JP6274361B2 - Esd保護デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ESD保護デバイスおよびその製造方法に関する。
ESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)とは、帯電した導電性の物体(人体等)が、他の導電性の物体(電子機器等)に接触、あるいは充分接近したときに、激しい放電が発生する現象である。ESDにより電子機器の損傷や誤作動等の問題が発生する。これを防ぐために使用されるのがESD保護デバイスであり、放電時に発生する過大な電圧が電子機器の回路に加わらないようにする役割を果たしている。
例えば、特許文献1には、内部に空洞部を有する絶縁性基板と、第1放電電極および第2放電電極と、空洞部の内周面の少なくとも一部に形成され、第1放電電極および第2放電電極と電気的に接続された補助電極を有するESD保護デバイスが記載されている。
特開2010−129320号公報
空洞部内での放電は、主に空洞部の内周面に沿って発生するが(沿面放電という)、特許文献1に記載のESD保護デバイスは、空洞部の内周面の少なくとも一部に補助電極を設けることで、沿面放電を発生し易くして、ESD特性の安定性を向上させている。
しかしながら、本発明者らは、低電圧動作性の向上のため、放電ギャップを狭小化しようとすると、補助電極が劣化し易くなることを見出した。
そこで、本発明は、補助電極の劣化を抑制できるとともに、低電圧動作性を向上させることの可能な、ESD保護デバイスおよびその製造方法を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、絶縁性基板と、放電電極と、補助電極とが接する三重点に電界が集中すること、そして絶縁性基板と、放電電極と、補助電極との境界領域に空隙を設けることで、その三重点における電界を緩和できることを見出して本発明を完成させたものである。すなわち、本発明のESD保護デバイスは、絶縁性セラミックス素体の内部に形成された空洞部と、該空洞部を介して互いに一部が対向するように形成された第1放電電極および第2放電電極と、前記空洞部に少なくとも一部が露出するとともに、前記第1放電電極および前記第2放電電極と電気的に接続するように形成された補助電極を有し、前記第1放電電極および前記第2放電電極の少なくとも一方と、前記補助電極と、前記絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に前記空洞部と分離した空隙部を設けてなることを特徴とする。
本発明のESD保護デバイスによれば、第1放電電極および第2放電電極の少なくとも一方と、補助電極と、絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に空洞部と分離した空隙部を設けることにより、第1放電電極および第2放電電極の少なくとも一方と、補助電極と、絶縁性セラミックス素体とが接する三重点(以下、内部三重点という)における電界集中が緩和され、第1放電電極および第2放電電極の少なくとも一方と、空洞部と、補助電極とが接する三重点(以下、沿面三重点という)における電界集中が促進される。これにより、放電開始電圧が低下し、低電圧動作性が向上する。また、空隙部を設けることで、補助電極の内部を流れる放電(以下、内部放電という)を抑制することができるので、補助電極の劣化を抑制することができる。
また、本発明の一態様では、前記第1放電電極の端面を除く主表面と前記第2放電電極の端面を除く主表面は異なる平面上に位置している。
上記の態様によれば、第1放電電極の端面を除く主表面と第2放電電極の端面を除く主表面が異なる平面上に位置しているので、空洞部の厚さを正確に制御することが可能である。
また、本発明の一態様では、前記第1放電電極は第1ビア導体を有し、該第1ビア導体が前記空洞部に露出するように配置されている。
上記の態様によれば、第1放電電極は第1ビア導体を有し、第1ビア導体が空洞部に露出することで、沿面放電だけでなく気中放電も発生させることができるので、低電圧動作性をさらに向上させることができる。また、第1ビア導体は厚みを有するものが形成できるので、放電が繰り返されたとしても放電電極が剥がれることを抑制できる。
また、本発明の一態様では、前記第1ビア導体と、前記補助電極と、前記絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に空隙部を設けている。
上記の態様によれば、第1放電電極をプラス側に接続し、第2放電電極をグラウンド側に接続して用いることができる。
また、本発明の一態様では、前記第1放電電極は第1ビア導体を有し、前記第2放電電極は第2ビア導体を有し、該第1ビア導体と該第2ビア導体が前記空洞部に露出するとともに、互いに対向するように配置されている。
上記の態様によれば、第1ビア導体および第2ビア導体は厚みを有するものが形成できるので、放電が繰り返されたとしても放電電極が剥がれることを抑制できる。
また、本発明の一態様では、前記第1ビア導体と、前記補助電極と、前記絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部、および前記第2ビア導体と、前記補助電極と、前記絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に空隙部を設けている。
