一般式(I)による化合物は、体系的に、それぞれ「1,1−(3−ジメチルアミノ−3−フェニルペンタメチレン)−6−フルオロ−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール(トランス)」または「(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミン」と称することができる。
本発明による固体形態において、一般式(I)による化合物は、一般式(I)による化合物および硫酸の酸付加塩の形態において存在する。一般式(I)による化合物および硫酸の固体形態、即ち一般式(I)による化合物および硫酸の酸付加塩の定義には、塩、溶媒和物、共結晶、多形体、非晶質(アモルファス)形態および多構成成分複合形態が含まれる。一般式(I)による化合物の最も塩基性の官能基は、それのN,N−ジメチルアミノ部分であり、これはしたがって、本発明によると好ましくはプロトン化されている。14Nまたは15Nの固体状態NMR、X線回折、IR、DSC、TGA、ラマンおよびXPSなど、化学物質が塩、共結晶形態、結晶性形態としてまたは遊離塩基として、任意選択により各場合においてその溶媒和化形態で存在するかどうか決定する方法は、当業者に知られている。プロトン化の存在を検討するため、溶液中で記録される1H−NMRも使用することができる。
一般式(I)による化合物および硫酸の任意の化学量論比における一般式(I)による化合物および硫酸の固体形態、即ち一般式(I)による化合物および硫酸の酸付加塩は、好ましくは、該本発明固体形態に包含される。
特に、一般式(I)による化合物および硫酸の固体形態、即ち一般式(I)による化合物および硫酸の酸付加塩は、スルフェートおよびヘミスルフェートからなる群、即ち(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4b]インドール]−4−アミンスルフェートおよび(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4b]インドール]−4−アミンヘミスルフェートからなる群から選択される。
本明細書の目的のため、この観点における「スルフェート」は、好ましくは、一般式(I)による化合物が、カウンターイオンとして硫酸水素アニオン(HSO4 −)と一緒に、(1.0±0.2):1.0の化学量論比で、いっそう好ましくは(1.0±0.1):1.0の化学量論比で、特に1.0:1.0の化学量論比で、モノプロトン化モノカチオン形態における本発明による固体形態で存在することを意味する。
本明細書の目的のため、この観点における「ヘミスルフェート」は、好ましくは、一般式(I)による化合物が、カウンターイオンとしてスルフェートジアニオン(SO4 2−)と一緒に、(2.0±0.2):1.0の化学量論比で、いっそう好ましくは(2.0±0.1):1.0の化学量論比で、特に2.0:1.0の化学量論比で、モノプロトン化モノカチオン形態における本発明による固体形態で存在することを意味する。
別段に明記されていない限り、全ての2Θ値は、298K±5Kで決定される1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用して測定されるX線ディフラクトグラムを指す。
別段に明記されていない限り、ppmにおける全ての値は、重量によるppm、即ちppmwを指す。
本発明の一態様は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4b]インドール]−4−アミンスルフェートの固体形態に関する。
本発明の別の態様は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4b]インドール]−4−アミンヘミスルフェートの固体形態に関する。
本発明による固体形態は、非溶媒和物の形態または溶媒和物の形態であってよい結晶性形態または非晶質形態であってよい。
結晶性形態および/または非晶質形態の混合物も、本発明の範囲内に含まれる。
好ましい実施形態において、本発明による固体形態は非晶質形態である。
非晶質形態を調製するための適当な方法は当業者に知られている。例えば、非晶質混合物の非晶質形態は、以下の方法の手段によって得ることができる
i)溶液からの沈殿、
ii)凍結乾燥、
iii)スプレー乾燥、
iv)溶融物押出し、
v)フラッシュ蒸発、
vi)溶融物のクエンチ冷却、
vii)周囲温度または液体窒素温度で粉砕、および/または
viii)毛細管結晶化技術の使用。
好ましい実施形態において、本発明による固体形態は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態、特に(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4b]インドール]−4−アミンスルフェートの結晶性形態または(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4b]インドール]−4−アミンヘミスルフェートの結晶性形態、より好ましくは(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4b]インドール]−4−アミンスルフェートの結晶性形態である。
一部の好ましい実施形態において、本発明による結晶性形態は、9.7±1.0(2Θ)のX線回折ピーク、および/または17.7±1.0(2Θ)でのX線回折ピーク、および/または18.2±1.0(2Θ)でのX線回折ピーク、および/または25.7±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを有する。
上記に指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、各場合で、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。
より好ましくは、本発明による結晶性形態は、9.7±0.7(2Θ)でのX線回折ピーク、および/または17.7±0.7(2Θ)でのX線回折ピーク、および/または18.2±0.7(2Θ)でのX線回折ピーク、および/または25.7±0.7(2Θ)でのX線回折ピークを有する。
いっそう好ましくは、本発明による結晶性形態は、9.7±0.5(2Θ)でのX線回折ピーク、および/または17.7±0.5(2Θ)でのX線回折ピーク、および/または18.2±0.5(2Θ)でのX線回折ピーク、および/または25.7±0.5(2Θ)でのX線回折ピークを有する。
好ましくは、前記X線回折ピーク(単数または複数)は、少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%、さらに好ましくは少なくとも30%、なおより好ましくは少なくとも40%、最も好ましくは少なくとも45%、および特に少なくとも50%の相対強度を示す。
別の好ましい実施形態において、本発明による結晶性形態は、
10±4(2Θ)、18±4(2Θ)、26±4(2Θ)および34±4(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピーク(CuKα線)、
好ましくは、10±3(2Θ)、18±3(2Θ)、26±3(2Θ)および34±3(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピーク(CuKα線)、
より好ましくは、10±2(2Θ)、18±2(2Θ)、26±2(2Θ)および34±2(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピーク(CuKα線)、
いっそう好ましくは、10±1(2Θ)、18±1(2Θ)、26±1(2Θ)および34±1(2Θ)、(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピーク(CuKα線)、
特に、9.7±1.0(2Θ)、17.7±1.0(2Θ)、18.2±1.0(2Θ)および25.7±1.0(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピーク(CuKα線)
を有する。
好ましくは、本発明による結晶性形態は、916±5cm−1、1002±5cm−1、1028±5cm−1、1569±5cm−1、1583±5cm−1、2980±5cm−1および/または3076±5cm−1に1つまたは複数のラマンバンドを有し、好ましくは916±5cm−1、1002±5cm−1、1028±5cm−1、1569±5cm−1、1583±5cm−1、2980±5cm−1および3076±5cm−1からなる群から選択される少なくとも2つのラマンバンドを有する。
好ましい実施形態において、本発明による結晶性形態は、916±5cm−1、1002±5cm−1、1028±5cm−1、1569±5cm−1、1583±5cm−1、2980±5cm−1および3076±5cm−1からなる群から選択される少なくとも3つのラマンバンドを有する。殊に好ましい実施形態において、本発明による結晶性形態は、これらのバンドの少なくとも4つ、いっそう好ましくは少なくとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6つを有し、特にこれらのバンドの7つ全てを有する。
別の好ましい実施形態において、本発明による結晶性形態は、
1000±750cm−1、および/または3000±750cm−1での1つまたは複数のラマンバンド、
好ましくは、1000±250cm−1、1500±250cm−1、および/または3000±250cm−1での1つまたは複数のラマンバンド、
より好ましくは、916±40cm−1、1002±40cm−1、1028±40cm−1、1569±40cm−1、1583±40cm−1、2980±40cm−1および/または3076±40cm−1での1つまたは複数のラマンバンド、
特に、916±5cm−1、1002±5cm−1、1028±5cm−1、1569±5cm−1、1583±5cm−1、2980±5cm−1および/または3076±5cm−1での1つまたは複数のラマンバンド
を有する。
本発明による固体形態は、非溶媒和物または溶媒和物であってよい。そのため、本発明による結晶性形態は、非溶媒和物または溶媒和物であってよい。
好ましい実施形態において、固体形態、好ましくは結晶性形態は、非溶媒和物である。
好ましい実施形態において、非溶媒和物形態は、任意の溶媒を含有していない。
別の好ましい実施形態において、非溶媒和物形態は、水を最大1.5wt.−%まで含有してよい。
別の好ましい実施形態において、非溶媒和物形態は、任意の不純物を含有していない。
本発明の意味における不純物は、式(I)による化合物の合成および/またはその本発明固体形態の合成において用いられた試薬もしくはその分解生成物、または(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4b]インドール]−4−アミンもしくは硫酸の分解生成物もしくは反応生成物と理解することができる。
別の好ましい実施形態において、固体形態、好ましくは結晶性形態は、溶媒和物である。好ましくは、溶媒和物は、水和物、1,4−ジオキサンの溶媒和物、ピリジンの溶媒和物、ジメチルスルホキシド、n−メチルピロリドン、酢酸、プロピオン酸、テトラヒドロフランおよびトルエン、またはそれらの混合物からの溶媒和物から選択される。より好ましくは、溶媒和物は、水和物、ジメチルスルホキシド、n−メチルピロリドン、酢酸、またはそれらの混合物からの溶媒和物から選択される。特に好ましい溶媒和物は水和物である。
好ましい実施形態において、溶媒和物形態は任意の不純物を含有しない。
本発明の別の態様は、固体形態、特に本発明による結晶性形態を生成するためのプロセスに関する。
好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−1)遊離塩基の溶液または懸濁液から、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのスルフェート塩またはヘミスルフェート塩を沈殿させるステップ
を含む。
本明細書の目的のため、「遊離塩基」は、好ましくは、一般式(I)による化合物が塩の形態で存在しないこと、特に酸付加塩の形態で存在しないことを意味する。
当業者に知られている従来の溶媒は、溶液または懸濁液、好ましくはこの型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、DMSO、NMP、酢酸、酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物、アセトンおよびTHFの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびにTHFおよびDMSOの混合物である。
殊に好ましい実施形態において、一般式(I)による化合物の遊離塩基を溶解させるための有機溶媒は、アセトンおよびTHFの混合物である。好ましくは、アセトンおよびTHFとの間の比は、30:1から1:30の範囲内、より好ましくは15:1から1:15の範囲内(体積/体積、即ちv/v)である。
ステップ(a−1)は、硫酸の添加によって実施することができる。
好ましい実施形態において、硫酸は溶液の形態で添加される。
好ましい実施形態において、溶液は水性溶媒中の硫酸の溶液、即ち硫酸の水溶液である。
別の好ましい実施形態において、溶液は、有機溶媒中の硫酸の溶液であり、殊に好ましいのは、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール、ならびにジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒドロフラン1,4−ジオキサンなどのエーテル、または酢酸およびプロピオン酸などの炭酸である。
好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有する。
別の特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有しない。
特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液は水溶液であり、遊離塩基の溶液は、遊離塩基が溶解している有機溶媒である。
好ましくは、該溶液は、0.01mol/Lから15mol/Lの範囲内、より好ましくは0.02mol/Lから12.5mol/Lの範囲内、さらに好ましくは0.05mol/Lから10mol/Lの範囲内、なおより好ましくは0.1mol/Lから7.5mol/Lの範囲内、最も好ましくは0.2mol/Lから10mol/Lの範囲内、および特に0.3mol/Lから5mol/Lの範囲内の濃度で硫酸を含有する。
好ましくは、硫酸は、特にスルフェート塩を形成するために、モル過剰の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
別の好ましい実施形態において、硫酸は、特にヘミスルフェート塩を形成するために、遊離塩基のモル量より低いモル量の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、さらに好ましくは少なくとも5分、なおより好ましくは少なくとも10分、最も好ましくは少なくとも20分、および特に少なくとも30分の期間の間撹拌される。
好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも18時間、最も好ましくは少なくとも1日、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、最大でも1日、好ましくは最大でも12時間、より好ましくは最大でも6時間、さらに好ましくは最大でも2時間、なおより好ましくは最大でも60分、および最も好ましくは最大でも45分、および特に最大でも30分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−1) ステップ(a−1)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−1) ステップ(b−1)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、空気下、窒素流下またはアルゴン流下で行われる。
別の好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で行われる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−1)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−2) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に溶解させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、酢酸、NMP、DMSO、THFおよびDMSOの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミド(DMAc)の混合物である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−2)は、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点以下の温度で、より好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましい実施形態において、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−2) ステップ(a−2)で得られる溶液の溶媒を蒸発させるステップ
を含む。
溶媒を蒸発させるための適当な方法は当業者に知られている。好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は、空気中、空気流中、または不活性ガス流中、特にアルゴンもしくは窒素流中で蒸発させる。しかしながら、真空下で、例えばロータリーエバポレーターの手段によって溶媒を蒸発させることも可能である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は室温で蒸発させる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、さらに、
(b−2’) ステップ(a−2)で得られる溶液から、好ましくは沈殿剤の添加によって、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを沈殿させるステップ
を含む。
沈殿の適当な方法は当業者に知られている。本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得られる溶液の体積を低減することによって、および/または好ましくは最大でも15℃、より好ましくは最大でも10℃、いっそう好ましくは最大でも4〜8℃の温度に溶液を冷却することによって、および/またはステップ(a−2)による温度より低い、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも30℃、いっそう好ましくは少なくとも60℃の温度に溶液を冷却することによって実施することができる。
好ましい実施形態において、ステップ(b−2’)は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない(「逆溶媒」anti−solvent)媒体をステップ(a−2)で得られる溶液に添加することによって実施される。前記媒体は、好ましくは、酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルなどのエーテル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;アセトニトリルなどのニトリル;ピリジン、酢酸および水、ならびにDMSOからなる群から選択される。特に好ましいのは、DMSO、2−ブタノン(MEK)、2−プロパノールおよび水であり、殊に好ましいのは、2−ブタノン(MEK)および2−プロパノールである。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、それの添加で、溶解した構成成分の沈殿が開始するような方式で選択される。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体の合計量は、いくつかの分量、好ましくは2つまたは3つの分量に分割することもできる。この実施形態において、溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、最後の分量を添加した後で開始する。
溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、沈殿剤、好ましくは沈殿剤の合計量を添加した直後に開始するか、または別法として2秒から120分遅延して開始するかのいずれかである。好ましくは、溶解した構成成分の沈殿は、最大でも90分、より好ましくは最大でも60分、さらに好ましくは最大でも30分、いっそう好ましくは最大でも5分、最も好ましくは最大でも60秒、および特に最大でも10秒の期間内で開始する。
さらに、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、溶解した構成成分が完全に沈殿するような方式、または初期量の少なくとも最大90%までが、逆溶媒を完全に添加した後最大でも90分、より好ましくは最大でも80分、さらに好ましくは最大でも70分、および最も好ましくは最大でも60分の期間内に沈殿するような方式で選択される。
ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得た溶液を、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない溶媒を含有する雰囲気に曝露することによって、即ち蒸気拡散結晶化技法によって実施することもできる。
この実施形態において、好ましくはジクロロメタンがステップ(a−2)中の溶媒として選択され、ステップ(a−2)で得られる溶液は、好ましくは、ヘキサンを含有する雰囲気に曝露される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2)またはそれぞれステップ(b−2’)の後、全ての他のステップは、40から0℃の間、好ましくは35から5℃の間、より好ましくは25から15℃の間の温度で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)で得られる懸濁液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、および最も好ましくは少なくとも5分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−2’) ステップ(b−2’)で得られる沈殿物を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(d−2’) ステップ(c−2’)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(d−2’)は、空気下、またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行われる。しかしながら、得られる結晶性形態に依存して、昇温で、例えば20℃から60℃の範囲内で溶媒を蒸発させることも可能である。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−3) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に懸濁させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の懸濁液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、メタノールなどのアルコールまたは水であり、特に好ましいのはメタノールなどのアルコールである。
好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない、より好ましくは90℃より高くない、さらに好ましくは80℃より高くない、なおより好ましくは60℃より高くない、最も好ましくは40℃より高くない温度で、および特に15〜35℃の温度範囲で実施される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、100〜40℃、より好ましくは90〜50℃、および最も好ましくは85〜60℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−3)で得られる懸濁液は、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも16時間、最も好ましくは少なくとも24時間、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−3) ステップ(a−3)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−3) ステップ(b−3)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行うことができる。しかしながら、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で乾燥するのが好ましい。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−4) 2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールおよび4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体を、任意選択により酸付加塩の形態で、反応媒体として炭酸中にて硫酸の存在下で反応させることで、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェート、好ましくはヒドロスルフェートを形成するステップ
を含む。
4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンの保護誘導体は、好ましくは、本発明の意味において、前記化合物のケト基が適当な保護基によって保護されている4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンの誘導体が、例えばエチレングリコール基の形態で存在することを意味する。本発明による反応ステップ(a−4)はオキサ−Pictet−Spengler反応であり、これは、例えばS.−Y.Chou ら、Heterocycles 2003、60、1095およびM.Zottら、Tetrahedron: Asymmetry 1993、4、2307(非特許文献2)から知られている。
任意の適当な炭酸は、本発明によるステップ(a−4)における反応媒体として働くことができる。反応媒体は、好ましくは、用いられる出発材料、即ち化合物2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールおよび4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のための溶媒として、好ましくは硫酸のための溶媒としても働く。
好ましくは、本発明によるステップ(a−4)における反応媒体として用いられる炭酸は、室温で液状形態である。
好ましくは、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、アクリル酸およびメタクリル酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、ステップ(a)における反応媒体として用いられる炭酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸およびプロピオン酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましいのは酢酸およびプロピオン酸である。最も好ましいのは酢酸である。
本発明の特に好ましい実施形態において、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸は酢酸である。
本発明の別の特に好ましい実施形態において、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸はプロピオン酸である。
好ましくは、反応媒体としての炭酸は、ステップ(a−4)において、重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量で用いられる。例えば、もしも出発材料が各々200mg用いられるならば、反応媒体としての炭酸は、1gから12gの範囲である重量による量で用いられる。より好ましくは、反応媒体としての炭酸は、ステップ(a−4)において、重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より7倍から50倍、いっそう好ましくは10倍から45倍、さらに好ましくは12倍から40倍、特に15倍から35倍、および最も好ましくは20倍から30倍高い範囲である重量による量で用いられる。
好ましくは、促進剤としての硫酸は、ステップ(a−4)において、各場合に2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のいずれかのモル量に対して1.05当量から2.00当量、好ましくは1.10当量から1.90当量、より好ましくは1.10当量から1.70当量、いっそう好ましくは1.10当量から1.50当量、さらに好ましくは1.10当量から1.40当量、特に1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられる。
好ましくは、本発明プロセスによるステップ(a−4)において用いられる硫酸は、ステップ(a−4)において用いられる反応媒体中で可溶性、好ましくは室温で可溶性である。
ステップ(a−4)の反応時間は、例えば温度、化学量論、反応させる化合物の性質、または反応媒体の性質などの様々なパラメータに依存して変動してよく、予備試験を使用する当業者によって当該プロセスのために決定することができる。好ましくは、ステップ(a)を行う反応時間は、24時間を超えず、より好ましくは18時間を超えない。いっそう好ましくは、反応時間は、1時間から20時間の範囲であり、さらに好ましくは2時間から18時間の範囲であり、特に3時間から16時間の範囲であり、最も好ましいのは4時間から10時間の範囲である。
好ましくは、反応混合物の撹拌はステップ(a−4)で行われる。
ステップ(a−4)が行われる反応温度は、例えば反応時間、化学量論、反応させる化合物の性質、または反応媒体の性質などの様々なパラメータに依存して変動してよく、予備試験を使用する当業者によって当該プロセスのために決定することができる。好ましくは、本発明プロセスのステップ(a−4)が行われる反応温度は、20℃から100℃の範囲であり、より好ましくは30℃から90℃の範囲であり、いっそう好ましくは40℃から80℃の範囲であり、さらに好ましくは40℃から60℃の範囲である。本発明の別の好ましい実施形態において、本発明プロセスのステップ(a−4)が行われる反応温度は、少なくとも30℃、好ましくは少なくとも40℃、より好ましくは少なくとも50℃である。
特に好ましい実施形態において、
○硫酸は、ステップ(a−4)において、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のモル量に対して1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられ、
○ステップ(a)において用いられる反応媒体としての少なくとも1種の炭酸は、好ましくは重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量における酢酸またはプロピオン酸である。
非常に特に好ましい実施形態において、
○硫酸は、ステップ(a−4)において、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のモル量に対して1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられ、
○ステップ(a)において用いられる反応媒体としての少なくとも1種の炭酸は、好ましくは重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量における酢酸またはプロピオン酸であり、
○ステップ(a)が行われる反応温度は、40℃から80℃の範囲、好ましくは40℃から60℃の範囲であり、
○ステップ(a)の反応時間は、3時間から16時間の範囲である。
好ましくは、式(I)による化合物および硫酸の固体形態は、ステップ(a−4)の実行中に反応混合物から沈殿し、したがって、ステップ(a−4)から沈殿物として、好ましくは反応混合物の濾過によって、即ち沈殿物を分離、好ましくは濾別することによって得ることができる。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−4) ステップ(a−4)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
ステップ(b−4)から得られる固体は、任意選択により、例えば
(c−4) 任意選択により、ステップ(a−2)および(b−2)もしくは(b−2’)を行うか、またはステップ(a−3)および(b−3)を行うことによって
精製することができる。
ステップ(b−4)から得られる固体は、任意選択によりさらに、当業者によく知られている方式で、例えば適当な溶媒からの再結晶化によって再結晶化することができる。別法として、得られる固体は、クロマトグラフィー分割にかけることもできる。
適当な溶媒は、予備試験を使用する当業者によって決定することができ、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド(DMSO);酢酸およびプロピオン酸などの炭酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などの溶媒が挙げられる。特に好ましいのは、酢酸、DMSOおよび酢酸の混合物、THFおよびDMSOの混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物である。当業者によく知られている再結晶化技法には、例えば、最初にステップ(a)から得られる酸付加塩を適当な溶媒中に溶解させること、任意選択により混合物を加熱すること、続いて、好ましくは別の媒体の添加によって前記酸付加塩を沈殿させること、または続いて、溶解のために用いられる溶媒を蒸発させることが含まれる。
本発明のさらなる態様は、固体形態、好ましくは(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートの結晶性形態、より好ましくは上に記載されている通りのプロセスによって得られる(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートの結晶性形態に関する。
以下において、「結晶性形態」への任意の言及は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートの結晶性形態、または(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンヘミスルフェートの結晶性形態を指す。
本発明のさらなる態様は、結晶性形態Aに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Aは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェート、好ましくはその溶媒和物、より好ましくは水和物、特に一水和物である。
好ましくは、本発明による結晶性形態Aは、7.3±0.2(2Θ)、9.2±0.2(2Θ)、18.0±0.2(2Θ)、18.5±0.2(2Θ)、21.3±0.2(2Θ)および25.6±0.2(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピークを有する。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、7.3±0.2(2Θ)、9.2±0.2(2Θ)、18.0±0.2(2Θ)、18.5±0.2(2Θ)および/または21.3±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、18.0±0.2(2Θ)、18.5±0.2(2Θ)および/または21.3±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、18.5±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。
