JP2013185139A - 生分解性ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

生分解性ポリエステルフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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隆彦 中沖
Yuji Edagawa
侑史 枝川
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Abstract

【課題】 破断伸び、および、最大引張応力等の力学物性を、劇的に向上させることのできる生分解性ポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)と、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)とを含む生分解性ポリエステル組成物であって、前記ポリ(3−ヒドロキシブチレート)の含有量が、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)およびポリ(3−ヒドロキシブチレート)の合計成分100重量部に対し、0重量部を超え、10重量部未満の範囲である生分解性ポリエステル組成物を含み、20μm径以上の結晶を実質的に有していないことを特徴とする。
【選択図】図13

Description

本発明は、生分解性ポリエステルフィルムおよびその製造方法に関する。
ポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)は、菌体中で蓄積される生分解性高分子であるが、硬くて脆いという性質から、実用的な応用は困難であった。PHBの材料物性を改善する方法として、PHBの共重合化およびブレンド等の検討がなされている。PHBは、3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)と共重合化し、共重合体ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)とすると、結晶化度の低いフィルムが得られる。また、前記フィルムにおいて、3HH分率を増加させると、破断伸びが増加することが報告されている(非特許文献1参照)。
H.Alata,T.Aoyama,Y.Inoue,Macromolecules,40,4546(2000)
しかし、前記共重合体のフィルムにおいては、その力学物性は十分なものとは言えなかった。そこで、本発明は、破断伸び、および、最大引張応力等の力学物性を、劇的に向上させることのできる生分解性ポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の生分解性ポリエステルフィルムは、
ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)と、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)とを含む生分解性ポリエステル組成物であって、前記ポリ(3−ヒドロキシブチレート)の含有量が、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)およびポリ(3−ヒドロキシブチレート)の合計成分100重量部に対し、0重量部を超え、10重量部未満の範囲である生分解性ポリエステル組成物を含み、
20μm径以上の結晶を実質的に有していないことを特徴とする。
また、本発明の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法は、
ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)と、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)とを含む生分解性ポリエステル組成物であって、前記ポリ(3−ヒドロキシブチレート)の含有量が、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)およびポリ(3−ヒドロキシブチレート)の合計成分100重量部に対し、0重量部を超え、10重量部未満の範囲である生分解性ポリエステル組成物を、溶媒に溶解し、溶液を調製する溶液調製工程と、
前記溶液をキャストするキャスト工程と、
前記キャストされた溶液を乾燥して、フィルムを形成する乾燥工程と、
前記乾燥工程で得られたフィルムをアニールするアニール工程とを含むことを特徴とする。
本発明によると、破断伸び、および、最大引張応力等の力学物性を、劇的に向上させることのできる生分解性ポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することができる。