上記の態様によれば、第1放電電極をプラス側に接続し、第2放電電極をグラウンド側に接続して用いることができ、あるいは第2放電電極をプラス側に接続し、第1放電電極をグラウンド側に接続して用いることもできる。
また、本発明の一態様では、前記補助電極が、前記空洞部となる貫通孔を有する円環形状を有し、前記絶縁性セラミックス素体の内部に配置されている。
上記の態様によれば、補助電極が、空洞部となる貫通孔を有する円環形状を有しており、空洞部を取り囲んでいるので、空洞部で放電が起きやすくなる。
また、本発明の一態様では、前記補助電極の少なくとも一方の主面上に平面視において、少なくとも1つの空隙部が形成されている。
上記の態様によれば、補助電極の少なくとも一方の主面上に空洞部を取り囲むように空隙部を設けることで、空洞部の内周面に沿った放電を促進し、補助電極内での放電を抑制し、補助電極の劣化を低減する効果が得られる。
また、本発明の一態様では、前記補助電極が、最上層、中間層、および最下層からなる三層構造を有し、前記最上層および前記最下層の少なくとも一方の層は、前記中間層よりも難焼結性の材料を含む。
上記の態様によれば、補助電極を複数層で構成し、最上層および前記最下層の少なくとも一方の層に難焼結性の材料を含有させることで、放電電極と絶縁性セラミックス素体との境界領域に空隙部を形成し易くできる。
また、本発明の一態様では、前記中間層は、前記最上層および前記最下層の少なくとも一方の層よりも導電性が高い。

上記の態様によれば、中間層の導電性を高くすることで、補助電極の表面を流れる沿面放電を促進させることができる。
また、本発明のESD保護デバイスの製造方法は、第1セラミックスグリーンシートと第2セラミックスグリーンシートの各セラミックスグリーンシートの一主面上に、それぞれ第1放電電極と第2放電電極を形成する工程と、前記第1セラミックスグリーンシートと前記第2セラミックスグリーンシートよりは難焼結性の補助電極用セラミックスグリーンシートに空洞部となる貫通孔を形成する工程と、第1放電電極と第2放電電極が前記貫通孔に露出するとともに、第1放電電極と第2放電電極とが前記貫通孔を介して一部が対向するように、補助電極用セラミックスグリーンシートを挟んで第1セラミックスグリーンシート、第2セラミックスグリーンシートおよび補助電極用セラミックスグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、該積層体を焼成する工程とを有することを特徴とする。
上記の製造方法によれば、難焼結性の補助電極用セラミックスグリーンシートを挟んで第1セラミックスグリーンシート、第2セラミックスグリーンシートおよび補助電極用セラミックスグリーンシートを積層して積層体を形成し、焼成することで、第1セラミックスグリーンシートと第2セラミックスグリーンシートが補助電極用セラミックスグリーンシートに比べて収縮し易いので、収縮率の差を利用して、第1放電電極および第2放電電極の少なくとも一方と、補助電極と、絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に空洞部と分離した空隙部を有するESD保護デバイスを容易に製造することができる。
また、本発明の製造方法の一態様では、前記補助電極用セラミックスシートが、前記第1セラミックスシートと前記第2セラミックスシートよりは、焼結温度の高い材料を含んでいる。
上記の態様によれば、難焼結性の補助電極用セラミックスシートとして、第1セラミックスシートと第2セラミックスシートよりは、焼結温度の高い材料を用いることで、焼成温度を制御して空隙部を形成することができる。
また、本発明の製造方法の一態様では、第1放電電極および/または第2放電電極と、補助電極用セラミックグリーンシートとの間に空孔形成剤を挟んだ状態で第1セラミックスグリーンシート、第2セラミックスグリーンシートおよび補助電極用セラミックスグリーンシートを積層する。
上記の態様によれば、積層体の焼成時に空孔形成剤が分解・揮散して、第1放電電極および/または第2放電電極と、補助電極用セラミックグリーンシートとの間に空隙部を形成することができる。
本発明のESD保護デバイスは、補助電極の劣化を抑制できるとともに、低電圧動作性を向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態1のESD保護デバイスの模式縦断面図である。 図1Aの部分拡大図である。 本発明の実施の形態2のESD保護デバイスの模式縦断面図である。 図2Aの部分拡大図である。 本発明の実施の形態3のESD保護デバイスの模式縦断面図である。 本発明の実施の形態4のESD保護デバイスの模式縦断面図である。 本発明の実施の形態1のESD保護デバイスの製造工程の一例を示す模式縦断面図である。 本発明の実施の形態2のESD保護デバイスの製造工程の一例を示す模式縦断面図である。 本発明の実施の形態3のESD保護デバイスの製造工程の一例を示す模式縦断面図である。 本発明の実施の形態4のESD保護デバイスの製造工程の一例を示す模式縦断面図である。 (a)〜(c)は本発明における空隙部の形成位置の例を示す模式平面図である。
以下、図面等を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
実施の形態1
