以下に添付図面を参照して、本発明にかかる撮影装置、および撮影方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態にかかる撮影装置100による撮影動作の一例)
図1は、実施の形態にかかる撮影装置100による撮影動作の一例を示す説明図である。
撮影装置100は、オートフォーカスを行う装置である。以下の説明では、オートフォーカスを「AF」と表記する場合がある。撮影装置100は、例えば、シャッターボタンを半押しされた時にAFを開始する。また、撮影装置100は、例えば、電源を投入された時にAFを開始してもよい。
また、撮影装置100は、被写体Oからの光線RをレンズLを介してイメージセンサーSに入射させて、イメージセンサーSによって被写体Oを連続して撮影する装置である。以下の説明では、説明の簡略化のため、レンズLを1枚のレンズとして説明するが、これに限らない。例えば、レンズLは、複数のレンズの組み合わせであってもよい。
ここで、AFとは、上述したように、レンズLがピントが合った状態になるように、レンズLの位置の調整を行うことである。ピントが合った状態とは、被写体Oが点光源であって、かつ、収差を生じない理想的な条件においては、レンズLが、被写体Oからの光線RがレンズLを介してイメージセンサーSにおいて収束する状態になる位置にあることである。
現実的な条件では、撮影範囲内に被写体Oが複数存在し、各々の被写体OとレンズLとの距離が異なり、かつ、収差を生じる。このため、現実には、ピントが合った状態は、レンズLが、被写体Oからの光線RがレンズLを介してイメージセンサーSにおいて収束する状態になる位置から所定の許容範囲内の位置にある状態とする。以下の説明では、「ピントが合った」とは、「レンズLが、被写体Oからの光線RがレンズLを介してイメージセンサーSにおいて収束する状態になる位置から所定の許容範囲内の位置にある状態にあること」を示す。
また、撮影装置100は、AFと併せて、オートエキスポージャー(AE:Automatic Exposure)を行ってもよい。しかしながら、以下の説明では、説明の簡略化のため、オートエキスポージャーについての説明を省略する。
図1(A)は、AFにおけるレンズLの動作を示す。撮影装置100は、レンズLを、手前方向、または奥方向に移動させながら、イメージセンサーSによって連続して撮影された画像からレンズLの合焦度合いを表す評価値を算出する。合焦度合いとは、例えば、ピントが合っている度合いである。評価値とは、例えば、画像の明暗差を示す値である。
次に、撮影装置100は、評価値の時系列変化に基づいて、レンズLがピントが合った状態になる位置に近づいているか否かを判定し、近づいていればレンズLを継続して同一方向に移動させ、近づいていなければ逆方向に移動させる。以下の説明では、ピントが合った状態になる位置を「合焦位置」と表記する場合がある。
これにより、撮影装置100は、「レンズLを合焦位置に近づけていき、合焦位置を通り越したら逆方向に移動させて再びレンズLを合焦位置に近づける」という動作を繰り返して、レンズLの位置を合焦位置に移動させる。
図1(A)の例では、(1)撮影装置100は、レンズLを手前方向に移動させ、イメージセンサーSによって撮影された画像から得られるレンズLの合焦度合いを表す評価値が増大するか否かを判定する。ここで、撮影装置100は、レンズLを手前方向に移動させることにより評価値が増大したため、レンズLが合焦位置に近づいていると判定し、レンズLを手前方向に移動させ続ける。
(2)撮影装置100は、レンズLを手前方向に移動させ続けていると評価値が増大せずに減少し始めたため、レンズLが合焦位置を通り越したと判定し、レンズLを逆方向である奥方向に、(1)の場合より移動速度を遅くして移動させる。そして、撮影装置100は、再びレンズLを合焦位置に近づける。
ここで、撮影装置100は、予め合焦位置を特定しておくことが困難であって、レンズLが合焦位置を通り越した後になってから合焦位置を通り越したと判定することになるため、レンズLを合焦位置において停止することが困難である。また、撮影装置100は、レンズLが合焦位置を通り越したと判定した時点でレンズLを即座に停止させるとレンズLの駆動部品が消耗するため、レンズLが合焦位置を通り越したと判定した時点でレンズLを停止することが困難である。
(3)撮影装置100は、レンズLを奥方向に移動させ続けていると評価値が増大せずに減少し始めたため、レンズLが合焦位置を通り越したと判定し、レンズLを逆方向である手前方向に、(2)の場合より移動速度を遅くして移動させる。そして、撮影装置100は、再びレンズLを合焦位置に近づける。これにより、撮影装置100は、レンズLを合焦位置の近傍で停止させる。
図1(B)は、AF中の撮影動作を示す。図1(B)のグラフにおいて、縦軸は、レンズLの合焦度合いを表す評価値と、レンズLの合焦度合いを表す評価値の極大値と、の差分Δφについての軸である。縦軸が0に近いほど、レンズLが合焦位置に近いことを示す。横軸は、時間tについての軸である。時間tの単位は、例えば、ミリ秒である。破線は、イメージセンサーSによる撮影時点である。以下の説明では、破線が示す各々の時点A〜Iにおいて撮影された画像を、「画像A〜I」と表記する場合がある。実線Xは、差分Δφの時系列変化である。実線Xは、縦軸の0に近いほど、評価値が大きいことを示す。
撮影装置100は、上述した図1(A)の(2)において、レンズLが合焦位置を通り越したと判定すると、評価値の極大値を算出する。以下の説明では、評価値の極大値を「合焦値」と表記する場合がある。撮影装置100は、例えば、合焦位置を通り越す直前にイメージセンサーSによって撮影された画像Bから評価値を算出し、合焦位置を通り越した直後にイメージセンサーSによって撮影された画像Cから評価値を算出し、評価値の平均値を合焦値として算出する。
そして、撮影装置100は、撮影した各々の画像から得られる評価値と、合焦値との差分を算出して、差分に基づいて画像を選択して、選択した画像を出力する。これにより、撮影装置100は、AFが完了する前であってもピントが合った状態で撮影された画像を選択して出力することができる。
また、撮影装置100は、例えば、時点T1でシャッターボタンが全押しされた場合には、AFが完了する時点T2まで待ってから、時点T2にピントが合った状態で撮影された画像Iを選択して出力しなくてもよい。撮影装置100は、例えば、全押しされた時点T1に近い時点にピントが合った状態で撮影された画像Cを選択して出力することができる。これにより、撮影装置100は、ピントが合った画像であって、かつ、画像Iよりも利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像Cを選択して出力することができる。
