JP6272715B2 - 立体画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光線指向型の発光素子を配列して備えた立体画像表示装置に関する。
従来、像再生型立体表示の代表的な方式として、ホログラフィ、パララクスステレオグラム、レンチキュラシート、インテグラル・フォトグラフィ(以下IPと称す)などが知られている。ホログラフィを除く、これらの方式の実用化に関しては、コヒーレント光を必要としない簡易な方式で早期に実現可能と考えられている。また、IPは水平方向に加え、垂直方向の視差情報も表現することができるため、自然な立体表示が可能な装置の早期実現に有望であると考えられている(例えば非特許文献1参照)。
IPの表示システムは、光線を再生する多数の微小なレンズ(要素レンズ)を配列したレンズアレイと、各レンズに対応した画像(要素画像)を多数並べて表示するディスプレイとによって構成される。観察者は、1つの要素レンズに対応する1つの要素画像の内の1画素だけを観測することができ、各要素画像の内の1画素が作る光線が要素レンズの数だけ集まることにより、ある視点における再生像を観測する。そして、観察者は、観察者の視点位置に応じた再生像から立体像を観察する。IPの表示システムにおいて、立体像の解像度は、要素レンズの解像度と、要素画像の解像度と、観視距離とで決まる。また、IPの表示システムの視域角については、要素レンズの性能が支配的な要因になる。このような事情から、実用的な立体像をIP方式で生成するには、発光素子と光学素子の高精細化・高機能化が不可欠である(例えば非特許文献2参照)。
しかし、発光素子と光学素子の高精細化が進んでも、レンズを使用する光学系には、レンズの回折限界、焦点距離、収差のようにレンズ固有の原理的に取り除くことができない性能限界が存在する。例えばディスプレイの画素サイズが、要素レンズの最小スポットサイズより小さくなると、映像ボケが発生するため、同時にスポットサイズも小さくする必要があるが、スポットサイズをAbbeの回折限界より小さくすることは原理的に不可能である。
また、レンズを用いたシステムでの視域角は、要素レンズの焦点距離に反比例するが、視域角を大きくするために要素レンズの焦点距離を無限に小さくすることはできない。更に、視域角は、要素レンズのピッチに比例もするため、要素レンズのピッチを大きくすれば視域角の拡大が可能であるが解像度が劣化するので、レンズを用いた光学系における解像度と視域角には、トレードオフの関係がある。
一方、発光素子の分野においては、自発光素子であるLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)は、近年、その発光特性が飛躍的に進歩したことから、各種用途で注目を集めている。LEDは、照明器具などへの応用においては光を拡散させる仕組みが必要となるほど放射光の直進性が強く、色純度の高さなど発光特性にも優れることから、ディスプレイの用途に有望なデバイスと考えられる。
また、本願の発明者らは別途に、LEDの表面に複数個の微細な柱状構造やホール(孔)を有する構造物を形成することにより、ある特定の方向のみに光線を射出する性質(光線指向性)を利用して、かかる構造物を表面に備えたLEDを配列したIP方式の立体ディスプレイを提案している(例えば、特許文献1)。
このIP方式の立体ディスプレイの特徴は、コヒーレント光を用いずに水平、垂直の両方の視差表示が可能となることである。このため、眼精疲労の少なく、しかもメガネをかける必要のない自然な立体映像を表示可能な立体ディスプレイとしての実現が望まれている。
特開2013−44900号公報
「超高精細映像技術・立体映像技術」、電子情報通信学会誌、2010年5月、Vol.93,No.5,p.372−381 財団法人機械システム振興協会・財団法人光産業技術振興協会、「自然な立体視を可能とする空間像の形成に関する調査研究報告書−要旨−」、システム技術開発調査研究19−R−5,2008年3月,p.14−16
ここで、IP方式の立体ディスプレイに必要な画素数について考えてみる。例えば、ハイビジョン相当の画像を水平と垂直方向に60画像を重畳したIP方式の立体ディスプレイについて、柱状構造やホールを形成した光線指向性を有する微細なLEDによって作製した場合、そのディスプレイに必要な画素数は[1920レンズ相当数(水平)×60画像数]×[1080レンズ相当数(垂直)×60画像数]=7.47×10画素である。この画素数は、現在、2次元の平面型ディスプレイ(FPD:フラット・パネル・ディスプレイ)で実現されている(最大画素数を有する)スーパーハイビジョンの画素数の226倍にもなる。
図13を参照して、特許文献1に記載された光線指向性を有する発光素子を画素として用い、IP方式の立体ディスプレイ(立体画像表示装置)を構成した場合の例について説明する。
なお、図13は従来の発光素子を用いた立体画像表示装置(以下、適宜に「表示装置」と呼ぶ)を説明するための模式図であり、(a)は、1つの要素画像を表示する領域において、発光素子と配線電極との関係を説明するための平面図であり、(b)は(a)において1行に配列された発光素子から出射される光線の様子を説明するための図である。
図13(a)に示すように、従来の発光素子1001を用いた表示装置1100は、1つの要素画像領域について、N行×N列の画素で構成される要素画像の各画素に対応して、発光素子1001がN行×N列の二次元に配列されている。また、N×N個の発光素子1001を駆動制御するために、横方向に延伸するN本の行選択用配線1012と、縦方向に延伸するN本の列選択用配線1013が配設されている。各発光素子1001は、正極であるp側電極が何れか1つの行選択用配線1012と電気的に接続され、負極であるn側電極が何れか1つの列選択用配線1013と電気的に接続されている。p側電極には、対応する行選択用配線1012を介して、行選択信号SA〜SAの何れかが入力される。また、n側電極には、対応する列選択用配線1013を介して、発光制御信号S〜Sの何れかが入力される。
また、本例における表示装置1100は、線順次で表示制御が行われるものとする。すなわち、アクティブであることを示す信号(例えば、高(H)レベル信号)が入力されている期間である行選択期間に、当該選択された行に属する発光素子1001が、対応する発光制御信号S〜Sに従って発光する。なお、各発光素子1001は出射方向を特定するための構造物(不図示)が設けられており、図13(b)に示すように、基板1011上に配列された発光素子1001は、それぞれが予め定められた方向に光を出射する。
図13(a)に示すように、従来は、N×N個に二次元配列された発光素子1001を駆動制御するために、N本の行選択用配線1012とN本の列選択用配線1013とが必要となる。そのため、発光素子1001を高密度に設けるようとするほど、配線領域を確保することが、より困難になるという問題があった。また、配線領域を確保するために、発光素子1001の発光領域が狭くなり、十分な光量(発光強度)を得難くなるという問題があった。
そこで、本発明は、特定の方向に光を出射する発光素子を2次元配列してなる、インテグラル・フォトグラフィ方式の立体画像表示装置において、発光素子への配線数を低減することを課題とする。
前記した課題を解決するために、本発明の立体画像表示装置は、互いに伝導型が異なる第1半導体層と第2半導体層とを少なくとも積層した半導体積層体を有する発光構造部と、前記発光構造部の一方の面側に設けられ、前記発光構造部が発光する光線を特定方向に出射するための構造物を有する出射方向特定部と、前記半導体積層体に電力を供給して前記発光構造部を発光させるための第1電極対と、前記半導体積層体の厚さ方向に電界を印加して前記出射方向特定部からの光線の出射方向を変化させるための第2電極対と、を有する発光素子を2次元配列してなる、インテグラル・フォトグラフィ方式の立体画像表示装置であって、前記2次元配列の一方の方向に配列される前記発光素子について、1行ごとに、前記第1電極対の一方の電極及び前記第2電極対の一方の電極と電気的に接続する第1配線パターンと、前記2次元配列の他方の方向に配列される前記発光素子について、1列ごとに、前記第1電極対の他方の電極と電気的に接続する第2配線パターンと、前記2次元配列の他方の方向に配列される前記発光素子について、1列ごとに、前記第2電極対の他方の電極と電気的に接続する第3配線パターンと、を備えて構成した。
かかる構成によれば、前記発光素子は、前記第1配線パターンを介して行選択信号が入力中に、前記第3配線パターンを介して入力される出射方向制御信号に応じて前記出射方向特定部から出射する光線を2以上の出射方向に変化させる。また、前記発光素子は、前記2以上の出射方向の変化に同期して、前記第2配線パターンを介して入力される発光制御信号に応じた強度で前記発光構造部を発光させる。
これによって、立体画像表示装置は、独立に制御する発光素子数を低減した上で、2以上の方向に対応して表示可能な1個の発光素子に対して3本の配線パターンを介して制御信号を入力することで、発光素子の発光強度と出射方向とを制御することができる。
本発明の立体画像表示装置によれば、出射方向が変化可能な発光素子を用いることで、発光素子数を低減した上で、2以上の方向に対応して表示可能な1個の発光素子を、3本の配線パターンと接続して出射方向と発光とを制御するため、立体画像表示装置全体として配線数を低減することができる。