図1は、3HH分率が7mol%のPHBHを使用した、PHBH/PHBブレンドフィルムの応力ひずみ曲線(SSカーブ)である。 図2は、3HH分率が11mol%のPHBHを使用した、PHBH/PHBブレンドフィルムの応力ひずみ曲線(SSカーブ)である。 図3は、3HH分率が18mol%のPHBHを使用した、PHBH/PHBブレンドフィルムの応力ひずみ曲線(SSカーブ)である。 図4は、実施例および比較例の生分解性ポリエステルフィルムにおける、PHB含有量に対する破断伸びの関係を示したグラフである。 図5は、実施例および比較例の生分解性ポリエステルフィルムにおける、PHB含有量に対する最大引張応力の関係を示したグラフである。 図6は、実施例および比較例の生分解性ポリエステルフィルムにおける、PHB含有量に対するヤング率の関係を示したグラフである。 図7は、3HH分率が7mol%のPHBHを使用した、PHBH/PHBブレンドフィルムのDSCチャートである。図7(a)中の記号は図1(a)と対応しており、図7(b)中の記号は図1(b)と対応している。 図8は、3HH分率が11mol%のPHBHを使用した、PHBH/PHBブレンドフィルムのDSCチャートである。図8(a)中の記号は図2(a)と対応しており、図8(b)中の記号は図2(b)と対応している。 図9は、3HH分率が18mol%のPHBHを使用した、PHBH/PHBブレンドフィルムのDSCチャートである。図9(a)中の記号は図3(a)と対応しており、図9(b)中の記号は図3(b)と対応している。 図10は、実施例および比較例の生分解性ポリエステルフィルムにおける、PHB含有量に対する融解エンタルピーの関係を示したグラフである。 図11は、実施例および比較例の生分解性ポリエステルフィルムにおける、PHB含有量に対する結晶化度の関係を示したグラフである。 図12は、実施例および比較例の生分解性ポリエステルフィルムの光学顕微鏡写真である。 図13は、3HH分率が11mol%のPHBHを使用した、PHBHフィルムおよびPHBH/PHBブレンドフィルムの偏光顕微鏡写真である。 図14は、3HH分率が7mol%のPHBHを使用した、PHBHフィルムおよびPHBH/PHBブレンドフィルムの偏光顕微鏡写真である。 図15は、3HH分率が18mol%のPHBHを使用した、PHBHフィルムおよびPHBH/PHBブレンドフィルムの偏光顕微鏡写真である。
本発明の生分解性ポリエステルフィルムにおいて、前記ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)のヒドロキシヘキサノエート分率が、5〜15mol%であることが好ましい。また、本発明の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法において、前記ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)のヒドロキシヘキサノエート分率が、5〜15mol%である生分解性ポリエステル組成物を用いることが好ましい。
本発明の生分解性ポリエステルフィルムにおいて、フィルム厚みが0.1mmでの破断伸びが、100%以上であることが好ましい。
本発明の生分解性ポリエステルフィルムにおいて、最大引張応力が、10MPa以上であることが好ましい。
また、本発明の生分解性ポリエステルフィルムは、溶液キャスト法によって好ましく得ることができる。
本発明の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法において、前記乾燥工程を40℃以下で行い、前記アニール工程を20〜60℃の範囲内で行うことが好ましい。
つぎに、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の記載により制限されない。なお、本発明における各種特性および物性は、実施例に記載の測定方法および評価方法によるものである。
本発明で用いる生分解性ポリエステル組成物は、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)と、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)とを含む。PHBは1925年にパスツール研究所のLemoigneらが微生物Bacillus megaterium中で発見し、現在までに百種類以上の細菌がPHBを生合成することが確認されている。PHBは生物由来のプラスチックであり、土壌中の細菌により分解される。また合成高分子に似た熱特性や機械特性をもつことから環境負荷の少ない、石油資源に替わる新たな材料として期待されている。化学構造を化学式(1)に示す。PHBは微生物により生産され立体規則性が高いため、高い結晶化度をもつ。