図1Aは、本実施の形態に係るESD保護デバイスの構造の一例を示す模式縦断面図である。ESD保護デバイスAは、絶縁性セラミックス素体1の内部に形成された空洞部2と、空洞部2を介して互いに一部が対向するように形成された第1放電電極3および第2放電電極4と、少なくとも一部が空洞部2に露出し、第1放電電極3の一部を構成する第1ビア導体6と、空洞部2に少なくとも一部が露出するとともに、第1放電電極3および第2放電電極4と電気的に接続するように形成された補助電極5と、絶縁性セラミックス素体1の外表面に分離して形成された第1外部電極8と第2外部電極9を有し、第1外部電極8は第1放電電極3に電気的に接続され、第2外部電極9は第2放電電極4に電気的に接続されている。第1放電電極3の端面を除く主表面と、第2放電電極の端面を除く主表面は異なる平面上に位置している。なお、以下の説明において、第1放電電極3および第2放電電極4の互いに対向する部分を、対向部分という場合もある。
図1Bは、図1Aの空洞部2の部分拡大図である。第1ビア導体6と、補助電極5と、絶縁性セラミックス素体1との境界領域には、空洞部2と分離した第1空隙部16が形成されている。図中の○印は、沿面三重点x、yを示しており、沿面における電界集中点となる。
なお、ビア導体とは、絶縁性セラミックス素体内のビア孔に導電性材料が充填された導体であり、放電電極の一部を構成する。
一般的に、第1放電電極から第2放電電極への静電気の放電は、空洞部2を伝わる気中放電と、補助電極5を経由した放電がある。補助電極5を経由する放電には、補助電極5の表面を電流が流れる沿面放電と、補助電極5の内部を電流が流れる放電がある。もし、第1空隙部16が形成されていない場合、第1ビア導体6と、補助電極5と、絶縁性セラミックス素体1との境界領域に内部三重点が発生し、補助電極5の内部を電流が流れる内部放電が発生する。この内部放電は、放電に伴う熱と機械的衝撃により補助電極の劣化を促進するだけでなく、電界が補助電極5の表面以外にも分散することにより、放電開始電圧を増大させる。これに対し、本実施の形態では、第1ビア導体6と、補助電極5と、絶縁性セラミックス素体1との境界領域に第1空隙部16を形成することで、内部三重点における電界集中が緩和され、沿面三重点における電界集中が促進される。これにより、放電開始電圧が低下し、低電圧動作性が向上する。また、空隙部を設けることで、補助電極の内部放電を抑制することができるので、補助電極の劣化を抑制することができる。
空隙部の形状や大きさは、空洞部と分離しており、第1放電電極または第2放電電極(あるいは第1ビア導体または第2ビア導体)と、補助電極と、絶縁性セラミックス素体との境界領域に存在すれば特に限定されない。また、空隙部の数は、1個でも複数個でもよい。例えば、補助電極が、空洞部となる貫通孔を有する円環形状を有する場合、図9に示すように、平面視で、補助電極の一方の主面上に空隙部が形成されていてもよい。図9(a)のように、リング状の1個の空隙部を設けてもよく、また図9(b)のように、一部が欠けた馬蹄形状の空隙部を設けてもよく、また図9(c)のように、複数の円弧状空隙部を円環状補助電極の円周方向に設けてもよい。空隙部の大きさは、例えば、断面視で、長さが0.1μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上5μm以下、深さが0.1μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上5μm以下である。なお、図9(a)〜(c)中の破線は、絶縁性セラミックス素体と放電電極との境界を示す。
絶縁性セラミックス素体1を構成するセラミックス材料には、例えば、Ba、Al、Siを主成分として含む低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)を用いることができる。絶縁性セラミックス素体1は、アルカリ金属成分およびホウ素成分のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。またガラス成分を含んでいてもよい。
第1放電電極3と第2放電電極4は、異なる平面に形成されており、第1放電電極3および第2放電電極4はその異なる平面の方向にそれぞれ延在している。その形状は特に限定されないが、例えば帯状形状を用いることができる。第1放電電極3および第2放電電極4は、例えば、Cu、Ag,Pd,Pt,Al,Ni,Wやそれらの少なくとも一種を含む合金などの材料で構成することができる。
補助電極5は、空洞部2に少なくとも一部が露出するとともに、第1放電電極3および第2放電電極4と電気的に接続するように形成されている。補助電極には、例えば、空洞部となる貫通孔を有する円環形状を有するセラミックス素体を用いることができる。
補助電極には、導電材料と絶縁材料との混合物であって、絶縁性セラミックス素体を構成するセラミックス材料や放電電極を構成する材料よりは難焼結性の材料を用いる。絶縁性セラミックス素体や放電電極は焼結に伴い収縮するが、補助電極は難焼結性であるので、絶縁性セラミックス素体や放電電極に比べ収縮の程度は小さい。その結果、補助電極と絶縁性セラミックス素体と放電電極とが接する境界領域では、収縮率の差に応じて空隙部が形成される。難焼結性の材料としては、絶縁性セラミックス素体や放電電極よりも焼結温度の高い材料を用いることができる。具体的には、導電材料は、例えば、Cu、Ag、Pd、Pt、Al、Ni、Wやこれらの組合せでもよい。また、導電材料として、SiC粉等の半導体材料や抵抗材料など、金属材料よりも導電性の低い材料を用いてもよい。