JP6279880B2 - 側壁反射低減構造、該構造を有する中空体および該中空体を用いた光伝送環境構築装置 - Google Patents

側壁反射低減構造、該構造を有する中空体および該中空体を用いた光伝送環境構築装置 Download PDF

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本発明は、光学的自由空間を有限空間で模擬実現するための技術、具体的には、有限空間の内部での光反射を低減する側壁反射低減構造および該構造を有する中空体に関する。また、本発明は、実際に光が伝送(送受信)される環境を提供することのできる装置に関するものである。
光源などの光送信側から送られてくる光を受信する系において、光送信側と光受信側との間が自由空間であれば、光反射はなく、図1(a)に示すように、光送信部OTからは実線で示す直接光DLのみが光受信部ORに到達する。しかし有限空間を通して光を伝送する場合には、図1(b)に示すように、直接光DLのほか、その有限空間に存在する中空体の側壁面からの反射光RLも光受信側ORに到達することになる。すると、反射光の影響を受けない自由空間で光を受信する場合に比べて受光レベルが過大となり、企図した情報の取得が困難となる。そしてこれは、光伝送距離が長くなるほど反射光の総和が大きくなり反射光の影響が顕著となる。
この側壁面での反射光が光受信側に到達しないようにするには、中空体の横断面(光軸に直交する方向)の寸法を幅方向に拡大し、実質的に自由空間とみなされる有限空間を実現することが考えられる。しかしながら、有限空間に水などの液体を満たし、その液体が光伝送に及ぼす影響等を評価する場合を考えると、有限空間の容積を増大させざるを得ず、従って大量の液体を必要とすることになる。例えば、光源から6mの距離にある開口数NAが0.5(30度)の受光器に対し、水中での光伝送を行う場合を考えると、水槽の側壁ないしは水面での反射の影響を少なくするためには、概ね伝送距離に等しい長さ、幅および深さの寸法を有する大型の水槽と200トン超もの水量とを要するものと考えられる。また、水中に気泡またはその他の異物が混入させた場合には、それらに起因した散乱が発生するため、気泡または異物の混入環境が必要な場合は、さらに水槽が大型化するものとなることが予測される。
従って、側壁での反射光が受光器に到達しないようにしつつ、有限空間の容積を小さくすることでこれらの問題を解決することが強く望まれる。そこで、パイプ状ないしは筒状の中空体を用い、望遠鏡やカメラの分野において鏡筒内壁から半径方向内向きに突設される遮光環と称されるものを中空体の側壁に形成することが考えられる。かかる構成によれば、図2(a)に示すように、中空部材HMの側壁で反射されて光受信側ORに向かう反射光RLとなり得る光RL’は遮光環LSで遮られ、直接光DLのみが光受信側ORに到達する。
かかる構成は、中空体に存在する物質が空気である場合には有効である。しかしながら、中空体に水などの液体を満たし、さらに積極的に液体流を生じさせることで介在物である液体の挙動の影響を評価する場合を考えると、遮光環LSの形状や構造等が適切でなければ問題が生じ得る。すなわち、液体流の流速が大きい場合、図2(b)に示すように、遮光環LSが液体流WSから大きな力を受けることになるので、破損が生じたり、あるいは、液体流から剥がれた流れが遮光環LSの裏側で渦Vを生成し、その付近に気泡等が存在していた場合にはその挙動によって光の散乱やゆらぎを生じさせたりすることが考えられる。
また、特許文献1には、カメラの分野においてレンズ鏡筒の内面反射を低減する構造として、略三角形の断面形状を有する突起を鏡筒内壁に形成した構成が開示されている。しかし同文献に開示される突起は微細なものであり(反射防止用の「遮光線」を構成するものとして記載されている)、筒が短いときには有効であるが、筒が長くなると反射の総和が大きくなる。
特開平7−20368公報
よって本発明は、小容積の有限空間でありつつも、これを画成する中空体の側壁での光反射を低減することで、光学的自由空間を実質的に実現できるようにすることを目的とする。また本発明は、送受信部間に介在する流体の挙動等の影響を受けにくい側壁反射低減構造および該構造を有した中空部材を提供することを他の目的とする。本発明のさらに他の目的は、実際に光が送受信される環境を構築できる装置を提供することにある。
