JP6273363B2 - 無線センサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線センサ装置に関し、特に、検知対象に放射される送信信号と送信信号の検知対象からの反射信号とに基づいて検知対象の動きを検出する無線センサ装置に関する。
センサ部と信号処理部とを備え、検知対象に放射される送信信号と送信信号の検知対象からの反射信号とに基づいて検知対象の動きを検出する無線センサ装置が実用化されている。このような無線センサ装置は、人の呼吸や心拍動作等の生体情報に関する動作を検出する生体センサ等として利用されている。
従来の無線センサ装置としては、特許文献1に係る無線周波数センサ(無線センサ装置)等が提案されている。図12は、特許文献1に係る無線周波数センサ410の構成を示す説明図である。
図12に示すように、無線周波数センサ410は、局部発振器411とRF送信機412とRF受信機413と増幅器414とミキサ415とローパスフィルタ416とを備えている。無線周波数センサ410は、更に、図示しない演算制御回路も備えている。
局部発振器411は、高周波信号を生成している。RF送信機412は、自身が有するアンテナを用いて、局部発振器411が生成した高周波信号を人間などの被験者(検知対象)に向けて放射している。RF受信機413は、自身が有するアンテナを用いて、RF送信機412が放射した送信信号の、被験者(検知対象)からの反射信号を受信している。増幅器414は、RF受信機413が受信した反射信号を増幅している。
ミキサ415は、送信信号の一部と増幅された反射信号とを混合している。ローパスフィルタ416は、ミキサ415の出力信号のノイズ成分を除去している。ローパスフィルタ416の出力信号は、被験者の呼吸や心拍動作等の動作に関する情報を含む未処理センサ信号となる。未処理センサ信号は、送信信号と反射信号との位相差に対応した信号である。
無線周波数センサ410は、図示しない演算制御回路を更に備えている。そして、演算制御回路は、局部発振器411とRF送信機412とRF受信機413と増幅器414とミキサ415とローパスフィルタ416等の各種回路を制御している。また、演算制御回路は、ローパスフィルタ416から未処理センサ信号を入手し、入手した未処理センサ信号に基づいて、被験者の呼吸や心拍動作等の動作に関する動作情報を演算している。無線周波数センサ410は、このようにして、被験者の動きを検出している。
特表2009−538720
このような無線センサ装置では、検知対象の動きを検出している間に検知対象が移動して無線センサ装置と検知対象との距離が変化すると、それに対応して送信信号と反射信号との位相差が変化する。そして、このような無線センサ装置では、送信信号と反射信号との位相差を利用して検知対象の動きの検出するための信号を生成しているので、送信信号と反射信号との位相差によっては、検知対象の動きを検出する際の検出感度が大きく低下し、検知対象の動きの検出が困難になる場合があった。
また、検出感度が大きく低下しない場合でも、無線センサ装置と検知対象との距離が頻繁に変化し、それに対応して送信信号と反射信号との位相差が変動したのでは、その影響で検知対象の動きの検出するための信号の位相や電位も変動し、検知対象の動作の解析が複雑になってしまう可能性が有った。このような場合にも、やはり、検知対象の動きを検出する際の検出感度が低下してしまう。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、無線センサ装置と検知対象との距離が変化しても、検出感度の低下を抑制できる無線センサ装置を提供することにある。
この課題を解決するために、請求項1に記載の無線センサ装置は、検知対象に放射される送信信号と前記送信信号の前記検知対象からの反射信号とに基づいて検知信号を生成するセンサ部と、前記センサ部が生成した前記検知信号の信号処理を行う信号処理部と、を備えた無線センサ装置であって、前記センサ部は、前記送信信号又は前記反射信号の位相状態である第1位相状態に対応した第1検知信号と、前記第1位相状態に対して前記送信信号又は前記反射信号の位相が異なる第2位相状態に対応した第2検知信号と、を生成し、前記信号処理部は、前記第1検知信号と前記第2検知信号とに基づいて位相情報を検出すると共に、検出した前記位相情報に基づいて所定の信号処理を行うことを特徴とする。
この構成の無線センサ装置では、センサ部は、所定の第1位相状態に対応した第1検知信号と、第1位相状態に対して送信信号又は反射信号の位相が異なる第2位相状態に対応した第2検知信号と、を生成している。そのため、無線センサ装置と検知対象との距離が変化して、第1位相状態と第2位相状態とのうちの一方の位相状態での検出感度が低下しても、他方の位相状態に切り替えることによって、検出感度の良好な状態を作り出すことができる。
しかも、第1検知信号と第2検知信号とは異なる2つの位相状態に対応した信号なので、位相情報を検出するのに適した信号となる。そして、信号処理部は、第1検知信号と第2検知信号とに基づいて位相情報を検出すると共に、検出した位相情報に基づいて所定の信号処理を行っている。そのため、無線センサ装置と検知対象との距離が頻繁に変化し、送信信号と反射信号との位相差が変動した場合でも、第1検知信号と第2検知信号とに基づいて位相情報を検出し、検出した位相情報に基づいて信号に補正を加えることができる。その結果、無線センサ装置と検知対象との距離の変化に伴う、検出感度の低下を抑制することができる。
請求項に記載の無線センサ装置では、前記第2位相状態は、前記第1位相状態に対して前記反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ異なる位相状態であり、前記信号処理部は、前記第1検知信号と前記第2検知信号とに基づいて、直交座標における位相角を算出し、算出された前記位相角に基づいて、信号の位相補正を行うことを特徴とする。
この構成の無線センサ装置では、第2位相状態は、第1位相状態に対して反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ異なる位相状態である。そのため、このような2つの位相状態に対応した第1検知信号と第2検知信号とを直交座標における2つの座標成分とし、第1検知信号と第2検知信号とに基づいて直交座標における位相角を容易に算出することができる。しかも、信号処理部は、第1検知信号と第2検知信号とに基づいて、直交座標における位相角を算出し、算出された位相角に基づいて、信号の位相補正を行っている。そのため、信号の位相補正を行うことによって、補正前の信号を位相角の変動に影響され難い信号に変換することができる。その結果、送信信号と反射信号との位相差の変動に伴う信号の変動の影響を更に低減し、検出感度の低下を更に抑制することができる。
請求項に記載の無線センサ装置では、前記第2位相状態は、前記第1位相状態に対して前記反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態であり、前記信号処理部は、前記第1検知信号と前記第2検知信号との混合信号に対応する第1数値情報と、前記第1検知信号と前記第1検知信号との混合信号に対応する第2数値情報と、を用い、前記第1数値情報を前記第2数値情報で除した値に対する逆正接関数として前記位相角を算出することを特徴とする。
この構成の無線センサ装置では、第2位相状態は、第1位相状態に対して反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態なので、第1位相状態に対応した第1検知信号を、直交座標における余弦成分として使用し、第2位相状態に対応した第2検知信号を、直交座標における正弦成分として使用することができる。
そして、第1数値情報は、第1検知信号と第2検知信号との混合信号に対応する信号なので、第1数値情報は、第1検知信号と第2検知信号との積と比例する値、すなわち、位相角に対する余弦関数と正弦関数との積と比例する値となる。また、第2数値情報は、第1検知信号と第1検知信号との混合信号に対応する信号なので、第2数値情報は、第1検知信号の2乗と比例する値、すなわち、位相角に対する余弦関数の2乗と比例する値となる。そのため、位相角は、第1数値情報を第2数値情報で除した値に対する逆正接関数という簡単な計算式を用いて算出することができる。その結果、位相角の算出が容易となる。