半導体材料は、例えば、Si、Ge等の金属半導体、SiC、TiC、ZrC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、窒化クロム、VN、TaN等の窒化物、ケイ化チタン、ケイ化ジルコニウム、ケイ化タングステン、ケイ化モリブデン、ケイ化クロム等のケイ化物、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化クロム、ホウ化ランタン、ホウ化モリブデン、ホウ化タングステン等のホウ化物、チタン酸ストロンチウム等の酸化物であってもよい。また、上述の材料を、適宜、2種類以上混合してもよい。また、導電材料は、無機材料でコートされていてもよい。無機材料であれば特に限定されるものではなく、Al、ZrO、SiO等の無機材料や、セラミック基材の構成材料の混合仮焼粉などでもよい。一方、絶縁材料は、例えば、Al、SiO、ZrO、TiOなどの酸化物やSiやAINなどの窒化物や、セラミック基材の構成材料の混合仮焼粉や、ガラス質物質や、これらの組合せでもよい。好ましくは、高い耐熱性を示し、絶縁破壊電圧の高い材料である。
第1外部電極8および第2外部電極9には、例えば、Cu、Ag,Pd,Pt,Al,Ni,Wやそれらの少なくとも一種を含む合金などの材料を用いることができる。
なお、従来のESD保護デバイスの放電ギャップ(第1放電電極と第2放電電極の対向部分の間の距離)は、10μm以上50μm以下であるが、本発明では、5μm以上20μm以下、好ましくは6μm以上13μm以下の値を用いることができる。
本実施の形態に係るESD保護デバイスは、空隙部を設けることにより、沿面三重点における電界集中が促進されることで、放電開始電圧が低下するだけでなく、補助電極の内部放電を抑制することができる。これにより、補助電極の劣化を抑制し、かつ低電圧動作性を向上させることができる。また、第1ビア導体を設けることで、放電が繰り返されたとしても放電電極が剥がれることを抑制できるので、動作性の安定性を向上させる。
次に、本実施の形態に係るESD保護デバイスの製造方法について説明する。本実施の形態に係るESD保護デバイスの製造方法は、第1セラミックスグリーンシートと第2セラミックスグリーンシートの各セラミックスグリーンシートの一主面上に、それぞれ第1放電電極と第2放電電極を形成する工程と、前記第1セラミックスグリーンシートと前記第2セラミックスグリーンシートよりは難焼成性の補助電極用セラミックスグリーンシートに空洞部となる貫通孔を形成する工程と、第1放電電極と第2放電電極が前記貫通孔に露出するように、補助電極用セラミックスグリーンシートを挟んで第1セラミックスグリーンシート、第2セラミックスグリーンシートおよび補助電極用セラミックスグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、該積層体を焼成する工程とを有し、さらに第1放電電極を形成する工程においては、第1セラミックスグリーンシートにビアホールを形成し、そのビアホールに第1ビア導体を充填し、その第1ビア導体に一部が接するように第1放電電極を形成する。
以下、図5を参照して製造方法について具体的に説明する。
(1)第1放電電極と第2放電電極を形成する工程
用意したセラミックスグリーンシート11,12の上に、導電性ペーストを塗布して第1放電電極3と第2放電電極4を形成する。ここで、一つのセラミックスグリーンシート12にはビアホールを形成して、そのビアホールに導電性ペーストを充填して第1ビア導体6を形成する。この第1ビア導体6に、一部が接するように、第1放電電極3を形成する。また、第1放電電極3を形成するに先立って、セラミックスグリーンシート12にビアホールを形成し、そのビアホールに第1ビア導体6を充填し、その第1ビア導体6に一部が接するように第1放電電極3を形成する。
ここで、第1ビア導体6は、断面視で空洞部2に近い方が細くなるテーパー形状を有している。このテーパー形状により、空洞部2側で電界が集中する結果、放電が起きやすくなる効果を有している。
(2)補助電極用セラミックスグリーンシートに空洞部となる貫通孔を形成する工程
用意した補助電極用セラミックスグリーンシート15に、積層時には空洞部となる貫通孔14を形成する。貫通孔14の形状は特に限定されないが、断面がテーパー形状とあることが好ましい。
(3)積層体を形成する工程
第1放電電極3と第2放電電極4が貫通孔14に露出するように、補助電極用セラミックスグリーンシート15を挟んで、セラミックスグリーンシート10,11,12,13を積層してグリーンシート積層体を形成する。
さらに、第1放電電極および/または第2放電電極と、前記補助電極用セラミックスグリーンシートとの間に空孔形成剤を挟んだ状態で第1セラミックスグリーンシート、第2セラミックスグリーンシートおよび前記補助電極用セラミックスグリーンシートを積層することもできる。空孔形成剤は、焼成時に分解・揮散して消失し、焼成後、補助電極と絶縁性セラミックス素体と放電電極とが接する境界領域に空隙部を生成させる。空孔形成剤には、有機樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等を挙げることができる。有機樹脂の形状は特に限定されず、球状でも柱状でも不定形でもよい。
(4)焼成する工程