また、配線数を低減した結果として、相対的に発光素子の発光領域を広く設けて輝度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る立体画像表示装置の構成を示す模式図であり、(a)は斜視図、(b)は段階的に一部を拡大して示す平面図である。 本発明の実施形態に係る発光素子の構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係る発光素子の構成を示す模式的平面図であり、(a)〜(c)はそれぞれ出射方向特定部の配置が異なる例を示す。 本発明の実施形態に係る発光素子における出射方向特定部の構成を示す模式的斜視図である。 本発明の実施形態に係る発光素子における出射方向特定部の柱状部の配置を説明するための模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 本発明の実施形態に係る発光素子において、出射方向を変調する原理を説明するための、発光素子の模式的断面図である。 本発明の発光素子を用いた立体画像表示装置の構成を説明するための模式図であり、(a)は1つの要素画像を表示する領域において、発光素子と配線電極との関係を説明するための平面図であり、(b)は(a)において1行に配列された発光素子から出射される光線の様子を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る立体画像表示装置の制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る立体画像表示装置の駆動の様子を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法における工程の一部を説明するための模式図であり、(a)〜(h)は各工程における模式的断面図である。 本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法における工程の一部を説明するための模式図であり、(a)〜(f)は各工程における模式的断面図である。 本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法における工程の一部を説明するための模式図であり、(a)〜(f)は各工程における模式的断面図である。 従来の発光素子を用いた立体画像表示装置の構成を説明するための模式図であり、(a)は1つの要素画像を表示する領域において、発光素子と配線電極との関係を説明するための平面図であり、(b)は(a)において1行に配列された発光素子から出射される光線の様子を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面に示される部材等のサイズ、個数、位置関係等は、説明を理解しやすくするために誇張、変更、省略していることがある。
<実施形態>
[立体画像表示装置の構成]
まず、本発明の実施形態に係る立体画像表示装置100の構成について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る立体画像表示装置100はIP方式の立体ディスプレイであり、図1(a)に示すように、基板11上に複数の要素画像を表示するために、要素画像表示部110が2次元配列された表示パネル10を備えている。1つの要素画像表示部110は、従来の要素レンズアレイを用いる方式において、1つの要素レンズに対応して表示される要素画像を表示するものである。図1に示した例では、水平方向(X軸方向)に6個、垂直方向(Y軸方向)に5個の要素画像表示部110が配列されている。例えば、ハイビジョン相当の解像度で表示するように立体画像表示装置100を構成する場合は、水平方向に1920個、垂直方向に1080個の要素画像表示部110を配列することになる。
また、図1(b)に示すように、要素画像表示部110は、2次元配列された発光素子1を備えている。更に、発光素子1は、画像表示面の法線方向(Z軸方向)からみて、水平方向(X軸方向)に細長く、表面には複数の出射方向特定部3を水平方向に配列して設けている。この発光素子1は、長手方向であるX軸方向について光の出射方向を変調可能なように構成されている。
なお、1個の発光素子1に設けられた複数の出射方向特定部3から出射される光線は、同じ方向に出射されるように構成されているものとする。
ここで、各要素画像が、水平方向及び垂直方向ともに、60個の画素で構成する場合について説明する。従来は、1個の画素に対応して1個の発光素子1を用いる必要があったが、本発明では、出射方向が変調可能な方向については、1つの発光素子1が複数の画素に対応した表示を行うことができる。本実施形態では、水平方向に配列された12画素に対応する範囲に、光線を出射するものとする。そうすると、水平方向に配列される発光素子1は、60÷12=5個となる。また、垂直方向に配列される発光素子1は60個である。
図1(b)に示すように、発光素子1は、Z軸方向から見て、水平方向について、従来の発光素子1001が12個配置される領域分の幅を有する横長の長尺形状をしている。また、詳細は後記するが、出射方向を特定するための部位である出射方向特定部3が複数設けられ、1個の発光素子1から出射する光の光量(発光強度)は、従来の発光素子1001が出射する光の光量(発光強度)の12倍に相当する。従って、1行の選択期間内に、12画素に対応する方向に時分割で出射するため、従来の1画素に対応する方向に出射される光量は、行選択期間に出射される総光量の12分の1となるが、前記したように発光素子1の発光強度が、従来の発光素子1001の12倍以上あるため、各方向について従来と同等の輝度で表示することができる。
更にまた、配線数を減らすことにより、配線のための領域が削減され、代わりに発光素子1の発光領域を増加させることにより、実質的に光量(発光強度)を増加させることも可能となる。
なお、動的に変化させる出射方向は、水平方向(方位角)に限定されず、垂直方向(仰角)やその他の方向であってもよく、水平方向及び垂直方向の双方であってもよい。また、1つの発光素子1が分担する画素数は12個に限定されず、2個以上であればよく、発光素子1が変化可能な出射方向の角度幅に応じて適宜に定めることができる。
また、Z軸方向から見た発光素子1の形状は、出射方向を動的に変化可能な方向に延伸した長尺形状とすることができる。
[発光素子の構成]
次に、発光素子1の構成について、図2を参照して説明する。
なお、図1に示したように、立体画像表示装置100の画像表示面の法線方向をZ軸方向とし、当該画像表示面の水平方向をX軸方向、垂直方向(鉛直方向)をY軸方向としている。また、発光素子1は、光の出射面が、立体画像表示装置100の画像表示面に平行となるように配置される。
ここで、発光素子1の説明においては、特に断らない限り、便宜的に、発光素子1からの光の出射面を、発光素子1の上面と呼ぶこととする。すなわち、Z軸のプラス方向を上方向とする。例えば、図2(a)に示した図は、発光素子1をZ軸方向から見た図であり、上面図(平面図)である。また、図2(b)に示した断面図において、横方向がX軸方向であり、縦方向がZ軸方向である。
本実施形態に係る発光素子1は、指向性の高い光線を発する素子であって、特定の方向に光線を出射する光線指向型の発光素子である。また、発光素子1は、発光構造部2を構成する半導体層の逆圧電効果(逆ピエゾ効果)及びポッケルス効果を利用して、光線を出射する方向を変化させる(変調させる)ことができるように構成されている。
図2に示すように、本実施形態に係る発光素子1は、光を放射する発光構造部2と、発光構造部2から放射された光を特定の方向に出射させる出射方向特定部3と、を積層して構成されている。
また、図2に示した発光素子1は、基板11上に実装され、後記する各電極が配線用電極である行選択用配線12、列選択用配線である発光制御用配線13及び出射方向制御用配線14の何れかと電気的に接続されている。
なお、発光制御用配線13及び出射方向制御用配線14は、例えば、透光性の基板(不図示)上にそれぞれに対応する配線パターンを形成し、それぞれ発光素子1のn側電極25及び上部電極44と接合するようにして設けることができる。
また、本実施形態における発光素子1は、分担する角度領域を12の等角度の区間に分割され、後記する出射方向制御信号により、ピエゾ素子としての電極である下部電極41及び上部電極44の間に印加される電圧を変化させることにより、光線の出射方向を変化させて、分割された各区間を順次に走査する。また、発光素子1は、発光制御信号により、LED素子としての電極であるp側電極24及びn側電極25の間に印加する電圧を変化させることで発光の制御を行うものである。
なお、出射方向を変化させる原理についての詳細な説明は後記する。
発光構造部2は、LED構造を有する半導体結晶の積層体であり、p側電極24及びn側電極25を介して電力が供給されて発光する。
また、発光構造部2の下面側には、X軸方向の一端(左端)に、下部絶縁層42を介して下部電極41が設けられている。発光構造部2の上面側には、X軸方向の左端に、上部絶縁層43を介して上部電極44が、下部電極41と対向するように設けられている。下部電極41及び上部電極44の間に適宜電圧を印加することで、逆圧電効果により発光構造部2の半導体結晶に歪が生じ、発光構造部2の厚さが変化する。また、下部電極41及び上部電極44の間に電圧を印加することで、ポッケルス効果により発光構造部2の屈折率も変化する。
ここで、下部電極41及び上部電極44が、半導体結晶の積層体である発光構造部2の左端に設けられているため、発光構造部2に印加される電界が一様ではなく、下部電極41及び上部電極44が設けられた左端ほど強くなる。発光構造部2の厚さ及び屈折率の変化量は、電界の強さに比例するため、左端ほど大きくなる。そのため、図2に示した例では、水平方向(X軸方向)に対して勾配を有するように、発光構造部2の厚さ及び屈折率が変化する。そして、この勾配を有する厚さ及び屈折率の変化により、光の出射方向を変調する(変化させる)ものである。
なお、発光構造部2の勾配を有する厚さ及び屈折率の変化と光の出射方向の変調との関係については後記する。
