JP6278738B2 - 塩溶液の処理方法及び設備 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、塩水といった、塩が溶解した塩溶液を電気的に処理する処理方法及び処理設備に関する。
近年、カチオン交換膜側を正極と、アニオン交換膜側を負極とすることにより、廃水中のイオンをそれぞれの極の吸着材に吸着させ脱塩処理を行う技術が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の技術は、本明細書の図3に模式的に示すように、脱塩対象の塩溶液(図中、「対象処理液」と記載)が流れる処理路30に、カチオン交換膜31a及びアニオン交換膜31bを介して吸着材の充填部32を設け、正極及び負極に電荷を印加することで、塩の分解により生成している負イオン及び正イオンを、所定部位32に充填されている吸着材33に吸着させて、処理対象の塩溶液から脱塩する技術と言える。この脱塩技術では、吸着材33がイオンで飽和した場合、図3(b)に示すように、電極の極性を逆にすることにより吸着材33に吸着したイオンを脱離させ再生する。
従って、図3(a)で示す運転状態では、処理路30より塩濃度が低下した塩希溶液(図中、「脱塩液」と記載)を得ることができる。図3(b)の状態で、同一の塩溶液を流した場合、塩濃度が上昇した塩濃溶液(図中、「濃縮液」と記載)を得ることとなる。
特許文献1に示す技術を採用することにより、高圧仕様ポンプやポンプ動力などの電気代が不要となり、RO膜処理と比べコストダウンが期待できる。
特許第4135802号公報
しかしながら、特許文献1においては、技術の作動原理上、吸着材へのイオンの吸着、脱離を基本とするため、再生時に電極極性の切換えを行う必要があり、例えば、塩溶液から塩を除去する脱塩処理と、吸着材の回復を行なう(塩側からみると塩濃度の高い溶液を得る塩濃縮)処理とを、同時に行なうことができない。さらに処理は、脱塩と塩濃縮を異なった時間帯に行なう、所謂、バッチ型の処理となるため、連続的に処理を継続することができない。そのため設備の規模が大きくなる問題が発生する。
本発明の目的は、塩溶液の処理を連続して行なうことが可能で、運転が容易な塩溶液の処理方法及び、当該処理方法を使用する塩溶液の処理設備を得ることにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
塩が溶解した塩溶液を電気的に処理する処理方法であって、
導電性粒子が水に分散されてなる導電性粒子スラリーを使用し、
(a) 前記導電性粒子を正電極を有する正帯電領域に通過させて正帯電導電性粒子を得るとともに、別途、前記導電性粒子を負電極を有する負帯電領域に通過させて負帯電導電性粒子を得る帯電工程と、
(b) 前記帯電工程で得られた正帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された負イオンを吸着させて負イオン吸着導電性粒子を得る負イオン吸着工程と、前記帯電工程で得られた負帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された正イオンを吸着させて正イオン吸着導電性粒子を得る正イオン吸着工程とを、記載順に又は記載とは逆の順番で行う吸着工程と、
(c) 前記負イオン吸着工程を経て生成される負イオン吸着導電性粒子を含むスラリーと、前記正イオン吸着工程を経て生成される正イオン吸着導電性粒子を含むスラリーとを混合して、負帯電導電性粒子と正帯電導電性粒子を中和させるとともに、吸着状態にある正イオン及び負イオンを導電性粒子から脱離させ、脱離されたイオンを導電性粒子を含むスラリーから分離するイオン分離工程と、
(d) 前記イオン分離工程でイオンを分離後の中和済み導電性粒子を含むスラリーを取り出す中和済み導電性粒子スラリー分離工程とを備えたことにある。
本願に係る塩溶液を電気的に処理する処理方法にあっては、
導電性粒子が水に分散されてなる導電性粒子スラリーを使用する。
そして、本願では導電性粒子スラリーに含有される導電性粒子を、帯電、イオン吸着、イオン脱離用に働かせて所定の処理を行なわせることとなる。即ち、イオン吸着において塩溶液の脱塩を行うことができ、イオン脱離においては、イオン吸着で処理された塩を回収することができる。
さらに詳細には、本願方法にあっては、