グリーンシート積層体の焼成は、N雰囲気中、850℃以上1000℃以下の温度範囲で行うことができる。なお、焼成温度は、セラミックスグリーンシートの材料、第1放電電極および第2放電電極の焼結温度よりも高く、かつ補助電極用セラミックスグリーンシートの材料の焼結温度よりも低い温度を用いる。セラミックスグリーンシート、第1放電電極および第2放電電極は焼成による焼結に伴い収縮するが、補助電極用セラミックスグリーンシートの材料の焼結温度は焼成温度よりも高いので、補助電極の収縮の程度は、セラミックスグリーンシート、第1放電電極および第2放電電極に比べて小さい。その結果、焼成後、補助電極と絶縁性セラミックス素体と放電電極とが接する境界領域では、収縮率の差に応じて空隙部が形成される。
実施の形態2
本実施の形態に係るESD保護デバイスは、実施の形態1のESD保護デバイスが、第1ビア導体と補助電極と絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に空隙を有するのに対し、第1ビア導体と補助電極と絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部、および第2ビア導体と補助電極と絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に空隙部を有している点で相違し、それ以外は実施の形態1に係るESD保護デバイスと同様の構造を有する。
図2Aに示すように、空洞部2を挟んで上下方向に、第1ビア導体6と第2ビア導体7とが形成されている。図2Bは、空洞部2の部分拡大図であり、第1ビア導体6と補助電極5と絶縁性セラミックス素体1との境界領域には第1空隙部16が、第2ビア導体7と補助電極5と絶縁性セラミックス素体1との境界領域には第2空隙部17が形成されている。
また、本実施の形態に係るESD保護デバイスは、第1放電電極と第2放電電極を形成する工程において、第2放電電極の一部を構成する第2ビア導体を別のセラミックスグリーンシートに形成した以外は、実施の形態1と同様の方法で製造することができる。図6は、製造工程の一例を示す模式断面図であり、ビアホールに第2ビア導体7が充填されたセラミックスグリーンシート11を、補助電極用セラミックスグリーンシート15と、第2放電電極4を形成したセラミックスグリーンシート10との間に挟んで積層する。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を有するのみならず、空洞部の上下にビア導体を設けることで、放電が繰り返されたとしても両方の放電電極が剥がれることを抑制できるので、動作性の安定性をさらに向上させることができる。
実施の形態3
本実施の形態に係るESD保護デバイスは、補助電極が、最上層、中間層および最下層からなる三層構造を有している以外は、実施の形態2に係るESD保護デバイスと同様の構造を有する。最上層および最下層の少なくとも一方の層は、中間層よりも難焼結性の材料を含み、中間層は最上層および最下層の少なくとも一方の層よりは導電性が高い。
図3は、三層15a,15b,15cが積層された三層構造の場合を示している。最上層15aと最下層15cを、中間層15bよりも難焼結性の材料で構成するとともに、中間層の材料には最上層および最下層の少なくとも一方の層よりは導電性が高い材料を用いる。例えば、最上層および/または最下層に金属材料/絶縁材料の組み合わせを用い、中間層に金属材料/半導体材料/絶縁材料の組み合わせを用いる。金属材料/半導体材料/絶縁材料の組み合わせの具体例としては、Cu/SiC/Al、金属材料/絶縁材料の組み合わせとしてはCu/Alを挙げることができる。補助電極の最上層15aと最下層15cに難焼結性の材料である金属材料/絶縁材料の組み合わせを用いることで、補助電極の最上層15aと最下層15c収縮の程度は、セラミックスグリーンシート、第1放電電極および第2放電電極に比べて、より小さくなる。したがって、補助電極と絶縁性セラミックス素体と放電電極とが接する境界領域における空隙部の形成を促進する効果を有する。他方、補助電極の中間層15bに導電性が高い材料である金属材料/半導体材料/絶縁材料の組み合わせを用いることで、半導体材料により、二次電子の放出に伴う電子雪崩の形成が促進されることで沿面放電が促進され、低電圧動作性を向上させる効果を有する。なお、必要に応じて、最上層および/または最下層をさらに複数層で構成することで、さらに空隙部の形成を促進することが可能となる。また、必要に応じて中間層を複数層で構成することで、低電圧動作性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るESD保護デバイスは、補助電極用セラミックスグリーンシート15を形成する工程において、補助電極を複数層からなる多層構造に形成した以外は、実施の形態2と同様の方法で製造することができる。図7は、製造工程の一例を示す模式断面図であり、多層構造を有する補助電極用セラミックスグリーンシート15を、セラミックスグリーンシート10,11,12,13の間に挟んで積層する。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を有するのみならず、さらに、補助電極を複数層で構成し、最上層および前記最下層の少なくとも一方の層に難焼結性の材料を含有させることで、放電電極と絶縁性セラミックス素体との境界領域に空隙部を形成し易くする一方、中間層の導電性を高くすることで、補助電極の表面を流れる沿面放電を促進させることができる。
実施の形態4
本実施の形態に係るESD保護デバイスは、第1放電電極と第2放電電極のいずれもがビア導体を含まない構造を有する以外は、実施の形態3に係るESD保護デバイスと同様の構造を有する。
