JP6277349B2 - 棒状体に対する取付構造及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、棒状体に対して対象物を確実性高く取り付けるための取付構造に関する。
近年、ゴルフの練習を手助けする各種のトレーナーシステムが提案されている。このようなトレーナーシステムの中には、ゴルフクラブをスイングする際のモーションデータを取得し、そのモーションデータに基づくスイング情報をユーザーに提示するシステムがある。例えば、スイング軌道などを検出するためにゴルフクラブのシャフトに取り付けられるスイングセンサを含むトレーナーシステムの提案もある(例えば非特許文献1)。
このスイングセンサは、スイング中の加速度や角速度などのモーションデータを取得するセンサユニットである。スイング軌道等は、モーションデータを取り込んだ端末装置やパソコン等によって計算され閲覧可能に表示される。自分のスイング軌道を客観的にチェックできれば、ゴルフの上達を目指すユーザーにとって非常に有用かつ有益なツールとなる。
上記の文献に記載されたスイングセンサは、センサ本体とシャフトへの取付具との分割構造を呈している。樹脂製の取付具は、半円に満たない断面円弧状をなすように成形されている。取付具の一方の円弧端には丈夫なゴム環が保持され、他方の円弧端には、このゴム環を引っ掛けるためのフックが設けられている。シャフトの外周を回し込んだゴム環をフックに引っ掛ければ、その張力によって取付具を取り付けできる。取付具とセンサ本体との間にはジョイント構造が設けられ、取付具の所定位置にセンサ本体を押し付けた後、軸方向にスライドさせると、このジョイント構造により両者を連結できる。
日本文化出版 GolfClassic(ゴルフクラッシック)2013年03月号(86頁〜91頁)
上記従来のシステムでは、取付具自体はシャフトを把持するような力を全く発揮せず、自力ではシャフトに取り付かない。取付具を取り付けるためには、シャフトの外周に巻き付けたゴム環による締め付けが必須になっている。取付具をシャフトに取り付けるに当たっては、シャフトの外周面に押し当てるように取付具を手で支えながら、もう一方の手でシャフトの外周にゴム環を回し込み、さらにその手に力を込めてゴム環を引っ張ってフックに引っ掛ける必要がある。このとき、ゴルフクラブを床等に寝かした状態ではゴム環を巻き付けることができないため、さらにもう一本の手でゴルフクラブを支えておく必要がある。このように、取付具の取付作業は、ワンタッチとは言えず、仮に手が3本有れば好都合であるような作業となっている。実際に2本の手で取付作業を実施するには、手先の器用さや習熟など必要となってくるという問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、棒状体への簡単な取り付けを可能とした取付構造を提供するための発明である。
本発明の第1の態様は、棒状体に対象物を取り付ける取付構造であって、
棒状体を径方向外周側から収容可能な把持部と、
対象物の脱落を防止するため、前記把持部に収容された状態の棒状体に装着するバンドと、を含み、
前記把持部に棒状体を収容することにより対象物を棒状体に保持できる取付構造にある。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様の取付構造を備え、棒状体に取付可能な対象物としての電子機器にある。
本発明に係る取付構造は、棒状体を収容する把持部のほか、棒状体に取り付けた対象物の脱落を防止するバンドを含んでいる。この取付構造では、前記把持部に棒状体を収容することにより、対象物を棒状体に保持できる。前記バンドを装着する際には、対象物を手などで支えておかなくても良い。棒状体に対象物を保持させた状態で、前記バンドを装着する作業を実施可能である。
このように本発明に係る取付構造によれば、棒状体に対象物を保持させた状態でバンドを装着可能であり、比較的簡単に対象物の取り付けを実施できる。
本発明における棒状体と対象物との組み合わせとしては、例えば、バットやテニスラケットやゴルフクラブなどスイングされるスポーツ用具と、動き等を検出するためのセンサユニットと、の組み合わせや、棒状の取付け部とビデオカメラあるいはマイクとの組み合わせや、自動車のハンドルと操作を検出するセンサとの組み合わせや、人間の二の腕や太腿とカメラとの組み合わせや、二の腕とスマートフォン(多機能型携帯電話)等の携帯端末との組み合わせなど、様々な組み合わせが考えられる。
本発明における好適な一態様の取付構造における把持部は、収容した棒状体の外周180度を超える範囲に形成されていると共に、周方向の1箇所に開口部を有している。
180度を超えるような把持部であれば、周囲を取り囲むように棒状体を収容してしっかりと掴むように把持できる。また、周方向の1箇所に開口部を設ければ、棒状体の側面側(径方向外周側)からの把持部の装着が容易となり、対象物の取付作業が一層容易になる。より好ましくは270度を超える範囲に把持部を形成すると良い。この場合には、棒状体を抱え込むように一層しっかりと掴めるようになる。
例えば、棒状体の側面への押し当てによって拡開するように開口部を構成しておくことも良い。開口部を押し付けるのみで棒状体を把持部に収容できるようになり、取付作業がさらに簡単になる。上記のように開口部が拡開する構成としては、例えば、棒状体の凸状側面に開口部を押し付けたとき、その凸形状がクサビのように作用して開口部の隙間が大きくなるといった構成等がある。例えば、棒状体の側面に当接する開口部の接触部分については、末広がりのラッパ状に形成すると共に滑りを良くしておくことも有効である。例えば、把持状態において棒状体の外周面に接触する箇所よりも滑りを良くしておくことも良い。
本発明における好適な一態様の取付構造における把持部の内周形状は、棒状体の外周形状に沿う形状を呈している。
棒状体の外周形状に沿うような把持部の内周形状を実現すれば、棒状体に対する把持部の接触面積を拡大でき、収容した棒状体をしっかり掴むように把持できる。
本発明における好適な一態様の取付構造における把持部の内周形状は、断面円形状を呈する棒状体の外周面に沿う断面円弧状である。
断面円形状の棒状体に対して把持部の内周形状を断面円弧状に形成すれば、棒状体の外周面に対する前記把持部の接触面積を拡大でき、棒状体を把持するような力を強くできる。なお、把持部の内周円弧の径は、例えば、想定する棒状体の径よりも若干小さい径を設定することも良い。さらに、例えば、想定する棒状体の径に範囲がある場合には、最小径よりも若干小さい径を設定することも良い。
本発明における好適な一態様の取付構造における把持部の開口部は、前記対象物とは反対側に当たる位置に設けられている。
対象物とは反対側に当たる位置に開口部を設ければ、例えば、把持部を内側にして対象物を棒状体に対面させた状態から対象物を押し当てることで前記把持部に棒状体を収容でき、作業性が向上する。
本発明における好適な一態様の取付構造における把持部の断面形状は、前記開口部を介して対象な形状を呈している。
前記開口部を介して対象(対象物側から前記開口部を見込む方向を基準として線対称)となるように把持部を構成すれば、棒状体との間で作用する力を前記開口部の両側で均等に近づけることができる。前記把持部が棒状体を収容する際の力が開口部の両側で均等に近づけば、棒状体をバランス良く把持できるようになる。
本発明における好適な一態様の取付構造における把持部は、把持した棒状体の外周面に沿うように弾性的に変形する。
弾性変形によって棒状体の外周面に沿う把持部であれば、例えば、棒状体の径や断面形状の違いを吸収できるようになり汎用性が向上する。また、自由状態に復帰しようとする弾性力が把持するための力になるので、棒状体を確実性高く把持できるようになる。
本発明における好適な一態様の取付構造における前記把持部は、弾性ゴム材料よりなり、棒状体に接触する内周面に研磨加工を施したものである。
弾性ゴム材料よりなる把持部の内周面に研磨加工を施せば、棒状体の外周面に対する密着性が向上する。さらに、例えば、把持部の内周面と棒状体の外周面との間から空気が押し出されて負圧(バキューム)が生じるようになり、その負圧に由来する力により棒状体を把持する力が一層高くなる。
本発明における好適な一態様の取付構造におけるバンドは、前記把持部の外周側に巻き付けられる。
前記把持部の外周側にバンドを巻き付ければ、把持部の拡開等によって棒状体との間に隙間が生じて把持力が低下してしまうおそれを未然に抑制できる。これにより、棒状体の把持状態を確実性高く維持できるようになり、棒状体に取り付けた対象物の位置ずれを抑制できる。なお、例えば、バンドを把持部の外周側に巻き付ける際、対象物を内側にすることも可能である。
