JP6280163B2 - 医療用診察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用診察装置に関し、特に昇降可能な診療台シートを有する診療用椅子と昇降可能なスピットンを有するスピットンユニットとを備えた医療用診察装置に関する。
従来、スピットンを患者が座る診療台シートに固定される構成として診療台に連動して昇降するように構成された医療用診察装置が知られている。
上記従来の医療用診察装置では、スピットンは、横腕部(連結部材)により診察台シートに固定されているため、スピットンの昇降方向は診療台シートの昇降方向に一致する。スピットンは、管路収容部(ハウジング)に取り付けられている。この管路収容部には、スピットンに給水するための給水管路およびスピットンからの排水を流すための排水管路が収容されている。また、管路収容部は設置場所に固定されている。
上記従来の医療用診察装置では、スピットンの基部が診療台シート横に固定され、スピットンは、スピットン基部に対して昇降する偏芯構成であるので、診療台シートの昇降方向(スピットンの昇降方向)とスピットンの管路収容部との取付方向とが一致するように、診療台シート、スピットンおよび横腕部の位置関係を調整する必要がある。このような調整は困難であるという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、診療台シート、スピットンおよび横腕部の位置関係を容易に調整可能な医療用診察装置を提供することにある。
本発明に係る医療用診察装置は、昇降可能な診療台シートを有する診療用椅子と、診療用椅子に隣接して配置されており、昇降可能なスピットンを有するスピットンユニットとを備える。診療用椅子およびスピットンユニットのいずれか一方は、昇降機構と、昇降機構によって昇降される横腕部とを含む。診療用椅子およびスピットンユニットのいずれか他方において、横腕部は、診療台シートおよびスピットンのいずれかを下方から支持する。診療台シートおよびスピットンのいずれかは、横腕部と連結された連結機構を含む。連結機構は、横腕部と診療台シートおよびスピットンのいずれかとの連結角度および連結位置の少なくともいずれかを変更可能に構成されている。連結機構は、横腕部と摺動可能に連結されている。
本発明によれば、診療台シート、スピットンおよび横腕部の位置関係を容易に調整可能な医療用診察装置を提供することができる。
実施の形態1に係る医療用診察装置の外観を示す概略図である。 実施の形態1に係る医療用診察装置の診療台シートおよびスピットンの昇降機構および横腕部を説明するための概略図である。 実施の形態1に係る医療用診察装置の診療台シートおよびスピットンの昇降機構および横腕部を説明するための概略図である。 (a)は実施の形態1に係る医療料診察装置の診療台シートおよびスピットンの昇降機構および横腕部の構成の一例を示す図であり、(b)は図4(a)中の矢印IV(b)から視た上面図であり、(c)は図4(b)中の線分IV(c)−IV(c)から視た断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態1に係る医療料診察装置の連結機構の変形例を説明するための部分断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態2に係る医療用診察装置の診療台シートおよびスピットンの昇降機構および横腕部を説明するための概略図である。 (a)および(b)は、実施の形態2に係る医療料診察装置の連結機構を説明するための部分断面図である。 (a)は実施の形態3に係る医療用診察装置の診療台シートおよびスピットンの昇降機構および横腕部を説明するための概略図であり、(b)は実施の形態3に係る医療料診察装置の連結機構を説明するための部分拡大図である。 実施の形態4に係る医療用診察装置の診療台シートおよびスピットンの昇降機構および横腕部を説明するための概略図である。 実施の形態4に係る医療料診察装置の連結機構を説明するための部分断面図である。 実施の形態4に係る医療用診察装置の診療台シートおよびスピットンの昇降機構および横腕部の変形例を説明するための概略図である。 実施の形態4に係る医療料診察装置の連結機構の変形例を説明するための部分断面図である。 (a)は実施の形態5に係る医療用診察装置の診療用椅子が最下点にあるときの、診療用椅子のハウジング部を説明するための概略図であり、(b)は実施の形態5に係る医療用診察装置の診療用椅子が最上点にあるときの、診療用椅子のハウジング部を説明するための概略図である。 実施の形態6に係る医療用診察装置の診療台シートおよびスピットンの昇降機構および横腕部を説明するための概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、本発明に係る医療用診察装置の1つの例示的形態として、歯科診療に用いることが可能な医療用診察装置について説明する。なお、本発明に係る医療用診察装置は、歯科に限らず、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、および産婦人科など、あらゆる医科の診療にも適用することが可能である。また、診察には、診断および治療が含まれる。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
