JP6279072B2 - エレベータのドア制御装置、及びドア制御方法 - Google Patents

エレベータのドア制御装置、及びドア制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、エレベータのドアパネルを開閉するエレベータのドア制御装置、及びドア制御方法に関するものである。
エレベータのドア装置では、モータが、ドアパネルの上部に設けられた2つのプーリの一方を回転駆動させると、2つのプーリに巻き掛けられた無端状のベルトによりモータトルクが水平方向の駆動力に変換され、ベルトに取り付けられたドアパネルが開閉されるという構成を備えたものが一般的である。
このようなエレベータのドア装置において、環境・経年変化によるベルトの特性変化、あるいは固定器具の緩みに起因して、ベルトの張力が初張力より小さくなると、モータ駆動時にベルト歯飛び、ベルト滑り、ベルト振動が生じる。しかし、このような異常を、通常開閉時において検出するためには、張力が十分に低下し異常な状態となった場合にしか推定できない。そこで、ベルトの張力低下を検出するために、ベルト歯飛び、ベルト滑り、ベルト振動といった異常を検出するための固有の制御を行うドア制御装置が従来から知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1に開示されているドア制御装置では、通常のドア開閉時における駆動トルクと、ドアを開閉するために駆動ベルトに動力を供給するモータの理想トルクとを比較することでトルク振動成分を抽出する。そして、抽出したトルク振動成分と、異常を判断するために予め記憶されている閾値と、を比較して、ベルトの張力異常を検出している。即ち、通常のドア開閉時のトルクに生じる振動を検出することで異常を検出している。
また、特許文献2に開示されているエレベータドア開閉制御装置では、通常のドア開閉時よりも緩やかな加速によってエレベータドアが開閉されるようにモータの駆動を制御した試験モードを設けている。そして、この試験モード時におけるモータトルクとエレベータドア開閉速度とに基づいて、モータベアリング及びベルトテンションの劣化を検出している。即ち、通常よりも緩やかな加速によるドアの開閉時において間欠的に付加したモータのトルクに対して、予め定められた範囲よりも速度の応答性が悪い場合に開閉機構の劣化を事前に判断している。
特開2011−63405号公報 特開2012−197144号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1に示されているドア制御装置は、ベルトが緩んだ際のたわみを利用して、ドア開閉時のトルクに生じる振動を検出したものである。しかしながら、振動を検出するためには、理想トルクのデータを必要とする。さらに、振動は、ドア位置に応じてベルトの長さが変わることに起因してベルト特性が変動するため、ドア位置によっては、必ずしも異常を検出できない恐れがある。また、特許文献1に示されているドア制御装置は、あくまでも通常開閉時に異常を検出するため、事前に異常を検出できるものではない。
また、特許文献2に示されているエレベータドア開閉制御装置では、先の特許文献1とは異なり、通常とは異なる試験モード時のドア開閉において、事前に異常を診断することが可能である。しかし、ドア位置に応じてベルトの長さが変わることに起因するベルト特性の変動に加えて、ドア機械系の外乱、例えばかごドアと乗場ドアの係合(連結)時の衝撃で速度の応答性が変化するので、正確な判断ができない恐れがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ドア位置に応じてベルトの長さが変わることに起因するベルト特性変動を考慮した上で、所望のタイミングで、ベルトの異常を診断することができるエレベータのドア制御装置、及びドア制御方法を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータのドア制御装置は、モータによりベルトを駆動することで、出入口に設けられたドアの開閉制御を行うとともに、ドアが開閉動作を行っている間にベルト振動の異常の有無を検出する機能を有するエレベータのドア制御装置であって、正側の最大トルクが発生する最大加速時、または負側の最大トルクが発生する最大減速時において、ベルト振動を誘因するモータの速度波形を発生させるための振動検出用パラメータを記憶しているベルト振動検出用パラメータ記憶部、ドアを開閉する速度指令値を生成する速度指令生成部、モータの実回転速度を算出する速度演算部、速度指令生成部から出力された速度指令値と速度演算部で算出された実回転速度との偏差に基づいて、モータを制御することで、開閉制御を行う速度制御部、及び速度演算部で算出された実回転速度に基づいて、ベルト振動の異常の有無を検出するベルト振動検出部を備え、ベルト振動検出用パラメータ記憶部は、開閉動作時の速度波形を特定するために、速度波形における最大加速度もしくは最大減速度となる時間、及び最大加速度もしくは最大減速度の時間におけるドアパネルの位置を振動検出用パラメータとして記憶しており、速度指令生成部は、振動検出用パラメータに基づいて、最大加速度もしくは最大減速度の時間において、ベルト振動を誘因するように、速度指令値を生成し、ベルト振動検出部は、最大加速度もしくは最大減速度の時間を含む区間における実回転速度の振動成分を抽出し、抽出した振動成分が基準値を超えている場合には、ベルトが異常振動していると判断する
この発明によるドア制御方法は、モータによりベルトを駆動することで、出入口に設けられたドアの開閉制御を行うとともに、ドアが開閉動作を行っている間にベルト振動の異常の有無を検出するためのエレベータのドア制御方法であって、正側の最大トルクが発生する最大加速時、または負側の最大トルクが発生する最大減速時において、ベルト振動を誘因するモータの速度波形を発生させるための振動検出用パラメータをベルト振動検出用パラメータ記憶部にあらかじめ記憶させておく記憶ステップと、ドアを開閉する速度指令値を生成する速度指令生成ステップ、モータの実回転速度を算出する速度演算ステップ、速度指令生成ステップから出力された速度指令値と速度演算ステップで算出された実回転速度との偏差に基づいて、モータを制御することで、開閉制御を行う速度制御ステップ、及び速度演算ステップで算出された実回転速度に基づいて、ベルト振動の異常の有無を検出するベルト振動検出ステップを備え、記憶ステップは、開閉動作時の速度波形を特定するために、速度波形における最大加速度もしくは最大減速度となる時間、及び最大加速度もしくは最大減速度の時間におけるドアパネルの位置を、振動検出用パラメータとしてベルト振動検出用パラメータ記憶部に記憶させておき、速度指令生成ステップは、振動検出用パラメータに基づいて、最大加速度もしくは最大減速度の時間において、ベルト振動を誘因するように、速度指令値を生成し、ベルト振動検出ステップは、最大加速度もしくは最大減速度の時間を含む区間における実回転速度の振動成分を抽出し、抽出した振動成分が基準値を超えている場合には、ベルトが異常振動していると判断する。
この発明によるエレベータのドア制御装置によれば、速度指令生成部は、戸開閉動作を行う際に、ベルト振動が発生し易いドアパネル開閉の最大加速(減速)時間におけるベルト振動を診断できる機能を有している。これにより、ドア位置に応じてベルトの長さが変わることに起因するベルト特性変動を考慮した上で、所望のタイミングで、ベルトの異常を診断することができるエレベータのドア制御装置、及びドア制御方法を得ることができる。