前記PHBの重量平均分子量は特に限定されないが、30万〜150万の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、30万〜70万の範囲内であり、例えば、重量平均分子量が45万のものを使用することができる。
本発明は、3−ヒドロキシブチレート(3HB)と3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)とを共重合させたポリマー(PHBH)と、PHBとを、PHBの含有量が、PHBHおよびPHBの合計成分100重量部に対し、0重量部を超え、10重量部未満の範囲(すなわち、0wt%を超え、10wt%未満の範囲)という所定の比率で混合した生分解性ポリエステル組成物を含み、20μm径以上の結晶を実質的に有していないフィルムとすることで、前記PHBの優れた特性を生かしつつ、破断伸びや最大引張応力等の力学物性を顕著に向上させた生分解性ポリエステルフィルムを得たものである。本発明に用いる組成物は、前記2種類のポリマーを、ブレンドすることで調製できる。前記ブレンドは、溶液ブレンドであることが好ましい。本発明において、結晶とは、偏光顕微鏡で、100倍に拡大して観察した際に、略球状に見える配向部位をいう。また、「実質的に」とは、偏光顕微鏡で100倍に拡大してランダムに10視野を選定したときに、その視野内に20μm径以上の結晶を有していないことを意味する。
なお、これまでは、PHBを添加しない前記共重合ポリマー(PHBH)に対し、PHBの比率を上げることで、力学物性を改善しようとする試みはなされてきたが、PHBの比率が0重量部を超え、10重量部未満の範囲で、20μm径以上の結晶を実質的に有していないフィルムであると特異的に物性が向上するという知見は全くなかった。
20μm径以上の結晶を実質的に有していないフィルムは、小さく均一な結晶領域が広範囲に分布しており、良好な破断伸びが得られるが、20μm径以上に成長した結晶を有していると、この結晶部分から破断が生じやすくなり、その結果、破断伸びが低下すると考えられる。前記20μm径以上の結晶が存在する前記PHBの比率が範囲外であるフィルムについて、温度を上昇させながら、前記結晶を顕微鏡観察したところ、前記結晶は、PHBの融点付近において消失することが確認された。したがって、前記結晶は、PHBが凝集したドメインであると考えられる。PHB分率が10重量部を超えて増加すると、このような結晶が増加し、これらの箇所が破断の原因となるため、十分な力学物性が得られにくくなる。ここで、前記結晶の有無は、フィルムを偏光顕微鏡観察することによって、評価することができる。前記本発明の生分解性ポリエステルフィルムは、10μm径以上の結晶を有していないことが好ましく、5μm径以上の結晶を有していないことがより好ましい。
PHBHは3−ヒドロキシブチレート(3HB)と3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)とのランダム共重合体である。化学構造を化学式(2)に示す。
前記PHBHは、重量平均分子量が30万〜100万の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、30万〜80万の範囲内である。
前記PHBHの3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)分率(化学式(2)におけるy/(x+y))は、5〜15mol%であることが好ましい。5mol%未満であると、破断しやすくなる。15mol%を超えると、PHBと相溶しにくくなると考えられる。また、15mol%を超えると、最大引張応力が低くなりやすい。
前記PHBHとPHBとを含む組成物において、PHBの配合量が多くなり相溶しにくくなると、PHBの大きな結晶のドメインができ、破断伸びが改善されなくなると考えられる。
なお、本発明において、PHBおよびPHBHは、生合成によって得られる生成物に限られず、合成化学によって得られる生成物であってもよい。
本発明の生分解性ポリエステルフィルムは、前記生分解性ポリエステル組成物を含む。前記生分解性ポリエステル組成物を含むことによって、フィルムの破断伸びおよび最大引張応力等の力学物性を劇的に向上させることができる。
本発明の生分解性ポリエステルフィルムは、フィルム厚みが0.1mmでの破断伸びを100%以上とすることができる。さらに、3HH分率を、5〜15mol%とすることで、破断伸びが400%以上と、良好な力学物性を有する生分解性ポリエステルフィルムを得ることができ、例えば、破断伸びが560%の生分解性ポリエステルフィルムを得ることもできる。
また、本発明の生分解性ポリエステルフィルムは、最大引張応力を10MPa以上とすることができる。さらに、3HH分率を、5〜15mol%とすることで、最大引張応力を15MPa以上と、良好な力学物性を有する生分解性ポリエステルフィルムを得ることができる。このような特性の生分解性ポリエステルフィルムは、包装材料や、シャンプーなどの容器等の用途に好適に適用が可能である。
