JP2001330604A - 薬物候補物質の検出システムおよび検出方法 - Google Patents

薬物候補物質の検出システムおよび検出方法

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JP2001330604A
JP2001330604A JP2000146554A JP2000146554A JP2001330604A JP 2001330604 A JP2001330604 A JP 2001330604A JP 2000146554 A JP2000146554 A JP 2000146554A JP 2000146554 A JP2000146554 A JP 2000146554A JP 2001330604 A JP2001330604 A JP 2001330604A
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biological sample
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JP2000146554A
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English (en)
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Kanji Yahiro
寛司 八尋
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬物候補物質を効率よくしかも高い信頼性で
検出することができる薬物候補物質の検出システムおよ
び検出方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 試薬の中から薬物の候補物質を検出する
薬物候補物質の検出システムにおいて、生体試料を収容
したプレート9への分注ヘッド12による試薬投与前後
の各タイミングに、プレート9内の生体試料を顕微鏡装
置27のカメラ26によって撮像し、得られた顕微鏡画
像を画像処理部32によって画像処理して生体試料の状
態の定量指標となる数値データを求めて検査結果記憶部
40に記憶させ、試薬投与前後の数値データを比較する
ことにより、試薬が薬物候補物質であるか否かを判定す
る。これにより、薬物候補物質を効率よくしかも高い信
頼性で検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、創薬スクリーニン
グ作業において薬物候補物質を検出する薬物候補物質の
検出システムおよび検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製薬業界などによって行われる新薬開発
においては、種々の生化学物質や試薬の中から新たな有
用薬物の候補となりうる薬物候補を検出するためのいわ
ゆる創薬スクリーニング作業が行われる。この創薬スク
リーニング作業においては、動植物の細胞や微生物など
の生体試料にスクリーニング対象の各種試薬を投与して
培養し時間経過に伴う変化や成長の度合いを観察するこ
とが行われる。
【0003】例えば細胞の形状・寸法・方向性や分裂状
態や菌糸の成長度合いなど、逐次変化する部分を観察対
象とする場合には、これらを経時的に追跡して観察・記
録し、データ化する作業が必要となる。従来はこのよう
な創薬スクリーニングにおける生体試料の観察作業は専
ら人手に依存しており、実験担当者が顕微鏡視野内で細
胞を目視によって観察し、観察対象部位に注目して必要
項目をデータ化し、記録するという作業を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような観
察作業は、多大の手間と時間を要する煩瑣な作業であ
り、この観察によって実験作業全体の効率の低下を招く
とともに、実験担当者に過大の作業負荷を強いることと
なっていた。また、観察結果をデータ化する際には、観
察を行う各担当者の経験・熟練度によってデータ化され
た結果にばらつきを生じやすく、スクリーニングの結果
の信頼性が確保され難いという問題点もあった。
【0005】そこで本発明は、薬物候補物質を効率よく
しかも高い信頼性で検出することができる薬物候補物質
の検出システムおよび検出方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の薬物候補
物質の検出システムは、試薬の中から薬物の候補物質を
検出する薬物候補物質の検出システムであって、生体試
料に試薬を投与する試薬投与手段と、試薬が投与される