請求項に記載の無線センサ装置では、前記第2位相状態は、前記第1位相状態に対して前記反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態であり、前記信号処理部は、前記第1検知信号と前記第2検知信号との混合信号に対応する第1数値情報と、前記第2検知信号と前記第2検知信号との混合信号に対応する第3数値情報と、を用い、前記第3数値情報を前記第1数値情報で除した値に対する逆正接関数として前記位相角を算出することを特徴とする。
この構成の無線センサ装置では、第2位相状態は、第1位相状態に対して反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態なので、第1位相状態に対応した第1検知信号を、直交座標における余弦成分として使用し、第2位相状態に対応した第2検知信号を、直交座標における正弦成分として使用することができる。
そして、第1数値情報は、第1検知信号と第2検知信号との混合信号に対応する信号なので、第1数値情報は、第1検知信号と第2検知信号との積と比例する値、すなわち、位相角に対する余弦関数と正弦関数との積と比例する値となる。また、第3数値情報は、第2検知信号と第2検知信号との混合信号に対応する信号なので、第3数値情報は、第2検知信号の2乗と比例する値、すなわち、位相角に対する正弦関数の2乗と比例する値となる。そのため、位相角は、第3数値情報を第1数値情報で除した値に対する逆正接関数という簡単な計算式を用いて算出することができる。その結果、位相角の算出が容易となる。
請求項に記載の無線センサ装置では、前記第2位相状態は、前記第1位相状態に対して前記反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態であり、前記信号処理部は、前記第1検知信号と前記第2検知信号との混合信号に対応する第1数値情報と、前記第1検知信号と前記第1検知信号との混合信号に対応する第2数値情報と、前記第2検知信号と前記第2検知信号との混合信号に対応する第3数値情報と、を用い、前記第1数値情報を前記第2数値情報で除した値に対する逆正接関数として前記位相角の第1算出値を算出すると共に、前記第3数値情報を前記第1数値情報で除した値に対する逆正接関数として前記位相角の第2算出値を算出し、前記第1算出値と前記第2算出値とのうちの一方を選択した値か、又は、前記第1算出値と前記第2算出値との平均値を前記位相角の算出値とすることを特徴とする。
この構成の無線センサ装置では、第2位相状態は、第1位相状態に対して反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態なので、第1位相状態に対応した第1検知信号を、直交座標における余弦成分として使用し、第2位相状態に対応した第2検知信号を、直交座標における正弦成分として使用することができる。
そして、位相角は、第1数値情報を第2数値情報で除した値に対する逆正接関数として位相角を算出する算出方法と、第3数値情報を第1数値情報で除した値に対する逆正接関数として位相角を算出する算出方法という、2つの算出方法を用いて算出することができる。その結果、位相角を簡単な数式を用いて算出することができ、位相角の算出が容易となる。
しかも、この構成の無線センサ装置では、第1数値情報を第2数値情報で除した値に対する逆正接関数として位相角の第1算出値を算出すると共に、第3数値情報を第1数値情報で除した値に対する逆正接関数として位相角の第2算出値を算出し、第1算出値と第2算出値とのうちの一方を選択した値か、又は、第1算出値と第2算出値との平均値を位相角の算出値としている。そのため、第1算出値と第2算出値とのうちの一方の算出精度が低下した場合でも、他方を位相角の算出値として使用するか、又は、第1算出値と第2算出値との平均値を位相角の算出値として使用することによって、検出感度の低下を抑制することができる。
請求項に記載の無線センサ装置では、前記センサ部は、前記送信信号を放射し前記反射信号を受信するための送受信アンテナと、前記送信信号を生成する信号発生回路と、前記第1位相状態と前記第2位相状態とを発生させる移相器と、前記送信信号の一部と前記第1位相状態に対応した前記反射信号とが入力される第1検波回路と、前記送信信号の一部と前記第2位相状態に対応した前記反射信号とが入力される第2検波回路と、を有し、前記信号処理部は、前記第1検知信号と前記第2検知信号とが入力される位相検出回路と、前記第1検知信号と前記第2検知信号と前記位相情報とが入力される信号処理回路と、を有することを特徴とする。
この構成の無線センサ装置では、センサ部は、移相器と第1検波回路と第2検波回路とを用いて、第1位相状態に対応した第1検知信号と、第2位相状態に対応した第2検知信号と、を容易に生成することができる。しかも、信号処理部は、信号処理部は、位相検出回路と信号処理回路とを用いて、位相情報の検出と信号処理とを容易に行うことができる。その結果、この構成の無線センサ装置では、検知対象の動作の検出が容易となる。
請求項に記載の無線センサ装置は、複数の前記信号処理部を備え、前記信号処理部は、所定の通過帯域を有し、前記第1検知信号が入力される第1フィルタと、前記所定の通過帯域を有し、前記第2検知信号が入力される第2フィルタと、を有し、前記所定の通過帯域は、前記信号処理部毎に異なる帯域となっていることを特徴とする。
この構成の無線センサ装置では、複数の信号処理部を用いて、検知対象の動作から異なる複数の動作情報を検出することができる。しかも、複数の動作情報を検出する場合、動作情報毎に検出に適した周波数が異なる場合があるが、この構成の無線センサ装置では、第1フィルタの通過帯域と第2フィルタの通過帯域とは、信号処理部毎に異なる帯域となっている。そのため、センサ部が出力した検知信号から、信号処理部毎に動作の検出に適した周波数成分を取り出すことができる。その結果、この構成の無線センサ装置では、検知対象の異なる複数の動作を効率よく検出することができる。
本発明によれば、無線センサ装置と検知対象との距離が変化しても、検出感度の低下を抑制できる無線センサ装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る無線センサ装置1の構成を示す説明図である。 図1に示すセンサ部10の構成をより詳しく示す説明図である。 図1に示す信号処理部20の構成をより詳しく示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る反射信号の位相状態を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る位相補正方法に関する説明図である。 本発明の第2実施形態に係る無線センサ装置101の構成を示す説明図である。 図6に示す信号処理部120の構成をより詳しく示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る無線センサ装置201の構成を示す説明図である。 図8に示す信号処理部220の構成をより詳しく示す説明図である。 本発明の第4実施形態に係る無線センサ装置301の構成を示す説明図である。 図10に示す信号処理部320の構成をより詳しく示す説明図である。 特許文献1に係る無線周波数センサ410の構成を示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、本考案の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1実施形態に係る無線センサ装置の構成について、図1ないし図4を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る無線センサ装置1の構成を示す説明図である。図1(a)は、無線センサ装置1の全体構成を示す説明図であり、図1(b)は、無線センサ装置1の構成をより詳しく示す説明図である。図2は、図1に示すセンサ部10の構成をより詳しく示す説明図である。図3は、図1に示す信号処理部20の構成をより詳しく示す説明図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る反射信号の位相状態を示す説明図である。図4において、横軸は時間であり、縦軸は反射信号RXの位相である。