発光構造部2は、p型半導体層(第1半導体層)21と、発光層22と、n型半導体層(第2半導体層)23と、がこの順で積層され、p型半導体層21と電気的に接続するp側電極(第1電極対の一方)24と、n型半導体層23と電気的に接続するn側電極(第1電極対の他方)25とを備えて構成されている。発光構造部2は、陽極であるp側電極24と陰極であるn側電極25の間に所定のレベルの電圧パルスを印加することで、p型半導体層21に正孔が注入され、n型半導体層23に電子が注入され、発光層22で正孔と電子とが再結合して発光するLED素子である。p側電極24は、平面視において、複数の出射方向特定部3が配置された領域のそれぞれに対応する領域において、p型半導体層21の下面側と接触するように設けられ、p型半導体層21との接触面が、それぞれの配置領域において円形状となるように設けられている。また、n側電極25は、n型半導体層23の上面の左端部の一部と接触するように設けられている。
本実施形態においては、n型半導体層23におけるキャリアである電子の移動度(キャリア移動度)は、p型半導体層21におけるキャリアである正孔の移動度(キャリア移動度)よりも十分に大きく、また発光層22におけるキャリアの再結合時間が、キャリアの拡散時間に比べて十分に短い半導体材料を用いて構成されている。このため、発光層22においては、電子と正孔とが再結合し、発光して消滅すると、移動度の大きな電子は速やかに補充される。一方、移動度の小さな正孔が補充されると、正孔と先に補充された電子とは即座に再結合し、発光して消滅する。このため、発光層22は、p側電極24とp型半導体層21との接触面の直上であって、当該接触面と略同じ平面形状の発光領域22aでキャリアの再結合が頻繁に生じて光を発光する。
p型半導体層(第1半導体層)21は、p側電極24から注入されるキャリアである正孔を輸送する輸送層であり、下面の中央部に平面視で円形状に接触するp側電極24が設けられている。
n型半導体層(第2半導体層)23は、n側電極25から注入されるキャリアである電子を輸送する輸送層であり、上面の一部に接触するn側電極25が設けられている。また、n型半導体層23の上面には、出射方向特定部3が設けられており、発光層22の発光領域22aから放射された光を出射方向特定部3に導光する。n型半導体層23におけるキャリア移動度は、p型半導体層21におけるキャリア移動度よりも大きくなるように半導体材料が選択されている。
p型半導体層21及びn型半導体層23は、それぞれ単層構成とすることができるが、多層構造とすることもできる。
発光層22は、p型半導体層21とn型半導体層23との間に設けられ、p型半導体層21を介して輸送されるキャリアである正孔と、n型半導体層23を介して輸送されるキャリアである電子とが再結合して発光する層である。発光層22は、p型半導体層21及びn型半導体層23におけるキャリア移動度と再結合時間との関係により、p側電極24とp型半導体層21との接触面の直上領域及びその近傍である発光領域22aが発光し、他の領域は発光しないように構成されている。
このように、LED素子及び圧電素子としての機能を発揮する半導体材料として、GaN(窒化ガリウム)系の化合物半導体を用いることができる。また、半導体材料として、一般式がInAlGa1−x−yN(但し、0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)で表されるGaN(窒化ガリウム)、InN(窒化インジウム)、AlN(窒化アルミニウム)の固溶体を用いることもできる。
特に、AlNは、この母体材料自身が有する歪が大きいため、GaNとの固溶体であるAlGaN系の半導体材料を用いることで、大きな逆圧電効果を得ることができる。
また、前記化学式において、組成(x、y)を調整することで、可視光のほぼ全域の波長の光を発光することができ、画像表示用の発光素子の半導体材料として好ましい。
発光領域22aは、発光層22の、p側電極24とp型半導体層21との接触面の直上領域及びその近傍に位置する領域である。前記したように、発光領域22aは、p型半導体層21及びn型半導体層23におけるキャリア移動度と再結合時間との関係により、発光層22において選択的に発光する領域である。
p側電極(第1電極対の一方)24は、各出射方向特定部3を構成する構造物である柱状部31,32の配置領域の直下であって、p型半導体層21の下面に設けられ、p型半導体層21にキャリアを注入するための正電極である。p側電極24は、円柱形状をしており、その円形の上面がp型半導体層21の下面の一部と接触するように設けられている。p側電極24は、金属又はITO(インジウム・スズ酸化物)などの導電性化合物で構成される。また、p側電極24は、複数種類の導電材料を積層した多層構造としてもよい。
なお、p側電極24の形状は円柱状に限定されず、角柱状、針状、球状、半球状など、任意の形状とすることができる。また、p型半導体層21との接触面の形状は、円形状に限定されず、楕円形や多角形とすることもでき、接触面の形状及び大きさは、柱状部31,32などの構造物の配置形状に応じて定めることができる。
また、図2において、基板11は、支持基板11aの表面に行選択用配線12が配設されて構成されており、複数のp側電極24は、支持基板11a上に配設された行選択用配線12の1つと電気的に接続されている。なお、行選択用配線12は、p側電極24とともに、下部電極41とも電気的に接続されている。
n側電極(第1電極対の一方)25は、n型半導体層23の上面の一部に設けられ、n型半導体層23にキャリアを注入するための負電極である。n側電極25は、n型半導体層23の一部と接触するように設けられればよく、上面の一部に限定されず、側面に設けたり、平面視で柱状部31,32が設けられた領域を除く上面の外縁部に設けたりしてもよい。何れにしても、n型半導体層23の上面に柱状部31,32などの構造物を設ける上で、障害とならない箇所に設けることが好ましい。n側電極25は、前記したp側電極と同様に、金属や導電性化合物を用いて構成することができる。
また、図2において、n側電極25は、発光制御用配線13と電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、p型半導体層21側が下面でn型半導体層23側が上面となるように発光構造部2が構成されているが、これに限定されるものではない。発光構造部2として、n型半導体層23側が下面でp型半導体層21側が上面となるように発光構造部2を設け、p型半導体層21側に出射方向特定部3を設けるようにしてもよい。
出射方向特定部3は、発光構造部2の上面に設けられ、発光構造部2の発光層22が発光する光を、光の干渉作用を利用して発光素子1から出射する光の方向を特定する構造物として柱状部31,32を有している。本実施形態では、出射方向特定部3は、平坦面であるn型半導体層23の上面に柱状部31,32を有している。また、柱状部31,32は、所定領域を取り囲むように、合計で6本が1組として配置され、1組の柱状部31,32で1個の出射方向特定部3を構成している。1組の柱状部31,32の中で少なくとも一つの柱状部32のn型半導体層23の上面からの高さ(以下、単に「柱状部の高さ」という)が、他の柱状部31の高さと異なり、これらすべての柱状部31,32の上面から光を射出する。そして、これらの柱状部31,32の上面から出射する光同士の干渉を利用して、特定の方向に強度を有するようにするものである。
なお、1個の発光素子1に設けられる出射方向特定部3の個数や配置は特に限定されるものではない。図2(a)に示した発光素子1のように、領域内に、多数の出射方向特定部3を1列に配列するように配置してもよいし、図3(a)に示す発光素子1Aのように、領域内に出射方向特定部3を2個配置するようにしてもよい。また、図3(b)に示す発光素子1Bのように、領域内に出射方向特定部3を2列に配置したり、図3(c)に示す発光素子1Cのように、領域内に出射方向特定部3を、平面視で市松模様(チェッカーフラグ)状に配置してもよい。発光素子1等の領域内により多くの出射方向特定部3を稠密に並列配置することで、発光構造部2が発光する光を効率よく出射させて、発光強度を高くすることができる。
また、本実施形態では、1個の発光素子1内に複数の出射方向特定部3を設けられ、これらの複数の出射方向特定部3の出射方向が同じとなるように柱状部31,32が設けられている。また、各出射方向特定に3に対応した各発光領域22aが発光する光は、1個のLEDである発光構造部2が発光するため互いに位相が揃っている。従って、複数の出射方向特定部3から出射する光線の位相を揃えることができ、その結果として、1個の発光素子1から出射される光のビームの広がりを抑制することができる。また、特に、複数の出射方向特定部3から出射する光線の位相が、より揃うようにするため、これら複数の出射方向特定部3に対応した各発光領域22aを分離することなく、つなげて連続した発光領域を形成するようにしてもよい。
ここで、図4及び図5を参照(適宜図2参照)して、出射方向特定部3の詳細な構成について説明する。
なお、本実施形態では、発光素子1は、複数の出射方向特定部3を有するものであるが、1個の発光素子1に設けられる各出射方向特定部3は、同じ方向に光を出射するように同じ構成を有するものである。図4及び図5は、1つの出射方向特定部3を含む領域について図示したものである。
柱状部31,32は、発光構造部2の発光層22が発光する光を、光の干渉作用を利用して発光素子1から出射する光の方向を特定する構造物である。図4に示すように、本実施形態においては、合計で6本の柱状部31,32から構成されている。また、6本の柱状部31,32は、横断面が何れも同面積の円形状であり、3本の柱状部31及び3本の柱状部32から構成されている。また、本実施形態において、柱状部32は、柱状部31よりも低く構成されている。
また、柱状部31,32は、発光構造部2から入射される光を伝播させ、それぞれの上面31a,32a(図5(b)参照)から出射する導光部材である。図5(b)に示すように、柱状部32の高さは、柱状部31の高さより低くなるように形成されている。柱状部31,32の上面31a,32aから出射された光は干渉し合い、柱状部31,32の配置に応じた方向(n型半導体層23の上面に平行な平面内の方位、及びその平面に対する仰角)に強度を有する光線が出射方向特定部3から出射される。