また、撮影装置100は、例えば、時点T1でシャッターボタンが全押しされた場合に、全押しされた時点T1に最も近い時点にピントが合っていない状態で撮影された画像Dを選択して出力しなくてもよい。撮影装置100は、例えば、全押しされた時点T1に近い時点にピントが合った状態で撮影された画像Cを選択して出力することができる。これにより、撮影装置100は、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像であって、かつ、画像Dよりピントが合った状態で撮影された画像Cを選択して出力することができる。
(撮影装置100のハードウェア構成例)
図2は、撮影装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図2において、撮影装置100は、センサーモジュール210と、カメラDSP220(Digital Signal Processor)と、バッファメモリ230と、記憶媒体240と、ディスプレイ250と、を有する。
センサーモジュール210は、被写体Oからの光線Rを光電変換素子によって電気信号に変換して、カメラDSP220に送信する装置である。センサーモジュール210は、可動レンズLと、モーターMと、イメージセンサーSと、を有する。
可動レンズLは、被写体Oからの光線Rを屈折させてイメージセンサーSにおいて収束させるための素子である。可動レンズLは、例えば、5〜15枚のレンズLを含む。モーターMは、可動レンズLの位置を移動させるための駆動装置である。イメージセンサーSは、光電効果によって、レンズLを介して入射した光線Rを電気エネルギーに変換して、カメラDSP220にセンサーデータとして送信する素子である。
カメラDSP220は、画像取り込み部221と、画像処理部222と、画像表示部223と、AF検波部224と、画像保存部225と、CPU226(Central Processing Unit)と、記憶装置227と、モーター制御部228と、を有する。
画像取り込み部221は、センサーデータを取り込んで、AF検波部224、およびバッファメモリ230に出力する。また、画像取り込み部221は、センサーデータを取り込んで、画像処理部222に出力してもよい。画像処理部222は、センサーデータを画像データに変換し、画像保存部225、および画像表示部223に出力する。画像表示装置は、画像データに基づいて、ディスプレイ250に画像を表示する装置である。
AF検波部224は、イメージセンサーSによって取得されたセンサーデータから、ハイパスフィルタを用いて高周波成分を抽出して、抽出した成分量を評価値として算出する装置である。画像保存部225は、画像処理部222から画像データを受信して、記憶媒体240に格納する装置である。
CPU226は、カメラDSP220全体の制御を司る。記憶装置227は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶する。記憶装置227は、CPU226のワークエリアとして使用される。記憶装置227は、例えば、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)などを採用することができる。モーター制御部228は、モーターMの回転方向、および回転速度を制御する。
バッファメモリ230は、イメージセンサーSによって取得されたセンサーデータを一時的に記憶する記憶装置227である。バッファメモリ230は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)によって、リングバッファを実現する。バッファメモリ230は、例えば、9個のフレームFA〜FIを有し、センサーデータは空きフレームに格納される。また、センサーデータは、空きフレームがない場合は最も古いセンサーデータが格納されたフレームに上書きされる。バッファメモリ230へのセンサーデータの格納方法については、図3および図4を用いて後述する。
記憶媒体240は、画像データを記憶する装置である。記録媒体は、例えば、フラッシュメモリなどを採用することができる。ディスプレイ250は、画像を表示する装置である。ディスプレイ250は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ250は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
(バッファメモリ230へのセンサーデータの格納方法の一例)
次に、図3および図4を用いて、バッファメモリ230へのセンサーデータの格納方法の一例について説明する。
図3および図4は、バッファメモリ230へのセンサーデータの格納方法の一例を示す説明図である。撮影装置100は、画像取り込み部221によってセンサーデータが取り込まれる都度、センサーデータを空きフレームに格納し、空きフレームがない場合は最も古いセンサーデータが格納されたフレームに上書きする。
図3に示すように、撮影装置100は、画像取り込み部221によってセンサーデータF0が取り込まれると、センサーデータF0を、空きフレームFAに格納する。次に、撮影装置100は、画像取り込み部221によってセンサーデータF1が取り込まれると、センサーデータF1を、空きフレームFBに格納する。このようにして、撮影装置100は、センサーデータF2〜F8を、それぞれ空きフレームFC〜FIに格納する。
次に、撮影装置100は、画像取り込み部221によってセンサーデータF9が取り込まれると、センサーデータF9を、最も古いセンサーデータF0が格納されたフレームFAに上書きする。このようにして、撮影装置100は、センサーデータF10〜F12を、それぞれフレームFB〜FDに上書きする。
これにより、撮影装置100は、画像取り込み部221によって取り込まれたセンサーデータのうち、最新のセンサーデータに加えて、過去8個分までのセンサーデータを格納することができる。
図4に示すように、撮影装置100は、例えば、図3の動作の終了時点であれば、センサーデータF4〜F12のいずれかのセンサーデータを選択して、バッファメモリ230から抽出することができる。そして、撮影装置100は、抽出したセンサーデータを画像データに変換して、画像データに基づいてディスプレイ250に画像を表示することができる。
(撮影装置100の機能的構成例)
次に、図5を用いて、撮影装置100の機能的構成例について説明する。