そのために、本発明は、光送信部と光受信部との間に配され、光を伝送する有限空間を画成する中空体の側壁での光反射を低減するための側壁反射低減構造であって、前記光送信部と前記光受信部とを結ぶ光軸の方向に複数配置されることで、内側に流体を収容可能な前記中空体の側壁を形成する構造体要素を備え、記構造体要素の前記光軸に沿って取った基本的な断面形状は、前記中空体の内側に頂点が位置する三角形であり、当該三角形の断面形状を有する構造体要素は、光が入射するよう前記光送信部の側を向く斜面を有する透明体で形成された第1部分と、光が入射しないよう前記受信部の側を向く斜面であって少なくとも当該斜面が不透明である第2部分とによって構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、上記側壁反射低減構造を備え、前記側壁の内側に流体を封入可能な中空体に存する。
さらに、本発明は、かかる中空体を用いて光伝送環境を構築する装置であって、前記側壁の内側に封入された流体の状態を変化させることが可能な手段を備えたことを特徴とする。
本発明側壁反射低減構造によれば、光が入射するよう光送信側を向く斜面を有する透明体で形成された第1部分と、光が入射しないよう受信部の側を向く斜面であって少なくとも当該斜面が不透明である第2部分とによって、縦断面形状が三角形をなす構造体要素が構成される。従って、光送信側から中空体に入射し、側壁反射によって光受信側に向かい得る光は、透明体内部に進入してから効果的に外部に導出される。従って、小容積の有限空間でありつつも、これを画成する中空体の側壁での光反射が低減され、光学的自由空間を実質的に実現できるようになる。
また、その側壁反射低減構造を備えた中空体は、光反射が低減された内部空間を画成することに加え、構造体要素が送受信側に向く斜面を有していることから、内部空間に封入されて送受信部間に介在する流体の挙動(水流や気泡、渦、ゆらぎ)等による側壁反射の影響を受けにくいものとなる。
さらに、その中空体を用いれば、実際に光が送受信される環境を構築することのできる装置が実現できる。
(a)および(b)は、それぞれ、自由空間および有限空間での光伝送を説明するための模式図である。 (a)は有限空間で反射光を低減する構成を説明するための模式図、(b)は有限空間に水流が存在する場合に当該構成に生じる問題を説明するための模式図である。 (a)は本発明の第1の実施形態に係る側壁反射低減構造を示す模式図、(b)はその構造による効果を説明するための模式図である。 (a)は水とアクリルとの境界における入射角と反射率との関係を説明するための図、(b)は空気とアクリルとの境界における入射角と反射率との関係を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る側壁反射低減構造の変形例を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る側壁反射低減構造を示す模式図である。 (a)および(b)は、それぞれ、本発明の第2の実施形態に係る側壁反射低減構造の第1および第2の変形例を示す模式図である。 (a)は本発明の第2の実施形態に係る側壁反射低減構造の第3の変形例を示す模式図、(b)はその構造による効果を説明するための模式図である。 (a)および(b)は本発明側壁反射低減構造のさらなる二つの実施形態を示す模式図である。 本発明に係る側壁反射低減構造を用いた中空体の一実施形態を示す模式図である。 図10の中空体を用いた光伝送評価装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明の側壁反射低減構造の別の実施形態を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「画成」とは、外界に対する境界を定めることで内側に有限空間を得ることを言う。また、その「有限空間」とは、すべての物理的・化学的意味において外界から閉鎖された空間を言うのではなく、本発明または後述する諸実施形態において期するところの目的を達成できる範囲で閉じた空間を称する。すなわち、「有限空間を画成する中空体」は、光受信部側に向かい得る反射光を未然に導出するという意味では、外界に対して光学的に開放された空間を画成するものであり、また、収納する流体に関して外部環境との連通に顧慮する必要がなければ、側壁に開口が設けられているものでもよい。