[医療用診察装置の構成]
図1〜図4を参照して、医療用診察装置100は、診療用椅子1と、スピットンユニット2とを主に備える。
診療用椅子1は、医師から診療を受ける際に患者が座る椅子である。診療用椅子1は、昇降可能に設けられている診療台シート10を含む。診療台シート10は、患者の頭を支えるヘッドレスト10aと、患者の背中を支える背もたれ10bと、患者の臀部を支える座面シート10cと、患者の足を支える足置き台10dとを有している。診療台シート10は、座面シート10cの下部に配置された後述する昇降機構3(図2参照)の昇降部32(図2参照)に接続されて、昇降可能に設けられている。また、診療台シート10のヘッドレスト10a、背もたれ10b、座面シート10c、および足置き台10dの各々は、例えばシート駆動部(図示しない)に接続されており、シート駆動部の制御に基づき駆動することができる。例えば、背もたれ10b、および足置き台10dは、シート駆動部の制御に基づき、座面シート10cに対して傾動自在に移動することができ、起立方向に移動したときには患者が座位姿勢になり、倒伏方向に移動したときには患者が仰臥姿勢になる。
本実施例を説明する医療用診察装置の正面図概略を示す図2および図3に示されるように、診療用椅子1は、例えば、診療台シート10の下方に設けられている下部11をさらに含む。下部11は、医療用診察装置100の設置場所に固定される。診療台シート10は、下部11に対して昇降移動可能である。
スピットンユニット2は、診療用椅子1の側部に備え付けられている。スピットンユニット2は、昇降可能に設けられているスピットン20を含む。スピットン20は、排水口が形成されたスピットン鉢2aと、コップが載置されるコップ台2bと、コップに給水するための給水栓2cとを有している。スピットン20は、給水栓2cからコップに給水された水を用いて患者がうがいをするための台である。スピットンユニット2は、スピットン20のスピットン鉢2aに接続されている排水管路(図示しない)および給水栓2cに接続されている給水管路(図示しない)が内部に配設されている管路収容部23をさらに含む。スピットン20は、例えば、最も下方に配置された状態において管路収容部23の全体を収容可能であって、かつ最も上方に配置された状態において管路収容部23の一部を収容可能に設けられているカバー部24をさらに有している。
図2および図3に示されるように、診療用椅子1は、昇降機構3および横腕部4をさらに含む。昇降機構3は、医療用診察装置100の設置場所に固定される固定部31と、固定部31に対し油圧昇降機構等によって上下方向に相対的に移動可能に設けられている昇降基部33及び昇降基部33に固定され上部に診療台シート10を固定する昇降部32とを含む。昇降部32は、横腕部4を固定している。昇降部32が固定部31に対して上下方向に相対的に移動することにより、診療台シート10および横腕部4が昇降される。昇降機構3は、例えば診療用椅子1の下方内部に収容されている。
図2および図3に示されるように、横腕部4の一端は、診療台シート10の昇降部32に固定されスピットンユニット2側に他端が延びている。横腕部4の他端はスピットン20にスピットン20との連結角度及び連結位置の少なくともいずれかを変更可能に接続されている。横腕部4の一端は、昇降部32に固定されているので、横腕部4は、診療台シート10と共に、昇降部32によって昇降可能に設けられている。また、横腕部4の一端と他端とを結ぶ延在方向は、昇降部32の昇降方向Aに対して固定されており、昇降方向Aに対して例えば垂直な方向に固定されている。横腕部4の他端は、スピットン20に固定されておらず、連結機構5を介してスピットン20と接続されている。横腕部4の他端は、例えばスピットン20を下方から支持している。図2では、昇降機構3および横腕部4が低位置にある状態を示し、図3では昇降機構3および横腕部4が高位置にある状態を示す。横腕部4は診療台シート10の昇降部32に固定されているので昇降機構3の昇降によって連動し昇降する。
図2および図3に示されるように、スピットン20は、連結機構5を含む。図4(c)および図5を参照して、連結機構5は、例えば外輪51(第2部)と、外輪51と球面接触された内輪52(第1部)とを有する、球面滑り軸受により構成されている。外輪51は、例えば外輪51の軸方向Dがスピットン20の昇降方向Bに対して垂直な方向に沿うように、スピットン20に固定されている。内輪52には、横腕部4の上記他端が挿通されている。内輪52は、例えば横腕部4の延在方向が内輪52の軸方向Cに沿うように、横腕部4の上記他端と嵌め合されており、内輪52の軸方向Cにおいて横腕部4と固定されている。