本発明の実施の形態1によるかご側のドア装置を示す全体概要図である。 本発明の実施の形態1によるドア制御装置を示す制御ブロック図である。 ベルト振動を誘因するモータ速度の時間変化の一例を示す図である。 ベルト振動を誘因するドア位置の時間変化の一例を示す図である。 ベルト振動を誘因するモータトルクの時間変化の一例を示す図である。 ベルト振動を誘因するベルト張力の時間変化の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1によるドア制御装置の一連動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2によるドア制御装置を示す制御ブロック図である。 ベルト振動を誘因するモータ速度の時間変化の一例を示す図である。 ベルト振動を誘因するドア位置の時間変化の一例を示す図である。 ベルト振動を誘因するモータトルクの時間変化の一例を示す図である。 ベルト振動を誘因するベルト張力の時間変化の一例を示す図である。 ベルト振動を誘因するモータ速度の時間変化の一例を示す図である。 ベルト振動を誘因するドア位置の時間変化の一例を示す図である。 ベルト振動を誘因するモータトルクの時間変化の一例を示す図である。 ベルト振動を誘因するベルト張力の時間変化の一例を示す図である。 本発明の実施の形態3によるドア制御装置を示す制御ブロック図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるかご側のドア装置(ドア駆動装置)を示す全体概要図である。図1に示すように、図示しないかご側の出入口を開閉するドアパネル1A、1Bの上端部には、吊り手2が設けられている。また、出入口の上縁部には、長手が、水平方向(図1の矢印A方向であり、出入口の間口方向)に沿って配置された桁3が設けられている。桁3には、案内レール4の長手が、水平方向に沿って配置されるように設けられている。吊り手2に設けられたハンガーローラ5が、案内レール4に沿って移動することで、吊り手2が水平方向に移動する。これに伴って、ドアパネル1A、1Bが開閉方向に案内される。
桁3にはまた、プーリ6A、6Bが所望の距離互いに離れて、回転自在に設けられている。プーリ6A、6Bには、プーリ6A、6Bのプーリ間に巻き掛けられる無端状のベルト7の形状に応じた溝が加工されている。無端状をなすベルト7は、プーリ6A、6Bのプーリ間に、張った状態で巻き掛けられている。プーリ6A、6Bのプーリ間距離を変更することで、無端状のベルト7の初張力T0を調整することができる。
ベルトには、連結具8A、8Bによりドアパネル1A、1Bが連結されている。連結具8A、8Bは、それぞれ、一端が一方のドアパネル1A、1Bに設けられ、他端はベルト7に設けられている。
ここでのベルト7は、モータ9からの駆動力をドアパネル1A、1Bに伝達可能な伝導ベルトである。ベルト7には、例えば、歯付ベルト、Vベルトがある。
プーリ6A、6Bのどちらか一方(この例では、プーリ6A)は、モータ9と接続されている。モータ9は、ドア制御装置10の指令により動作が制御される。モータ9が、ドア制御装置10により動作されると、対応したプーリ6Aが回転してベルト7が駆動される。そして、両側のドアパネル1A、1Bが連結具8A、8Bによってベルト7に連結されているので、ベルト7の移動によって、ドアパネル1A、1Bが互いに反対方向に動作して出入口を開閉する。
これは両開きタイプのドア装置であるが、連結具8をベルト7の上部もしくは下部のいずれか一方に設けることで、ドアパネル1A、1Bは一方方向のみに動作して、出入口を開閉する片開きタイプとなる。
なお、図1では、エレベータのドア装置を構成しているかご側のドアパネル1A、1Bを図示しているが、実際には、これらのかご側のドアパネル1A、1Bに対応して、乗場側にも同様のドアパネル1A、1Bが設けられている。また、乗場側にも、図1に示したものと同様の、吊り手2、桁3、案内レール4、ハンガーローラ5、プーリ6A、6B、ベルト7、及び連結具8A、8Bが設けられている。但し、乗場側には、モータ9が設けられていない。
乗場側のドアパネル1A、1Bと、かご側のドアパネル1A、1Bとには、図示しない係合装置がそれぞれ設けられている。互いの係合装置が係合することで、かご側に設けられたモータ9による開閉方向への駆動力が乗場側のドアパネル1A、1Bにも伝達する。これにより、モータ9が備え付けられていない乗場側のドアパネル1A、1Bも、かご側のドアパネル1A、1Bの開閉と同時に開閉される。
図2は、本発明の実施の形態1によるドア制御装置10を示す制御ブロック図である。図2に示すように、ドア制御装置10は、速度指令生成部11と、速度制御部12と、電流制御部13と、電流検出器14と、回転検出器15と、速度演算部16と、ローパスフィルタ部17(以下、LPF部17と称す)と、ベルト振動検出部18と、異常発令部19と、機械系パラメータ記憶部20と、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21と、を有している。LPF部17に関しては、図では単にLPFと称している。
速度指令生成部11は、機械系パラメータ記憶部20及びベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶されたパラメータ値に基づいて、ドアパネル1A、1Bの開閉速度指令値V*(以下、速度指令値V*とする)を生成する。速度指令生成部11は、ベルト7の張力(以下、ベルト張力)異常を検出するために、エレベータ全体を制御する図示しないエレベータ制御装置(外部)から所望のタイミングで送られる診断用戸開閉指令を受信した場合には、ベルト張力を点検するための診断用の速度指令値V*(診断用速度指令値)を生成する。
エレベータ制御装置が速度指令生成部11へ診断用戸開閉指令を送る所望のタイミングは、例えば、前回の戸開閉動作確認日からカウントされているカウント値が、予め設定された日時条件を過ぎているか否かで判断されている。
診断用の速度指令値V*を生成するために、速度指令生成部11は、機械系パラメータ記憶部20からドア装置に関する機械系パラメータ値を取得する。また、速度指令生成部11は、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21からベルト振動を誘因するドアパネル1A、1B及びモータ9に関する位置・速度・加速度・時間のパラメータ値(振動検出用パラメータ値)を取得する。機械系パラメータ記憶部20及びベルト振動検出用パラメータ記憶部21については、後述する。
ここで、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21から取得する位置には、ドアパネル1A、1Bの位置(以下、ドア位置と称す)、及びモータ9の回転位置がある。ドア位置とは、ドアパネル1A、1Bの開閉動作時の位置を示している。例えば、全開位置、全閉位置、及び全開位置と全閉位置との間、のように区分けされている。なお、全開位置と全閉位置との間をさらに細分してもよく、その区分け方法については、一定間隔にしてもよく、可変としてもよい。また、間隔の長さについても、適宜、決定すればよい。