無線センサ装置1は、図1に示すように、センサ部10と信号処理部20とを備えている。そして、無線センサ装置1は、検知対象30に放射される送信信号TXと、送信信号の検知対象30からの反射信号RXと、に基づいて検知対象30の動きを検出している。このような無線センサ装置10は、人の呼吸や心拍動作等の生体情報に関する動作を検出する生体センサ等として利用される。
センサ部10は、図1に示すように、送受信アンテナ11と信号発生回路12と移相器13と第1検波回路14と第2検波回路15と制御回路16とを有している。
送受信アンテナ11は、送信信号TXを放射し反射信号RXを受信するためのアンテナである。センサ部10は、送受信アンテナ11を用いて検知対象30に送信信号TXを電磁波信号として放射すると共に、反射信号RXを送受信アンテナ11を用いて受信している。
信号発生回路12は、図2に示すように、発振器12aと増幅器12bとを有している。発振器12aは、所定の周波数の高周波信号を生成している。増幅器12bは、発振器12aが生成した高周波信号の電力を所定のレベルに増幅している。そして、増幅器12bの出力信号が送信信号TXとして送受信アンテナ11に給電される。以下、発振器12aが送信信号TXとなる高周波信号を生成し、増幅器12bが生成した高周波信号の電力を増幅することを、信号発生回路12が送信信号TXを生成すると略称する。信号発生回路12が生成する送信信号TXの周波数としては、2.4GHz帯の周波数等が使用される。
移相器13は、図2に示すように、線路長の異なる2つの伝送線路と2つのスイッチ素子とで構成され、送受信アンテナ11と信号発生回路12との間に配置されている。2つの伝送線路は、第1伝送線路13aと第2伝送線路13bとである。2つのスイッチ素子は、第1スイッチ素子13cと第2スイッチ素子13dとである。
第2伝送線路13bの線路長は、送信信号TXの周波数において、第1伝送線路13aの線路長よりも1/8波長だけ長くなるように設定されている。第1スイッチ素子13cと第2スイッチ素子13dとは連動して接続の切り替えを行い、送受信アンテナ11と信号発生回路12とが、第1伝送線路13aと第2伝送線路13bとのうちのどちらか一方を介して接続されるようになっている。以下、送受信アンテナ11と信号発生回路12とが第1伝送線路13aを介して接続された状態を第1位相状態とし、送受信アンテナ11と信号発生回路12とが第2伝送線路13bを介して接続された状態を第2位相状態として説明を進める。
信号発生回路12が生成した送信信号TXは、移相器13を通過して検知対象30に放射された後に、反射信号RXとして再び移相器13を通過する。そのため、第2位相状態は、第1位相状態に対して反射信号RXの位相が1/4波長に相当する分だけ遅れた状態、すなわち、第1位相状態に対して反射信号RXの位相がπ/2(ラジアン)だけ位相が遅れた状態となる。
第1検波回路14は、図2に示すように、ミキサ回路14aとローパスフィルタ14bと信号変換回路14cとを有している。ミキサ回路14aは、第1伝送線路13aの信号発生回路12側に接続されている。そして、ミキサ回路14aには、送信信号TXの一部と第1位相状態に対応した反射信号RXとが入力され、送信信号TXと反射信号RXとの混合信号が出力される。ローパスフィルタ14bには、ミキサ回路14aの出力信号が入力され、送信信号TXと反射信号RXとの混合信号の低周波成分が出力される。信号変換回路14cには、ローパスフィルタ14bの出力信号が入力され、ローパスフィルタ14bの出力信号の電位を量子化したデジタル信号が出力される。
そして、本実施形態では、信号変換回路14cの出力信号が、第1検波回路14が出力する第1検知信号Sa1となる。第1検波回路14には、送信信号TXの一部と第1位相状態に対応した反射信号RXとが入力されるので、第1検知信号Sa1は、第1位相状態に対応した検知信号となる。そして、第1検知信号Sa1の電位A1は、呼吸や心拍動作等の検知対象30の動作に対応して、その大きさと符号とが時々刻々に変化する量子化された値となる。
第2検波回路15は、図2に示すように、ミキサ回路15aとローパスフィルタ15bと信号変換回路15cとを有している。ミキサ回路15aは、第2伝送線路13bの信号発生回路12側に接続されている。そして、ミキサ回路15aには、送信信号TXの一部と第2位相状態に対応した反射信号RXとが入力され、送信信号TXと反射信号RXとの混合信号が出力される。ローパスフィルタ15bには、ミキサ回路15aの出力信号が入力され、送信信号TXと反射信号RXとの混合信号の低周波成分が出力される。信号変換回路15cには、ローパスフィルタ15bの出力信号が入力され、ローパスフィルタ15bの出力信号の電位を量子化したデジタル信号が出力される。
そして、本実施形態では、信号変換回路15cの出力信号が、第2検波回路15が出力する第2検知信号Sa2となる。第2検波回路15には、送信信号TXの一部と第2位相状態に対応した反射信号RXとが入力されるので、第2検知信号Sa2は、第2位相状態に対応した検知信号となる。そして、第2検知信号Sa2の電位A2は、呼吸や心拍動作等の検知対象30の動作に対応して、その大きさと符号とが時々刻々に変化する量子化された値となる。
制御回路16は、移相器13の位相状態の切り替えタイミングを制御している。図4に示すように、第1位相状態となる期間を第1期間t1とし、第2位相状態となる期間を第2期間t2とすると、制御回路16は、第1期間t1と第2期間t2とが交互に繰り返されるように、センサ部10を制御している。
尚、第1期間t1と第2期間t2とを足し合わせた時間である切り替え周期t0は、第1検知信号Sa1や第2検知信号Sa2に影響を及ぼさないように、第1検知信号Sa1や第2検知信号Sa2に含まれる信号の周期と比較して十分短く設定されている。
信号処理部20は、図1に示すように、位相検出回路21と信号処理回路22とを有している。位相検出回路21は、図3に示すように、2つのミキサ回路と2つのローパスフィルタと演算回路21gとを有している。2つのミキサ回路は、ミキサ回路21aとミキサ回路21cとである。2つのローパスフィルタは、ローパスフィルタ21bとローパスフィルタ21dとである。
ミキサ回路21aは、2つの入力端子と1つの出力端子とを有している。ミキサ回路21aの2つの入力端子には、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とがそれぞれ入力され、ミキサ回路21aの出力端子から第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2との混合信号が出力される。ミキサ回路による混合信号生成の原理は公知なので、詳細な説明は省略するが、ミキサ回路に2つの信号が入力された場合、2つの入力信号の積と比例する混合信号がミキサ回路から出力される。
ローパスフィルタ21bは、ミキサ回路21aの出力信号を平準化している。そして、ローパスフィルタ21bの出力信号の電位が第1数値情報B1となる。第1数値情報B1は、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2との混合信号が平準化された数値情報なので、第1検知信号Sa1の電位A1と第2検知信号Sa2の電位A2との積が平準化された値と比例する値となる。
ミキサ回路21cは、2つの入力端子と1つの出力端子とを有している。ミキサ回路21cの2つの入力端子には、共に第1検知信号Sa1が入力され、ミキサ回路21cの出力端子から第1検知信号Sa1と第1検知信号Sa1との混合信号が出力される。ローパスフィルタ21dは、ミキサ回路21cの出力信号を平準化している。そして、ローパスフィルタ21dの出力信号の電位が第2数値情報B2となる。第2数値情報B2は、第1検知信号Sa1と第1検知信号Sa1との混合信号が平準化された数値情報なので、第1検知信号Sa1の電位A1の2乗が平準化された値と比例する値となる。