図5は、撮影装置100の機能的構成例を示すブロック図である。撮影装置100は、入力部501と、撮影部502と、記憶部503と、調整部504と、検出部505と、算出部506と、選択部507と、出力部508と、を含む。撮影装置100は、バッファメモリ230に記憶された画像のうちのいずれかの画像を選択して出力する動作を行うことができる。以下の説明では、画像を選択して出力する動作を「第1の動作」と表記する場合がある。
また、撮影装置100は、AFが完了する前にAFを停止する動作を行うことができる。以下の説明では、AFが完了する前にAFを停止する動作を「第2の動作」と表記する場合がある。
<第1の動作>
まず、第1の動作について説明する。第1の動作は、例えば、入力部501と、撮影部502と、記憶部503と、調整部504と、検出部505と、算出部506と、選択部507と、出力部508と、によって実現される。
入力部501は、撮影指示の入力を受け付ける。ここで、撮影指示とは、利用者が撮影装置100に被写体Oを撮影させるためにシャッターボタンを全押しした場合に発生する指示である。撮影指示とは、例えば、撮影装置100にバッファメモリ230に記憶された画像のうちのいずれかの画像を選択させる指示である。入力部501は、例えば、利用者の操作入力によって発生した撮影指示を受け付ける。入力部501は、具体的には、利用者がシャッターボタンを全押ししたことを検出し、撮影指示として受け付ける。
また、入力部501は、撮影指示に先立って撮影準備指示の入力を受け付けてもよい。ここで、撮影準備指示とは、利用者が撮影装置100にAFを行わせるためにシャッターボタンを半押しした場合に発生する指示である。撮影準備指示とは、例えば、撮影部502に被写体Oの撮影を開始させ、調整部504にレンズLの位置の調整を開始させる指示である。入力部501は、例えば、撮影指示に先立って利用者の操作入力によって発生した撮影準備指示を受け付ける。入力部501は、具体的には、利用者がシャッターボタンを半押ししたことを検出し、撮影準備指示として受け付ける。
入力されたデータは、例えば、記憶装置227などの記憶領域に記憶される。入力部501は、例えば、図2に示した記憶装置227に記憶されたプログラムをCPU226に実行させることにより、その機能を実現する。これにより、入力部501は、撮影処理、または撮影準備処理を開始するトリガを受け付けることができる。
撮影部502は、レンズLを介して被写体Oを撮影する。撮影部502は、例えば、被写体Oからの光線RをレンズLを介して受信し、受信した光線Rを光電変換して得たセンサーデータを取得する。撮影部502は、例えば、入力部501によって撮影準備指示の入力が受け付けられた場合に、被写体Oの撮影を開始してもよい。
撮影されたデータは、例えば、バッファメモリ230などの記憶領域に記憶される。撮影部502は、例えば、センサーモジュール210により、画像取り込み部221により、および、図2に示した記憶装置227に記憶されたプログラムをCPU226に実行させることにより、その機能を実現する。これにより、撮影部502は、被写体Oを撮影して、撮影した画像を記憶部503に格納することができる。
記憶部503は、撮影部502によって撮影された画像を記憶する。記憶部503は、例えば、バッファメモリ230により、その機能を実現する。これにより、記憶部503は、撮影部502によって撮影された画像を格納することができる。
調整部504は、撮影部502によって撮影された画像から得られるレンズLの合焦度合いを表す値に基づいて、レンズLの位置の調整を行う。レンズLの合焦度合いを表す値とは、上述した評価値であって、画像の明暗差を示す値である。レンズLの合焦度合いを表す値とは、例えば、画像からハイパスフィルタを用いて抽出した高周波成分の成分量である。調整部504は、例えば、撮影部502によって連続して撮影された画像から得られるレンズLの合焦度合いを表す値の時系列変化に基づいて、レンズLの位置の調整を行う。
調整部504は、例えば、コントラストAFを行って、レンズLを移動する。ここで、コントラストAFとは、画像の明暗差に基づいてレンズLを移動させる方法である。調整部504は、例えば、センサーモジュール210により、モーター制御部228により、および、図2に示した記憶装置227に記憶されたプログラムをCPU226に実行させることにより、その機能を実現する。
検出部505は、レンズLの合焦度合いを表す値が極大になったことを検出する。検出部505は、調整部504によるレンズLの位置の調整に伴って、評価値が増加する状態から評価値が減少する状態に切り替わったことを、レンズLの合焦度合いを表す値が極大になったこととして検出する。換言すれば、検出部505は、レンズLが合焦位置を通り越したことを検出する。
検出結果は、例えば、記憶装置227などの記憶領域に記憶される。検出部505は、例えば、図2に示した記憶装置227に記憶されたプログラムをCPU226に実行させることにより、その機能を実現する。これにより、検出部505は、レンズLが合焦位置を通り越したことを検出することができる。
算出部506は、撮影部502によって連続して撮影された画像から得られるレンズLの合焦度合いを表す値の時系列変化に基づいて、レンズLの合焦度合いを表す値の極大値を算出する。ここで、極大値とは、上述した合焦値である。算出部506は、例えば、レンズLが合焦位置を通り越したことが検出される直前の評価値と直後の評価値との平均値を、合焦値として算出してもよい。また、算出部506は、例えば、検出部505によってレンズLが合焦位置を通り越したことが検出された場合に、レンズLが合焦位置を通り越したことが検出される直前の評価値と直後の評価値との平均値を、合焦値として算出してもよい。
また、算出部506は、画像から得られるレンズLの合焦度合いを表す値と、算出部506によって算出された極大値と、の差分を算出してもよい。算出部506は、例えば、画像についての評価値と合焦値の差分Δφを算出する。また、算出部506は、画像から得られるレンズLの合焦度合いを表す値と、算出部506によって算出された極大値と、の差分と、当該画像が撮影された時点と、入力部501によって撮影指示の入力が受け付けられた時点と、の差分と、を算出してもよい。算出部506は、例えば、画像についての評価値と合焦値の差分Δφと、当該画像が撮影された時点と入力部501によって撮影指示の入力が受け付けられた時点との差分Δtと、を算出する。また、算出部506は、ΔφとΔtとを、画像についての総合評価値σの算出式σ^2==Δφ^2+kΔt^2に代入して、総合評価値σを算出してもよい。