本発明の生分解性ポリエステルフィルムは、例えば、前記生分解性ポリエステル組成物を、溶媒に溶解し、溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液をキャストするキャスト工程と、前記キャストされた溶液を乾燥して、フィルムを形成する乾燥工程と、前記乾燥工程で得られたフィルムをアニールするアニール工程とを含む製造方法で製造することができる。フィルムの形成にキャスト法を採用した場合、PHBおよびPHBHの混合物を溶融してブレンドした場合に比べ、表面平滑性および厚み均一性に優れ、光学等方性に優れたフィルムを得ることができる。また、PHBHを使用したフィルムは、溶融法の場合、「フィッシュアイ」と呼ばれる未溶融物が残ってフィルム外観を損なうことがあるが、キャスト法を用いると、前記フィッシュアイが生成されにくくなり、良好なフィルムが得られやすくなる。
前記溶媒は、クロロホルム、塩化メチレン等、PHBおよびPHBHを溶解させることができ、フィルムが得られるものであれば、任意のものを使用することができる。
前記溶液は、前記生分解性ポリエステル組成物を、0.5〜25wt/v%範囲内となるように溶媒に溶解させて調製することが好ましく、より好ましくは、3〜8wt/v%の範囲内である。前記溶液中の生分解性ポリエステル組成物濃度は、得ようとするフィルムの厚みに応じて適宜調整することができるが、前記濃度が高すぎると、粘性が高く、ゲル化してしまうおそれがあるので、上記範囲内とすることが好ましい。前記溶液は、例えば、PHBおよびPHBHの合計量1gを、クロロホルム20mL中に溶解させることにより、調製することができる。
キャスト工程における前記溶液のキャストは、周知の方法を用いて行うことができる。
乾燥工程において、乾燥温度は、使用する溶媒の沸点等によって適宜調整可能であるが、40℃以下で乾燥させることが好ましく、室温で乾燥させることがより好ましい。
前記アニール工程において、前記乾燥後のフィルムを、二次結晶化を促進させるため、アニールする。アニール温度は、20〜60℃の範囲内で行うことが好ましく、より好ましくは20〜30℃の範囲内である。
つぎに、以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施例によってなんら限定ないし制限されない。また、各実施例および各比較例における各種特性および物性の測定および評価は、下記の方法により実施した。
[分子量測定]
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)で分子量を測定した。
東ソー(株)製のGEL PERMEATION CHROMATOGRAPH 「HLC−8020」を用い、測定温度は40℃、基準物質としてポリスチレンを使用し、試料濃度は1.0mg/mLになるように調製して、以下の条件で測定した。
カラム:TSK−gel MultiporeHXL−M
移動相:クロロホルム
検出器:RI
流速1mL/min
[引張試験(Mechanical analysis)]
厚みが0.1mmの試料フィルムを使用し、縦30mm、横5mmの測定部位を有するダンベル型の測定試料を、一試料につき3本ずつ準備した。装置は、INSTRON5566型万能材料試験機(インストロン社製)を用いて、機械的特性を測定した。クロスヘッド速度は、0.5mm/minとした。測定値は、3本の測定結果の平均値とした。
[示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)]
示差走査熱量計「8230D」((株)リガク製)を用い、試料の融解挙動を測定した。測定は、固体用アルミパンを用い、試料重量は1.00〜3.00mg、昇温速度は10℃/min、温度領域は室温〜180℃で行った。
[顕微鏡観察]
試料フィルムをスライドガラスで挟み、偏光顕微鏡装置「BX51 TF」(オリンパス(株)製)(カメラ 「BM−2 D70」((株)ニコン製)、および、デジタルマイクロスコープ「VHX−600」((株)キーエンス製)を用いて測定した。
(試料)
PHB(Aldrich)、および、PHBH(カネカ(株))を準備した。PHBHとしては、3HH分率が、7mol%、11mol%、18mol%の3種類を用いた。表1に、GPC測定によって得られたこれら試料の分子量(Mn:数平均分子量、Mw:重量平均分子量)および分子量分布(Mw/Mn)を、示す。
(キャストフィルムの作製)
フィルムは溶媒キャスト法によって作製した。PHBおよびPHBHを、全量1gとなるように所定の割合で量り取り、クロロホルム20ml中に溶解させた。その後、約55℃のオイルバスに浸しながら加温し、完全に溶解したことを目視で確認した後、シャーレにキャストした。溶媒を除去するために室温に1日、真空中に1日放置した後、さらに二次結晶化を促進させるため、室温で5日間アニールし、フィルムを得た。PHB/PHBHブレンド比率(重量比率)は、0/100、0.5/99.5、1/99、5/95、10/90、20/80、30/70、40/60、50/50、70/30、100/0とした。