連結機構5は、外輪51の軸方向Dと内輪52の軸方向Cとの成す角度θ(図5(b)参照)を変更可能に設けられている。当該角度θは、横腕部4の延在方向C、すなわち昇降部32の昇降方向Aに垂直な方向と、スピットン20の昇降方向Bに対して垂直な方向Dとが成す角度であるから、昇降方向Aと昇降方向Bとの成す角度に相当する。つまり、昇降方向Aと昇降方向Bとの成す角度が、球面滑り軸受が許容し得る外輪51の軸方向と内輪52の軸方向とが成す最大角度以内である限りにおいて、連結機構5は横腕部4とスピットン20とが接続している状態を保持することができる。言い換えると、横腕部4とスピットン20とは、連結機構5を介して上記角度θを成すように連結され得る。
球面滑り軸受により構成されている連結機構5は、外輪51および内輪52の各々が球面状に構成されている滑り面(摺動面)を有している。そのため、連結機構5は、外輪51に接続されているスピットン20と内輪52に接続されている横腕部4とは球面で摺動可能に設けられている。
以上のように、医療用診察装置100は、昇降可能な診療台シート10を有する診療用椅子1と、診療用椅子1に隣接して配置されており、昇降可能なスピットン20を有するスピットンユニット2とを備える。診療用椅子1は、診療台シート10とスピットン20とを接続する横腕部4と、横腕部4を昇降する昇降機構3とを含む。スピットン20は、横腕部4と連結された連結機構5を含む。連結機構5は、横腕部4とスピットン20との連結角度を変更可能に構成されている。
そのため、医療用診察装置100によれば、上述した従来の医療用診察装置のように、組立時において横腕部4とスピットン20との連結角度を細かく調整しなくても、スピットン20が管路収容部23と干渉することなく昇降可能なように、連結機構5によってスピットン20と横腕部4との相対的な位置関係が容易に決定され得る。そのため、医療用診察装置100は、容易に組み立てられ得る。
医療用診察装置100は、以下のような構成をさらに備えていてもよい。
図2〜図4に示されるように、スピットンユニット2は、好ましくは、スピットン20の昇降方向Bに延びるガイドレール21と、ガイドレール21に沿ってスライド可能なスライダ22とを含む。スピットン20は、スライダ22に固定されている。このようにすれば、スピットン20はスライダ22と共にガイドレール21に沿ってスムーズに昇降可能である。ガイドレール21は、例えば管路収容部23の内部に配置されている。ガイドレール21は、管路収容部23の外部に配置されていてもよい。この場合、連結機構5は、例えばスライダ22に取り付けられていてもよい。なお、管路収容部23は、底板27上に固定されている。
図5を参照して、連結機構5は、球面滑り軸受の代わりに単に軸方向への摺動を自在とした円柱状のすべり軸受または転がり軸受を使用して内輪が横腕部4の上記他端を内輪の軸方向(横腕部4の上記延在方向)に沿って摺動可能に支持していてもよい。つまり、連結機構5は、横腕部4とスピットン20との連結位置を変更可能に構成されていてもよい。
尚、更に横腕部4は、球面滑り軸受の内輪52に対して内輪52の軸方向(図5の矢印方向)に摺動可能に連結することで、連結位置と連結角度のいずれも変更可能とされていても良い。
このようにすれば、上述した従来の医療用診察装置のように、組立時において横腕部4とスピットン20との連結位置を細かく調整しなくても、スピットン20が管路収容部23と干渉することなく昇降可能なように、連結機構5によってスピットン20と横腕部4との相対的な位置関係が決められる。そのため、医療用診察装置100は、容易に組み立てられ得る。
また、図3を基に説明すると、診療台シート10の昇降方向Aとスピットン20の昇降方向Bとが非平行となるように構成される医療用診察装置100においても、スピットン20が管路収容部23と干渉することなく昇降可能なように容易に組み立てることができる。具体的には、昇降方向Aと昇降方向Bとが非平行な場合、診療台シート10とスピットン20との間の距離は、昇降方向Aおよび昇降方向Bの高さに応じて変化する。診療台シート10が最も上方に配置されている状態での診療台シート10とスピットン20との間の距離は、診療台シート10が最も下方に配置されている状態での診療台シート10とスピットン20との間の距離と比べて、長くなるかあるいは短くなる。このような場合、連結機構5が横腕部4とスピットン20との連結位置を変更不能に構成されていると、スピットン20は昇降される際に管路収容部23と干渉してしまう。これに対し、連結機構5の内輪52が横腕部4の上記他端を内輪52の軸方向(横腕部4の上記延在方向)に沿って摺動可能に支持していれば、スピットン20は管路収容部23と干渉することなく昇降され得る。さらに、このように構成された医療用診察装置100は、容易に組み立てられ得る。