また、モータ9の回転位置は、ベルト7の伸び量が設定された所望の値よりも小さく、無視可能なときには、モータ9の回転検出器15による回転検出値の変動量に等しい。一方、モータ9の回転位置は、ベルト7の伸び量が設定された所望の値よりも大きいときには、モータ9のトルクからベルト7の伸び量を推定し、回転検出値に加えることでドア位置を算出すればよい。設定された所望の値とは、ベルト7の長さに対して決定される設計値である。
速度指令生成部11は、例えば、ドアパネル1A、1Bの開閉開始時からの経過時間、または、モータ9の回転位置に基づいて、予め設定された速度パターンに基づく診断用の速度指令値V*、もしくは、診断用の速度指令値V*を逐次生成する。このとき、速度指令生成部11が生成する速度指令値は、必ずしも診断用の速度指令値V*だけではなく、エレベータ利用者を想定した通常用の速度指令値(通常用速度指令値)V*を診断用の速度指令値V*として生成してもよい。
ドアパネル1A、1Bの開閉においては、欧州法規において戸閉時の瞬時エネルギー・平均エネルギーに制限が定められている。これにより、ドアパネル1A、1Bの質量に応じて最高速度、平均速度に制限が定められる。従って、通常用の速度指令値V*及び診断用の速度指令値V*は、この制限を満たすように決定される。
通常用の速度指令値V*と診断用の速度指令値V*とによるドアパネル1A、1Bの開閉において異なる点は、開閉時間にある。通常開閉では、乗客の乗り降りとエレベータのかご昇降による運行効率の観点から、短時間での開閉が求められる。
一方、診断用開閉では必ずしも短時間での開閉は求められない。しかし、図1のドア装置において、モータ9が不連続にトルクを発生させた場合、または、開閉速度を不連続に変動させた場合、ベルト7やドアパネル1A、1Bの動作音が騒音となり、乗客が不在の場合でも昇降路近辺にいる人達の快適性を損なう恐れがある。このため、診断用開閉においても、滑らかに開閉を行うことが重要である。
速度指令生成部11により生成された診断用の速度指令値V*は、速度制御部12に送られる。速度制御部12は、モータ9の実速度Vと診断用の速度指令値V*との速度誤差に基づくフィードバック制御により、電流指令値を補正するものである。これは、実際のドア装置には、ゴミ詰まりなどの走行抵抗、ドアパネル1A、1Bの変形による摩擦ロス、駆動中の物体との接触といった外乱が生じるので、実速度Vとの速度誤差を補正する必要があるからである。
速度制御部12には、速度指令生成部11から出力される診断用の速度指令値V*と、LPF部17から出力されるモータ9の実速度Vとの偏差が入力される。そこで、速度制御部12は、入力された実速度Vと診断用の速度指令値V*との偏差から、設定された一定の時間間隔で、目標とする診断用の速度指令値V*に実速度Vが追従するよう電流指令値を制御する。
速度制御部12は、例えば、下式(1)の伝達関数で示されるフィードバック制御器から構成される。下式(1)のKspは、比例ゲイン、Ksiは、積分ゲイン、sは、ラプラス演算子である。
Figure 0006279072
一般的に、比例ゲインKspは、下式(2A)になるように設計される。また、積分ゲインKsiは、下式(2B)になるように設計される。下式(2A)及び(2B)のJは、モータ9の駆動の負荷に相当するドアパネル1A、1Bのモータ軸換算イナーシャ値、KTは、モータ9のトルク定数、ωCは、目標値に対する出力の誤差補正の性能を指定する制御交差周波数である。
Figure 0006279072
電流制御部13は、速度制御部12から出力される電流指令値と、電流検出器14による検出電流値との偏差に基づいて、モータ9に供給する電流値を制御する。電流制御部13から出力された電流制御値は、PWMインバータ(図示せず)を介してモータ9に入力され、モータ9がそれに応じてドアパネル1A、1Bの開閉を行うための駆動力を発生させる。
回転検出器15は、モータ9に設けられ、モータ9の回転を検出し、モータ9の回転位置を出力する。回転検出器15には、例えば、エンコーダ、レゾルバから構成されたセンサを用いている。なお、モータ9の回転位置の検出は、これに限らず、電流検出器14による検出電流値を用いてモータ9の回転位置もしくは回転速度を推定してもよい。
速度演算部16は、回転検出器15で検出されている回転位置を、予め設定された一定時間毎に取得して、モータ9の回転速度を演算する。速度演算部16で演算された回転速度は、LPF部17及びベルト振動検出部18に送られる。
LPF部17は、速度演算部16から入力された回転速度の高周波領域の振動成分を除外し、速度制御に必要となる低周波数領域を抽出するローパスフィルタ処理を実施する。LPF部17は、フィルタ処理後の回転速度を、モータ9の実速度Vとして出力する。
ベルト振動検出部18は、速度演算部16から入力された回転速度に基づいて、ベルト振動の有無を検出する。ベルト振動検出部18が、速度演算部16からの回転速度を用いる理由は、フィルタ処理前の速度演算部16から出力されたままの生データを用いることで、精度の高い検出を行うためである。但し、これに限らず、LPF部17のカットオフ周波数の設定次第では、ベルト振動を除外しない場合もありうるため、LPF部17の出力をベルト振動検出部18に用いてもよい。
ベルト振動検出部18は、一定以上の周波数領域の振動成分もしくは特定の周波数領域の振動成分を抽出し、抽出した振動成分が、予め設定された基準値を超える場合に、ベルト振動を検出したと判断し、異常発令部19に出力する。一方、抽出した振動成分が予め設定された基準値を超えない場合には、ベルト振動は無いと判断する。
ここで、一定以上の周波数領域及び特定の周波数領域は、ベルト7とプーリ6A、6Bとの噛み合いのずれに起因する場合がある。この場合、一定以上の周波数領域及び特定の周波数領域は、モータ9の回転速度(即ちベルト7の速度)とプーリ6A、6Bの歯間距離とによる単位時間当たりの噛み込み回数から算出することができる。
また、振動成分の基準値は、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶されたパラメータ値から求められるベルト振動の周波数を設定してもよい。ベルト振動が生じる要因としては、例えば、ベルト7に適切な張力が与えられている場合には、ベルト7がプーリ6Aに接触し、接触している箇所の角度はプーリ6Aの180度分に相当し、ベルト7の歯とプーリ6Aの溝がお互いに噛み合うことである。
これに対して、ベルト張力が零の場合には、ベルト7がプーリ6Aに接触している箇所の角度が180度を下回ることにある。従って、ベルト7とプーリ6Aとの噛み合いにズレが生じることでベルト振動が生じることになる。
また、ベルト長さとベルト単位質量とに依存する弦振動が生じる場合や、ベルト7の張力が変動することによるベルト特性の変動と、モータ9のイナーシャパラメータと、に起因する振動が生じる場合がある。この場合、一定以上の周波数領域及び特定の周波数領域は、ドアパネル1A、1Bの位置とプーリ6A、6B間の距離とから求められるベルト7の長さ、ベルト7の素材に基づく剛性パラメータ、モータ9のイナーシャパラメータ、及びプーリ6A、6Bのイナーシャパラメータから算出することができる。
なお、上述のプーリ6A、6Bの歯間距離、モータ9のイナーシャパラメータ、及びプーリ6A、6Bのイナーシャパラメータは、開閉時に変動するものではない定数のため、算出式の係数でよい。また、上述のプーリ6A、6Bの歯間距離、モータ9のイナーシャパラメータ、及びプーリ6A、6Bのイナーシャパラメータが、ドアの種類に応じて変更されるパラメータである場合には、予め機械系パラメータ記憶部20、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶してもよい。
また、振動成分の基準値は、振動が発生したと認識される時間領域内の最も早い時間における振動値とすることが望ましい。ここで、振動成分の基準値をノイズ成分のレベルに近い値に設定した場合、誤検出する恐れがある。そこで、振動成分の誤検出を回避するために基準値をノイズ成分よりも高く設定する場合、振動が発生したと認識する時間領域内において認識に時間遅れが生じることがある。このとき、認識の時間遅れ分を予測して振動発生開始タイミングを予測してもよい。
異常発令部19は、ベルト振動検出部18からベルト振動を検出した情報(ベルト異常振動情報)を受け取ると、外部(例えば、管理会社)に異常信号を発令する。異常信号は、ドア制御装置10から外部機器へと出力されることで、保守員による点検が必要な情報、遠距離で行われる遠隔保守のための異常情報として用いてもよい。
機械系パラメータ記憶部20は、ドア制御装置10に必要なドア装置に関する機械的な設計値、または、測定値を記憶している。例えば、機械系パラメータ記憶部20には、プーリ6A、6B間距離のベルト7の長さL、もしくはドアパネル1A、1Bの質量Mが記憶されており、速度指令生成部11及びベルト振動検出部18は、これらのパラメータ値を読み出すことができる。プーリ6A、6B間距離のベルト7の長さLとしては、出入口幅に基づいて予め設定されている値、または、予め推測された値が、機械系パラメータ記憶部20に記憶されている。また、ドアパネル1A、1Bの質量Mとしては、ドアパネル1A、1Bの負荷が階床毎にモータ9の負荷に影響を及ぼす機器質量、即ち、ドアパネル1A、1Bの各質量もしくは総質量が、機械系パラメータ記憶部20に記憶されている。
また、エレベータでは、各階毎に乗場側のドアパネル1A、1Bの質量が異なる。これに対応するために、かご側のドアパネル1A、1B及び乗場側のドアパネル1A、1B両方の質量、ドアパネル1A、1Bに取り付けられる各種センサの質量、さらに減速機やプーリ6A、6Bの回転系を含めたドア機器の質量を各階毎に記憶してもよい。
これらの質量パラメータは、総質量を同定する手段により得られた同定値、もしくは、エレベータのドア装置の機器寸法に基づいて予め設定された初期値であってもよい。
ベルト振動検出用パラメータ記憶部21は、図3A〜Dに示されている診断用戸開動作においてベルト振動を誘因する速度波形を記憶している。図3Aは、ベルト振動を誘因するモータ速度の時間変化の一例を示す図である。また、図3Bは、ベルト振動を誘因するドア位置の時間変化の一例を示す図である。さらに、図3Cは、ベルト振動を誘因するモータトルクの時間変化の一例を示す図である。また、図3Dは、ベルト振動を誘因するベルト張力の時間変化の一例を示す図である。
診断用戸開動作時において、速度指令生成部11は、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21から、図3A〜Dの波形から、ドアパネル1A、1Bの開閉開始から時間t0後のドア位置Lb、最大加速時間t1op、時間t1opのドア位置L1、及び時間t1opにおける加速度の大きさもしくはモータ速度V1を読み込む。なお、時間t1opではなく、最大減速時間t2op、時間t2opのドア位置L2、及び時間t2opにおける減速度の大きさもしくはモータ速度V2を、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶させておいてもよい。すなわち、速度指令生成部11は、最大加速時もしくは最大減速時において、ベルト振動を誘因する速度波形を発生させるための振動検出用パラメータを記憶している。
加速度もしくは減速度が最大となることは、モータトルクτ1もしくはτ2が正側もしくは負側に最大値となることを意味する。従って、機械系パラメータ記憶部20にドアの質量、機械的な戸閉力が記憶されていれば、モータトルクτの大きさτ1もしくはτ2を指定してもよい。
図3A〜Dのベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶されているベルト振動を誘因する速度波形について詳しく説明する。
図3A〜Cにおいて、ドアパネル1A、1Bの診断用戸開動作は、時間tbまでに初期位置から距離Lbのドア位置に移動し、その後、時間t0から、戸開方向に加速し、時間t1opにおいて最大の加速度となるように生成されている。時間tbから時間t0までは速度指令値V*が零であり、ドア位置Lbにおいて停止している状態である。これは、ドアパネル1A、1Bの開閉動作の診断のためのものである。
時間tbまでに初期位置から距離Lbのドア位置に移動し、時間t0までドア位置Lbにおいて停止することには、以下の意味がある。一般的に、エレベータの戸開動作において、先の図1のかご側のドアパネル1A、1Bは、図示されていない乗場側のドアパネル1A、1Bと係合することで一体化する。これにより、かご側のドアパネル1A、1Bと乗場側のドアパネル1A、1Bとの間には、一定のギャップ(隙間)が設定されている。
このため、かご着床時に戸開動作した直後は、かご側のドアパネル1A、1Bのみが戸開し、その後、乗場側のドアパネル1A、1Bが係合されて、かご側及び乗場側のドアパネル1A、1B共に開閉する構造である。このとき、かご側及び乗場側のドアパネル1A、1Bが係合された衝撃で、モータトルクτやモータ速度が変動する場合がある。この変動量は、速度制御部12のゲインの大きさ、かご側のドアパネル1A、1Bの速度、かご側もしくは乗場側のドアパネル1A、1Bの質量に依存する。
図3A〜Cでは、ドア位置Laにおいてかご側及び乗場側のドアパネル1A、1Bが連結し、時間taの速度指令V0に対して、時間taと時間tbとの間で実速度Vが低下し、モータトルクτにも振動が生じている現象を示している。
また、ドアパネル1A、1Bの全閉付近には、停電時にかご内の乗客がドアをこじあけられないように、機械的な戸閉力が作用する場合がある。この戸閉力の大きさは、ドア位置に応じて変動する。逆に、ドアパネル1A、1B全開付近では、戸開保持力を発生する目的で、機械的な戸開力が作用する場合がある。これらは、モータトルクτに影響を与える。
これらの影響を除外できるドア位置Lb(≧La)まで移動した上で、滑らかに加速・減速を行い、時間t1opにおけるドア位置L1において、最大加速を行い最大のトルクτ1を発生させベルト振動を発生させている。
図3C〜Dにおいて、モータ9のプーリ6Aと連結具8Aとの間のベルト張力をT1、モータ9のプーリ6Aと連結具8Bとの間のベルト張力をT2としたときの、各ベルト張力の変動が示されている。このとき、モータトルクτは、ベルト張力T1とベルト張力T2との差に等しい。時間t1opにおいて、モータトルクτが正側に最大であるとき、ベルト初張力T0に対するベルト張力T1の変動量により、ベルト張力が零になる。このとき、ベルト7とプーリ6Aとの噛み合いのずれ、もしくはベルト特性の変動により、モータ9の実速度Vには、ベルト振動が生じる。
ベルト振動は、ベルト張力が零ではなく、その近傍になったときにも生じる。この結果、モータ9の実速度Vには、噛み合いのずれが振動の要因の場合、モータ速度とプーリの歯間距離とに依存する周波数のベルト振動が生じることになる。例えば、連結具8Aのみであり、連結具8Bが無い場合には、モータトルクτによるドア駆動力Fに対して、ベルト張力T1は、下式(3)で示される。
Figure 0006279072
