JP6271407B2 - 細胞評価統合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の細胞の性質を評価し、同じような性質を有する細胞を統合する細胞評価統合方法に関するものである。
近年、幹細胞などの細胞は、再生医療材料として、また創薬におけるツールとして、研究開発が活発に進められている。このような用途で細胞を用いる際には、その細胞が所望の性質を備えているかを検査することが求められる。検査の手段としては、表面抗原や酵素などタンパク質の発現や活性、RNA(ribonucleic acid)の発現、ゲノムの状態、エピジェネティックな状態を評価する方法がある。
たとえば特許文献1では、エピジェネティックなプロファイリング、分化アッセイ、遺伝子発現アッセイを組み合わせて検査する方法が開示されている。
ここで、幹細胞などの細胞を産業用途で用いる場合、安全性や安心感を高めるため、多数の細胞のうちの一部の細胞のみを抜き出して抜き打ち式の検査を行うのではなく、全ての細胞について検査が求められる場合が想定される。たとえば幹細胞の大集合を培養した場合、がん細胞が発生することが懸念されるため、がん細胞が混ざっていないかを検査し、混ざっている場合には取り除く必要がある。
特表2013−545439号公報 特表2009−506314号公報 特開2009−055817号公報 特開2011−041472号公報 特開2009−160074号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法を用いて多数の細胞を1つ1つ評価するのは膨大な時間と作業が必要であり現実的ではない。一方で、上述したように培養過程において発生したがん細胞はより確実に取り除くことが望ましい。すなわち、簡易な評価方法で、かつ多数の細胞を1つ1つ評価した場合と同じ程度の品質の細胞群を作成可能な方法が望まれている。
なお、特許文献2および特許文献3では、多数の細胞群を分割して評価する方法が提案されているが、簡易な評価方法で、かつ多数の細胞を1つ1つ評価した場合と同じ程度の品質の細胞群を作成可能な方法については何も提案されていない。また、特許文献4および特許文献5では、培養細胞を混合して移植することが開示されているが、やはり、簡易な評価方法で、かつ多数の細胞を1つ1つ評価した場合と同じ程度の品質の細胞群を作成可能な方法については何も提案されていない。
本発明は、上記の問題に鑑み、簡易な評価方法で、かつ多数の細胞を1つ1つ評価した場合と同じ程度の品質の細胞群を作成可能な細胞評価統合方法を提供することを目的とする。
本発明の細胞評価統合方法は、複数の細胞からなる細胞群を分割して、複数の細胞からなる分割細胞群を複数作成し、その作成した分割細胞群の単位で細胞の性質の評価を行い、その各分割細胞群の評価結果に基づいて、複数の分割細胞群を分類し、同じ分類に属する分割細胞群を統合して統合細胞群を作成することを特徴とする。
また、上記本発明の細胞評価統合方法においては、分割細胞群とともに容器に収容された媒質の組成に基づいて評価を行うことができる。
また、媒質の組成の時間変化に基づいて評価を行うことができる。
また、分割細胞群とともに容器に収容された媒質中の糖、アミノ酸、ペプチド、タンパク質および核酸のうちの少なくとも1つの量の時間変化に基づいて評価を行うことができる。
また、分割細胞群とともに容器に収容された媒質中の指示薬の色に基づいて評価を行うことができる。
また、媒質中の指示薬の色の時間変化に基づいて評価を行うことができる。
また、指示薬の色は、媒質の性質、媒質の組成または媒質中の物質の量に応じて決まることが好ましい。
また、指示薬の色の時間変化は、媒質の性質、媒質の組成または媒質中の物質の量に応じて決まることが好ましい。
また、指示薬としてフェノールレッドを用いることができる。
また、分割細胞群とともに容器に収容された媒質から発せられた光の量に基づいて評価を行うことができる。
また、媒質から発せられた光の量の時間変化に基づいて評価を行うことができる。
また、媒質から発せられる光の量は、媒質の組成または媒質中の物質の量に応じて決まることが好ましい。
また、分割細胞群から発せられた光の量に基づいて評価を行うことができる。