本発明における好適な一態様の取付構造におけるバンドは、対象物を内側にすることなく前記把持部の外周に巻き付けられる。
棒状体の太さに対して対象物が幅広であると、バンドから把持部に作用する力の均一性が低下するおそれがある。対象物を内側にすることなく前記把持部の外周に前記バンドを巻き付ける場合であれば、バンドから把持部に作用する力の均一性を高め、棒状体の外周面に対して均一性高く力を作用できる。
棒状体の外周面において作用する力が不均一であると、前記把持部と棒状体との間の特定の箇所に隙間が生じるおそれがある。例えば、棒状体の外周方向の特定の箇所で隙間が生じている一方、反対側が密着している場合、対象物に大きな外力が作用した際、密着している箇所が支点となって隙間の箇所が周方向にずれて、対象物が周方向にずれるおそれが生じる。棒状体の外周に作用する力の均一性が高ければ、このような対象物の周方向の位置ずれを未然に抑制できる。
本発明における好適な一態様の取付構造では、棒状体の軸方向に当たる前記把持部の両側に対象物に対する取付部が延設されている一方、該取付部と前記把持部との間には弾性材料よりなる基部が介設され、前記バンドは、前記基部を内側にして前記把持部の外周に巻き付けられている。
弾性変形可能な基部を内側にした状態で前記バンドを前記把持部の外周に巻き付ければ、弾性変形を生じた基部の弾性力が棒状体を把持するための力となり、棒状体を一層確実性高く保持できるようになる。なお、例えば、取付部については、前記基部と一体的に弾性材料により形成しても良く、前記基部よりも剛性の高い材料により形成することも良い。
本発明における好適な一態様の取付構造におけるバンドの幅は、棒状体の軸方向に当たる前記把持部の幅と略一致している。
例えば、前記把持部よりも幅広のバンドを採用した場合、把持部の外側に当たるバンド部分に、バンドを巻き付ける力が分散し、力を効率良く前記把持部に作用できなくなるおそれがある。
一方、バンドの方が幅が狭いと、把持部の端が露出するようになり見栄えが悪くなるおそれがある。しかし、バンドが幅狭であっても、把持部のうちバンドの外側に当たる部分を有効に使えなくなるのみであって、バンドを巻き付ける力については、バンドの内側部分に無駄なく作用できる。このような点で、上記のバンドが幅広の場合とは相違している。
以上のことから、把持部の幅と略一致するように前記バンドの幅を設定すれば、バンドの巻き付け力を無駄少なく把持部に作用できると共に見栄えを良くできる。例えば、バンドが幅広の場合よりも幅狭の場合の方が好ましいこと、製造上不可避の部品公差を考慮すれば、バンドをわずかに幅狭に設計することが良い。
本発明における好適な一態様の取付構造におけるバンドは、前記棒状体の軸方向に並列して複数設けられている。
棒状体の軸方向に沿ってバンドを並列させれば、例えば、テーパー状に太さが変化する棒状体であっても、太さが段階的に異なる段付きの棒状体であっても、前記把持部の外周にバンドを適切に巻き付けできるようになる。
本発明における好適な一態様の取付構造におけるバンドは、長手方向の中間的な位置で対象物側に係止され、対象物から離れて一対の自由端を有していると共に、一方の自由端側と他方の自由端側とを連結する連結部を備えている。
例えば、バンドの自由端を対象物に係止する構成を採用すると、例えば、対象物側にバンドを引っ掛けるカギ状のフック等の構成が必要となる。カギ状のフック等を対象物の側面に設ければ、張力(テンション)をかけたバンドを比較的容易に引っ掛けることができる。しかし、例えば、かぎ状のフック等の構成を側面に立設すると、対象物の外観的なスムースさが損なわれるおそれがある。バンドの長手方向の中間を対象物に係止させる構造を採用すれば、側面にフック等を立設させる必要性が少なく、スムースな外観を実現し易くなる。
本発明における好適な一態様の取付構造におけるバンドは、前記把持部の外周側に巻き付けられており、前記連結部は、前記把持部の外周面に直接あるいは前記バンドを介在して当接している。
前記把持部の外周面に面するように前記連結部を配置すれば、連結部を把持部の外周面側に押し当てることで把持力を高めることができる。
本発明における好適な一態様の取付構造は、前記バンドが対象物側に係止される前記中間的な位置を所定位置あるいは所定範囲に規制することで各自由端の長さを決定付ける位置決め構造を含んでいる。
この場合には、各自由端の長さを規制でき、これにより、前記把持部の外周における前記連結部の位置を規制できる。連結部の位置が略一定になれば、例えば、前記バンドを連結する作業を同様の箇所で実施できるようになるので、作業がし易くなる。
本発明における好適な一態様の取付構造は、前記把持部の外周側に前記バンドを巻き付けた状態を保持可能である。
前記バンドを前記把持部の外周側に巻き付けた状態を保持できれば、前記把持部が棒状体を把持するような力を確実性高く保持できる。
本発明における好適な一態様の取付構造におけるバンドは、前記一方の自由端側に前記連結部が取り付けられていると共に、前記把持部に巻き付けた前記他方の自由端側を前記連結部で折り返して逆向きに巻き付け可能であって、
前記連結部で折り返した部分である折返バンド部を、前記把持部に巻き付けられた内周側の部分である内周バンド部の外周面に固定することで、前記把持部の外周側に巻き付けた状態を保持する。
前記把持部にバンドを巻き付けた状態で、前記折返バンド部が連結部側に引き込まれると共に、それに応じて把持部の外周に巻き付けられた内周バンド部が連結部から離れる側に押し出されると、バンドに緩みが生じる。このとき、内周バンド部では連結部から離れる方向の移動が生じている一方、折返バンド部では連結部に近づく方向の移動が生じている。バンドの緩みを生じる際には、前記内周バンド部と前記折返バンド部とで移動方向が全く逆向きになっている。それ故、内周バンド部の外側表面に折返バンド部を固定すれば、バンドの緩みを効果的に抑制できる。
なお、前記折返バンド部を前記内周バンド部の外周面に固定するための構造としては、例えば、面ファスナーや、粘着テープや、ボタンや、フックなど様々な方法が考えられる。
本発明における好適な一態様の取付構造におけるバンドは、前記連結部側から見て該連結部で折り返す箇所の手前で、内周側のインナーバンドと外周側のアウターバンドとに分岐しており、
前記インナーバンドは、前記連結部で折り返した折返バンド部が前記内周バンド部の外周面に巻き付けられる一方、前記アウターバンドは、前記把持部の外周側に巻き付けられた前記折返バンド部の外周に巻き付けられ、
前記折返バンド部の表裏両面に対して、それぞれ、前記内周バンド部の外周面及び前記アウターバンドの内周面のいずれかを固定することで、前記把持部の外周側に前記バンドを巻き付けた状態を保持する。
この場合には、前記インナーバンドの折返バンド部を、表裏両面から固定できるようになるので、バンドの緩みを一層確実性高く抑制できる。前記折返バンド部については、表裏両面に固定手段を設ける必要があるが、例えば、片面に面ファスナーを設けたバンドの場合であれば、面ファスナーを外側にしてインナーバンドの先端を折り曲げて折り返すことで表裏両面に固定手段を形成できる。
本発明における好適な一態様の取付構造における把持部は、弾性的に変形可能な弾性保持構造を介して対象物側に取り付けられている。
例えば対象物に対して衝撃的に大きな力が作用した際、前記弾性保持構造によってその衝撃的な力の一部を吸収できる。衝撃的な力の一部を吸収できれば、棒状体に取り付けられた対象物の位置ずれ等を未然に抑制できる。
例えば、棒状体がゴルフクラブのシャフトであって、対象物がセンサユニットである場合には、前記弾性保持構造が特に有効になる。ゴルフクラブをスイングする際には、センサユニットに対して強い遠心力が作用するからである。さらに例えば、素振りではなく実際にボールを打つ場合であれば、ボールのインパクトの瞬間に衝撃的な力がセンサユニットに作用する可能性が高い。例えば、シャフトの軸芯からずれて径方向外周側に位置するセンサユニットに対して大きな力が作用すると、シャフト周りにセンサユニットの位置ずれが生じるおそれがある。前記弾性保持構造によってインパクトの瞬間の衝撃的な力の一部を吸収できれば、シャフト周りのセンサユニットの位置ずれを抑制できる。
本発明における好適な一態様の取付構造においては、棒状体の軸方向に当たる前記把持部の両側には、対象物に対する取付部が延設されており、前記弾性保持構造は、前記把持部と前記取付部との間に介在する弾性材料よりなる基部を含んでいる。