演算回路21gは、演算用の半導体を有した回路である。演算回路21gには、第1数値情報B1と第2数値情報B2とが入力される。そして、演算回路21gは、第1数値情報B1と第2数値情報B2とに基づいて、IQ座標と呼ばれる直交座標における位相角を算出し、算出した位相角に関する位相情報を信号処理回路22に伝達している。尚、IQ座標はIQ変調と呼ばれるデジタル変調方式で一般的に用いられる直交座標であるが、本実施形態で使用される直交座標も便宜的にIQ座標と呼ぶこととする。
信号処理回路22は、信号処理用の半導体を有した回路である。信号処理回路22には、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とが入力される。また、信号処理回路22には、前述した位相情報が位相検出回路21から伝達される。そして、信号処理回路22は、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とに基づいて動作解析用の補正前信号Scを生成すると共に、伝達された位相情報に基づいて補正前信号Scに補正を加えて補正信号Sdを生成している。そして、信号処理回路22は、補正信号Sdを用いて検知対象30の動作を解析し、解析結果に対応した動作情報Soutを出力している。
次に、動作解析用の補正前信号Scの生成方法とその補正方法について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係る位相補正方法に関する説明図である。図5(a)は、補正前信号Scの状態を示す説明図であり、図5(b)は、補正信号Sdの状態を示す説明図である。図5において、横軸はIQ座標におけるI座標軸であり、縦軸はIQ座標におけるQ座標軸である。
まず、補正前信号Scの生成方法について説明する。前述したように、第1検知信号Sa1は第1位相状態に対応した信号であり、第2検知信号Sa2は、第1位相状態に対して反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れた第2位相状態に対応した信号である。そのため、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とを、IQ座標と呼ばれる直交座標におけるI座標成分(余弦成分)とQ座標成分(正弦成分)として利用することができる。そして、本実施形態では、第1検知信号Sa1の電位A1が補正前信号ScのI座標成分となり、第2検知信号Sa2の電位A2が補正前信号ScのQ座標成分となるように、補正前信号Scを生成している。
このようにして生成された補正前信号Scは、呼吸や心拍動作等の検知対象30の動作に対応して、その振幅と位相とが時々刻々に変化する信号となる。そして、外乱ノイズや検知対象30の移動が無い場合には、補正前信号Scは、図5(a)に示すように、原点を通りI座標軸に対する角度がφとなるIQ座標上の線分L1に沿って変動する。以下、ある瞬間における補正前信号Scの、I座標成分を瞬時I座標成分Ciとし、Q座標成分を瞬時Q座標成分Cqとし、振幅(原点からの距離)を瞬時振幅Cとして説明を進める。また、線分L1のI座標軸に対する角度φを補正前信号Scの位相角φとして説明を進める。
補正前信号Scが前述した信号である場合、瞬時I座標成分Ciと瞬時振幅Cと位相角φと電位A1との間には、Ci=C・cosφ=A1、という関係式が成立する。また、瞬時Q座標成分Cqと瞬時振幅Cと位相角φと電位A2との間には、Cq=C・sinφ=A2、という関係式が成立する。このように、第1検知信号Sa1の電位A1は、位相角φに対する余弦関数と比例する値となり、第2検知信号Sa2の電位A2は、位相角φに対する正弦関数と比例する値となる。
尚、位相角φは、無線センサ装置1と検知対象30との距離によって決まる角度であり、無線センサ装置1と検知対象30との距離が変化した場合には、無線センサ装置1と検知対象30との距離の変化に合わせて位相角φも変動する。
次に、位相角φの算出方法について説明する。前述したように、ローパスフィルタ21bの出力信号である第1数値情報B1は、第1検知信号Sa1の電位A1と第2検知信号Sa2の電位A2との積((C・cosφ)・(C・sinφ))が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する余弦関数と正弦関数との積と比例する値となる。また、ローパスフィルタ21dの出力信号である第2数値情報B2は、第1検知信号Sa1の電位A1の2乗((C・cosφ)^2)が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する余弦関数の2乗と比例する値となる。
このように、第1数値情報B1は、位相角φに対する余弦関数と正弦関数との積と比例する値となり、第2数値情報B2は、位相角φに対する余弦関数の2乗と比例する値となる。そのため、第1数値情報B1と第2数値情報B2と位相角φとの間には、B1/B2=sinφ/cosφ=tanφ、という関係式が成立する。そして、この関係式を利用して、第1数値情報B1を第2数値情報B2で除した値の逆正接関数(tan−1(B1/B2))として位相角φを算出することができる。
位相検出回路21は、このような関係式を利用して、第1数値情報B1と第2数値情報B2とを用いて位相角φを算出し、位相情報として信号処理回路22に出力している。
次に、補正前信号Scの補正方法について説明する。信号処理回路22は、補正前信号Scを生成した後に、位相角φに基づいて補正前信号Scに補正を加えて補正信号Sdを生成している。本実施形態では、位相情報に基づいて加えられる補正は、図5(b)に示すように、補正前信号Scの位相を、位相角φの符号を反転した−φという角度だけシフトさせることである。このことは、すなわち、補正前信号Scを、補正前信号Scと瞬時振幅が同じで位相角が0の状態の信号に変換することと等価である。
ある瞬間における補正信号Sdの、I座標成分を瞬時I座標成分Diとし、Q座標成分を瞬時Q座標成分Dqとし、振幅(原点からの距離)を瞬時振幅Dとすると、補正信号Sdの瞬時I座標成分Diは、補正信号Sdの瞬時振幅Dと等しい値、すなわち補正前信号Scの瞬時振幅Cと等しい値となる。補正信号Sdの瞬時Q座標成分Dqは0となる。そして、補正信号Sdは、補正前信号Scの変化に伴い、I座標軸に沿って変化する信号となる。
このように、位相角が0の状態に変換された補正信号Sdは、無線センサ装置1と検知対象30との距離の変化によって位相角φが変動しても、位相角φの変動に影響され難い信号となる。そして、信号処理回路22は、補正信号Sdの時間変化に基づいて検知対象30の動作を解析し、解析結果に対応した動作情報Soutを出力している。このような補正信号Sdを用いて検知対象30の動作を解析する方法は公知なので、詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態の無線センサ装置1のような装置では、検知対象30の動きを検出している間に検知対象30が移動して無線センサ装置1と検知対象30との距離が変化すると、それに対応して送信信号TXと反射信号RXとの位相差が変化する。そして、このような装置では、送信信号TXと反射信号RXとの位相差を利用して検知対象30の動きの検出するための検知信号を生成しているので、送信信号TXと反射信号RXとの位相差がヌルポイントと呼ばれる特定の条件となった時には、検知対象30の動きを検出する際の検出感度が大きく低下し、検知対象30の動きの検出が困難になる場合があった。
ヌルポイントの発生原理については公知なので詳細な説明は省略するが、送信信号TXと反射信号RXとの位相差が0又はπ(ラジアン)のときに検出感度が大きく低下し、その中間の状態、すなわち、送信信号TXと反射信号RXとの位相差がπ/2(ラジアン)付近又は−π/2(ラジアン)付近のときに検出感度が良好となる。