上式(3)のXは、プーリ6Aと連結具8Aとの間のベルト長さ(ドア位置から推測可)、Lは、プーリ6Aとプーリ6Bとの間のプーリ間距離である。ベルト長さXが、機械系パラメータ記憶部20に記憶されていれば、距離Lは固定値である。これにより、ベルト初張力T0に対して十分に大きいトルクτを与えることで、ベルト張力T1もしくはベルト張力T2において張力が零となる状況をつくることができる。
このとき、モータトルクτの大きさは必ずしも指定される必要はなく、一連の開閉動作において最大の大きさをもつものであればよい。
このような速度波形の診断用戸開閉動作において、ベルト振動を検出しなければ、十分な初張力T0が保たれていると判断することができる。
また、ドア装置の特徴として、モータ9と連結具8A、8Bとの間の各ベルト長さが変動することが挙げられる。張力T1は、下式(4)として示される。下式(4)のK(L)は、ベルト7の長さによるベルト剛性、dは、ベルト伸び量である。
Figure 0006279072
従って、ベルト長さパラメータを考慮することで剛性変動に対応することができる。無端状のベルト7が、同一の素材で形成されている場合には、各ベルト間の長さのみを考慮すればよい。また、無端状のベルト7の素材が異なる場合には、ベルト長さと素材毎の剛性値が必要となる。
ベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶されている時間t1opにおいて、モータトルクτ1は、モータトルクτの正の最大値であり、ドアパネル1A、1Bの質量が一定であれば最大加速度と言い換えることができる。一方、負の最大値ならば、最大減速度となる。モータトルクτ1によるドア駆動力F1に対して、エレベータに上記の機械的な戸開閉力が作用する場合は、両者は必ずしも一致しない。
図3A〜Dの戸開動作においては、かご側のドアパネル1A、1Bの機械的な戸開閉力が全閉間際のドア位置0付近(<Lb)に作用する場合に、その影響を除外するものである。従って、モータトルクτ1に対して、ドア質量Mが機械系パラメータ記憶部20に記憶されていれば、下式(5)からドア加速度aを算出することができる。
Figure 0006279072
なお、時間tbと時間t0の間においてはドアが停止している。このとき、実速度Vとモータトルクτの大きさとから、かご側のドアパネル1A、1Bと乗場側のドアパネル1A、1Bとの連結は完了しているか否か、さらには機械的な戸開力が作用しているか否かを判別することができる。
一般的に、かごが着床していない状態では、乗場側のドアパネル1A、1Bを確実に全閉状態にする必要がある。このため、万が一、乗場側のドアパネル1A、1Bが開いてもクローザ(例えば、錘)により機械的戸閉力が作用するよう設計されている。
時間tbと時間t0との間における停止時において、速度指令値V*が零に対応した速度制御がなされていれば、停止状態を維持するために、速度制御部12は、機械系の力に対抗するモータトルクτを発生させる必要がある。モータトルクτは、クローザによる機械的戸閉力に等しいモータトルクτのみ発生していればよい。これにより、かご側のドアパネル1A、1Bと乗場側のドアパネル1A、1Bとが連結完了していると判断できる。
一方で、クローザによる機械的戸閉力に等しいモータトルクτでなければ、かご側のドアパネル1A、1Bと乗場側のドアパネル1A、1Bの連結が未完了もしくは、完了していてもかご側のドアパネル1A、1Bの機械的戸閉力の影響が大きいと判断できる。これにより、ドア位置Lbに相当する停止状態のドア位置を変更すれば良い。
時間0においてドアが全閉状態であれば、ドア位置Lb分の戸開位置からスタートすることで、上記の影響は除外できることになる。これにより、全閉状態でない場合でも少なくともLb分の戸開動作を行うことで、確実に影響を除外できる。これらは戸開のみならず戸閉動作においても同様である。
このように動作することで、戸開もしくは戸閉の動作を行う領域において、ベルト張力の異常を検出することができる。
また、ドア制御装置10が診断用戸開閉指令を受信したとき(ドア制御装置10の電源がONになったとき、)ドアパネル1A、1Bは必ずしも全閉もしくは全開ではないことが考えられる。また、通常よりも低速で戸開閉し、かご側のドアパネル1A、1Bと乗場側のドアパネル1A、1Bとの係合時の衝突音だけでなく、戸当たり音を低減することが考えられる。また、電源ON時に、何らかの位置情報がある場合でも、ドアパネル1A、1Bの開閉領域の距離情報が不明な場合には同様の低速で戸開閉することが考えられる。
このとき、上記ベルト張力T1、T2が作用するベルト7の固有振動数であるn/(2n)×sqrt(T/ρ)を発生させモータ9の実速度Vとして検出することができれば、ベルト振動を検出し、ベルト長さからドア位置を逆に推定することもできる。ここでの、nは、振動の次数、Lは、ベルト長さ、Tは、ベルト張力、ρは、ベルト7の線密度である。
次に、本発明のドア制御装置1を用いてベルト張力異常を検出する一連の動作について説明する。図4は、本発明の実施の形態1によるドア制御装置の一連動作を示すフローチャートである。図4に示すように、先ず、エレベータ全体を制御するエレベータ制御装置(図示せず)は、戸開閉動作を行うタイミングを判断して速度指令生成部11へ戸開閉指令を送る(ステップS101)。
戸開閉指令を受けた速度指令生成部11は、機械系パラメータ記憶部20からドアパネル1A、1Bに関するパラメータ値を取得し、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21からベルト振動を誘因するドア位置・速度・加速度・時間のパラメータ値を取得する(ステップS102)。速度指令生成部11は、取得したパラメータ値から戸開閉動作を確認するための速度指令値V*を生成し、速度制御部12に送る(ステップS103)。
速度制御部12は、速度指令生成部11から受け取った速度指令値V*と、LPF部17でローパスフィルタ処理されたモータ9の実速度Vとの速度誤差に基づいて、電流指令値を補正し、電流制御部13へ送る(ステップS104)。
電流制御部13は、電流検出器14による検出電流値を帰還して、モータ9に供給される電流値を制御してモータ9に送る(ステップS105)。モータ9は、入力された電流指令値に基づいて、ドアパネル1A、1Bの開閉を行うための駆動力を発生させる。これにより、ドアパネル1A、1Bが開閉動作を行う。
このとき、速度演算部16は、回転検出器15により検出されているモータ9の回転位置を一定時間ごとに取得し、モータ9の回転速度を演算する。速度演算部16は、演算した回転速度の情報を、LPF部17及びベルト振動検出部18に送る(ステップS106)。
ベルト振動検出部18は、速度演算部16から入力された回転速度に基づいて、ベルト振動の有無を検出する(ステップS107)。ベルト振動検出部18は、ベルト7の異常振動があると判断すると、異常発令部19にベルト異常振動情報を送る。異常発令部19は、異常振動情報を受け取ると、外部に異常信号を発令する(ステップS108)。
以上のように、実施の形態1によれば、ドア制御装置の速度指令生成部は、診断用戸開閉動作を行う際の速度指令値を生成するとき、ベルト振動検出用パラメータ記憶部からドアパネル開閉の最大加速(減速)時間、最大加速(減速)時間におけるドア位置、及び最大加速(減速)時間における加速度(減速度)を取得している。このときのベルト振動検出用パラメータ記憶部に記憶されている情報は、戸開閉動作においてベルト振動を誘因する速度波形を生成するためのデータに相当する。このような構成を備えることで、ドア制御装置は、ベルト振動が発生し易いドアパネル開閉の最大加速(減速)時間におけるベルト振動を診断することができる。
