JP6271972B2 - ブロックポリマー - Google Patents

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本発明は、ブロックポリマーに関し、詳しくは、樹脂組成物の可塑化に使用される、ポリエステル部位およびビニルポリマー部位を有するブロックポリマーに関する。
可塑剤は、各種樹脂組成物に添加することにより、柔軟性を与えたり、成形加工しやすくしたりする性質を持ち、あらゆる分野の樹脂組成物に用いられている。一般的な可塑剤としてはジオクチルフタレート(DOP)のような低分子エステル化合物が広く知られているが、成形物の表面のべとつき、可とう性や柔軟性の経時劣化などの問題があった。これに対して、上記問題点および耐候性を改善したアクリル系重合体からなる可塑剤が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、樹脂組成物の成形性と耐熱性の両立という観点でみると、上記可塑剤を用いた場合でも未だ十分な性能とは言えず改良の余地を残している。
これに対して近年、結晶性樹脂を可塑剤として用いることが検討されている。結晶性樹脂は融点より低い温度範囲においては固体として高い粘弾性を示し、融点を超えると急激に粘弾性が低下するため、この性質を利用することで耐熱性と成形性の両立が期待できる。
しかしながら実際は、成形品中においては結晶性樹脂の結晶性は低下し、一部の結晶化しきれなかった結晶性樹脂が成形物を可塑し、耐熱性が悪化してしまうといった問題がある。
これに対して、結晶性樹脂を含む樹脂組成物に第三成分としてエチレンビスステアリン酸アミドの様な結晶核剤を添加することで結晶性樹脂の結晶性低下を抑制し耐熱性を向上させる発明が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、第三成分として結晶核剤を添加する場合、樹脂組成物中の結晶核剤の分散状態(偏在)などにより、十分に結晶化促進の効果が得られず、耐熱性に劣る場合があった。
国際公開第2001/083619号 特開2006−113473号公報
本発明が解決しようとする課題は、樹脂組成物の成形性および成形物の耐熱性を高いレベルで両立した可塑効果を与えるブロックポリマーを提供することである。
ポリエステル部位およびビニルポリマー部位を有するブロックポリマーであって、
該ポリエステル部位は、下記モノマー群Aからなるグループから選択されるモノマー(a)に由来する部分構造と、
下記モノマー群Bからなるグループから選択されるモノマー(b)に由来する部分構造と、を有し、
該ビニルポリマー部位は、スチレン系重合性単量体に由来する構造、アクリル系重合性単量体に由来する構造、及びメタクリル系重合性単量体に由来する構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を有し、
該ポリエステル部位は、下記式から算出される該モノマー(b)に由来する部分構造の含有率が1.0モル%以上30.0モル%以下であることを特徴とするブロックポリマー。
{モノマー(b)[モル]/〔モノマー(a)[モル]+モノマー(b)[モル]〕}×100
(モノマー群A:
炭素数2以上11以下のα,ω−直鎖脂肪族ジオール、
炭素数2以上13以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸、該炭素数2以上13以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸がアルキルエステル化した化合物または酸無水物化した化合物、
炭素数2以上12以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸、該炭素数2以上12以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸がアルキルエステル化した化合物またはラクトン化した化合物。)
(モノマー群B:
炭素数12以上22以下のα,ω−直鎖脂肪族ジオール、
炭素数14以上24以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸、該炭素数14以上24以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸がアルキルエステル化した化合物または酸無水物化した化合物、
炭素数13以上23以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸、該炭素数13以上23以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸がアルキルエステル化した化合物またはラクトン化した化合物、
炭素数12以上22以下の直鎖脂肪族1級モノアルコール、
炭素数13以上23以下の直鎖脂肪族1級モノカルボン酸、該炭素数13以上23以下の直鎖脂肪族1級モノカルボン酸がアルキルエステル化した化合物。)
本発明により、可塑化効率が高く、低温成形性に富み、かつ、成形物の耐熱性に優れるブロックポリマーを提供することができる。
ブロックポリマー1のNMRチャートを示す。
以下に、本発明のブロックポリマーについて、さらに詳しく説明する。
本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、特定のブロックポリマーを可塑剤として使用することで樹脂組成物の成形性および成形物の耐熱性を高いレベルで両立できることを見出して、本発明に至った。
本発明は、ポリエステル部位およびビニルポリマー部位を有するブロックポリマーであって、