(1)側壁反射光低減構造
本発明の一形態は、光軸に沿って取った基本的な断面形状が、中空体の内側に頂点が位置する三角形の構造体要素であって、光が入射するよう光送信部の側を向く斜面を有する透明体で形成された第1部分と、光が入射しないよう前記受信部の側を向く斜面であって少なくとも当該斜面が不透明である第2部分とを有する構造体要素を、光軸の方向に複数配置した側壁反射低減構造を提供するものである。すなわち、本発明の一形態である側壁反射低減構造は、光送信側を向く第1部分の透明な傾斜面と、光受信部側を向く第2部分の不透明な傾斜面とが光軸方向に周期的に現れる構造であり、そのような構造を実現し、本発明所期の目的を達成し得るものである限り、側壁反射低減構造を構成するのに用いられる構造体要素には適宜の構成、形状および寸法等を採用することができる。
以下ではその構造体要素ないしは側壁反射低減構造のいくつかの実施形態および変形例を説明する。
(1−1)第1の実施形態
まず、構造体要素ないしは側壁反射低減構造の構成および形状の把握を容易にする、ために最も単純化した構成について説明する。
図3(a)は本発明の第1の実施形態に係る側壁反射光低減構造を説明するための図であり、有限の光伝送空間Sを画成するために光軸Oの方向に延在する直円筒状の中空体の縦断面(光軸に沿って取った断面)を模式的に示している。構造体要素1は、側壁30から内向き(光軸Oに向う方向)に凸となるよう周に沿って設けられたリング状の要素であり、光軸Oの方向に必要個数が連続して配置されることで中空体の側壁30を構成する。
本実施形態の構造体要素1は、縦断面視において、側壁30に沿う底辺と、光送信側(図の左側)を向く斜辺と、光受信側(図の右側)を向く斜辺とを有する三角形状を有している。構造体要素1は、透明材料(例えばアクリル)で形成されて第1部分となる透明体10および不透明材料(例えば金属や着色プラスチック材料など)で形成されて第2部分となる不透明体20で構成されており、透明体10が光送信側を向く斜辺に対応した斜面12を有する一方、不透明体20は、上記光受信側を向く斜辺に対応する、光が入射しない斜面22を有する。そして、縦断面視において透明体10および不透明体20は合同の直角三角形状を有しており、それぞれの垂辺に対応した面で透明体10および不透明体20を接合させることにより、縦断面視にて二等辺三角形状の構造体要素1が形成される。
以上の基本構成を有する側壁反射低減構造では、図3(b)に示すように、光送信側OTから透明体10に入射した光は不透明体20に突き当たることで進行が遮られ、光受信側ORには直接光のみが到達するようになる。また本実施形態では、縦断面視において、構造体要素1(透明体10および不透明体20)が三角形の頂点から側壁30に向かって傾斜する斜辺(斜面12および22)を光入射側および光受信側にそれぞれ有している。従って、空間S内に水などの液体が満たされ、且つその強い流れがある場合でも、側壁30から略垂直に空間に屹立するような遮光環(図2(b))に比べて液体の流れを円滑にすることができる。
透明体10の斜面12が側壁30に対してなす角度θtは、空間Sに満たされる物質、透明体10の材質および光送信側から斜面12に入射する光の入射角度などによって規定される。本実施形態においては、空間Sには水が満たされ、透明体10にはアクリルが用いられるものとする。
図4(a)は水とアクリルとの境界における入射角と反射率との関係を示すグラフである。入射角は水からアクリルへと光が通過する境界に対するものを示しており、反射率はフレネルの式に基づいて求められている。この図からわかるように、透明体であるアクリルへの光の入射角が境界に平行に近い状態(入射角≒90度)では反射率が100%近くとなるので、ほとんどの光が反射する。しかし、光の入射角を小さくしていくと、ある角度以下ではP偏光およびS偏光ともに光の反射率が著しく小さくなる。
従って、透明体10の斜面12が側壁30に対してなす角度θtは、空間Sに満たされる物質および透明体10の材質に基づき、且つ中空体内周に沿った斜面12上のどの部位であってもP偏光およびS偏光ともに光の反射率が十分に小さくなる入射角が得られるように定めればよい。これによって、入射光を効果的に透明体10内に導き、反射光を低減することが可能となる。
