JP6274433B2 - セメントミキシングシステム車 - Google Patents
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Description
しかし、セメント系材料に各種の混和剤をミキシングする混練物は、その種類、目的とする用途によって、要求される混練形態が相違し、さらには施工現場の気温によって左右される混練水の温度によっても影響を受ける。
他方、この欠点を改良するために、特許文献1に記載されるように、ドラム内に粉末状のセメント、あるいはセメントと各種の混和材、混和剤、骨材などを予め混合したプレミックスセメントを収容し、混練水タンク内に収容した水とともに施工現場に輸送し、現場において必要量だけを混練するためのセメント混練物製造用トラックが提案されている。
(7)上記(4)項〜(6)項のいずれかにおいて、混練ミキサーが、回転速度一定で所定時間混練した後に回転速度を大きくし、ある回転速度となった以後はその回転速度を維持するように制御される。
(9)上記(8)項において、混練ミキサーがミキシング用の回転羽根を配設したフランジを備えるとともに、前記回転羽根を配設したフランジを交換可能とする。
請求項1記載の発明によれば、本発明のセメントミキシングシステム車には、混和剤タンクが搭載されているため、混和剤を効果の高い液体のままで施工現場において、混練することができる。また、請求項1記載の発明によれば、セメント材料サイロに施工現場の要求に応じたプレミックスセメントを収容しておくことにより、効率よく混練物を供給することができる。たとえば、混和剤のある種類のものをプレミックスしておき、施工現場において、他の種類の混和剤を混練することもできる。
従来は、混和剤は、特許文献1にも記載されるプレミックスセメントのように、液体の混和剤を無機担体に含浸して使用されており、このような使用形態では、本来の混和剤の効果は充分には発揮され難い。
また、混和剤の使用量は用途によっても異なるが、予め混和剤を混合したプレミックスセメントは、混和剤の使用量を変更することはできない。しかし、本発明のセメントミキシングシステム車は、施工現場において、混和剤の使用量を任意に調節し、用途に最も適した量を供給し混練することができる。
さらに、たとえば特許文献1においては、混練水の温度は、施工現場の気温に左右されるが、本発明のセメントミキシングシステム車では、水タンク中の混練水の温度を調節できるクーラーを備えているため、施工現場の気温に左右されずに、用途に応じて最も好ましい温度の混練物を供給することができる。
請求項7記載の発明によれば、たとえば、セメント系材料に対する混練水量が少ない配合に適した混練速度とすることができる。
請求項9記載の発明によれば、容易に望ましい回転羽根に交換することができる。
図1は、本発明のセメントミキシングシステム車に搭載するセメントミキシング装置の制御システムを示すブロック図である。図2、図3、図4は、それぞれ本発明のセメントミキシングシステム車の側面図、背面図、図2におけるA〜A線矢視図である。
セメントミキシングシステム車には、粉末状のセメント系材料を収容するセメント材料サイロ1と、混練水を収容する水タンク2と、混和剤を収容する混和剤タンク3と、混練ミキサー4と、アジテータ5の全てが搭載されている。
しかし、粉末状のセメント系材料は、混練時にセメントの水和による発熱反応により温度が上昇し、混練後の温度が望ましい温度範囲外になると、モルタルの品質に影響を及ぼす。例えば、無収縮グラウト材は一般的に圧縮強度が高く、施工後の時間経過と共に発熱量が大きくなる為、品質に影響を受けやすい。また、セルフレベリング材の品質もモルタル温度によって少なからず影響を受ける。
本発明は、混練直後のモルタルの温度を予想して、混合水の温度を調節できるという長所があり、特に気温が高くなる夏期に有用である。
混和剤は、多くは液体であり、たとえばプレミックスセメントは、液体の混和剤を無機担体に含浸させて混合されている。しかし、混和剤は無機担体に含浸させて使用するよりも、施工現場において液体のままで使用する方が品質の良好なモルタルが得られる。このため、本発明は、施工現場において、混和剤を液体のままで供給し混練することを可能としたものである。
また、現場の多様な要求に対応するために、混和剤タンク3は、種類の異なる混和剤を収容するうえから複数個設けることが好ましい。
しかし従来は、セメント系材料の混練ミキサーで混練速度を変更できるものは存在しなかった。本発明の混練ミキサー4は混練速度を変更可能とした。すなわち、混練ミキサー4の混練速度を、インバータ制御することにより、混練速度を変更可能とした。混練ミキサー4は、ミキシング用の回転羽根を備えており、この回転羽根の単位時間当りの回転数を変更可能とすることにより、混練速度を変更可能としてある。
すなわち、混練ミキサー4の回転軸Aの下端にフランジAを取付けるとともに、放射状に回転羽根を配設した回転軸Bの上端にフランジBを取付け、これらフランジAとフランジBをボルトで固定することにより、ミキシング用の回転羽根を構成する。交換の際には、ボルトを緩めて別の回転羽根を配設したフランジCと、フランジAとを固定することにより、容易に望ましい回転羽根に交換することができる。