該ポリエステル部位は、下記モノマー群A
モノマー群A:炭素数2以上11以下のα,ω−直鎖脂肪族ジオール、炭素数2以上13以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸、および炭素数2以上12以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸、ならびにこれらの化合物のカルボキシル基が酸無水物化した化合物、アルキルエステル化した化合物、およびラクトン化した化合物
からなるグループから選択されるモノマー(a)と、下記モノマー群B
モノマー群B:炭素数14以上24以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸、炭素数12以上22以下のα,ω−直鎖脂肪族ジオール、炭素数13以上23以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸、炭素数13以上23以下の直鎖脂肪族1級モノカルボン酸、および炭素数12以上22以下の直鎖脂肪族1級モノアルコール、ならびにこれらの化合物のカルボキシル基が酸無水物化した化合物、アルキルエステル化した化合物、およびラクトン化した化合物
からなるグループから選択されるモノマー(b)と、を縮合重合させて得られ、該ポリエステル部位は、下記式
{モノマー(b)[モル]/〔モノマー(a)[モル]+モノマー(b)[モル]〕}×100
から算出される該モノマー(b)に由来する部分構造の含有率が1.0モル%以上30.0モル%以下であることを特徴とする。
本発明者らは、本発明で規定されるブロックポリマーが前記効果を発現したメカニズムを以下のように考えている。
上記規定を満たすブロックポリマーは、結晶性を有し融点以上の温度で樹脂と相溶して樹脂組成物の軟化温度を下げるポリエステル部位と、樹脂組成物中でブロックポリマーが微小ドメイン構造を取るよう分散機能をはたすビニルポリマー部位を有しており、各々のブロック部位が相乗的に効果を発揮することで可塑化効率が高く低温成形性に優れた可塑
剤として機能する。
さらに、該ポリエステル部位にモノマー(b)ユニットが組み込まれていることにより、炭素数が多いモノマー(b)ユニットが造核部位として働き、ブロックポリマーの結晶性が大きく向上する。この効果により室温状態においては樹脂組成物の軟化点は下がらず、高い耐熱性が得られる。加えて、ビニルポリマー部位をもつブロックポリマーであることにより、樹脂組成物表面へブリードアウトすることが抑制される。
上記ポリエステル部位は、下記式
{モノマー(b)[モル]/〔モノマー(a)[モル]+モノマー(b)[モル]〕}×100
から算出される該モノマー(b)に由来する部分構造の含有率が1.0モル%以上30.0モル%以下であることを特徴とする。
該ポリエステル部位において、モノマー(a)およびモノマー(b)の総量に対するモノマー(b)の含有率が1.0モル%以上であることによって、均一にモノマー(b)ユニットが組み込まれたブロックポリマーが得られるため、成形品中でほぼすべてのブロックポリマーがモノマー(b)ユニットの効果を享受でき、成形品の耐熱性が大きく向上する。
一方、該ポリエステル部位において、モノマー(a)およびモノマー(b)の総量に対するモノマー(b)の含有率が30モル%以下であることによって、溶融時にブロックポリマーの可塑効果が損なわれることがなく、低温成形性が大きく向上する。
なお、ブロックポリマーの定義としては、線状に連結した複数のブロックで構成されたポリマー(高分子学会 国際純正応用化学連合高分子命名法委員会による高分子科学の基本的術語の用語集)とあり、本発明もその定義に従う。
モノマー群Aにおける炭素数2以上11以下のα,ω−直鎖脂肪族ジオールとしては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオールなどが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。
モノマー群Aにおける炭素数2以上13以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸などが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。これらは反応において、カルボキシル基が酸無水物化した化合物またはアルキルエステル化した化合物の形で用いてもよい。
モノマー群Aにおける炭素数2以上12以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸としては、ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシブタン酸、5−ヒドロキシペンタン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、7−ヒドロキシヘプタン酸、8−ヒドロキシオクタン酸、9−ヒドロキシノナン酸、10−ヒドロキシデカン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸などが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。これらは反応において、カルボキシル基がラクトン化した化合物またはアルキルエステル化した化合物の形で用いてもよい。