前と試薬が投与された後の生体試料の顕微鏡画像を撮像
する撮像手段と、前記顕微鏡画像内の生体試料の状態を
示す数値データを出力する定量評価手段と、試薬投与前
後の前記数値データを比較して試薬の中から薬物の候補
物質を検出する薬物候補物質検出手段とを備えた。
【0007】請求項2記載の薬物候補物質の検出システ
ムは、請求項1記載の薬物候補物質の検出システムであ
って、試薬が投与された後の生体試料を収容する容器を
所定の環境下で保管するインキュベータを備えた。
【0008】請求項3記載の薬物候補物質の検出システ
ムは、請求項2記載の薬物候補物質の検出システムであ
って、前記試薬投与手段、撮像手段およびインキュベー
タの間で前記容器を搬送する搬送手段を備えた。
【0009】請求項4記載の薬物候補物質の検出システ
ムは、請求項1記載の薬物候補物質の検出システムであ
って、試薬投与後の顕微鏡画像の撮像は、生存状態の生
体試料に対して行う。
【0010】請求項5記載の薬物候補物質の検出方法
は、試薬の中から薬物の候補物質を検出する薬物候補物
質の検出方法であって、試薬投与前の生体試料の顕微鏡
画像を撮像する投与前撮像工程と、投与前撮像工程によ
って取得された顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す投
与前数値データを求めて記憶する工程と、試薬投与から
所定時間経過後の生体試料の顕微鏡画像を前記投与前撮
像工程と同じ倍率で撮像する投与後撮像工程と、投与後
撮像工程によって取得された顕微鏡画像内の生体試料の
状態を示す投与後数値データを求めて記憶する工程と、
前記投与前数値データと投与後数値データとを比較する
工程と、この比較結果より前記試薬が薬物候補物質であ
るか否かを判定する工程とを含む。
【0011】請求項6記載の薬物候補物質の検出方法
は、請求項5記載の薬物候補物質の検出方法であって、
試薬投与後の生体試料を収容する容器を所定の環境条件
下で保管する。
【0012】請求項7記載の薬物候補物質の検出方法
は、請求項5記載の薬物候補物質の検出方法であって、
前記投与前撮像工程および投与後撮像工程は、生存状態
の生体試料に対して行う。
【0013】本発明によれば、創薬スクリーニングを目
的として行われ試薬投与を伴う生体試料の観察におい
て、生体試料の顕微鏡画像を撮像して撮像結果を数値デ
ータとして定量化することにより、薬物候補物質を効率
よくしかも高い信頼性で検出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の生化
学物質処理装置の斜視図、図2は本発明の一実施の形態
の生化学物質処理装置の構成を示すブロック図、図3は
本発明の一実施の形態の薬物候補物質の検出方法の説明
図、図4、図5は本発明の一実施の形態の薬物候補物質
の検出方法における顕微鏡画像を示す図である。
【0015】まず図1、図2を参照して生化学物質処理
装置について説明する。この生化学物質処理装置は、容
器に収容された生体試料に試薬投与を行った後にこの容
器を所定の環境条件下で保管し、顕微鏡観察や顕微鏡画
像の撮像を行うことにより生体試料の形態変化を検出
し、この検出結果から薬物の候補となる薬物候補物質を
検出するために用いられるものであり、薬物候補物質の
検出システムを構成する。
【0016】図1において、生化学物質処理装置は、イ
ンキュベータ1と分注装置6より構成される。インキュ
ベータ1は略箱型の筐体2より成る。インキュベータ1
の前面には開閉自在な扉3が設けられ、側面には生体試
料を収容する容器であるプレートを出し入れするプレー
ト出し入れ口4が設けられている。プレート出し入れ口
4はシャッタ5を備えており、出し入れ操作時などの必
要時のみプレート出し入れ口4を開口するようになって
いる。
【0017】インキュベータ1と隣接して分注装置6が
配設されている。分注装置6の基台7の上面は分注ステ
ージ8となっており、分注ステージ8にはプレート9が
載置される。プレート9には、図1の付図に示すように
生体試料などを含む液状試料を収納するウェル9aが格
子状に多数設けられている。プレート9の側面には、そ
れぞれプレートの種類を識別する識別マークとしてのバ
ーコードラベル(図示せず)が貼付されている。バーコ
ードラベルを後述するバーコードリーダによって読み取
ることにより、各プレート9を自動的に識別できるよう
になっている。
【0018】分注ステージ8上にはXYテーブル11が
配設されており、XYテーブル11には多数の分注ティ
ップ13(分注ノズル)が装着された分注ヘッド12が
結合されている。XYテーブル11を駆動することによ
り分注ヘッド12は分注ステージ8内で水平移動し、載