また、分割細胞群から発せられた光の量の時間変化に基づいて評価を行うことができる。
また、分割細胞群から発せられる光の量は、細胞の組成または細胞中の物質の量に応じて決まることが好ましい。
また、分割細胞群とともに容器に収容された媒質から発せられた光のスペクトルに基づいて評価を行うことができる。
また、媒質から発せられた光のスペクトルの時間変化に基づいて評価を行うことができる。
また、媒質から発せられる光のスペクトルは、媒質の組成または媒質中の物質の量に応じて決まることが好ましい。
また、分割細胞群から発せられた光のスペクトルに基づいて評価を行うことができる。
また、分割細胞群から発せられた光のスペクトルの時間変化に基づいて評価を行うことが好ましい。
また、分割細胞群から発せられる光のスペクトルは、細胞の組成または細胞中の物質の量に応じて決まることが好ましい。
また、上記光は、蛍光または化学発光であることが好ましい。
また、分割細胞群とともに容器に収容された媒質から発せられた蛍光の寿命に基づいて評価を行うことができる。
また、分割細胞群から発せられた蛍光の寿命に基づいて評価を行うことができる。
また、分割細胞群に対して刺激を加えた後に評価を行うことができる。
また、分割細胞群に対する刺激は、物質の添加、物質の除去、温度の変化および電磁波の照射のうちの少なくとも1つであることが好ましい。
また、上記評価は、がんらしさの評価であることが好ましい。
また、細胞の増殖速度に基づいて、細胞群の分割数を決定することができる。
本発明の細胞評価統合方法によれば、複数の細胞からなる細胞群を分割して、複数の細胞からなる分割細胞群を複数作成し、その作成した分割細胞群の単位で細胞の性質の評価を行ようにしたので、細胞群の1つ1つの細胞を評価する場合と比較して簡易な評価方法で評価することができる。
そして、さらに各分割細胞群の評価結果に基づいて、複数の分割細胞群を分類し、同じ分類に属する分割細胞群を統合して統合細胞群を作成するようにしたので、不適切な細胞を含む分割細胞群をより確実に取り除くことができ、必要な細胞からなる分割細胞群を統合した統合細胞群を取得することができる。すなわち、全ての細胞を1つ1つ検査した場合と同じ程度の品質の統合細胞群を取得することができる。
本発明の細胞評価統合方法の一実施形態を説明するための模式図 本発明の細胞評価統合方法の一実施形態を説明するためのフローチャート
以下、本発明の細胞評価統合方法の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の細胞評価統合方法の一実施形態を説明するための模式図であり、図2は、本実施形態の細胞評価統合方法の一実施形態の流れを説明するためのフローチャートである。
本実施形態の細胞評価統合方法においては、まず、図1に示すように大型容器10の中で培養した複数の細胞からなる細胞群11と、複数の小型容器20を用意する。細胞群11は、たとえば培養液などの媒質12中において培養される。そして、大型容器10内の細胞群11を略もれなく小型容器20に分割して、複数の細胞からなる分割細胞群21を作成する(S10)。この際、できるだけ等量に分割するのが望ましい。また、小型容器20に入れる媒質22の量もできるだけ等量にするのが望ましい。
細胞としては、たとえばiPS(induced pluripotent stem cells)細胞およびES(embryonic stem cells)細胞といった多能性幹細胞、幹細胞から分化誘導された神経、皮膚、心筋または肝臓の細胞、もしくは人体から取り出された皮膚、網膜、心筋、血球、神経または臓器の細胞などがある。
なお、分割細胞群の作成は、ユーザが手動で行うようにしてもよいし、たとえば細胞および媒質を吸引する機構とロボットアームなどからなる装置を用いて自動で行うようにしてもよい。
次に、小型容器20内で分割細胞群21を一定時間培養した後、各小型容器20から、媒質22を必要量だけ、細胞を含まないように回収する(S12)。
そして、各小型容器20からそれぞれ回収した媒質22の組成を、たとえば質量分析計を用いて測定し(S14)、その測定結果に基づいて、各小型容器20の分割細胞群21の単位で細胞の性質を評価する(S16)。