なお、図3においては、縦断面視にて合同の直角三角形状の透明体10および不透明体20を、垂辺を一致させた状態で接合することで形成した二等辺三角形状の構造体要素1を示しているが、透明体10および不透明体20ひいては構造体要素1の形状はそれに限られない。例えば、図5に示すように、斜面12の光軸方向の長さ(実施形態では透明体10の光軸方向の長さに等しい)Ltよりも斜面22の光軸方向の長さ(実施形態では不透明体20の光軸方向の長さに等しい)Loが長くなるようにすることもできる。このようにすることで、側壁反射低減構造ないしは中空体を構成するのに用いられる構造体要素1の個数を減らすことができる。
(1−2)第2の実施形態
第1の実施形態では、中空体の内部は側壁30によって雰囲気と隔てられている。この雰囲気が空気である場合、上述した構造のみでは光反射低減の効果が十分でなくなることが考えられる。
図4(b)は空気とアクリルとの境界における入射角と反射率との関係を示すグラフであり、入射角はアクリルから空気へと光が通過する境界に対するものを示している。図4(a)との比較からわかるように、水からアクリルへと入射する光の反射率は、入射角が70度を超えると急激に大きくなるのに対し、アクリルから空気へと入射する光の反射率は、入射角が55度を超えると急激に大きくなる。つまり、前者の場合はアクリルに対し20度未満という浅い角度で光が入射しなければ、反射率が十分に小さいため、アクリル内に光を効果的に進入させることができる。これに対し、後者の場合は、空気に対し35度未満の角度で光が進入しない限りは境界で光がアクリル内へと反射されることになる。すると、この反射光が再びアクリルと水との境界を通過して内部空間Sに戻り、所期の光反射低減の効果が得られなくなることが考えられる。
本発明側壁反射低減構造の第2の実施形態は、内部空間から透明体内に導いた光が再び内部空間に戻らないようにする構成を提供するものである。
図6はその第2の実施形態に係る側壁反射低減構造を説明するための図である。本実施形態は、光が伝送される内部空間Sを画成する中空体である内側構造体50と、空間S2を隔ててその周囲に配された外側構造体60とを有する二重構造を採用している。なお、図示の内側構造体50には図5に示した構造体要素1を含む構成を用いているが、図3(a)に示した構造体要素1を含む構成が用いられてもよい。外側構造体60は内側構造体50との間に画成される空間S2を雰囲気から絶縁するよう構成される。また、空間S2は内部空間Sに対しても絶縁されており、ここに透明体(例えばアクリル)に近い屈折率を有する液体(例えば水)が封入される。
水などの液体が満たされた内部空間Sから透明体10内に入射した光は、不透明体20に吸収されるもの以外は、透明体10を透過して直接、または不透明体20との境界で反射されてから、空間S2との境界に入射する。ここで、空間S2には透明体10に近い屈折率を有する液体が満たされていることで、その入射角度が相当程度大きくなければ、空間S2との境界で反射されずにそのまま空間S2に導出される。すなわち、本実施形態によれば、透明体10と空間S2との境界での光の反射、ひいては透明体10を介した内部空間Sへの再進入を低減することができる。
図7(a)は図6の構成をさらに改良した例を示し、空間S2内に垂直に突出する不透明体の環状壁26を不透明体20の部位の外周に沿って設けたものである。この環状壁26は、不透明体20と予め一体に形成されているものでも、別体に構成されて不透明体20に接合されたものでもよい。
この例によると、透明体10から空間S2に導出された光(その後外側構造体60から雰囲気中に導出されず、外側構造体の側壁で反射された光を含む)が不透明体の環状壁26に突き当たる可能性が高くなることから、透明体10を介した内部空間Sへの光の再進入をさらに低減することができる。
さて、以上では、構造体要素が、縦断面視にて垂辺の長さが等しい直角三角形状の透明体10および不透明体20を垂辺部分で接合することで形成されるものとして説明した。すなわち、側壁30に対して垂直となるように透明体10および不透明体20の境界面が形成されているものとして説明した。しかしながら、図7(b)に示すように、空間Sから透明体14内に導かれて伝播する光に対する入射角が大きくなるように境界面15の角度を定めた透明体および不透明体を形成することもできる。これによれば、透明体14と不透明体24との境界に入射する光を、効果的に透明体14と空間S2との境界に向けて効果的に反射させ、内部空間Sへの光の再進入をさらに低減することができるようになる。なお、そのように境界面の角度が設定される透明体14および不透明体24を構成することは、図3(a)、図5および図6で説明した構造体要素にも適用できることは勿論である。