置されたプレート9間で液状試料の分注をおこなう。こ
の分注操作において、試薬が収容されたプレート9から
試薬を吸引し、生体試料が収容されたプレート9に試薬
を吐出させることにより、生体試料に試薬を投与するこ
とができる。したがって分注装置6の分注ステージ8、
分注ヘッド12およびXYテーブル11は試薬投与手段
となっている。
【0019】また分注ステージ8上には、プレート搬送
機構14が設けられている。プレート搬送機構14は、
X軸テーブル15、Y軸テーブル16、Zθ軸テーブル
17およびZθ軸テーブル17に結合された搬送アーム
18より構成される。プレート搬送機構14を駆動する
ことにより、分注ステージ8上のプレート9を搬送アー
ム18によってクランプし、インキュベータ1の内部に
搬入しまたインキュベータ1から取り出す出し入れ作業
を、プレート出し入れ口4を介して行うことができる。
プレート出し入れ口4の側方には、バーコードリーダ1
9が配設されており、プレート搬送機構14によって搬
送されてきたプレート9の側面のバーコードラベルを読
み取ることにより、各プレート9が識別される。
【0020】プレート出し入れ口4に近接して、顕微鏡
観察部20が配設されている。顕微鏡観察部20は、分
注ステージ8上に設けられたXYステージ20aおよび
XYステージ20aの下方に配設された顕微鏡装置27
(図2)を備えている。観察対象の生体試料を収納した
プレート9をXYステージ20a上に載置し、鏡筒21
の接眼レンズを介して観察することにより、プレート9
内の生体試料を顕微観察することができるとともに、図
2に示すように顕微鏡装置27に備えられた光学系25
およびカメラ26によって、プレート9内の生体試料の
顕微鏡画像を撮像することができるようになっている。
【0021】したがって、顕微鏡観察部20は生体試料
の顕微鏡画像を撮像する撮像手段となっている。そし
て、プレート搬送機構14は、試薬投与手段である分注
ステージ8、撮像手段である顕微鏡観察部20とインキ
ュベータ1との間でプレート9を搬送する搬送手段とな
っている。
【0022】分注ステージ8の側方にはプレート収納部
22が配設されている。プレート収納部22は、垂直方
向に昇降するリフタ23にプレート載置棚24を多段に
設けた構成となっており、プレート載置棚24にはプレ
ート9が多段に収納される。プレート収納部22は、薬
物候補となる多数の種類の試薬を収容したプレート9
や、生体試料を収容したプレート9など各種のプレート
9が収納される。これらのプレート9は搬送アーム18
によってプレート収納部22から取り出され、また処理
後のプレート9は同様に搬送アーム18によってプレー
ト収納部22に戻し入れられる。
【0023】次に図2を参照して制御系の構成を説明す
る。図2において、インキュベータ制御部30は、イン
キュベータ1の動作や内部環境設定機能を制御する。プ
レート識別部31は、バーコードリーダ19からのバー
コードの読み取り信号に基づいてプレート9を識別す
る。画像処理部32はカメラ26によって撮像されたプ
レート9内の生体試料の撮像データを画像処理する。
【0024】この画像処理においては、画像の複雑さの
度合い等の各種指標に応じて定量化される数値データ、
例えば生体試料である細胞の広がりを面積で示す数値な
ど、細胞の画像形状や大きさ、位置に関する数値データ
の他、画面の輝度の総和や空間周波数など、画面を構成
する画像信号から抽出可能な数値データが検出される。
これらの数値データは生体試料の観察において形態変化
を定量化する定量指標として用いられる。したがって画
像処理部32は顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す数
値データを出力する定量評価手段となっている。
【0025】顕微鏡制御部33は、顕微鏡装置27を制
御してXYステージ20a上のプレート9内の生体試料
を観察・撮像する際の、焦点合わせや撮像などの動作制
御を行う。分注ヘッド制御部34は、XYテーブル11
を含めた分注ヘッド12の動作を制御する。リフタ制御
部35は、プレート収納部22のリフタ23の動作を制
御する。搬送ロボット制御部36は、搬送アーム18に
よってプレート9を搬送するプレート搬送機構14を制
御する。
【0026】記録処理部37は、プレート識別部31の
プレート識別結果と画像処理部32から出力される数値
データに基づいて、顕微鏡画像の記録処理を行い検査結
果のデータ作成を行う。この記録処理においては、顕微
鏡画像と画像処理部32から出力される数値データ、X
Yステージ20aの位置データおよび記録処理部37に
付設された時計38によって計時されたタイミングデー