細胞の性質に応じて、細胞が媒質22から取り込む物質または媒質22に吐き出す物質の種類や量が変わるので、媒質の組成を調べることで細胞の性質を評価できる。ここでの評価内容としては、たとえば細胞の分化の程度、幹細胞らしさ、幹細胞の多能性、細胞の分化の種類、細胞の動きやすさ、細胞の老化の程度、細胞の薬剤耐性、細胞のがんらしさ(悪性度)、細胞のがんになり易さなどがある。なお、細胞の分化の種類の評価とは、神経細胞らしさ、肝臓細胞らしさ、脾臓細胞らしさまたは腎臓細胞らしさなどといった、分化後の細胞の種類の評価のことをいう。
また、上述したような大型容器10によって細胞群11を培養した場合、媒質12の組成変化があったとしても大量の媒質12における変化であるため、その変化を捉えることは困難である。しかしながら、本実施形態のように、細胞群11および媒質12を分割して培養することにより、組成変化の検出感度を高めることができる。
次いで、各小型容器20の細胞の性質の評価結果に基づいて、各小型容器の分割細胞群21を分類する(S18)。具体的には、たとえば細胞の分化の程度を評価した場合には、同じ程度に分化した分割細胞群21同士が同じ分類に属するように分類され、細胞のがんらしさを評価した場合には、細胞のがんらしさ(悪性度)が同じ程度の分割細胞群21同士が同じ分類に属するように分類される。すなわち、細胞の性質を評価した結果、同じ性質を有するとみなされる分割細胞群21同士が同じ分類に属するように分類される。
なお、各小型容器20の細胞の性質を評価する際、たとえば各小型容器20の媒質の組成の測定結果を小型容器20間で比較することによって、各小型容器20の細胞の性質を評価するようにしてもよい。そして、組成の測定結果が近い小型容器20の分割細胞群21同士が同じ分類に属するように分類するようにしてもよい。
具体的には、たとえば低い頻度で細胞の一部ががん化することが想定されるときに、がん化した細胞を含む分割細胞群21を検査不合格にしたいとする。この想定のもとでは、大半の小型容器20の分割細胞群21においてはがん細胞が発生しないのに対し、一部の小型容器の分割細胞群21においてがん細胞が発生し得る。この際、がん細胞を含まない大半の小型容器20の媒質22の組成と、がん細胞を含む一部の小型容器20の媒質22の組成とは異なるものと考えられるので、これらをそれぞれ異なる分類に区別することができる。
そして、上述したようにして各小型容器20の分割細胞群21を分類した後、同じ分類に属する分割細胞群21を統合して統合細胞群を作成する(S20)。具体的には、たとえば、図1において矩形で示す小型容器20の分割細胞群21が同じ分類であり、それ以外の小型容器20内の分割細胞群21が同じ分類である場合、同じ分類に属する分割細胞群21が統合されて統合細胞群が作成される。
より具体的には、図1において矩形で示す小型容器20の分割細胞群21が、がんらしさが高いものとして分類とされ、それ以外の小型容器20の分割細胞群21が、がんらしさが低いものとして分類された場合、がんらしさが低い分類に属する分割細胞群21が統合され、正常な細胞からなる統合細胞群が作成される。そして、この統合細胞群が再び培養されて、たとえば再生医療材料などに用いられる。がんらしさが高い分類に属する分割細胞群21については検査不合格として判定される。
なお、統合細胞群の作成は、ユーザが手動で行うようにしてもよいし、たとえば細胞および媒質を吸引する機構とロボットアームなどからなる装置を用いて自動で行うようにしてもよい。
上記実施形態の細胞評価統合方法によれば、複数の細胞からなる細胞群11を分割して、複数の細胞からなる分割細胞群21を複数作成し、その作成した分割細胞群21の単位で細胞の性質の評価を行ようにしたので、細胞群11の1つ1つの細胞を評価する場合と比較して簡易な評価方法で評価することができる。
さらに各分割細胞群21の評価結果に基づいて、複数の分割細胞群21を分類し、同じ分類に属する分割細胞群21を統合して統合細胞群を作成するようにしたので、不適切ながん細胞などを含む分割細胞群21をより確実に取り除くことができ、正常な細胞からなる分割細胞群21を統合した統合細胞群を取得することができる。すなわち、全ての細胞を1つ1つ検査した場合と同じ程度の品質の統合細胞群を取得することができる。