図4に示すように、空洞部2を挟んで上下方向に、第1放電電極3と第2放電電極4が形成されている。また、補助電極5が、三層15a,15b,15cが積層された三層構造を有している。その三層構造は、実施の形態3に記載されているものと同様の構造を有している。
また、本実施の形態に係るESD保護デバイスは、セラミックスグリーンシート10,13の上に、導電性ペーストを塗布して第1放電電極3と第2放電電極4を形成し、第1放電電極3と第2放電電極4が貫通孔14に露出するように、補助電極用セラミックスグリーンシート15を挟んで、セラミックスグリーンシート10,13を積層してグリーンシート積層体を形成した以外は、実施の形態3と同様の方法で製造することができる。図8は、製造工程の一例を示す模式断面図であり、多層構造を有する補助電極用セラミックスグリーンシート15を、セラミックスグリーンシート10,13の間に挟んで積層する。
本実施の形態に係るESD保護デバイスについても、第1放電電極および第2放電電極の少なくとも一方と、補助電極と、絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に空洞部と分離した空隙部を設けることにより、第1放電電極および第2放電電極の少なくとも一方と、補助電極と、絶縁性セラミックス素体とが接する内部三重点における電界集中が緩和され、第1放電電極および第2放電電極の少なくとも一方と、空洞部と、補助電極とが接する沿面三重点における電界集中が促進される。これにより、低電圧動作性が向上するという効果と、補助電極の劣化を抑制することができるという効果を有する。さらに、実施の形態3の場合と同様に、補助電極を複数層で構成し、最上層および前記最下層の少なくとも一方の層に難焼結性の材料を含有させることで、放電電極と絶縁性セラミックス素体との境界領域に空隙部を形成し易くする一方、中間層の導電性を高くすることで、補助電極の表面を流れる沿面放電を促進させることができる。
なお、実施の形態1〜4では、第1放電電極の端面を除く主表面と、第2放電電極の端面を除く主表面は異なる平面上に位置している場合について説明したが、第1放電電極の端面と、第2放電電極の端面が空洞部を介して対向するように同じ平面上に形成され、第1放電電極と第2放電電極のいずれもがビア導体を含まない構造を有するESD保護デバイスについても、第1放電電極および第2放電電極の少なくとも一方と、補助電極と、絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に空洞部と分離した空隙部を設けることにより、第1放電電極および第2放電電極の少なくとも一方と、補助電極と、絶縁性セラミックス素体とが接する内部三重点における電界集中が緩和され、第1放電電極および第2放電電極の少なくとも一方と、空洞部と、補助電極とが接する沿面三重点における電界集中が促進される。これにより、低電圧動作性が向上するという効果と、補助電極の劣化を抑制することができるという効果を有する。
実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)セラミックスシート用材料の準備
セラミックスシートの材料となるセラミックス材料には、Ba、Al、Siを中心とした組成からなる材料(比誘電率εrが4〜9になるよう調整したLTCC材)を用いた。各材料を所定の組成になるよう調合し、混合し、800〜1000℃で仮焼した。得られた仮焼粉末をジルコニアボールミルで12時間粉砕し、セラミックス粉末を得た。このセラミックス粉末に、トルエン・エキネンなどの有機溶媒を加え混合した。さらにバインダー、可塑剤を加え混合しスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法により成形し、厚さ25μmのセラミックスグリーンシートを4枚得た。
(2)補助電極用材料の準備
放電電極間に配置する補助電極用材料は、Cu/Alの混合物からなる。平均粒径が0.5μmのCu粉末、平均粒径が0.1μmのAl粉末を30体積%:70体積%の比率となるように調合し、トルエン・エキネンなどの有機溶媒を加え混合した。さらにバインダー、可塑剤を加え混合しスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法により成形し、厚さ10μmの補助電極用シートを得た。
(3)ビア導体用ペースト材料および放電電極用ペースト材料の準備
(3−1)ビア導体用ペースト材料の準備
平均粒径3μmのCu粉末を80重量%と、平均粒径1μmの架橋アクリル樹脂ビーズ5重量%と、エチルセルロースをターピネオールに溶解して作製した有機ビヒクルを15重量%とを調合し、三本ロールにより混合することにより、ビア導体用ペーストを作製した。
(3−2)放電電極用ペーストの準備
平均粒径1μmのCu粉末を40重量%と、平均粒径3μmのCu粉末を40重量%と、エチルセルロースをターピネオールに溶解して作製した有機ビヒクルを20重量%とを調合し、三本ロールにより混合することにより、放電電極用ペーストを作製した。
(3−3)空洞形成用ペーストの準備
平均粒径1μmの架橋アクリル樹脂ビーズ38重量%と、ターピネオール中にエトセル樹脂を10wt%溶解した有機ビヒクル62重量%とを調合し、三本ロールにより混合することにより、空洞形成用ペーストを作製した。
(3−4)外部電極用ペーストの準備
平均粒径が約1μmのCu粉末を80重量%と、転移点620℃、軟化点720℃で平均粒径が約1μmのホウケイ酸アルカリ系ガラスフリットを5重量%と、エチルセルロースをターピネオールに溶解して作製した有機ビヒクル15重量%とを調合し、三本ロールにより混合することにより、外部電極用ペーストを作製した。