また、算出部506は、例えば、Δφの代わりに、レンズLが合焦位置を通り越したことが検出される直前の撮影時点と、直後の撮影時点と、の中間値Δt’を算出してもよい。そして、算出部506は、例えば、Δt’とΔtとを、画像についての総合評価値σの算出式σ^2==Δt’^2+kΔt^2に代入して、総合評価値σを算出してもよい。
算出結果は、例えば、記憶装置227などの記憶領域に記憶される。算出部506は、例えば、図2に示した記憶装置227に記憶されたプログラムをCPU226に実行させることにより、その機能を実現する。これにより、選択部507は、算出部506によって算出された合焦値を用いて、記憶部503に記憶された画像を選択することができる。
選択部507は、画像から得られるレンズLの合焦度合いを表す値と、算出部506によって算出された極大値と、の差分に基づいて、記憶部503に記憶された画像のうちのいずれかの画像を選択する。選択部507は、例えば、算出部506によって算出された差分Δφが最も小さい画像を選択する。また、選択部507は、例えば、差分Δφが閾値以下の複数の画像を選択してもよい。
また、選択部507は、画像から得られるレンズLの合焦度合いを表す値と算出部506によって算出された極大値との差分と、入力部501によって入力された撮影指示と、に基づいて、画像を選択してもよい。選択部507は、例えば、画像から得られるレンズLの合焦度合いを表す値と算出部506によって算出された極大値との差分と、当該画像が撮影された時点と入力部501によって撮影指示の入力が受け付けられた時点との差分と、に基づいて、画像を選択する。選択部507は、具体的には、算出部506が算出式σ^2==Δφ^2+kΔt^2によって算出した総合評価値σが最も小さい画像を選択する。
また、選択部507は、例えば、算出部506が算出式σ^2==Δt’^2+kΔt^2によって算出した総合評価値σが最も小さい画像を選択してもよい。また、選択部507は、例えば、算出部506によって算出された総合評価値σが閾値以下の複数の画像を選択してもよい。
また、選択部507は、撮影指示の入力が受け付けられてから最初にレンズLの合焦度合いを表す値が極大になったことが検出された場合に、上述したように記憶部503に記憶された画像のうちのいずれかの画像を選択してもよい。また、選択部507は、レンズLの合焦度合いを表す値が極大になったことが検出されてから撮影指示の入力が受け付けられた場合に、上述したように記憶部503に記憶された画像のうちのいずれかの画像を選択してもよい。
選択結果は、例えば、記憶装置227などの記憶領域に記憶される。選択部507は、例えば、図2に示した記憶装置227に記憶されたプログラムをCPU226に実行させることにより、その機能を実現する。これにより、選択部507は、出力部508に出力させる画像を選択することができる。
出力部508は、選択部507によって選択された画像を出力する。出力形式としては、例えば、ディスプレイ250への表示、記憶媒体240などの記憶領域への記憶がある。出力部508は、例えば、画像表示部223により、画像保存部225により、または、図2に示した記憶装置227に記憶されたプログラムをCPU226に実行させることにより、その機能を実現する。これにより、出力部508は、利用者に画像を通知することができる。
<第2の動作>
次に、第2の動作について説明する。第2の動作は、例えば、撮影部502と、調整部504と、によって実現される。
撮影部502は、選択部507によって画像が選択された場合、被写体Oの撮影を停止する。これにより、撮影部502は、AFが完了する前であっても画像が選択済みであれば被写体Oの撮影を停止して、被写体Oの撮影にかかる消費電力を低減することができる。
また、撮影部502は、撮影指示の入力が受け付けられてから最初にレンズLの合焦度合いを表す値が極大になったことが検出された場合、被写体Oの撮影を停止してもよい。これにより、撮影部502は、AFが完了する前であっても選択部507が選択する対象になる画像があれば被写体Oの撮影を停止して、被写体Oの撮影にかかる消費電力を低減することができる。
また、撮影部502は、レンズLの合焦度合いを表す値が極大になったことが検出されてから撮影指示の入力が受け付けられた場合、被写体Oの撮影を停止してもよい。これにより、撮影部502は、AFが完了する前であっても選択部507が選択する対象になる画像があれば被写体Oの撮影を停止して、被写体Oの撮影にかかる消費電力を低減することができる。
調整部504は、撮影部502が被写体Oの撮影を停止すると、レンズLの位置の調整を停止する。これにより、調整部504は、レンズLの位置の調整にかかる消費電力を低減するとともに、レンズLの位置の調整に用いるモーターMの消耗を抑制することができる。
(撮影装置100の撮影処理の第1の例)
次に、図6〜図8を用いて、撮影装置100の撮影処理の第1の例について説明する。
図6〜図8は、撮影装置100の撮影処理の第1の例を示す説明図である。図6は、撮影装置100がAFによってレンズLを移動させて最初に合焦位置を通り越した時点T3についての例を示す。図6(A)の例では、(4)撮影装置100は、レンズLを手前方向に移動させることにより評価値が増大したため、レンズLが合焦位置に近づいていると判定し、レンズLを手前方向に移動させ続ける。
そして、撮影装置100は、時点T3において、レンズLを手前方向に移動させ続けていると評価値が増大せずに減少し始めたため、レンズLが合焦位置を通り越したと判定する。ここで、撮影装置100は、まだ撮影指示を受け付けていないため、AFを続ける。
図6(B)は、AF中の撮影動作を示す。図6(B)のグラフにおいて、実線Xは、縦軸の0に近いほど、評価値が大きいことを示す。被写界深度から算出される合焦範囲は、レンズLがピントが合った状態であると判定される差分Δφの許容範囲である。ここで、被写界深度とは、レンズLがピントが合った状態になる被写体Oがある位置の許容範囲を示す値である。図6(B)のグラフにおいて、縦軸、横軸、および破線は、図1(B)のグラフと同様のため説明を省略する。
撮影装置100は、時点T3において、レンズLが合焦位置を通り越したと判定すると、合焦値を算出する。撮影装置100は、例えば、合焦位置を通り越す直前にイメージセンサーSによって撮影された画像Bから評価値を算出し、合焦位置を通り越した直後にイメージセンサーSによって撮影された画像Cから評価値を算出し、評価値の平均値を合焦値として算出する。次に、図7の説明に移行する。