出射方向特定部3は、入射される光に対して透光性を有する材料で構成することができる。例えば、SiOやAlなどの誘電体材料を用いることができる。また、n型半導体層23と同様の半導体材料を用いて構成することもできる。
また、出射方向特定部3として、n型半導体層23の上面に直接に柱状部31,32を設けるように構成することもできるが、これに限定されるものではない。例えば、n型半導体層23の上面に均一な厚さの層を土台として設け、構造物である柱状部31,32を、この土台の上面に設けるようにしてもよい。また、発光構造部2の上面に出射方向特定部3を設けるのではなく、発光構造部2の上部であるn型半導体層23の一部(例えば、n型バッファ層)を加工して、柱状部31,32を形成するようにしてもよい。
また、柱状部31,32は、円柱形状に限定されるものではなく、多角柱であってもよい。また、柱状部の数は2本以上あればよく、6本又は3本とすることが好ましい。
(柱状部の間隔)
柱状部31,32は、発光素子1の発光領域22aから放出される光の波長λ程度以上の径を有する。ここで、波長λは、自由空間における放射光の波長を示す。図5では柱状部31,32の平面視での形状を円形で示した。各柱状部31,32の太さは等しいものとした(半径をφとする)。柱状部31,32は、図5(a)に示すように、発光素子1の光の出射面において、所定の原点Mの周囲に均等な角度(この例では、60度)の方位に、互いに接して配置されている。
なお、図5に示した例では、隣接する柱状部31,32が接するように配置したが、離間して配置するようにしてもよい。また、柱状部31,32を離間して配置する場合は、柱状部31,32の間隔は、隣り合った柱状部31,32から出射される光が干渉可能な程度に設定する。すなわち、柱状部31,32は、出射光の可干渉長以下の範囲内に配置することが好ましい。なお、光の可干渉長は、光源である発光構造部2が放射する光の発光スペクトルの中心波長及びその半値幅に依存する。光源がLEDの場合は、例えば真空中において10〜数十μm程度の長さとなる。
(複数の柱状部の配置の原点M)
図5に示した例では、所定の原点Mとは、発光構造部2の上面において6つの柱状部31,32により環状に取り囲まれた所定領域の中央に位置する点である。また、この原点は、各柱状部31,32の中心Oから等距離にある点であり、中心Oを頂点とする正六角形の重心のことである。ここで、6つの柱状部31,32は、円環状かつ均等に配置されることが好ましい。なお、柱状部31,32により取り囲まれた所定領域の形状やサイズは、柱状部31,32の直径とバランスを取りながら所望のものとして適宜設計できる。例えば柱状部31,32の直径が、波長λの数波長分程度であれば、所定領域のサイズは、数分の1波長〜数波長程度とすることができる。
また、図5(b)に示すように、柱状部31の上面31aの、基準面である発光構造部2の上面からの高さを、基準となる高さHとする。そして、柱状部31の高さと柱状部32の高さとの差をδとすると、柱状部32の高さは(H−δ)となる。本実施形態においては、光の干渉によって指向性の良好な光線に成形するためには、高さの差δは、柱状部31,32中を伝播する光の波長λ以下とすることが好ましく、波長λの半分以下とすることがより好ましいことが、実験の結果として得られている。
ここで、波長λは、自由空間において波長λの光が、柱状部31,32を光導波路として伝播するときの波長である。一般に、半導体や誘電体などの誘電率は空気中(又は真空中)の誘電率よりも高いため、半導体や誘電体中を伝播する際の光の速度は、空気中を伝播する速度に比べて遅くなる。具体的には、空気中(又は真空中)の光の速度をc、柱状部31,32を構成する半導体や誘電体などの材料の屈折率をnとすると、柱状部31,32中を伝播する光の速度は、c/nで与えられる。
従って、波長λは、波長λの値を柱状部31,32の内部の屈折率nで除することにより求めることができる。例えば、発光構造部2をGaN系の半導体で構成して波長λが405nmの青色光を放射し、柱状部31,32を、屈折率n=2.6のGaNで構成する場合、柱状部31,32を伝播する光の波長λは、約156nmである。
また、以下の説明において、柱状部31,32によって出射方向を特定するに際して、機能の違いから、柱状部31を導波柱、柱状部32を制御柱と呼ぶことがある。
(発光領域と柱状部との相互関係)
次に、図5(a)を参照(適宜図2参照)して、発光領域22aの寸法と、柱状部31,32の寸法との相互関係について説明する。
なお、以下の説明では、簡便のため、n型半導体層23及び出射方向特定部3は、同じ屈折率の材料で構成されているものとして説明する。異なる屈折率の材料で構成されている場合は、発光領域22aの寸法を、n型半導体層23の厚さ及び屈折率と、出射方向特定部3を構成する材料の屈折率とから、n型半導体層23及び出射方向特定部3の界面における光の屈折角を勘案して算出するようにすればよい。
発光素子1は、前記したように、発光領域22aで発光した光が、n型半導体層23を介して柱状部31,32に入射し、柱状部31,32の内部を伝播して、出射面である上面31a,32aから出射した光の干渉によって光線を成形するものである。よって、柱状部31,32の上面31a,32aから出射した光の干渉によって成形される光線の強度は、発光領域22aで発光した光が、柱状部31,32の内部に取り入れられる量によって変化する。そして、発光領域22aで発光した光が、柱状部31,32の内部に取り入れられる量が一定量より少ないと、柱状部31,32の上面31a,32aから十分な強度の光が出射されず、これらの光の干渉によって明瞭な光線を成形することが困難となる。
一方、柱状部31,32の上面31a,32aから出射した光線の方向制御の任意性を向上させるためには、発光領域22aで発光し、柱状部31,32に入射せずに素子表面(n型半導体層23の上面)から漏れ出た光と、柱状部31,32に入射して上面31a,32aから出射した光とが、余分な干渉を引き起こすことを抑制することが必要である。
これらを両立するためには、発光領域22aと、柱状部31,32との間に、以下に説明する関係が成立するように、発光領域22aの寸法と柱状部31,32の寸法とを規定することが望ましい。
図5(a)に示すように、まず、6つの柱状部31,32のすべてを囲むように、柱状部31,32の外縁の一部に接するように描いた平面図形を想定する。ここでは、平面図形として、図5(a)において二点鎖線で示したように、柱状部31,32のすべてを囲む円形状の図形を想定する。この円の中心は、各柱状部31,32の中心Oを頂点とする正六角形の重心である原点Mと一致する。ここで、柱状部31,32をすべて囲む最小の円の半径rSOは、原点Mから柱状部31,32までの距離に、柱状部31,32の直径2φを加えたものとなる。また、原点Mから柱状部31,32までの距離をρとする。なお、本例では、距離ρが、柱状部31,32の半径φと等しくなる。
従って、図5(a)に示すように、柱状部31,32をすべて囲む最小の円(二点鎖線で描画)の面積SOと、発光領域22a(破線で描画)の面積SLと、柱状部31,32の各面積SPとは、それぞれ式(1)〜式(3)により求めることができる。
SL = πΨ …式(1)
SO = π(2φ+ρ) …式(2)
SP = πφ …式(3)
ここで、式(1)におけるΨは、発光領域22aの半径である。
このとき、発光領域22aの面積SLと、柱状部31,32をすべて囲む最小の円の面積SOとの間に、式(4)の関係が成立することが望ましい。
SL ≦ SO …式(4)
また、発光領域22aの面積SLと、柱状部31,32の各面積SPの総和である面積6×SPとの間に、式(5)の関係が成立することが望ましい。
6×SP ≦ SL …式(5)
なお、式(5)において、面積SPに乗ずる数は、柱状部の設置数に応じて変わるものである。
よって、これらをまとめると、光線の明瞭性の向上と、光線の方向制御の任意性の向上とを両立させるためには、式(6)に示す関係が成立することが望ましい。
N×SP ≦ SL ≦ SO …式(6)
但し、Nは柱状部の設置数を示し、2以上の整数である。
前記した式(6)に示したように、発光領域22aの面積SLを、柱状部31,32をすべて囲む最小の円の面積SO以下とすることで、発光領域22aで発光した光が、柱状部31,32以外の素子表面(n型半導体層23の上面)から漏れ出して、柱状部31,32の上面31a,32aから出射した光と余分な干渉を引き起こすのを抑制することができるので、光線の方向制御の任意性を向上させることができる。
なお、平面視において、発光領域22aの面積SLは、前記したようにp側電極24の面積、より正確にはp側電極24の上面とp型半導体層21の下面とが接触する面積と同じであるとみなすことができる。
また、式(6)に示したように、発光領域22aの面積SLを、柱状部31,32の各面積SPの総和である面積N×SP以上とすることで、発光領域22aで発光した光のほとんどを柱状部31,32の内部に入射させることができる。このため、柱状部31,32の内部を伝播して上面31a,32aから出射される光の強度を高くすることができる。これによって、これらの光の干渉によって成形される光線の明瞭性を向上することができる。
[発光素子の柱状部から出射される光の干渉の原理]
次に、発光素子1から出射される光線の方向を特定する原理である、発光素子1の柱状部31,32から出射される光の干渉の原理について説明する。本実施形態において柱状部31,32は全部で6本であるが、簡便のため、高さの異なる2つの柱状部31及び柱状部32とから出射される光の干渉を例に説明する。
前記したように、図5(b)に示した発光素子1において、柱状部31と柱状部32との高さの差はδである。