一部の好ましい実施形態において、結晶性形態Aは、7.3±0.2(2Θ)、9.2±0.2(2Θ)、18.0±0.2(2Θ)、18.5±0.2(2Θ)、21.3±0.2(2Θ)、25.6±0.2(2Θ)、および任意選択により14.6±0.2(2Θ)および30.0±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。
本発明による結晶性形態Aは、追加として、15.7±0.2(2Θ)、19.4±0.2(2Θ)、21.0±0.2(2Θ)、25.4±0.2(2Θ)、27.8±0.2(2Θ)、29.0±0.2(2Θ)、および33.9±0.2(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができる。
さらに、本発明による結晶性形態Aは、1つまたは複数のX線回折ピークが7.3±0.2(2Θ)、9.2±0.2(2Θ)、18.0±0.2(2Θ)、18.5±0.2(2Θ)、21.3±0.2(2Θ)および25.6±0.2(2Θ)からなる群から選択され、任意選択により1つまたは複数のX線回折ピークが14.6±0.2(2Θ)、15.7±0.2(2Θ)、19.4±0.2(2Θ)、21.0±0.2(2Θ)、25.4±0.2(2Θ)、27.8±0.2(2Θ)、29.0±0.2(2Θ)、30.0±0.2(2Θ)および33.9±0.2(2Θ)からなる群から選択されるだけでなく、それが追加として、20.7±0.2(2Θ)、21.8±0.2(2Θ)、23.2±0.2(2Θ)、24.6±0.2(2Θ)、25.0±0.2(2Θ)、26.5±0.2(2Θ)、27.0±0.2(2Θ)および29.5±0.2(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができることを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Aは、さらに、7.3±0.2(2Θ)、9.2±0.2(2Θ)、18.0±0.2(2Θ)、18.5±0.2(2Θ)、21.3±0.2(2Θ)および25.6±0.2(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピーク、ならびに任意選択により14.6±0.2(2Θ)、15.7±0.2(2Θ)、19.4±0.2(2Θ)、21.0±0.2(2Θ)、25.4±0.2(2Θ)、27.8±0.2(2Θ)、29.0±0.2(2Θ)、30.0±0.2(2Θ)および33.9±0.2(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピーク、ならびにさらに任意選択により20.7±0.2(2Θ)、21.8±0.2(2Θ)、23.2±0.2(2Θ)、24.6±0.2(2Θ)、25.0±0.2(2Θ)、26.5±0.2(2Θ)、27.0±0.2(2Θ)および29.5±0.2(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピークだけでなく、それが追加として、16.8±0.2(2Θ)、20.3±0.2(2Θ)、23.7±0.2(2Θ)、27.4±0.2(2Θ)、28.2±0.2(2Θ)、32.4±0.2(2Θ)、32.9±0.2(2Θ)および34.4±0.2(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができることを特徴とすることができる。
全ての2Θ値は、1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用して測定されるX線ディフラクトグラムを指す。
DSC分析において、本発明による結晶性形態Aは、好ましくは、
好ましくは169〜179℃、205〜215℃および231〜241℃にピーク温度、より好ましくは170〜178℃、206〜214℃および232〜240℃にピーク温度、いっそう好ましくは171〜177℃、207〜213℃および233〜239℃にピーク温度、なおいっそう好ましくは172〜176℃、208〜212℃および234〜238℃にピーク温度を有する複数の吸熱事象を示し、
237〜247℃の範囲に、好ましくは238〜246℃の範囲に、より好ましくは239〜245℃の範囲に、いっそう好ましくは240〜244℃の範囲に、なおより好ましくは241〜243℃の範囲にピーク温度を有する発熱事象を示す。
本発明による結晶性形態Aはさらに、それが、916±2cm−1、1002±2cm−1、1028±2cm−1、1571±2cm−1、1583±2cm−1、2983±2cm−1および3074±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Aはさらに、それが、916±2cm−1、1002±2cm−1、1028±2cm−1、1571±2cm−1、1583±2cm−1、2983±2cm−1および3074±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンド、ならびに/または173±2cm−1、684±2cm−1、925±2cm−1、1298±2cm−1および1464±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Aはさらに、それが、916±2cm−1、1002±2cm−1、1028±2cm−1、1571±2cm−1、1583±2cm−1、2983±2cm−1、3074±2cm−1、173±2cm−1、684±2cm−1、925±2cm−1、1298±2cm−1および1464±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Aはさらに、それが、204±2cm−1、370±2cm−1、490±2cm−1、597±2cm−1、620±2cm−1、826±2cm−1、886±2cm−1、1115±2cm−1、1164±2cm−1、1197±2cm−1、1219±2cm−1、1265±2cm−1、1374±2cm−1、1442±2cm−1、2906±2cm−1、2925±2cm−1および2957±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Aはさらに、それが、538±2cm−1、786±2cm−1、1629±2cm−1および2852±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明の別の態様は、上に記載されている結晶性形態Aを生成するためのプロセスに関する。
好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−1) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのスルフェート塩またはヘミスルフェート塩を、遊離塩基の溶液または懸濁液から沈殿させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、溶液または懸濁液、好ましくはこの型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。
好ましくは、該溶媒は、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
殊に好ましいのは、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、およびそれらの混合物、特にTHF/水、THF/アセトンおよびアセトン/水の混合物からなる群から選択される溶媒である。最も好ましいのは、THFおよびアセトンの混合物である。
ステップ(a−1)は、硫酸の添加によって実施することができる。
好ましい実施形態において、溶液は水性溶媒中の硫酸の溶液、即ち硫酸の水溶液である。
別の好ましい実施形態において、溶液は、有機溶媒中の硫酸の溶液であり、殊に好ましいのは、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール、ならびにジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒドロフラン1,4−ジオキサンなどのエーテル、または酢酸およびプロピオン酸などの炭酸である。
好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有する。
別の特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有しない。
特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液は水溶液であり、遊離塩基の溶液は、遊離塩基が溶解している有機溶媒である。
好ましくは、硫酸含有水溶液は、アセトンおよびTHF中の遊離塩基の溶液に添加される。
好ましくは、該水溶液は、0.01mol/Lから15mol/Lの範囲内、より好ましくは0.02mol/Lから12.5mol/Lの範囲内、さらに好ましくは0.05mol/Lから10mol/Lの範囲内、なおより好ましくは0.1mol/Lから7.5mol/Lの範囲内、最も好ましくは0.2mol/Lから10mol/Lの範囲内、および特に0.3mol/Lから5mol/Lの範囲内の濃度で硫酸を含有する。
好ましくは、硫酸は、特にスルフェート塩を形成するために、モル過剰の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、さらに好ましくは少なくとも5分、なおより好ましくは少なくとも10分、最も好ましくは少なくとも20分、および特に少なくとも30分の期間の間撹拌される。
好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも18時間、最も好ましくは少なくとも1日、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、最大でも1日、好ましくは最大でも12時間、より好ましくは最大でも6時間、さらに好ましくは最大でも2時間、なおより好ましくは最大でも60分、および最も好ましくは最大でも45分、および特に最大でも30分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−1) ステップ(a−1)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−1) ステップ(b−1)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行われる。
別の好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で行われる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−1)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−2) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に溶解させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−2)は、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点以下の温度で、より好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましい実施形態において、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−2) ステップ(a−2)で得られる溶液の溶媒を蒸発させるステップ
を含む。
溶媒を蒸発させるための適当な方法は当業者に知られている。好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は、空気中、空気流中、または不活性ガス流中、特にアルゴンもしくは窒素流中で蒸発させる。しかしながら、真空下で、例えばロータリーエバポレーターの手段によって溶媒を蒸発させることも可能である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は室温で蒸発させる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、さらに、
(b−2’) ステップ(a−2)で得られる溶液から、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを沈殿させるステップ
を含む。
沈殿の適当な方法は当業者に知られている。本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得られる溶液の体積を低減することによって、および/または好ましくは最大でも15℃、より好ましくは最大でも10℃、いっそう好ましくは最大でも4〜8℃の温度に溶液を冷却することによって、および/またはステップ(a−2)による温度より低い、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも30℃、いっそう好ましくは少なくとも60℃の温度に溶液を冷却することによって実施することができる。
好ましい実施形態において、ステップ(b−2’)は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない(「逆溶媒」)媒体をステップ(a−2)で得られる溶液に添加することによって実施される。前記媒体は、好ましくは、酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルなどのエーテル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;アセトニトリルなどのニトリル;ピリジン、酢酸および水、ならびにDMSOからなる群から選択される。特に好ましいのは、DMSO、2−ブタノン(MEK)、2−プロパノールおよび水であり、殊に好ましいのは、2−ブタノン(MEK)および2−プロパノールである。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、それの添加で、溶解した構成成分の沈殿が開始するような方式で選択される。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体の合計量は、いくつかの分量、好ましくは2つまたは3つの分量に分割することもできる。この実施形態において、溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、最後の分量を添加した後で開始する。
溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、沈殿剤、好ましくは沈殿剤の合計量を添加した直後に開始するか、または別法として2秒から120分遅延して開始するかのいずれかである。
ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得られる溶液を、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない溶媒を含有する雰囲気に曝露することによって実施することもできる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2)またはそれぞれステップ(b−2’)の後、全ての他のステップは、40℃から0℃の間、好ましくは35℃から5℃の間、より好ましくは25℃から15℃の間の温度で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)で得られる懸濁液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、および最も好ましくは少なくとも5分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−2’) ステップ(b−2’)で得られる沈殿物を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(d−2’) ステップ(c−2’)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(d−2’)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行われる。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−3) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に懸濁させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の懸濁液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、メタノールなどのアルコールまたは水であり、特に好ましいのはメタノールなどのアルコールである。
好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない、より好ましくは90℃より高くない、さらに好ましくは80℃より高くない、なおより好ましくは60℃より高くない、最も好ましくは40℃より高くない温度で、および特に15〜35℃の温度範囲で実施される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、100〜40℃、より好ましくは90〜50℃、および最も好ましくは85〜60℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−3)で得られる懸濁液は、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも16時間、最も好ましくは少なくとも24時間、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−3) ステップ(a−3)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−3) ステップ(b−3)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行うことができる。しかしながら、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で乾燥するのが好ましい。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
最も好ましいは、結晶性形態Aを調製するためのステップ(a−1)および(b−1)を含むプロセスである。
本発明のさらなる態様は、上に記載されている通りのプロセスによって得られる結晶性形態Aに関する。
本発明のさらなる態様は結晶性形態Bに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Bは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェート、好ましくはその非溶媒和物である。
好ましくは、本発明による結晶性形態Bは、10.2±0.2(2Θ)、15.8±0.2(2Θ)、17.5±0.2(2Θ)、17.7±0.2(2Θ)、18.4±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)、22.8±0.2(2Θ)、および25.9±0.2(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折(CuKα線)を有する。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、15.8±0.2(2Θ)、17.5±0.2(2Θ)、17.7±0.2(2Θ)、18.4±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)、22.8±0.2(2Θ)および/または25.9±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、15.8±0.2(2Θ)、17.5±0.2(2Θ)、17.7±0.2(2Θ)、18.4±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)および/または22.8±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、15.8±0.2(2Θ)、17.5±0.2(2Θ)、17.7±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)および/または22.8±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、17.5±0.2(2Θ)、17.7±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)および/または22.8±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、17.5±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)および/または22.8±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、17.7±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)および/または22.8±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、17.5±0.2(2Θ)および/または22.8±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、17.5±0.2(2Θ)および/または22.8±0.2(2Θ)でのX線回折ピークを含む。
一部の好ましい実施形態において、結晶性形態Bは、10.2±0.2(2Θ)、15.8±0.2(2Θ)、17.5±0.2(2Θ)、17.7±0.2(2Θ)、18.4±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)、22.8±0.2(2Θ)、および25.9±0.2(2Θ)、および任意選択により22.5±0.2(2Θ)、23.1±0.2(2Θ)および27.9±0.2(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピーク(CuKα線)を含む。
本発明による結晶性形態Bは、追加として、11.4±0.2(2Θ)、14.5±0.2(2Θ)、17.1±0.2(2Θ)、18.9±0.2(2Θ)、19.2±0.2(2Θ)、26.9±0.2(2Θ)、および27.2±0.2(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができる。
さらに、本発明による結晶性形態Bは、1つまたは複数のX線回折ピークが10.2±0.2(2Θ)、15.8±0.2(2Θ)、17.5±0.2(2Θ)、17.7±0.2(2Θ)、18.4±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)、22.8±0.2(2Θ)および25.9±0.2(2Θ)からなる群から選択され、任意選択により1つまたは複数のX線回折ピークが11.4±0.2(2Θ)、14.5±0.2(2Θ)、17.1±0.2(2Θ)、18.9±0.2(2Θ)、19.2±0.2(2Θ)、22.5±0.2(2Θ)、23.1±0.2(2Θ)、26.9±0.2(2Θ)、27.2±0.2(2Θ)、27.9±0.2(2Θ)からなる群から選択されるだけでなく、それが追加として、7.7±0.2(2Θ)、21.0±0.2(2Θ)、21.7±0.2(2Θ)、25.2±0.2(2Θ)、26.6±0.2(2Θ)、27.4±0.2(2Θ)、28.4±0.2(2Θ)および32.2±0.2(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができることを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Bは、さらに、10.2±0.2(2Θ)、15.8±0.2(2Θ)、17.5±0.2(2Θ)、17.7±0.2(2Θ)、18.4±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)、22.8±0.2(2Θ)および25.9±0.2(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピーク、ならびに任意選択により11.4±0.2(2Θ)、14.5±0.2(2Θ)、17.1±0.2(2Θ)、18.9±0.2(2Θ)、19.2±0.2(2Θ)、22.5±0.2(2Θ)、23.1±0.2(2Θ)、26.9±0.2(2Θ)、27.2±0.2(2Θ)、27.9±0.2(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピーク、ならびにさらに任意選択により7.7±0.2(2Θ)、21.0±0.2(2Θ)、21.7±0.2(2Θ)、25.2±0.2(2Θ)、26.6±0.2(2Θ)、27.4±0.2(2Θ)、28.4±0.2(2Θ)および32.2±0.2(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピークだけでなく、それが追加として、8.8±0.2(2Θ)、9.9±0.2(2Θ)、13.9±0.2(2Θ)、19.9±0.2(2Θ)、22.0±0.2(2Θ)、23.9±0.2(2Θ)、26.2±0.2(2Θ)、29.3±0.2(2Θ)、30.6±0.2(2Θ)、31.4±0.2(2Θ)、33.0±0.2(2Θ)、33.2±0.2(2Θ)および33.7±0.2(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができることを特徴とすることができる。
全ての2Θ値は、1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用して測定されるX線ディフラクトグラムを指す。
DSC分析において、本発明による結晶性形態Bは、好ましくは、
247〜257℃の範囲に、好ましくは248〜256℃の範囲に、より好ましくは249〜255℃の範囲に、いっそう好ましくは250〜254℃の範囲に、なおより好ましくは251〜253℃の範囲にピーク温度を有する吸熱事象を示し、
250〜260℃の範囲に、好ましくは251〜259℃の範囲に、より好ましくは252〜258℃の範囲に、いっそう好ましくは253〜257℃の範囲に、なおより好ましくは254〜256℃の範囲にピーク温度を有する発熱事象を示す。
本発明による結晶性形態Bはさらに、それが、916±2cm−1、1002±2cm−1、1028±2cm−1、1308±2cm−1、1567±2cm−1、1584±2cm−1、2978±2cm−1および3078±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Bはさらに、それが、916±2cm−1、1002±2cm−1、1028±2cm−1、1308±2cm−1、1567±2cm−1、1584±2cm−1、2978±2cm−1および3078±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンド、ならびに/または175±2cm−1、686±2cm−1、928±2cm−1、1467±2cm−1および2985±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Bはさらに、それが、916±2cm−1、1002±2cm−1、1028±2cm−1、1308±2cm−1、1567±2cm−1、1584±2cm−1、2978±2cm−1、3078±2cm−1、175±2cm−1、686±2cm−1、928±2cm−1、1467±2cm−1および2985±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Bはさらに、それが、187±2cm−1、205±2cm−1、370±2cm−1、599±2cm−1、621±2cm−1、821±2cm−1、1008±2cm−1、1221±2cm−1、1295±2cm−1、1370±2cm−1、1442±2cm−1、1452±2cm−1、1601±2cm−1、2913±2cm−1、2956±2cm−1、3038±2cm−1および3059±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Bはさらに、それが、254±2cm−1、275±2cm−1、396±2cm−1、413±2cm−1、433±2cm−1、703±2cm−1、886±2cm−1、1050±2cm−1、1113±2cm−1、1133±2cm−1、1167±2cm−1、1201±2cm−1、1266±2cm−1、1625±2cm−1および2940±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明の別の態様は、上に記載されている結晶性形態Bを生成するためのプロセスに関する。
好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−1) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのスルフェート塩またはヘミスルフェート塩を、遊離塩基の溶液または懸濁液から沈殿させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、溶液または懸濁液、好ましくはこの型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。
ステップ(a−1)は、硫酸の添加によって実施することができる。
好ましい実施形態において、硫酸は溶液の形態で添加される。
好ましい実施形態において、溶液は水性溶媒中の硫酸の溶液、即ち硫酸の水溶液である。
別の好ましい実施形態において、溶液は、有機溶媒中の硫酸の溶液であり、殊に好ましいのは、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール、ならびにジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒドロフラン1,4−ジオキサンなどのエーテル、または酢酸およびプロピオン酸などの炭酸である。
好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有する。
別の特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有しない。
特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液は水溶液であり、遊離塩基の溶液は、遊離塩基が溶解している有機溶媒である。
好ましくは、該溶液は、0.01mol/Lから15mol/Lの範囲内、より好ましくは0.02mol/Lから12.5mol/Lの範囲内、さらに好ましくは0.05mol/Lから10mol/Lの範囲内、なおより好ましくは0.1mol/Lから7.5mol/Lの範囲内、最も好ましくは0.2mol/Lから10mol/Lの範囲内、および特に0.3mol/Lから5mol/Lの範囲内の濃度で硫酸を含有する。
好ましくは、硫酸は、特にスルフェート塩を形成するために、モル過剰の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、さらに好ましくは少なくとも5分、なおより好ましくは少なくとも10分、最も好ましくは少なくとも20分、および特に少なくとも30分の期間の間撹拌される。
好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも18時間、最も好ましくは少なくとも1日、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、最大でも1日、好ましくは最大でも12時間、より好ましくは最大でも6時間、さらに好ましくは最大でも2時間、なおより好ましくは最大でも60分、および最も好ましくは最大でも45分、および特に最大でも30分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−1) ステップ(a−1)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−1) ステップ(b−1)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、空気下、窒素流下またはアルゴン流下で行われる。
別の好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で行われる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−1)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−2) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に溶解させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−2)は、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点以下の温度で、より好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましい実施形態において、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−2) ステップ(a−2)で得られる溶液の溶媒を蒸発させるステップ
を含む。
溶媒を蒸発させるための適当な方法は当業者に知られている。好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は、空気中、空気流中、または不活性ガス流中、特にアルゴンもしくは窒素流中で蒸発させる。しかしながら、真空下で、例えばロータリーエバポレーターの手段によって溶媒を蒸発させることも可能である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は室温で蒸発させる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、さらに、
(b−2’) ステップ(a−2)で得られる溶液から、好ましくは沈殿剤の添加によって、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを沈殿させるステップ
を含む。
沈殿の適当な方法は当業者に知られている。本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得られる溶液の体積を低減することによって、および/または好ましくは最大でも15℃、より好ましくは最大でも10℃、いっそう好ましくは最大でも4〜8℃の温度に溶液を冷却することによって、および/またはステップ(a−2)による温度より低い、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも30℃、いっそう好ましくは少なくとも60℃の温度に溶液を冷却することによって実施することができる。
好ましい実施形態において、ステップ(b−2’)は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない(「逆溶媒」)媒体をステップ(a−2)で得られる溶液に添加することによって実施される。前記媒体は、好ましくは、酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルなどのエーテル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;アセトニトリルなどのニトリル;ピリジン、酢酸および水、ならびにDMSOからなる群から選択される。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、それの添加で、溶解した構成成分の沈殿が開始するような方式で選択される。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体の合計量は、いくつかの分量、好ましくは2つまたは3つの分量に分割することもできる。この実施形態において、溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、最後の分量を添加した後で開始する。
溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、沈殿剤、好ましくは沈殿剤の合計量を添加した直後に開始するか、または別法として2秒から120分遅延して開始するかのいずれかである。好ましくは、溶解した構成成分の沈殿は、最大でも90分、より好ましくは最大でも60分、さらに好ましくは最大でも30分、いっそう好ましくは最大でも5分、最も好ましくは最大でも60秒、および特に最大でも10秒の期間内で開始する。
さらに、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、溶解した構成成分が完全に沈殿するような方式、または初期量の少なくとも最大90%までが、逆溶媒を完全に添加した後最大でも90分、より好ましくは最大でも80分、さらに好ましくは最大でも70分、および最も好ましくは最大でも60分の期間内に沈殿するような方式で選択される。
ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得た溶液を、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない溶媒を含有する雰囲気に曝露することによって、即ち蒸気拡散結晶化技法によって実施することもできる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2)またはそれぞれステップ(b−2’)の後、全ての他のステップは、40℃から0℃の間、好ましくは35℃から5℃の間、より好ましくは25℃から15℃の間の温度で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)で得られる懸濁液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、および最も好ましくは少なくとも5分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−2’) ステップ(b−2’)で得られる沈殿物を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(d−2’) ステップ(c−2’)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(d−2’)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行われる。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−3) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に懸濁させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の懸濁液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、メタノールなどのアルコールまたは水であり、特に好ましいのはメタノールなどのアルコールである。
最も好ましい前記溶媒は、アルコール、好ましくはメタノールである。
好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない、より好ましくは90℃より高くない、さらに好ましくは80℃より高くない、なおより好ましくは60℃より高くない、最も好ましくは40℃より高くない温度で、および特に15〜35℃の温度範囲で実施される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、100〜40℃、より好ましくは90〜50℃、および最も好ましくは85〜60℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−3)で得られる懸濁液は、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも16時間、最も好ましくは少なくとも24時間、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−3) ステップ(a−3)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−3) ステップ(b−3)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行うことができる。しかしながら、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で乾燥するのが好ましい。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−4) 2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールおよび4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体を、任意選択により酸付加塩の形態で、反応媒体として炭酸中にて硫酸の存在下で反応させることで、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを形成するステップ
を含む。
任意の適当な炭酸は、本発明によるステップ(a−4)における反応媒体として働くことができる。反応媒体は、好ましくは、用いられる出発材料、即ち化合物2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールおよび4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のための溶媒として、好ましくは硫酸のための溶媒としても働く。
好ましくは、本発明によるステップ(a−4)における反応媒体として用いられる炭酸は、室温で液状形態である。
好ましくは、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、アクリル酸およびメタクリル酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、ステップ(a)における反応媒体として用いられる炭酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸およびプロピオン酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましいのは酢酸およびプロピオン酸である。最も好ましいのは酢酸である。
本発明の特に好ましい実施形態において、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸は酢酸である。
本発明の別の特に好ましい実施形態において、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸はプロピオン酸である。
好ましくは、反応媒体としての炭酸は、ステップ(a−4)において、重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量で用いられる。例えば、もしも4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体400mgが用いられる場合、反応媒体としての炭酸は、2gから24gの範囲である重量による量で用いられる。より好ましくは、反応媒体としての炭酸は、ステップ(a−4)において、重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より7倍から50倍、いっそう好ましくは10倍から45倍、さらに好ましくは12倍から40倍、特に15倍から35倍、および最も好ましくは20倍から30倍高い範囲である重量による量で用いられる。
好ましくは、促進剤としての硫酸は、ステップ(a−4)において、各場合に2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のいずれかのモル量に対して1.05当量から2.00当量、好ましくは1.10当量から1.90当量、より好ましくは1.10当量から1.70当量、いっそう好ましくは1.10当量から1.50当量、さらに好ましくは1.10当量から1.40当量、特に1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられる。
好ましくは、本発明プロセスによるステップ(a−4)において用いられる硫酸は、ステップ(a−4)において用いられる反応媒体中で可溶性、好ましくは室温で可溶性である。
ステップ(a−4)の反応時間は、例えば温度、化学量論、反応させる化合物の性質、または反応媒体の性質などの様々なパラメータに依存して変動してよく、予備試験を使用する当業者によって当該プロセスのために決定することができる。好ましくは、ステップ(a)を行う反応時間は、24時間を超えず、より好ましくは18時間を超えない。いっそう好ましくは、反応時間は、1時間から20時間の範囲であり、さらに好ましくは2時間から18時間の範囲であり、特に3時間から16時間の範囲であり、最も好ましいのは4時間から10時間の範囲である。
好ましくは、反応混合物の撹拌はステップ(a−4)で行われる。
ステップ(a−4)が行われる反応温度は、例えば反応時間、化学量論、反応させる化合物の性質、または反応媒体の性質などの様々なパラメータに依存して変動してよく、予備試験を使用する当業者によって当該プロセスのために決定することができる。好ましくは、本発明プロセスのステップ(a−4)が行われる反応温度は、20℃から100℃の範囲であり、より好ましくは30℃から90℃の範囲であり、いっそう好ましくは40℃から80℃の範囲であり、さらに好ましくは40℃から60℃の範囲である。本発明の別の好ましい実施形態において、本発明プロセスのステップ(a−4)が行われる反応温度は、少なくとも30℃、好ましくは少なくとも40℃、より好ましくは少なくとも50℃である。
特に好ましい実施形態において、
○硫酸は、ステップ(a−4)において、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のモル量に対して1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられ、
○ステップ(a)において用いられる反応媒体としての少なくとも1種の炭酸は、好ましくは重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量における酢酸またはプロピオン酸である。
非常に特に好ましい実施形態において、
○硫酸は、ステップ(a−4)において、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のモル量に対して1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられ、
○ステップ(a)において用いられる反応媒体としての少なくとも1種の炭酸は、好ましくは重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量における酢酸またはプロピオン酸であり、
○ステップ(a)が行われる反応温度は、40℃から80℃の範囲、好ましくは40℃から60℃の範囲であり、
○ステップ(a)の反応時間は、3時間から16時間の範囲である。
好ましくは、式(I)による化合物および硫酸の固体形態は、ステップ(a−4)の実行中に反応混合物から沈殿し、したがって、ステップ(a−4)から沈殿物として、好ましくは反応混合物の濾過によって、即ち沈殿物を分離、好ましくは濾別することによって得ることができる。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−4) ステップ(a−4)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
ステップ(b−4)から得られる固体は、任意選択により、例えば
(c−4) 任意選択により、ステップ(a−2)および(b−2)もしくは(b−2’)を行うか、またはステップ(a−3)および(b−3)を行うことによって
精製することができる。
ステップ(b−4)から得られる固体は、任意選択によりさらに、当業者によく知られている方式で、例えば適当な溶媒からの再結晶化によって再結晶化することができる。別法として、得られる固体は、クロマトグラフィー分割にかけることもできる。
適当な溶媒は、予備試験を使用する当業者によって決定することができ、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド(DMSO);酢酸およびプロピオン酸などの炭酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などの溶媒が挙げられる。特に好ましいのは、酢酸、DMSOおよび酢酸の混合物、THFおよびDMSOの混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物である。当業者によく知られている再結晶化技法には、例えば、最初にステップ(a)から得られる酸付加塩を適当な溶媒中に溶解させること、任意選択により混合物を加熱すること、続いて、好ましくは別の媒体の添加によって前記酸付加塩を沈殿させること、または続いて、溶解のために用いられる溶媒を蒸発させることが含まれる。
特に好ましいのは、結晶性形態Bを調製するためのステップ(a−3)および(b−3)またはステップ(a−4)および(b−4)を含むプロセスであり、殊に好ましいのは、ステップ(a−3)および(b−3)を含むこうしたプロセスである。
本発明のさらなる態様は、上に記載されている通りのプロセスによって得られる結晶性形態Bに関する。
本発明のさらなる態様は、結晶性形態Cに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Cは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェート、好ましくはその溶媒和物、より好ましくはN−メチルピロリドン(NMP)溶媒和物である。
本発明による結晶性形態Cは、それが、917±2cm−1、1002±2cm−1、1573±2cm−1および1588±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Cはさらに、それが、917±2cm−1、1002±2cm−1、1573±2cm−1および1588±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンド、ならびに/または156±2cm−1、1463±2cm−1、2927±2cm−1、2948±2cm−1、2951±2cm−1、2971±2cm−1、3056±2cm−1および3068±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Cはさらに、それが、917±2cm−1、1002±2cm−1、1573±2cm−1、1588±2cm−1、156±2cm−1、1463±2cm−1、2927±2cm−1、2948±2cm−1、2951±2cm−1、2971±2cm−1、3056±2cm−1および3068±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Cはさらに、それが、178±2cm−1、205±2cm−1、276±2cm−1、370±2cm−1、491±2cm−1、598±2cm−1、1026±2cm−1、1045±2cm−1、1218±2cm−1、1308±2cm−1、1369±2cm−1、1444±2cm−1、1476±2cm−1、1488±2cm−1、2903±2cm−1、2992±2cm−1および3030±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Cはさらに、それが、392±2cm−1、409±2cm−1、437±2cm−1、461±2cm−1、471±2cm−1、517±2cm−1、538±2cm−1、621±2cm−1、681±2cm−1、702±2cm−1、787±2cm−1、825±2cm−1、889±2cm−1、983±2cm−1、1118±2cm−1、1131±2cm−1、1169±2cm−1、1202±2cm−1、1232±2cm−1、1629±2cm−1および3034±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明の別の態様は、上に記載されている結晶性形態Cを生成するためのプロセスに関する。
好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−1) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのスルフェート塩またはヘミスルフェート塩を、遊離塩基の溶液または懸濁液から沈殿させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、溶液または懸濁液、好ましくはこの型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、DMSO、NMP、酢酸、酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物、アセトンおよびTHFの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびにTHFおよびDMSOの混合物である。
ステップ(a−1)は、硫酸の添加によって実施することができる。
好ましい実施形態において、硫酸は溶液の形態で添加される。
好ましい実施形態において、溶液は水性溶媒中の硫酸の溶液、即ち硫酸の水溶液である。
別の好ましい実施形態において、溶液は、有機溶媒中の硫酸の溶液であり、殊に好ましいのは、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール、ならびにジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒドロフラン1,4−ジオキサンなどのエーテル、または酢酸およびプロピオン酸などの炭酸である。
好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有する。
別の特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有しない。
特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液は水溶液であり、遊離塩基の溶液は、遊離塩基が溶解している有機溶媒である。
好ましくは、該溶液は、0.01mol/Lから15mol/Lの範囲内、より好ましくは0.02mol/Lから12.5mol/Lの範囲内、さらに好ましくは0.05mol/Lから10mol/Lの範囲内、なおより好ましくは0.1mol/Lから7.5mol/Lの範囲内、最も好ましくは0.2mol/Lから10mol/Lの範囲内、および特に0.3mol/Lから5mol/Lの範囲内の濃度で硫酸を含有する。
好ましくは、硫酸は、特にスルフェート塩を形成するために、モル過剰の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
別の好ましい実施形態において、硫酸は、特にヘミスルフェート塩を形成するために、遊離塩基のモル量より低いモル量の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、さらに好ましくは少なくとも5分、なおより好ましくは少なくとも10分、最も好ましくは少なくとも20分、および特に少なくとも30分の期間の間撹拌される。
好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも18時間、最も好ましくは少なくとも1日、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、最大でも1日、好ましくは最大でも12時間、より好ましくは最大でも6時間、さらに好ましくは最大でも2時間、なおより好ましくは最大でも60分、および最も好ましくは最大でも45分、および特に最大でも30分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−1) ステップ(a−1)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−1) ステップ(b−1)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、空気下、窒素流下またはアルゴン流下で行われる。
別の好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で行われる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−1)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−2) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に溶解させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、酢酸、NMP、DMSO、THFおよびDMSOの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミド(DMAc)の混合物である。特に好ましいのはNMPである。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−2)は、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点以下の温度で、より好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましい実施形態において、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−2) ステップ(a−2)で得られる溶液の溶媒を蒸発させるステップ
を含む。
溶媒を蒸発させるための適当な方法は当業者に知られている。好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は、空気中、空気流中、または不活性ガス流中、特にアルゴンもしくは窒素流中で蒸発させる。しかしながら、真空下で、例えばロータリーエバポレーターの手段によって溶媒を蒸発させることも可能である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は室温で蒸発させる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、さらに、
(b−2’) ステップ(a−2)で得られる溶液から、好ましくは沈殿剤の添加によって、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを沈殿させるステップ
を含む。
沈殿の適当な方法は当業者に知られている。本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得られる溶液の体積を低減することによって、および/または好ましくは最大でも15℃、より好ましくは最大でも10℃、いっそう好ましくは最大でも4〜8℃の温度に溶液を冷却することによって、および/またはステップ(a−2)による温度より低い、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも30℃、いっそう好ましくは少なくとも60℃の温度に溶液を冷却することによって実施することができる。
好ましい実施形態において、ステップ(b−2’)は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない(「逆溶媒」)媒体をステップ(a−2)で得られる溶液に添加することによって実施される。前記媒体は、好ましくは、酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルなどのエーテル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;アセトニトリルなどのニトリル;ピリジン、酢酸および水、ならびにDMSOからなる群から選択される。特に好ましいのは、DMSO、2−ブタノン(MEK)、2−プロパノールおよび水であり、殊に好ましいのは、2−ブタノン(MEK)および2−プロパノールである。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、それの添加で、溶解した構成成分の沈殿が開始するような方式で選択される。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体の合計量は、いくつかの分量、好ましくは2つまたは3つの分量に分割することもできる。この実施形態において、溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、最後の分量を添加した後で開始する。
溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、沈殿剤、好ましくは沈殿剤の合計量を添加した直後に開始するか、または別法として2秒から120分遅延して開始するかのいずれかである。好ましくは、溶解した構成成分の沈殿は、最大でも90分、より好ましくは最大でも60分、さらに好ましくは最大でも30分、いっそう好ましくは最大でも5分、最も好ましくは最大でも60秒、および特に最大でも10秒の期間内で開始する。
さらに、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、溶解した構成成分が完全に沈殿するような方式、または初期量の少なくとも最大90%までが、逆溶媒を完全に添加した後最大でも90分、より好ましくは最大でも80分、さらに好ましくは最大でも70分、および最も好ましくは最大でも60分の期間内に沈殿するような方式で選択される。
ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得た溶液を、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない溶媒を含有する雰囲気に曝露することによって、即ち蒸気拡散結晶化技法によって実施することもできる。
この実施形態において、好ましくはジクロロメタンがステップ(a−2)中の溶媒として選択され、ステップ(a−2)で得られる溶液は、好ましくは、ヘキサンを含有する雰囲気に曝露される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2)またはそれぞれステップ(b−2’)の後、全ての他のステップは、40℃から0℃の間、好ましくは35℃から5℃の間、より好ましくは25℃から15℃の間の温度で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)で得られる懸濁液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、および最も好ましくは少なくとも5分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−2’) ステップ(b−2’)で得られる沈殿物を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(d−2’) ステップ(c−2’)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(d−2’)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行われる。しかしながら、得られる結晶性形態に依存して、溶媒を昇温で、例えば20℃から60℃の範囲内で蒸発させることも可能である。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−3) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に懸濁させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の懸濁液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。
好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない、より好ましくは90℃より高くない、さらに好ましくは80℃より高くない、なおより好ましくは60℃より高くない、最も好ましくは40℃より高くない温度で、および特に15〜35℃の温度範囲で実施される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、100〜40℃、より好ましくは90〜50℃、および最も好ましくは85〜60℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−3)で得られる懸濁液は、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも16時間、最も好ましくは少なくとも24時間、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−3) ステップ(a−3)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−3) ステップ(b−3)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行うことができる。しかしながら、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で乾燥するのが好ましい。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
特に好ましいのは、結晶性形態Cを調製するためのステップ(a−2)および(b−2)または(b−2’)を含むプロセスである。
本発明のさらなる態様は、上に記載されている通りのプロセスによって得られる結晶性形態Cに関する。
本発明のさらなる態様は結晶性形態Dに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Dは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェート、好ましくはその溶媒和物、より好ましくはDMSOおよび水を含有する(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートの溶媒和物である。
本発明による結晶性形態Dは、それが、918±2cm−1、1004±2cm−1、1567±2cm−1、1581±2cm−1および2977±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Dはさらに、それが、918±2cm−1、1004±2cm−1、1567±2cm−1、1581±2cm−1および2977±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンド、ならびに/または155±2cm−1、172±2cm−1、966±2cm−1、1310±2cm−1、2990±2cm−1、3057±2cm−1および3067±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Dはさらに、それが、918±2cm−1、1004±2cm−1、1567±2cm−1、1581±2cm−1、2977±2cm−1、155±2cm−1、172±2cm−1、966±2cm−1、1310±2cm−1、2990±2cm−1、3057±2cm−1および3067±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Dはさらに、それが、369±2cm−1、392±2cm−1、427±2cm−1、491±2cm−1、600±2cm−1、619±2cm−1、680±2cm−1、691±2cm−1、829±2cm−1、982±2cm−1、1047±2cm−1、1106±2cm−1、1199±2cm−1、1217±2cm−1、1374±2cm−1、1462±2cm−1、1598±2cm−1、1630±2cm−1、2929±2cm−1、2941±2cm−1、2948±2cm−1、3032±2cm−1および3080±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Dはさらに、それが、183±2cm−1、205±2cm−1、261±2cm−1、277±2cm−1、288±2cm−1、516±2cm−1、714±2cm−1、1118±2cm−1、1264±2cm−1、1343±2cm−1、1476±2cm−1および2866±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明の別の態様は、上に記載されている結晶性形態Dを生成するためのプロセスに関する。
好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−1) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのスルフェート塩またはヘミスルフェート塩を、遊離塩基の溶液または懸濁液から沈殿させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、溶液または懸濁液、好ましくはこの型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、DMSO、NMP、酢酸、酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物、アセトンおよびTHFの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびにTHFおよびDMSOの混合物である。
ステップ(a−1)は、硫酸の添加によって実施することができる。
好ましい実施形態において、硫酸は溶液の形態で添加される。
好ましい実施形態において、溶液は水性溶媒中の硫酸の溶液、即ち硫酸の水溶液である。
別の好ましい実施形態において、溶液は、有機溶媒中の硫酸の溶液であり、殊に好ましいのは、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール、ならびにジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒドロフラン1,4−ジオキサンなどのエーテル、または酢酸およびプロピオン酸などの炭酸である。
好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有する。
別の特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有しない。
特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液は水溶液であり、遊離塩基の溶液は、遊離塩基が溶解している有機溶媒である。
好ましくは、該溶液は、0.01mol/Lから15mol/Lの範囲内、より好ましくは0.02mol/Lから12.5mol/Lの範囲内、さらに好ましくは0.05mol/Lから10mol/Lの範囲内、なおより好ましくは0.1mol/Lから7.5mol/Lの範囲内、最も好ましくは0.2mol/Lから10mol/Lの範囲内、および特に0.3mol/Lから5mol/Lの範囲内の濃度で硫酸を含有する。
好ましくは、硫酸は、特にスルフェート塩を形成するために、モル過剰の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
別の好ましい実施形態において、硫酸は、特にヘミスルフェート塩を形成するために、遊離塩基のモル量より低いモル量の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、さらに好ましくは少なくとも5分、なおより好ましくは少なくとも10分、最も好ましくは少なくとも20分、および特に少なくとも30分の期間の間撹拌される。
好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも18時間、最も好ましくは少なくとも1日、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、最大でも1日、好ましくは最大でも12時間、より好ましくは最大でも6時間、さらに好ましくは最大でも2時間、なおより好ましくは最大でも60分、および最も好ましくは最大でも45分、および特に最大でも30分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−1) ステップ(a−1)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−1) ステップ(b−1)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、空気下、窒素流下またはアルゴン流下で行われる。