また、検出感度が大きく低下しない場合でも、無線センサ装置1と検知対象30との距離が頻繁に変化し、それに対応して送信信号TXと反射信号RXとの位相差が変動したのでは、その影響で検知対象30の動作を解析するための信号の振幅や位相も変動し、検知対象30の動作の解析が複雑になってしまう可能性が有った。このような場合にも、やはり、検知対象30の動きを検出する際の検出感度が低下してしまう。
それに対して、本実施形態の無線センサ装置1では、センサ部10は、反射信号RXの位相状態である第1位相状態に対応した第1検知信号Sa1と、第1位相状態に対して反射信号RXの位相が異なる第2位相状態に対応した第2検知信号Sa2と、を生成している。そのため、無線センサ装置1と検知対象30との距離が変化して、第1位相状態と第2位相状態とのうちの一方の位相状態での検出感度が低下しても、他方の位相状態に切り替えることによって、検出感度の良好な状態を作り出すことができる。
例えば、第1位相状態における送信信号TXと反射信号RXとの位相差が0(ヌルポイント状態)となった場合には、第1位相状態に対応する第1検知信号Sa1での検知感度が大きく低下するが、第2位相状態における送信信号TXと反射信号RXとの位相差は−π/2(ラジアン)となり、第2位相状態に対応する第2検知信号Sa2での検知感度は良好となる。
しかも、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とは異なる2つの位相状態に対応した信号なので、位相情報を検出するのに適した信号となる。そして、信号処理部20は、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とに基づいて位相情報を検出すると共に、検出した位相情報に基づいて所定の信号処理を行っている。そのため、無線センサ装置1と検知対象30との距離が頻繁に変化し、送信信号TXと反射信号RXとの位相差が変動した場合でも、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とに基づいて位相情報を検出し、検出した位相情報に基づいて信号に補正を加えることができる。その結果、無線センサ装置1と検知対象30との距離の変化に伴う、検出感度の低下を抑制することができる。
また、本実施形態の無線センサ装置1では、第2位相状態は、第1位相状態に対して反射信号RXの位相がπ/2(ラジアン)だけ異なる位相状態である。そのため、このような2つの位相状態に対応した第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とをIQ座標と呼ばれる直交座標における2つの座標成分とし、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とに基づく第1数値情報B1と第2数値情報B2とを用いてIQ座標における位相角φを容易に算出することができる。しかも、信号処理部20は、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とに基づく第1数値情報B1と第2数値情報B2とを用いてIQ座標における位相角φを算出し、算出された位相角φに基づいて補正前信号Scの位相補正を行っている。そして、補正前信号Scの位相補正を行うことによって、補正前信号Scを位相角φの変動に影響され難い補正信号Sdに変換することができる。その結果、送信信号TXと反射信号RXとの位相差の変動に伴う信号の変動の影響を更に低減し、検出感度の低下を更に抑制することができる。
また、本実施形態の無線センサ装置1では、第2位相状態は、第1位相状態に対して反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態なので、第1位相状態に対応した第1検知信号Sa1を、IQ座標におけるI座標成分(余弦成分)として使用し、第2位相状態に対応した第2検知信号Sa2を、IQ座標におけるQ座標成分(正弦成分)として使用することができる。
そして、第1数値情報B1は、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2との混合信号が平準化された数値情報なので、第1数値情報B1は、第1検知信号Sa1の電位A1と第2検知信号Sa2の電位A2との積((C・cosφ)・(C・sinφ))が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する余弦関数と正弦関数との積と比例する値となる。また、第2数値情報B2は、第1検知信号Sa1と第1検知信号Sa1との混合信号が平準化された数値情報なので、第2数値情報B2は、第1検知信号Sa1の電位A1の2乗((C・cosφ)^2)が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する余弦関数の2乗と比例する値となる。そのため、位相角φは、第1数値情報B1を第2数値情報B2で除した値に対する逆正接関数(tan−1(B1/B2))という簡単な計算式を用いて算出することができる。その結果、位相角φの算出が容易となる。
尚、本実施形態では、ローパスフィルタ21bやローパスフィルタ21dによって平準化された第1数値情報B1と第2数値情報B2とを用いて位相角φを算出し、算出された位相角φに基づいて補正前信号Scに補正を加えている。無線センサ装置1の周辺にノイズ発生源が存在する場合には、このように、ローパスフィルタ21bやローパスフィルタ21dによって平準化された第1数値情報B1と第2数値情報B2とを用いて位相角φを算出することによって、外来ノイズの影響を軽減することができる。
また、本実施形態の無線センサ装置1では、センサ部10は、移相器13と第1検波回路14と第2検波回路15とを用いて、第1位相状態に対応した第1検知信号Sa1と、第2位相状態に対応した第2検知信号Sa2と、を容易に生成することができる。しかも、信号処理部20は、位相検出回路21と信号処理回路22とを用いて、位相角φ等の位相情報の検出と位相補正等の信号処理とを容易に行うことができる。その結果、本実施形態の無線センサ装置1では、検知対象30の動作の検出が容易となる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態において、前述した第1実施形態と同一の構成である場合、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、本発明の第2実施形態に係る無線センサ装置101の構成について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る無線センサ装置101の構成を示す説明図である。図7は、図6に示す信号処理部120の構成をより詳しく示す説明図である。
無線センサ装置101は、図6に示すように、センサ部10と信号処理部120とを備えている。信号処理部120は、図6に示すように、位相検出回路121と信号処理回路22とを有している。このように、無線センサ装置101は、第1実施形態に係る無線センサ装置1の信号処理部20が信号処理部120に置き換わったものである。また、信号処理部120は、信号処理部20の位相検出回路21が位相検出回路121に置き換わったものである。
位相検出回路121は、図7に示すように、2つのミキサ回路と2つのローパスフィルタと演算回路21gとを有している。2つのミキサ回路は、ミキサ回路21aとミキサ回路21eとである。2つのローパスフィルタは、ローパスフィルタ21bとローパスフィルタ21fとである。このように、位相検出回路121は、位相検出回路21のミキサ回路21cとローパスフィルタ21dとが、ミキサ回路21eとローパスフィルタ21fとに置き換わったものである。
ミキサ回路21eは、2つの入力端子と1つの出力端子とを有している。ミキサ回路21eの2つの入力端子には、共に第2検知信号Sa2が入力され、ミキサ回路21eの出力端子から第2検知信号Sa2と第2検知信号Sa2との混合信号が出力される。ローパスフィルタ21fは、ミキサ回路21eの出力信号を平準化している。そして、ローパスフィルタ21fの出力信号の電位が第3数値情報B3となる。第3数値情報B3は、第2検知信号Sa2と第2検知信号Sa2との混合信号が平準化された数値情報なので、第2検知信号Sa2の電位A2の2乗((C・sinφ)^2)が平準化された値と比例する値となる。