把持部の両側に取付部を設ければ、対象物側に対して前記把持部をバランス良く取り付けできる。さらに、この取付部と把持部との間に弾性変形可能な基部を介在させれば、対象物に大きな力が作用したとき、前記基部の弾性変形によってその力の一部を吸収できる。なお、例えば、把持部と基部とを弾性材料によって一体成形することも良く、さらには、取付部を含めて一体成形することも良い。この場合には、把持部、基部、取付部を一部品により構成でき、部品点数の抑制、コストの低減に効果的である。
本発明における好適な一態様の取付構造は、対象物を内側にすることなく前記把持部の外周に巻き付けられるバンドと、
対象物側に固定された状態で前記把持部との間に介設される強度部材と、を含み、
前記バンドは、前記強度部材を内側にして前記把持部に巻き付けられている。
前記強度部材によれば、例えばバンドの縁によって生じるギロチンカッターのような剪断力を受け止めることができる。大きな剪断力がダイレクトに前記把持部に作用するおそれを抑制でき、前記把持部の破断を未然に回避できる。
本発明における好適な一態様の取付構造では、棒状体の周方向に当たる前記強度部材の幅は、取付を想定する断面円形状の棒状体の最小直径の70%未満の幅である。
例えば、前記強度部材の幅が広すぎると棒状体の湾曲凸状の外周面に沿わなくなり、バンドから棒状体に対して均一性高く力を作用できなくなるおそれがある。強度部材の幅を上記の範囲に設定すれば、バンドから棒状体に作用する力の均一性を向上できる。より好ましくは、棒状体の最小直径に対して、強度部材の幅を60%以下にすると良い。この場合には、上記の効果が一層顕著になる。なお、例えば、棒状体の外周面に沿うよう、断面湾曲状の強度部材を採用することも良い。この場合であれば、強度部材の幅を上記の範囲よりも広めに設定可能である。
本発明における好適な一態様の取付構造における強度部材には、対象物側から突出する突起部を収容する収容孔が設けられていると共に、前記バンドには、前記突起部を貫通配置するための貫通孔が設けられ、
前記バンドの貫通孔に貫通する前記突起部によって、前記バンドの長手方向の位置が規制されている。
前記強度部材を利用してバンドの位置決め構造を構成すれば、バンドの長手方向の位置を規制するための位置決め構造を剛性高く形成できる。前記強度部材の収容孔に前記突起部の先端側を収容すれば、突起部の先端と強度部材との間に隙間ができなくなるので、バンドの貫通孔から突起部が抜け落ちてしまうおそれを抑制できる。突起部が貫通孔から抜け落ちなければ、バンドが長手方向にずれることがない。
本発明の第2の態様における好適な一態様の電子機器は、棒状体がゴルフクラブのシャフトであり、ゴルフクラブがスイングされたときの動きに関するデータを取得可能である。
ドライバー、アイアン、パターなどゴルフクラブの種類は多いので、電子機器の付け替え等のニーズがある。簡単な取付作業を実現した本発明に係る取付構造によれば、複数のゴルフクラブの間での電子機器の使い回しを簡単にでき便利である。
ゴルフスイングトレーナーシステムの概要を示す説明図。 トレーナー装置及び角度調節ブラケットを示す説明図。 角度調節ブラケットの使用方法の説明図。 ゴルフクラブに対するセンサユニットの装着例を示す図。 ゴルフスイングトレーナーシステムのシステム構成を示すブロック図。 トレーナー装置で閲覧可能なデータを例示する図。 センサユニットの正面図。 センサユニットの背面図。 センサユニットの右側面図。 センサユニットの左側面図。 センサユニットの上面図。 センサユニットの下面図。 センサユニットの組立構造をケース側から斜めに見込む組立図。 センサユニットの組立構造をカバー側から斜めに見込む組立図。 基板を組み付けたカバーを示す図。 センサユニットの本体を背面側から見込む図。 取付部材を把持部側から見込む図。 取付部材の側面図。 取付部材を基部側から見込む図。 巻き付け前のベルトの正面図。 締め付け前のベルトの斜視図。 取付構造の組立図。 強度プレートを保持する取付部材の斜視図。 センサユニットを示す斜視図。 ベルトを把持部の外周に巻き付けた状態のセンサユニットを示す斜視図。 把持部の外周にベルトが巻き付けられた取付部材を把持部側から見込む図。 把持部の外周にベルトが巻き付けられた取付部材を基部側から見込む図。 センサユニットの装着手順の説明図その1。 センサユニットの装着手順の説明図その2。 センサユニットの装着手順の説明図その3。 センサユニットの装着手順の説明図その4。 ベルト2を示す図。 バックルを潜(くぐ)らせた面ファスナーテープを示す説明図。 取付け手順その1の説明図。 インナーテープをバックルで折り返した状態を示す説明図。 取付け手順その2の説明図。 折返バンド部を内周バンド部の外側表面に接合した状態を示す説明図。 アウターベルトを巻き付ける様子を示す説明図。 ベルトの巻き付け状態を示す斜視図。 ベルトの巻き付け状態を示す側面図。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、ゴルフクラブ5に取り付けるセンサユニット(電子機器)1と、トレーナー装置3と、を含む図1のゴルフスイングトレーナーシステム(トレーナーシステム)1Sに関する例である。このトレーナーシステム1Sでは、ゴルフクラブ5のスイング軌道やヘッドスピードやボールスピードなどの様々なスイングデータをトレーナー装置3で閲覧可能である。この内容について、図1〜図31を用いて説明する。
まず、トレーナーシステム1Sの概要を説明する。
トレーナー装置3は、図2(A)に示すようにスマートフォン(多機能型携帯電話)のような外観、大きさの端末装置である。トレーナー装置3は、正面側に表示画面31、メニューボタン32、及びLEDランプ33を備え、底面に検知センサー部35を備え、側面に電源ボタン36、マイクロUSB端子34、及びマイクロSD挿入口38を備え、充電可能なリチウムイオンバッテリを内蔵している。
トレーナー装置3には、図2(B)及び図3(A)に示す取付用の角度調節ブラケット37が用意されている。角度調節ブラケット37は、ベース371と、ボール状嵌合部372を有するブラケット373と、を含んで構成されている。角度調節ブラケット37は、図3(B)のごとく、トレーナー装置3の底面の孔30aにブラケット373の突起部374を差し込む様にして装着される。角度調節ブラケット37を利用すれば、図3(C)のごとく、トレーナー装置3を上下方向、左右方向に回動させて本体が水平になる様に角度調節を行うことができる。これにより、平坦でない場所においても正確な計測が可能になる。
センサユニット1は、図1及び図4のごとく、かまぼこ状の外観の長さ60mm程度の本体10に、取付部材21やベルト27等を含む取付構造2を設けたユニットである。本体10が、棒状体であるシャフト50に取り付ける対象物となっている。このセンサユニット1は、かまぼこの湾曲凸表面を外側にしてシャフト50に取り付けられる。なお、本例で取付を想定するシャフト50の太さは、直径12.5mm〜15.0mmの範囲である。
本体10の末窄まりの端部には、電源スイッチ151や、動作状態を表すLEDランプ152(図7参照。)等が設けられている。かまぼこの板側に当たるセンサユニット1の裏面には、取付構造2を構成する弾性ゴム材料よりなる取付部材21が取り付けられている。センサユニット1は、取付部材21を利用してシャフト50に取り付けられると共に、シャフト50の外周に巻き付けられたベルト(バンド)27によって取付確実性と安全性が確保されている。
センサユニット1は、図5のごとく、マイクロコントローラ191、センサ192、LED制御部193、及び送受信部195を備えている。マイクロコントローラ191は、センサ192の検出信号を入力し、必要な演算処理を実行して送受信部195を介してセンサ信号として送信する。このセンサ信号は、トレーナー装置3により受信され、各種の演算処理に適用される。センサ192は、加速度3軸、角速度3軸のモーション検出用のセンサである。
トレーナー装置3は、図5のごとく、ドップラセンサ321、アンプ322、コンパレータ323、第1マイクロコントローラ324、第2マイクロコントローラ325、表示制御部326、記録制御部327、スイッチ群328、及び送受信部329を備えている。第1及び第2マイクロコントローラ324、325は、ドップラセンサ321が出力するドップラーパルスを利用して、ヘッドスピード、ボールスピード等を算出する。第1マイクロコントローラ324は、さらに、送受信部329で受信したセンサユニット1のセンサ信号に基づいてスイング軌道の算出を実行する。