モノマー群Bにおける炭素数12以上22以下のα,ω−直鎖脂肪族ジオールとしては、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ペンタデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,17−ヘプタデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,19−ノナデカンジオール、1,20−イコサンジオール、1,21−ヘンイコサンジオール、1,22−ドコサンジオールなどが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。
モノマー群Bにおける炭素数14以上24以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とし
ては、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,15−ペンタデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,17−ヘプタデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、1,19−ノナデカンジカルボン酸、1,20−イコサンジカルボン酸、1,21−ヘンイコサンジカルボン酸、1,22−ドコサンジカルボン酸などが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。これらは反応において、カルボキシル基が酸無水物化した化合物またはアルキルエステル化した化合物の形で用いてもよい。
モノマー群Bにおける炭素数13以上23以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸としては、13−ヒドロキシトリデカン酸、14−ヒドロキシテトラデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、17−ヒドロキシヘプタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、19−ヒドロキシノナデカン酸、20−ヒドロキシイコサン酸、21−ヒドロキシヘンイコサン酸、22−ヒドロキシドコサン酸、23−ヒドロキシトリコサン酸などが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。これらは反応において、カルボキシル基がラクトン化した化合物またはアルキルエステル化した化合物の形で用いてもよい。
モノマー群Bにおける炭素数13以上23以下の直鎖脂肪族1級モノカルボン酸としては、n−トリデカン酸、n−テトラデカン酸、n−ペンタデカン酸、n−ヘキサデカン酸、n−ヘプタデカン酸、n−オクタデカン酸、n−ノナデカン酸、n−イコサン酸、n−ヘンイコサン酸、n−ドコサン酸、n−トリコサン酸などが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。これらは反応において、カルボキシル基が酸無水物化した化合物またはアルキルエステル化した化合物の形で用いてもよい。
モノマー群Bにおける炭素数12以上22以下の直鎖脂肪族1級モノアルコールとしては、n−ドデカノール、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール、n−ノナデカノール、n−イコサノール、n−ヘンイコサノール、n−ドコサノールなどが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。
該ブロックポリマー中のポリエステル部位は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記モノマー群Aまたはモノマー群Bから選択されるモノマーの他に、さらにモノマーを反応させてもよい。例えば、芳香族ジカルボン酸、分岐脂肪族ジカルボン酸、環式脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジオール、分岐脂肪族ジオール、環式脂肪族ジオールなどが挙げられる。
具体的には、芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。分岐脂肪族ジカルボン酸としては、ジメチルマロン酸、イソプロピルマロン酸、ジエチルマロン酸、1−メチルブチルマロン酸、ジプロピルマロン酸、ジイソブチルマロン酸などが挙げられる。
環式脂肪族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸などが挙げられる。
芳香族ジオールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物などが挙げられる。
分岐脂肪族ジオールとしては、3−メチル−1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ピナコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,5−ジメチル−2,4−ドコサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなどが挙げられる。
環式脂肪族ジオールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどが挙げられる。
モノマー群Bから選択されるモノマーとしては、ポリマー1分子鎖中に複数個のユニットを導入できるα,ω−直鎖脂肪族ジオール、α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸、またはα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸が、より結晶性が向上するという点で好ましい。
