。例えば、制御部33は、表示部36が備える赤色LEDを2回点灯させる。これにより、ユーザは、自身が取り上げたグラスが自分が使用したものではないことを知ることができるので、他の参加者が使用したグラスを誤って使用してしまう事態を避けることができる。
一方、ユーザが取り上げたグラスが、ユーザが使用していたグラスである場合、ステップS227で受信したID番号が、ペアリング情報テーブルに格納されているID番号と一致する。したがって、このような場合には、ステップS235の判断が肯定され、制御部33は、ステップS237において、取り上げたグラスが、ユーザのグラスである旨を報知する。例えば、制御部33は、表示部36が備える青色LEDを2回点灯させる。これにより、ユーザは、自分が正しいグラスを取り上げたことを確認することができる。ステップS237の処理後は、ステップS221に戻る。
その後、ユーザが飲み物を全て飲み終え、テーブルに置いたグラスを給仕係が片付けるために取り上げたとする(ステップS221/YES)。ここで、給仕係は、携帯機器10Cを携帯していないため、給仕係がグラスを取り上げた場合には、所定時間が経過しても携帯機器10Cとの間で人体通信が成立しない。したがって、ステップS223の判断が否定され、かつステップS225の判断が肯定されるため、制御部33は、ステップS241に移行する。
ステップS241に移行すると、制御部33は、記憶部31に記憶されているペアリング情報テーブルを初期化する。すなわち、制御部33は、ペアリング情報テーブル内に格納されたID番号を消去し、ペアリング情報テーブルを空にする。これにより、給仕係によって片付けられ、洗浄された新たなグラスを使用する場合に、ペアリング情報テーブルに新たなID番号を格納できるようになる。なお、制御部33は、ステップS241において、ペアリング情報テーブルが空になったことを、表示部36の青色LEDを所定時間点灯させる等して、給仕係に報知してもよい。
以上のようにして、物品側機器30Cは、電源がOFFされるまで、図12(B)の処理を繰り返す。
以上詳細に説明したように、本第3の実施形態によれば、グラス80に設けられた物品側機器30Cが、ユーザを介した人体通信により携帯機器10Cと通信を行う通信ユニット32と、通信ユニット32と携帯機器10Cとの通信が成立すべきタイミングを検知する制御部33と、制御部13が当該タイミングを検知した場合に、通信ユニット32と携帯機器10Cとの通信状態に基づき、ユーザが取り上げたグラスが備える物品側機器30Cが、携帯機器10Cとペアリングされた物品側機器30Cであるか否かを報知する表示部36と、を備えている。このように、通信ユニット32と、グラス80に設けられた物品側機器30Cとの通信が成立すべき適切なタイミングで、ユーザが保持した(取り上げた)グラスが、携帯機器10Cとペアリングされたグラスであるか否かを報知するので、たくさんのグラスの中から、自身が使用したグラスを選択する場合において、他人が使用したグラスを取り間違える事態を防止することができる。
なお、上記第3の実施形態において、携帯機器10Cは、取り間違え防止用の専用端末であるとしたが、これに限られるものではない。例えば、携帯機器10Cは、第1および第2の実施形態のように、スマートフォンであってもよい。
なお、上記第3の実施形態では、物品側機器30Cをグラスに設けた場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、箸やスプーン、フォーク、皿などの食器に物品側機器30Cを設けることとしてもよい。また、その他の物品に関し、たくさんの物品の中から、自己が一度使用した物品を選ぶ必要がある場合に、本第3の実施形態の電子機器システム500Cを用いることとしてもよい。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。