トレーナーシステム1Sの使用方法について簡単に説明する。右打ちの場合の使用方法の一例では、ボールの後方、障害物がない約1〜1.5m離れた位置にトレーナー装置3を設置する(図1参照。)。このとき、トレーナー装置3を水平にし、検知センサー部35をボールの打ち出し方向に向けて設置する。設置場所に起伏がある場合には、角度調節ブラケット37を用いて水平を確保する(図3(C)参照。)。
ゴルフクラブ5がスイングされたとき、トレーナー装置3がドップラセンサ321からの信号を利用してヘッドスピード計測、ボールスピード計測等の演算処理を実行する。スイング中にボールを打った場合には、センサユニット1がインパクトの瞬間を表す打点を特定し、打点前後の所定時間に渡る時系列のセンサ信号を送信する。トレーナー装置3側では、センサユニット1から受信したセンサ信号を利用してスイング軌道の演算処理等を実行する。これにより、図6に例示するように各種データを表示画面31に表示できるようになる。
次に、ゴルフクラブ5に対する取付構造2を備えるセンサユニット1について詳しく説明する。センサユニット1の本体10は、図7〜図15に示すごとく、ケース11に対してカバー15を組み合わせた2分割構造の筐体10Bを有し、筐体10Bの中空構造の内部に基板131・132やバッテリ133等が収容されている。
基板としては、センサ192等が実装されたセンサ基板131、及び送受信部195を構成するブルートゥース基板132が収容されている。ブルートゥース基板132は、BtoBコネクタ134を介してセンサ基板131に連結され、平行をなす状態で一体化されている。センサ基板131の上下対角方向の2箇所には、円弧状の内周形状を呈する切欠き部131a・131bが形成されている。この切欠き部131a・131bは、筐体10Bの固定用ネジ(図示略)を回避する切り欠きとなっている。
かまぼこ状の筐体10Bの上面側をなすカバー15は、湾曲凸状の外表面を備え、上部には末窄まりのテーパ形状が形成されている。末窄まり側の上端面には、電源スイッチ151へのアクセス孔であるスイッチ窓15dが切り欠かれている。末窄まりを形成するテーパー面の正面中央付近には、LED光を透過する円形孔15eが設けられている。
カバー15の下端面には、端子のアクセス孔となる端子窓15gが切り欠き形成されている。カバー15の内側底面には、ケース11をネジ止めするためのネジ用ボス15hや、ブルートゥース基板132を支持する水平リブ15i等が設けられている。ネジ用ボス15hの上端面は、センサ基板131の切欠き部131a・131bを取り囲む縁部が押し当たる当接面となっている(図15参照。)。水平リブ15iの立設高さは、ネジ用ボス15hに当接するセンサ基板131に保持されたブルートゥース基板132の基板表面が押し当たるような高さに設定されている。
かまぼこ状の筐体10Bの板部分をなすケース11は、その両面に収容形状が形成された部品である。カバー15と同様、上部は末窄まり形状となっている。末窄まりとは反対側の下端面には、端子窓15gを封止するための端子カバー140を面一に収容するための窪み11kが形成されている。
カバー15側に面するケース11の内側には、側壁によって取り囲まれたバッテリ保持部11bが設けられている。さらに、上下対角方向に当たる2箇所には、センサ基板131を介在してカバー15側のネジ用ボス15hに押し当たる座部11hが立設されている。この座部11hには、カバー15の固定用ネジの貫通孔が穿孔されている。
ケース11の裏面側には、取付部材21等を収容する正面略矩形状の凹みである収容部110が設けられている。この収容部110の対角方向の2箇所には、筐体10Bの固定用ネジ(図示略)の頭を収容するための窪み113が延設されている。また、収容部110の上下には、ゴルフクラブ5のシャフト50の湾曲凸状の外周面との接触を回避するための上下方向の湾曲凹状の浅い凹み118が形成されている。
収容部110の底面には、図16のごとく、取付部材21をネジ固定するためのネジ用ボス111が長手方向に一対設けられている。このネジ用ボス111は、後述する取付部材21の窪み217S(図19参照。)に収容可能な断面形状を呈している。一対のネジ用ボス111の中間に当たる位置には、位置決め突出部(突起部)115が立設されている。位置決め突出部115の突出高さは、ネジ用ボス111よりも高く設定されている。
図17〜図19の取付部材21は、ベルト(バンド)27及び強度プレート(強度部材)28等と共に取付構造2を構成している。弾性ゴム材料の成形品である取付部材21は、ゴルフクラブ5のシャフト50を把持する把持部211と、把持部211が立設された基部214と、基部214の両側に延設された台座部(取付部)217と、を一体的に設けた弾性ゴム材料による成形品である。基部214及び台座部217は、ケース11の収容部110に収容される部分であり、全体として略矩形状の正面形状を呈している。基部214の両側に設けられた台座部217には、固定用ネジ292(図13参照。)を貫通配置させる貫通孔217Hが穿孔されている。
把持部211は、取付部材21の長手方向に略均一であって、基部214と反対側の1箇所に開口部211Aを設けた断面円弧状の内周形状を呈している。取付を想定するシャフト50の最小直径12.5mmに対して、把持部211の内周円の直径は約12.0mmとなっている。また、取付部材21の長手方向に当たる把持部211の軸方向の長さは27mmである。
把持部211のうち基部214側の付け根に当たる部分は、略平面状の底面を有する基部214と一体化されている。一方、基部214から離れた部分の断面形状は、略一定肉厚の断面円弧状となっている。開口部211Aに面する把持部211の各端部のうち外周側に当たる角部には面取り加工(R加工)が施され、これにより、開口部211Aの断面形状は、径方向外周側に向かってラッパ状に近い末広がりになっている。
把持部211の内周面には研磨加工が施されており、取付部材21の他の面に較べて表面粗さが低減され、平滑性が格段に向上している。弾性ゴム材料よりなる把持部211の内周面を研磨すれば表面の凸凹を少なくでき、シャフト50の外周面に対する密着性を高めることができる。シャフト50の外周面に把持部211が密着することでバキューム効果が生じ、位置ずれや剥がれ等が生じ難くなっている。
基部214は、把持部211の付け根の部分に形成された略平面状の底面を呈する部分である。基部214の長手方向の長さは、把持部211の軸方向の長さと略一致している。基部214の底面では、長手方向の中央に当たる位置に、ケース11の位置決め突出部115の先端を収容するための有底孔214Hが穿設されている。また、両側の台座部217に隣接する部分には、基部214の幅方向に延設された断面略矩形状の溝214Tが設けられ、この部分のみ基部214の厚さが薄くなっている。
台座部217は、本体10側に対して脚あるいは座のように機能する部分であり、基部214よりも幅広に形成されている。把持部211が立設された側に当たる台座部217の表面には、ワッシャ291(図13参照。)を収容するための窪み217Wが設けられている。その窪み217Wには、固定用ネジ292を貫通させる貫通孔217Hが開口している。一方、ケース11側の表面は、幅方向の両端側に比べて中間部217Mが張り出し、幅方向において中高(なかだか)の形状となっている。
中高の中間部217Mには、強度プレート28の端部を収容するための窪み217Sが穿設されている。さらに、その窪み217Sの底面には、固定用ネジ292を貫通させる貫通孔217Hが開口している。窪み217Sは強度プレート28の厚さより深くなっていると共に、その開口部分の側面が庇のように内周側に出っ張るように形成されている。このような内周側面の出っ張り形状は、収容した強度プレート28に覆い被さって脱落を防止する。
把持部211の裏面側に当たる取付部材21の底面側では、台座部217と基部214との間に段差スロープ214Sが設けられている。この段差スロープ214Sは、基部214の底面の溝214Tに隣接して設けられ、溝214Tから離れるに従って次第に厚みを増していくスロープ形状を呈している。
強度プレート28は、厚さ約0.5mm、幅6.4mmの短冊平板状のステンレス製の強度部材である。取付を想定するシャフトの最小径12.5mmに対して、強度プレート28の幅を約50%の6.4mmに設定している。強度プレート28の両端形状は半円状を呈し、半円の中心には固定用ネジ292の貫通孔281が穿孔されている。長手方向の中央には、両端の貫通孔281よりも大径の収容孔280が穿孔されている。強度プレート28が取付部材21に組付けられたとき、この収容孔280の孔方向が取付部材21の有底孔214Hと一致し、ケース11側の位置決め突出部115が貫通できる状態になる。