図8(a)は、第2実施形態で得られる効果をさらに高めるべく構成した側壁反射低減構造の例を示す。この例は、基本的に図7(b)に示した構造を採用するとともに、不透明体24から、直角ではなく光の入射角が大きくなる方向に傾けた環状壁28を採用したものである。これによると、図8(b)に示すように、透明体14と不透明体24との境界面15で反射されて空間S2に導かれた光を、そのまま雰囲気に導出可能となることに加え、遮光壁28によってより効果的に遮ることができるようになる。
なお、空間S2は内部空間Sを雰囲気から絶縁する、もしくは内部空間Sで種々環境を模擬するべく内部空間Sを外部環境から遮断する機能を果たす。従って、図2(b)について説明した内部空間S2内に満たされる液体の流れに起因した影響を考慮する必要はない。このため、外部との流体の授受に顧慮する必要もなく、空間S2を実質的に完全に密封された空間とすることができる。よって、そこに満たされる流体についても、水のほか、屈折率を考慮して好ましい適宜の流体を選択することが可能であり、その例としては、透明体がアクリルであれば、シリコーンオイルを挙げることができる。また、流れから受ける力に顧慮する必要もないことから、遮光壁を空間S2内に突出させることが可能となる。
(1−3)別の実施形態
以上では、合同の複数の構造体要素1を光軸方向に配したいくつかの構成を例示した。しかし透明体10または不透明体20の形状,寸法に合わせて構造体要素1の形状,寸法を異ならせてもよい。
光送信側から中空体内に進入する光線は、進入側から遠くなるほど光軸Oに対する傾きが小さく、近いほど大きい。そこで、例えば光送信部と縦断面視において構造体要素1がなす三角形の頂点とを結ぶ直線の延長線に沿った斜辺をもつように不透明体を形成することができる。つまり、光送信側から遠くなるに従って光軸Oに対する光線の角度は小さくなって行くので、図9(a)に示すように、位置に応じて不透明体24a,24b,24cの斜辺の長さを変化させることができる。換言すれば、光軸Oに対して不透明体24a,24b,24cの斜辺が側壁に対してなす角度αを、光送信側と構造体要素1がなす三角形の頂点とを結ぶ直線の延長線が光軸Oに対してなす角度と等しくするか、またはそれより若干大きくすることができる。これによれば、不透明体斜面には光が入射しない構成を保ちながらも、構造体要素の光軸方向の長さを設定することができる。図9(a)には、光送信側(図の左側)から遠ざかるほど、構造体要素1a,1b,1cの光軸方向の長さLa,Lb,Lcが長くなってゆくことが示されている。そしてこれにより、側壁反射低減構造ないしは中空体を構成するのに用いられる構造体要素の個数を減らすことができる。
また、透明体に関しては、光送信側から近いほど斜面への入射角度は小さく、遠いほど大きくなる。側壁での光の反射を低減するという目的に照らし、本発明は入射する光を効果的に透明体の内部に導くことを特徴としていることから、透明体が側壁に対してなす角度θt(図3(a))を複数の構造体要素間で統一する必要はなく、むしろ光送信側からの距離に応じて変化させることが好ましい。図9(b)はこれを説明するために、光送信側(図の左側)に近いほど、透明体14a,14b,14cの底角(透明体が側壁に対してなす角度)θa,θb,θcを小さく設定することを示している。
なお、図9(a)および(b)では構造体要素が透明体および不透明体のみを含んでいる側壁反射低減構造の構成を示しているが、第2の実施形態に関連して説明したような外側構造体や遮光壁を有していてもよいことは勿論である。
(2)中空体の実施形態
以上説明した側壁反射低減構造のいずれかを用いて、密閉された有限空間を形成し、光送受信側間に様々な流体を介在させることのできる中空体が実現される。
図10はその中空体の一例を模式的に示し、簡略化のために第2実施形態に関連して説明したような外側構造体や遮光壁は省略してある。中空体80は光送信部OTと光受信部ORとの間に延在しており、光送信部OT側の端面には筒状の光導入部82が、また光受信部OR側の端面には筒状の光導出部84が設けられている。光導入部82は密閉空間の外にあり、大気環境下とすることができるので、遮光環83を配置したものとすることができる。