図7は、撮影装置100がAFによってレンズLを移動させて合焦位置を通り越した後に撮影指示を受け付けた時点T4についての例を示す。図7(A)の例では、(5)撮影装置100は、レンズLを逆方向に移動させるために、レンズLを一旦停止すべく、レンズLの移動速度を遅くしていく。
そして、撮影装置100は、時点T4において、レンズLの移動速度を遅くしていくときに撮影指示を受け付ける。ここで、撮影装置100は、レンズLが合焦位置を通り越しており、かつ、撮影指示を受け付けているため、AFが完了する前であってもAFを停止する。これにより、撮影装置100は、AFにかかる消費電力を低減することができる。
図7(B)は、AF中の撮影動作を示す。図7(B)のグラフにおいて、実線X、縦軸、横軸、および破線は、図6(B)のグラフと同様のため説明を省略する。
撮影装置100は、時点T4において、合焦位置を通り越した時点T3の直前の撮影時点から撮影指示を受け付けた時点T4の直前の撮影時点までに撮影された画像B〜Dについての評価値を算出し、合焦値と評価値との差分Δφを算出する。
次に、画像B〜Dの撮影時点と撮影指示を受け付けた時点T4との差分Δtを算出する。そして、撮影装置100は、画像B〜Dについての総合評価値σを算出し、総合評価値の最も小さい画像Cを選択して出力する。
これにより、撮影装置100は、ピントが合った画像であって、かつ、画像Iよりも利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像Cを選択して出力することができる。また、撮影装置100は、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像であって、かつ、画像Dよりピントが合った状態で撮影された画像Cを選択して出力することができる。
ここでは、撮影装置100は、合焦位置を通り越した後に撮像指示を受け付けたときに画像を選択したが、これに限らない。例えば、撮影装置100は、合焦位置を通り越した後に撮像指示を受け付けたときにAFを停止せずに、再度合焦位置を通り越したときまで待ってから画像を選択してもよい。次に、図8の説明に移行する。
図8は、撮影装置100が合焦位置を通り越した後に撮像指示を受け付けたときにAFを停止せずに、再度合焦位置を通り越した時点T5についての例を示す。図8(A)の例では、(6)撮影装置100は、レンズLを逆方向に移動させ続ける。
そして、撮影装置100は、時点T5において、レンズLを奥方向に移動させ続けていると評価値が増大せずに減少し始めたため、レンズLが再度合焦位置を通り越したと判定する。ここで、撮影装置100は、撮影指示を受け付けた後に、レンズLが再度合焦位置を通り越しているため、AFが完了する前であってもAFを停止する。これにより、撮影装置100は、AFにかかる消費電力を低減することができる。
図8(B)は、AF中の撮影動作を示す。図8(B)のグラフにおいて、実線X、縦軸、横軸、および破線は、図6(B)のグラフと同様のため説明を省略する。
撮影装置100は、時点T5において、合焦位置を通り越した時点T3の直前の撮影時点から再度合焦位置を通り越した時点T5における撮影時点までに撮影された画像B〜Gについての評価値を算出し、合焦値と評価値との差分Δφを算出する。
次に、画像B〜Gの撮影時点と撮影指示を受け付けた時点T4との差分Δtを算出する。そして、撮影装置100は、画像B〜Gについての総合評価値σを算出し、総合評価値の最も小さい画像Cを選択して出力する。
これにより、撮影装置100は、ピントが合った画像であって、かつ、画像Iよりも利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像Cを選択して出力することができる。また、撮影装置100は、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像であって、かつ、画像Dよりピントが合った状態で撮影された画像Cを選択して出力することができる。
ここでは、撮影装置100は、1個の画像を選択したが、これに限らない。例えば、撮影装置100は、総合評価値σが閾値以下の複数の画像を選択してもよい。これにより、利用者は、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影され、かつ、ピントが合った複数の画像の中から、記憶したい画像を選ぶことができる。
(撮影装置100の撮影処理の第2の例)
次に、図9〜図11を用いて、撮影装置100の撮影処理の第2の例について説明する。
図9〜図11は、撮影装置100の撮影処理の第2の例を示す説明図である。図9は、撮影装置100がAFによってレンズLを移動させて最初に合焦位置を通り越した時点T6についての例を示す。図9(A)の例では、(7)撮影装置100は、レンズLを手前方向に移動させることにより評価値が増大したため、レンズLが合焦位置に近づいていると判定し、レンズLを手前方向に移動させ続ける。
そして、撮影装置100は、時点T6において、レンズLを手前方向に移動させ続けていると評価値が増大せずに減少し始めたため、レンズLが合焦位置を通り越したと判定する。ここで、撮影装置100は、まだ撮影指示を受け付けていないため、AFを続ける。
図9(B)は、AF中の撮影動作を示す。図9(B)のグラフにおいて、実線X、縦軸、横軸、および破線は、図6(B)のグラフと同様のため説明を省略する。
撮影装置100は、時点T6において、レンズLが合焦位置を通り越したと判定すると、合焦値を算出する。撮影装置100は、例えば、合焦位置を通り越す直前にイメージセンサーSによって撮影された画像Bから評価値を算出し、合焦位置を通り越した直後にイメージセンサーSによって撮影された画像Cから評価値を算出し、評価値の平均値を合焦値として算出する。次に、図10の説明に移行する。
図10は、撮影装置100がAFによってレンズLを移動させて合焦位置を通り越した後に撮影指示を受け付けた時点T7についての例を示す。図10(A)の例では、(8)撮影装置100は、レンズLを逆方向に移動させるために、レンズLを一旦停止すべく、レンズLの移動速度を遅くしていく。
そして、撮影装置100は、時点T7において、レンズLの移動速度を遅くしていくときに撮影指示を受け付ける。ここで、撮影装置100は、レンズLが合焦位置を通り越しており、かつ、撮影指示を受け付けているため、AFが完了する前であってもAFを停止する。これにより、撮影装置100は、AFにかかる消費電力を低減することができる。
図10(B)は、AF中の撮影動作を示す。図10(B)のグラフにおいて、実線X、縦軸、横軸、および破線は、図6(B)のグラフと同様のため説明を省略する。