別の好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で行われる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−1)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−2) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に溶解させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、酢酸、NMP、DMSO、THFおよびDMSOの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミド(DMAc)の混合物である。特に好ましいのはDMSOである。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−2)は、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点以下の温度で、より好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましい実施形態において、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−2) ステップ(a−2)で得られる溶液の溶媒を蒸発させるステップ
を含む。
溶媒を蒸発させるための適当な方法は当業者に知られている。好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は、空気中、空気流中、または不活性ガス流中、特にアルゴンもしくは窒素流中で蒸発させる。しかしながら、真空下で、例えばロータリーエバポレーターの手段によって溶媒を蒸発させることも可能である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は室温で蒸発させる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、さらに、
(b−2’) ステップ(a−2)で得られる溶液から、好ましくは沈殿剤の添加によって、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを沈殿させるステップ
を含む。
沈殿の適当な方法は当業者に知られている。本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得られる溶液の体積を低減することによって、および/または好ましくは最大でも15℃、より好ましくは最大でも10℃、いっそう好ましくは最大でも4〜8℃の温度に溶液を冷却することによって、および/またはステップ(a−2)による温度より低い、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも30℃、いっそう好ましくは少なくとも60℃の温度に溶液を冷却することによって実施することができる。
好ましい実施形態において、ステップ(b−2’)は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない(「逆溶媒」)媒体をステップ(a−2)で得られる溶液に添加することによって実施される。前記媒体は、好ましくは、酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルなどのエーテル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;アセトニトリルなどのニトリル;ピリジン、酢酸および水、ならびにDMSOからなる群から選択される。特に好ましいのは、DMSO、2−ブタノン(MEK)、2−プロパノールおよび水であり、殊に好ましいのは、2−ブタノン(MEK)および2−プロパノールである。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、それの添加で、溶解した構成成分の沈殿が開始するような方式で選択される。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体の合計量は、いくつかの分量、好ましくは2つまたは3つの分量に分割することもできる。この実施形態において、溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、最後の分量を添加した後で開始する。
溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、沈殿剤、好ましくは沈殿剤の合計量を添加した直後に開始するか、または別法として2秒から120分遅延して開始するかのいずれかである。好ましくは、溶解した構成成分の沈殿は、最大でも90分、より好ましくは最大でも60分、さらに好ましくは最大でも30分、いっそう好ましくは最大でも5分、最も好ましくは最大でも60秒、および特に最大でも10秒の期間内で開始する。
さらに、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、溶解した構成成分が完全に沈殿するような方式、または初期量の少なくとも最大90%までが、逆溶媒を完全に添加した後最大でも90分、より好ましくは最大でも80分、さらに好ましくは最大でも70分、および最も好ましくは最大でも60分の期間内に沈殿するような方式で選択される。
ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得た溶液を、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない溶媒を含有する雰囲気に曝露することによって、即ち蒸気拡散結晶化技法によって実施することもできる。
この実施形態において、好ましくはジクロロメタンがステップ(a−2)中の溶媒として選択され、ステップ(a−2)で得られる溶液は、好ましくは、ヘキサンを含有する雰囲気に曝露される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2)またはそれぞれステップ(b−2’)の後、全ての他のステップは、40℃から0℃の間、好ましくは35℃から5℃の間、より好ましくは25℃から15℃の間の温度で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)で得られる懸濁液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、および最も好ましくは少なくとも5分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−2’) ステップ(b−2’)で得られる沈殿物を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(d−2’) ステップ(c−2’)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(d−2’)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行われる。しかしながら、得られる結晶性形態に依存して、溶媒を昇温で、例えば20℃から60℃の範囲内で蒸発させることも可能である。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−3) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に懸濁させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の懸濁液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。
好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない、より好ましくは90℃より高くない、さらに好ましくは80℃より高くない、なおより好ましくは60℃より高くない、最も好ましくは40℃より高くない温度で、および特に15〜35℃の温度範囲で実施される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、100〜40℃、より好ましくは90〜50℃、および最も好ましくは85〜60℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−3)で得られる懸濁液は、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも16時間、最も好ましくは少なくとも24時間、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−3) ステップ(a−3)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−3) ステップ(b−3)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行うことができる。しかしながら、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で乾燥するのが好ましい。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
特に好ましいのは、結晶性形態Dを調製するためのステップ(a−2)および(b−2)または(b−2’)を含むプロセスである。
本発明のさらなる態様は、上に記載されている通りのプロセスによって得られる結晶性形態Dに関する。
本発明のさらなる態様は結晶性形態Eに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Eは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェート、好ましくは溶媒和物、より好ましくはそのDMSO溶媒和物、特にDMSOの3個の分子を含有するその溶媒和物である。
好ましくは、本発明による結晶性形態Eは、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用し、好ましい実施形態において298K±5Kで測定され、別の好ましい実施形態において100K±5Kで測定された10.6±1.0(2Θ)、15.9±1.0(2Θ)、17.2±1.0(2Θ)、19.5±1.0(2Θ)、20.3±1.0(2Θ)、および22.1±1.0(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピークを有する。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。
一部の好ましい実施形態において、結晶性形態Eは、10.6±1.0(2Θ)、15.9±1.0(2Θ)、17.2±1.0(2Θ)、19.5±1.0(2Θ)、20.3±1.0(2Θ)、および22.1±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態Eは、10.6±1.0(2Θ)、15.9±1.0(2Θ)、17.2±1.0(2Θ)、19.5±1.0(2Θ)、および20.3±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、17.2±1.0(2Θ)、19.5±1.0(2Θ)および/または20.3±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、20.3±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Eに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Eに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
一部の好ましい実施形態において、結晶性形態Eは、10.6±1.0(2Θ)、15.9±1.0(2Θ)、17.2±1.0(2Θ)、19.5±1.0(2Θ)、20.3±1.0(2Θ)、および22.1±1.0(2Θ)、および任意選択により13.7±1.0(2Θ)および19.8±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Eに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Eに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
本発明による結晶性形態Eは、追加として、17.8±1.0(2Θ)、19.9±1.0(2Θ)、20.6±1.0(2Θ)、21.9±1.0(2Θ)、25.6±1.0(2Θ)、および29.3±1.0(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができる。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Eに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Eに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
さらに、本発明による結晶性形態Eは、1つまたは複数のX線回折ピークが10.6±1.0(2Θ)、15.9±1.0(2Θ)、17.2±1.0(2Θ)、19.5±1.0(2Θ)、20.3±1.0(2Θ)および22.1±1.0(2Θ)からなる群から選択され、任意選択により1つまたは複数のX線回折ピークが13.7±1.0(2Θ)、17.8±1.0(2Θ)、19.8±1.0(2Θ)、19.9±1.0(2Θ)、20.6±1.0(2Θ)、21.9±1.0(2Θ)、25.6±1.0(2Θ)、および29.3±1.0(2Θ)からなる群から選択されるだけでなく、それが追加として、9.2±1.0(2Θ)、12.1±1.0(2Θ)、12.8±1.0(2Θ)、17.4±1.0(2Θ),18.7±1.0(2Θ)、22.0±1.0(2Θ)、22.2±1.0(2Θ)および34.4±1.0(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができることを特徴とする。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Eに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Eに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
任意選択により、本発明による結晶性形態Eは、追加として、11.4±1.0(2Θ)、12.6±1.0(2Θ)、17.1±1.0(2Θ)、21.0±1.0(2Θ)、23.7±1.0(2Θ)、25.3±1.0(2Θ)および26.0±1.0(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができる。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Eに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Eに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
結晶性形態Eに関する全ての2Θ値は、1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用して298K(±5K)または100K(±5K)で得られるX線粉末ディフラクトグラム(XRPD)を指し、これは、0.71073Åの波長を有するMoKα線を使用して100K(±5K)で測定される単結晶ディフラクトグラム(SCXRD)から算出した。SCXRDが100K(±5K)で決定されたという事実により、298K(±5K)で測定されたXRPDによって決定されたピーク位置は異なるが、なぜなら単位格子の格子パラメータが温度に依存して変動するからである。そのため、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°、好ましくは±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。
本発明の別の態様は、上に記載されている通りの結晶性形態Eを生成するためのプロセスに関する。
好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−1) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのスルフェートまたはヘミスルフェートを、遊離塩基の溶液または懸濁液から沈殿させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、溶液または懸濁液、好ましくはこの型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、DMSO、NMP、酢酸、酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物、アセトンおよびTHFの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびにTHFおよびDMSOの混合物である。
ステップ(a−1)は、硫酸の添加によって実施することができる。
好ましい実施形態において、硫酸は溶液の形態で添加される。
好ましい実施形態において、溶液は水性溶媒中の硫酸の溶液、即ち硫酸の水溶液である。
別の好ましい実施形態において、溶液は、有機溶媒中の硫酸の溶液であり、殊に好ましいのは、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール、ならびにジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒドロフラン1,4−ジオキサンなどのエーテル、または酢酸およびプロピオン酸などの炭酸である。
好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有する。
別の特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有しない。
特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液は水溶液であり、遊離塩基の溶液は、遊離塩基が溶解している有機溶媒である。
好ましくは、該溶液は、0.01mol/Lから15mol/Lの範囲内、より好ましくは0.02mol/Lから12.5mol/Lの範囲内、さらに好ましくは0.05mol/Lから10mol/Lの範囲内、なおより好ましくは0.1mol/Lから7.5mol/Lの範囲内、最も好ましくは0.2mol/Lから10mol/Lの範囲内、および特に0.3mol/Lから5mol/Lの範囲内の濃度で硫酸を含有する。
好ましくは、硫酸は、特にスルフェート塩を形成するために、モル過剰の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、さらに好ましくは少なくとも5分、なおより好ましくは少なくとも10分、最も好ましくは少なくとも20分、および特に少なくとも30分の期間の間撹拌される。
好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも18時間、最も好ましくは少なくとも1日、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、最大でも1日、好ましくは最大でも12時間、より好ましくは最大でも6時間、さらに好ましくは最大でも2時間、なおより好ましくは最大でも60分、および最も好ましくは最大でも45分、および特に最大でも30分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−1) ステップ(a−1)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−1) ステップ(b−1)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、空気下、窒素流下またはアルゴン流下で行われる。
別の好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で行われる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−1)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−2) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に溶解させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、酢酸、NMP、DMSO、THFおよびDMSOの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミド(DMAc)の混合物である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−2)は、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点以下の温度で、より好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましい実施形態において、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−2) ステップ(a−2)で得られる溶液の溶媒を蒸発させるステップ
を含む。
溶媒を蒸発させるための適当な方法は当業者に知られている。好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は、空気中、空気流中、または不活性ガス流中、特にアルゴンもしくは窒素流中で蒸発させる。しかしながら、真空下で、例えばロータリーエバポレーターの手段によって溶媒を蒸発させることも可能である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は室温で蒸発させる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、さらに、
(b−2’) ステップ(a−2)で得られる溶液から、好ましくは沈殿剤の添加によって、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを沈殿させるステップ
を含む。
沈殿の適当な方法は当業者に知られている。本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得られる溶液の体積を低減することによって、および/または好ましくは最大でも15℃、より好ましくは最大でも10℃、いっそう好ましくは最大でも4〜8℃の温度に溶液を冷却することによって、および/またはステップ(a−2)による温度より低い、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも30℃、いっそう好ましくは少なくとも60℃の温度に溶液を冷却することによって実施することができる。
好ましい実施形態において、ステップ(b−2’)は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない(「逆溶媒」)媒体をステップ(a−2)で得られる溶液に添加することによって実施される。前記媒体は、好ましくは、酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルなどのエーテル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;アセトニトリルなどのニトリル;ピリジン、酢酸および水、ならびにDMSOからなる群から選択される。特に好ましいのは、DMSO、2−ブタノン(MEK)、2−プロパノールおよび水であり、殊に好ましいのは、2−ブタノン(MEK)および2−プロパノールである。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、それの添加で、溶解した構成成分の沈殿が開始するような方式で選択される。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体の合計量は、いくつかの分量、好ましくは2つまたは3つの分量に分割することもできる。この実施形態において、溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、最後の分量を添加した後で開始する。
溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、沈殿剤、好ましくは沈殿剤の合計量を添加した直後に開始するか、または別法として2秒から120分遅延して開始するかのいずれかである。好ましくは、溶解した構成成分の沈殿は、最大でも90分、より好ましくは最大でも60分、さらに好ましくは最大でも30分、いっそう好ましくは最大でも5分、最も好ましくは最大でも60秒、および特に最大でも10秒の期間内で開始する。
さらに、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、溶解した構成成分が完全に沈殿するような方式、または初期量の少なくとも最大90%までが、逆溶媒を完全に添加した後最大でも90分、より好ましくは最大でも80分、さらに好ましくは最大でも70分、および最も好ましくは最大でも60分の期間内に沈殿するような方式で選択される。
ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得た溶液を、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない溶媒を含有する雰囲気に曝露することによって、即ち蒸気拡散結晶化技法によって実施することもできる。
この実施形態において、好ましくはジクロロメタンがステップ(a−2)中の溶媒として選択され、ステップ(a−2)で得られる溶液は、好ましくは、ヘキサンを含有する雰囲気に曝露される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2)またはそれぞれステップ(b−2’)の後、全ての他のステップは、40から0℃の間、好ましくは35から5℃の間、より好ましくは25から15℃の間の温度で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)で得られる懸濁液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、および最も好ましくは少なくとも5分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−2’) ステップ(b−2’)で得られる沈殿物を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(d−2’) ステップ(c−2’)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(d−2’)は、空気下、またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行われる。しかしながら、得られる結晶性形態に依存して、昇温で、例えば20℃から60℃の範囲内で溶媒を蒸発させることも可能である。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−3) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に懸濁させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の懸濁液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、メタノールなどのアルコールまたは水であり、特に好ましいのはメタノールなどのアルコールである。
好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない、より好ましくは90℃より高くない、さらに好ましくは80℃より高くない、なおより好ましくは60℃より高くない、最も好ましくは40℃より高くない温度で、および特に15〜35℃の温度範囲で実施される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、100〜40℃、より好ましくは90〜50℃、および最も好ましくは85〜60℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−3)で得られる懸濁液は、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも16時間、最も好ましくは少なくとも24時間、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−3) ステップ(a−3)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−3) ステップ(b−3)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行うことができる。しかしながら、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で乾燥するのが好ましい。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−4) 2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールおよび4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体を、任意選択により酸付加塩の形態で、反応媒体として炭酸中にて硫酸の存在下で反応させることで、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを形成するステップ
を含む。
任意の適当な炭酸は、本発明によるステップ(a−4)における反応媒体として働くことができる。反応媒体は、好ましくは、用いられる出発材料、即ち化合物2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールおよび4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のための溶媒として、好ましくは硫酸のための溶媒としても働く。
好ましくは、本発明によるステップ(a−4)における反応媒体として用いられる炭酸は、室温で液状形態である。
好ましくは、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、アクリル酸およびメタクリル酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、ステップ(a)における反応媒体として用いられる炭酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸およびプロピオン酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましいのは酢酸およびプロピオン酸である。最も好ましいのは酢酸である。
本発明の特に好ましい実施形態において、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸は酢酸である。
本発明の別の特に好ましい実施形態において、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸はプロピオン酸である。
好ましくは、反応媒体としての炭酸は、ステップ(a−4)において、重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量で用いられる。例えば、もしも4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体が各々400mg用いられるならば、反応媒体としての炭酸は、2gから24gの範囲である重量による量で用いられる。より好ましくは、反応媒体としての炭酸は、ステップ(a−4)において、重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より7倍から50倍、いっそう好ましくは10倍から45倍、さらに好ましくは12倍から40倍、特に15倍から35倍、および最も好ましくは20倍から30倍高い範囲である重量による量で用いられる。
好ましくは、促進剤としての硫酸は、ステップ(a−4)において、各場合に2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のいずれかのモル量に対して1.05当量から2.00当量、好ましくは1.10当量から1.90当量、より好ましくは1.10当量から1.70当量、いっそう好ましくは1.10当量から1.50当量、さらに好ましくは1.10当量から1.40当量、特に1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられる。
好ましくは、本発明プロセスによるステップ(a−4)において用いられる硫酸は、ステップ(a−4)において用いられる反応媒体中で可溶性、好ましくは室温で可溶性である。
ステップ(a−4)の反応時間は、例えば温度、化学量論、反応させる化合物の性質、または反応媒体の性質などの様々なパラメータに依存して変動してよく、予備試験を使用する当業者によって当該プロセスのために決定することができる。好ましくは、ステップ(a)を行う反応時間は、24時間を超えず、より好ましくは18時間を超えない。いっそう好ましくは、反応時間は、1時間から20時間の範囲であり、さらに好ましくは2時間から18時間の範囲であり、特に3時間から16時間の範囲であり、最も好ましいのは4時間から10時間の範囲である。
好ましくは、反応混合物の撹拌はステップ(a−4)で行われる。
ステップ(a−4)が行われる反応温度は、例えば反応時間、化学量論、反応させる化合物の性質、または反応媒体の性質などの様々なパラメータに依存して変動してよく、予備試験を使用する当業者によって当該プロセスのために決定することができる。好ましくは、本発明プロセスのステップ(a−4)が行われる反応温度は、20℃から100℃の範囲であり、より好ましくは30℃から90℃の範囲であり、いっそう好ましくは40℃から80℃の範囲であり、さらに好ましくは40℃から60℃の範囲である。本発明の別の好ましい実施形態において、本発明プロセスのステップ(a−4)が行われる反応温度は、少なくとも30℃、好ましくは少なくとも40℃、より好ましくは少なくとも50℃である。
特に好ましい実施形態において、
○硫酸は、ステップ(a−4)において、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のモル量に対して1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられ、
○ステップ(a)において用いられる反応媒体としての少なくとも1種の炭酸は、好ましくは重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量における酢酸またはプロピオン酸である。
非常に特に好ましい実施形態において、
○硫酸は、ステップ(a−4)において、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のモル量に対して1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられ、
○ステップ(a)において用いられる反応媒体としての少なくとも1種の炭酸は、好ましくは重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量における酢酸またはプロピオン酸であり、
○ステップ(a)が行われる反応温度は、40℃から80℃の範囲、好ましくは40℃から60℃の範囲であり、
○ステップ(a)の反応時間は、3時間から16時間の範囲である。
好ましくは、式(I)による化合物および硫酸の固体形態は、ステップ(a−4)の実行中に反応混合物から沈殿し、したがって、ステップ(a−4)から沈殿物として、好ましくは反応混合物の濾過によって、即ち沈殿物を分離、好ましくは濾別することによって得ることができる。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−4) ステップ(a−4)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