前記モノマー(b)に由来する部分構造の含有率は、より好ましくは4.0モル%以上20.0モル%以下の範囲であり、さらに好ましくは8.0モル%以上15.0モル%以下の範囲である。
該ブロックポリマー中のビニルポリマー部位の重量平均分子量(Mw)は3000以上30000以下であることが好ましい。より好ましくは3500以上25000以下である。ビニルポリマー部位のMwが上記範囲であることにより、低温成形性と耐熱性がより高いレベルで両立できる。ビニルポリマー部位のMwが小さすぎる場合、ブロックポリマーの高分散性が失われる傾向にあり、低温成形性に劣る場合がある。逆にビニルポリマー部位のMwが大きすぎる場合、ポリエステル部位によるシャープメルト性が損なわれる傾向にあり、やはり低温成形性の効果が得にくくなる場合がある。
ビニルポリマー部位の重量平均分子量(Mw)は、ビニルポリマー部位を生成する重合反応の反応条件(開始剤量、開始剤添加タイミング、反応温度など)により制御することができる。
ビニルポリマー部位は、好ましくは、以下の群から選択される1または2以上の重合性単量体から生成される。該重合性単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、および、p−フェニルスチレンなどのスチレン系重合性単量体;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、および、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、および、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体類;などが挙げられるが、原料入手容易性、ブロックポリマー製造容易性の観点からスチレンが好ましい。
該ブロックポリマーの融点(Tm)は25℃以上85℃以下であることが好ましい。より好ましくは50℃以上80℃以下である。ブロックポリマーのTmが上記範囲であることにより、低温成形性と耐熱性が高いレベルで両立される。
ブロックポリマーの融点は、ポリエステル部位を生成するモノマーやポリエステル部位とビニルポリマー部位の比率により制御することができる。
該ブロックポリマー中のポリエステル部位とビニルポリマー部位の質量基準の比率(C/A比)は25:75〜70:30の範囲であることが好ましい。より好ましくは、40
:60〜60:40である。ポリエステル部位とビニルポリマー部位の比率が上記範囲であることにより十分な低温成形性が発揮される。ビニルポリマー部位比率が多くなりすぎるとポリエステル部位のシャープメルト性が損なわれ低温成形性が得にくくなる傾向にある。逆にポリエステル部位比率が多くなりすぎても、分散性が損なわれ低温成形性が得にくくなる傾向にある。
該ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)は、6000以上60000以下であることが好ましい。より好ましくは、10000以上50000以下、さらに好ましくは15000以上40000以下である。ブロックポリマーのMwが上記範囲であることにより、低温成形性と耐ブリード性が両立される。ブロックポリマーのMwが小さすぎると、成形物中でブリードする恐れがある。逆にブロックポリマーのMwが大きすぎる場合、ブロックポリマー自体の溶融粘度が高くなることで可塑効率が落ち、低温成形性が損なわれる恐れがある。
ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ビニルポリマー部位のMw、およびポリエステル部位のMwにより制御することができる。ポリエステル部位のMwはポリエステル部位を生成する縮重合反応の反応条件(開始剤量、触媒量、反応温度など)により制御することができる。
該ブロックポリマーの製造方法は、特に制限はない。先にポリエステル部位を調製した後に原子移動ラジカル重合などによりビニルポリマー部位を伸長させる方法、先に末端処理したビニルポリマー部位を調製した後にポリエステル部位を伸長させる方法、先にポリエステル部位、ビニルポリマー部位を別々に調製した後に両者を結合させる方法など、公知のブロックポリマー製造方法を用いることができる。
本発明のブロックポリマーを可塑剤として用いる場合に対象となる樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、必要に応じ2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に好ましい樹脂としてはスチレンアクリル樹脂である。スチレンアクリル樹脂を生成する重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体または多官能性重合性単量体を使用することができる。
単官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上組み合わせて、または、単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて、または、多官能性重合性単量体を単独で、あるいは、二種以上を組み合わせて使用することができる。