撮影装置100は、時点T7において、合焦位置を通り越した時点T6の直前の撮影時点から撮影指示を受け付けた時点T7の直前の撮影時点までに撮影された画像B〜Dについての評価値を算出し、合焦値と評価値との差分Δφを算出する。
次に、画像B〜Dの撮影時点と撮影指示を受け付けた時点T7との差分Δtを算出する。そして、撮影装置100は、画像B〜Dについての総合評価値σを算出し、総合評価値の最も小さい画像Bを選択して出力する。
これにより、撮影装置100は、ピントが合った画像であって、かつ、画像Iよりも利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像Bを選択して出力することができる。また、撮影装置100は、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像であって、かつ、画像Dよりピントが合った状態で撮影された画像Bを選択して出力することができる。
ここでは、撮影装置100は、合焦位置を通り越した後に撮像指示を受け付けたときに画像を選択したが、これに限らない。例えば、撮影装置100は、合焦位置を通り越した後に撮像指示を受け付けたときにAFを停止せずに、再度合焦位置を通り越したときまで待ってから画像を選択してもよい。次に、図11の説明に移行する。
図11は、撮影装置100が合焦位置を通り越した後に撮像指示を受け付けたときにAFを停止せずに、再度合焦位置を通り越した時点T8についての例を示す。図11(A)の例では、(9)撮影装置100は、レンズLを逆方向に移動させ続ける。
そして、撮影装置100は、時点T8において、レンズLを奥方向に移動させ続けていると評価値が増大せずに減少し始めたため、レンズLが再度合焦位置を通り越したと判定する。ここで、撮影装置100は、撮影指示を受け付けた後に、レンズLが再度合焦位置を通り越しているため、AFが完了する前であってもAFを停止する。これにより、撮影装置100は、AFにかかる消費電力を低減することができる。
図11(B)は、AF中の撮影動作を示す。図11(B)のグラフにおいて、実線X、縦軸、横軸、および破線は、図6(B)のグラフと同様のため説明を省略する。
撮影装置100は、時点T8において、合焦位置を通り越した時点T6の直前の撮影時点から再度合焦位置を通り越した時点T8における撮影時点までに撮影された画像B〜Gについての評価値を算出し、合焦値と評価値との差分Δφを算出する。
次に、画像B〜Gの撮影時点と撮影指示を受け付けた時点T7との差分Δtを算出する。そして、撮影装置100は、画像B〜Gについての総合評価値σを算出し、総合評価値の最も小さい画像Bを選択して出力する。
これにより、撮影装置100は、ピントが合った画像であって、かつ、画像Iよりも利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像Bを選択して出力することができる。また、撮影装置100は、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像であって、かつ、画像Dよりピントが合った状態で撮影された画像Bを選択して出力することができる。
ここでは、撮影装置100は、1個の画像を選択したが、これに限らない。例えば、撮影装置100は、総合評価値σが閾値以下の複数の画像を選択してもよい。これにより、利用者は、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影され、かつ、ピントが合った複数の画像の中から、記憶したい画像を選ぶことができる。
(撮影装置100の撮影処理の第3の例)
次に、図12および図13を用いて、撮影装置100の撮影処理の第3の例について説明する。
図12および図13は、撮影装置100の撮影処理の第3の例を示す説明図である。図12は、撮影装置100がAFによってレンズLを移動させて合焦位置を通り越すより前に撮影指示を受け付けた時点T9についての例を示す。図9(A)の例では、(10)撮影装置100は、レンズLを手前方向に移動させることにより評価値が増大したため、レンズLが合焦位置に近づいていると判定し、レンズLを手前方向に移動させ続ける。そして、撮影装置100は、時点T9において、撮影指示を受け付ける。ここで、撮影装置100は、まだレンズLが合焦位置を通り越していないため、AFを続ける。
図12(B)は、AF中の撮影動作を示す。図12(B)のグラフにおいて、実線X、縦軸、横軸、および破線は、図6(B)のグラフと同様のため説明を省略する。次に、図13の説明に移行する。
図13は、撮影装置100が撮影指示を受け付けた後にAFによってレンズLを移動させて合焦位置を通り越した時点T10についての例を示す。図13(A)の例では、(11)撮影装置100は、レンズLを手前方向に移動させることにより評価値が増大したため、レンズLが合焦位置に近づいていると判定し、レンズLを手前方向に移動させ続ける。
そして、撮影装置100は、時点T10において、レンズLを手前方向に移動させ続けていると評価値が増大せずに減少し始めたため、レンズLが合焦位置を通り越したと判定する。ここで、撮影装置100は、撮影指示を受け付け、かつ、レンズLが合焦位置を通り越したため、AFを停止する。
図13(B)は、AF中の撮影動作を示す。図13(B)のグラフにおいて、実線X、縦軸、横軸、および破線は、図6(B)のグラフと同様のため説明を省略する。
撮影装置100は、時点T10において、レンズLが合焦位置を通り越したと判定すると、合焦値を算出する。撮影装置100は、例えば、合焦位置を通り越す直前にイメージセンサーSによって撮影された画像Bから評価値を算出し、合焦位置を通り越した直後にイメージセンサーSによって撮影された画像Cから評価値を算出し、評価値の平均値を合焦値として算出する。
また、撮影装置100は、撮影指示を受け付けた直後の撮影時点から合焦位置を通り越した時点T10の直後の撮影時点までに撮影された画像A〜Cについての評価値を算出し、合焦値と評価値との差分Δφを算出する。
次に、画像A〜Cの撮影時点と撮影指示を受け付けた時点T9との差分Δtを算出する。そして、撮影装置100は、画像A〜Cについての総合評価値σを算出し、総合評価値の最も小さい画像Bを選択して出力する。
これにより、撮影装置100は、ピントが合った画像であって、かつ、画像Iよりも利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像Bを選択して出力することができる。また、撮影装置100は、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像であって、かつ、画像Dよりピントが合った状態で撮影された画像Bを選択して出力することができる。