図20及び図21のベルト27は、化学繊維を織り込んだ幅25mmの帯状のベルトであり、締付け用のバックル(連結部)270が一方の端部に取り付けられている。バックル270は、2列の縦棒部分に当たる支柱271を両側のサイドバー272により支持して構成され、数字のゼロの文字に似た形状をなしている。ゼロの文字の横幅に当たるバックル270の幅は約14mmである。
このベルト27は、バックル270に近い中間的な位置に、長手方向の寸法が幅の3倍程度の長孔状のベルト孔(貫通孔)275が穿孔されている。このベルト孔275は、ケース11と取付部材21との間隙をベルト27が通過する組立て状態において、ケース11の位置決め突出部115を貫通収容するための孔であり、ベルト27の長手方向の位置を規制する位置決め構造を、位置決め突出部115等と共に構成している。このように位置決め突出部115により長手方向の中間的な位置で位置決めされたベルト27の両端は自由端となっており、一方の自由端にバックル270が取り付けられている。
バックル270とは反対側の先端近くのベルト27の表面には、例えばマジックテープ(R)やベルクロ(R)等のようにフックテープとループテープとを組み合せた面ファスナーが溶着接合されている。バックル270の支柱271で折り返す箇所の手前の部分(内周バンド部27N)、すなわち把持部211の外周に巻き付けられたベルト27の外側を面する表面には、ループの面ファスナーテープ279Rが縫い付けられており、バックル270で折り返した部分(折返バンド部27T)のベルト27の内側となる表面には、フックの面ファスナーテープ279Fが縫い付けられている。このように面ファスナーを利用すれば、把持部211の外周に巻き付けたベルト27の余り部分のぶらつきを解消して綺麗に始末できると共に、バックル270で締め付けたベルト27の緩みを未然に防止できる。
なお、本例の面ファスナーテープ279R、Fに代えて、ループ及びフックの両方が混在する面ファスナーテープを内周バンド部27N及び折返バンド部27Tの双方に貼り付けることも良い。さらには、面ファスナーテープ279R、Fは、ベルト27の同じ側の面に配置されていることから、ベルト27の長手方向の全域に渡る片面に、ループ及びフックが混在する面ファスナーテープを配置することも良い。さらに、基材テープの表面にフックとループとの両方が設けられた面ファスターテープ自体をベルト27として採用することも良い。
次に、センサユニット1の組立方法について説明する。センサユニット1の組立は、本体10を組み立てた後、取付部材21やベルト27等を組み付けて完了する。
本体10の組立の際には、まず、センサ基板131のLED部品の導光体(図示略)がカバー15側の円形孔15eの内側に位置し、電源スイッチ151をなすセンサ基板131のスイッチノブ151Sがカバー15側のスイッチ窓15dから外側に突出するよう、カバー15に対して基板131・132を組み合わせる(図13、図14参照。)。
上記のようにカバー15に基板131・132を組み付けると、センサ基板131の切欠き部131a・131bを取り囲む縁部がカバー15のネジ用ボス15hの先端面に押し当たる状態で位置決めされる。センサ基板131に連結されたブルートゥース基板132は、カバー15の底面の水平リブ15iに押し当たるか、あるいはわずかに隙間を開けた状態となる。
上記のように基板131・132を組み付けたカバー15に対して、電気的な結線を行ったうえ、バッテリ133を保持したケース11を組み合わせる。そうすると、カバー15側のネジ用ボス15hとケース11側の座部11hとがセンサ基板131を介在して押し当たると共に、ネジ用ボス15hのネジ孔と座部11hの貫通孔とが連通し固定用ネジ(図示略)を螺入可能な状態となる。図示しない固定用ネジをケース11の背面側から螺入すれば、カバー15を固定できると共に、ネジ用ボス15hと座部11hとの間でセンサ基板131を挟持して固定できる。
この組立の際には、センサ基板131の裏面下部に備えられているUSB端子137を下から覆うように端子カバー140も組み付けておく。この端子カバー140は、ヒンジ部141がカバー15側となり蓋部142がケース11側となるように取り付けられる。端子カバー140は、カバー15の端子窓15gの周囲に形成された窪み15k及びケース11の底面の窪み11k(図14参照。)に収まり、底面が筐体10Bとほぼ面一となるように組み付けられる。
上記のようにセンサユニット1の本体10を組み立てた後、取付部材21やベルト27等を含む取付構造2を組み付ける(図22参照。)。
取付部材21には、予め、基部214の裏側(把持部211の反対側)に強度プレート28を組み合わせておく。取付部材21の両端の台座部217にそれぞれ設けられた窪み217Sに強度プレート28の両端を収容すれば、取付部材21の貫通孔217Hと強度プレート28の貫通孔281とが連通する状態になる(図23参照。)。
ここで、上記のごとく取付部材21側の窪み217Sは、開口部分の側面が庇のように内周側に張り出している。強度プレート28を窪み217Sに収容する際は、開口部の側面に弾性変形を生じさせながら強度プレート28を押し込む必要がある。窪み217Sに収容された強度プレート28の両端には、窪み217Sの開口部が覆い被さり、これにより、強度プレート28が保持される。
強度プレート28を保持させた取付部材21は、ベルト27を介在して取付部材21に組み付ける。この組付に当たっては、ベルト27の向きは、ケース11の収容部110に対面する作業者に対して末窄まりの本体10の端部を上に向けた状態で、バックル270が左側に位置するようにする。また、取付部材21の両端の各台座部217に対して、本体10側のネジ用ボス111が押し当たるようにする。上記の通りネジ用ボス111は、台座部217の窪み217Sに収容可能な形状となっているので、その先端面は窪み217Sに保持された強度プレート28に当接することになる。
このとき、ケース11側の位置決め突出部115が、ベルト27のベルト孔275及び強度プレート28の収容孔280を貫通するように注意しながら組付け作業を実施する。上記のように位置決め突出部115がベルト孔275を貫通する組付け状態により、ベルト27の長手方向の位置が規制され、バックル270の位置が所定の範囲に規制される。バックル270の位置がほぼ一定であれば、ベルト27の締付け作業を容易に実施できるようになる。
続いて、台座部217の表側(把持部211側)の窪み217Wにワッシャ291をセットした上で貫通孔271Hに固定用ネジ292を挿入し、連通しているネジ用ボス111のネジ孔112に螺入する。取付部材21の両側の台座部217に対して、それぞれ、固定用ネジ292を螺入すれば、本体10に対して取付部材21等を固定できセンサユニット1の組立が完了する(図24〜図27参照。)。なお、図25〜図27は、ベルト27の先端を把持部211に巻き付けた状態を示している。また、図26及び図27では、ベルト27を巻き付けた様子を見易くするため、本体10の図示を省略している。
次に、センサユニット1をゴルフクラブ5のシャフト50に装着する手順について説明する。装着に際しては、取付部材21の把持部211の開口部211Aをシャフト50の外周側面に押し当てるようにして、把持部211の内側にシャフト50を収容する(図28参照。)。シャフト50を把持部211に収容する際には、適度に押し拡げた開口部211Aにシャフト50を押し当てながら押し込むようにすると良い。開口部211Aの隙間をある程度以上に押し拡げた状態であれば、シャフト50を押し当てることで、開口部211Aをさらに押し拡げることができ、これにより把持部211にシャフト50を押し込むことができる。
なお、シャフト50に対するセンサユニット1の取付姿勢は、電源スイッチ151等が設けられた末窄まりの端部をグリップ51側にすると共に、フェース面の反対側に本体10が位置する姿勢である。また、センサユニット1の最適な取付範囲は、グリップ51下端から20mm〜50mmの範囲となっている(図28参照。)。
把持部211は、シャフト50の径よりも若干小径の内周円弧状を呈すると共に、わずかな開口部211Aを除く全周に近い範囲(360度に近い角度範囲)に形成されている。把持部211の内周面には、金属製の平滑度の高いシャフト50の外周面に密着するよう、研磨加工が施されている。把持部211は、シャフト50を収容するための弾性的な拡径に応じた弾性力と、研磨された内周面によるバキューム効果を伴う密着力と、によりしっかりとシャフト50を掴むように把持する。このような把持力を生じる把持部211によれば、ベルト27の巻き付け前であってもセンサユニット1をしっかりとシャフト50に保持できる。次のベルト27の巻き付け作業を実施するに際しては、センサユニット1の本体10を手などで支える必要がなく作業性が非常に良好になっている。