前記単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、および、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、および、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、および、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体類が挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、および、ジビニルエーテルが挙げられる。
ブロックポリマーの添加量は、樹脂およびブロックポリマーの合計100.0質量部中に5.0質量部以上50.0質量部以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは15.0質量部以上40.0質量部以下である。上記範囲で使用することで、樹脂組成物からのブロックポリマーのブリードアウトが少なく、低温形成性と耐熱性に優れた樹脂組成物が得られる。
樹脂にブロックポリマーを配合する方法は特に限定されるものではないが、通常、ブレンダー、ミキサーなどで混合する方法、押出機、バンバリーミキサーなどを用いて溶融混練する方法などが挙げられる。また、樹脂製造段階からブロックポリマーを混合してもよい。
本発明に係る樹脂組成物は、本発明で提示されるブロックポリマーの他に、用途に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、充填剤、顔料、染料、分散剤、難燃剤などの他の添加剤を添加してもよい。また、本発明で提示されるブロックポリマー以外の可塑剤を併用してもよい。
以下、本発明に係る各種物性の測定方法について説明する。
<分子量の測定方法>
ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で、ブロックポリマーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
なお、ブロックポリマーのビニルポリマー部位の分子量の測定は、ブロックポリマーのポリエステル部位を過水分解させて測定を行う。
具体的な方法は、ブロックポリマー30mgにジオキサン5ml、10wt%の水酸化カリウム水溶液1mlを加え、温度70℃で6時間振とうさせてポリエステル部位を加水分解させる。その後、溶液を乾燥させて、ビニルポリマー部位の分子量の測定用試料を作成する。その後の操作は、ブロックポリマーと同様に行う。
<ブロックポリマーのポリエステル部位とビニルポリマー部位の質量基準の比率(C/A比)、およびブロックポリマー中の上記モノマー(b)に由来する部分構造の含有率の測定方法>
ブロックポリマーのポリエステル部位とビニルポリマー部位の質量基準の比率の測定、およびブロックポリマー中の上記モノマー(b)に由来する部分構造の含有率の測定は核磁気共鳴分光分析(H−NMR)[400MHz、CDCl、室温(25℃)]を用いて行った。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値からポリエステル部位とビニルポリマー部位の質量基準の比率(C/A比)、およびブロックポリマー中の上記モノマー(b)に由来する部分構造の含有率を算出した。
<融点の測定方法>
ブロックポリマーの融点(Tm)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、ブロックポリマー5mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のブロックポリマーのDSC測定における融点(Tm)とする。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。なお、実施例および比較例の部数および%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<ブロックポリマー1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器に、モノマー群Aから選択されるモノマーとして1,10−デカンジカルボン酸100.0質量部、1,6−ヘキサンジオール44.0質量部、モノマー群Bから選択されるモノマーとして1,12−ドデカンジオール17.2質量部、エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7質量部を加えて、窒素雰囲気下、160℃で5時間反応させた。その後、180℃で4時間反応させ、さらに180℃、1hPaで所望の分子量となるまで反応させてポリエステル(1)を得た。ポリエステル(1)の重量平均分子量(Mw)は19000であった。
次いで、撹拌機、温度計、および、窒素導入管を備えた反応容器にポリエステル(1)100.0質量部、脱水クロロホルム400.0質量部を添加して完全に溶解させた後、
トリエチルアミン18.0質量部を加え、氷冷させながら、2−ブロモイソブチリルブロミド34.0質量部を徐々に加えた。その後、室温(25℃)で一昼夜撹拌した。
メタノール800.0質量部で再沈殿させた後、濾過、乾燥させてポリエステル(2)を得た。
次いで、撹拌機、温度計、および、窒素導入管を備えた反応容器に上記で得られたポリエステル(2)100.0質量部、ビニルポリマー部位を生成するモノマーとしてスチレン300.0質量部、臭化銅(I)4.0質量部、および、ペンタメチルジエチレントリアミン9.5質量部を添加して撹拌しながら、温度100℃で重合反応を行った。所望の分子量となったところで反応を停止して、メタノール250.0質量部で再沈殿、濾過、乾燥させてポリエステル部位とビニルポリマー部位を有するブロックポリマー1を得た。得られたブロックポリマー1の物性を表3に示す。また、ブロックポリマー1のNMRチャートを図1に示す。