また、通常戸開閉動作において予めドアパネル開閉の最大加速(減速)時間、最大加速(減速)時間におけるドア位置、及び最大加速(減速)時間における加速度(減速度)を定めて速度指令値が生成されている場合、通常戸開閉動作は、診断用戸開閉動作を兼ねることができる。このとき、ベルト振動検出用パラメータ記憶部に上記のパラメータを変数ではなく、定数として記憶してもよい。ベルト振動検出部は、少なくとも最大加速度もしくは最大減速度の時間を含む区間における実回転速度の振動成分を抽出し速度演算部から入力された回転速度に基づいて、ベルト振動の有無を検出する。
また、速度指令生成部は、エレベータ全体を制御するエレベータ制御装置から送られてくる所望のタイミングで速度指令値を生成するので、通常開閉時ではなく、所望のタイミングでベルト振動の異常を診断することができる。即ち、ドア制御装置は、診断用戸開動作におけるかご側及び乗場側のドアパネルが連結する際の実速度が速度指令値に対して低下し、モータトルクに振動が生じる外乱、及びドアの全開/全閉付近で生じる機械的な戸開閉力の外乱の影響を除外したタイミングで、ベルト振動の検出ができる。
この結果、ドア制御装置は、ドア位置に応じてベルトの長さが変わることに起因するベルト特性変動を考慮した上で、所望のタイミングでベルトの異常を診断することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、ドア制御装置10が、先の実施の形態1の構成に加えて、ドアパネル1A、1Bが全閉もしくは全開位置であることを把握可能な全開/全閉位置センサ30を有している例について説明する。
図5は、本発明の実施の形態2によるドア制御装置10を示す制御ブロック図である。図5に示すように、速度指令生成部11には、全開/全閉位置センサ30が接続されている。速度指令生成部11は、エレベータ制御装置から診断用戸開閉指令を受信すると、機械系パラメータ記憶部20、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21、及び全開/全閉位置センサ30から情報を取得する。
全開/全閉位置センサ30は、ドア位置が、全閉もしくは全開状態の位置であるか否かを検出している。速度指令生成部11は、エレベータ制御装置から通常もしくは診断用戸開閉指令を受信したタイミングで、全開/全閉位置センサ30からドアパネル1A、1Bの診断開始の初期位置が全開もしくは全閉であるかを取得する。このとき、ドアパネル1A、1Bの初期位置が全閉/全閉位置でない場合、ドア制御装置10は、先の実施の形態1に従い、診断用の速度指令値V*に基づきベルト7の異常検出を行う。
一方、ドアパネル1A、1Bの初期位置が全閉もしくは全開である場合、ドア制御装置10は、ドアパネル1A、1Bを通常用の速度指令値V*による戸開もしくは戸閉動作をさせて、ベルト7の異常検出を行うことができる。
通常の開閉動作において診断を行うためには、かご側のドアパネル1A、1Bと乗場側のドアパネル1A、1Bの係合時の衝撃といった外乱に対して、実速度Vやトルクに振動が生じないように速度制御部12におけるゲインを調整することが望ましい。
例えば、噛み合わせのずれによるベルト7の振動は、ベルト張力が零近傍となることで生じるので、ベルト張力が零となり、その状態でさらに大きな駆動力を発生させることで生じる歯飛びで開閉不良となる前に検出することができる。
本実施の形態2では、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21は、図6A〜Dに示されている通常戸開動作においてベルト振動を誘因する速度波形も記憶している。ここで、通常戸開とは、戸開開始直後から所望の時間t3opで全開し、その間は停止することなく常に滑らかな速度で戸開することを意味している。
図6Aは、ベルト振動を誘因するモータ速度の時間変化の一例を示す図である。また、図6Bは、ベルト振動を誘因するドア位置の時間変化の一例を示す図である。さらに、図6Cは、ベルト振動を誘因するモータトルクの時間変化の一例を示す図である。また、図6Dは、ベルト振動を誘因するベルト張力の時間変化の一例を示す図である。
通常戸開動作時において、速度指令生成部11は、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21から、図6A〜Dの波形として示されているように、戸開開始から最大加速時間t1op、時間t1op後のドア位置L1、時間t1opにおける加速度の大きさもしくはモータ速度V1を読み取る。なお、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21は、時間t1opではなく、最大減速時間t2op、時間t2opのドア位置L2と、時間t2opにおける減速度の大きさもしくはモータ速度V2を記憶しておいてもよい。
また、全閉からの戸開開始直後は、かご側のドアパネル1A、1Bが、乗場側のドアパネル1A、1Bを把持する際の衝撃を抑制するため、低速速度指令V0となる。しかし、通常の戸開動作では速やかに加速することが求められ、全開までの時間t3opは短縮することが望ましい。
ベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶されている時間t1opにおいて、モータトルクτ1は、モータトルクτの正の最大値であり、最大加速度と言い換えることができる。一方、負の最大値ならば、最大減速度となる。モータトルクτ1によるドア駆動力F1に対して、エレベータに機械的な戸開閉力が作用する場合、両者は必ずしも一致しない。しかし、位置に応じた機械的な戸開閉力F0が機械系パラメータ記憶部20に記憶されていれば、下式(6)からドア駆動力F1を換算することができる。下式(6)のMは、ドア質量、aは、ドア加速度である。
Figure 0006279072
このとき、かご側のドアパネル1A、1Bのみならず、乗場側のドアパネル1A、1Bにも機械的な戸開力が作用するような場合には、このような戸開力も戸開閉力F0に含まれる。
図6A〜Dでは、モータトルクτが最大となる時間t1opとドア位置L1とを指定することでベルト7の異常を検出し易くすることができる。また、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶させるモータトルクτ1を恣意的に与えることで、張力T1の変動量を算出し、ベルト7の初張力T0を推定することができる。
さらに、モータトルクτの実値が、機械系戸開力F0の誤差、走行ロスといった外乱により、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶させたモータトルクτ1の値と異なる場合がある。この場合は、ベルト振動検出時点t1opのモータトルクτの実値を用いても良い。
また、本実施の形態2のベルト振動検出用パラメータ記憶部21は、図7A〜Dに示されている通常戸閉動作においてベルト振動を誘因する速度波形も記憶している。ここで、通常戸閉とは、戸閉開始直後から所望の時間t3clで全閉し、その間は停止することなく常に滑らかな速度で戸閉することを意味している。