従って、柱状部31を伝播して上面31aから大気中に出射した光と、柱状部32を伝播して上面32aから大気中に出射した光とが、更に上空で出会う場合、それぞれの光路を通って光の位相差τは、式(7)で与えられる。
τ=2πδ(n−1)/λ …式(7)
但し、式(7)において、λは自由空間における光の波長であり、nは柱状部31,32の屈折率を示す。
また、式(7)より、柱状部31,32の高さの差δは、式(8)のように表わされる。
δ=τ・/(2π)・1/(n−1)・λ …式(8)
柱状部31を通る光は、柱状部32を通る光に比べて遅延するため、両者が混合されると、それら2つの光の波面とは全く異なる波面をもつ波が生成される。すなわち、柱状部31,32から放出される光の波面は互いに干渉し、これら2つの柱状部31,32の相対的な位置(3次元空間の位置)によって決定される方位(方向)に、光が射出されることになる。
続いて、3次元空間の位置rにある波源としての柱状部31と、3次元空間の位置rにある波源としての柱状部32とから射出された光の干渉について説明する。
位置rにある波源と、位置rにある波源とからそれぞれ射出された光によって、3次元空間の位置rに時刻tにおいて合成される光の強度I(r)は、次の式(9)で与えられる。
Figure 0006272715
式(9)において、光の干渉を表す第3項が存在するために、発光領域22aから射出された光が、2つの波源からそれぞれ射出された後に重畳されて、波面を変えて波の進行方向を変えることが可能となる。式(9)では、式(10)のγの実部を利用する。式(10)のEは、Eの複素共役であることを示す。γは、式(10)で示すように、0から1までの値をとり、2つの波源から射出された光が時間的・空間的にどのくらい相関を持っているのかを示している。よって、γは、次の式(11)〜式(13)のように場合分けすることができる。
Figure 0006272715
式(11)の場合を完全コヒーレント、式(12)の場合をインコヒーレント、式(13)の場合を部分的なコヒーレントと呼ぶ。ここでは、発光素子1として、LEDの光源を使用しているため、部分的なコヒーレントになっている。従って、図5(b)に示した発光素子1においては、光の強度において、前記した式(9)の第3項の寄与が大きいため、光の進行方向を大きく曲げられる。
なお、柱状部31,32間の水平方向の間隔pが微小であるときには、光の進行方向が曲げられる大きさは、柱状部31と柱状部32との高さの差δが支配的な要因となる。
図5(b)では、簡単のため、高さの異なる2つの柱状部から出射される光の干渉による光線の方向について説明した。波源としての柱状部が3つ以上ある場合についても、前記した式(9)を拡張することが可能である。それぞれ柱状部の内の2つを組み合わせた場合について、式(9)を適用して出射される波面を計算し、各組合せにおける波面を換算することで、3以上の柱状部がある場合についての関係式を求めることができる。
なお、図2(b)に示した出射方向は、出射方向特定部3から出射される光線の様子を説明するために模式的に示したものである。すなわち、図2(b)に示した柱状構造の場合に、常に長い方の柱状部側に傾斜して出射されることを示したものではない。出射方向がどの方向となるかは、柱の本数や配置、柱の間隔などにより異なり、短い柱状部側に傾いて出射される場合もある。
また、本実施形態では、出射方向特定部3は、6本の柱状部31,32で構成するようにしたが、これに限定されるものではなく、2本以上の柱状部で構成してもよく、板状部材の上面から複数の柱状の凹部を形成した構造物であってよい。また、柱状部や柱状凹部の組み合わせに限定されず、他の構造を有するものであってもよい。
図2に戻って、発光素子1の構成について説明を続ける。
下部電極(第2電極対の一方)41は、下部絶縁層42を介して、発光構造部2の下面の左端に沿って設けられた帯状の電極である。また、上部電極(第2電極対の他方)44は、上部絶縁層43を介して、発光構造部2の上面の左端に沿って設けられた帯状の電極である。下部電極41及び上部電極44は、発光構造部2を挟んで、対向するように設けられている。
下部電極41及び上部電極44は、これらの電極間に印加する電圧を制御することにより、発光構造部2の上面に設けられた出射方向特定部3によって特定される光の出射方向を変化させるための出射方向制御用の電極である。
また、図2において、下部電極41は、p側電極24が接続された行選択用配線12と電気的に接続されており、上部電極44は、出射方向制御用配線14と電気的に接続されている。
(光線の出射方向を変調する原理)
ここで、図6を参照(適宜図2参照)して、光線の出射方向を変調する原理について説明する。
例えば、InN、GaN、AlNの3種類の化合物の結晶は、何れもC6V 4で示される対称性の構造を有するものである。この構造を有する結晶は、対称中心を持たないため、圧電性結晶になることが知られており、この圧電性結晶に電界を印加することにより、電界に比例した歪が生じる。すなわち、電界に比例して結晶長が変化する逆圧電効果が生じるとともに、電界に比例して屈折率が変化するポッケルス効果が生じる。
図6に示すように、発光素子1は、半導体結晶を積層体してなる発光構造部2の上面に出射方向特定部3と、n側電極25と、上部絶縁層43を介して上部電極44とが設けられている。また、発光構造部2の下面には、p側電極24と、下部絶縁層42を介して下部電極41が設けられている。発光構造部2を構成する半導体結晶は、前記したように、例えば、InAlGaN系化合物からなり、逆圧電効果及びポッケルス効果を生じるものである。
なお、説明を簡便にするため、図6において、発光素子1は、柱状部31及び柱状部32を1本ずつ備えた出射方向特定部3を1つだけ有しているものとし、発光構造部2の発光領域22aの中心部で発光され、柱状部31,32の底面の中心に入射する光線L,Lについて説明する。
また、柱状部32は、柱状部31よりも上部電極44の近くに配置されている。
p側電極24とn側電極25との間に電極を供給することにより、発光領域22aが発光した光線L,Lは、発光構造部2を構成する半導体結晶内を伝播して、出射方向特定部3の、それぞれ柱状部31,32に入射する。
ここで、上部電極44と下部電極41との間に電圧を印加することにより、発光構造部2の半導体結晶に電界が作用し、逆圧電効果によって当該半導体結晶に伸縮歪が生じる。図6に示した例では、逆圧電効果によって、半導体結晶が伸長する場合を例として示している。また、上部電極44及び下部電極41が、左端の領域に設けられているため、図6において破線で示したように、発光構造部2の半導体結晶が、上部電極44及び下部電極41に近い左側ほど大きく伸長するように、左右方向(X軸方向)に勾配をもって厚さが変化している。同様に、ポッケルス効果によって、発光構造部2の半導体結晶は、左側ほど屈折率が大きく変化する。
このため、上部電極44及び下部電極41に近いために、より大きな電界が作用する柱状部32が配置された箇所の半導体結晶が、柱状部31が配置された箇所の半導体結晶よりも大きく伸長する。その結果、柱状部32に入射する光線Lの光路長の変化量が、柱状部31に入射する光線Lの光路長の変化量よりも大きくなる。すなわち、逆圧電効果による半導体結晶の厚さの変化の大きさに応じて、出射方向特定部3の異なる柱状部31,32に入射するまでの光線L,Lの光路長の差が変化することが分かる。
そして、光路長の差が変化することで、柱状部31に入射する光線Lと、柱状部32に入射する光線Lの位相差が変化することとなる。更に、ポッケルス効果により屈折率も変化するため、屈折率の変化も加味されて、柱状部31に入射する光線Lと、柱状部32に入射する光線Lの位相差が変化することとなる。
光路長及び屈折率の変化と位相差の変化との関係について詳細に説明する。
ポッケルス効果による屈折率変化Δnと、逆圧電効果による結晶長変化ΔLを考慮した場合、出射方向可変用の電極間において、前記した対称性を有する結晶のc軸方向への光の位相が変化する。その際、発光方向の制御電極下における光の位相変化量ψは、式(14)で与えられる。
ψ=2π/λ[(n+Δn)(L+ΔL)−nL]≒2π/λ(nΔL+ΔnL)
…式(14)
ここで、λは発光波長、nは屈折率、Lは結晶長を示す。
なお、式(14)において、「≒」は、ΔnとΔLとの積が、他の項(nΔL、ΔnL)に比べて微小であるため、無視(省略)したことを示している。
また、各柱状部31,32の位置における光の位相変化量は、式(15)に示すように、式(14)で与えられるψに、柱状部31,32の円柱構造に由来する構造因子αを乗じた値ψ’で表わすことができる。
ψ’=αψ’≒2πα/λ(nΔL+ΔnL) …式(15)
この位相変化量ψ’が、前記した干渉効果を示す式(9)における位相差τの変化に寄与し、最終的には光線の角度変化(出射方向の変化)を与えることとなる。すなわち、柱状部31,32の入射光の位相差が変化することで、柱状部31,32から射出される光線同士の干渉条件が変化して、出射方向特定部3から出射する光線強度の指向性、すなわち、出射方向を変化させることが可能となる。
続いて、逆圧電効果及びポッケルス効果について、更に詳細に説明する。
前記したように、逆圧電効果による歪Sは電界Eに比例し、その関係を式(16)のように表わすことができる。
S=dE …式(16)
ここで、dは圧電テンソルを示す。
また、結晶長をL、歪による結晶長変化をΔLとすると、歪Sは式(17)のように表わすことができる。
S=ΔL/L …式(17)
このとき、光路長の変化量である結晶長変化ΔLは、式(18)で表わすことができる。
ΔL=SL=dEL …式(18)
一方、ポッケルス効果により、屈折率nがΔnだけ変化する現象は、前記したGaN、InN、AlNなどのように対称中心を持たない結晶構造においては、式(19)のように表わすことができる。
Δ(1/n)=ΣrijkE …式(19)