図1に示されるように、医療用診察装置100は、例えばトレーテーブル113と、診療器具114と、フットコントローラ115と、デンタルライト117と、制御装置119とをさらに備えている。
トレーテーブル113は、診療時の物置台として用いられる。トレーテーブル113は、診療用椅子1または床から延びるアーム(図示は省略)に接続されており、診療用椅子1に対して手動で回動、水平移動、および垂直移動することができる。
診療器具114は、たとえば、エアータ−ビンハンドピース、マイクロモータハンドピースなどのハンドピース、あるいは、スケーラ、スリーウェイシリンジ、バキュームシリンジなど、診療に用いるインスツルメントである。診療器具114は、トレーテーブル113に設けられたインスツルメントホルダ(図示は省略)によって保持される。なお、診療器具114は、これらに限らず、口腔内カメラ、光重合用照射器、根管長測定器、および根管拡大器などであってもよいし、鏡や注射器など、駆動しない器具であってもよい。本実施の形態においては、診療器具114a〜114eの5種類が用いられる。各診療器具114は、制御装置119により駆動が制御される。たとえば、診療器具114としてハンドピースを用いた場合、制御装置119の制御に基づき、ヘッド部に保持される切削工具を回転させて治療に用いることができる。
フットコントローラ115は、医師などの足踏操作によって、診療用椅子1を駆動させるための操作を受け付けるとともに、診療器具114を駆動させるための操作を受け付ける操作部である。たとえば、フットコントローラ115に設けられた診療椅子昇降用のスイッチを足踏操作することにより、フットコントローラ115から昇降機構3に対して制御信号が出力され、昇降機構3が駆動して診療台シート10が昇降する。
制御装置119は、例えばトレーテーブル113の底面に設けられており、複数の診療器具114と、操作パネル108と、モニタ106とが接続されている。制御装置119は、これら各構成を駆動させるための制御部である。
操作パネル108は、表示した所定画像(たとえば、文字画像やアイコン画像など)に対する医師などのタッチ操作によって、診療用椅子1を駆動させるための操作を受け付けるとともに、診療器具114の駆動に関する設定操作(たとえば、水やエアの噴出有無の設定操作、モータの回転速度の設定操作など)を受け付ける操作部である。たとえば、操作パネル108は、診療台シート10を昇降させるために操作される診療椅子昇降用のアイコン画像と、診療器具114の駆動に関する設定をするために操作される診療器具駆動用のアイコン画像とを表示する。制御装置119は、操作パネル108に表示された診療椅子昇降用のアイコン画像に対するタッチ操作を検出すると、昇降機構3に対して制御信号を出力する。これにより、昇降機構3が駆動して診療台シート10が昇降する。
モニタ106は、液晶ディスプレイなどで構成され、制御装置119の制御に基づき、所定画像を表示する。たとえば、モニタ106は、インスツルメントホルダから取り出されて使用されている診療器具114の駆動情報を示す画像、根管内での切削工具の先端の位置を示す画像、および口腔内カメラによって撮影された口腔内の画像などを表示する。
[実施の形態2]
図6および図7を参照して、実施の形態2に係る医療用診察装置101は、基本的には実施の形態1に係る医療用診察装置100と同様の構成を備えるが、連結機構5がスピットン20に対してスピットン20の昇降方向Bに移動可能に取り付けられている点で異なる。
連結機構5は、例えば外輪51がスピットン20に対して昇降方向Bにおいて下方に移動可能に取り付けられている。図5に示されるように、外輪51は、例えば複数の取付具54により、スピットン20が固定されているスライダ22に取り付けられている。外輪51には、例えば1つの取付具54を挿通可能に設けられている挿通孔53が複数形成されている。
取付具54は、外輪51の挿通孔53の孔径よりも外径が小さい小径部分と、当該小径部分よりも拡径された拡径部分とを有している。取付具54の拡径部分の外径は、挿通孔53の孔径よりも大きいので、外輪51は取付具54から落下することはない。取付具54は、小径部分の一部がスライダ22に固定されており、小径部分の残部および拡径部分がスライダ22よりも昇降方向Bにおいて下方に配置されている。取付具54の拡径部分は、外輪51の挿通孔53よりも昇降方向Bにおいて下方に配置されており、外輪51の下方への移動を制限するストッパとして構成されている。取付具54の延在方向(昇降方向B)における小径部分の残部の長さは、上記挿通孔53の孔軸方向における挿通孔53の長さよりも長い。そのため、連結機構5は、取付具54の延在方向においてスライダ22に対して相対的に移動可能である。