ベルト27の巻き付け作業では、ベルト27の先端側をシャフト50に巻き付けるようにし(図29参照。同図では、右巻きに巻き付けている。)、バックル270の支柱271と把持部211との隙間を通過させてバックル270を潜らせる。バックル270を潜らせた先端側を引っ張れば、シャフト50の外周に巻き付けた部分の緩みを取ることができる。
バックル270を潜らせたベルト27の先端を引き起こし、引っ張りながら折り返せば(図30及び図31)、把持部211を強固に締め付けることができる。なお、本例では、把持部211の軸方向長さ27mmに対して、ベルト27の幅をほぼ等しい25mmに設定してある。このように設定すれば、ベルト27の締付け力を有効に把持部211に作用できる。なお、把持部211に対してベルト27が幅広になるよりも、若干幅狭になる方が良い。ベルト27側に余りがあると、把持部211の締付けに寄与しないその余った部分に締付力けが分散し、把持部211に作用する力が小さくなるおそれがあるからである。
ベルト27で締め付けた際、弾性ゴム材料よりなる把持部211の外周面にバックル270が押し当たった状態となっている(図31参照。)。この状態が、把持部211の締付けに非常に有効に作用している。ベルト27による締付けが完了した後では、バックル270を押し返そうとする把持部211の弾性力がベルト27の締付け力に寄与する。
さらに、把持部211と一体的に成形された基部214が巻き付けたベルト27の内側となっている(図27参照。)。上記のような締め付けによって弾性ゴム材料よりなる基部214にも弾性変形を生じる。ベルト27の折り返しが完了した後では、ベルト27を押し返して元の形状に戻ろうとする基部214の弾性力がベルト27の締付け力に寄与する。
ベルト27の折り返し部分は、上記のようにベルト27の表面に縫い付けられた面ファスナーにより、把持部211に巻き付けたベルト27の外周面に貼り付けて固定できる(図31参照。)。このようにベルト27の折り返し部分を面ファスナーにより貼り付けて固定すれば、把持部211の外周に締付け状態で巻き付けたベルト27の巻付け状態を確実性高く維持でき、センサユニット1の強固な取付状態を確実性高く保持できる。
仮に、把持部211に巻き付けたベルト27が緩むときには、折返バンド部27T(バックル270で折り返した部分)がバックル270側に引き込まれてその長さが短くなると共に、その引き込まれた長さの分だけ内周バンド部27N(バックル270の手前の把持部211に巻き付けられた部分)が押し出されて長くなる(図25、図31参照。)。このときには、内周バンド部27Nではバックル270から離れる方向の移動が生じる一方、折返バンド部27Tではバックル270に近づく方向の移動が生じる。このように、内周バンド部27Nと折返バンド部27Tとでは、緩みを生じる際の移動方向が全く逆向きになっている。内周バンド部27Nに対して折返バンド部27Tを接合して固定すれば、ベルト27の緩みを効果的に抑制できる。
センサユニット1を取り付けたゴルフクラブ5をスイングしてボールを打てば、スイング軌道等のデータを取得でき、トレーナー装置3を利用してそのデータを閲覧可能である。一方、ゴルフクラブ5のスイングの際は、センサユニット1の本体10に対して大きな遠心力が作用するおそれがある。本例の取付構造2では、研磨加工が施された把持部211の内周面がシャフト50の外周面に密着していると共に、外周に巻き付けられたベルト27によってシャフト50を収容する把持部211が締め付けられている。
把持部211の外周にベルト27を巻き付けた取付構造2であれば、スイングの最中にセンサユニット1が脱落するおそれがない。さらに、ベルト27の締め付けによって把持部211の内周面をシャフト50の外周面に密着させているので、ボールを打つ際に瞬間的に大きな力が作用してもセンサユニット1の位置ずれが生じるおそれが極めて少なくなっている。
ボールのインパクトの際にセンサユニット1に作用する衝撃的な力は、弾性ゴム材料により一体成形された取付部材21によって吸収できる。具体的には、本体10にネジ固定される台座部217自体が弾性変形可能であって、台座部217と把持部211との間の基部214自体も弾性変形可能である。それ故、インパクトの際の衝撃力の大部分が台座部217や基部214の弾性変形に消費される。このような弾性保持構造を介在して、センサユニット1の本体10側に取付けられた把持部211では、把持部211がシャフト50に接触する箇所や、把持部211に巻き付けたベルト27等の取付構造2などに対してインパクト時の衝撃力がそのままダイレクトに作用するおそれが低減されている。これにより、センサユニット1の位置ずれ等が発生するおそれが抑制されている。
インパクトの際に取付構造2に作用する衝撃力を緩和できれば、センサユニット1の位置ずれを確実性高く抑制できる。特に、本例の取付構造2では、基部214の裏面において、台座部217の付け根に当たる部分に幅方向の溝214Tを穿設してある。この溝214Tは、基部214による台座部217の支持剛性を調整するために有効な構成となっている。この溝214Tを設けた部分では基部214の厚さが適度に薄くなり、これにより、台座部217の支持剛性が抑制されて上記のような弾性変形が許容されるようになっている。さらに、上記の通り、中間部217Mが張り出した中高の台座部217によれば、取付部材21回りの本体10の回動を許容でき、衝撃力の緩和に有効である。
一方、本例のセンサユニット1の取付構造2では、取付部材21と共に本体10にネジ固定された強度プレート28を内側にしてベルト27が把持部211の外周に巻き付けられている。ボールのインパクトの瞬間の衝撃力が本体10に作用すると、ベルト27の幅方向の両端がギロチンカッターのように作用し、取付部材21に対して大きな剪断力が作用するおそれがある。取付部材21とベルト27との間に強度プレート28を配置しておけば、上記のような剪断力を強度プレート28によって受け止めることができ、取付部材21に過大な剪断力が作用するおそれを未然に回避できる。
以上のように本例のセンサユニット1の取付構造2は、確実性高くシャフト50に対してセンサユニット1を取付できると共に、衝撃的な力を吸収可能な弾性構造を採用したことでセンサユニット1の位置ずれを抑制できる優れた構造となっている。
センサユニット1では、電源スイッチ151が本体10の上端面に位置しているので、ゴルフクラブ5のグリップ51を握ったままでのスイッチ操作がやり易いと共に、不用意に腿などに触れて電源スイッチ151が切り替わってしまうという問題も起こし難い。加えて、動作状況を示すLEDも上部テーパ面に配置されているため、ゴルフクラブ5のグリップ51を握ったままでも電源の状態等を容易に確認できる。さらに、端子カバー140のヒンジ部141を正面側に、蓋部142を裏面側に位置する様に装着し、筐体10Bの底面と面一に収まる様に構成したので、端子カバー140が腿などに触れて不用意に開いてしまうという問題も生じ難い。
筐体10B内に組み付けられるブルートゥース基板132は、センサ基板131に対してBtoBコネクタ134で脱着可能な関係である一方、組立状態においてはカバー15の水平リブ15iに突き当てられた状態なので、ゴルフクラブ5をスイングしても筐体10B内で位置ずれ等を生じるおそれがない。BtoBコネクタ134を介した電気的な接続が不安定になるおそれが少なく、動作上の不具合が未然に回避されている。
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、右巻きにベルト27を巻き付ける場合を例示している。左利きのユーザーの場合であれば、本体10にベルト27を取り付ける際のバックル270の位置を本例とは左右逆にすれば、左巻きにベルト27を巻き付けてセンサユニット1を装着できる。なお、ベルト27の付け替えは、固定用ネジ292を緩めて取付部材21を一旦取り外せば容易に実施できる。
把持部211は、360度近くに渡って途切れなくシャフト50の外周面に接するように構成されている。形成範囲が180度を超えており、シャフト50を把持できる把持部であれば、どのような仕様であっても良い。例えば、180度を超える範囲に渡って形成されている一方、本例の把持部とは相違し、周方向においてシャフト50の外周面と接触していない途切れがあっても良い。