なお、がんらしさが高い分類に属する小型容器20の分割細胞群21の中にも、がん化していない細胞も含まれることが考えられるが、大型容器10内の全ての細胞が検査不合格と判定される場合と比較すると、はるかに望ましい。なお、評価の目的によっては、少数派の小型容器20の分割細胞群21を合格としてもよい。たとえばがん化した細胞を含む試料が欲しい場合などである。
また、上述したように媒質22の組成を計測して評価する際、種々の成分を広く計測して評価するのではなく、評価の内容に応じて測る成分を選んでもよい。細胞の分化の程度またはがんらしさを評価する場合、これらは糖代謝の様態やアミノ酸代謝の様態と係わりが深いため、たとえば媒質22中のグルコースの量を計測して評価したり、グルタミンの量を計測して評価したりしてもよい。これらを計測して評価することは、多能性幹細胞などの品質管理において有用な検査となる。
また、iPS細胞およびES細胞は、未分化性を維持するためにトレオニンやメチオニンを消費する。したがって、媒質22中のトレオニンまたはメチオニンの消費量を計測することによって、iPS細胞およびES細胞が未分化状態を維持しているか否かを評価することができる。
また、上記実施形態において、媒質22の組成を計測する際、媒質22を複数の時点で回収して各時点で計測することによって、組成の時間変化を計測するようにしてもよい。このように組成の時間変化を計測することによって、組成の各成分の変化をより明確に把握することができるので、細胞の性質をより詳しく評価することができる。
また、計測対象の組成は、上述したようなグルコースなどの糖やアミノ酸の他に、ペプチド、タンパク質または核酸などを計測するようにしてもよい。また、上述した糖、アミノ酸、ペプチド、タンパク質および核酸のうちの複数の組成を計測して評価するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、各小型容器20の媒質22の組成を計測するようにしたが、計測対象はこれに限らず、たとえば各小型容器20の媒質22に添加された指示薬の色を観察し、その色に基づいて各小型容器20の細胞の性質を評価するようにしてもよい。
具体的には、上記実施形態と同様に、小型容器20内で分割細胞群21を一定時間培養した後、媒質22中の指示薬の色を観察する。指示薬を添加するタイミングとしては、評価の内容と指示薬の性質に応じて、分割細胞群21の培養開始時から予め媒質に添加されている場合と、細胞の性質を評価する際に添加される場合とがある。
指示薬は、媒質22の性質、媒質22の組成または媒質22中の所定の物質の量に応じて色が変化するものであり、評価したい細胞の性質に応じて選定される。
たとえば媒質22のpHに応じて色が変化するフェノールレッドを用いれば、細胞が正常に増殖しているかを評価することができる。
また、上記実施形態と同様に、指示薬の色を小型容器20間で比較することによって、各小型容器20の細胞の性質を評価するようにしてもよい。そして、指示薬の色が近い小型容器20の分割細胞群21同士が同じ分類に属するように分類してもよい。
また、上記実施形態と同様に、指示薬の色の時間変化を観察し、その時間変化に基づいて細胞の性質を評価するようにしてもよい。この場合、媒質22の性質、媒質22の組成または媒質22中の所定の物質の量に応じて色の時間変化が変わる指示薬を用いることが望ましい。
また、細胞を評価するための計測対象としては、上述した媒質の組成または指示薬の色の他に、各小型容器20の分割細胞群21または媒質22から発せられた光を計測するようにしてもよい。具体的には、各小型容器20の分割細胞群21または媒質22に励起光を照射し、その励起光の照射によって分割細胞群21または媒質22から発せられた蛍光を光検出器によって検出し、その検出結果に基づいて、各小型容器20の細胞の性質を評価するようにしてもよい。
分割細胞群21から発せられる蛍光としては、たとえば細胞内に自然に含まれる蛍光物質から発せられる蛍光がある。この蛍光物質が、細胞の性質に関係しているものであれば、その細胞の性質を評価することができる。このような蛍光物質としては、たとえばニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、ポルフィリンなどがある。これらは、細胞の代謝状態を反映していたり、がん細胞に多く蓄積したりするものである。すなわち、これらの蛍光物質から発せられる蛍光の光量またはスペクトルは、媒質の組成または媒質中の所定の物質の量に応じて変化するものである。また、分割細胞群21における細胞の組成または細胞中の所定の物質の量に応じて変化するものである。これらの蛍光を検出して解析することによって、たとえば細胞が正常であるか、がんであるかを評価することができる。