タ、すなわち試薬投与時点からの経過時間が、プレート
の識別番号と関連付けられる。
【0027】検査結果記憶部40は、記録処理部37に
よって上記記録処理がなされた検査結果のデータを記憶
する。検査結果記憶部40には複数のデータ格納用の領
域41,42,43・・・が設けられており、各データ
格納領域には、前述の検査結果のデータが時系列的に順
次格納される。すなわち領域41には試薬投与前におけ
るデータが、そして領域42,43・・・には順次試薬
投与時点から所定時間経過後(例えば30分ごと)のデ
ータが格納される。
【0028】薬物候補物質検出部45(薬物候補物質検
出手段)は、同一プレートに収容された生体試料につい
て、試薬投与前後の数値データを比較してこの試薬の作
用による生体試料の成長度や活性度等の変化を定量的に
判断し、比較結果よりこの試薬が薬物候補であるか否か
を判定する。そして複数の試薬について同様の判定を行
い、これらの試薬の中から薬物の候補物質を検出する。
表示処理部46は、前記薬物候補物質の検出結果と、検
査結果記憶部40から読み出された検査結果とを組み合
わせて表示するための表示処理を行う。表示部47はモ
ニタであり、表示処理部46によって表時処理された画
面を表示する。
【0029】この生化学物質処理装置は上記のように構
成されており、以下本生化学物質処理装置によって行わ
れる薬物候補物質の検出方法について説明する。この薬
物候補物質検出は、細胞などの生体試料に試薬を投与し
て培養し、生体試料の変化を観察して当該試薬を評価す
る創薬スクリーニングにおいて、生存状態の生体試料の
顕微鏡画像を撮像することにより形態変化の定量指標を
求め、この定量指標によって薬剤候補物質であるか否か
を判定するものである。本実施の形態では、試薬投与前
に初期計測を行い、試薬投与後に所定インターバルで経
時計測の結果から時間経過に伴う形態変化を求め、試薬
投与前後における形態変化の観察結果に基づいて前記判
定を行うようにしている。
【0030】図3(a)はスクリーニングにおける処理
タイミング、すなわちスクリーニング対象の生体試料を
収容したプレート9に対しての試薬投与のタイミング
と、その後に行われる顕微鏡画像の撮像による計測処理
のタイミングを示している。まず初めに、初期計測が試
薬投与前に行われる。この初期計測時には、まずプレー
ト収納部22から当該プレート9をプレート搬送機構1
4の搬送アーム18によって取り出し、バーコードリー
ダ19によって識別番号を読み取って識別した後、顕微
鏡観察部20のXYステージ20a上に載置する。
【0031】そしてXYステージ20aによってプレー
ト9を水平移動させながら鏡筒21の接眼レンズを透し
て観察することにより、観察対象のウェル9a内におけ
る所望の撮像位置を見出したならば、カメラ26によっ
て当該ウェル9aを撮像して生体試料の顕微鏡画像を取
得する(投与前撮像工程)。このとき撮像時のXYステ
ージ20aの位置データが取得され記憶される。これに
より、同一対象を再度観察・撮像する必要が生じた場合
に、即座に当該撮像位置を再現できる。そしてこの撮像
によって取得された顕微鏡画像を画像処理部32によっ
て画像処理することにより、顕微鏡画像内の生体試料の
状態を示す形態変化の定量指標である数値データ(投与
前数値データ)を求める。
【0032】ここで求められる顕微鏡画像および定量指
標について説明する。図4、図5はウェル9a内を撮像
した顕微鏡画像の例を示しており、それぞれ細胞の分裂
状態、細胞の樹状突起の成長状態が観察対象項目となっ
ている。図4(a)、図5(a)はそれぞれ試薬投与前
の初期計測時の顕微鏡画像を示しており、図4(b)、
図5(b)はそれぞれ試薬投与後に所定時間のインキュ
ベーションを行った後の顕微鏡画像である。
【0033】これらの画像から形態変化の定量指標を求
めるには、公知の画像処理技術が応用される。例えば図
4のように細胞51の分裂状態を評価することが目的で
ある場合には、1つの細胞51を示す画像内でのかたま
りを検出し、これらのかたまりの数の総和を求めて定量
指標とする方法、または細胞の検出が単に画像上におけ
る輝度の相違によって可能な場合には、輝度値の総和を
求めて定量指標とする方法など、対象に応じて各種の定
量指標を用いることができる。いずれの場合にあって
も、細胞の分裂状態を数値データによって客観的に定量
評価することができる。
【0034】また図5に示すように、細胞52から延出
する樹状突起52aを観察対象とする例では、樹状突起
52aを画像上でサーチして樹状突起52aに相当する
部分の長さに相当する数値データ、例えば画素数の総和
を求める方法、さらには画像データの符号化処理によっ