(a) 帯電工程において、導電性粒子を正電極を有する正帯電領域に通過させて正帯電導電性粒子を得るとともに、別途、導電性粒子を負電極を有する負帯電領域に通過させて負帯電導電性粒子を得る。
このようにして得られた正帯電導電性粒子及び負帯電導電性粒子を、塩が溶解した塩希溶液と接触させて、脱塩を行うことができる。即ち、
(b) 吸着工程において、帯電工程で得られた正帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる負イオンを吸着させて負イオン吸着導電性粒子を得る負イオン吸着工程と
、前記帯電工程で得られた負帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる正イオンを吸着させて正イオン吸着導電性粒子を得る正イオン吸着工程とを、記載順に又は記載とは逆の順番で行う。
次に、このようにして、イオンを吸着した状態にある導電性粒子スラリーから、正帯電導電性粒子スラリー、負帯電導電性粒子スラリーの混合により、イオンの脱離を行うことができる。即ち、
(c) イオン分離工程において、負イオン吸着工程を経て生成される負イオン吸着導電性粒子を含むスラリーと、正イオン吸着工程を経て生成される正イオン吸着導電性粒子を含むスラリーとを混合して、負帯電導電性粒子と正帯電導電性粒子を中和させるとともに、吸着状態にある正イオン及び負イオンを導電性粒子から脱離させ、脱離されたイオンを導電性粒子を含むスラリーから分離する。
このイオン分離工程の実行に伴って、
(d) 導電性粒子スラリー分離工程で、イオン分離工程でイオンを分離後の中和済み導電性粒子を含むスラリーを取り出す。
即ち、脱塩と塩回収(濃塩)を、同時に別工程で行なえる。
この処理方法は、導電性粒子スラリー分離工程で、イオン分離工程でイオンを分離後の中和済み導電性粒子を含むスラリーを取り出し、このようにして取り出された中和済み導電性粒子を含むスラリーを分けて帯電工程に戻すことにより、導電性粒子スラリーを循環させて、導電性粒子の連続的な使用をしながら、一定の粒子量で脱塩、塩回収(濃塩)処理を実施できる。
この処理方法の実施は、以下の処理設備において、実現できる。
本願に係る塩溶液を電気的に処理する処理設備は、
導電性粒子が水に分散されてなる導電性粒子スラリーの循環路を備え、
(a) 前記導電性粒子を正電極を有する正帯電領域に通過させて正帯電導電性粒子を得る正帯電処理部(正帯電処理工程を実行)と、前記導電性粒子を負電極を有する負帯電領域に通過させて負帯電導電性粒子を得る負帯電処理部(負帯電処理工程を実行)とを備え、
(b) 前記正帯電処理部で得られた正帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された負イオンを吸着させて負イオン吸着導電性粒子を得る負イオン吸着部(負イオン吸着工程を実行)と、前記負帯電処理部で得られた負帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された正イオンを吸着させて正イオン吸着導電性粒子を得る正イオン吸着部(正イオン吸着工程を実行)とを備え、
(c) 処理対象の前記塩を含む溶液を前記負イオン吸着部及び前記正イオン吸着部を、記載順に又は記載とは逆の順番に通過される溶液送り手段を備え、
(d) 前記負イオン吸着部を経て生成される負イオン吸着導電性粒子を含むスラリーと、前記正イオン吸着部を経て生成される正イオン吸着導電性粒子を含むスラリーとが混合される混合部を備えるとともに、
(e) 前記混合部において、負帯電導電性粒子から脱離される正イオン及び前記正帯電導電性粒子から脱離される負イオンを、混合部外に分離・導出するイオン分離導出手段(混合部において、イオン分離工程と導電性粒子分離工程を実行)と、
(f) 前記混合部で中和済み導電性粒子を含むスラリーを取り出し、前記正帯電処理部及び前記負帯電処理部に送りスラリーを循環させるスラリー循環手段(スラリーの循環を実行)とを備える。
前記吸着工程では、負イオン吸着工程及び正イオン吸着工程を経て、塩のイオン吸着除去された塩希溶液を得る処理方法を実行することができる。
この目的から、処理設備には、
前記負イオン吸着部及び前記正イオン吸着部を経て、塩のイオンが吸着除去された塩希溶液が導かれる塩希溶液路を備えておけばよい。
さらに、前記イオン分離工程を経て、前記スラリーから脱離された正イオン及び負イオンを溶液内で混合して塩濃溶液を得る処理方法を実行することができる。