ステップ(b−4)から得られる固体は、任意選択により、例えば
(c−4) 任意選択により、ステップ(a−2)および(b−2)もしくは(b−2’)を行うか、またはステップ(a−3)および(b−3)を行うことによって
精製することができる。
ステップ(b−4)から得られる固体は、任意選択によりさらに、当業者によく知られている方式で、例えば適当な溶媒からの再結晶化によって再結晶化することができる。別法として、得られる固体は、クロマトグラフィー分割にかけることもできる。
適当な溶媒は、予備試験を使用する当業者によって決定することができ、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド(DMSO);酢酸およびプロピオン酸などの炭酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などの溶媒が挙げられる。特に好ましいのは、酢酸、DMSOおよび酢酸の混合物、THFおよびDMSOの混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物である。当業者によく知られている再結晶化技法には、例えば、最初にステップ(a)から得られる酸付加塩を適当な溶媒中に溶解させること、任意選択により混合物を加熱すること、続いて、好ましくは別の媒体の添加によって前記酸付加塩を沈殿させること、または続いて、溶解のために用いられる溶媒を蒸発させることが含まれる。
特に好ましいのは、結晶性形態Eを調製するためのステップ(a−2)および(b−2)もしくは(b−2’)、またはステップ(a−4)および(b−4)を含むプロセスであり、殊に好ましいのは、ステップ(a−3)および(b−3)または(b−2’)を含むこうしたプロセスである。
本発明のさらなる態様は、上に記載されている通りのプロセスによって得られる結晶性形態Eに関する。
本発明のさらなる態様は、結晶性形態Fに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Fは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンヘミスルフェート、好ましくはその溶媒和物、より好ましくはその酢酸溶媒和物、特に酢酸の2個の分子を含有するその溶媒和物である。
好ましくは、本発明による結晶性形態Fは、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用し、好ましい実施形態において298K±5Kで測定され、別の好ましい実施形態において100K±5Kで測定された10.2±1.0(2Θ)、11.6±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)、18.3±1.0(2Θ)、19.3±1.0(2Θ)、および24.5±1.0(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピークを有する。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。
一部の好ましい実施形態において、結晶性形態Fは、10.2±1.0(2Θ)、11.6±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)、18.3±1.0(2Θ)、および19.3±1.0(2Θ)、および24.5±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、10.2±1.0(2Θ)、11.6±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)、18.3±1.0(2Θ)、および19.3±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、10.2±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)および19.3±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、19.3±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Fに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Fに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
一部の好ましい実施形態において、結晶性形態Fは、10.2±1.0(2Θ)、11.6±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)、18.3±1.0(2Θ)、および19.3±1.0(2Θ)、および24.5±1.0(2Θ)、および任意選択により12.4±1.0(2Θ)および19.5±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Fに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Fに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
本発明による結晶性形態Fは、追加として、12.0±1.0(2Θ)、12.4±1.0(2Θ)、18.6±1.0(2Θ)、19.5±1.0(2Θ)、21.6±1.0(2Θ)、および24.7±1.0(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができる。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Fに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Fに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
さらに、本発明による結晶性形態Fは、1つまたは複数のX線回折ピークが10.2±1.0(2Θ)、11.6±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)、18.3±1.0(2Θ)、および19.3±1.0(2Θ)、および24.5±1.0(2Θ)からなる群から選択され、任意選択により1つまたは複数のX線回折ピークが12.0±1.0(2Θ)、12.4±1.0(2Θ)、18.6±1.0(2Θ)、19.5±1.0(2Θ)、21.6±1.0(2Θ)および24.7±1.0(2Θ)からなる群から選択されるだけでなく、それが追加として、9.5±1.0(2Θ)、10.4±1.0(2Θ)、22.0±1.0(2Θ)、23.3±1.0(2Θ),23.6±1.0(2Θ)、24.6±1.0(2Θ)、26.8±1.0(2Θ)および28.8±1.0(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができることを特徴とする。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Fに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Fに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
任意選択により、本発明による結晶性形態Fは、追加として、22.6±1.0(2Θ)、27.5±1.0(2Θ)、30.4±1.0(2Θ)、38.1±1.0(2Θ)および39.0±1.0(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができる。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Fに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Fに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
結晶性形態Fに関する全ての2Θ値は、1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用して298K(±5K)または100K(±5K)で得られるX線粉末ディフラクトグラム(XRPD)を指し、これは、0.71073Åの波長を有するMoKα線を使用して100K(±5K)で測定される単結晶ディフラクトグラム(SCXRD)から算出した。SCXRDが100K(±5K)で決定されたという事実により、298K(±5K)で測定されたXRPDによって決定されたピーク位置は異なるが、なぜなら単位格子の格子パラメータが温度に依存して変動するからである。そのため、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°、好ましくは±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。
本発明の別の態様は、上に記載されている通りの結晶性形態Fを生成するためのプロセスに関する。
好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−1) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのスルフェート塩またはヘミスルフェート塩を、遊離塩基の溶液または懸濁液から沈殿させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、溶液または懸濁液、好ましくはこの型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、DMSO、NMP、酢酸、酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物、アセトンおよびTHFの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびにTHFおよびDMSOの混合物である。
殊に好ましい実施形態において、一般式(I)による化合物の遊離塩基を溶解させるための有機溶媒は、アセトンおよびTHFの混合物である。好ましくは、アセトンおよびTHFとの間の比は、15:1から1:15の範囲内、より好ましくは12:1から1:12の範囲内(体積/体積)である。
ステップ(a−1)は、硫酸の添加によって実施することができる。
好ましい実施形態において、硫酸は溶液の形態で添加される。
好ましい実施形態において、溶液は水性溶媒中の硫酸の溶液、即ち硫酸の水溶液である。
別の好ましい実施形態において、溶液は、有機溶媒中の硫酸の溶液であり、殊に好ましいのは、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール、ならびにジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒドロフラン1,4−ジオキサンなどのエーテル、または酢酸およびプロピオン酸などの炭酸である。
好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有する。
別の特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有しない。
特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液は水溶液であり、遊離塩基の溶液は、遊離塩基が溶解している有機溶媒である。
好ましくは、該溶液は、0.01mol/Lから15mol/Lの範囲内、より好ましくは0.02mol/Lから12.5mol/Lの範囲内、さらに好ましくは0.05mol/Lから10mol/Lの範囲内、なおより好ましくは0.1mol/Lから7.5mol/Lの範囲内、最も好ましくは0.2mol/Lから10mol/Lの範囲内、および特に0.3mol/Lから5mol/Lの範囲内の濃度で硫酸を含有する。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、さらに好ましくは少なくとも5分、なおより好ましくは少なくとも10分、最も好ましくは少なくとも20分、および特に少なくとも30分の期間の間撹拌される。
好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも18時間、最も好ましくは少なくとも1日、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、最大でも1日、好ましくは最大でも12時間、より好ましくは最大でも6時間、さらに好ましくは最大でも2時間、なおより好ましくは最大でも60分、および最も好ましくは最大でも45分、および特に最大でも30分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−1) ステップ(a−1)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−1) ステップ(b−1)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、空気下、窒素流下またはアルゴン流下で行われる。
別の好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で行われる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−1)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−2) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に溶解させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、酢酸、NMP、DMSO、THFおよびDMSOの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミド(DMAc)の混合物である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−2)は、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点以下の温度で、より好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましい実施形態において、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−2) ステップ(a−2)で得られる溶液の溶媒を蒸発させるステップ
を含む。
溶媒を蒸発させるための適当な方法は当業者に知られている。好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は、空気中、空気流中、または不活性ガス流中、特にアルゴンもしくは窒素流中で蒸発させる。しかしながら、真空下で、例えばロータリーエバポレーターの手段によって溶媒を蒸発させることも可能である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は室温で蒸発させる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、さらに、
(b−2’) ステップ(a−2)で得られる溶液から、好ましくは沈殿剤の添加によって、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを沈殿させるステップ
を含む。
沈殿の適当な方法は当業者に知られている。本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得られる溶液の体積を低減することによって、および/または好ましくは最大でも15℃、より好ましくは最大でも10℃、いっそう好ましくは最大でも4〜8℃の温度に溶液を冷却することによって、および/またはステップ(a−2)による温度より低い、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも30℃、いっそう好ましくは少なくとも60℃の温度に溶液を冷却することによって実施することができる。
好ましい実施形態において、ステップ(b−2’)は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない(「逆溶媒」)媒体をステップ(a−2)で得られる溶液に添加することによって実施される。前記媒体は、好ましくは、酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルなどのエーテル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;アセトニトリルなどのニトリル;ピリジン、酢酸および水、ならびにDMSOからなる群から選択される。特に好ましいのは、DMSO、2−ブタノン(MEK)、2−プロパノールおよび水であり、殊に好ましいのは、2−ブタノン(MEK)および2−プロパノールである。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、それの添加で、溶解した構成成分の沈殿が開始するような方式で選択される。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体の合計量は、いくつかの分量、好ましくは2つまたは3つの分量に分割することもできる。この実施形態において、溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、最後の分量を添加した後で開始する。
溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、沈殿剤、好ましくは沈殿剤の合計量を添加した直後に開始するか、または別法として2秒から120分遅延して開始するかのいずれかである。好ましくは、溶解した構成成分の沈殿は、最大でも90分、より好ましくは最大でも60分、さらに好ましくは最大でも30分、いっそう好ましくは最大でも5分、最も好ましくは最大でも60秒、および特に最大でも10秒の期間内で開始する。
さらに、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、溶解した構成成分が完全に沈殿するような方式、または初期量の少なくとも最大90%までが、逆溶媒を完全に添加した後最大でも90分、より好ましくは最大でも80分、さらに好ましくは最大でも70分、および最も好ましくは最大でも60分の期間内に沈殿するような方式で選択される。
ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得た溶液を、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない溶媒を含有する雰囲気に曝露することによって、即ち蒸気拡散結晶化技法によって実施することもできる。
この実施形態において、好ましくはジクロロメタンがステップ(a−2)中の溶媒として選択され、ステップ(a−2)で得られる溶液は、好ましくは、ヘキサンを含有する雰囲気に曝露される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2)またはそれぞれステップ(b−2’)の後、全ての他のステップは、40から0℃の間、好ましくは35から5℃の間、より好ましくは25から15℃の間の温度で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)で得られる懸濁液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、および最も好ましくは少なくとも5分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−2’) ステップ(b−2’)で得られる沈殿物を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(d−2’) ステップ(c−2’)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(d−2’)は、空気下、またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行われる。しかしながら、得られる結晶性形態に依存して、昇温で、例えば20℃から60℃の範囲内で溶媒を蒸発させることも可能である。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−3) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に懸濁させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の懸濁液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、メタノールなどのアルコールまたは水であり、特に好ましいのはメタノールなどのアルコールである。
好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない、より好ましくは90℃より高くない、さらに好ましくは80℃より高くない、なおより好ましくは60℃より高くない、最も好ましくは40℃より高くない温度で、および特に15〜35℃の温度範囲で実施される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、100〜40℃、より好ましくは90〜50℃、および最も好ましくは85〜60℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−3)で得られる懸濁液は、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも16時間、最も好ましくは少なくとも24時間、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−3) ステップ(a−3)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−3) ステップ(b−3)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行うことができる。しかしながら、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で乾燥するのが好ましい。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−4) 2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールおよび4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体を、任意選択により酸付加塩の形態で、反応媒体として炭酸中にて硫酸の存在下で反応させることで、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを形成するステップ
を含む。
4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンの保護誘導体は、好ましくは、本発明の意味において、前記化合物のケト基が適当な保護基によって保護されている4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンの誘導体が、例えばエチレングリコール基の形態で存在することを意味する。本発明による反応ステップ(a−4)はオキサ−Pictet−Spengler反応であり、これは、例えばS.−Y.Chou ら、Heterocycles 2003、60、1095およびM.Zottら、Tetrahedron: Asymmetry 1993、4、2307(非特許文献2)から知られている。
任意の適当な炭酸は、本発明によるステップ(a−4)における反応媒体として働くことができる。反応媒体は、好ましくは、用いられる出発材料、即ち化合物2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールおよび4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のための溶媒として、好ましくは硫酸のための溶媒としても働く。
好ましくは、本発明によるステップ(a−4)における反応媒体として用いられる炭酸は、室温で液状形態である。
好ましくは、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、アクリル酸およびメタクリル酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、ステップ(a)における反応媒体として用いられる炭酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸およびプロピオン酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましいのは酢酸およびプロピオン酸である。最も好ましいのは酢酸である。
本発明の特に好ましい実施形態において、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸は酢酸である。
本発明の別の特に好ましい実施形態において、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸はプロピオン酸である。
好ましくは、反応媒体としての炭酸は、ステップ(a−4)において、重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量で用いられる。例えば、もしも4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体が各々400mg用いられるならば、反応媒体としての炭酸は、2gから24gの範囲である重量による量で用いられる。より好ましくは、反応媒体としての炭酸は、ステップ(a−4)において、重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より7倍から50倍、いっそう好ましくは10倍から45倍、さらに好ましくは12倍から40倍、特に15倍から35倍、および最も好ましくは20倍から30倍高い範囲である重量による量で用いられる。
好ましくは、促進剤としての硫酸は、ステップ(a−4)において、各場合に2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のいずれかのモル量に対して1.05当量から2.00当量、好ましくは1.10当量から1.90当量、より好ましくは1.10当量から1.70当量、いっそう好ましくは1.10当量から1.50当量、さらに好ましくは1.10当量から1.40当量、特に1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられる。
好ましくは、本発明プロセスによるステップ(a−4)において用いられる硫酸は、ステップ(a−4)において用いられる反応媒体中で可溶性、好ましくは室温で可溶性である。
ステップ(a−4)の反応時間は、例えば温度、化学量論、反応させる化合物の性質、または反応媒体の性質などの様々なパラメータに依存して変動してよく、予備試験を使用する当業者によって当該プロセスのために決定することができる。好ましくは、ステップ(a)を行う反応時間は、24時間を超えず、より好ましくは18時間を超えない。いっそう好ましくは、反応時間は、1時間から20時間の範囲であり、さらに好ましくは2時間から18時間の範囲であり、特に3時間から16時間の範囲であり、最も好ましいのは4時間から10時間の範囲である。
好ましくは、反応混合物の撹拌はステップ(a−4)で行われる。
ステップ(a−4)が行われる反応温度は、例えば反応時間、化学量論、反応させる化合物の性質、または反応媒体の性質などの様々なパラメータに依存して変動してよく、予備試験を使用する当業者によって当該プロセスのために決定することができる。好ましくは、本発明プロセスのステップ(a−4)が行われる反応温度は、20℃から100℃の範囲であり、より好ましくは30℃から90℃の範囲であり、いっそう好ましくは40℃から80℃の範囲であり、さらに好ましくは40℃から60℃の範囲である。本発明の別の好ましい実施形態において、本発明プロセスのステップ(a−4)が行われる反応温度は、少なくとも30℃、好ましくは少なくとも40℃、より好ましくは少なくとも50℃である。
特に好ましい実施形態において、
○硫酸は、ステップ(a−4)において、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のモル量に対して1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられ、
○ステップ(a)において用いられる反応媒体としての少なくとも1種の炭酸は、好ましくは重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量における酢酸またはプロピオン酸である。
非常に特に好ましい実施形態において、
○硫酸は、ステップ(a−4)において、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のモル量に対して1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられ、
○ステップ(a)において用いられる反応媒体としての少なくとも1種の炭酸は、好ましくは重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量における酢酸またはプロピオン酸であり、
○ステップ(a)が行われる反応温度は、40℃から80℃の範囲、好ましくは40℃から60℃の範囲であり、
○ステップ(a)の反応時間は、3時間から16時間の範囲である。
好ましくは、式(I)による化合物および硫酸の固体形態は、ステップ(a−4)の実行中に反応混合物から沈殿し、したがって、ステップ(a−4)から沈殿物として、好ましくは反応混合物の濾過によって、即ち沈殿物を分離、好ましくは濾別することによって得ることができる。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−4) ステップ(a−4)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
ステップ(b−4)から得られる固体は、任意選択により、例えば
(c−4) 任意選択により、ステップ(a−2)および(b−2)もしくは(b−2’)を行うか、またはステップ(a−3)および(b−3)を行うことによって
精製することができる。
ステップ(b−4)から得られる固体は、任意選択によりさらに、当業者によく知られている方式で、例えば適当な溶媒からの再結晶化によって再結晶化することができる。別法として、得られる固体は、クロマトグラフィー分割にかけることもできる。
適当な溶媒は、予備試験を使用する当業者によって決定することができ、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド(DMSO);酢酸およびプロピオン酸などの炭酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などの溶媒が挙げられる。特に好ましいのは、酢酸、DMSOおよび酢酸の混合物、THFおよびDMSOの混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物である。当業者によく知られている再結晶化技法には、例えば、最初にステップ(a)から得られる酸付加塩を適当な溶媒中に溶解させること、任意選択により混合物を加熱すること、続いて、好ましくは別の媒体の添加によって前記酸付加塩を沈殿させること、または続いて、溶解のために用いられる溶媒を蒸発させることが含まれる。
特に好ましいのは、結晶性形態Fを調製するためのステップ(a−1)および(b−1)、ステップ(a−4)および(b−4)を含むプロセスであり、殊に好ましいのは、ステップ(a−1)および(b−1)を含むこうしたプロセスである。
本発明のさらなる態様は、上に記載されている通りのプロセスによって得られる結晶性形態Fに関する。
本発明のさらなる態様は、結晶性形態Gに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Gは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェート、好ましくはその無溶媒和物である。
好ましくは、本発明による結晶性形態Gは、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用し、好ましい実施形態において298K±5Kで測定され、別の好ましい実施形態において100K±5Kで測定された10.3±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)、17.9±1.0(2Θ)、18.8±1.0(2Θ)、23.0±1.0(2Θ)、および26.2±1.0(2Θ)からなる群から選択される1つまたは複数のX線回折ピークを有する。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。
一部の好ましい実施形態において、結晶性形態Gは、10.3±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)、17.9±1.0(2Θ)、18.8±1.0(2Θ)、23.0±1.0(2Θ)、および26.2±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、10.3±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)、17.9±1.0(2Θ)、18.8±1.0(2Θ)、および23.0±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、16.0±1.0(2Θ)、17.9±1.0(2Θ)および18.8±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。一部の好ましい実施形態において、結晶性形態は、18.8±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Gに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Gに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
一部の好ましい実施形態において、結晶性形態Gは、10.3±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)、17.9±1.0(2Θ)、18.8±1.0(2Θ)、23.0±1.0(2Θ)、および26.2±1.0(2Θ)、および任意選択により14.6±1.0(2Θ)および19.0±1.0(2Θ)でのX線回折ピークを含む。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Gに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Gに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
本発明による結晶性形態Gは、追加として、14.6±1.0(2Θ)、17.7±1.0(2Θ)、18.6±1.0(2Θ)、19.0±1.0(2Θ)、22.8±1.0(2Θ)、および23.1±1.0(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができる。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Gに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Gに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