ここで、rijkは、ポッケルス係数であり、電圧テンソルdと同様に、テンソル量である。これは、屈折率nの自乗の逆数の変化量Δ(1/n)が電界の値に比例することを示しており、1次の電気光学効果を表すものである。
このように、電界Eを印加して結晶長Lと屈折率nとを変化させることによって、結晶内を伝播した光線の位相ψ’を変化させられることが分かる。
すなわち、半導体結晶の積層体である発光構造部2に電圧を印加すると、物理的な形状変化(逆圧電効果)及び屈折率変化(ポッケルス効果)により光の伝播方向の位相差ψ’が生じて、結果的に光線の干渉によって生じる光線の指向性の方位角度(出射方向)の制御が可能となる。
ここで、発光制御用の電極であるp側電極24及びn側電極25間に印加される電圧の、出射方向制御に与える影響について説明する。
発光制御用の電極であるp側電極24及びn側電極25に電圧が印加され、これらの電極からキャリアが注入される場合には、キャリアは結晶の歪によって生じた(発光層22の量子井戸中の)内部電界を打ち消す方向に移動する。つまり、キャリアの移動が、発光制御用電極に印加される電圧に基づく結晶の歪を打ち消す方向に寄与する。従って、発光制御用の電極に電圧を印加しても、光線の出射方向の制御に対して影響を与えない。
また、発光制御用の電極に電圧が印加されないときは、何ら光線の出射方向の制御に影響を与えない。つまり、発光制御用の電極に電圧が印加されるときは、その影響を打ち消す方向に発光制御用の電極からキャリア注入されて、電界を打ち消す方向にキャリアが走行し、電界を緩和する方向に作用する。このため、発光制御用の電極への電圧印加は、光線の出射方向には影響を与えることがない。
従って、発光制御と出射方向制御とを独立して行うことができることが分かる。
以上説明したように、発光構造部2の発光領域22aで発光し、発光構造部2を厚さ方向に伝播して出射方向特定部3に入射する光線L,Lの位相差の変化量は、上部電極44及び下部電極41間に印加する電圧の大きさで制御することができる。そして、下部電極41及び上部電極44間に印加する電圧の大きさを制御することにより、出射方向特定部3から出射する光線の出射方向を変化させることができる。
なお、発光構造部2の半導体結晶を伸長させる場合に印加する電圧(順方向のバイアス)に比べて、半導体結晶を圧縮させる場合に印加する電圧(逆方向のバイアス)は、高電圧を印加する必要がある。このため、伸長させる側のみ電圧を印加することで、印加電圧を低圧化できる。また、伸長させる方が圧縮させる方よりも高速変調が可能である。
また、図6に示した出射方向は、図2に示した出射方向と同様に、出射方向特定部3から出射される光線の様子を説明するために模式的に示したものである。すなわち、図6に示した柱状構造の場合に、常に長い方の柱状部側に傾斜して出射されることを示したものではない。出射方向がどの方向となるかは、柱の本数や配置、柱の間隔などにより異なり、短い柱状部側に傾いて出射される場合もある。
[発光素子と配線電極との接続及び駆動制御手段の構成]
次に、図7及び図8を参照(適宜図2参照)して、表示装置100において、発光素子1と配線電極との接続、及び配線電極に制御信号を出力して表示パネル10(図1参照)に立体画像を表示させるための駆動制御手段の構成について説明する。なお、図7は、表示装置100として、1つの要素画像表示部110について図示したものである。また、図8は、1つの要素画像表示部110について駆動制御する制御回路を示したものである。
図7(a)に示すように、表示装置100は、1個の要素画像表示部110当たり、水平方向(X軸方向)にM個、垂直方向(Y軸方向)にN個の発光素子1を2次元配列して構成されている。前記したように、本実施形態における表示装置100は、光の出射方向を動的に制御できる発光素子1を用いることで、1つの発光素子1が、要素画像内の複数の画素に対応する方向に、時分割で光を出射するように構成し、水平方向(X軸方向)について、1つの発光素子1が12個の画素を分担するものである。従って、1つの要素画像について、水平方向である1行当たりに発光素子1が5個配置され、垂直方向である1列あたりに発光素子1が60個配置されている。
また、1つの要素画像当たり、行選択用配線12は従来と同様に60本が配設されているが、列選択用配線としては、発光制御用配線13が5本と、出射方向制御用配線14が5本の、合計10本が配設されている。すなわち、各発光素子1は、1本の行選択用配線12と、2本の列選択用配線である発光制御用配線13及び出射方向制御用配線14と接続される。本例では、行選択用配線12は、発光制御用及び出射方向制御用の両方に共通の配線電極である。
各発光素子1は、1行ごとに、LED素子としての正極であるp側電極24及び出射方向を制御するためのピエゾ素子としての一方の電極である下部電極41が、行選択用配線12の何れか1つと電気的に接続されている。また、各発光素子1は、1列ごとに、LED素子としての負極であるn側電極25が、発光制御用配線13の何れか1つと電気的に接続され、ピエゾ素子としての他方の電極である上部電極44が、出射方向制御用配線14の何れか1つと電気的に接続されている。
p側電極24及び下部電極41には、対応する行選択用配線12を介して、行選択信号SA〜SA(SA60)の何れかが入力される。また、n側電極25には、対応する発光制御用配線13を介して、発光制御信号SB〜SB(SB)の何れかが入力される。また、上部電極44には、対応する出射方向制御用配線14を介して、出射方向制御信号SC〜SC(SC)の何れかが入力される。各信号の入力タイミングについては、後記する。
また、図7(b)に示すように、本実施形態に係る表示装置100において、要素画像表示部110の1行当たり、発光素子1(1〜1)は、5個配列されている。発光素子1〜1は、それぞれ分担する角度領域を、出射方向制御信号SC〜SC(SC)に従って走査する。
例えば、各発光素子1〜1が分担する角度領域の中心角度θ〜θを、それぞれ−30度、−15度、0度、+15度、+30度とし、角度変化Δθを±7.5度とすることができる。すなわち、各発光素子1〜1は、それぞれ、−30±7.5度、−15±7.5度、0±7.5度、+15±7.5度、+30±7.5度の角度範囲を走査する。
また、各発光素子1〜1は、それぞれ分担する角度領域が12の区間に分割され、それぞれの区間の走査タイミングに同期して発光制御信号SB〜SB(SB)が入力される。各発光素子1〜1は、発光制御信号SB〜SB(SB)に基づいて、各区間に対応する要素画像の画素データに応じた輝度レベルで発光する。
(駆動制御手段の構成)
表示装置100は、図8に示すように、表示パネル10(図1参照)を構成する複数の要素画像表示部110を駆動制御して立体画像を表示させるために、駆動制御手段として、表示制御部90、行選択制御部91、発光制御部92及び出射方向制御部93を備えている。なお、図8には、要素画像表示部110を1個のみ示している。
表示制御部90は、外部から画像信号を入力し、当該画像信号を要素画像ごとに分割して、それぞれ対応する要素画像表示部110に表示させるための制御回路である。また、表示制御部90は、クロックを含む制御信号を生成し、それらの制御信号を用いて、行選択制御部91、発光制御部92及び出射方向制御部93が同期して動作するように制御する。
行選択制御部91は、表示制御部90から画像信号の行に同期した行同期信号を入力し、要素画像表示部110の各行選択用配線12のそれぞれに、順次に択一的に行を選択する行選択信号SA〜SAを出力する。
発光制御部92は、表示制御部90から画素及び行に同期した同期信号を入力するとともに、表示制御部90から当該発光制御部92が対応する要素画像についての画像信号を入力し、各発光素子1に対応する発光制御信号SB〜SBを生成して、発光制御用配線13に並行して出力する。
出射方向制御部93は、表示制御部90から画素及び行に同期した同期信号を入力するとともに、各発光素子1に対応する出射方向制御信号SC〜SCを生成して、出射方向制御用配線14に並行して出力する。
なお、発光制御信号SB〜SBと、出射方向制御信号SC〜SCとは、各区間において出射方向と輝度信号とが対応するように、同期して出力される。
[立体画像表示装置の動作]
次に、図9を参照(適宜図2、図7及び図8参照)して、表示装置100の動作について説明する。
まず、外部から画像信号が表示制御部90に入力されると、表示制御部90は、画像信号を要素画像に分割し、分割した要素画像についての画像信号を、それぞれ対応する要素画像表示部110を制御するための発光制御部92に出力する。発光制御部92は、表示制御部90から入力した要素画像についての画像信号を、各発光素子1を画像信号に対応する発光強度で発光させるための発光制御信号SB〜SBに変換する。
また、行選択制御部91、発光制御部92及び出射方向制御部93は、表示制御部90から入力する同期信号に同期して、それぞれ、行選択信号SA〜SAを行選択用配線12に、発光制御信号SB〜SBを発光制御用配線13に、出射方向制御信号SC〜SCを出射方向制御用配線14に出力する。
以下、各信号のタイミングについて説明する。
図9の(a)〜(c)は、1つの要素画像表示部110について、行選択用配線12に入力され、発光素子1を駆動するための行選択信号SA〜SA(SA60)を例示するものである。表示装置100を構成する他の要素画像表示部110についても、同様に、表示装置100において配置された表示画面内の行位置に対応する行選択信号が入力される。
また、本例では、線順次で表示制御が行われ、H(高)レベルの行選択信号が入力されている期間が行選択期間(アクティブ期間)であるとする。また、各行選択信号SA〜SAは、Hレベル期間が重複しないように順次に入力され、択一的に行が選択される。