医療用診察装置101は、スピットン20が昇降され得る範囲(可動域)の最下点が、昇降機構3によって横腕部4が昇降され得る範囲(可動域)の最下点よりも上方に設けられている場合に好適である。
図6(a)および図7(a)に示されるように、横腕部4がスピットン20およびスライダ22の可動域の最下点よりも上方において昇降されている状態では、横腕部4にはスピットン20およびスライダ22の重量が印加されて、これを支持している。この状態では、連結機構5はスライダ22に対して下方から接触しており、スピットン20は横腕部4の昇降に伴い昇降する。
図6(b)および図7(b)に示されるように、横腕部4がスピットン20の可動域の最下点よりも下方において昇降されている状態では、横腕部4にはスピットン20およびスライダ22の重量が印加されず連結機構5はスライダ22との接触状態が解消されている。この状態では、スピットン20は横腕部4の昇降に伴い昇降しない。
図6(b)および図7(b)に示されるように、取付具54の延在方向における小径部分の残部の長さは、上記挿通孔の孔軸方向における挿通孔の長さよりも長さL1だけ長く設けられている。これにより、横腕部4および連結機構5は、スピットン20が最下点にあるときのこれらの位置よりも、長さL1だけさらに下方に移動可能である。
図6(a)および(b)に示されるように、スピットン20の最下点は、例えば横腕部4の最下点よりも昇降方向Bにおける上方に配置されており、かつスピットン20およびスライダ22の重量を支持可能に設けられているストッパ25により決定されている。ストッパ25は、例えばスライダ22に対して下方から接触可能に設けられている。
上記のように構成された連結機構5は、スピットン20に対して昇降方向Bに移動されるときにも、横腕部4とスピットン20との連結角度θ(図5(b)参照)および連結位置を変更可能である。
なお、医療用診察装置101は、スピットンユニット2がガイドレール21およびスライダ22を含まない構成を備えていてもよい。この場合、連結機構5の外輪51は、例えば複数の取付具54によってスピットン20に取り付けられていればよい。ストッパ25は、スピットン20に対して下方から接触可能に設けられていればよい。
また、医療用診察装置101において、連結機構5は、例えば外輪51がスピットン20に対して昇降方向Bにおいて上方に移動可能に取り付けられていてもよい。この場合には、取付具54は、小径部分の一部がスライダ22に固定されており、小径部分の残部および拡径部分がスライダ22よりも昇降方向Bにおいて上方に配置されていればよい。このように構成された医療用診察装置101は、スピットン20が昇降され得る範囲(可動域)の最上点が、スピットン20に対して上方から接触可能に設けられているストッパによって、昇降機構3によって横腕部4が昇降され得る範囲(可動域)の最上点よりも下方に設けられている場合に好適である。
[実施の形態3]
図8を参照して、実施の形態3に係る医療用診察装置102は、基本的には実施の形態1に係る医療用診察装置100と同様の構成を備えるが、連結機構5がボールジョイント(玉継手)である点で異なる。
横腕部4は、上記他端に取り付けられている球状部55を有している。スピットン20には、保持部56が取り付けられている。連結機構5は、球状部55と保持部56とが回転自在に連結されている。これにより、連結機構5は、横腕部4とスピットン20との連結角度θ(図5(b)参照)を変更可能である。
そのため、医療用診察装置102によれば、上述した従来の医療用診察装置のように、組立時において横腕部4とスピットン20との連結角度を細かく調整しなくても、スピットン20が管路収容部23と干渉することなく昇降可能なように、連結機構5によってスピットン20と横腕部4との相対的な位置関係が決められる。そのため、医療用診察装置102は、容易に組み立てられ得る。
なお、医療用診察装置102は、実施の形態2に係る医療用診察装置101と同様に、連結機構5がスピットン20に対してスピットン20の昇降方向Bに移動可能に取り付けられていてもよい。このように構成された医療用診察装置102は、スピットン20が昇降され得る範囲(可動域)の最下点が、昇降機構3によって横腕部4が昇降され得る範囲(可動域)の最下点よりも上方に設けられている場合に好適である。
医療用診察装置102において、連結機構5は、ボールジョイント(玉継手)の継ぎ手軸において、継ぎ手軸方向に摺動可能とする軸受をさらに有していてもよい。このような連結機構5は、連結角度に加え、連結位置も変更可能である。
[実施の形態4]
図9および図10を参照して、実施の形態4に係る医療用診察装置103は、基本的には実施の形態1に係る医療用診察装置100と同様の構成を備えるが、横腕部4がスピットン20のスライダ22に対して下方から接触することにより、スピットン20が横腕部4と連結されている点で異なる。