図7Aは、ベルト振動を誘因するモータ速度の時間変化の一例を示す図である。また、図7Bは、ベルト振動を誘因するドア位置の時間変化の一例を示す図である。さらに、図7Cは、ベルト振動を誘因するモータトルクの時間変化の一例を示す図である。また、図7Dは、ベルト振動を誘因するベルト張力の時間変化の一例を示す図である。
ベルト振動検出用パラメータ記憶部21は、図7A〜Dにおける戸開開始から最大加速時間t1cl、時間t1cl後のドア位置L1、及び時間t1clモータトルクτ1もしくはモータ速度V1を記憶している。なお、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21は、時間t1clではなく、最大減速時間t2cl、時間t2clのドア位置L2と、モータトルクτ2もしくはモータ速度V2を記憶しておいてもよい。
また、全開からの戸閉開始直後は、かご側のドアパネル1A、1Bと乗場側のドアパネル1A、1Bとは、既に一体化している状態のため、通常の戸閉動作では速やかに加速することが求められ、全閉までの時間t3clは短縮することが望ましい。
ベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶されている時間t1clにおいて、モータトルクτ2は、モータトルクτの正の最大値であり、最大加速度と言い換えることができる。一方、負の最大値ならば、最小加速度となる。モータトルクτ2によるドア駆動力F2に対して、エレベータに上述の機械的な戸開閉力が作用する場合は、両者は必ずしも一致しない。しかし、位置に応じた機械的な戸開閉力F0が機械系パラメータ記憶部20に記憶されていれば、下式(7)から換算することができる。式(7)のMは、ドア質量、aは、ドア加速度である。
Figure 0006279072
このとき、かご側のドアパネル1A、1Bのみならず、乗場側のドアパネル1A、1Bにも機械的な戸開力が作用するような場合には、このような戸開力も戸開閉力F0に含まれる。
図7A〜Dでは、モータトルクτが最大となる時間t2clとドア位置L2を指定することでベルト7の異常を検出することができる。また、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶させるモータトルクτ1を恣意的に与えることで、張力T1の変動量を算出し、ベルト7の初張力T0を推定することができる。
さらに、モータトルクτの実値が、機械系戸開力F0の誤差、走行ロスといった外乱により、ベルト振動検出用パラメータ記憶部21に記憶させたモータトルクτ1の値と異なる場合がある。この場合は、ベルト振動検出時点t2clのモータトルクτの実値を用いても良い。
異常発令部19は、戸開動作または戸閉動作のいずれか一方の動作をさせた際にベルト振動を検出したことで、外部に異常信号を発令する。なお、ベルト振動は、モータ9の電気信号の信号線におけるノイズや制御基板の回路異常により誤検出される可能性がある。そこで、異常発令部19は、このような誤検出を防止するために、戸開動作および戸閉動作の両方でベルト振動を検出した場合に、ベルト張力に異常があると判断して、異常信号を外部に発令するようにしてもよい。また、異常発令部19は、戸開動作および戸閉動作のいずれか一方でしかベルト振動が検出されなかった場合には、制御基板の回路異常の可能性があることを外部に発令することも可能である。その他の構成は、先の実施の形態1と同様である。また、ベルト張力異常を検出する一連の動作についても、戸開動作または戸閉動作の両方について、先の実施の形態1と同様に行われる。
以上のように、実施の形態2によれば、速度指令生成部には、全開/全閉位置センサが接続されている。このような構成を備えることで、ベルト異常診断開始時に、全開/全閉位置センサが、ドアパネルが全開位置または全閉位置にあると検出したとき、通常用の速度指令値でベルト張力の異常の検出を行うことができる。この結果、乗客が利用している時間帯であっても、乗客の快適性を損なうことなく、ベルト張力の異常を診断することができる。
また、実施の形態2によれば、ベルト振動検出用パラメータ記憶部は、通常戸開動作及び通常戸閉動作においてベルト振動を誘因する速度波形を記憶している。このような構成を備えることで、戸開動作及び戸閉動作の両方の診断を行うことができる。また、異常発令部は、戸開動作及び戸閉動作の両方から受け取った診断に基づいてベルト張力の異常を判断することで、誤検出を防止することができる。また、定期的な保守点検による負荷の軽減を図ることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、ドア制御装置10が、先の実施の形態1の構成に加えて、ベルト張力の異常の検出タイミングで、ベルト張力を計測することができるベルト張力測定部40を有している例について説明する。
図8は、本発明の実施の形態3によるドア制御装置10を示す制御ブロック図である。図8に示すように、ベルト振動検出部18は、ベルト張力の異常の検出タイミングで、ベルト張力測定タイミング情報をベルト張力測定部40に送る。
ベルト張力測定部40は、ベルト振動検出部18からベルト張力測定タイミング情報を受け取った時刻(即ち、時間t1op)において、電流指令値であるモータトルクτを速度制御部12の出力として取得することで、ベルト張力を測定する。
ベルト張力測定方法としては、例えば、連結具8Aのみであり連結具8Bが無い場合、先の図3、5、6に示されるように、モータトルクτによるドア駆動力Fに対して、ベルト張力T1を、下式(8)で求めることができる。下式(8)のXは、プーリ6Aと連結具8Aとの間のベルト長さ(ドア位置から推測可)、Lは、プーリ6Aとプーリ6Bとの間のプーリ間距離である。
Figure 0006279072
ベルト張力測定部40は、測定したベルト張力T1をベルト振動検出部18に返送する。
ベルト張力異常が検出された時点の張力T1は、ベルト初張力T0となる。ベルト初張力T0が低い場合には、モータトルクτの大きさと上式(8)のプーリ6Aと連結具8Aとの間のベルト長さXからベルト張力T1もしくはT2が零になる。これに従い、ベルト振動検出部18は、ベルト張力の異常を検出したタイミングにおける、ベルト張力測定部40で測定されたベルト張力T1からも、ベルト振動異常であるか否かを検出する。
ベルト振動検出部18は、ベルト張力測定部40が測定したベルト張力T1からもベルト振動異常を検出した場合、異常発令部19を介して、ベルト振動異常が発生している異常信号を外部に発令する。このようにして、ベルト振動検出部18は、ベルト張力測定部40の測定値も加味してベルト張力の異常を判断することで、誤検出を防止することができる。その他の構成は、先の実施の形態1と同様である。
なお、診断用戸開閉時において、ベルト初張力T0の適切な調整値に対して、ベルト振動異常を検出したい値を設定すれば、ベルト張力検出用パラメータ記憶部21のモータトルクτ1、ドア位置L1を決定することができる。
また、時間t1opにおける加速度の大きさをベルト振動検出用パラメータ記憶部21から、速度指令生成部11が読み出す場合、ベルト振動を誘因する時間t1opにおけるモータ9の回転速度が予め決められることになる。このため、速度指令生成部11は、時間t1opにおけるモータ速度、プーリの歯間距離、ベルト固有振動数からベルト振動の検出すべき特定の周波数領域をベルト振動検出部18に出力し、ベルト振動検出部18は、入力された周波数領域におけるベルト振動の検出を行ってもよい。