演算回路21gの構成は、第1実施形態と同じであるが、演算回路21gには、第1数値情報B1と第3数値情報B3とが入力される。そして、演算回路21gは、第1数値情報B1と第3数値情報B3とを用いて、IQ座標と呼ばれる直交座標における位相角φを算出している。
第1数値情報B1は、第1実施形態と同様に、第1検知信号Sa1の電位A1と第2検知信号Sa2の電位A2との積((C・cosφ)・(C・sinφ))が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する余弦関数と正弦関数との積と比例する値となる。一方、第3数値情報B3は、前述したように、第2検知信号Sa2の電位A2の2乗((C・sinφ)^2)が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する正弦関数の2乗と比例する値となる。
このように、第1数値情報B1は、位相角φに対する余弦関数と正弦関数との積と比例する値となり、第3数値情報B3は、位相角φに対する正弦関数の2乗と比例する値となる。そのため、第1数値情報B1と第3数値情報B3と位相角φとの間には、B3/B1=sinφ/cosφ=tanφ、という関係式が成立する。そして、この関係式を利用して、第3数値情報B3を第1数値情報B1で除した値の逆正接関数(tan−1(B3/B1))として位相角φを算出することができる。
本実施形態では、位相検出回路121は、この関係式を利用して、第3数値情報B3を第1数値情報B1で除した値に対する逆正接関数(tan−1(B3/B1))として位相角φを算出し、位相情報として信号処理回路22に出力している。
信号処理回路22は、第1実施形態と同様に、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とに基づいて補正前信号Scを生成すると共に、位相角φに基づいて補正前信号Scに補正を加えて補正信号Sdを生成している。そして、信号処理回路22は、補正信号Sdを用いて検知対象30の動作を解析し、解析結果に対応した動作情報Soutを出力している。
次に、本実施形態の効果について説明する。尚、本実施形態では、第1実施形態と異なる効果についてのみ説明する。本実施形態の無線センサ装置101では、第2位相状態は、第1位相状態に対して反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態なので、第1位相状態に対応した第1検知信号Sa1を、IQ座標におけるI座標成分(余弦成分)として使用し、第2位相状態に対応した第2検知信号Sa2を、IQ座標におけるQ座標成分(正弦成分)として使用することができる。
そして、第1数値情報B1は、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2との混合信号が平準化された数値情報なので、第1数値情報B1は、第1検知信号Sa1の電位A1と第2検知信号Sa2の電位A2との積((C・cosφ)・(C・sinφ))が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する余弦関数と正弦関数との積と比例する値となる。また、第3数値情報B3は、第2検知信号Sa2と第2検知信号Sa2との混合信号が平準化された数値情報なので、第3数値情報B3は、第2検知信号Sa2の電位A2の2乗((C・sinφ)^2)が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する正弦関数の2乗と比例する値となる。そのため、位相角φは、第3数値情報B3を第1数値情報B1で除した値に対する逆正接関数(tan−1(B3/B1))という簡単な計算式を用いて算出することができる。その結果、第1実施形態と同様に、位相角φの算出が容易となる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態において、前述した第1実施形態や第2実施形態と同一の構成である場合、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、本発明の第3実施形態に係る無線センサ装置201の構成について、図8及び図9を用いて説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る無線センサ装置201の構成を示す説明図である。図9は、図8に示す信号処理部220の構成をより詳しく示す説明図である。
無線センサ装置201は、図8に示すように、センサ部10と信号処理部220と制御回路16とを備えている。信号処理部220は、図8に示すように、位相検出回路221と信号処理回路22とを有している。このように、無線センサ装置201は、第1実施形態に係る無線センサ装置1の信号処理部20が信号処理部220に置き換わったものである。また、信号処理部220は、信号処理部20の位相検出回路21が位相検出回路221に置き換わったものである。
位相検出回路221は、図9に示すように、3つのミキサ回路と3つのローパスフィルタと演算回路21gとを有している。3つのミキサ回路は、ミキサ回路21aとミキサ回路21cとミキサ回路21eとである。3つのローパスフィルタは、ローパスフィルタ21bとローパスフィルタ21dとローパスフィルタ21fとである。このように、位相検出回路221は、位相検出回路21にミキサ回路21eとローパスフィルタ21fとが追加されたものである。
ミキサ回路21eは、2つの入力端子と1つの出力端子とを有している。ミキサ回路21eの2つの入力端子には、共に第2検知信号Sa2が入力され、ミキサ回路21eの出力端子から第2検知信号Sa2と第2検知信号Sa2との混合信号が出力される。ローパスフィルタ21fは、ミキサ回路21eの出力信号を平準化している。そして、ローパスフィルタ21fの出力信号の電位が第3数値情報B3となる。第3数値情報B3は、第2検知信号Sa2と第2検知信号Sa2との混合信号が平準化された数値情報なので、第2検知信号Sa2の電位A2の2乗((C・sinφ)^2)が平準化された値と比例する値となる。
演算回路21gの構成は、第1実施形態と同じであるが、演算回路21gには、第1数値情報B1と第2数値情報B2と第3数値情報B3とが入力される。そして、演算回路21gは、第1数値情報B1と第2数値情報B2と第3数値情報B3とを用いて、IQ座標と呼ばれる直交座標における位相角φを算出している。
第1数値情報B1は、第1実施形態と同様に、第1検知信号Sa1の電位A1と第2検知信号Sa2の電位A2との積((C・cosφ)・(C・sinφ))が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する余弦関数と正弦関数との積と比例する値となる。また、第2数値情報B2は、第1実施形態と同様に、第1検知信号Sa1の電位A1の2乗((C・cosφ)^2)が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する余弦関数の2乗と比例する値となる。また、第3数値情報B3は、第2実施形態と同様に、第2検知信号Sa2の電位A2の2乗((C・sinφ)^2)が平準化された値と比例する値、すなわち、位相角φに対する正弦関数の2乗と比例する値となる。
このように、第1数値情報B1は、位相角φに対する余弦関数と正弦関数との積と比例する値となり、第2数値情報B2は、位相角φに対する余弦関数の2乗と比例する値となり、第3数値情報B3は、位相角φに対する正弦関数の2乗と比例する値となる。そのため、第1数値情報B1と第2数値情報B2と第3数値情報B3と位相角φとの間には、B1/B2=sinφ/cosφ=tanφ、B3/B1=sinφ/cosφ=tanφ、という2つの関係式が成立する。