(4)レーザー加工によるビアホール形成および充填
セラミックスグリーンシートと補助電極シートへ、COレーザーによりビアホールを形成した。セラミックスグリーンシートへは、入射φ130μm(出射φ120μm)のビアホールを形成し、ビア導体用ペーストを充填した。補助電極用シートへは、入射φ100μm(出射φ95μm)のビアホールを形成し、空洞形成用ペーストを充填した。その後、補助電極用シートから、所定のサイズを切り出し、積層時の放電部形成に用いた。
(5)スクリーン印刷による放電電極の塗布
放電電極用ペーストをスクリーン印刷により、塗布形成した。ビアホールを形成していない1枚のセラミックスグリーンシ−トと、ビアホールを形成しビアを充填したセラミックスグリーンシート上に、放電電極用ペーストを塗布し、外部へ引き出した。
(6)積層および圧着
図5に示すように、第2放電電極4が形成されたセラミックスグリーンシート11と、ビアホールに第1ビア導体6が充填されるとともに第1放電電極3が形成されたセラミックスグリーンシート12との間に補助電極用セラミックスグリーンシート15を挟むように、セラミックスグリーンシート10,11,12,13を積層し、圧着して積層体を作製した。ここで、第1放電電極の一部と、第1ビア導体6が貫通孔14を介して互いに対向するように、セラミックスグリーンシート10,11,12,13を積層した。本実施例では、積層体の厚みが0.3mmとなるように積層・圧着した。
(7)カット
LCフィルタのようなチップタイプの電子部品の場合と同様に、マイクロカッタでカットして、各チップに分割した。本実施例では、縦×横が、1.0mm×0.5mm、となるようにカットした。
(8)焼成
次いで、通常のセラミックス多層部品の場合と同様に、N雰囲気中で焼成した。酸化しない電極材料の場合には、大気雰囲気でもよい。放電電極を形成したセラミックスグリーンシートの焼結温度は900℃、補助電極用シートの焼結温度は1000℃以上であるので、焼成温度は950℃とした。
(9)端面電極塗布および焼き付け
焼成後、端面に電極ペーストを塗布し、焼き付けることで外部電極を形成した。
(10)めっき
外部電極上に電解Ni−Snめっきを行った。
以上の工程により、積層体の厚さ方向に沿って、空洞部の片側にビア導体が配置されたESD保護デバイスが完成した。なお、放電ギャップ(放電電極間の距離)は、10μmとした。また、以下の実施例および比較例でも、特に断らない限り、放電ギャップは10μmとした。
実施例2
本実施例では、積層体の厚さ方向に沿って、空洞部の両側にビア導体が配置されたESD保護デバイスを作製した。
具体的には、上記の積層および圧着の工程において、図5に示すように、ビアホールにビア導体が充填されるとともに第1放電電極が形成されたセラミックスグリーンシートと、ビアホールにビア導体が充填されるとともに第2放電電極が形成されたセラミックスグリーンシートとの間に補助電極シートを挟むように、複数のセラミックスグリーンシートを積層し、圧着して積層体を作製した以外は、実施例1と同様の方法を用いて作製した。
実施例3
本実施例では、積層体の厚さ方向に沿って、空洞部の両側にビア導体が配置され、補助電極を3層構造としたESD保護デバイスを作製した。
具体的には、上記の補助電極用材料の準備の工程に、以下の方法を用いた以外は、実施例2と同様の方法を用いて作製した。
二種類の補助電極用材料A,Bを準備した。
補助電極用材料Aは、Cu/Alの混合物からなる。平均粒径が0.5μmのCu粉末と、平均粒径が0.1μmのAl粉末を30体積%:70体積%の比率に調合し、トルエン・エキネンなどの有機溶媒を加え混合した。さらにバインダー、可塑剤を加え混合しスラリーを得た。
補助電極用材料Bは、Cu/SiC/Alの混合物からなる。平均粒径が0.5μmのCu粉末、平均粒径が0.5μmのSiC粉末、平均粒径が0.1μmのAl粉末を30体積%:50体積%:20体積%の比率に調合し、トルエン・エキネンなどの有機溶媒を加え混合した。さらにバインダー、可塑剤を加え混合しスラリーを得た。
得られたスラリーをドクターブレード法により成形し、補助電極シートA,Bを作製した。補助電極シートAの上に補助電極シートBを積層し、さらに補助電極シートBの上に補助電極シートAを積層し、圧着することで、三層構造で厚さ10μmの積層補助電極シートを得た。
実施例4
本実施例では、空洞部の両側にビア導体を形成しなかった以外は、実施例3と同様の方法を用いてESD保護デバイスを作製した。
比較例1
補助電極用材料に、CuとBAS材の混合物を用いた以外は、実施例2と同様の方法を用いてESD保護デバイスを作製した。
[放電開始電圧測定]
作製したESD保護デバイスの放電開始電圧は、IEC規格(IEC61000−4−2)に定められている静電気放電イミュニティ試験に基づき、接触放電にて1.5kV〜3.0kVの電圧を印加して動作率を測定した。各実施例および比較例について、それぞれ100個のサンプルについて評価を行った。ここで、動作率とは、総サンプル数に対する、所定電圧で放電したサンプル数の比である。
[絶縁抵抗値(IR)劣化耐性測定]