中空体80は、その長さLの全体にわたって側壁反射低減構造を有したもの、すなわち長さ方向の全体に構造体要素を配置したものでなくてよい。光送信部OTからの距離が大きければ光受信部OTからの光線は光軸に対して平行に近くなるので、中空体80の長さLおよび幅Wも考慮し、光の入射端から適宜の距離Lrの範囲に側壁反射低減構造を設ければよい。これによれば、構造体要素の個数を減らすことができる。また、遮光環83を配置した光導入部82を設ければ、構造体要素の個数をさらに減らすことができる。
(3)中空体の応用例
密閉された有限空間を形成する中空体は、水およびその他の液体や空気およびその他の気体など、様々な流体を封入し、その流体を光送信部OTおよび光受信部OR間に介在させることができる。そして、その流体を通して受信した光の情報を分析することで、光源など光送信側自身の情報、介在する流体自身に関する情報、介する流体の挙動もしくはその状態が光伝播に及ぼしている影響に関する情報を調査および評価することが可能となる。また、本発明に係る中空体を用いることで、実際に光が送受信される環境を模擬する装置を実現することも可能である。
図11はその装置の構成例を示し、この例では中空体には水が封入されているものとし、中空体内部の気泡による光の散乱や温度むらによるゆらぎの影響を評価できるようにした構成となっている。
中空体80の光入射端側に取り付けられたアタッチメント86には入口ポート91、92および93が設けられ、それぞれ、圧縮空気源101、常温水の供給源102および加熱水の供給源103に接続されている。そして、各供給経路に設けられたバルブを適宜操作してそれらを導入することで、中空体80の内部で気泡や温度むらを生じさせることができる。
本発明を適用することなく有限空間で実質的自由空間を実現し、水が光伝送に及ぼす影響等を評価しようとする場合、前述したように大規模な水槽と莫大な水量とを必要とする。また、水槽が大型化すれば、好ましくない外乱の発生またはその影響を排除するための大型で複雑な手段の付加も必要となる。しかし本発明に係る側壁反射低減構造を有する中空体を用いることで、小型にして必要水量も少なく、かつ簡略な形態の評価装置を実現できる。
なお、中空体80の適宜の部位、例えば光出射端側には、封入する流体を適宜排出するためのポート95を有したアタッチメント88を取り付けることができる。また、アタッチメント86の配設部位および個数についても適宜定めることができ、光の入射端側に設けること代えて、またはそれとともに、中空体80の途中の部位89に設けることが可能である。その部位としては、上述したような側壁反射低減構造の配設範囲外とすることが好ましい。
(4)その他
以上、いくつかの実施形態に即して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明の技術思想から逸脱しない限り、適宜の変更および修正等を加え得ることは勿論である。例えば、上例では中空体ないしは構造体要素が円形の横断面(光軸に直交する断面)形状を有するものとしたが、その形状としては、楕円形状、三角形その他の多角形状(角に丸みが付けられているものも含む)およびその他の適宜のものを採用することができる。また、横断面の寸法や形状が異なる構造体要素1を光軸方向に配置して中空体を構成してもよく、その際は中空体の横断面寸法や形状が急激に変化する、あるいは緩やかに変化する構成とすることができる。
また、上例では光送信側を向く透明体の斜面が一定の傾斜角度となっているものを示した。しかしながら、当該斜面への光の入射角度を小さくして透明体内部に効果的に光を進入させる目的に適うものであれば、傾斜角度が段階的または連続的に変化する構成を採用してもよく、本明細書および特許請求の範囲における「光軸に沿って取った構造体要素の基本的な断面形状が、中空体の内側に頂点が位置する三角形である」旨の規定は、そのような構成をも包含するものである。例えば、図12に示すように、光送信側を向く透明体の斜面を滑らかな凹曲面で形成することができ、これは上記目的に照らして好ましい構成である。