(熱処理フィルムの作製)
熱処理フィルムは、通常作製したキャストフィルムのアニール期間(室温で5日間)に加え、所定の温度に設定した乾燥機中に24時間静置して得た。熱処理温度は60℃、80℃、100℃、120℃の4水準とした。
(フィルムの力学物性)
作製した3HH分率の異なるキャストフィルムの引張試験を行った。図1〜図3に、ブレンド比率の異なるPHB/PHBH試料の引張り試験を行い、得られた応力ひずみ曲線(SSカーブ)を示す。3HH分率7mol%のPHBHを使用したブレンドフィルムのSSカーブを図1(a)および(b)に、3HH分率11mol%のPHBHを使用したブレンドフィルムのSSカーブを図2(a)および(b)に、3HH分率18mol%のPHBHを使用したブレンドフィルムのSSカーブを図3(a)および(b)に、それぞれ示す。各3HH分率のPHBHを使用したブレンドフィルムについて、図4には破断伸び、図5には最大引張応力、図6にはヤング率を示す。図4〜図6において、(a)は、3HH分率7mol%のPHBHを使用したブレンドフィルム、(b)は3HH分率11mol%のPHBHを使用したブレンドフィルム、(c)は3HH分率18mol%のPHBHを使用したブレンドフィルムである。それぞれの測定値を、表2(3HH分率7mol%)、表3(3HH分率11mol%)および表4(3HH分率18mol%)に示す。
PHBHにPHBを、0wt%を超え10wt%未満の範囲でブレンドすることで、劇的に破断伸びが大きくなり、柔軟なフィルムが得られていることがわかる。特に、3HH分率11mol%のPHBHでは、破断伸びは16%であるのに対し、これにPHBを1wt%添加したときは、破断伸びは、平均で578%と、極めて高い値となった。最大引張応力もまた8.3MPaから15.7MPaまで増加した。そしてPHBのブレンド比率が増加するに従い破断伸びは減少し、最大引張応力およびヤング率は増加した。
3HH分率7mol%のPHBHでは、破断伸びが8%であるのに対し、PHBを1wt%ブレンドすることで、破断伸びは210%に増加した。また最大引張応力に関してもPHBを1wt%ブレンドすることで9.2MPaから14.9MPaまで増加した。また、PHBのブレンド比率を増加することで破断伸びは減少していき、50wt%ブレンドしたとき17%となった。しかし、最大引張応力およびヤング率はPHBのブレンド比率に従い増加した。これよりPHBをわずか1wt%だけブレンドすることで、ブレンド系内の相溶性が増し破断伸びが増加したと考えられる。そして、PHBのブレンド比率の増加に従い結晶領域が増加したことによりフィルムの硬さが増したと考えられる。
7mol%のPHBHと比較して11mol%のPHBHでは破断伸びは全体的に増加し、最大引張応力およびヤング率は低い値となった。つまりPHBとPHBHのHB領域が結晶化に影響していることがわかり、3HH分率が高くなるに従いフィルムは柔軟になった。
図2(c)に、3HH分率11mol%のPHBHを使用したPHB/PHBHブレンド比率(重量比率)1/99のブレンドフィルムについて、熱処理温度(a)60℃、(b)80℃、(c)100℃、(d)120℃の4水準でアニールしたフィルムのSSカーブを示す。また、表5に、アニールしたフィルムの力学物性測定値を示す。60℃を超える温度でアニールすると、熱処理温度が高くなるにつれて、破断伸びが小さくなっていることがわかる。これは、熱処理されることで結晶が成長し、成長した結晶が原因で破断伸びが低下したものと推察される。なお、最大引張応力については、熱処理温度による大きい変化は見られなかった。
(フィルムの熱分析)
作製した3HH分率の異なるキャストフィルムのDSC測定を行った。図7に3HH分率7mol%のPHBHを使用したブレンドフィルムのDSCチャートを示す。図7(a)はPHBのブレンド比率10wt%以下、図7(b)は10wt%以上のときのDSCチャートである。図7(b)に示すようにチャートには、3つの融解ピークA、B、Cが観測された。ピークAおよびBは、ブレンドフィルムを作製したときのラメラの融点と再結晶化によるラメラが厚化した結晶の融解に起因するピークと考えられる。また、PHBのブレンド比率を上げていくと、ピークBおよびCに、PHBのラメラの融解と再結晶化による融解に起因するピークが観測される。ここで、ピークBは、PHBHの融解と重なっていると考えられる。同様に、11mol%のPHBHを使用したブレンドフィルムのDSCチャートを図8(a)および(b)に、18mol%のPHBHを使用したブレンドフィルムのDSCチャートを図9(a)および(b)に示した。