横腕部4の上記他端は、スライダ22において下方に面し、かつ横腕部4の延在方向に沿って延びる下面22A(図10参照)に接触している。横腕部4の上記他端は、下面22Aと摺動可能に設けられている。つまり、医療用診察装置103において、連結機構5は、スピットン20のスライダ22の下面22Aにより構成されている。このような連結機構5は、横腕部4とスピットン20との連結位置を変更可能に構成されている。
そのため、医療用診察装置103によれば、上述した従来の医療用診察装置のように、組立時において横腕部4とスピットン20との連結位置を細かく調整しなくても、スピットン20が管路収容部23と干渉することなく昇降可能なように、連結機構5によってスピットン20と横腕部4との相対的な位置関係が決められる。そのため、医療用診察装置103は、容易に組み立てられ得る。
また、医療用診察装置103において、連結機構5は、スピットン20に設けられている下方に面し、かつ横腕部4の延在方向に沿って延びる任意の面により構成されていてもよい。例えば図11および図12を参照して、スピットン20は、側面視においてコ字状またはC字状に形成されている連結部26を有していてもよい。連結部26は、下方に面し、かつ横腕部4の延在方向に沿って延びる空洞部22Dに下面22Aを有している。そのため、図11および図12に示される医療用診察装置103は、図9および図10に示される医療用診察装置103と同様の効果を奏することができる。
また、図12に示されるように、連結部26は、下面22Aよりも下方に位置し、上方に面し、かつ横腕部4の延在方向に沿って延びる上面22Bを有している。そのため、例えば診療台シート10が昇降機構3によって降下される際にスピットン20が自重によっては十分に降下しない場合には、スピットン20が上面22Bにおいて横腕部4と連結され得る。この場合においても、横腕部4と上面22Bとは摺動可能であるため、連結機構5は横腕部4とスピットン20との連結位置を変更可能である。そのため、医療用診察装置103によれば、高い組立性を有するとともに、スピットン20が自重のみによって十分に降下することが困難な状態に置かれても、横腕部4と上面22Bとが摺動可能に連結されることによりスピットン20を降下させることができる。
また、図12に示されるように、連結部26は、横腕部4の延在方向と交差する方向に延びる面22Cを有している。そのため、連結部26は、横腕部4の延在方向における横腕部4とスピットン20との連結位置の変更量を制限することもできる。
[実施の形態5]
図13(a)および(b)を参照して、実施の形態5に係る医療用診察装置104は、基本的には実施の形態1に係る医療用診察装置100と同様の構成を備えるが、診療用椅子1が診療台シート10に接続されたハウジング部12をさらに含む点で異なる。
ハウジング部12は、例えば下部11を覆うように設けられている。ハウジング部12は、少なくとも第1壁部13と第1壁部13に収容可能に設けられている第2壁部14とを有している。第1壁部13および第2壁部14の各々は、例えば筒状体である。第1壁部13の内径は、第2壁部14の外径よりも大きい。ハウジング部12は、その内部に昇降機構3の少なくとも固定部31を収容している。
第1壁部13と第2壁部14とは診療台シート10が昇降する方向Aにおいて相対的に移動可能に設けられている。例えば、図14(a)および(b)に示されるように、第1壁部13が固定されているのに対し、第2壁部14が昇降方向Aにおいて移動可能に設けられている。異なる観点から言えば、第2壁部14は、第1壁部13に収容されている部分の昇降方向Aにおける幅が変更可能に設けられている。
図13(a)に示されるように、診療台シート10が昇降され得る範囲(可動域)の最上点に配置されている状態では、第2壁部14の上方に位置する部分が第1壁部13の上方に位置する部分よりも上方に配置されている。第2壁部14の上方に位置する部分は、その外周面が外部に表出している。このとき、第2壁部14の下方に位置する部分が第1壁部13の上方に位置する部分の内部に収容されていてもよい。図13(b)に示されるように、診療台シート10が昇降され得る範囲(可動域)の最下点に配置されている状態では、第2壁部14の上方に位置する部分が第1壁部13の上方に位置する部分の内部に収容されていてもよい。
このようにしても、医療用診察装置104は、実施の形態1に係る医療用診察装置と同様の構成を備えているため、実施の形態1に係る医療用診察装置と同様の効果を奏することができる。さらに、医療用診察装置104は、診療用椅子1が昇降機構3を内部に収容するハウジング部12を含むため、ハウジング部12の外部から昇降機構3に物等が接触することを防止することができる。そのため、医療用診察装置104は、診療台シート10の昇降を安全に行うことができる。