作製したESD保護デバイスについて、繰り返し放電が生じた場合の耐性について評価した。具体的には、IEC規格(IEC61000−4−2)に定められている静電気放電イミュニティ試験に基づき、接触放電にて8kVまたは10kVの電圧を100回連続印加し、IR値が10kΩまで低下したサンプルを故障、10kΩまで低下しなかったサンプルを良品と判断して、良品率を比較した。各実施例および比較例について、それぞれ50個のサンプルについて評価を行った。ここで、良品率とは、総サンプル数に対する、良品と判断されたサンプル数の比である。
(結果)
比較例1では、1.5kVにおける動作率が10%以下であった。これに対し、実施例1〜4では、1.5kVでも30%以上の動作率、特に実施例3では50%以上の動作率が得られた。また、IR劣化耐性に関し、10kVにおける良品率が、比較例1では10%以下であるのに対し、実施例1〜4では50%以上の良品率が得られた。
1 絶縁性セラミックス素体
2 空洞部
3 第1放電電極
4 第2放電電極
5 補助電極
6 第1ビア導体
7 第2ビア導体
8 第1外部電極
9 第2外部電極
10 セラミックスグリーンシート
11 セラミックスグリーンシート
12 セラミックスグリーンシート
13 セラミックスグリーンシート
14 貫通孔
15 補助電極用セラミックスグリーンシート
15a 補助電極の最上層
15b 補助電極の中間層
15c 補助電極の最下層
16 第1空隙部
17 第2空隙部

Claims (13)

  1. 絶縁性セラミックス素体の内部に形成された空洞部と、該空洞部を介して互いに一部が対向するように形成された第1放電電極および第2放電電極と、前記空洞部に少なくとも一部が露出するとともに、前記第1放電電極および前記第2放電電極と電気的に接続するように形成された補助電極を有し、
    前記第1放電電極および前記第2放電電極の少なくとも一方と、前記補助電極と、前記絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に前記空洞部と分離した空隙部を設けてなる、ESD保護デバイス。
  2. 前記第1放電電極の端面を除く主表面と前記第2放電電極の端面を除く主表面は異なる平面上に位置する、請求項1記載のESD保護デバイス。
  3. 前記第1放電電極は第1ビア導体を含み、該第1ビア導体が前記空洞部に露出するように配置されている、請求項2記載のESD保護デバイス。
  4. 前記第1ビア導体と、前記補助電極と、前記絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に空隙部を設けてなる、請求項3記載のESD保護デバイス。
  5. 前記第1放電電極は第1ビア導体を含み、前記第2放電電極は第2ビア導体を含み、該第1ビア導体と該第2ビア導体が前記空洞部に露出するとともに、互いに対向するように配置されている、請求項2記載のESD保護デバイス。
  6. 前記第1ビア導体と、前記補助電極と、前記絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部、および前記第2ビア導体と、前記補助電極と、前記絶縁性セラミックス素体との境界領域の少なくとも一部に空隙部を設けてなる、請求項5記載のESD保護デバイス。
  7. 前記補助電極が、前記空洞部となる貫通孔を有する円環形状を有し、前記絶縁性セラミックス素体の内部に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のESD保護デバイス。
  8. 前記補助電極の少なくとも一方の主面上に、少なくとも1つの空隙部が形成されている、請求項7記載のESD保護デバイス。
  9. 前記補助電極が、最上層、中間層および最下層からなる多層構造を有し、前記最上層および前記最下層の少なくとも一方の層は、前記中間層よりも難焼結性の材料を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載のESD保護デバイス。
  10. 前記中間層は、前記最上層および前記最下層の少なくとも一方の層よりも導電性が高い、請求項9に記載のESD保護デバイス。
  11. 請求項1記載のESD保護デバイスの製造方法であって、
    第1セラミックスグリーンシートと第2セラミックスグリーンシートの各セラミックスグリーンシートの一主面上に、それぞれ第1放電電極と第2放電電極を形成する工程と、
    前記第1セラミックスグリーンシートと前記第2セラミックスグリーンシートよりは難焼結性の補助電極用セラミックスグリーンシートに空洞部となる貫通孔を形成する工程と、
    第1放電電極と第2放電電極が前記貫通孔に露出するとともに、第1放電電極と第2放電電極とが前記貫通孔を介して一部が対向するように、補助電極用セラミックグリーンシートを挟んで第1セラミックスグリーンシート、第2セラミックスグリーンシートおよび補助電極用セラミックスグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
    該積層体を焼成する工程とを有する、該製造方法。
  12. 前記補助電極用セラミックスグリーンシートが、前記第1セラミックスグリーンシートおよび前記第2セラミックスグリーンシートよりも焼結温度の高い材料を含む請求項11記載の製造方法。
  13. 第1放電電極および/または第2放電電極と、前記補助電極用セラミックスグリーンシートとの間に空孔形成剤を挟んだ状態で第1セラミックスグリーンシート、第2セラミックスグリーンシートおよび前記補助電極用セラミックスグリーンシートを積層する、請求項12記載の製造方法。
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