なお、行選択信号SA〜SAがアクティブである期間は、対応する行選択用配線12が所定の電位に設定され、行選択信号SA〜SAが非アクティブである期間は、対応する行選択用配線12が高インピーダンス状態に設定されるものとする。これによって、行選択期間においては、発光素子1は、行選択用配線12に設定された電位と発光制御用配線13に設定される電位との差に応じた発光強度で発光するとともに、行選択用配線12に設定された電位と出射方向制御用配線14に設定される電位との差に応じた出射方向に光を出射する。また、行が非選択期間においては、発光素子1は非発光であり、ピエゾ素子としても動作せず、電力を消費しない。なお、行選択信号SA〜SAが非アクティブである期間は、対応する行選択用配線12をL(低)レベル状態に設定するようにしてもよい。
なお、発光強度の制御は、p側電極24及びn側電極25の間に印加される電圧値の大きさを多段階に変調するパワー変調の他に、対応期間内のON/OFFの比率を変調するパルス幅変調、対応期間内に出力する一定幅のパルス数を変調するパルス頻度変調、又はこれらを組み合わせた手法などを用いることができる。
図9の(d)〜(j)は、1行目に属するM個(5個)の発光素子1に入力される駆動信号を示すものである。
行選択信号SAがHレベルの期間に、それぞれの発光素子1のn側電極25には、対応する発光制御用配線13を介して、それぞれ発光制御信号SB,SB,・・・,SB(SB)として、従来の12個の画素に対応する発光制御信号S〜S12,S13〜S24,・・・,S12(M−1)+1〜S12M(S49〜S60)がシーケンシャルに入力される。
また、行選択信号SAがHレベルの期間に、それぞれの発光素子1の上部電極44には、対応する出射方向制御用配線14を介して、出射方向制御信号SC〜SC(SC)として、それぞれ発光制御信号SB,SB,・・・,SB(SB)の12画素に対応する信号に同期して、対応する出射方向に制御するための信号が入力される。本例では、等角速度で出射方向が変化するように、直線的に変化する信号が入力されている。
なお、下部電極41及び上部電極44間に印加される電圧と、出射方向が変化する角度との関係がリニアでない場合は、等角速度で出射方向が変化するように非線形な信号を出射方向制御信号SC〜SC(SC)として入力すればよい。また、発光制御信号SB,SB,・・・,SB(SB)の12画素に対応する信号の入力期間に同期して、階段状に変化する信号を出射方向制御信号SC〜SC(SC)として入力するようにしてもよい。
[発光素子の製造方法]
次に、図10から図12を参照(適宜図1及び図2参照)して、本実施形態に係る発光素子1の製造方法について説明する。
なお、本例では、発光構造部2として、GaN系の化合物半導体を用いてLED構造を形成する場合について説明する。
(発光構造部準備工程)
まず、発光構造部準備工程において、図10(a)に示すように、発光構造部2を準備する。
発光構造部2は、サファイア、GaN、AlN、GaAs、SiC、Si、ZnO等からなる基板50上に、例えば、MBE(分子線エピタキシー)法、MOCVD(有機金属化学気相成長)法などの成膜方法により、剥離層51、n型半導体層23、発光層22及びp型半導体層21を順次に積層して形成することができる。
更に詳細に説明すると、n型半導体層23は、ノンドープのGaNなどからなる下地層(バッファ層)などを介してn型不純物であるSiをドープしたGaNからなる結晶を成長させて形成する。また、n型半導体層23は、例えば、GaNからなるn型コンタクト層とAlGaNからなるn型クラッド層との2層構造にして形成してもよい。なお、下地層は、基板50とn型半導体層23との材料の組み合わせによっては省略することもできる。
発光層22は、n型半導体層23及びp型半導体層21の間に設けられ、n型半導体層23に、例えば、InGaNなどを積層して形成する。なお、発光層22としてInGaNからなる発光層を形成し、ダブルへテロ構造とすることもできるし、n型半導体層23とp型半導体層21との間に異なる材料の発光層を設けずに、n型半導体層23とp型半導体層21とを直接に接合し、このpn接合面(界面)を発光層22とした構造としてもよい。また、発光層22として、例えば、ノンドープのGaNからなる障壁層とノンドープのInN又はInGaNからなる井戸層とを交互に積層した量子井戸構造、好ましくは多重量子井戸構造の発光層を形成してもよい。
p型半導体層21は、発光層22上に、p型不純物であるMgをドープしたGaNからなる結晶を成長させて形成する。p型半導体層21も、n型半導体層23と同様に、例えば、GaNからなるp型クラッド層とAlGaNからなるp型コンタクト層との2層構造にして形成してもよい。
なお、各半導体層において、格子不整合となる接合面を設けると、大きな逆圧電効果を利用することができるため好ましい。
剥離層51は、後記する貼り合せ工程で、基板40と発光構造部2とを貼り合せた後に、後記する剥離工程で半導体層である発光構造部2を成長させるために用いた基板50を剥離するための層である。例えば、レーザリフトオフ法により基板50を剥離する場合には、例えば、n型半導体層23を形成する際の下地層を剥離層51とすることができる(例えば、参考文献1参照)。この剥離層51は、後記する剥離工程において、レーザ照射により分解され、基板50を発光構造部2から剥離することができる。
(参考文献1):特許第4653804号公報
また、ケミカルリフトオフ法により基板50を剥離する場合には、剥離層51として、基板50上に、例えば、Crなどの金属層の窒化物の層を形成することができる(例えば、参考文献2参照)。この金属窒化物からなる剥離層51は、後記する剥離工程において、液剤を用いた化学エッチングにより除去され、基板50を発光構造部2から剥離することができる。ケミカルリフトオフ法は、レーザリフトオフ法に比べ、多数のウェハを同時に処理することができるために生産性が高く、また、剥離の際に半導体層に対するストレスが少なくクラックの発生が抑制されるために歩留まりが高い。
なお、金属窒化物からなる剥離層51は、基板50上にMOCVD法により形成することができる。また、他の方法として、基板50上にスパッタリング法や蒸着法などにより金属膜を成膜した後、この金属膜をアンモニア含有ガス雰囲気で1040℃以上の温度として窒化させて金属窒化物膜を形成することもできる。
(参考文献2):特開2009−54888号公報
(下部絶縁層形成工程)
次に、下部絶縁層形成工程において、フォトリソグラフィ法によって、下部絶縁層42を形成する。
この工程においては、まず、図10(b)に示すように、p型半導体層21の表面全体に絶縁層71を形成する。絶縁層71は、SiOやAlなどの絶縁材料を用いて、例えば、スパッタリング法やCVD法などにより形成することができる。
次に、図10(c)に示すように、絶縁層71をパターニングするためのマスク81を形成する。マスク81は、フォトレジストを絶縁層71の表面に塗布し、所望の形状にUV光を照射した後、現像することで形成する。次に、図10(d)に示すように、マスク81を用いて絶縁層71をp型半導体層21が露出するまでエッチングし、残った絶縁層71が、下部絶縁層42となる。絶縁層71の絶縁材料としてSiOを用いる場合は、エッチング法として、例えば、HF(フッ化水素)やKOH(水酸化カリウム)の水溶液を用いたウェットエッチングや、SF,CHFガスプラズマを用いたドライエッチングを用いることができる。
なお、本実施形態では、マスク81は、次工程であるp側電極形成工程において用いるため、ここでは除去しない。
(p側電極形成工程)
次に、下部絶縁層形成工程において、リフトオフ法により、下部絶縁層42から露出したp型半導体層21の表面にp側電極24を形成する。
この工程においては、まず、図10(e)に示すように、AlやCuなどの導電性材料を用いて導電層61を形成する。このとき、マスク81上にも導電層61が形成される。
次に、図10(f)に示すように、マスク81上に形成された不要な導電層61とともにマスク81を除去することで、導電層61がパターニングされ、p側電極24が形成される。
(下部電極形成工程)
次に、下部電極形成工程において、リフトオフ法によって、下部絶縁層42上に下部電極41を形成する。
この工程では、まず、図10(g)に示すように、下部電極41を形成する領域に開口を有するように、p側電極24及び下部絶縁層42を被覆するマスク82を形成する。マスク82は、フォトレジストをp側電極24及び下部絶縁層42の表面全体に塗布し、所望の形状にUV光を照射した後、現像することで形成する。次に、図10(h)に示すように、下部絶縁層42及びマスク82上にAlやCuなどの導電層62を、例えば、蒸着法により形成する。そして、マスク82上に形成された不要な導電層62とともにマスク82を除去することで、図11(a)に示すように、導電層62がパターニングされ、下部電極41が形成される。
なお、本実施形態では、p側電極24と下部電極41とは、発光制御用と出射方向制御用とに共通の配線である行選択用配線12と接続されるため、p側電極24と下部電極41とは、導通するように形成してもよい。この場合は、マスク82を形成せずに、p側電極24及び下部絶縁層42の表面全体に導電層62を形成することにより、p側電極24及び下部電極41を一体とした電極を形成することができる。
(貼り合せ工程)
次に、貼り合せ工程において、図11(b)に示すように、下部電極形成工程までの工程で作製したp側電極24及び下部電極41が設けられた発光構造部2を、p型半導体層21側で基板40と貼り合せる。基板40は、支持基板40aに、発光構造部2と融着するための接合層40bが設けられている。支持基板40aは、ガラス板や、Cu,Alなどの金属板を用いることができる。また、接合層40bは、300℃程度で溶融する樹脂を用いることができる。貼り合せ工程では、基板40と基板50との間に圧力をかけながら300℃程度に加熱することでp側電極24及び下部電極41を備えた発光構造部2と基板40とを融着させる。
なお、基板40を、図1に示したIP方式の立体ディスプレイの表示パネル10の基板11として用いて複数の発光素子1を配列して支持する場合は、支持基板40aの表面に、複数の発光素子1のp側電極24及び下部電極41と電気的に接続するための行選択用配線12を設けるようにしてもよい。