この目的から、処理設備には、
前記混合部を経て、前記スラリーから脱離された正イオン及び負イオンを溶液内で混合して生成される塩濃溶液が導かれる塩濃溶液路を備えておけばよい。
結果、脱塩処理及び濃塩処理を同時的に行なうことが可能となり、
更に、導電性粒子スラリーを中和させた状態で、個別に取り分け、工程を循環させると連続操作が可能となる。また、このシステムでは電極面積を小さくすることができる
さらに、導電性粒子が劣化した場合に、その交換を、循環路からの分離、追加の形態でおこなうことができ交換が容易となる。
本願に係る連続式脱塩設備の構成模式図 イオン吸着部に於ける滞留時間(印加時間)とイオン除去率の関係を示す図 従来型の脱塩設備の構成模式図
以下、図面に基づいて、本願に係る塩溶液を電気的に処理する技術について説明する。
本願では、例えば、水に塩(NaCl)が溶解した塩水が処理対象液の例となる。
本願に係る技術では、処理対象液から塩を除去する脱塩が主な処理となるが脱塩に伴って塩がイオン状態で回収されるため、後に示すように、一方では、回収された塩による増塩処理も行うこととなる。
以下、本願に係る処理設備、処理方法の順に説明するとともに、引き続いて処理設備の所定部で行なう処理に関して、発明者が行なった実験について説明する。
〔塩溶液の処理設備〕
図1からも判るように、本願に係る塩溶液を電気的に処理する処理設備100は、導電性粒子pが水wに分散されてなる導電性粒子スラリーが循環する循環路1を備え、この循環路1に沿って、以下に説明する各機能部2,3,4を備えて構成されている。この循環路1における導電性粒子スラリーの循環は、循環路に設けられた一対の循環ポンプ5により行われる。
処理設備100は循環路1の上流側から、対となる帯電処理部2(正帯電処理部2a及び負帯電処理部2b)、対となるイオン吸着部3(負イオン吸着部3a及び正イオン吸着部3b)、混合部4を備えて構成されている。各イオン吸着部3は、図示する例ではイオン吸着槽として構成されている。混合部4には混合槽が備えられている。
図示する実施形態では、負イオン吸着部3a及び正イオン吸着部3bに対して、溶液送り手段である第1溶液ポンプ6を備えた塩希溶液路7を備えるとともに、混合槽である混合部4に対して、イオン分離導出手段としての第2溶液ポンプ8を備えた塩濃溶液路9が備えられている。
図示するように、イオン吸着部3には塩希溶液路7を介して、脱塩処理の対象となる塩濃溶液が送り込まれ、負イオン吸着部3a、正イオン吸着部3bを記載順に経て、脱塩処理がされた脱塩水である塩希溶液を得ることができる。
一方、図示すように、混合部4には塩濃溶液路9を介して、洗浄液(例えば水)が送り込まれ、その混合部4から塩のイオンが導出され、塩濃度(イオン濃度)が増した塩濃溶液を得ることができる。
以下、順に各部について説明する。
帯電処理部2(正帯電処理部2a及び負帯電処理部2b)
帯電処理部2は、ともに、内部に導電性粒子スラリーが流れる帯電領域を備えて構成されており、帯電領域に接する状態で電極20がそれぞれ設けられている。
正帯電処理部2aは、正帯電領域に対して電極20を備え、この領域で、導電性粒子pを正の電荷を有する正帯電導電性粒子を得るように構成されている。
負帯電処理部2bは、負帯電領域に対して電極20を備え、この領域で、導電性粒子pを負の電荷を有する負帯電導電性粒子を得るように構成されている。
イオン吸着部3(負イオン吸着部3a及び正イオン吸着部3b)
イオン吸着部3は、処理対象の塩濃溶液が部内に導入される構成が採用されており、この部位で所定のイオンが除去された残余の成分が、導出されるように構成されている。
即ち、イオン吸着部3は、導電性粒子スラリーが貯留されるとともに、右方向に流れる吸着領域を備えて構成され、その溶液導出側(槽底部)に、導電性粒子pを透過することなく、前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成されたイオン及び溶質(具体的には水)を透過する透過膜部35を備えている。
結果、処理対象の溶液を吸着領域内に導入し、所定のイオンを吸着した状態で、領域外に導出することが可能となっている。
さらに詳細には、負イオン吸着部3aでは、正帯電処理部2aで得られた正帯電導電性粒子pに前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された負イオンを吸着させて負イオン吸着導電性粒子を得る。