アジテータ5内では、混練されたミキシング材料を使用に供するまで撹拌しながら待機状態となる。使用時には、アジテータ5内の混練物は、排出口5aより排出される。
さらに、混練ミキサー4におけるミキシング終了後の混練物をアジテータ5に搬送するための開閉弁4aの開弁持続時間についても制御盤7において設定できるようになっている。前記開弁持続時間は、混練ミキサー4を支持するロードセルの計量値を基にして定めてもよいが、混練物の種類による過去のデータに基づく経験値により定めてもよい。
1a 搬送手段
2 水タンク
2a 搬送手段
3 混和剤タンク
3a 搬送手段
4 混練ミキサー
4a 開閉弁
5 アジテータ
5a 排出口
6 クーラー
6a 水温調節部
7 制御盤
Claims (16)
- 粉末状のセメント系材料として、骨材を含むプレミックスセメントを収容するセメント材料サイロ、混練水を収容する水タンク、液体の混和剤を収容する混和剤タンクおよび混練ミキサーを備えるとともに、これらのセメント材料サイロ、水タンク、混和剤タンク内の収容物を混練ミキサーに搬送する搬送手段を備え、かつ混練ミキサー内でミキシングされた混練物を撹拌するアジテータの全てを搭載し、さらに前記水タンク中の混練水の温度を調節できるクーラーを備えてなることを特徴とするセメントミキシングシステム車。
- 水タンク中の混練水を、クーラー内に配設したパイプ中を循環させることにより、前記混練水の温度を調節できるようにした請求項1記載のセメントミキシングシステム車。
- 水タンク中の混練水の温度を設定できる水温調節部を備える請求項1または2記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサーの混練速度を変更可能とした請求項1〜3のいずれかに記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサーがミキシング用の回転羽根を備え、この回転羽根の単位時間当りの回転数を変更可能とすることにより、混練速度を変更可能とした請求項4記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサーの混練速度を、インバータ制御することにより、混練速度を変更可能とした請求項4または5に記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサーが、回転速度一定で所定時間混練した後に回転速度を大きくし、ある回転速度となった以後はその回転速度を維持するように制御される請求項4〜6のいずれかに記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサーがミキシング用の回転羽根を備えるとともに、前記回転羽根を交換可能とした請求項1〜7のいずれかに記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサーがミキシング用の回転羽根を配設したフランジを備えるとともに、前記回転羽根を配設したフランジを交換可能とした請求項8記載のセメントミキシングシステム車。
- 混和剤タンクを複数個設けた請求項1〜9のいずれかに記載のセメントミキシングシステム車。
- セメント材料サイロ、水タンク、混和剤タンクから混練ミキサー内に搬送されるセメント系材料、混練水、混和剤のミキシング材料の各量を計量する装置を備える請求項1〜10のいずれかに記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサーをロードセルでもって支持し、セメント系材料、混練水、混和剤のミキシング材料を所定の順序で、混練ミキサー内に順次搬送し、各ミキシング材料の搬送量を示すロードセルによる計量値が、所望の値となったときに、次のミキシング材料の搬送に切替え、順次同様にして計量することにより、各ミキシング材料を計量するようにした請求項11記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサー内に搬送するミキシング材料の順序を、混練水、混和剤、セメント系材料の順に順次実施するものとした請求項11または12に記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサー内に搬送するセメント系材料、混練水、混和剤のミキシング材料の各量の所望値を予めプログラミングすることができる制御盤を備える請求項11〜13のいずれかに記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサーの混練時間を設定することのできる制御盤を備える請求項1〜14のいずれかに記載のセメントミキシングシステム車。
- 混練ミキサーにおけるミキシング終了後の混練物をアジテータに搬送するため開閉弁の開弁持続時間を設定することのできる制御盤を備える請求項1〜15のいずれかに記載のセメントミキシングシステム車。
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