(剥離工程)
次に、剥離工程において、図11(c)に示すように、基板50を、発光構造部2から剥離する。
前記したレーザリフトオフ法により剥離する場合は、剥離層51であるGaNの下地層に、例えば、近紫外光のエキシマレーザのナノ秒パルス照射をしてGaNを分解し、基板50を発光構造部2から剥離することができる。
また、前記したケミカルリフトオフ法により剥離する場合は、剥離層51である金属窒化物層を、液剤を用いて化学エッチングすることで除去し、基板50を発光構造部2から剥離することができる。例えば、金属窒化物がCrNの場合は、エッチング用の液剤として、過塩素酸と硝酸二セリウムアンモニウムの混合液を用いることができる。
その他に、ボイド剥離法を利用して基板50と発光構造部2とを剥離することもできる。ボイド剥離法とは、基板50と半導体層である発光構造部2との間の下地層として、微細なボイド(孔)を高密度に有し、機械強度の小さい層を剥離層51として形成し、半導体層形成し後の温度降下時に生じる熱応力を利用して、発光構造部2と基板50とを自然剥離させる方法である。
また、貼り合せ工程及び剥離工程を行うことにより、発光構造部2は、基板50から基板40に転写され、基板40に近い下層側から順に、p型半導体層21、発光層22及びn型半導体層23が積層された構成となっている。
(上部絶縁層形成工程)
次に、上部絶縁層形成工程において、図11(d)に示すように、発光構造部2の最上層であるn型半導体層23上に、上部絶縁層43及び出射方向特定部3(図1及び図2参照)を形成するための層である、絶縁層72を形成する。絶縁層72は、SiOやAlなどの誘電体を用い、スパッタリング法やCVD法などにより形成することができる。
(n側電極形成工程)
次に、フォトリソグラフィ法及びリフトオフ法を用いて、n型半導体層23の上面に電気的に接続されるn側電極25を形成する。
この工程では、まず、図11(e)に示すように、絶縁層72をパターニングするための、n側電極25を形成する領域に開口を有するマスク83を形成する。マスク83は、フォトレジストを絶縁層72の表面に塗布し、所望の形状にUV光を照射した後、現像することで形成する。
次に、図11(f)に示すように、マスク83を用いて絶縁層72をn型半導体層23が露出するまでエッチングする。絶縁層72の絶縁材料としてSiOを用いる場合は、エッチング法として、例えば、HF(フッ化水素)やKOH(水酸化カリウム)の水溶液を用いたウェットエッチングや、SF,CHFガスプラズマを用いたドライエッチングを用いることができる。
次に、図12(a)に示すように、AlやCuなどの導電性材料を用いて、導電層63を形成する。このとき、マスク83上にも導電層63が形成される。
次に、図12(b)に示すように、マスク83上に形成された不要な導電層63とともにマスク83を除去することで、導電層63がパターニングされ、n側電極25が形成される。
(出射方向特定部形成工程)
次に、出射方向特定部形成工程において、絶縁層72を加工して、出射方向特定部3を形成する。
出射方向特定部形成工程では、図12(c)に示すように、FIB(Focused Ion Beam:集中イオンビーム)法などにより絶縁層72を加工して、出射方向特定部3の構造物である柱状部31,32を形成する。また、出射方向特定部3の形成は、柱状部31,32を形成する領域をマスクし、他の領域をRIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングや、薬液を用いたウェットエッチングを用いて形成することもできる。このとき、柱状部31を形成する領域に形成するマスクと、柱状部32に形成するマスクとの厚さを異なるようにし、一方のマスクがエッチングにより速く除去されるようにし、絶縁層72の一部がエッチングされるようにすることで、柱状部31と、柱状部32との高さを異なるように形成することができる。
また、出射方向特定部形成工程を行うことにより、図12(c)に示すように、n型半導体層23の上面の左端部に残った絶縁層72が、上部絶縁層43となる。
本実施形態では、出射方向特定部3は、絶縁層72を加工して形成するが、これに限定されるものではなく、上部絶縁層43を形成する工程とは別工程とし、GaN系半導体層を積層して加工するようにしてもよい。また、基板40に転写された後の発光構造部2の最上層に該当するn型半導体層23の一部を加工して出射方向特定部3を形成するようにしてもよい。
なお、SiOのように、GaN系の半導体材料からなるn型半導体層23よりも屈折率の小さい材料を用いて出射方向特定部3を形成する場合は、柱状部31,32の高さの精度を緩和することができる。
(上部電極形成工程)
次に、上部絶縁層43上に、リフトオフ法により、上部電極44を形成する。
この工程では、まず、図12(d)に示すように、n側電極25、出射方向特定部3及び上部絶縁層43の一部を被覆するマスク84を形成する。上部絶縁層43の一部まで被覆するのは、n型半導体層23と、この工程で形成される上部電極44とが接続されることを防止するためである。マスク84は、フォトレジストをn側電極25、出射方向特定部3及び上部絶縁層43の表面全体に塗布し、所望の形状にUV光を照射した後、現像することで形成する。次に、図12(e)に示すように、上部絶縁層43及びマスク84上に、AlやCuなどの導電性材料を用いて導電層64を、例えば、蒸着法により形成する。そして、マスク84上に形成された不要な導電層64をマスク84とともに除去することで、図12(f)に示すように、導電層64がパターニングされ、上部電極44が形成される。
以上の工程により、発光素子1が形成される。
また、前記したように、例えば、発光制御用配線13及び出射方向制御用配線14の配線パターンを表面に設けた透光性の基板を予め準備しておき、発光制御用配線13がn側電極25と、出射方向制御用配線14が上部電極44と、それぞれ電気的に接続されるように接合することで、表示装置100を製造することができる。
1、1A、1B、1C 発光素子
2 発光構造部
3 出射方向特定部
10 表示パネル
11 基板
11a 支持基板
12 行選択用配線(第1配線パターン)
13 発光制御用配線(第2配線パターン)
14 出射方向制御用配線(第3配線パターン)
21 p型半導体層(第1半導体層)
22 発光層
22a 発光領域
23 n型半導体層(第2半導体層)
24 p側電極(第1電極対の一方)
25 n側電極(第1電極対の他方)
31、32 柱状部
31a、32a 上面
40 基板
40a 支持基板
40b 接着層
41 下部電極(第2電極対の一方)
42 下部絶縁層(絶縁層)
43 上部絶縁層(絶縁層)
44 上部電極(第2電極対の他方)
50 成長基板
51 剥離層
61,62,63,64 導電層
71,72 絶縁層
81,82,83,84 マスク
90 表示制御部
91 行選択部
92 発光制御部
93 出射方向制御部
100 表示装置(立体画像表示装置)
110 要素画像表示部

Claims (4)

  1. 互いに伝導型が異なる第1半導体層と第2半導体層とを少なくとも積層した半導体積層体を有する発光構造部と、前記発光構造部の一方の面側に設けられ、前記発光構造部が発光する光線を特定方向に出射するための構造物を有する出射方向特定部と、前記半導体積層体に電力を供給して前記発光構造部を発光させるための第1電極対と、前記半導体積層体の厚さ方向に電界を印加して前記出射方向特定部からの光線の出射方向を変化させるための第2電極対と、を有する発光素子を2次元配列してなる、インテグラル・フォトグラフィ方式の立体画像表示装置であって、
    前記2次元配列の一方の方向に配列される前記発光素子について、1行ごとに、前記第1電極対の一方の電極及び前記第2電極対の一方の電極と電気的に接続する第1配線パターンと、
    前記2次元配列の他方の方向に配列される前記発光素子について、1列ごとに、前記第1電極対の他方の電極と電気的に接続する第2配線パターンと、
    前記2次元配列の他方の方向に配列される前記発光素子について、1列ごとに、前記第2電極対の他方の電極と電気的に接続する第3配線パターンと、を備え、
    前記発光素子は、前記第1配線パターンを介して行選択信号が入力中に、前記第3配線パターンを介して入力される出射方向制御信号に応じて前記出射方向特定部から出射する光線を2以上の出射方向に変化させ、前記2以上の出射方向の変化に同期して、前記第2配線パターンを介して入力される発光制御信号に応じた強度で前記発光構造部を発光させることを特徴とする立体画像表示装置。
  2. 前記発光素子は、前記出射方向が変化する方向に沿って延伸する長尺形状を有し、当該長尺形状の長手方向に沿って、出射方向が同じ方向に特定された2以上の前記出射方向特定部を並列配置して備えることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示装置。
  3. 前記発光素子は、前記半導体積層体の厚さ方向に電界を印加して、前記半導体積層体を伝播して前記出射方向特定部の複数の部位に入射する光線間の位相差を変化させ、前記出射方向特定部から出射する光線の干渉条件を変化させることで、前記出射方向特定部から出射する光線の出射方向を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の立体画像表示装置。
  4. 前記半導体積層体は、一般式が、InAlGa1−x−yN(但し、0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)で表される半導体材料から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の立体画像表示装置。
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