また、細胞に含まれる生体物質が励起光の照射によって蛍光を発するものでない場合には、その生体物質を人工的に蛍光標識し、その蛍光を検出するようにしてもよい。
また、細胞内の蛍光物質ではなく、上述したように媒質22中の蛍光物質から発せられた蛍光を検出するようにしてもよい。この場合も、媒質22中の計測対象の物質が蛍光を発するものでない場合には、その物質を蛍光標識し、その蛍光を検出するようにしてもよい。媒質中の蛍光物質としては、たとえばグルコースに似た構造をもつ蛍光物質である2-NBDG(2-[N-(7-Nitro-2,1,3-benzoxadiazol-4-yl)amino]-2-deoxy-D-glucose)を予め媒質22中に添加しておくことができる。がん細胞はグルコースを盛んに取り込む傾向があるが、グルコースと一緒に2-NBDGも取り込む。がん細胞が存在する小型容器20では、がん細胞が存在しない小型容器20と比較すると2-NBDGが急速に消費されるので、媒質22の蛍光を測定した場合、蛍光強度が小さくなる。
また、上述したように分割細胞群21または媒質22から発せられた蛍光を検出して細胞の性質を評価する際、蛍光の強度を計測するようにしてもよいし、蛍光の強度の時間変化を計測するようにしてもよい。または、蛍光のスペクトルを計測するようにしてもよいし、蛍光のスペクトルの時間変化を計測するようにしてもよい。
また、蛍光の寿命を計測するようにしてもよい。蛍光の寿命とは、物質が光励起された時点から基底状態に戻るまでの時間である。
また、上記実施形態と同様に、蛍光の強度、蛍光のスペクトル、これらの時間変化または蛍光の寿命を小型容器20間で比較することによって、各小型容器20の細胞の性質を評価するようにしてもよい。そして、蛍光の強度などが近い小型容器20の分割細胞群21同士が同じ分類に属するように分類してもよい。
また、計測対象の光としては、上述したような蛍光だけでなく、化学発光を検出するようにしてもよい。
具体的には、たとえば発光基質(たとえばルシフェリン)と発光酵素(たとえばルシフェラーゼ)を予め媒質22中に添加しておいてもよい。たとえば細胞から排出されるATP(adenosine triphosphate)の量は細胞の代謝状態を知る手がかりとなるが、上記発光基質と発光酵素が存在すると、ATPは分解されて発光する。したがって、この化学発光を測定することによって、細胞の代謝状態を評価することができる。
また、上述したように媒質の組成、指示薬の色、もしくは分割細胞群21または媒質22から発せられた光を計測する前に、各小型容器20に収容された分割細胞群21に対して刺激を与えることによって、細胞の性質の違いを強調するようにしてもよい。たとえばがん細胞を殺す効果が期待される化合物を媒質に添加した後に媒質の組成などを計測して評価した場合には、化合物が効きにくい性質に変化した分割細胞群21を含む小型容器20を特定することができる。分割細胞群21に与える刺激としては、上述した化合物のような物質の添加の他に、媒質の温度またはpHを変化させたり、もしくは分割細胞群21や媒質22に電磁波を照射したりしてもよい。また、たとえば媒質22から血清成分を除くなど、物質の除去を行うことによって刺激を与えるようにしてもよい。
また、上記実施形態の細胞評価統合方法において、大型容器10で培養した細胞を複数の小型容器20に分割する際、たとえば評価したい細胞の性質ががん化に関するものである場合に、がん細胞の増殖速度が既知であれば、その増殖速度に応じて分割数を決めてもよい。増殖速度が速い場合には、がん化を検出しやすいので、分割数を少なくし、反対に、増殖速度が遅い場合には、分割数を多くすることが望ましい。
10 大型容器
11 細胞群
11 分割細胞群
11 細胞群
12 媒質
20 小型容器
21 分割細胞群
22 媒質

Claims (28)

  1. 複数の細胞からなる細胞群を分割して、複数の細胞からなる分割細胞群を複数作成し、