<ブロックポリマー2、3、4、6、7、9、10、12、14、16、17、19、21、26、27、32、36、40および41の製造>
表1に示すような原料に変更すること以外はブロックポリマー1の製造方法と同様にしてブロックポリマー2、3、4、6、7、9、10、12、14、16、17、19、21、26、27、32、36、40および41を得た。得られたブロックポリマーの物性を表3に示す。
<ブロックポリマー30および37の製造>
表1に示すような原料に変更し、エステル化触媒であるチタン(IV)イソプロポキシドの量を1.4質量部に変更すること以外はブロックポリマー1の製造方法と同様にしてブロックポリマー30および37を得た。得られたブロックポリマー30および37の物性を表3に示す。
Figure 0006271972
<ブロックポリマー5の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、および、減圧装置を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、キシレン50.0質量部を140℃で還流させた。そこにスチレン100.0質量部、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)7.5質量部を混合したものを3時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに3時間反応させた。その後、160℃、1hPaにて、キシレンおよび残存スチレンを留去しビニルポリマー(1)を得た。
次いで、撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器に上記で得られたビニルポリマー(1)100.0質量部、有機溶媒としてキシレン50.0部、モノマー群Aから選択されるモノマーとしてセバシン酸58.2質量部、1,10−デカンジオール45.0質量部、モノマー群Bから選択されるモノマーとして15−ペンタデカノラクトン15.2質量部、エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7質量部を加えて、窒素雰囲気下、160℃で5時間反応させた。その後、180℃で4時間反応させ、さらに180℃、1hPaで所望の分子量となるまで反応させてブロックポリマー5を得た。
<ブロックポリマー8、11、13、15、18、20、22〜25、28、29、31、33、34、35、38および39の製造>
表2に示すような原料に変更すること以外はブロックポリマー5の製造方法と同様にしてブロックポリマー8、11、13、15、18、20、22〜25、28、29、31、33、34、35、38および39を得た。得られたブロックポリマーの物性を表3に
示す。
Figure 0006271972
Figure 0006271972
<高分子可塑剤Aの製造>
撹拌機、温度計、および圧力調節器を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート70.0質量部、メチルアクリレート30.0質量部、イソプロピルアルコール20.0部、ジターシャリブチルパーオキサイド0.5部を加え、2.5MPa、230℃で15分反応を行った。その後、230℃、減圧下で溶媒留去し、液状の高分子可塑剤Aを得た。高分子可塑剤Aの重量平均分子量(Mw)は2600であった。
<高分子可塑剤Bの製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸100.0質量部、1,10−デカンジオール73.5質量部、エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7質量部を加えて、窒素雰囲気下、160℃で5
時間反応させた。その後、180℃で4時間反応させ、さらに180℃、1hPaで所望の分子量となるまで反応させて高分子可塑剤Bを得た。高分子可塑剤Bの重量平均分子量(Mw)は18000であった。
<樹脂組成物1の製造>
下記材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)社製)により十分予備混合を行った後、二軸式押出機で溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粒径1〜2mmに粗粉砕し、樹脂組成物1を得た。
スチレン−n−ブチルアクリレート共重合樹脂(Mw=30,000、Tg=60℃)
65.0質量部
ブロックポリマー1 35.0質量部
<樹脂組成物2〜47の製造>
表4に示すように材料を変更すること以外は樹脂組成物1と同様の製造方法で樹脂組成物2〜47を得た。
<樹脂組成物48の製造>
下記材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)社製)により十分予備混合を行った後、二軸式押出機で溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粒径1〜2mmに粗粉砕し、樹脂組成物48を得た。
スチレン−n−ブチルアクリレート共重合樹脂(Mw=30,000、Tg=60℃)
65.0質量部
高分子可塑剤B 35.0質量部
エチレンビスステアリン酸アミド 3.0質量部
Figure 0006271972

〔低温成形性〕
ホットステージ(Linkam TH−600PM)を備えた光学顕微鏡(KEYEN