さらに、上例では第1部分をなす透明体と第2部分をなす不透明体とを接合することで構造体要素が構成されているものした。ここで、構造体要素を透明部材で一体に形成し、光受信側を向く斜面に不透明塗装を施すなどの表面遮光部を設けることで第1部分と第2部分とを作製することも考えられる。しかし中空体に収容される流体の性質や挙動を考慮する場合には、塗膜の剥がれが生じないよう、上例のように透明体と不透明体とを接合して構造体要素を構成するとすることが好ましい。
OT 光送信部
OR 光受信部
O 光軸
S、S2 空間
1,3 構造体要素
10,14,14a,14b,14c 透明体
20,24 不透明体
26,28 環状壁
50 内側構造体
60 外側構造体
80 中空体
101 圧縮空気源
102 常温水供給源
103 加熱水供給源

Claims (13)

  1. 光送信部と光受信部との間に配され、光を伝送する有限空間を画成する中空体の側壁での光反射を低減するための側壁反射低減構造であって、
    前記光送信部と前記光受信部とを結ぶ光軸の方向に複数配置されることで、内側に流体を収容可能な前記中空体の側壁を形成する構造体要素を備え、
    記構造体要素の前記光軸に沿って取った基本的な断面形状は、前記中空体の内側に頂点が位置する三角形であり、
    当該三角形の断面形状を有する構造体要素は、光が入射するよう前記光送信部の側を向く斜面を有する透明体で形成された第1部分と、光が入射しないよう前記受信部の側を向く斜面であって少なくとも当該斜面が不透明である第2部分とによって構成されている、
    ことを特徴とする側壁反射低減構造。
  2. 前記第2部分の斜面の前記光軸方向の長さは、前記第1部分の斜面の前記光軸方向の長さより大であることを特徴とする請求項1に記載の側壁反射低減構造。
  3. 前記第2部分の斜面の前記光軸方向の長さは、前記光送信部から離れた位置にある構造体要素ほど長くなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の側壁反射低減構造。
  4. 前記第1部分の斜面が前記側壁に対してなす角度は、前記光送信部に近い位置にある構造体要素ほど小さくなっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の側壁反射低減構造。
  5. 前記第2部分は不透明体で形成され、透明体で形成された前記第1部分に接合されることで、前記構造体要素が構成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の側壁反射低減構造。
  6. 前記透明体と前記不透明体との接合面は、前記透明体に進入した光の入射角が大きくなるように傾斜していることを特徴とする請求項5に記載の側壁反射低減構造。
  7. 前記構造体要素が複数配置されることで形成される前記側壁の外側に、流体を封入可能な空間を画成する外側構造体を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の側壁反射低減構造。
  8. 前記第2部分は不透明体で形成されるとともに、その外周に沿って前記空間に張り出す不透明の遮光壁が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の側壁反射低減構造。
  9. 前記遮光壁は、光の入射角が大きくなるように設定した傾斜面を有することを特徴とする請求項8に記載の側壁反射低減構造。
  10. 前記第1部分の斜面が凹曲面で形成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の側壁反射低減構造。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の側壁反射低減構造を備え、前記側壁の内側に流体を封入可能な中空体。
  12. 請求項11に記載の中空体を用いて光伝送環境を構築する装置であって、前記側壁の内側に封入された流体の状態を変化させることが可能な手段を備えたことを特徴とする光伝送環境構築装置。
  13. 前記側壁の内側に封入される流体は水であり、前記手段は、気泡、水流および温度むらに起因したゆらぎの少なくとも1つを導入する手段であることを特徴とする請求項12に記載の光伝送環境構築装置。
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