さらに、本発明による結晶性形態Gは、1つまたは複数のX線回折ピークが10.3±1.0(2Θ)、16.0±1.0(2Θ)、17.9±1.0(2Θ)、18.8±1.0(2Θ)、23.0±1.0(2Θ)および26.2±1.0(2Θ)からなる群から選択され、任意選択により1つまたは複数のX線回折ピークが14.6±1.0(2Θ)、17.7±1.0(2Θ)、18.6±1.0(2Θ)、19.0±1.0(2Θ)、22.8±1.0(2Θ)、および23.1±1.0(2Θ)からなる群から選択されるだけでなく、それが追加として、18.9±1.0(2Θ)、21.2±1.0(2Θ)、22.0±1.0(2Θ)、22.9±1.0(2Θ),23.3±1.0(2Θ)、27.4±1.0(2Θ)、28.2±1.0(2Θ)および29.6±1.0(2Θ)からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができることを特徴とする。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Gに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Gに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
任意選択により、本発明による結晶性形態Gは、追加として、12.9±1.0(2Θ)、17.4±1.0(2Θ)、23.4±1.0(2Θ)、28.5±1.0(2Θ)、および28.9±1.0からなる群から選択される少なくとも1つのX線回折ピークを有することができる。指摘されている通り、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°である。好ましくは、2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。好ましい実施形態において、結晶性形態Gに関するこれらのX線回折ピークは、298K±5Kでの測定値を指し、別の好ましい実施形態において、結晶性形態Gに関し、100K±5Kでの測定値を指し、各場合において1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用する。
結晶性形態Gに関する全ての2Θ値は、1.54060Åの波長を有するCuKα線を使用して298K(±5K)または100K(±5K)で得られるX線粉末ディフラクトグラム(XRPD)を指し、これは、0.71073Åの波長を有するMoKα線を使用して100K(±5K)で測定される単結晶ディフラクトグラム(SCXRD)から算出した。SCXRDが100K(±5K)で決定されたという事実により、298K(±5K)で測定されたXRPDによって決定されたピーク位置は異なるが、なぜなら単位格子の格子パラメータが温度に依存して変動するからである。そのため、2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°、好ましくは±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°である。
本発明の別の態様は、上に記載されている通りの結晶性形態Gを生成するためのプロセスに関する。
好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−1)(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのスルフェート塩またはヘミスルフェート塩を、遊離塩基の溶液または懸濁液から沈殿させるステップ
を含む。
本明細書の目的のため、「遊離塩基」は、好ましくは、一般式(I)による化合物が塩の形態において存在せず、特に酸付加塩の形態において存在しないことを意味する。
当業者に知られている従来の溶媒は、溶液または懸濁液、好ましくはこの型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、DMSO、NMP、酢酸、酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物、アセトンおよびTHFの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびにTHFおよびDMSOの混合物である。
殊に好ましい実施形態において、一般式(I)による化合物の遊離塩基を溶解させるための有機溶媒は、アセトンおよびTHFの混合物である。好ましくは、アセトンおよびTHFとの間の比は、15:1から1:15の範囲内、より好ましくは12:1から1:12の範囲内(体積/体積)である。
ステップ(a−1)は、硫酸の添加によって実施することができる。
好ましい実施形態において、硫酸は溶液の形態で添加される。
好ましい実施形態において、溶液は水性溶媒中の硫酸の溶液、即ち硫酸の水溶液である。
別の好ましい実施形態において、溶液は、有機溶媒中の硫酸の溶液であり、殊に好ましいのは、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール、ならびにジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒドロフラン1,4−ジオキサンなどのエーテル、または酢酸およびプロピオン酸などの炭酸である。
好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有する。
別の特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有しない。
特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液は水溶液であり、遊離塩基の溶液は、遊離塩基が溶解している有機溶媒である。
好ましくは、該溶液は、0.01mol/Lから15mol/Lの範囲内、より好ましくは0.02mol/Lから12.5mol/Lの範囲内、さらに好ましくは0.05mol/Lから10mol/Lの範囲内、なおより好ましくは0.1mol/Lから7.5mol/Lの範囲内、最も好ましくは0.2mol/Lから10mol/Lの範囲内、および特に0.3mol/Lから5mol/Lの範囲内の濃度で硫酸を含有する。
好ましくは、硫酸は、特にスルフェート塩を形成するために、モル過剰の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
別の好ましい実施形態において、硫酸は、特にヘミスルフェート塩を形成するために、遊離塩基のモル量より低いモル量の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、さらに好ましくは少なくとも5分、なおより好ましくは少なくとも10分、最も好ましくは少なくとも20分、および特に少なくとも30分の期間の間撹拌される。
好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも18時間、最も好ましくは少なくとも1日、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、最大でも1日、好ましくは最大でも12時間、より好ましくは最大でも6時間、さらに好ましくは最大でも2時間、なおより好ましくは最大でも60分、および最も好ましくは最大でも45分、および特に最大でも30分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−1) ステップ(a−1)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−1) ステップ(b−1)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、空気下、窒素流下またはアルゴン流下で行われる。
別の好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で行われる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−1)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−2) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に溶解させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、酢酸、NMP、DMSO、THFおよびDMSOの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミド(DMAc)の混合物である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−2)は、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点以下の温度で、より好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましい実施形態において、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−2) ステップ(a−2)で得られる溶液の溶媒を蒸発させるステップ
を含む。
溶媒を蒸発させるための適当な方法は当業者に知られている。好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は、空気中、空気流中、または不活性ガス流中、特にアルゴンもしくは窒素流中で蒸発させる。しかしながら、真空下で、例えばロータリーエバポレーターの手段によって溶媒を蒸発させることも可能である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は室温で蒸発させる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、さらに、
(b−2’) ステップ(a−2)で得られる溶液から、好ましくは沈殿剤の添加によって、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを沈殿させるステップ
を含む。
沈殿の適当な方法は当業者に知られている。本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得られる溶液の体積を低減することによって、および/または好ましくは最大でも15℃、より好ましくは最大でも10℃、いっそう好ましくは最大でも4〜8℃の温度に溶液を冷却することによって、および/またはステップ(a−2)による温度より低い、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも30℃、いっそう好ましくは少なくとも60℃の温度に溶液を冷却することによって実施することができる。
好ましい実施形態において、ステップ(b−2’)は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない(「逆溶媒」)媒体をステップ(a−2)で得られる溶液に添加することによって実施される。前記媒体は、好ましくは、酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルなどのエーテル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;アセトニトリルなどのニトリル;ピリジン、酢酸および水、ならびにDMSOからなる群から選択される。特に好ましいのは、DMSO、2−ブタノン(MEK)、2−プロパノールおよび水であり、殊に好ましいのは、2−ブタノン(MEK)および2−プロパノールである。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、それの添加で、溶解した構成成分の沈殿が開始するような方式で選択される。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体の合計量は、いくつかの分量、好ましくは2つまたは3つの分量に分割することもできる。この実施形態において、溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、最後の分量を添加した後で開始する。
溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、沈殿剤、好ましくは沈殿剤の合計量を添加した直後に開始するか、または別法として2秒から120分遅延して開始するかのいずれかである。好ましくは、溶解した構成成分の沈殿は、最大でも90分、より好ましくは最大でも60分、さらに好ましくは最大でも30分、いっそう好ましくは最大でも5分、最も好ましくは最大でも60秒、および特に最大でも10秒の期間内で開始する。
さらに、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、溶解した構成成分が完全に沈殿するような方式、または初期量の少なくとも最大90%までが、逆溶媒を完全に添加した後最大でも90分、より好ましくは最大でも80分、さらに好ましくは最大でも70分、および最も好ましくは最大でも60分の期間内に沈殿するような方式で選択される。
ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得た溶液を、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない溶媒を含有する雰囲気に曝露することによって、即ち蒸気拡散結晶化技法によって実施することもできる。
この実施形態において、好ましくはジクロロメタンがステップ(a−2)中の溶媒として選択され、ステップ(a−2)で得られる溶液は、好ましくは、ヘキサンを含有する雰囲気に曝露される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2)またはそれぞれステップ(b−2’)の後、全ての他のステップは、40から0℃の間、好ましくは35から5℃の間、より好ましくは25から15℃の間の温度で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)で得られる懸濁液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、および最も好ましくは少なくとも5分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−2’) ステップ(b−2’)で得られる沈殿物を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(d−2’) ステップ(c−2’)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(d−2’)は、空気下、またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行われる。しかしながら、得られる結晶性形態に依存して、昇温で、例えば20℃から60℃の範囲内で溶媒を蒸発させることも可能である。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−3) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に懸濁させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の懸濁液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、メタノールなどのアルコールまたは水であり、特に好ましいのはメタノールなどのアルコールである。
好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない、より好ましくは90℃より高くない、さらに好ましくは80℃より高くない、なおより好ましくは60℃より高くない、最も好ましくは40℃より高くない温度で、および特に15〜35℃の温度範囲で実施される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、100〜40℃、より好ましくは90〜50℃、および最も好ましくは85〜60℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−3)で得られる懸濁液は、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも16時間、最も好ましくは少なくとも24時間、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−3) ステップ(a−3)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−3) ステップ(b−3)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行うことができる。しかしながら、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で乾燥するのが好ましい。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−4) 2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールおよび4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体を、任意選択により酸付加塩の形態で、反応媒体として炭酸中にて硫酸の存在下で反応させることで、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを形成するステップ
を含む。
4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンの保護誘導体は、好ましくは、本発明の意味において、前記化合物のケト基が適当な保護基によって保護されている4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンの誘導体が、例えばエチレングリコール基の形態で存在することを意味する。本発明による反応ステップ(a−4)はオキサ−Pictet−Spengler反応であり、これは、例えばS.−Y.Chou ら、Heterocycles 2003、60、1095およびM.Zottら、Tetrahedron: Asymmetry 1993、4、2307(非特許文献2)から知られている。
任意の適当な炭酸は、本発明によるステップ(a−4)における反応媒体として働くことができる。反応媒体は、好ましくは、用いられる出発材料、即ち化合物2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールおよび4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のための溶媒として、好ましくは硫酸のための溶媒としても働く。
好ましくは、本発明によるステップ(a−4)における反応媒体として用いられる炭酸は、室温で液状形態である。
好ましくは、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、アクリル酸およびメタクリル酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、ステップ(a)における反応媒体として用いられる炭酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸およびプロピオン酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましいのは酢酸およびプロピオン酸である。最も好ましいのは酢酸である。
本発明の特に好ましい実施形態において、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸は酢酸である。
本発明の別の特に好ましい実施形態において、ステップ(a−4)において反応媒体として用いられる炭酸はプロピオン酸である。
好ましくは、反応媒体としての炭酸は、ステップ(a−4)において、重量による出発材料の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量で用いられる。例えば、もしも4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体400mgが用いられる場合、反応媒体としての炭酸は、2gから24gの範囲である重量による量で用いられる。より好ましくは、反応媒体としての炭酸は、ステップ(a−4)において、重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より7倍から50倍、いっそう好ましくは10倍から45倍、さらに好ましくは12倍から40倍、特に15倍から35倍、および最も好ましくは20倍から30倍高い範囲である重量による量で用いられる。
好ましくは、促進剤としての硫酸は、ステップ(a−4)において、各場合に2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のいずれかのモル量に対して1.05当量から2.00当量、好ましくは1.10当量から1.90当量、より好ましくは1.10当量から1.70当量、いっそう好ましくは1.10当量から1.50当量、さらに好ましくは1.10当量から1.40当量、特に1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられる。
好ましくは、本発明プロセスによるステップ(a−4)において用いられる硫酸は、ステップ(a−4)において用いられる反応媒体中で可溶性、好ましくは室温で可溶性である。
ステップ(a−4)の反応時間は、例えば温度、化学量論、反応させる化合物の性質、または反応媒体の性質などの様々なパラメータに依存して変動してよく、予備試験を使用する当業者によって当該プロセスのために決定することができる。好ましくは、ステップ(a)を行う反応時間は、24時間を超えず、より好ましくは18時間を超えない。いっそう好ましくは、反応時間は、1時間から20時間の範囲であり、さらに好ましくは2時間から18時間の範囲であり、特に3時間から16時間の範囲であり、最も好ましいのは4時間から10時間の範囲である。
好ましくは、反応混合物の撹拌はステップ(a−4)で行われる。
ステップ(a−4)が行われる反応温度は、例えば反応時間、化学量論、反応させる化合物の性質、または反応媒体の性質などの様々なパラメータに依存して変動してよく、予備試験を使用する当業者によって当該プロセスのために決定することができる。好ましくは、本発明プロセスのステップ(a−4)が行われる反応温度は、20℃から100℃の範囲であり、より好ましくは30℃から90℃の範囲であり、いっそう好ましくは40℃から80℃の範囲であり、さらに好ましくは40℃から60℃の範囲である。本発明の別の好ましい実施形態において、本発明プロセスのステップ(a−4)が行われる反応温度は、少なくとも30℃、好ましくは少なくとも40℃、より好ましくは少なくとも50℃である。
特に好ましい実施形態において、
○硫酸は、ステップ(a−4)において、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のモル量に対して1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられ、
○ステップ(a)において用いられる反応媒体としての少なくとも1種の炭酸は、好ましくは重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量における酢酸またはプロピオン酸である。
非常に特に好ましい実施形態において、
○硫酸は、ステップ(a−4)において、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノールまたは4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体のモル量に対して1.10当量から1.30当量の範囲である量で用いられ、
○ステップ(a)において用いられる反応媒体としての少なくとも1種の炭酸は、好ましくは重量による4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノンまたはその保護誘導体の合計量より5倍から60倍高い範囲である重量による量における酢酸またはプロピオン酸であり、
○ステップ(a)が行われる反応温度は、40℃から80℃の範囲、好ましくは40℃から60℃の範囲であり、
○ステップ(a)の反応時間は、3時間から16時間の範囲である。
好ましくは、式(I)による化合物および硫酸の固体形態は、ステップ(a−4)の実行中に反応混合物から沈殿し、したがって、ステップ(a−4)から沈殿物として、好ましくは反応混合物の濾過によって、即ち沈殿物を分離、好ましくは濾別することによって得ることができる。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−4) ステップ(a−4)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
ステップ(b−4)から得られる固体は、任意選択により、例えば
(c−4) 任意選択により、ステップ(a−2)および(b−2)もしくは(b−2’)を行うか、またはステップ(a−3)および(b−3)を行うことによって
精製することができる。
ステップ(b−4)から得られる固体は、任意選択によりさらに、当業者によく知られている方式で、例えば適当な溶媒からの再結晶化によって再結晶化することができる。別法として、得られる固体は、クロマトグラフィー分割にかけることもできる。
適当な溶媒は、予備試験を使用する当業者によって決定することができ、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド(DMSO);酢酸およびプロピオン酸などの炭酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などの溶媒が挙げられる。特に好ましいのは、酢酸、DMSOおよび酢酸の混合物、THFおよびDMSOの混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物である。当業者によく知られている再結晶化技法には、例えば、最初にステップ(a)から得られる酸付加塩を適当な溶媒中に溶解させること、任意選択により混合物を加熱すること、続いて、好ましくは別の媒体の添加によって前記酸付加塩を沈殿させること、または続いて、溶解のために用いられる溶媒を蒸発させることが含まれる。
特に好ましいのは、結晶性形態Gを調製するためのステップ(a−1)および(b−1)およびステップ(a−4)および(b−4)を含むプロセスであり、殊に好ましいのは、ステップ(a−1)および(b−1)を含むこうしたプロセスである。
本発明のさらなる態様は、上に記載されている通りのプロセスによって得られる結晶性形態Gに関する。
本発明の好ましい実施形態において、結晶性形態E、FおよびGは、100K±5Kでの単結晶Mo−Kα測定値に基づいて、298K±5KでのCu−Kα反射値として算出されたXRPDピークを特徴とする。
本発明のさらなる態様は、結晶性形態Hに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Hは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンヘミスルフェート、好ましくはその溶媒和物、より好ましくはその水和物である。
本発明による結晶性形態Hは、それが、917±2cm−1、1003±2cm−1、1572±2cm−1および1586±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Hはさらに、それが、917±2cm−1、1003±2cm−1、1572±2cm−1および1586±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンド、ならびに/または162±2cm−1、175±2cm−1、1028±2cm−1および1038±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Hはさらに、それが、926±2cm−1、1116±2cm−1、1165±2cm−1、1200±2cm−1、1220±2cm−1、1265±2cm−1、1311±2cm−1、1360±2cm−1、1374±2cm−1、1443±2cm−1および1466±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Hはさらに、それが、370±2cm−1、396±2cm−1、415±2cm−1、430±2cm−1、439±2cm−1、450±2cm−1、458±2cm−1、472±2cm−1、490±2cm−1、518±2cm−1、538±2cm−1、597±2cm−1、621±2cm−1、628±2cm−1、685±2cm−1、708±2cm−1、826±2cm−1および888±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Hはさらに、それが、213±2cm−1、238±2cm−1、257±2cm−1、284±2cm−1、341±2cm−1、353±2cm−1、566±2cm−1および982±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明のさらなる態様は、結晶性形態Iに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Iは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンヘミスルフェート、好ましくはその溶媒和物、より好ましくはそのトルエン溶媒和物である。
本発明による結晶性形態Iは、それが、916±2cm−1、1003±2cm−1、1570±2cm−1および1582±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Iはさらに、それが、916±2cm−1、1003±2cm−1、1570±2cm−1および1582±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンド、ならびに/または169±2cm−1、368±2cm−1、397±2cm−1および434±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Iはさらに、それが、187±2cm−1、207±2cm−1、259±2cm−1、451±2cm−1、491±2cm−1、680±2cm−1、923±2cm−1、1031±2cm−1、1037±2cm−1、1201±2cm−1、1296±2cm−1および1311±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Iはさらに、それが、1478±2cm−1、1466±2cm−1、1459±2cm−1、1454±2cm−1、1443±2cm−1、1375±2cm−1、1358±2cm−1、1339±2cm−1、1264±2cm−1、1157±2cm−1、1113±2cm−1、1057±2cm−1、986±2cm−1、824±2cm−1、788±2cm−1、633±2cm−1、621±2cm−1および604±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Iはさらに、それが、598±2cm−1および539±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明のさらなる態様は、結晶性形態Jに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Jは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンヘミスルフェート、好ましくはその溶媒和物、より好ましくはそのTHF溶媒和物である。
本発明による結晶性形態Jは、それが、916±2cm−1、1003±2cm−1、1572±2cm−1および1585±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Jはさらに、それが、916±2cm−1、1003±2cm−1、1572±2cm−1および1585±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンド、ならびに/または175±2cm−1、258±2cm−1、371±2cm−1および441±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Jはさらに、それが、207±2cm−1、415±2cm−1、489±2cm−1、519±2cm−1、539±2cm−1、598±2cm−1、621±2cm−1、685±2cm−1、708±2cm−1、825±2cm−1、888±2cm−1、1029±2cm−1および1037±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Jはさらに、それが、1466±2cm−1、1443±2cm−1、1376±2cm−1、1342±2cm−1、1321±2cm−1、1310±2cm−1、1299±2cm−1、1266±2cm−1、1225±2cm−1、1219±2cm−1、1207±2cm−1、1166±2cm−1、1135±2cm−1、1116±2cm−1、1083±2cm−1、1071±2cm−1、1046±2cm−1および983±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Jはさらに、それが、949±2cm−1、925±2cm−1および787±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明のさらなる態様は、結晶性形態Kに関する。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態Kは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェート、より好ましくはスルフェート、いっそう好ましくはそのTHF溶媒和物および/または水和物である。
本発明による結晶性形態Kは、それが、918±2cm−1、1004±2cm−1、1568±2cm−1および1583±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Kはさらに、それが、918±2cm−1、1004±2cm−1、1568±2cm−1および1583±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンド、ならびに/または170±2cm−1、257±2cm−1、396±2cm−1および489±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Kはさらに、それが、155±2cm−1、207±2cm−1、369±2cm−1、433±2cm−1、455±2cm−1、514±2cm−1、537±2cm−1、566±2cm−1、599±2cm−1、621±2cm−1、630±2cm−1、680±2cm−1および717±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明による結晶性形態Kはさらに、それが、1629±2cm−1、1465±2cm−1、1438±2cm−1、1371±2cm−1、1342±2cm−1、1315±2cm−1、1295±2cm−1、1267±2cm−1、1219±2cm−1、1199±2cm−1、1115±2cm−1、1076±2cm−1、1051±2cm−1、1030±2cm−1、982±2cm−1、889±2cm−1、829±2cm−1および787±2cm−1からなる群から選択される1つまたは複数の追加のラマンバンドを有することを特徴とすることができる。
本発明のさらなる態様は、各場合において互いに独立して、上に記載されている通り、結晶性形態H、I、JおよびKを生成するためのプロセスに関する。
好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−1) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのスルフェート塩またはヘミスルフェート塩を、遊離塩基の溶液または懸濁液から沈殿させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、溶液または懸濁液、好ましくはこの型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、DMSO、NMP、酢酸、酢酸およびジメチルアセトアミドの混合物、アセトンおよびTHFの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびにTHFおよびDMSOの混合物である。
殊に好ましい実施形態において、一般式(I)による化合物の遊離塩基を溶解させるための有機溶媒は、アセトンおよびTHFの混合物である。好ましくは、アセトンおよびTHFとの間の比は、15:1から1:15の範囲内、より好ましくは12:1から1:12の範囲内(体積/体積)である。
ステップ(a−1)は、硫酸の添加によって実施することができる。
好ましい実施形態において、硫酸は溶液の形態で添加される。