一方、正イオン吸着部3bでは、負帯電処理部2bで得られた負帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された正イオンを吸着させて負イオン吸着導電性粒子を得る。
図示する例では、処理対象の塩を含む溶液を負イオン吸着部3aから正イオン吸着部3bに導いて、当該部位から塩希溶液を取り出す構成を採用しているが、イオン吸着部3a,3bの順は、逆であっても一向に構わない。
混合部4
この混合部4は図示するように混合槽で構成されており、負イオン吸着部3aを経て生成される負イオン吸着導電性粒子を含むスラリーと、正イオン吸着部3bを経て生成される正イオン吸着導電性粒子を含むスラリーとが混合される混合部とされており、この混合部4においては、負帯電導電性粒子から脱離される正イオン及び正帯電導電性粒子から脱離される負イオンが、塩濃溶液路9を介して供給される洗浄液cにより洗浄されるとともに、混合部4外に取り出されて、塩濃度が上昇した塩濃溶液を取り出すことができるように構成されている。
導電性粒子pのスラリーは、混合部4で正帯電導電性粒子及び負帯電導電性粒子が混合されることで、中和され、イオンが脱離されて再生されることとなる。
この目的から、混合部4は、処理対象の洗浄液(塩希溶液の一例)が部内に導入される構成が採用されており、この部位で所定のイオンが除去された残余の成分が、導出されるように構成されている。
即ち、混合部4は、導電性スラリーが流れる混合領域を備えて構成され、その洗浄液導出側(槽底部)に、導電性粒子pを透過することなく、洗浄液及び塩を成すイオンを透過する透過膜部37を備えている。
結果、処理対象の溶液を混合領域内に導入し、中和により導電性粒子pから放出されるイオンを洗浄液により領域外に導出することが可能となっている。結果、導電性粒子pの再生を可能としている。このようにして、中和再生された導電性粒子pは、循環路1をして、別々に正帯電処理部2a及び負帯電処理部2bに戻され、循環される構成が採用されている。
〔塩溶液の処理方法〕
結果、本願に係る処理設備では、以下の方法で塩溶液の処理を電気的に行っていることとなる。
即ち、導電性粒子が水に分散されてなる導電性粒子スラリーを使用し、
(a) 正帯電処理部2aにおいて、導電性粒子pを正電極20を有する正帯電領域に通過させて正帯電導電性粒子を得るとともに、別途、負帯電処理部2bで、導電性粒子pを負電極20を有する負帯電領域に通過させて負帯電導電性粒子を得る帯電工程を実行し、
(b) 負イオン吸着部3aにおいて、帯電工程で得られた正帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された負イオンを吸着させて負イオン吸着導電性粒子pを得る負イオン吸着工程と、正イオン吸着部3bにおいて、帯電工程で得られた負帯電導電性粒子pに前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された正イオンを吸着させて正イオン吸着導電性粒子pを得る正イオン吸着工程とを、記載順に又は記載とは逆の順番で行う吸着工程を実行し、
(c) 混合部4において、負イオン吸着工程を経て生成される負イオン吸着導電性粒子を含むスラリーと、正イオン吸着工程を経て生成される正イオン吸着導電性粒子を含むスラリーとを混合して、負帯電導電性粒子pと正帯電導電性粒子pを中和させるとともに、吸着状態にある正イオン及び負イオンを導電性粒子から脱離させ、脱離されたイオンを導電性粒子を含むスラリーから分離するイオン分離工程と、
(d) 前記イオン分離工程でイオンを分離後の中和済み導電性粒子を含むスラリーを取り出す中和済み導電性粒子スラリー分離工程とを実行する。
イオン吸着部3(正イオン吸着部3a及び負イオン吸着部3b)には、この部位に、塩希溶液路7及び溶液送り手段6を備えることにより、イオン吸着部3において、塩が溶解した溶液から塩が脱離され、負イオン吸着工程及び正イオン吸着工程を経て、塩のイオンが吸着除去された塩希溶液を得ることができる。
また、混合部4においては、この部位に、塩濃溶液路9(洗浄液路)及びイオン分離導出手段8を備えることにより、イオン分離工程を経て、スラリーから脱離された正イオン及び負イオンを溶液内で混合して塩濃溶液を得ることができる。