図10に、各3HH分率のPHBHを使用したブレンドフィルムにおける、PHB含有量に対する融解エンタルピーの関係を示す。また、表6に、各融解エンタルピーを示した。なお、融解エンタルピーは、図7(a)の一点鎖線で示すようなベースラインからの融解ピークの総面積とした。まず、3HH分率7mol%のPHBH(図10(a))に着目する。融解エンタルピーは、PHB含有比率0/100では53.7J/gであるのに対し、1/99では40.3J/gと減少している。また、5/95、10/90とPHBのブレンド比率が増加するに従い、全体的に融解エンタルピーは増加した。同じく、3HH分率が11mol%のPHBH(図10(b))および18mol%のPHBH(図10(c))でも同様の傾向が確認できた。PHBをごく少量ブレンドすることでPHBH単体よりも融解エンタルピーが減少することから、PHBが結晶化を抑制していることが考えられる。つまり、PHBHのHBユニットでの結晶化を、添加した少量のPHBが阻害していると考えられる。また、PHBのブレンド比率が増加すると、ブレンドしたPHBでより結晶化するため、融解エンタルピーが増加した。PHBH単体に着目すると、3HH分率が7mol%から18mol%と、3HH分率が増加するに従い融解エンタルピーは減少した。同様に、ブレンドフィルムに関しても、同じブレンド比率で比較すると、3HH分率が大きいほど融解エンタルピーは減少した。PHBH中の3HH部分は非晶性なため、3HH分率の増加に従ってエンタルピーは減少すると考えられる。
(フィルムの結晶化度Xc)
フィルムの結晶化度Xは式(X)を用いて算出した。ΔHはDSC測定によって得られた融解エンタルピーである。PHBHは、HBユニットで結晶化すると考えられるため、ΔH100%としては、PHBの100%結晶の融解エンタルピーの値(130J/g)を用いた。
図11に、各3HH分率のPHBHを使用したブレンドフィルムにおける、PHB含有量に対する結晶化度の関係を示す。図11において、(a)は、3HH分率7mol%のPHBHを使用したブレンドフィルム、(b)は3HH分率11mol%のPHBHを使用したブレンドフィルム、(c)は3HH分率18mol%のPHBHを使用したブレンドフィルムである。また表6に結晶化度を示した。7mol%のPHBHの結晶化度は、PHB含有比率0/100では41.3%であるのに対し、1/99では31.0%と減少している。また、5/95、10/90とPHBのブレンド比率が増加するに従い、全体的に結晶化度は増加した。11mol%のPHBH、18mol%のPHBHでも同様の結果となった。
(フィルムの構造観察)
図12に、各3HH分率のPHBHを使用した、PHBHフィルムおよびPHBH/PHBブレンドフィルムの光学顕微鏡写真を示す。各写真におけるスケールバーは50μmである。図12において、Aは3HH分率7mol%のPHBHを使用したフィルム、Bは3HH分率11mol%のPHBHを使用したフィルム、Cは3HH分率18mol%のPHBHを使用したフィルムである(PHB/PHBHブレンド比率0/100:比較例)。各段の右側は、PHBH/PHBブレンドフィルム(PHB/PHBHブレンド比率(重量比率)1/99:実施例)である。A’は3HH分率7mol%のPHBHを使用したPHB/PHBHブレンドフィルムである。B’は3HH分率11mol%のPHBHを使用したPHB/PHBHブレンドフィルムである。C’は3HH分率18mol%のPHBHを使用したPHB/PHBHブレンドフィルムである。図12に示すように、PHBHに、PHBを1wt%ブレンドすることで、表面形状が劇的に変化し、結晶サイズがきわめて小さくなっており、20μm径以上の結晶を有していないことがわかる。
また、図13に、3HH分率が11mol%のPHBHを使用した、PHBHフィルムおよびPHBH/PHBブレンドフィルムの偏光顕微鏡写真を、図14に、3HH分率が7mol%のPHBHを使用した、PHBHフィルムおよびPHBH/PHBブレンドフィルムの偏光顕微鏡写真を、図15に、3HH分率が18mol%のPHBHを使用した、PHBHフィルムおよびPHBH/PHBブレンドフィルムの偏光顕微鏡写真を、それぞれ示す。各写真中の記載は、PHB/PHBHブレンド比率(重量比率)を表わす。また、各写真におけるスケールバーは50μmである。本発明の生分解性ポリエステルフィルム(PHB/PHBHブレンド比率(重量比率)1/99および5/95)は、3HH分率が11mol%、7mol%および18mol%のPHBHのいずれを用いた場合でも、PHBを添加していないPHBHで作製したフィルム(PHB/PHBHブレンド比率(重量比率)0/100:比較例)とは、モルフォロジーが大きく異なっていることがわかる。PHBを添加していないPHBHフィルムは、直径20〜30μmの異方性のある結晶が全体に確認されたが、PHBを1wt%添加することで劇的に、このスケールでの結晶が観察されなくなっている(PHB/PHBHブレンド比率(重量比率)1/99:実施例)。