CE VH−Z500)を用いて、評価用樹脂を25℃から100℃まで10℃/分で昇温させたときの溶融挙動を倍率2000倍にて観察した。昇温前25℃における樹脂粒子の粒径をL25、昇温後100℃到達時の樹脂粒子の粒径をL100、溶け広がり率=L100/L25と定義し、無作為に選んだ20個の溶け広がり率を算出し、その平均値を下記のように評価した。
(評価基準)
A:溶け広がり率が2.20以上
B:溶け広がり率が2.00以上2.20未満
C:溶け広がり率が1.80以上2.00未満
D:溶け広がり率が1.80未満
〔耐熱性〕
各評価用樹脂組成物5gを50ccポリカップに取り、温度55℃/湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べ評価した。
(評価基準)
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
C:凝集塊が発生、軽く指で押しても崩れない
D:完全に凝集
〔ブリード性〕
評価用の樹脂組成物を25MPaで30分加圧して、厚さ1.5mm(縦100mm、
横50mm)の試験片を作成し、この試験片を温度45℃、湿度95RH%雰囲気下で30日放置した後、目視評価でブリードアウトの有無を調べ評価した。
(評価基準)
A:ブリードアウトなし
B:ほぼブリードアウトなし
C:軽微にブリードアウトあり
D:ブリードアウトあり
〔実施例1〜44〕
実施例1〜44では、樹脂組成物1〜44をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表5に示す。
〔比較例1〜4〕
比較例1〜4では、樹脂組成物45〜48をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表5に示す。
Figure 0006271972

Claims (6)

  1. ポリエステル部位およびビニルポリマー部位を有するブロックポリマーであって、
    該ポリエステル部位は、下記モノマー群Aからなる群から選択されるモノマー(a)に由来する部分構造と、下記モノマー群Bからなる群から選択されるモノマー(b)に由来する部分構造と、を有し、
    該ビニルポリマー部位は、スチレン系重合性単量体に由来する構造、アクリル系重合性単量体に由来する構造、及びメタクリル系重合性単量体に由来する構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を有し、
    該ポリエステル部位は、下記式から算出される該モノマー(b)に由来する部分構造の含有率が1.0モル%以上30.0モル%以下であることを特徴とするブロックポリマー。
    {モノマー(b)[モル]/〔モノマー(a)[モル]+モノマー(b)[モル]〕}×100
    (モノマー群A:
    炭素数2以上11以下のα,ω−直鎖脂肪族ジオール、
    炭素数2以上13以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸、該炭素数2以上13以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸がアルキルエステル化した化合物または酸無水物化した化合物、
    炭素数2以上12以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸、該炭素数2以上12以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸がアルキルエステル化した化合物またはラクトン化した化合物。)
    (モノマー群B:
    炭素数12以上22以下のα,ω−直鎖脂肪族ジオール、
    炭素数14以上24以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸、該炭素数14以上24以下のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸がアルキルエステル化した化合物または酸無水物化した化合物、
    炭素数13以上23以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸、該炭素数13以上23以下のα,ω−直鎖脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸がアルキルエステル化した化合物またはラクトン化した化合物、
    炭素数12以上22以下の直鎖脂肪族1級モノアルコール、
    炭素数13以上23以下の直鎖脂肪族1級モノカルボン酸、該炭素数13以上23以下の直鎖脂肪族1級モノカルボン酸がアルキルエステル化した化合物。)
  2. 前記ビニルポリマー部位の重量平均分子量(Mw)が、3000以上30000以下である請求項1に記載のブロックポリマー。
  3. 前記ブロックポリマーの融点(Tm)が、25℃以上85℃以下である請求項1または2に記載のブロックポリマー。
  4. 前記ポリエステル部位と前記ビニルポリマー部位の質量基準の比率(C/A比)が、25:75〜70:30である請求項1〜3のいずれか1項に記載のブロックポリマー。
  5. 前記ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)が、6000以上60000以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のブロックポリマー。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のブロックポリマーを含む可塑剤。
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