ここでは、撮影装置100は、1個の画像を選択したが、これに限らない。例えば、撮影装置100は、総合評価値σが閾値以下の複数の画像を選択してもよい。これにより、利用者は、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影され、かつ、ピントが合った複数の画像の中から、記憶したい画像を選ぶことができる。
(撮影装置100の撮影準備処理手順の一例)
次に、図14および図15を用いて、撮影装置100の撮影準備処理手順の一例について説明する。
図14および図15は、撮影装置100の撮影準備処理手順の一例を示すフローチャートである。図14において、撮影装置100は、撮影準備指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS1401)。ここで、受け付けていない場合(ステップS1401:No)、撮影装置100は、ステップS1401の処理に戻る。
一方で、受け付けた場合(ステップS1401:Yes)、撮影装置100は、レンズLを手前方向に移動させる(ステップS1402)。また、ステップS1402においては、撮影装置100は、レンズLを奥方向に移動させてもよい。次に、撮影装置100は、レンズLの移動前後での撮影された画像についての評価値を比較する(ステップS1403)。
そして、撮影装置100は、移動後の方が評価値が大きいか否かを判定する(ステップS1404)。ここで、移動後の方が大きい場合(ステップS1404:Yes)、撮影装置100は、進行方向を順方向に設定する(ステップS1405)。順方向とは、ステップS1402においてレンズLを手前方向に移動させた場合は手前方向であって、ステップS1402においてレンズLを奥方向に移動させた場合は奥方向である。そして、撮影装置100は、ステップS1407の処理に移行する。
一方で、移動後の方が大きくない場合(ステップS1404:No)、撮影装置100は、進行方向を逆方向に設定する(ステップS1406)。逆方向とは、ステップS1402においてレンズLを手前方向に移動させた場合は奥方向であって、ステップS1402においてレンズLを奥方向に移動させた場合は手前方向である。そして、撮影装置100は、ステップS1407の処理に移行する。
ステップS1407において、撮影装置100は、レンズLを進行方向に微小移動する(ステップS1407)。次に、撮影装置100は、レンズLの移動前後での撮影された画像についての評価値を比較する(ステップS1408)。
そして、撮影装置100は、移動後の方が評価値が小さいか否かを判定する(ステップS1409)。ここで、移動後の方が小さくない場合(ステップS1409:No)、撮影装置100は、ステップS1407の処理に戻る。一方で、移動後の方が小さい場合(ステップS1409:Yes)、撮影装置100は、図15のステップS1501の処理に移行する。
図15において、撮影装置100は、レンズLが合焦位置を通過したと判定して、進行方向を逆方向に設定し(ステップS1501)、レンズLを進行方向に、ステップS1407より小さい移動量で、微小移動する(ステップS1502)。次に、撮影装置100は、レンズLの移動前後での撮影された画像についての評価値を比較する(ステップS1503)。
そして、撮影装置100は、移動後の方が評価値が小さいか否かを判定する(ステップS1504)。ここで、移動後の方が小さくない場合(ステップS1504:No)、撮影装置100は、ステップS1502の処理に戻る。
一方で、移動後の方が小さい場合(ステップS1504:Yes)、撮影装置100は、レンズLが合焦位置を通過したと判定して、進行方向を逆方向に設定し(ステップS1505)、レンズLを進行方向に、ステップS1502より小さい移動量で、微小移動する(ステップS1506)。
次に、撮影装置100は、レンズLの位置を固定する(ステップS1507)。そして、撮影装置100は、撮影指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS1508)。ここで、撮影指示を受け付けていない場合(ステップS1508:No)、撮影装置100は、ステップS1508の処理に戻る。
一方で、撮影指示を受け付けた場合(ステップS1508:Yes)、撮影装置100は、撮影指示を受け付けた時点に最も近い時点に撮影された画像を出力する(ステップS1509)。そして、撮影装置100は、撮影準備処理を終了する。これにより、撮影装置100は、AFを行ってレンズLのピントを合わせてから撮影指示を受け付けた場合に、画像を出力することができる。
(撮影装置100の画像選択処理手順の一例)
次に、図16を用いて、撮影装置100の画像選択処理手順の一例について説明する。
図16は、撮影装置100の画像選択処理手順の一例を示すフローチャートである。図16において、撮影装置100は、撮影準備処理を開始させる(ステップS1601)。次に、撮影装置100は、撮影指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS1602)。
ここで、撮影指示を受け付けていない場合(ステップS1602:No)、撮影装置100は、撮影準備処理によって、レンズLが合焦位置を通過したか否かを判定する(ステップS1603)。ここで、合焦位置を通過していない場合(ステップS1603:No)、撮影装置100は、ステップS1602の処理に戻る。
一方で、合焦位置を通過している場合(ステップS1603:Yes)、撮影装置100は、撮影指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS1604)。ここで、撮影指示を受け付けていない場合(ステップS1604:No)、撮影装置100は、ステップS1604の処理に戻る。一方で、撮影指示を受け付けた場合(ステップS1604:Yes)、撮影装置100は、ステップS1606の処理に移行する。
ステップS1602において、撮影指示を受け付けた場合(ステップS1602:Yes)、撮影装置100は、撮影準備処理によって、レンズLが合焦位置を通過したか否かを判定する(ステップS1605)。ここで、合焦位置を通過していない場合(ステップS1605:No)、撮影装置100は、ステップS1605の処理に戻る。一方で、合焦位置を通過している場合(ステップS1605:Yes)、撮影装置100は、ステップS1606の処理に移行する。