    該作成した分割細胞群の単位で細胞の性質の評価を行い、
    該各分割細胞群の評価結果に基づいて、複数の前記分割細胞群を分類し、
    同じ分類に属する前記分割細胞群を統合して統合細胞群を作成することを特徴とする細胞評価統合方法。
  2. 前記分割細胞群とともに容器に収容された媒質の組成に基づいて前記評価を行う請求項1記載の細胞評価統合方法。
  3. 前記媒質の組成の時間変化に基づいて前記評価を行う請求項2記載の細胞評価統合方法。
  4. 前記分割細胞群とともに容器に収容された媒質中の糖、アミノ酸、ペプチド、タンパク質および核酸のうちの少なくとも1つの量の時間変化に基づいて前記評価を行う請求項1記載の細胞評価統合方法。
  5. 前記分割細胞群とともに容器に収容された媒質中の指示薬の色に基づいて前記評価を行う請求項1記載の細胞評価統合方法。
  6. 前記媒質中の指示薬の色の時間変化に基づいて前記評価を行う請求項5記載の細胞評価統合方法。
  7. 前記指示薬の色が、前記媒質の性質、前記媒質の組成または前記媒質中の物質の量に応じて決まる請求項5または6記載の細胞評価統合方法。
  8. 前記指示薬の色の時間変化が、前記媒質の性質、前記媒質の組成または前記媒質中の物質の量に応じて決まる請求項6記載の細胞評価統合方法。
  9. 前記指示薬としてフェノールレッドを用いる請求項5から8いずれか1項記載の細胞評価統合方法。
  10. 前記分割細胞群とともに容器に収容された媒質から発せられた光の量に基づいて前記評価を行う請求項1記載の細胞評価統合方法。
  11. 前記媒質から発せられた光の量の時間変化に基づいて前記評価を行う請求項10記載の細胞評価統合方法。
  12. 前記媒質から発せられる光の量が、前記媒質の組成または前記媒質中の物質の量に応じて決まる請求項10または11記載の細胞評価統合方法。
  13. 前記分割細胞群から発せられた光の量に基づいて前記評価を行う請求項1記載の細胞評価統合方法。
  14. 前記分割細胞群から発せられた光の量の時間変化に基づいて前記評価を行う請求項13記載の細胞評価統合方法。
  15. 前記分割細胞群から発せられる光の量が、前記細胞の組成または前記細胞中の物質の量に応じて決まる請求項13または14記載の細胞評価統合方法。
  16. 前記分割細胞群とともに容器に収容された媒質から発せられた光のスペクトルに基づいて前記評価を行う請求項1記載の細胞評価統合方法。
  17. 前記媒質から発せられた光のスペクトルの時間変化に基づいて前記評価を行う請求項16記載の細胞評価統合方法。
  18. 前記媒質から発せられる光のスペクトルが、前記媒質の組成または前記媒質中の物質の量に応じて決まる請求項16または17記載の細胞評価統合方法。
  19. 前記分割細胞群から発せられた光のスペクトルに基づいて前記評価を行う請求項1記載の細胞評価統合方法。
  20. 前記分割細胞群から発せられた光のスペクトルの時間変化に基づいて前記評価を行う請求項19記載の細胞評価統合方法。
  21. 前記分割細胞群から発せられる光のスペクトルが、前記細胞の組成または前記細胞中の物質の量に応じて決まる請求項19または20記載の細胞評価統合方法。
  22. 前記光が、蛍光または化学発光である請求項16から21いずれか1項記載の細胞評価統合方法。
  23. 前記分割細胞群とともに容器に収容された媒質から発せられた蛍光の寿命に基づいて前記評価を行う請求項1記載の細胞評価統合方法。
  24. 前記分割細胞群から発せられた蛍光の寿命に基づいて前記評価を行う請求項1記載の細胞評価統合方法。
  25. 前記分割細胞群に対して刺激を加えた後に前記評価を行う請求項1から24いずれか1項記載の細胞評価統合方法。
  26. 前記分割細胞群に対する刺激が、物質の添加、物質の除去、温度の変化および電磁波の照射のうちの少なくとも1つである請求項25記載の細胞評価統合方法。
  27. 前記評価として、がんらしさを評価する請求項1から26いずれか1項記載の細胞評価統合方法。
  28. 前記細胞の増殖速度に基づいて、前記細胞群の分割数を決定する請求項1から27いずれか1項記載の細胞評価統合方法。
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