以下、本願処理設備の運転状況に関して説明する。なお、脱塩する塩溶液として1050mg/L−NaCl水溶液を用いた。
〔導電性粒子スラリー〕
実証実験に際しては、導電性粒子pとして平均粒子径が30nmの粒子を、水に4g/60mlに割合で混合した導電性粒子スラリーを使用した。この導電性粒子スラリーでは、導電性粒子pが、水中で凝集するため、実質的に0.45μm以上となっていた。
従って、先に紹介した透過膜35,37は、0.45μmの粒子を透過しない例えばPES製(ポリエーテルスルフォン製)の限界濾過膜とした。
〔導電性粒子スラリーの循環〕
図1に示すように、帯電処理部2、イオン吸着部3及び混合部4を介して、各部位での滞留時間が5〜30分となるように循環路1での導電性粒子スラリーの循環を制御した。
〔帯電〕
帯電処理部における帯電は、導電性粒子スラリーを、実質有効面積が36cm2で、離間距離2cmの銅電極間に、1.0Vの電圧を印加して導電性粒子を帯電させた。
この帯電処理による移動電荷量〔C〕は、2.52Cであった。
帯電電荷量は、帯電処理を実行する処理時間(導電性粒子スラリーが電極に沿って移流する構成の場合は、電極の接触長さ)によって制御可能であることは、別途、発明者による検討で明らかとなった。
この処理時間〔min〕と移動電荷量〔C〕との関係を、表1に示した。
同表1に示す除去量〔mmol/g−導電性粒子〕は、この移動電荷量を塩溶液に加えた際のイオンの除去量である。
Figure 0006278738
〔イオン吸着〕
上記帯電により生成された導電性粒子スラリーを使用して、イオン吸着部でそれぞれ除去できたイオン量を、表2に示した。この表には、この処理時間〔min〕とイオン濃度〔mg/L(Lはリットルを示す)〕との関係を示した。この表からも判明するように、イオン吸着開始時のNa+濃度は410〔mg/L〕であり、30分後に200〔mg/L〕となった。一方、イオン吸着開始時のCl-濃度は610〔mg/L〕であり、30分後に340〔mg/L〕となった。
同表に示す除去率〔%〕は、濃度変化から求めた実際のイオン除去率を示している。
Figure 0006278738
以上より、帯電部2及びイオン吸着部3での処理時間を、それぞれ30分とした場合の帯電による移動電荷量と、イオン吸着量との関係は、以下の関係に整理できた。
30分の帯電処理で移動した移動電荷量は2.52Cであり、これは16.5μmolのイオン量に相当する。
1[C]=1.04×10−5[mol]
2.52[C]=16.5[μmol]
一方、30分のイオン吸着処理で吸着したNa+イオン量及びCl−イオン量はそれぞれ、
Na+イオン量 1080[μmol]
Cl-イオン量 1000[μmol]
であった。
よって、イオン吸着処理で移動電荷量のおよそ40倍のイオンを吸着除去していることが判明した。
以上より、イオン吸着処理により、所謂、脱塩処理を行なえることが判る。
〔混合部における中和〕
一方、イオン除去に投入したNaCl溶液の濃度が1050mg/Lの場合の、混合部4で中和後に回収できたNaCl濃溶液の濃度は1260mg/Lであった。
この状態を、除去の対象となった塩のモル数及びイオン回収率から整理したのが、以下に示す表3である。
Figure 0006278738
以上より、混合部4において、導電性粒子スラリーの中和を経て、塩の回収が可能なことが判る。
〔別実施形態〕
(1)
上記の実施形態においては、帯電部2、イオン吸着部3及び混合部4を経る循環路1内に導電性粒子スラリーを循環させ、一定量の導電性粒子スラリーを継続的に使用する形態とした。しかしながら、本願発明の要点は、導電性粒子スラリーを使用して脱塩を行う点にあり、帯電部2、イオン吸着部3、混合部4を備えたシステム構成を採用すれば、塩が脱離される塩希溶液、塩が濃縮された塩濃溶液を得ることができる。
即ち、導電性粒子スラリーを、処理対象の濃塩溶液に対して充分な量確保できるのであれば、導電性粒子スラリーの循環を必ずしも必要とするものではない。
1 :循環路
2 :帯電処理部
2a :正帯電処理部
2b :負帯電処理部
3 :イオン吸着部
3a :負イオン吸着部
3b :正イオン吸着部
4 :混合部
5 :循環ポンプ(スラリー循環手段)
6 :第1溶液ポンプ(溶液送り手段)
7 :塩希溶液路(溶液送り手段)
8 :第2溶液ポンプ(イオン分離導出手段)