好ましい実施形態において、溶液は水性溶媒中の硫酸の溶液、即ち硫酸の水溶液である。
別の好ましい実施形態において、溶液は、有機溶媒中の硫酸の溶液であり、殊に好ましいのは、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール、ならびにジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒドロフラン1,4−ジオキサンなどのエーテル、または酢酸およびプロピオン酸などの炭酸である。
好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有する。
別の特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液および遊離塩基の溶液は、同じ溶媒を含有しない。
特に好ましい実施形態において、硫酸含有溶液は水溶液であり、遊離塩基の溶液は、遊離塩基が溶解している有機溶媒である。
好ましくは、該溶液は、0.01mol/Lから15mol/Lの範囲内、より好ましくは0.02mol/Lから12.5mol/Lの範囲内、さらに好ましくは0.05mol/Lから10mol/Lの範囲内、なおより好ましくは0.1mol/Lから7.5mol/Lの範囲内、最も好ましくは0.2mol/Lから10mol/Lの範囲内、および特に0.3mol/Lから5mol/Lの範囲内の濃度で硫酸を含有する。
好ましくは、硫酸は、特にスルフェート塩を形成するために、モル過剰の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
別の好ましい実施形態において、硫酸は、特にヘミスルフェート塩を形成するために、遊離塩基のモル量より低いモル量の遊離塩基の溶液または懸濁液に添加される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、さらに好ましくは少なくとも5分、なおより好ましくは少なくとも10分、最も好ましくは少なくとも20分、および特に少なくとも30分の期間の間撹拌される。
好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも18時間、最も好ましくは少なくとも1日、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−1)で得られる懸濁液または溶液は、最大でも1日、好ましくは最大でも12時間、より好ましくは最大でも6時間、さらに好ましくは最大でも2時間、なおより好ましくは最大でも60分、および最も好ましくは最大でも45分、および特に最大でも30分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−1) ステップ(a−1)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−1) ステップ(b−1)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、空気下、窒素流下またはアルゴン流下で行われる。
別の好ましい実施形態において、ステップ(c−1)は、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で行われる。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−1)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−2) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に溶解させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の溶液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、THF、酢酸、NMP、DMSO、THFおよびDMSOの混合物、DMSOおよび酢酸の混合物、ならびに酢酸およびジメチルアセトアミド(DMAc)の混合物である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−2)は、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点以下の温度で、より好ましくは100℃より高くない温度、より好ましくは80℃より高くない温度、いっそう好ましくは60℃より高くない温度で、および特に20〜40℃の温度範囲で実施される。
好ましい実施形態において、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−2) ステップ(a−2)で得られる溶液の溶媒を蒸発させるステップ
を含む。
溶媒を蒸発させるための適当な方法は当業者に知られている。好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は、空気中、空気流中、または不活性ガス流中、特にアルゴンもしくは窒素流中で蒸発させる。しかしながら、真空下で、例えばロータリーエバポレーターの手段によって溶媒を蒸発させることも可能である。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、溶媒は室温で蒸発させる。
別の好ましい実施形態において、該プロセスは、さらに、
(b−2’) ステップ(a−2)で得られる溶液から、好ましくは沈殿剤の添加によって、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを沈殿させるステップ
を含む。
沈殿の適当な方法は当業者に知られている。本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得られる溶液の体積を低減することによって、および/または好ましくは最大でも15℃、より好ましくは最大でも10℃、いっそう好ましくは最大でも4〜8℃の温度に溶液を冷却することによって、および/またはステップ(a−2)による温度より低い、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも30℃、いっそう好ましくは少なくとも60℃の温度に溶液を冷却することによって実施することができる。
好ましい実施形態において、ステップ(b−2’)は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない(「逆溶媒」)媒体をステップ(a−2)で得られる溶液に添加することによって実施される。前記媒体は、好ましくは、酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルなどのエーテル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;アセトニトリルなどのニトリル;ピリジン、酢酸および水、ならびにDMSOからなる群から選択される。特に好ましいのは、DMSO、2−ブタノン(MEK)、2−プロパノールおよび水であり、殊に好ましいのは、2−ブタノン(MEK)および2−プロパノールである。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、それの添加で、溶解した構成成分の沈殿が開始するような方式で選択される。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体の合計量は、いくつかの分量、好ましくは2つまたは3つの分量に分割することもできる。この実施形態において、溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、最後の分量を添加した後で開始する。
溶解した構成成分の沈殿は、好ましくは、沈殿剤、好ましくは沈殿剤の合計量を添加した直後に開始するか、または別法として2秒から120分遅延して開始するかのいずれかである。好ましくは、溶解した構成成分の沈殿は、最大でも90分、より好ましくは最大でも60分、さらに好ましくは最大でも30分、いっそう好ましくは最大でも5分、最も好ましくは最大でも60秒、および特に最大でも10秒の期間内で開始する。
さらに、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない媒体、沈殿剤または逆溶媒の量は、好ましくは、溶解した構成成分が完全に沈殿するような方式、または初期量の少なくとも最大90%までが、逆溶媒を完全に添加した後最大でも90分、より好ましくは最大でも80分、さらに好ましくは最大でも70分、および最も好ましくは最大でも60分の期間内に沈殿するような方式で選択される。
ステップ(b−2’)は、ステップ(a−2)で得た溶液を、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートが極わずかしか可溶でない溶媒を含有する雰囲気に曝露することによって、即ち蒸気拡散結晶化技法によって実施することもできる。
この実施形態において、好ましくはジクロロメタンがステップ(a−2)中の溶媒として選択され、ステップ(a−2)で得られる溶液は、好ましくは、ヘキサンを含有する雰囲気に曝露される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2)またはそれぞれステップ(b−2’)の後、全ての他のステップは、40から0℃の間、好ましくは35から5℃の間、より好ましくは25から15℃の間の温度で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(b−2’)で得られる懸濁液は、少なくとも1分、好ましくは少なくとも2分、より好ましくは少なくとも3分、および最も好ましくは少なくとも5分の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−2’) ステップ(b−2’)で得られる沈殿物を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(d−2’) ステップ(c−2’)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(d−2’)は、空気下、またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行われる。しかしながら、得られる結晶性形態に依存して、昇温で、例えば20℃から60℃の範囲内で溶媒を蒸発させることも可能である。
また別の好ましい実施形態において、該プロセスは、
(a−3) (1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に懸濁させるステップ
を含む。
当業者に知られている従来の溶媒は、この型の懸濁液中の溶媒として使用することができ、例えば、水、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールおよびn−ブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチルおよびiso−酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オン、ヘキサン−2−オンおよびヘキサン−3−オンなどのケトン;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンなどの飽和炭化水素;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの塩素化炭化水素;酢酸およびプロピオン酸などの炭酸;ならびにその上N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO);ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒などである。好ましい溶媒は、メタノールなどのアルコールまたは水であり、特に好ましいのはメタノールなどのアルコールである。
好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、それぞれの溶媒の沸点以下の温度で、好ましくは100℃より高くない、より好ましくは90℃より高くない、さらに好ましくは80℃より高くない、なおより好ましくは60℃より高くない、最も好ましくは40℃より高くない温度で、および特に15〜35℃の温度範囲で実施される。
別の好ましい実施形態において、ステップ(a−3)は、100〜40℃、より好ましくは90〜50℃、および最も好ましくは85〜60℃の温度範囲で実施される。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(a−3)で得られる懸濁液は、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも16時間、最も好ましくは少なくとも24時間、および特に少なくとも2日の期間の間撹拌される。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(b−3) ステップ(a−3)で得られる固体を分離、好ましくは濾別するステップ
を含む。
好ましくは、本発明によるプロセスは、さらに、
(c−3) ステップ(b−3)で得られる固体を乾燥させるステップ
を含む。
本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、空気下またはアルゴンもしくは窒素流などの不活性ガス流下で行うことができる。しかしながら、真空下で、より好ましくは0mbarから900mbarの真空で、いっそう好ましくは1mbarから500mbarの真空で、および特に10mbarから200mbarの真空で乾燥するのが好ましい。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、ステップ(c−3)は、0℃から60℃、好ましくは10℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃の温度範囲で行われる。
本発明のさらなる態様は、互いに独立して、上に記載されている通りのプロセスによって得られる、結晶性形態H、I、JおよびKに関する。
本発明のさらなる態様は、以下のステップを含むプロセスによって得られる結晶性形態に関する。
(a−1)(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのスルフェート塩またはヘミスルフェート塩を、遊離塩基の溶液または懸濁液から沈殿させるステップ、ならびに
(b−1)固体を分離、好ましくは濾別するステップ、
ここで、遊離塩基は、アセトン、2−ブタノン、エタノールおよびTHFの混合物、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、1−ブタノール、アセトンおよびH2Oの混合物、ならびにTHFおよびH2Oの混合物からなる群から選択される溶媒または溶媒混合物中に溶解または懸濁しており、
あるいは
(a−2)(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に溶解させるステップ、および
(b−2)溶媒を溶液から蒸発させるか、または
(b−2’)(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ−[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶液から沈殿させるステップ、
ここで、溶媒は、2−プロパノール、2−ブタノン、iso−酢酸ブチル、TBME、エタノール、1−ブタノール、トルエンおよびH2Oからなる群から選択され、
あるいは
(a−3)(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ−[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートを溶媒中に懸濁させ、結果として得られる懸濁液を撹拌するステップ、ならびに
(b−3)固体を分離、好ましくは濾別するステップ、
ここで、溶媒は、2−プロパノール、2−ブタノン、iso−酢酸ブチル、TBME、エタノール、1−ブタノール、トルエンおよびH2Oからなる群から選択される。
一部の実施形態において、本発明の固体形態は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンを、スルフェート塩またはヘミスルフェート塩の形態において、高い収率および純度で得るのを可能にする。これらの形態はさらに、それらが、利点を提供し得る基本的に異なる特性を有することにおいて区別される。
一部の実施形態において、本発明の固体形態は、取扱いがより簡便であることを特徴とし、活性成分をより正確に(または精密にさえ)計量することを可能にする。
一部の実施形態において、驚くべきことに、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートは、無溶媒和物形態(結晶性形態BおよびG)、水和物(結晶性形態A)、ならびに有機溶媒および/または水を用いる異なる溶媒和物(結晶性形態C、D、EおよびF)を形成できることが見出された。
一部の実施形態において、驚くべきことに、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートは、有機溶媒および/または水を用いる異なる溶媒和物(結晶性形態H、I、JおよびK)を形成できることが見出された。
一部の実施形態において、驚くべきことに、一部の結晶性形態またはそれらの混合物は、短い平衡化時間を用いる結晶化技法によって得られることが見出された。一部の実施形態において、驚くべきことに、結晶性形態Aは、水および/または水分の存在が防止されなかった限り、これらの高速結晶化技法によって得られる最も優性な形態を表すことが見出された。
さらに、結晶性形態Bは吸湿性でないことが見出された。一部の実施形態において、結晶性形態Bは、結晶性形態Aをメタノールなどのアルコール中で処理することによって結晶性形態Aから得ることができることが見出された。
一部の実施形態において、結晶性形態Bなど一部の結晶性形態は、より緩徐な結晶化技法によって得ることができることが見出された。一部の実施形態において、驚くべきことに、結晶性形態Aは、これらのより緩徐な結晶化技法によって結晶性形態B、CおよびDなど他の結晶性形態に変換することができることが見出された。
結晶性形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、JおよびKの混合物、好ましくはこれらの結晶性形態の2種または3種の混合物も本発明の範囲内に含まれる。
好ましい実施形態において、本発明による結晶性形態は、引き続いて、非晶質形態に変換される。
本発明の別の態様は、少なくとも2種の固体、好ましくは本明細書に記載されている通りの結晶性形態の混合物;または少なくとも1つの固体、好ましくは本明細書に記載されている結晶性形態と非晶質形態との混合物;または少なくとも1つの固体、好ましくは本明細書に記載されている結晶性形態と、固体、好ましくは(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミン(遊離塩基)の結晶性形態との混合物を任意の混合比で含む組成物に関する。
好ましい実施形態において、本発明による医薬組成物は、追加として、固体、好ましくは(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミン(遊離塩基)の結晶性形態を含む。したがって、この実施形態によると、医薬組成物は、固体、好ましくは(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミン(遊離塩基)の結晶性形態、ならびに本明細書に記載されている通りのその硫酸塩、好ましくは硫酸水素塩の両方の混合物を含む。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンの硫酸塩、好ましくは硫酸水素塩の合計含有量は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミン(遊離塩基+塩)の合計量に対して、最大でも2000ppm、より好ましくは最大でも1000ppm、さらに好ましくは最大でも750ppm、なおより好ましくは最大でも500ppm、いっそう好ましくは最大でも250ppm、最も好ましくは最大でも100ppm、および特に最大でも50ppmである。
好ましくは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンの硫酸塩、好ましくは硫酸水素塩の合計含有量は、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミン(遊離塩基+塩)の合計量に対して、1ppmから500ppm、より好ましくは4ppmから440ppm、さらに好ましくは7ppmから380ppm、なおより好ましくは10ppmから300ppm、いっそう好ましくは13ppmから220ppm、最も好ましくは17ppmから140ppm、および特に20ppmから60ppmの範囲内である。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンの硫酸塩の含有量を決定するための適当な方法は当業者に知られており、例えばXRPD、元素分析、ラマン分光法、赤外分光法、クロマトグラフィー法、NMR分光法、熱分析、電気泳動法、原子吸光分光学、エネルギー分散X線分光法が挙げられ、熱的方法は、とりわけ、例えばDSC、TGA、温度変調DSC、高速DSC、融点、ホットステージXRPD、ホットステージ顕微鏡法、溶液の加熱、マイクロ熱分析、熱量測定法、マイクロ熱量測定法を含む。
別の態様において、本発明は、疼痛の処置において使用するための、固体形態、特に結晶性形態および/もしくは非晶質形態、ならびに/または少なくとも2種の固体、好ましくは本明細書に記載されている通りの結晶性形態の混合物、ならびに/または少なくとも1つの固体、好ましくは本明細書に記載されている通りの結晶性形態と非晶質形態との混合物、および/または少なくとも1つの固体、好ましくは本明細書に記載されている通りの結晶性形態と、本明細書に記載されている通りの(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミン(遊離塩基)の結晶性形態との混合物に関する。
別の態様において、本発明は、本明細書に記載されている通りの固体形態を、それを必要とする患者(例えば、疼痛障害と診断された患者)に投与することを含む、疼痛を処置する方法に関する。
別の態様において、本発明は、本明細書に記載されている通りの固体形態を含む医薬組成物を、それを必要とする患者(例えば、疼痛障害と診断された患者)に投与することを含む、疼痛を処置する方法に関する。
疼痛という用語には、本明細書で使用される場合、好ましくは、これらに限定されないが炎症性、術後、神経因性、糖尿病神経因性、急性、慢性、内臓性、片頭痛性および癌の疼痛からなる群から選択される疼痛が含まれる。
一部の好ましい実施形態において、本発明による固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態は、急性、内蔵性、神経因性または慢性の疼痛の処置における使用のためである(WO2008/040481(特許文献1)を参照されたい)。
別の態様において、本発明は、本明細書に記載されている通りの固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態、ならびに下に記載されているものなど任意選択により1種または複数の適当な添加剤および/またはアジュバントを含む医薬組成物に関する。
一部の好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載されている固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態の1種または複数を約0.001重量%から約40重量%の間で含む。一部の好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載されている固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態の1種または複数を約0.001重量%から約20重量%の間で含む。一部の好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載されている固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態の1種または複数を約0.001重量%から約10重量%の間で含む。一部の好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載されている固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態の1種または複数を約0.001重量%から約5重量%の間で含む。一部の好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載されている固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態の1種または複数を約0.001重量%から約1重量%の間で含む。一部の好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載されている固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態の1種または複数を約0.01重量%から約1重量%の間で含む。
好ましくは、前記医薬組成物は、疼痛を処置するために使用することができる。
また別の態様において、本発明は、本明細書に記載されている通りの固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態を含む医薬品に関する。なお別の態様において、本発明は、本明細書に記載されている通りの医薬組成物を含む医薬品に関する。好ましい実施形態において、医薬品は固体薬物形態である。医薬品は、好ましくは、経口投与用に製造される。しかしながら、例えば頬側、舌下、経粘膜、直腸、腔内、腹腔内、経皮、静脈内、筋肉内、殿筋内、皮内および皮下の適用のための他の投与形態も可能である。
立体配置に依存して、医薬品(剤形)は、好ましくは、適当な添加剤および/またはアジュバントを含有する。本発明の意味における適当な添加剤および/またはアジュバントは、ガレヌス処方物の形成で当業者に知られている全ての物質である。これらのアジュバントの選択およびその上使用されるべき定量は、投薬がどのように行われるべきか、即ち経口、静脈内、腹腔内、皮内、筋肉内、鼻腔内、頬側または局所の投与に依存する。
一部の好ましい実施形態において、剤形は、本明細書に記載されている結晶性形態の1種または複数を40±35μg、より好ましくは40±30μg、さらに好ましくは40±25μg、なおより好ましくは40±20μg、いっそう好ましくは40±15μg、最も好ましくは40±10μg、および特に40±5μg含む。一部の他の好ましい実施形態において、剤形は、本明細書に記載されている結晶性形態の1種または複数を400±375μgまたは400±350μg、より好ましくは400±300μg、さらに好ましくは400±250μg、なおより好ましくは400±200μg、いっそう好ましくは400±150μg、最も好ましくは40±100μg、および特に400±50μg含む。
経口投与に適当な調製物は、錠剤、チュアブル錠剤、ロゼンジ剤、カプセル剤、顆粒剤、ドロップ剤、液体剤またはシロップ剤の形態におけるものであり、非経口投与、局所投与および吸入投与に適当なものは、溶液剤、懸濁液剤、簡便に再構成される乾燥製剤、およびスプレー剤である。さらに可能なのは、直腸投与用坐剤である。溶解させた形態におけるデポー剤、パッチ剤または硬膏剤の適用は、場合により皮膚浸透を促進する薬剤の添加とともに、適当な経皮形態の適用例である。
経口形態のためのアジュバントおよび添加剤の適用例は、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、充填剤、離型剤、場合により溶媒、香味剤、糖、特に担体、希釈剤、着色剤、抗酸化剤などである。
ワックスまたは脂肪酸エステルは、とりわけ、坐剤のために使用することができ、担体物質、保存剤、懸濁補助剤などは、非経口の適用形態のために使用することができる。
アジュバントは、例えば、水、エタノール、2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グルコース、フルクトース、ラクトース、ショ糖、デキストロース、糖蜜、デンプン、修飾デンプン、ゼラチン、ソルビトール、イノシトール、マンニトール、微結晶性セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチル−セルロース、酢酸セルロース、セラック、セチルアルコール、ポリビニルピロリドン、パラフィン、ワックス、天然および合成ゴム、アカシアガム、アルギネート、デキストラン、飽和および不飽和脂肪酸、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、食用油、ゴマ油、ヤシ油、落花生油、大豆油、レシチン、乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンおよびプロピレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビン酸、安息香酸、クエン酸、アスコルビン酸、タンニン酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、酸化チタン、二酸化チタン、硫酸カリウム、硫酸亜鉛、硫酸カルシウム、カリ、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、タルク、カオリン、ペクチン、クロスポビドン、寒天およびベントナイトであってよい。
これらの医薬品および医薬組成物の生成は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、A.R.Gennaro、第17版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.(1985)、特にパート8、76章から93章(非特許文献3)に記載されている通り、医薬技術の技術分野においてよく知られている手段、装置、方法およびプロセスを使用して行われる。
したがって、例えば錠剤などの固体処方物に関して、薬物の活性物質は、医薬担体物質、例えば、コーンスターチ、ラクトース、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、または薬学的に許容されるゴムなどの従来の錠剤構成物、および例えば均質分散液中に活性物質を含有する固体組成物を形成するために水などの医薬希釈剤を用いて顆粒化することができる。均質分散は本発明において、活性物質が組成物の全体にわたって均一に分散されるように、錠剤、カプセル、ロゼンジなどの同一に有効な標準的剤形に容易に分割できることを意味すると理解される。固体組成物は次いで標準的剤形に分割される。錠剤またはピルは、コーティングされるか、またはそうでなければ化合されて緩徐放出剤形を調製することもできる。適当なコーティング剤としては、ポリマー酸、ならびにポリマー酸と例えばセラック、セチルアルコールおよび/または酢酸セルロースなどの材料との混合物が挙げられる。
本発明の一実施形態において、本明細書に記載されている通りの固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態は、即時放出形態で存在する。
本発明の別の実施形態において、本明細書に記載されている通りの固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態は、少なくとも部分的に制御放出形態で存在する。特に、該活性成分は、経口的に、直腸的にまたは経皮的に適用することができる調製物から緩徐に放出することができる。
該医薬品は、好ましくは、1日1回、1日2回(bid)、または1日3回の投与用に製造することができ、1日1回または1日2回の投与(bid)が好ましい。
制御放出という用語は、本明細書で使用される場合、遅延放出、持続放出、緩徐放出および拡張放出など即時放出以外の放出の任意の型を指す。これらの用語は、こうした型の放出を得るための手段、装置、方法およびプロセスであるとして、当業者によく知られている。
本発明の別の実施形態において、
・医薬品は、経口投与用に製造される、ならびに/または
・医薬品は、固体薬物形態ならびに/または圧縮および/もしくはフィルムコートされた薬物形態である、ならびに/または
・医薬品は、本明細書に記載されている通りの固体形態、特に結晶性形態および/もしくは非晶質形態を、マトリックスから緩徐に放出する、ならびに/または
・医薬品は、該固体形態、特に結晶性形態および/もしくは非晶質形態を、医薬品の合計重量に基づいて0.001重量%から99.999重量%、より好ましい0.1重量%から99.9重量%、またより好ましい1.0重量%から99.0重量%、またさらに好ましい2.5重量%から80重量%、最も好ましい5.0重量%から50重量%、および特に7.5重量%から40重量%の定量で含有する、ならびに/または
・医薬品は、薬学的に適合性のある担体および/もしくは薬学的に適合性のあるアジュバントを含有する、および/または
・医薬品は、25mgから2000mg、より好ましい50mgから1800mg、またより好ましい60mgから1600mg、より好ましい70mgから1400mg、最も好ましい80mgから1200mg、および特に100mgから1000mgの範囲の合計質量を有する、ならびに/または
・医薬品は、錠剤、カプセル剤、ペレット剤および顆粒を含む群から選択される。
該医薬品は、単純な錠剤として、およびコーティング錠剤として(例えば、フィルムコート錠剤またはロゼンジ剤として)提供することができる。錠剤は通常円形および両凸であるが、長円形形態も可能である。サッシェまたはカプセルに含有されるか、または圧縮されて崩壊性錠剤を形成する顆粒、球体、ペレットまたはマイクロカプセルも可能である。
その態様のなお別の1つにおいて、本発明は、医薬品を生成するための、本明細書に記載されている通りの固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態の使用に関する。好ましくは、前記医薬品は疼痛の処置に適当である。
その態様のまた別の1つにおいて、本発明は、疼痛の処置のための、本明細書に記載されている通りの固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態の使用に関する。
さらに、本発明は、本明細書に記載されている通りの固体形態、特に結晶性形態および/または非晶質形態の有効量を患者に投与することを含む、患者における、好ましくは哺乳動物における疼痛を処置するための方法に関する。
例
以下の例は、本発明をより詳細に説明する働きをするが、拘束と解釈されるべきではない。
以下の略語は例において使用される。
iBuOAc iso−酢酸ブチル
1BuOH n−ブタノール(1−ブタノール)
DMSO ジメチルスルホキシド
EA 元素分析
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
IPE ジイソプロピルエーテル
MeCN アセトニトリル
MEK 2−ブタノン
MeOH メタノール
min 分
NMP N−メチル−2−ピロリドン
1PrOH n−プロパノール(1−プロパノール)
2PrOH iso−プロパノール(2−プロパノール)
r.h. 相対湿度
RTまたはr.t. 室温、好ましくは20〜25℃
sec 秒
TBME tert−ブチルメチルエーテル
THF テトラヒドロフラン
NMR 核磁気共鳴分光法
PXRD 粉末X線回折
XRPD X線粉末回折
SCXRD 単結晶X線回折
FTラマン フーリエ変換ラマン分光法
TG−FTIR フーリエ変換赤外分光法とカップリングされた熱重量分析
DSC 示差走査熱量測定
DVS 動的蒸気収着
別段に指定されていない限り、溶媒混合物は常に体積/体積である。
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンの合成
代替1
(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノン(3g、13.82mmol)、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノール(2.47g、13.82mmol)および150mLのジクロロメタンを、フラスコに0℃で投入した。3mLのジクロロメタン中のトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル(3mL、15.5mmol)の溶液を迅速に添加した。反応混合物は、色がすみれ色に変化し、温度が10℃に上昇した。反応混合物を氷浴中で冷却し、20minの間撹拌した。その間に固体が沈殿した。氷浴を除去し、反応混合物を3時間から3.5時間の間室温で撹拌した。引き続いてNaOH(1N)50mLを添加し、反応混合物をさらに10min撹拌した。色が黄色に変化し、固体が沈殿した。沈殿を完了させるために、反応混合物(2種の液相)をさらに20minの間撹拌しながら氷浴中で冷却した。最終的に、固体を濾別した。結果として得られた固体(4.2g)を引き続き、800mLの2−プロパノール中で再結晶化させた。