なお、医療用診察装置104は、ハウジング部12が第1壁部13および第2壁部14の他に、任意の数の壁部を有していてもよい。ハウジング部12は、第2壁部14の内部に収容可能に設けられている第3壁部(図示しない)をさらに有していてもよい。
[実施の形態6]
図14を参照して、実施の形態6に係る医療用診察装置105は、基本的には実施の形態1に係る医療用診察装置100と同様の構成を備えるが、診療用椅子1がガイドレール61とスライダ62とを含み、スピットンユニット2が昇降機構7と昇降機構7によって昇降される横腕部4とを含む点で異なる。
診療用椅子1は、診療台シート10の昇降方向Aに延びるガイドレール61と、ガイドレール61に沿ってスライド可能なスライダ62とを含む。診療台シート10は、スライダ62に固定されている。
昇降機構7は、医療用診察装置100の設置場所に固定される固定部71と、固定部71に対し上下方向に相対的に移動可能に設けられている昇降部72とを含む。昇降部72は、スピットン20および横腕部4と接続されている。昇降部72が固定部71に対して上下方向に相対的に移動することにより、スピットン20および横腕部4が昇降される。昇降機構7は、例えばスピットンユニット2の内部に収容されている。
横腕部4は、診療台シート10とスピットン20とを接続している。横腕部4は、昇降機構7の昇降部72と接続されている一端と、診療台シート10と接続されている他端とを有している。横腕部4の一端は、昇降部72に固定されている。これにより、横腕部4は、スピットン20と共に、昇降部72によって昇降可能に設けられている。また、横腕部4の一端と他端とを結ぶ延在方向は、昇降部72の昇降方向Bに対して固定されており、例えば昇降方向Bに対して垂直な方向に固定されている。横腕部4の他端は、診療台シート10に固定されておらず、連結機構5を介して診療台シート10と接続されている。横腕部4の他端は、例えば診療台シート10を下方から支持している。
図14に示されるように、診療台シート10は、連結機構5を含む。連結機構5は、例えば球面滑り軸受により構成されている。外輪(図示しない)は、例えば診療台シート10に固定されている。該外輪の軸方向は、例えば診療台シート10の昇降方向Aに対して垂直な方向に沿うように固定されている。内輪には、横腕部4の上記他端が挿通されている。そのため、連結機構5は、横腕部4とスピットン20との連結角度および連結位置の少なくともいずれかを変更可能に構成されている。診療台シート10の昇降動作は、下部11に対する診療台シート10の相対的な位置の変更動作である。
以上のように、医療用診察装置105は、昇降可能な診療台シート10を有する診療用椅子1と、診療用椅子1に隣接して配置されており、昇降可能なスピットン20を有するスピットンユニット2とを備える。診療用椅子1は、診療台シート10とスピットン20とを接続する横腕部4と、横腕部4を昇降する昇降機構3とを含む。診療台シート10は、横腕部4と連結された連結機構5を含む。連結機構5は、横腕部4と診療台シート10との連結角度を変更可能に構成されている。
従来、医療用診察装置として、スピットンユニットがスピットンおよび診療台シートを昇降するための昇降機構を含み、スピットンと診療台シートとが横腕部に固定されており、診療台シートがスピットンの昇降動作に従動するように設けられたものが知られている。このような従来の医療用診察装置も、上述した診療用椅子が昇降機構を含む従来の医療用装置と同様に、スピットンと診療台シートとが横腕部に固定されているため、診療台シートの昇降方向はスピットンの昇降方向に依存する。当該医療用診察装置には、診療用椅子が診療台シートよりも下方に設けられている下部を含み、診療台シートの昇降動作が下部に対する診療台シートの相対的な位置の変更動作となるものも存在する。この場合、診療台シートが下部と干渉することなく昇降するために、診療台シートの昇降方向がスピットンの昇降方向と平行となるように、診療台シート、スピットンおよび横腕部の位置関係が細かく調整された上でこれらが組み立てられる必要がある。そのため、当該医療用診察装置も、組み立て性が低いという問題があった。
これに対し、医療用診察装置105によれば、組立時において横腕部4と診療台シート10との連結角度を細かく調整しなくても、診療台シート10が下部11と干渉することなく昇降可能なように、連結機構5によって診療台シート10と横腕部4との相対的な位置関係が決定され得る。そのため、該医療用診察装置は、容易に組み立てられ得る。
医療用診察装置105は、実施の形態5に係る医療用診察装置104と同様に、診療用椅子1がハウジング部12をさらに含んでいてもよい。このように構成された医療用診察装置105によれば、組立時において横腕部4と診療台シート10との連結角度を細かく調整しなくても、診療台シート10がハウジング部12と干渉することなく昇降可能なように、連結機構5によって診療台シート10と横腕部4との相対的な位置関係が決定され得る。