取付部材21を取り外せば、ベルト27の交換も容易である。長期間に渡る使用によってベルト27に傷みが生じてきた場合には、取付部材21を取り外すことで新しいベルト27に交換可能である。また、取付部材21についても同様に交換可能である。
開口部211Aの開口部分、すなわち、径方向外周側からシャフト50を押し当てたときの当接箇所については、表面に凸凹や突起等を設けて表面を粗くしてシャフト50の外周面との接触面積を少なくし、シャフト50が押し当たったときの滑りを良くすることも有効である。この部分の滑りを良くすれば、シャフト50を押し当てることで開口部211Aを比較的容易に押し拡げることができるようになり、把持部211へのシャフト50の押し込みが容易になる。なお、開口部211Aの幅が狭い場合には、手などで開口部211Aを若干押し拡げてシャフト50を挟み込むような状態にした後、把持部211にシャフト50を押し込んでいくと良い。
トレーナー装置3に代えて、専用アプリを組み込んだスマートフォン(多機能型携帯電話)をセンサユニット1と組み合わせることもできる。この場合には、ヘッドスピードやボールスピード等の計測等ができなくなるため一部の機能に制限されるものの、センサユニット1が取得したモーションデータに基づくスイング軌道等については、スマートフォンで閲覧可能である。
取付部材21としては、把持部211の内径等の大きさや内周形状が異なる複数種類を用意しておくことも良い。交換等の必要があれば、両端側の台座部217の固定用ネジ292を緩めることで簡単に交換できる。把持部211の内周形状としては、軸方向に沿って内径が次第に小さくなる末窄まりの形状を採用することもできる。このような末窄まりの内周形状は、テーパー状のシャフトに対して好適である。同様に、内径が段階的に変化する段付きの内周形状を採用しても良く、この場合には、段付きのシャフトの外周面にフィットし易くなる。
例えば、テニスのラケットのシャフト、野球のバット、やり投げ用のやり、自転車のフレーム、自動車エンジンのプロペラシャフトやコンロッドなどにセンサユニット1を取り付ける場合の取付構造に採用することもできる。また、センサユニット1以外の物体、例えばカメラやマイク等を取り付ける際の取付構造とすることもできるし、センサ本体を取り付けるためのセンサホルダを取り付けるといった場合の取付構造にも適用することができる。
(実施例2)
本例は、実施例1の取付構造を基にして、ベルト27等の構成を変更して緩み防止を強化した例である。この内容について、図32〜図40を参照して説明する。
図21及び図30の実施例1のベルト27は、一方の自由端側にバックル270が取り付けられていると共に、把持部221に巻き付けた他方の自由端側をバックル270で折り返して逆向きに巻き付け可能である。このベルト27は、バックル270で折り返した部分である折返バンド部27Tを、把持部211に巻き付けられた内周側の部分である内周バンド部27Nの外周面に面ファスナーテープ279F、Rで固定できる。このように折返バンド部27Tを内周バンド部27Nに固定することで、把持部211を締め付けるベルト27の緩みが未然に回避されている。
これに対して、本例のベルト27は、図32のごとく、2本のベルト部分27A、Eがバックル270によって束ねられたような形状を備えている。このベルト27は、面ファスナーのテープ面279Tが片面に設けられた長い帯状の面ファスナーテープ27Lを元にして、次のように加工して得られる。なお、テープ状の基材の表面片側にフックとループとの両方が立設された面ファスナーテープ27Lの厚さは約2mmとなっている。
図33のごとく、実施例1と同様のバックル270で面ファスナーテープ27Lを折り返したうえ、バックル270に隣接する所定範囲を、例えば超音波接合等により溶着接合する。これにより、インナーベルト27Eとアウターベルト27Aとに分岐するベルトが得られる。本例では、バックル270に隣接する5mm程度の範囲を超音波接合により溶着接合している。
さらに、折返バンド部27Tとなるインナーベルト27Eの先端45mm程度の部分をテープ面279Tを外側にして折り曲げ、テープ面279Tの裏面を対面させるように折り返し、例えば超音波接合等によりその折り返し部分を溶着する(図32、図33)。本例のベルト27は、以上のような手順により製作される。なお、図32、図33、図35、図37、図38では、破線により溶着箇所を示している。また、これらの断面図では、取付部材の基部を省略し把持部211の断面のみを図示することにより簡略化している。
図32のベルト27は、一方の端部側にバックル270が取付けられていると共に、バックル270から他方の端部側に至る途中で分岐してインナーベルト27Eとアウターベルト27Aとに分岐している。折返バンド部27Tとなるインナーベルト27Eの先端部分の表裏両面には、テープ面279Tが形成されている。バックル270の支柱(図20中の符号271)からインナーベルト27E及びアウターベルト27Aの先端までの長さは、いずれも90mm程度となっている。
なお、本例のベルト27では、位置決め構造を構成するベルト孔(図20中の符号275)が省略されている。また、このベルト孔275に対応する強度プレート28の収容孔(図22中の符号280)、及び本体側の位置決め突出部(図22中の符号115)も省略されている。本例の取付構造2では、インナーベルト27Eとアウターベルト27Aとが径方向に二重に重なった部分が、取付部材21と本体10との隙間(厳密には図13中、ケース11のネジ用ボス111に固定された強度プレート28と収容部110の底面との隙間))に配置される。約1.3mm程度の狭いこの隙間に対して、ベルトの二重部分の厚さが4mmとなっており、この二重部分が厚さ方向に圧縮された状態で隙間に配置されることになる。このように狭い隙間に圧縮状態でベルト27を挿通配置することで、ベルト27が長手方向にずれ難くなっており、このような構成によりベルト27の位置決め構造が実現されている。また、インナーベルト27Eの先端部分は面ファスナーテープ27Lの折り返しによって約4mmと厚くなっている一方、反対側はバックル270が取り付けられているので、取付部材21と本体10との隙間からのベルト27の脱落が未然に回避されている。
次に、以上のような構成のベルト27が取り付けられたセンサユニットをゴルフクラブのシャフト50に取り付ける手順を説明する。
まず、実施例1のベルトの巻き付けと同様の手順によってインナーベルト27Eを把持部211の外周に巻き付けてバックル270で折り返す(図34、図35)。テープ面279Tを外周側に向けた状態でインナーベルト27Eを巻き付ければ、把持部21の外周に巻き付けられた内周バンド部27Nの外側表面にテープ面279Tが現れる。バックル270で折り返した先端側の折返バンド部27Tの内周側の表面は、内周バンド部27Nから連なるテープ面279Tとなっている。バックル270で折り返した折返バンド部27Tを引っ張りながら内周バンド部27Nに巻き付けていけば(図36中の丸囲み数字1及び2の手順)、把持部211を締め付けながら内周バンド部27Nの外表面に折返バンド部27Tを接合していくことができる(図37)。なお、ここまでの手順については、実施例1と同様の手順である。
続いて、アウターベルト27Aを把持部21の外周側に巻き付ける(図36中の丸囲み数字3の手順)。把持部21の外周側には、テープ面279Tが外周側を面する状態でインナーベルト27Eが巻き付けられている(図37の状態)。一方、アウターベルト27Aでは、把持部21の外周側に巻き付ける際の内側表面にテープ面279Tが形成されている。アウターベルト27Aを引っ張りながら巻き付けていくと、まず、外周側に露出するインナーベルト27Eの内周バンド部27Nの表面に接合していくことができる(図38)。
上記の通りインナーベルト27Eの先端から約45mmの範囲には表裏両面にテープ面279Tが形成されており、バックル270で折り返した先端側の折返バンド部27Tは、この約45mmの範囲の一部となっている。そのため、アウターベルト27Aをさらに巻き付けていけば、内周バンド部27Nの外周側に接合された折返バンド部27Tの外側表面にアウターベルト27Aを接合でき、これにより、シャフト50に対する取り付けが完了する(図39、図40参照。)。
本例の取付構造2では、折返バンド部27Tの表裏両面に、内周バンド部27Nの外周面、あるいはアウターバンド27Aの内周面が接合されている。これにより、折返バンド部27Tは、表裏両面から固定され、バックル270側に引き込まれ難いようになっている。そのため、使用中において、折返バンド部27Tがバックル270側に引き込まれてベルト27が緩むようなおそれが極めて少なくなっている。