収量:3.5g。
収量を増強するため、液体(水およびジクロロメタン)濾液を分離した。水溶液を20mLのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を合体し、MgSO4で乾燥させ、引き続いて溶媒をストリッピング除去して乾燥させた。結果として得られた固体(1.7g)を引き続いて還流下にて800mLの2−プロパノール中で再結晶化させた。
代替2
2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノール23.65g(0.132mol)および(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノン28.68g(0.132mol)を酢酸717ml中に溶解させる。混合物を最大45〜50℃まで撹拌下にて温める。45〜50℃で硫酸8.44ml(0.158mol)を、20〜30秒の期間をかけて添加する。結果として得られた固体を4〜16hの間50〜60℃で撹拌する。混合物を20℃に冷却し、濾別し、酢酸およびイソプロパノール各々72mlで引き続き洗浄する。固体をイソプロパノール550ml中に懸濁し、ジエチルアミン42mlを添加する。結果として得られた懸濁液を室温で17〜20hの間撹拌する。固体を濾別し、イソプロパノール144mlで洗浄する。ジメチルスルホキシド(DMSO)450mlを添加して、固体を80〜87℃で溶解する。次いでイソプロパノール1200mlを添加し、混合物を室温に冷却する。結果として得られた固体を3〜24h後に濾別し、イソプロパノール200mlで洗浄する。固体を酢酸エチル250ml中に懸濁し、55〜70℃で10〜24hの間撹拌する。固体を濾別し、真空中で乾燥させる。収率:50〜60%。
別法として、硫酸の代わりに、トリフルオロメタンスルホン酸などの別のモノまたはジプロトン酸を用いることができる。
結晶性形態Aの合成
代替1
150mgの(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンを25mLのアセトンおよび1mLのTHF中に溶解させた。硫酸(H2O中0.5M)0.8mLを添加した。短時間撹拌した後、塩が析出した。結果として得られた懸濁液を1日間RTで撹拌した。結果として得られた固体を濾別し、空気中で乾燥させた。結晶性形態Aの結晶性固体が得られ、NMR、PXRD、FTラマン、TG−FTIR、DSCおよび元素分析によって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
TBME 2mLを結晶性形態A 30mgに添加し、結果として得られた懸濁液を5日間RTで撹拌し、結果として得られた固体を分離、好ましくは濾別し、前記固体を空気中で乾燥させることによっても、FTラマンおよびTG−FTIRによって特徴付けされた通りの結晶性形態Aがまた得られる(「分析」の欄を参照されたい)。
代替2
205mgの(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンを34mLのアセトンおよび1.4mLのTHF中に溶解させた。硫酸(H2O中0.5M)1.1mLを添加した。短時間撹拌した後、塩が析出した。結果として得られた懸濁液を4日間RTで撹拌した。沈殿物を濾別し、空気中で乾燥させた。結晶性形態Aの結晶性固体が得られ、FTラマンによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Bの合成
代替1
150mgの(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンを、25mLのアセトンおよび2mLのTHF中に溶解させた。硫酸(H2O中0.5M)0.8mLを添加した。短時間撹拌した後、塩が析出した。結果として得られた懸濁液を3日間RTで撹拌した。沈殿物を濾別し、空気中で乾燥させた。MeOH 2mLを得られた固体に添加した。結果として得られた懸濁液をRTで3日間撹拌した。結果として得られた固体を濾別し、空気中で乾燥させた。結晶性形態Bの結晶性固体が得られ、NMR、PXRD、FTラマンおよびTG−FTIRによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
代替2
MeOH 2mLを結晶性形態A 30mgに添加した。懸濁液を5日間RTで撹拌した。結果として得られた固体を濾別し、空気中で乾燥させた。結晶性形態Bの結晶性固体が得られ、NMR、PXRD、FTラマン、TG−FTIR、DSC、元素分析およびDVSによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Cの合成
代替1
100mgの(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンを8mLのTHF中に溶解させた。硫酸(H2O中0.5M)0.5mLを添加した。結果として得られた懸濁液を50℃で1hの間、3日間RTで、6h50℃で、および終夜RTで撹拌した。結果として得られた固体を濾別し、次いで熱いNMP(120℃〜130℃)4mL中に溶解させた。結果として得られた溶液をRTに終夜冷却した。結果として得られた沈殿物を濾別し、空気中で乾燥させた。結晶性形態Cの結晶性固体が得られ、FTラマンおよびNMRによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
代替2
結晶性形態A 20mgを2mLのNMP中に溶解させた。溶液をMEKの飽和雰囲気中に貯蔵した。結果として得られた沈殿物を濾別し、空気中で乾燥させた。結晶性形態Cの結晶性固体が得られ、FTラマンおよびTG−FTIRによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
代替3
結晶性形態A 20mgを2mLのNMP中に溶解させた。溶液を2−プロパノールの飽和雰囲気中に貯蔵した。結果として得られた沈殿物を濾別し、空気中で乾燥させた。結晶性形態Cの結晶性固体が得られた。結晶性形態Cの結晶性固体が得られ、FTラマンによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Dの合成
100mgの(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンを、18mLのアセトンおよび2mLのTHF中に溶解させた。硫酸(H2O中0.5M)0.5mLを添加した。結果として得られた懸濁液を1hの間50℃で、3日間RTで、6h50℃で、および終夜RTで撹拌した。固体を濾別し、熱いDMSO(120℃〜130℃)8mL中に溶解させた。結果として得られた溶液をRTに終夜冷却した。結果として得られた沈殿物を濾別し、空気中で乾燥させた。結晶性形態Dの結晶性固体が得られ、FTラマンおよびTG−FTIRによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Eの合成
2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エタノール23.65g(0.132mol)および(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキサノン28.68g(0.132mol)を酢酸717ml中に溶解させる。混合物を最大45〜50℃まで撹拌下で温める。45〜50℃で硫酸8.44ml(0.158mol)を、20〜30秒の期間をかけて添加する。結果として得られた固体を4〜16hの間50〜60℃で撹拌する。混合物を20℃に冷却し、濾別する。得られた固体2gを65mlのTHF/DMSO中に溶解させ、結果として得られた溶液を濾過し、空気上に終夜貯蔵した。結果として得られた結晶を濾別し、母液を48h超の間空気上に放置した。結果として得られた単結晶を濾別し、単結晶構造分析(SCXRD)を行った(収量:およそ130mg)。SCXRDデータから、対応するPXRDパターンを算出した(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Fの合成
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミン5gを酢酸500ml中に60℃で溶解させ、硫酸1.25当量を添加した。16h後、結果として得られた固体を濾別し、酢酸400mlおよび150mlのジメチルアセトアミド(DMAc)中に95℃で溶解させた。結果として得られた溶液を撹拌することなく室温に冷却させておいた。結果として得られた結晶を単結晶分析(SCXRD)によって分析した。SCXRDデータから、対応するPXRDパターンを算出した(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Gの合成
(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミン5gを酢酸500ml中に60℃で溶解させ、硫酸1.25当量を添加した。16h後、結果として得られた固体を濾別し、結果として得られた湿固体1.5gを酢酸800ml中に90℃で溶解させた。DMSO 10mlを添加し、結果として得られた溶液を撹拌することなく室温に冷却させておいた。結果として得られた結晶を単結晶分析(SCXRD)によって分析した。SCXRDデータから、対応するPXRDパターンを算出した(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Hの合成
H2O 0.05mlから0.1mlを結晶性形態Kに、マイクロタイタープレート(MTP)のウェル中で添加した。MTPをRTにてEppendorf Thermo−Mixer上で3〜4日間振盪した。安全性の理由から、溶媒を窒素流下で蒸発させた後、得られた結晶性固体をFTラマンによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Iの合成
5mlのアセトン(16.8mg/ml)中の(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのストック溶液を調製した(溶液A)。0.5mol/l(溶液B)の濃度を有するH2O中の硫酸の第2ストック溶液(10ml)を調製した。1.0mgの(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンを含有する溶液A 197.3μl、および0.1mgの硫酸を含有する溶液B 2.7μlを、マイクロタイタープレートのウェル中で混合することで、200μlの合計容量を有する溶液をもたらした。RTにて窒素流下で(0.4ml/min)溶媒を蒸発することによって結晶化を行い、トルエン0.05mlから0.1mlを得られた固体にマイクロタイタープレート(MTP)のウェル中で添加した。MTPをRTにてEppendorf Thermo−Mixer上で3〜4日間振盪した。安全性の理由から、溶媒を窒素流下で蒸発させた後、得られた結晶性固体をFTラマンによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Jの合成
5mlのTHF(16.8mg/ml)中の(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのストック溶液を調製した(溶液A)。0.5mol/lの濃度を有するH2O中の硫酸の第2ストック溶液(10ml)を調製した(溶液B)。3.2mgの(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンを含有する溶液A 191.5μl、および0.4mgの硫酸を含有する溶液B 8.5μlを、マイクロタイタープレートのウェル中で混合することで、200μlの合計容量を有する溶液をもたらした。RTにて窒素流下で(0.4ml/min)溶媒を蒸発することによって結晶化を行った。結果として得られた固体をFTラマンによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Kの合成
5mlのTHF(16.8mg/ml)中の(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのストック溶液を調製した(溶液A)。0.5mol/lの濃度を有するH2O中の硫酸の第2ストック溶液(10ml)を調製した(溶液B)。3.1mgの(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンを含有する溶液A 183.7μl、および0.8mgの硫酸を含有する溶液B 16.3μlをマイクロタイタープレートのウェル中で混合することで、200μlの合計容量を有する溶液をもたらした。結晶化をRTにて窒素流下で(0.4ml/min)溶媒を蒸発することによって行った。結果として得られた固体をFTラマンによって特徴付けた(「分析」の欄を参照されたい)。
結晶性形態Lの合成
結晶性形態A 20mgを2mLのDMSO中に溶解させた。溶液をMEKの飽和雰囲気中に貯蔵した。結果として得られた沈殿物を濾別し、空気中で乾燥させた。結晶性形態Lの結晶性固体が得られた。
結晶性形態Mの合成
結晶性形態A 20mgを2mLのDMSO中に溶解させた。溶液を2−プロパノールの飽和雰囲気中に貯蔵した。結果として得られた沈殿物を濾別し、空気中で乾燥させた。結晶性形態Mの結晶性固体が得られた。
クイックスクリーン実験によるさらなる結晶性形態の合成
方法1
溶媒中の(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのストック溶液を調製した(溶液A)。0.5mol/lの濃度を有するH2O中の硫酸の第2ストック溶液を調製した(溶液B)。(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンを含有する溶液A、および硫酸を含有する溶液Bを、マイクロタイタープレートのウェル中で混合して、200μlの合計容量を有する溶液をもたらした。結晶化をRTにて窒素流下で(0.4ml/min)溶媒を蒸発することによって行った。(2.0±0.2):1.0の(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸のモル比を用いた。
方法2
方法1に記載されている通りであるが、(1.0±0.2):1.0の(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸のモル比を用いた。
全ての実験において、結晶性形態が得られた。得られた試料をRenishaw System 1000、安定化ダイオードレーザ785nm励起、検出器としてNIR増強Peltier冷却CCDカメラを使用するラマン顕微鏡法によって特徴付けた。測定を50×または長作動距離20×の対物レンズ(測定範囲:2000〜100cm−1)で実施した。ソフトウェア「Peak比較」を使用してラマンスペクトルをラマン分類に分類した。
これらの実験からの結果を下記表M1に表示する。
方法3
方法1から得られた試料に、溶媒をマイクロタイタープレート(MTP)のウェル中で添加した。MTPをRTにてEppendorf Thermo−Mixer上で3〜4日間振盪した。安全性の理由から溶媒を窒素流下で蒸発させた後、得られた結晶性固体をラマン顕微鏡法によって特徴付けた。
方法4
方法2から得られた試料に、溶媒をマイクロタイタープレート(MTP)のウェル中で添加した。MTPをRTにてEppendorf Thermo−Mixer上で3〜4日間振盪した。安全性の理由から、溶媒を窒素流下で蒸発させた後、得られた結晶性固体をラマン顕微鏡法によって特徴付けた。
全ての実験において、結晶性形態が得られた。得られた試料を、Renishaw System 1000、安定化ダイオードレーザ785nm励起、検出器としてNIR増強Peltier冷却CCDカメラを使用するラマン顕微鏡法によって特徴付けた。測定を50×または長作動距離20×の対物レンズ(測定範囲:2000〜100cm−1)で実施した。ソフトウェア「ピーク比較」を使用して、ラマンスペクトルをラマン分類に分類した。
これらの実験の結果を下記表M2に表示する。
分析
A.NMR
結晶性形態の1H−NMRスペクトルは、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートまたはヘミスルフェートの構造に適合した。1H−NMRスペクトルは、遊離塩基のスペクトルと比較したピークシフトを示し、塩形成も指摘している。
B.元素分析(EA)
結晶性形態A
元素組成分析の結果を表B1に示す。それは塩形成を確証している。
結晶性形態B
元素組成分析の結果を表B2に示す。それは塩形成を確証している。
C.XRPD(X線粉末回折)
PXRDという用語はXRPDの同義語として使用され得る。
C.1測定
XRPD分析を透過幾何配置でPhilips X’pert PW 3040X線粉末回折器を用いて実施し、単色CuKα線をゲルマニウム単結晶の手段によって298K±5Kで使用した。d距離を2θ値から算出し、1.54060Åの波長を基礎とした。d値分析をソフトウェアEVAバージョン10,0,0,0で行った。CuKα2を該ソフトウェアによって除去し、最大35°2θまでの線だけをリストした。一般に、2θ値は2θにおいて±0.2°の誤差速度を有する。d距離値における実験エラーはそのため、ピークの位置に依存性である。d距離値はブラッグの法則を使用して2θ値から算出することができる。
平面を得るためのわずかな圧力を適用する以外任意の特殊処理をすることなく、試料を測定した。周囲空気雰囲気を使用した。装置の汚染を回避するため、試料をカプトン箔で密封した。
図1aは、結晶性形態AのPXRDパターンを示している。
図1bは、結晶性形態BのPXRDパターンを示している。
結晶性形態A
図1aは、結晶性形態AのPXRDパターンを示している。表C1は、結晶性形態Aに関するピークリストを示している。2θ値における不確実性は2θにおいて±0.2°であり、rel.Iは、それぞれのピークの相対強度である。最大相対強度は100である。
結晶性形態B
図1bは、結晶性形態BのPXRDパターンを示している。表C2は、結晶性形態Bに関するピークリストを示している。2θ値における不確実性は、2θにおいて±0.2°であり、rel.Iは、それぞれのピークの相対強度である。最大相対強度は100である。
C.2算出
単結晶データに基づき、STOE社のプログラムWinXPow(THEO 1.11、バージョンPKS_2.01)を使用して、ディフラクトグラムのピーク表およびグラフ表示を生成した。
図3aは、対応するSCXRD実験で決定されたパラメータに基づいて算出した結晶性形態EのPXRDパターンを示している。
図3bは、対応するSCXRD実験で決定されたパラメータに基づいて算出した結晶性形態FのPXRDパターンを示している。
図3cは、対応するSCXRD実験で決定されたパラメータに基づいて算出した結晶性形態GのPXRDパターンを示している。
PXRDディフラクトグラムを算出するために使用したパラメータ(図3a〜c)を以下の表C3に示す。
結晶性形態E
図3aは、対応するSCXRD実験で決定されたパラメータに基づいて算出した結晶性形態EのPXRDパターンを示している。表C4は、結晶性形態Eに関してコンピュータープログラムWinXPowによって得られた算出ピークリストを示している。2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°、好ましくは±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°であり、rel.Iは、それぞれのピークの相対強度である。最大相対強度は100である。
結晶性形態F
図3bは、対応するSCXRD実験で決定されたパラメータに基づいて算出した結晶性形態FのPXRDパターンを示している。表C5は、結晶性形態Fに関してコンピュータープログラムWinXPowによって得られた算出ピークリストを示している。2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°、好ましくは±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°であり、rel.Iは、それぞれのピークの相対強度である。最大相対強度は100である。
結晶性形態G
図3cは、対応するSCXRD実験で決定されたパラメータに基づいて算出した結晶性形態GのPXRDパターンを示している。表C6は、結晶性形態Gに関してコンピュータープログラムWinXPowによって得られた算出ピークリストを示している。2θ値における不確実性は、2θにおいて±1.0°、好ましくは±0.9°、より好ましくは±0.8°、いっそう好ましくは±0.7°、さらに好ましくは±0.6°、なおより好ましくは±0.5°、またなおより好ましくは±0.4°、特に±0.3°、最も好ましくは±0.2°であり、rel.Iは、それぞれのピークの相対強度である。最大相対強度は100である。
D.SCXRD(単結晶X線回折)
SMART APEX CCD面積検出器付きのBruker D8−角度計を用い、100K(±5K)で、MoKα線(0.71073Åの波長、Incoatec microsource、多層光学)を使用し、結晶性形態E、FおよびGのSCXRD分析を実施した。
SCXRD分析は、結晶性形態Eにおいて、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸が、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンのDMSO溶媒和物スルフェート塩の形態、即ち3個のDMSO分子を含有する(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートの結晶性形態で存在することを示した。
SCXRD分析は、結晶性形態Fにおいて、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸が、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンの酢酸溶媒和物ヘミスルフェート塩の形態、即ち2個の酢酸分子を含有する(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンヘミスルフェートの結晶性形態で存在することを示した。
SCXRD分析は、結晶性形態Gにおいて、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸が、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンの無溶媒和物スルフェート塩の形態、即ち任意の溶媒を含有しない(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ−[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェートの結晶性形態で存在することを示した。
E.FTラマン分光法(フーリエ変換ラマン分光法)
FTラマンスペクトルをBruker RFS 100ラマン分光計(Nd−YAG 100mWレーザ、励起1064nm、レーザ出力100mW、Ge検出器、64走査、25〜3500cm−1、分解能2cm−1)上で記録した。
図2aは、結晶性形態Aのラマンスペクトルを示している。
図2bは、結晶性形態Bのラマンスペクトルを示している。
図2cは、結晶性形態Cのラマンスペクトルを示している。
図2dは、結晶性形態Dのラマンスペクトルを示している。
図2eは、結晶性形態Hのラマンスペクトルを示している。
図2fは、結晶性形態Iのラマンスペクトルを示している。
図2gは、結晶性形態Jのラマンスペクトルを示している。
図2hは、結晶性形態Kのラマンスペクトルを示している。
ソフトウェアOPUS、バージョン3.1、ビルド:3,0,17(20010216)を使用し、ラマンピーク表を作成した。ピークの大部分が発見される様式でピークピッキング機能の感度を選択した(典型的に0.5%から3%の間)。偶発的にピークに起因し、明らかにノイズである特色を手動で除去した。ピークを3200cm−1から150cm−1の間のスペクトル領域にリストする。強度分類に関して、絶対強度を使用し、最も激しいピークの目盛りを約100%とした。分類は以下の通りである:非常に強い(vs):I>80%;強い(s):80%≧I>60%;中間(m):60%≧I>40%;弱い(w):40%≧I>20%;および非常に弱い(vw):20%≧I。
結晶性形態A
3074(s);2983(s);2957(w);2925(w);2906(w);2852(vw);1629(vw);1583(vs);1571(s);1464(m);1442(w);1374(w);1298(m);1265(w);1219(w);1197(w);1164(w);1115(w);1028(s);1002(s);925(m);916(s);886(w);826(w);786(vw);684(m);620(w);597(w);538(vw);490(w);370(w);204(w);173(vs)。
結晶性形態B
3078(m);3059(w);3038(w);2985(m);2978(m);2956(w);2940(vw);2913(w);1625(vw);1601(w);1584(s);1567(vs);1467(m);1452(w);1442(w);1370(w);1308(m);1295(w);1266(vw);1221(w);1201(vw);1167(vw);1133(vw);1113(w);1050(vw);1028(w);1008(w);1002(m);928(m);916(m);886(vw);821(w);703(vw);686(m);621(w);599(w);433(vw);413(vw);396(vw);370(w);275(vw);254(w);205(w);187(w)、175(m)。
結晶性形態C
3068(m);3056(m);3034(vw);3030(vw);2992(w);2971(s);2951(m);2948(m);2927(m);2903(w);1629(vw);1588(vs);1573(vs);1488(w);1476(w);1463(m);1444(w);1369(w);1308(w);1232(vw);1218(w);1202(vw);1169(vw);1131(vw);1118(w);1045(w);1026(w);1004(w);983(vw);917(s);889(w);825(w);787(vw);702(vw);681(m);621(w);598(w);538(vw);517(vw);491(w);471(vw);461(vw);437(w);409(vw);392(vw);370(w);276(w);205(w);178(w)、156(m)。
結晶性形態D
3080(w);3067(m);3057(m);3032(w);2990(s);2977(m);2948(w);2941(w);2929(w);2866(vw);1630(w);1598(w);1581(s);1567(vs);1476(vw);1462(w);1374(w);1343(vw);1310(m);1264(vw);1217(w);1199(w);1118(vw);1106(w);1047(w);1002(s);982(w);966(m);918(vs);829(w);714(vw);691(w);680(w);619(w);600(w);516(vw);491(w);427(w);392(w);369(w);288(vw);277(vw);261(w);205(m);183(w)、172(m)、155(m)。
結晶性形態H
1586(m);1572(m);1466(w);1443(w);1374(w);1360(w);1311(w);1299(w);1265(w);1220(w);1200(w);1165(w);1116(w);1038(m);1028(m);1003(m);982(vw);926(w);917(m);888(w);826(w);708(w);685(w);628(w);621(w);597(w);566(vw);538(w);518(w);490(m);472(w);458(w);450(m);439(m);430(m);415(m);396(m);370(m);353(w);341(w);284(w);257(m);238(w);213(m);175(vs);162(s)。
結晶性形態I
1582(s);1570(s);1478(s);1466(s);1459(s);1454(s);1443(s);1375(m);1358(m);1339(m);1311(s);1296(s);1264(m);1201(s);1157(m);1113(m);1057(m);1037(s);1031(s);1003(vs);986(m);923(s);916(m);824(m);788(m);680(s);633(m);621(m);604(m);598(m);539(w)、491(s);451(s);434(vs);397(vs);368(vs);259(s);207(s);187(s);169(vs)。
結晶性形態J
1585(m);1572(m);1466(m);1443(m);1376(m);1342(m);1321(m);1310(m);1299(s);1266(m);1225(m);1219(m);1207(m);1166(m);1135(m);1116(m);1083(m);1071(m);1046(m);1037(s);1029(s);1003(s);983(m);949(m);925(m);916(s);888(s);825(s);787(m);708(s);685(s);621(s);598(s);539(s);519(s);489(s);441(s);415(s);371(vs);257(vs);207(s);175(vs)。
結晶性形態K
1629(w);1583(s);1568(s);1465(m);1438(m);1371(w);1342(w);1315(m);1295(m);1267(w);1219(w);1199(w);1115(w);1076(w);1051(w);1030(m);1004(s);982(m);918(m);889(w);829(m);787(w);717(w);680(s);630(w);621(m);599(m);566(w);537(w);514(m);489(s);455(m);433(s);396(s);369(s);257(s);207(s);170(vs);155(vs)。
F.DSC(示差走査熱量測定)
示差走査熱量測定(DSC):装置基準Perkin Elmer DSC 7。別段に指定されていない限り、試料は密封した金るつぼで秤量した。測定を窒素流中にて−50℃から最大350℃までの温度範囲で10℃/minの加熱速度を用いて行った。DSC分析に関連して特定した温度は、別段に指定されていない限り、ピーク最大の温度である。
以下の表Fにおいて、「ΔH」は「特定の熱」を意味し、「ピーク」は熱事象が所定のピーク温度を有する温度で観察されたことを意味する。
G.TG−FTIR(フーリエ変換赤外分光法とカップリングした熱重量分析)
フーリエ変換赤外スペクトル(TG−FTIR)とカップリングした熱重量分析をNetzsch Thermo−Microwaage TG 209および Bruker FT−IR分光計Vector 22(アルミニウムるつぼ(オープンまたはマイクロアパーチャ付き)、窒素雰囲気、加熱速度10℃/min、25℃から最大350℃まで)で記録した。
結晶性形態Aの試料を用いて行われたTG−FTIR分析は、RTから225℃の温度範囲内で4.43%の重量損失を示したが、これは水の重量損失に起因し得ることであり、結晶性形態Aが封入溶媒として水を含有していること、即ちこれらの測定に基づいて、結晶性形態Aは水和物であることを指摘している。
結晶性形態Bの試料を用いて行われたTG−FTIR分析は、RTから250℃の温度範囲内で約0.3%の重量損失を示したが、結晶性形態Bが任意の封入溶媒を含有していないことを指摘している(即ち、無溶媒和物、特に無水物である)。
結晶性形態Cの試料を用いて行われたTG−FTIR分析は、RTから250℃の温度範囲内で17.2%の重量損失を示したが、これはNMPの重量損失に起因し得ることであり、結晶性形態Cが封入溶媒としてNMPを含有していること、即ちこれらの測定に基づいて結晶性形態Aが溶媒和物であることを指摘している。
結晶性形態Dの試料を用いて行われたTG−FTIR分析は、RTから250℃の温度範囲内で18.3%の重量損失を示した。該重量損失はDMSOおよび水の重量損失に起因し得ることであり、結晶性形態Dが封入溶媒としてDMSOおよび水を含有していないこと、即ちこれらの測定に基づいて結晶性形態Aが溶媒和物であることを指摘している。
H.動的蒸気収着(DVS)
結晶性形態B
Projekt Messtechnik SPS 11〜100n多試料蒸気収着分析器を使用する動的蒸気収着(DVS)によって、結晶性形態Bを特徴付けた。DVS分析のため、各試料をAlるつぼに入れ、50%r.h.(相対湿度)で平衡化させた後、試料の重量における変化が決定される定義済み湿度プログラムを開始した。
わずかに異なる方式で吸湿性を測定したが、それをヨーロッパ薬局方に従って以下の通りに分類した。非常に吸湿性(vh):質量の増加≧15%;吸湿性(h):質量の増加が15%未満および2%以上;わずかに吸湿性(sh):質量の増加が2%未満および0.2%以上;吸湿性でない(nh):質量の増加が0.2%未満;潮解性(d):充分な水が吸収されて液体を形成する。
2つのサイクルを用いるDVSを、結晶性形態Bの試料上にて以下のプログラムに従って行った。50%r.h.で2h;50%r.h.→0%r.h.(10%/h);0%r.h.で5h;0→95%r.h.(5%/h);95%r.h.で3h;95→50%(10%/h)、および50%r.h.で2h。
DVSは、有意な質量変化を有しない2つの可逆性サイクルを示し(Δm<0.2%)、即ち、該試料は吸湿性でない(nh)ことが判明した。
結晶性形態Bの別の試料をRTおよび85%r.h.で24hの間、吸湿性試験のために貯蔵した。該試料は吸湿性でない(nh)ことが判明した(Δm=0.10%)。
結晶性形態A
結晶性形態A(4.57mg)の試料をRTおよび80%r.h.で24hの間、吸湿性試験のために貯蔵した。貯蔵後の重量は4.85mgであると決定した。該試料は吸湿性である(h)ことが判明した(Δm=6.10%)。
I.水における可溶性
水可溶性を飽和溶液から二回蒸留H2O中で決定した(24hの平衡時間、RT)。濃度をHPLCによって測定し、飽和溶液のpHを決定した。
結晶性形態AおよびBにおけるスルフェート塩の両方の形成が化合物の水可溶性を改善することが、表Iにおける可溶性データから明らかとなる。
J.物理的なおよび化学的安定性
この実験において、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンスルフェート(結晶性形態Bの形態)の物理的および化学的安定性を、遊離塩基のものと比較した。
安定性試験を2つの条件下で行った。試料を4週間75%r.h.で40℃にて開口バイアル中で、および1週80℃にて閉口バイアル中で貯蔵した。純度をHPLCによって決定した。結果を表Jに要約する。
スルフェート塩は安定性試験後に有意な分解を示さなかったが、一方遊離塩基は明らかに変化を示した。
K.単結晶回折
MoKα線(λ=0.71073Å、Incoatec Microsource)、およびSMART APEX−CCD検出器が備えられているBruker AXS D8−Goniometerを使用して100Kで測定を実行した。
結晶性形態E、FおよびGの結晶データを以下の表K1〜K15に要約する。
結晶性形態E
等価原子を発生させるのに使用された対称変換
結晶性形態F
等価原子を発生させるために使用される対称変換
結晶性形態G
等価原子を発生させるために使用される対称変換
更に、本発明は次の実施の態様を包含する:
10.2±0.2(2Θ)、15.8±0.2(2Θ)、17.5±0.2(2Θ)、17.7±0.2(2Θ)、18.4±0.2(2Θ)、18.6±0.2(2Θ)、22.8±0.2(2Θ)、25.9±0.2(2Θ)、および任意選択により7.7±0.2(2Θ)および23.1±0.2(2Θ)での特徴的なピークを含むX線粉末回折パターン(CuKα線)を有する、(1r,4r)−6’−フルオロ−N,N−ジメチル−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ−[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4,b]インドール]−4−アミンおよび硫酸の結晶性形態B。