以上のように本発明の実施形態について説明を行なったが、上述の各実施形態の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。例えば、実施の形態2〜4に係る医療用診察装置101〜103は、実施の形態5に係る医療用診察装置104と同様に、診療用椅子1がハウジング部12を含んでいてもよい。また、実施の形態6に係る医療用診察装置105は、連結機構5が実施の形態2〜5における連結機構5と同様の構成を有していてもよい。
また、上述のように、本発明の連結機構5とは、横腕部4がスピットン20に対して上下方向の運動に対して支持すると共に横方向(例えば水平方向)に対する滑り運動を許容して連結支持する機構を指す。連結機構5は、このような機構である限りにおいて、上述した構成の限られるものでなく、任意の構成を採用できる。また、摺動とは、滑り運動可能ということを指す。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 診療用椅子、2 スピットンユニット、2a スピットン鉢、2b コップ台、2c 給水栓、3,7 昇降機構、4 横腕部、5 連結機構、10 診療台シート、11 下部、12 ハウジング部、13 第1壁部、14 第2壁部、20 スピットン、21,61 ガイドレール、22,62 スライダ、22A,26A 下面、23 管路収容部、24 カバー部、25 ストッパ、26 連結部、27 底板、31,71 固定部、32,72 昇降部、51 外輪、52 内輪、54 取付具、55 球状部、56 保持部、100,101,102,103,104,105 医療用診察装置、106 モニタ、108 操作パネル、113 トレーテーブル、114,114a,114e 診療器具、115 フットコントローラ、117 照明装置、119 制御装置。

Claims (5)

  1. 昇降可能な診療台シートを有する診療用椅子と、
    前記診療用椅子に隣接して配置されており、昇降可能なスピットンを有するスピットンユニットとを備え、
    前記診療用椅子および前記スピットンユニットのいずれか一方は、昇降機構と、前記昇降機構によって昇降される横腕部とを含み、
    前記診療用椅子および前記スピットンユニットのいずれか他方において、前記横腕部は、前記診療台シートおよび前記スピットンのいずれかを下方から支持し、
    前記診療台シートおよび前記スピットンのいずれかは、前記横腕部と連結された連結機構を含み、
    前記連結機構は、前記横腕部と前記診療台シートおよび前記スピットンのいずれかとの連結角度および連結位置の少なくともいずれかを変更可能に構成されており、
    前記連結機構は、前記横腕部と摺動可能に連結されている、医療用診察装置。
  2. 昇降可能な診療台シートを有する診療用椅子と、
    前記診療用椅子に隣接して配置されており、昇降可能なスピットンを有するスピットンユニットとを備え、
    前記診療用椅子および前記スピットンユニットのいずれか一方は、昇降機構と、前記昇降機構によって昇降される横腕部とを含み、
    前記診療用椅子および前記スピットンユニットのいずれか他方において、前記横腕部は、前記診療台シートおよび前記スピットンのいずれかを下方から支持し、
    前記診療台シートおよび前記スピットンのいずれかは、前記横腕部と連結された連結機構を含み、
    前記連結機構は、前記横腕部と前記診療台シートおよび前記スピットンのいずれかとの連結角度および連結位置の少なくともいずれかを変更可能に構成されており、
    前記連結機構は、球面滑り軸受である、医療用診察装置。
  3. 前記連結機構は、前記診療台シートおよび前記スピットンのいずれかに対し、前記診療台シートおよび前記スピットンのいずれかの昇降する方向に移動可能に取り付けられている、請求項1または2に記載の医療用診察装置。
  4. 前記診療用椅子は、前記診療台シートに接続されたハウジング部をさらに含み、
    前記ハウジング部は、少なくとも第1壁部と前記第1壁部に収容可能に設けられている第2壁部とを有し、
    前記第1壁部と前記第2壁部とは前記診療用椅子が昇降する方向において相対的に移動可能に設けられている、請求項に記載の医療用診察装置。
  5. 前記スピットンユニットは、前記スピットンが昇降する方向に延びるガイドレールと、前記ガイドレールに沿ってスライド可能なスライダとを含み、
    前記診療台シートおよび前記スピットンのいずれかは、前記スライダに固定されている、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の医療用診察装置。
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