これは、見かけ上の相溶性が増大し結晶成長が抑制されたためと考えられる。PHB添加量が10wt%未満では、20μm径以上の大きな結晶領域が確認されないことから、この倍率では観察できないほどの小さな結晶領域が広範囲に分布していると考えられる。また、温度を上昇させながら、前記結晶を顕微鏡観察したところ、前記結晶は、PHBの融点付近において消失することが確認された。したがって、前記結晶は、PHBが凝集したドメインであると考えられる。PHB添加量を10wt%以上に増やすと、PHBによると考えられる結晶ドメインが次第に確認できる。これらのことから、PHBが前記本発明の所定の分率であると、結晶サイズが均一であるが、PHB分率が増加すると20μm径以上の結晶が増加し、そこが破断の原因となるため、十分な破断伸びが得られないと考えられる。
本発明によると、破断伸び、および、最大引張応力等の力学物性を、劇的に向上させることのできる生分解性ポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することができる。本発明で提供される生分解性ポリエステルフィルムは、容器、包装材料等として使用することができ、その用途は限定されず、前述の用途に加えあらゆる分野で使用することができる。

Claims (8)

  1. 生分解性ポリエステルフィルムであって、
    ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)と、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)とを含む生分解性ポリエステル組成物であって、前記ポリ(3−ヒドロキシブチレート)の含有量が、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)およびポリ(3−ヒドロキシブチレート)の合計成分100重量部に対し、0重量部を超え、10重量部未満の範囲である生分解性ポリエステル組成物を含み、
    20μm径以上の結晶を実質的に有していないことを特徴とする、生分解性ポリエステルフィルム。
  2. 前記ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)のヒドロキシヘキサノエート分率が、5〜15mol%であることを特徴とする、請求項1記載の生分解性ポリエステルフィルム。
  3. フィルム厚みが0.1mmでの破断伸びが、100%以上であることを特徴とする、請求項1または2記載の生分解性ポリエステルフィルム。
  4. 最大引張応力が、10MPa以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の生分解性ポリエステルフィルム。
  5. 溶液キャスト法によって得られることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の生分解性ポリエステルフィルム。
  6. ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)と、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)とを含む生分解性ポリエステル組成物であって、前記ポリ(3−ヒドロキシブチレート)の含有量が、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)およびポリ(3−ヒドロキシブチレート)の合計成分100重量部に対し、0重量部を超え、10重量部未満の範囲である生分解性ポリエステル組成物を、溶媒に溶解し、溶液を調製する溶液調製工程と、
    前記溶液をキャストするキャスト工程と、
    前記キャストされた溶液を乾燥して、フィルムを形成する乾燥工程と、
    前記乾燥工程で得られたフィルムをアニールするアニール工程とを含むことを特徴とする生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
  7. 前記乾燥工程を40℃以下で行い、前記アニール工程を20〜60℃の範囲内で行うことを特徴とする、請求項6記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
  8. 前記ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)のヒドロキシヘキサノエート分率が、5〜15mol%である生分解性ポリエステル組成物を用いることを特徴とする、請求項6または7記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
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