また、連結具8Aと連結具8Bとが共にある場合、連結具8Aと連結具8Bのそれぞれに連結するドア質量Mもしくは、その質量比率が予め同定することができれば同様の計測を行うことができる。さらに、連結具が複数(2つ以上)有る場合には、基本的にそれぞれのベルト長さ、ドア質量もしくはその比率から測定を行うことができる。
以上のように、実施の形態3によれば、ベルト振動検出部は、ベルト張力の異常を検出したタイミングでのベルト張力を、ベルト張力測定部から取得し、ベルト張力の測定結果も考慮した上で、ベルト張力異常であるか否かを検出する。このような構成を備えることで、モータの電気信号の信号線におけるノイズや制御基板の回路異常による誤検出を防止できる。この結果、ベルト張力異常の検出精度を向上させることができると共に、作業員による無駄な点検を行う手間を省くことができる。
なお、本実施の形態3の構成を、先の実施の形態2の構成に適用してもよい。
また、各上記の実施の形態では、エレベータのドア装置として本発明の実施の形態を説明したが、これに限らず、図1に示すような、駆動対象がベルト7に取り付けられた装置、例えば、自動ドアに用いても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

Claims (5)

  1. モータによりベルトを駆動することで、出入口に設けられたドアの開閉制御を行うとともに、上記ドアが開閉動作を行っている間にベルト振動の異常の有無を検出する機能を有するエレベータのドア制御装置であって、
    正側の最大トルクが発生する最大加速時、または負側の最大トルクが発生する最大減速時において、上記ベルト振動を誘因するモータの速度波形を発生させるための振動検出用パラメータを記憶しているベルト振動検出用パラメータ記憶部、
    上記ドアを開閉する速度指令値を生成する速度指令生成部、
    上記モータの実回転速度を算出する速度演算部、
    上記速度指令生成部から出力された上記速度指令値と上記速度演算部で算出された上記実回転速度との偏差に基づいて、上記モータを制御することで、上記開閉制御を行う速度制御部、及び
    上記速度演算部で算出された上記実回転速度に基づいて、ベルト振動の異常の有無を検出するベルト振動検出部
    を備え、
    上記ベルト振動検出用パラメータ記憶部は、上記開閉動作時の上記速度波形を特定するために、上記速度波形における最大加速度もしくは最大減速度となる時間、及び上記最大加速度もしくは上記最大減速度の時間におけるドアパネルの位置を上記振動検出用パラメータとして記憶しており、
    上記速度指令生成部は、上記振動検出用パラメータに基づいて、上記最大加速度もしくは上記最大減速度の時間において、上記ベルト振動を誘因するように、上記速度指令値を生成し、
    上記ベルト振動検出部は、上記最大加速度もしくは上記最大減速度の時間を含む区間における上記実回転速度の振動成分を抽出し、抽出した振動成分が基準値を超えている場合には、上記ベルトが異常振動していると判断する
    エレベータのドア制御装置。
  2. 上記速度指令生成部に接続され、ドア位置が全開または全閉であるか否かを検出する全開/全閉位置センサ
    をさらに備え、
    上記速度指令生成部は、上記全開/全閉位置センサから上記ドア位置が全開または全閉である情報を受け取っていた場合には、上記速度波形として全開位置から全閉位置、あるいは全閉位置から全開位置まで上記ドア位置を移動させるようにして、上記速度指令値を生成する
    請求項1に記載のエレベータのドア制御装置。
  3. 上記ベルト振動検出部が上記ベルトが異常振動していることを判断するタイミングにおける、上記速度制御部からの出力に基づいてベルト張力値を検出するベルト張力測定部
    をさらに備え、
    上記ベルト振動検出部は、上記ベルト張力測定部で検出された上記ベルト張力値が許容範囲を逸脱しており、かつ、上記実回転速度に基づいて上記ベルトが異常振動していると判断した場合には、最終的に、上記ベルトが異常振動していると判断する
    請求項1または請求項2に記載のエレベータのドア制御装置。
  4. モータによりベルトを駆動することで、出入口に設けられたドアの開閉制御を行うとともに、上記ドアが開閉動作を行っている間にベルト振動の異常の有無を検出する機能を有するエレベータのドア制御装置であって、
    上記ドアを開閉する速度指令値を生成する速度指令生成部、
    上記モータの実回転速度を算出する速度演算部、
    上記速度指令生成部から出力された上記速度指令値と上記速度演算部で算出された上記実回転速度との偏差に基づいて、上記モータを制御することで、上記開閉制御を行う速度制御部、及び
    上記速度演算部で算出された上記実回転速度に基づいて、ベルト振動の異常の有無を検出するベルト振動検出部
    を備え、
    上記ベルト振動検出部は、最大加速度もしくは最大減速度の時間を含む区間における上記実回転速度の振動成分を抽出し、抽出した振動成分が基準値を超えている場合には、上記ベルトが異常振動していると判断し、
    上記ベルト振動検出部が上記ベルトが異常振動していることを判断するタイミングにおける、上記速度制御部からの出力に基づいてベルト張力値を検出するベルト張力測定部
    をさらに備え、
    上記ベルト振動検出部は、上記ベルト張力測定部で検出された上記ベルト張力値が許容範囲を逸脱しており、かつ、上記実回転速度に基づいて上記ベルトが異常振動していると判断した場合には、最終的に、上記ベルトが異常振動していると判断する
    エレベータのドア制御装置。
  5. モータによりベルトを駆動することで、出入口に設けられたドアの開閉制御を行うとともに、上記ドアが開閉動作を行っている間にベルト振動の異常の有無を検出するためのエレベータのドア制御装置で実行されるドア制御方法であって、
    正側の最大トルクが発生する最大加速時、または負側の最大トルクが発生する最大減速時において、上記ベルト振動を誘因するモータの速度波形を発生させるための振動検出用パラメータをベルト振動検出用パラメータ記憶部にあらかじめ記憶させておく記憶ステップと、
    上記ドアを開閉する速度指令値を生成する速度指令生成ステップ、
    上記モータの実回転速度を算出する速度演算ステップ、
    上記速度指令生成ステップから出力された上記速度指令値と上記速度演算ステップで算出された上記実回転速度との偏差に基づいて、上記モータを制御することで、上記開閉制御を行う速度制御ステップ、及び
    上記速度演算ステップで算出された上記実回転速度に基づいて、ベルト振動の異常の有無を検出するベルト振動検出ステップ
    を備え、
    上記記憶ステップは、上記開閉動作時の上記速度波形を特定するために、上記速度波形における最大加速度もしくは最大減速度となる時間、及び上記最大加速度もしくは上記最大減速度の時間におけるドアパネルの位置を、上記振動検出用パラメータとして上記ベルト振動検出用パラメータ記憶部に記憶させておき、
    上記速度指令生成ステップは、上記振動検出用パラメータに基づいて、上記最大加速度もしくは上記最大減速度の時間において、上記ベルト振動を誘因するように、上記速度指令値を生成し、
    上記ベルト振動検出ステップは、上記最大加速度もしくは上記最大減速度の時間を含む区間における上記実回転速度の振動成分を抽出し、抽出した振動成分が基準値を超えている場合には、上記ベルトが異常振動していると判断する
    ドア制御方法。
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