本実施形態では、位相検出回路221は、これらの関係式を利用して、第1数値情報B1を第2数値情報B2で除した値に対する逆正接関数(tan−1(B1/B2))として位相角φの第1算出値を算出すると共に、第3数値情報B3を第1数値情報B1で除した値に対する逆正接関数(tan−1(B3/B1))として位相角φの第2算出値を算出し、第1算出値と第2算出値とを位相情報として信号処理回路22に出力している。
信号処理回路22は、第1実施形態と同様に、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とに基づいて補正前信号Scを生成すると共に、位相角φに基づいて補正前信号Scに位相補正を加えて補正信号Sdを生成している。そして、信号処理回路22は、補正信号Sdを用いて検知対象30の動作を解析し、解析結果に対応した動作情報Soutを出力している。但し、本実施形態では、信号処理回路22は、所定の基準に従って、位相角φの第1算出値と第2算出値とのうちの一方を選択し、選択した側の算出値を用いて補正前信号Scの位相補正を行っている。
第1算出値と第2算出値とのうちのどちらを位相角φとして選択するかについては様々な方法が考えられるが、本実施形態では、信号処理回路22は、電位A1の大きさ(絶対値)と電位A2の大きさ(絶対値)とに基づいて位相角φの選択を行っている。
例えば、電位A1の大きさ(絶対値)が電位A2の大きさ(絶対値)よりも大きい場合、A2の2乗と比例する第3数値情報B3を用いて位相角φを算出するよりも、A1の2乗と比例する第2数値情報B2を用いて位相角φを算出する方が位相角φの算出精度を高める易い。そのため、このような場合には、第1算出値が位相角φとして選択される。また、電位A2の大きさ(絶対値)が電位A1の大きさ(絶対値)よりも大きい場合、A1の2乗と比例する第2数値情報B2を用いて位相角φを算出するよりも、A2の2乗と比例する第3数値情報B3を用いて位相角φを算出する方が位相角φの算出精度を高め易い。そのため、このような場合には、第2算出値が位相角φとして選択される。
次に、本実施形態の効果について説明する。尚、本実施形態では、第1実施形態と異なる効果についてのみ説明する。本実施形態の無線センサ装置201では、第2位相状態は、第1位相状態に対して反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態なので、第1位相状態に対応した第1検知信号Sa1を、IQ座標におけるI座標成分(余弦成分)として使用し、第2位相状態に対応した第2検知信号Sa2を、IQ座標におけるQ座標成分(正弦成分)として使用することができる。
そして、位相角φは、第1数値情報B1を第2数値情報B2で除した値に対する逆正接関数(tan−1(B1/B2))として位相角φを算出する算出方法と、第3数値情報B3を第1数値情報B1で除した値に対する逆正接関数(tan−1(B3/B1))として位相角φを算出する算出方法という、2つの算出方法を用いて算出することができる。その結果、位相角φを簡単な数式を用いて算出することができ、第1実施形態や第2実施形態と同様に、位相角φの算出が容易となる。
しかも、本実施形態の無線センサ装置201では、第1数値情報B1を第2数値情報B2で除した値に対する逆正接関数(tan−1(B1/B2))として位相角φの第1算出値を算出すると共に、第3数値情報B3を第1数値情報B1で除した値に対する逆正接関数(tan−1(B3/B1))として位相角φの第2算出値を算出し、第1算出値と第2算出値とのうちの一方を位相角φの算出値として選択している。そのため、第1算出値と第2算出値とのうちの一方の算出精度が低下した場合でも、他方を位相角φの算出値として使用することによって、検出感度の低下を抑制することができる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態において、前述した第1実施形態と同一の構成である場合、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、本発明の第4実施形態に係る無線センサ装置301の構成について、図10を用いて説明する。図10は、本発明の第4実施形態に係る無線センサ装置301の構成を示す説明図である。
無線センサ装置301は、図10に示すように、センサ部10と2つの信号処理部320とを備えている。信号処理部320は、図11に示すように、位相検出回路21と信号処理回路22と第1フィルタ23と第2フィルタ24とを有している。このように、無線センサ装置301は、複数の信号処理部を有した無線センサ装置である。そして、信号処理部320は、第1実施形態の信号処理部20に第1フィルタ23と第2フィルタ24とが追加された構成となっている。
第1フィルタ23は、低周波における所定の通過帯域を有したバンドパスフィルタである。第1フィルタ23には、第1検知信号Sa1が入力され、第1検知信号Sa1から検出したい検知対象30の動作に適した所定の周波数成分を取り出している。そして、本実施形態では、第1検知信号Sa1の代わりに第1フィルタ23の出力信号が位相検出回路21と信号処理回路22とに入力される。
第2フィルタ24は、第1フィルタ23と同じ通過帯域を有したバンドパスフィルタである。第2フィルタ24には、第2検知信号Sa2が入力され、第2検知信号Sa2から検出したい検知対象30の動作に適した所定の周波数成分を取り出している。そして、本実施形態では、第2検知信号Sa2の代わりに第2フィルタ24の出力信号が位相検出回路21と信号処理回路22とに入力される。
尚、第1フィルタ23の通過帯域と第2フィルタ24の通過帯域とは、信号処理部320毎に異なる帯域となっている。ずなわち、2つの信号処理部320のうちの一方では、第1フィルタ23の通過帯域と第2フィルタ24の通過帯域とは、人の呼吸に対応した通過帯域(0.7Hz〜1Hz程度)となっている。また、2つの信号処理部320のうちの他方では、第1フィルタ23の通過帯域と第2フィルタ24の通過帯域とは、人の心拍動作に対応した通過帯域(1Hz〜2Hz程度)となっている。
そして、本実施形態では、2つの信号処理部320のうちの一方が、人の呼吸に関する動作解析を行い、人の呼吸に関する動作情報を出力している。また、2つの信号処理部320のうちの他方が、人の心拍動作に関する動作解析を行い、人の心拍動作に関する動作情報を出力している。
次に、本実施形態の効果について説明する。尚、本実施形態では、第1実施形態と異なる効果についてのみ説明する。本実施形態の無線センサ装置301では、複数の信号処理部320を用いて、検知対象30の動作から異なる複数の動作情報を検出することができる。しかも、複数の動作情報を検出する場合、動作情報毎に検出に適した周波数が異なる場合があるが、本実施形態の無線センサ装置301では、第1フィルタ23の通過帯域と第2フィルタ24の通過帯域とは、信号処理部320毎に異なる帯域となっている。そのため、センサ部10が出力した検知信号から、信号処理部320毎に動作の検出に適した周波数成分を取り出すことができる。その結果、本実施形態の無線センサ装置301では、検知対象30の異なる複数の動作を効率よく検出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することができる。
例えば、本発明の実施形態において検出する動作は、前述した以外の動作であっても構わない。例えば、検出する動作は、人の脈動等の呼吸や心拍動作以外の動作であっても構わない。また、検出する動作は、人以外の物体の周期的な動作であっても構わない。
また、本発明の実施形態において、送受信アンテナ11は、送信アンテナと受信アンテナとを組み合わせたアンテナであっても構わない。そして、送信アンテナと受信アンテナとには、それぞれフィルタや増幅器等の回路が接続されていても構わない。
また、本発明の実施形態において、信号発生回路12が生成する送信信号TXの周波数は、前述した以外の周波数であっても構わない。例えば、送信信号TXの周波数は、数百MHz帯や5GHz帯の周波数であっても構わない。
また、本発明の実施形態において、2つの位相状態に切り替えることできるのであれば、移相器13の構成は前述した以外の構成であっても構わない。例えば、移相器13は、所定の線路長の伝送線路の端部に可変容量素子等を接続したような構成であっても構わない。