9 :塩濃溶液路(イオン分離導出手段)
20 :電極
35 :透過膜部
37 :透過膜部
p :導電性粒子
w :水

Claims (7)

  1. 塩が溶解した塩溶液を電気的に処理する処理方法であって、
    導電性粒子が水に分散されてなる導電性粒子スラリーを使用し、
    (a) 前記導電性粒子を正電極を有する正帯電領域に通過させて正帯電導電性粒子を得るとともに、別途、前記導電性粒子を負電極を有する負帯電領域に通過させて負帯電導電性粒子を得る帯電工程と、
    (b) 前記帯電工程で得られた正帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された負イオンを吸着させて負イオン吸着導電性粒子を得る負イオン吸着工程と、前記帯電工程で得られた負帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された正イオンを吸着させて正イオン吸着導電性粒子を得る正イオン吸着工程とを、記載順に又は記載とは逆の順番で行う吸着工程と、
    (c) 前記負イオン吸着工程を経て生成される負イオン吸着導電性粒子を含むスラリーと、前記正イオン吸着工程を経て生成される正イオン吸着導電性粒子を含むスラリーとを混合して、負帯電導電性粒子と正帯電導電性粒子を中和させるとともに、吸着状態にある正イオン及び負イオンを導電性粒子から脱離させ、脱離されたイオンを導電性粒子を含むスラリーから分離するイオン分離工程と、
    (d) 前記イオン分離工程でイオンを分離後の中和済み導電性粒子を含むスラリーを取り出す中和済み導電性粒子スラリー分離工程とを備えた処理方法。
  2. 前記吸着工程において、負イオン吸着工程及び正イオン吸着工程を経て、前記塩溶液に含まれる塩のイオンが吸着除去された塩希溶液を得る請求項1記載の処理方法。
  3. 前記イオン分離工程を経て、前記スラリーから脱離された正イオン及び負イオンを溶液内で混合して塩濃溶液を得る請求項1記載の処理方法。
  4. 前記導電性粒子スラリー分離工程を経て得られた導電性スラリーを分けて、前記正帯電領域及び前記負帯電領域にそれぞれ戻し、前記帯電工程を実行する請求項1〜3の何れか
    一項に記載された処理方法。
  5. 塩が溶解した塩溶液を電気的に処理する処理設備であって、
    導電性粒子が水に分散されてなる導電性粒子スラリーの循環路を備え、
    (a) 前記導電性粒子を正電極を有する正帯電領域に通過させて正帯電導電性粒子を得る正帯電処理部と、前記導電性粒子を負電極を有する負帯電領域に通過させて負帯電導電性粒子を得る負帯電処理部とを備え、
    (b) 前記正帯電処理部で得られた正帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された負イオンを吸着させて負イオン吸着導電性粒子を得る負イオン吸着部と、前記負帯電処理部で得られた負帯電導電性粒子に前記塩溶液に含まれる塩のイオン化により生成された正イオンを吸着させて正イオン吸着導電性粒子を得る正イオン吸着部とを備え、
    (c) 処理対象の前記塩を含む溶液を前記負イオン吸着部及び前記正イオン吸着部を、記載順に又は記載とは逆の順番に通過される溶液送り手段を備え、
    (d) 前記負イオン吸着部を経て生成される負イオン吸着導電性粒子を含むスラリーと、前記正イオン吸着部を経て生成される正イオン吸着導電性粒子を含むスラリーとが混合される混合部を備えるとともに、
    (e) 前記混合部において、負帯電導電性粒子から脱離される正イオン及び前記正帯電導電性粒子から脱離される負イオンを、混合部外に分離・導出するイオン分離導出手段と、
    (f) 前記混合部で中和済み導電性粒子を含むスラリーを取り出し、前記正帯電処理部
    及び前記負帯電処理部に送りスラリーを循環させるスラリー循環手段とを備えた処理設備。
  6. 前記負イオン吸着部及び前記正イオン吸着部を経て、前記塩溶液に含まれる塩のイオンが吸着除去された塩希溶液が導かれる塩希溶液路を備える請求項5記載の処理設備。
  7. 前記混合部を経て、前記スラリーから脱離された正イオン及び負イオンを溶液内で混合して生成される塩濃溶液が導かれる塩濃溶液路を備えた請求項5又は6記載の処理設備。
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