ステップS1606において、撮影装置100は、合焦値を算出する(ステップS1606)。次に、撮影装置100は、合焦値に基づいて、画像の総合評価値を算出する(ステップS1607)。そして、撮影装置100は、総合評価値に基づいて、画像を選択して、出力する(ステップS1608)。
次に、撮影装置100は、撮影準備処理が終了していない場合であっても撮影準備処理を停止する(ステップS1609)。そして、撮影装置100は、画像選択処理を終了する。これにより、撮影装置100は、AFが完了する前であっても画像を選択して出力することができ、AFが完了するまでにAFを途中で停止することができる。このため、撮影装置100は、AFにかかる消費電力を低減することができる。
以上説明したように、撮影装置100によれば、AF中に画像についての評価値の時系列変化に基づいて、レンズLが合焦位置を通り越したことを検出して、合焦値を算出する。次に、撮影装置100は、合焦値と、画像についての評価値と、の差分に基づいて、バッファメモリ230に記憶された画像を選択することができる。これにより、撮影装置100は、AFが完了する前であってもピントが合った画像を選択して出力することができる。
また、撮影装置100は、合焦値と、画像についての評価値と、の差分と、当該画像が撮影された時点と、撮影指示を受け付けた時点と、の差分と、に基づいて、バッファメモリ230に記憶された画像を選択することができる。これにより、撮影装置100は、AFの完了まで待たなくても、ピントが合った画像であって、かつ、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像を選択して出力することができる。また、撮影装置100は、利用者が撮影したい時点に最も近い時点に撮影された画像のピントが合っていなくても、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像であって、かつ、ピントが合った状態で撮影された画像を選択して出力することができる。結果として、撮影装置100は、利用者の撮影意図に沿った画像を出力することができる。
ここで、従来の撮影装置が、AFが完了する前に撮影指示を受け付けた場合に、撮影指示を受け付けた時点に最も近い時点に撮影された画像を出力する場合が考えられる。しかしながら、この場合、AFが完了する前であるため、出力された画像がピントの合っていない画像である場合がある。一方で、撮影装置100は、合焦値と、画像についての評価値と、の差分と、当該画像が撮影された時点と、撮影指示を受け付けた時点と、の差分と、に基づいて、バッファメモリ230に記憶された画像を選択することができる。これにより、利用者が撮影したい時点に近い時点に撮影された画像であって、かつ、ピントが合った状態で撮影された画像を選択して出力することができる。
また、撮影装置100は、画像が選択された場合、被写体Oの撮影を停止することができる。これにより、撮影装置100は、AFにかかる消費電力を低減することができる。また、撮影装置100は、撮影指示が受け付けられてから最初にレンズLが合焦位置を通り越した場合、被写体Oの撮影を停止することができる。これにより、撮影装置100は、AFにかかる消費電力を低減することができる。
また、撮影装置100は、レンズLが合焦位置を通り越してから撮影指示が受け付けられた場合、被写体Oの撮影を停止することができる。これにより、撮影装置100は、AFにかかる消費電力を低減することができる。また、撮影装置100によれば、撮影準備指示を受け付けた場合に、AFを開始する。これにより、撮影装置100は、AFにかかる消費電力を低減することができる。
なお、本実施の形態で説明した撮影方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本撮影プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本撮影プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)レンズを介して被写体を撮影する撮影部と、
前記撮影部によって撮影された画像を記憶する記憶部と、
前記撮影部によって撮影された画像から得られる前記レンズの合焦度合いを表す値に基づいて、前記レンズの位置の調整を行う調整部と、
前記撮影部によって連続して撮影された画像から得られる前記レンズの合焦度合いを表す値の時系列変化に基づいて、前記レンズの合焦度合いを表す値の極大値を算出する算出部と、
前記画像から得られる前記レンズの合焦度合いを表す値と、前記算出部によって算出された前記極大値と、の差分に基づいて、前記記憶部に記憶された画像のうちのいずれかの画像を選択する選択部と、
を有することを特徴とする撮影装置。
(付記2)撮影指示が入力される入力部を有し、
前記選択部は、
前記画像から得られる前記レンズの合焦度合いを表す値と、前記算出部によって算出された前記極大値と、の差分と、前記撮影指示と、に基づいて、前記記憶部に記憶された画像のうちのいずれかの画像を選択することを特徴とする付記1に記載の撮影装置。
(付記3)前記撮影部は、
前記選択部によって画像が選択された場合、前記被写体の撮影を停止することを特徴とする付記2に記載の撮影装置。
(付記4)前記撮影部は、
前記撮影指示が入力されてから最初に前記レンズの合焦度合いを表す値が極大になったことが検出された場合、前記被写体の撮影を停止することを特徴とする付記2に記載の撮影装置。
(付記5)前記撮影部は、
前記レンズの合焦度合いを表す値が極大になったことが検出されてから前記撮影指示が入力された場合、前記被写体の撮影を停止することを特徴とする付記2または4に記載の撮影装置。
(付記6)前記入力部は、
前記撮影指示に先立って撮影準備指示が入力され、
前記撮影部は、
前記入力部によって前記撮影準備指示が入力された場合に、前記被写体の撮影を開始することを特徴とする付記2〜5のいずれか一つに記載の撮影装置。
(付記7)コンピュータが、
レンズを介して被写体を撮影した画像から得られる前記レンズの合焦度合いを表す値に基づいて、前記レンズの位置の調整を行い、
前記被写体を連続して撮影した画像から得られる前記レンズの合焦度合いを表す値の時系列変化に基づいて、前記レンズの合焦度合いを表す値の極大値を算出し、
前記撮影した画像から得られる前記レンズの合焦度合いを表す値と、算出した前記極大値と、の差分に基づいて、前記連続して撮影した画像を記憶する記憶部に記憶した画像のうちのいずれかの画像を選択する、
処理を実行することを特徴とする撮影方法。