また、本発明の実施形態において、第1検波回路14と第2検波回路15とには、異なる2つの位相状態の送信信号TXがそれぞれ入力されても構わない。そして、その場合、第1検波回路14と第2検波回路15とには、同じ位相状態の反射信号RXが入力されても構わない。検出感度の低下は、送信信号TXと反射信号RXとの位相差によって生じるので、このように、異なる2つの位相状態の送信信号TXを用いた場合でも、異なる2つの位相状態の反射信号RXを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
また、本発明の実施形態において、センサ部10の第1検波回路14は信号変換回路14cを有しておらず、第2検波回路15は信号変換回路15cを有していなくても構わない。その場合、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とは、アナログの検知信号となるが、第1検知信号Sa1と第2検知信号Sa2とがアナログの検知信号であっても、同様の効果を得ることができる。
また、本発明の第3実施形態において、位相検出回路221は、2つの算出方法で算出した位相角φのうちのどちらを信号処理回路22に伝達するかを位相検出回路221側で判断し、2つの算出方法で算出した位相角φのうちのどちらか一方に関する位相情報のみを信号処理回路22に伝達しても構わない。
また、本発明の第3実施形態において、信号処理回路22は、位相角φの第1算出値と第2算出値とのうちの一方を選択し、選択した側の算出値を位相角φの算出値として使用しているが、信号処理回路22は、第1算出値と第2算出値との平均値を位相角φの算出値として使用しても構わない。このような場合でも、第1算出値と第2算出値とのうちの一方の算出精度が低下した時に、算出精度が低下した側の算出値の影響を低減し、検出感度の低下を抑制することができる。
また、本発明の第4実施形態において、無線センサ装置301が備える信号処理部20の数は3つ以上であっても構わない。また、無線センサ装置301が備える信号処理部は、第1実施形態に示す信号処理部20ではなく、第2実施形態に示す信号処理部120や第3実施形態に示す信号処理部220であっても構わない。
1 無線センサ装置
10 センサ部
11 送受信アンテナ
12 信号発生回路
12a 発振器
12b 増幅器
13 移相器
13a 第1伝送線路
13b 第2伝送線路
13c 第1スイッチ素子
13d 第2スイッチ素子
14 第1検波回路
14a ミキサ回路
14b ローパスフィルタ
14c 信号変換回路
15 第2検波回路
15a ミキサ回路
15b ローパスフィルタ
15c 信号変換回路
16 制御回路
20 信号処理部
21 位相検出回路
21a ミキサ回路
21b ローパスフィルタ
21c ミキサ回路
21d ローパスフィルタ
21e ミキサ回路
21f ローパスフィルタ
21g 演算回路
22 信号処理回路
23 第1フィルタ
24 第2フィルタ
30 検知対象
101 無線センサ装置
120 信号処理部
121 位相検出回路
201 無線センサ装置
220 信号処理部
221 位相検出回路
301 無線センサ装置
320 信号処理部

Claims (6)

  1. 検知対象に放射される送信信号と前記送信信号の前記検知対象からの反射信号とに基づいて検知信号を生成するセンサ部と、
    前記センサ部が生成した前記検知信号の信号処理を行う信号処理部と、
    を備えた無線センサ装置であって、
    前記センサ部は、
    前記送信信号又は前記反射信号の位相状態である第1位相状態に対応した第1検知信号と、
    前記第1位相状態に対して前記送信信号又は前記反射信号の位相が異なる第2位相状態に対応した第2検知信号と、
    を生成し、
    前記信号処理部は、
    前記第1検知信号と前記第2検知信号とに基づいて位相情報を検出すると共に、
    検出した前記位相情報に基づいて所定の信号処理を行い、
    前記第2位相状態は、
    前記第1位相状態に対して前記反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ異なる位相状態であり、
    前記信号処理部は、
    前記第1検知信号と前記第2検知信号とに基づいて、
    直交座標における位相角を算出し、
    算出された前記位相角に基づいて、
    信号の位相補正を行うことを特徴とする無線センサ装置。
  2. 前記第2位相状態は、
    前記第1位相状態に対して前記反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態であり、
    前記信号処理部は、
    前記第1検知信号と前記第2検知信号との混合信号に対応する第1数値情報と、
    前記第1検知信号と前記第1検知信号との混合信号に対応する第2数値情報と、
    を用い、
    前記第1数値情報を前記第2数値情報で除した値に対する逆正接関数として前記位相角を算出することを特徴とする、
    請求項に記載の無線センサ装置。
  3. 前記第2位相状態は、
    前記第1位相状態に対して前記反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態であり、
    前記信号処理部は、
    前記第1検知信号と前記第2検知信号との混合信号に対応する第1数値情報と、
    前記第2検知信号と前記第2検知信号との混合信号に対応する第3数値情報と、
    を用い、
    前記第3数値情報を前記第1数値情報で除した値に対する逆正接関数として前記位相角を算出することを特徴とする、
    請求項に記載の無線センサ装置。
  4. 前記第2位相状態は、
    前記第1位相状態に対して前記反射信号の位相がπ/2(ラジアン)だけ遅れる位相状態であり、
    前記信号処理部は、
    前記第1検知信号と前記第2検知信号との混合信号に対応する第1数値情報と、
    前記第1検知信号と前記第1検知信号との混合信号に対応する第2数値情報と、
    前記第2検知信号と前記第2検知信号との混合信号に対応する第3数値情報と、
    を用い、
    前記第1数値情報を前記第2数値情報で除した値に対する逆正接関数として前記位相角の第1算出値を算出すると共に、
    前記第3数値情報を前記第1数値情報で除した値に対する逆正接関数として前記位相角の第2算出値を算出し、
    前記第1算出値と前記第2算出値とのうちの一方を選択した値か、又は、前記第1算出値と前記第2算出値との平均値を前記位相角の算出値とすることを特徴とする、
    請求項に記載の無線センサ装置。
  5. 前記センサ部は、
    前記送信信号を放射し前記反射信号を受信するための送受信アンテナと、
    前記送信信号を生成する信号発生回路と、
    前記第1位相状態と前記第2位相状態とを発生させる移相器と、
    前記送信信号の一部と前記第1位相状態に対応した前記反射信号とが入力される第1検波回路と、
    前記送信信号の一部と前記第2位相状態に対応した前記反射信号とが入力される第2検波回路と、
    を有し、
    前記信号処理部は、
    前記第1検知信号と前記第2検知信号とが入力される位相検出回路と、
    前記第1検知信号と前記第2検知信号と前記位相情報とが入力される信号処理回路と、
    を有することを特徴とする、
    請求項1ないし請求項のいずれかに記載の無線センサ装置。
  6. 複数の前記信号処理部を備え、
    前記信号処理部は、
    所定の通過帯域を有し、前記第1検知信号が入力される第1フィルタと、
    前記所定の通過帯域を有し、前記第2検知信号が入力される第2フィルタと、
    を有し、
    前記所定の通過帯域は、
    前記信号処理部毎に異なる帯域となっていることを特徴とする、
    請求項に記載の無線センサ装置。
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