以上のように、本例のベルト27を採用した取付構造であれば、把持部211の外周に巻き付けたベルト27の巻き付け状態を一層確実性高く保持できる。
なお、図34及び図39のようにアウターベルト27Aの先端は、インナーベルト27Eの折返バンド部27Tの外周に当たる部分を越えてバックル270まで到達しており、その内側表面のテープ面279Tは接合に寄与しない。一方、インナーベルト27Eの先端部分の折返バンド部27Tについては、その先端に至るまでアウターベルト27Aあるいは内周バンド部27Nのテープ面279Tとの接合に利用される。そこで、アウターベルト27Aについては、先端部分の角部分がR面取りによって丸められているのに対して、インナーベルト27Eについては、面取りを最小限に抑えて角張った先端形状とするのが良い(図34参照。)。このような先端形状によれば、折返バンド部27Nの接合面積を稼ぐことができ、接合力を高めることができる。
ベルト27の表面のうち、強度プレート(図13の符号28の部材)が接触する部分には、例えばシート状の保護部材を貼付しておくことも良い。保護部材を貼付すれば、強度プレートによるベルトの損傷を未然に防止でき、長期間に渡って使用された際にもこの部分の傷みを抑制できる。特に、強度プレートと接触するベルト部分は、ユーザー側から見えない部分となっている。ユーザー側から見える部分に傷みが生じた場合であれば、ベルト交換等による対処を期待できる一方、見えない部分の傷みが早いとベルト交換前に問題が顕在化するおそれがある。強度プレートと接触するベルト部分に保護部材を配置して他の部分よりも強くすれば、このようなおそれを未然に抑制できる。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 センサユニット(電子機器)
1S ゴルフスイングトレーナーシステム(トレーナーシステム)
10 本体
11 ケース
110 収容部
115 位置決め突出部(突起部)
15 カバー
2 取付構造
21 取付部材
211 把持部
211A 開口部
214 基部
217 台座部(取付部)
27 ベルト(バンド)
27A アウターベルト(アウターバンド)
27E インナーベルト(インナーバンド)
27N 内周バンド部
27T 折返バンド部
270 バックル(連結部)
275 ベルト孔(貫通孔)
28 強度プレート(強度部材)
3 トレーナー装置
5 ゴルフクラブ
50 シャフト
51 グリップ

Claims (26)

  1. 棒状体に対象物を取り付ける取付構造であって、
    棒状体を内側に収容し棒状体の径方向外周側から当該棒状体を把持する把持部と、
    対象物を取り付ける取付部と、
    対象物の脱落を防止するため、前記把持部の外側から当該把持部締め付けるためのバンドと、を備える取付構造。
  2. 請求項1において、前記把持部は、収容した棒状体の外周180度を超える範囲に形成されていると共に、周方向の1箇所に開口部を有している取付構造。
  3. 請求項2において、前記把持部の内周形状は、棒状体の外周形状に沿う形状を呈している取付構造。
  4. 請求項3において、前記把持部の内周形状は、断面円形状を呈する棒状体の外周面に沿う断面円弧状である取付構造。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項において、前記把持部の開口部は、対象物とは反対側に当たる位置に設けられている取付構造。
  6. 請求項5において、前記把持部の断面形状は、前記開口部を介して対称な形状を呈している取付構造。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、前記把持部は、把持した棒状体の外周面に沿うように弾性的に変形する取付構造。
  8. 請求項7において、前記把持部は、弾性ゴム材料よりなり、棒状体に接触する内周面に研磨加工を施したものである取付構造。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、前記バンドは、前記把持部の外周側に巻き付けられる取付構造。
  10. 請求項9において、前記バンドは、対象物を内側にすることなく前記把持部の外周に巻き付けられる取付構造。
  11. 請求項10において、棒状体の軸方向に当たる前記把持部の両側に対象物に対する取付部が延設されている一方、該取付部と前記把持部との間には弾性材料よりなる基部が介設され、前記バンドは、前記基部を内側にして前記把持部の外周に巻き付けられている取付構造。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項において、前記バンドの幅は、棒状体の軸方向に当たる前記把持部の幅と略一致している取付構造。
  13. 請求項9〜11のいずれか1項において、前記バンドは、棒状体の軸方向に並列して複数設けられている取付構造。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項において、前記バンドは、長手方向の中間的な位置で対象物側に係止され、対象物から離れて一対の自由端を有していると共に、一方の自由端側と他方の自由端側とを連結する連結部を備えている取付構造。
  15. 請求項14において、前記バンドは、前記把持部の外周側に巻き付けられており、前記連結部は、前記把持部の外周面に直接あるいは前記バンドを介在して当接している取付構造。
  16. 請求項14又は15において、前記バンドが対象物側に係止される前記中間的な位置を所定位置あるいは所定範囲に規制することで各自由端の長さを決定付ける位置決め構造を含む取付構造。
  17. 請求項14〜16のいずれか1項において、前記把持部の外周側に前記バンドを巻き付けた状態を保持可能である取付構造。
  18. 請求項17において、前記バンドは、前記一方の自由端側に前記連結部が取り付けられていると共に、前記把持部に巻き付けた前記他方の自由端側を前記連結部で折り返して逆向きに巻き付け可能であって、
    前記連結部で折り返した部分である折返バンド部を、前記把持部に巻き付けられた内周側の部分である内周バンド部の外周面に固定することで、前記把持部の外周側に巻き付けた状態を保持する取付構造。
  19. 請求項18において、前記バンドは、前記連結部側から見て該連結部で折り返す箇所の手前で、内周側のインナーバンドと外周側のアウターバンドとに分岐しており、
    前記インナーバンドは、前記連結部で折り返した折返バンド部が前記内周バンド部の外周面に巻き付けられる一方、前記アウターバンドは、前記把持部の外周側に巻き付けられた前記折返バンド部の外周に巻き付けられ、
    前記折返バンド部の表裏両面に対して、それぞれ、前記内周バンド部の外周面及び前記アウターバンドの内周面のいずれかを固定することで、前記把持部の外周側に前記バンドを巻き付けた状態を保持する取付構造。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項において、前記把持部は、弾性的に変形可能な弾性保持構造を介して対象物側に取り付けられている取付構造。
  21. 請求項20において、棒状体の軸方向に当たる前記把持部の両側には、対象物に対する取付部が延設されており、前記弾性保持構造は、前記把持部と前記取付部との間に介在する弾性材料よりなる基部を含んでいる取付構造。
  22. 請求項21において、対象物を内側にすることなく前記把持部の外周に巻き付けられるバンドと、
    対象物側に固定された状態で前記把持部との間に介設される強度部材と、を含み、
    前記バンドは、前記強度部材を内側にして前記把持部に巻き付けられている取付構造。
  23. 請求項22において、棒状体の周方向に当たる前記強度部材の幅は、取付を想定する断面円形状の棒状体の最小直径の70%未満の幅である取付構造。
  24. 請求項22又は23において、前記強度部材には、対象物側から突出する突起部を収容する収容孔が設けられていると共に、前記バンドには、前記突起部を貫通配置するための貫通孔が設けられ、
    前記バンドの貫通孔に貫通する前記突起部によって、前記バンドの長手方向の位置が規制されている取付構造。
  25. 請求項1〜24に記載された取付構造を備え、棒状体に取付可能な対象物としての電子機器。
  26. 請求項25において、棒状体がゴルフクラブのシャフトであり、ゴルフクラブがスイングされたときの動きに関するデータを取得可能な電子機器。
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