て定量指標を求める方法など、各種の画像処理の手法を
用いることができる。
【0035】初期計測後のプレート9は、再び搬送アー
ム18によって搬送されて分注ステージ8に搬送され、
ここで分注ヘッド12によって試薬投与が行われる。次
いで試薬投与後のプレート9は、インキュベータ1内の
所定位置に載置される。そして所定の初期インターバル
T0が経過した後、プレート9はインキュベータ1から
取り出されて識別された後、再び顕微鏡観察部20のX
Yステージ20a上に載置され、前述と同様の計測が行
われる。
【0036】この計測においては、識別番号に基づいて
初期計測時のデータが検査結果記憶部40から読み出さ
れ、初期計測時と同一撮像条件、すなわち同一撮像位
置、同一倍率で撮像される。そして初期計測と同様の方
法によって、この撮像によって取得された顕微鏡画像内
の生体試料の状態を示す数値データを求める。この後、
図3(a)に示すように継続インターバルTごとに同様
の顕微鏡画像の撮像および数値データ取得による計測処
理が反復して行われる。これらの数値データは試薬投与
後に取得される投与後数値データであり、各計測インタ
ーバルごとに逐次検査結果記憶部40に記憶される。こ
こで、投与後数値データは上記各計測インターバルごと
に求められるが、薬物候補物質であるか否かの判定のた
めの比較対象となる投与後数値データは、対象試薬、ス
クリーニング目的に応じて設定される投与後経過時間に
対応する投与後数値データが適宜選定される。そして、
この投与後数値データと投与前数値データとを比較し、
この比較結果より以下に説明するように薬物候補物質で
あるか否かの判定が行われる。
【0037】試薬投与後から上記計測処理までの初期イ
ンターバルとその後の継続インターバルでは、プレート
9はインキュベータ1内に保管されて所定環境条件下で
のインキュベーションが行われる。なお、図3(a)に
示す初期インターバルT0、継続インターバルTの設定
は任意であり、全てを同一時間としてもよく、また全て
異なる時間に設定してもよい。初期インターバルT0や
継続インターバルTの時間が短くなる場合は、プレート
9をインキュベータ1へ搬入しなくてもよい。
【0038】このようにして求められ検査結果記憶部4
0に記憶された数値データに基づき、薬物候補物質検出
部45は試薬の中から薬物の候補物質を検出する。図3
(b)は、観察された生体試料の形態変化を経時的に示
しており、この薬剤候補物質検出において薬物候補物質
であるか否かを判定する基準データとなるものである。
図3(b)において、横軸は時間の経過を、縦軸は計測
によって得られた数値データ、すなわち形態変化の定量
指標であり、グラフ上には2つの観察対象について行っ
たスクリーニングの結果がプロットされ、折れ線グラフ
として表示されている。
【0039】ここで、折れ線A,Bによって示される計
測結果は、それぞれ同一生体試料に対して異なる種類の
試薬a,bを投与し、同一条件のインキュベーションを
行った場合の計測結果を示すものである。このグラフは
薬物候補物質検出部45によって読み込まれた数値デー
タを表示処理部46によって表示処理し、表示部47の
モニタ上に表示させることにより作成される。
【0040】このグラフからわかるように、試薬aを投
与した場合の試薬投与前後の生体試料の形態変化および
試薬bにおける同様の形態変化を比較すると、投与直後
においては試薬a、試薬bの間にさほどの相違はみられ
ないものの、時間の経過とともに試薬aの形態変化が際
だって増加していることがわかる。この場合には、試薬
投与前後の定量指標の数値データを比較して求められる
形態変化値が、投与後経過時間TsにおいてL以上であ
ることが薬物候補物質であるための判定基準として設定
されており、試薬aは薬物候補物質であると判定され、
試薬bについては否と判定される。
【0041】このように計測結果をグラフ表示させるこ
とにより、生体試料の形態変化を視覚的に判断すること
ができ、薬剤候補物質の検出を客観的な判定データに基
づいて的確に行うことが可能となっている。この判定に
際しては、予め設定された判定基準に基づいて薬物候補
物質検出部45によって自動判定して前記グラフととも
に表示させるようにしても良く、また表示されたグラフ
を参照して担当者が判断するようにしてもよい。
【0042】上記スクリーニングにおいては、試薬投与
後のプレートはインキュベータ1内にて生体試料が生存
状態のまま所定環境条件下で保管され培養される。そし
て前述の撮像による計測は、生存状態の生体試料に対し
て行われる。したがって、同一の生体試料を対象とし
て、培養時間の経過に伴う形態変化を追跡観察し定量デ
ータ化することが可能となっている。
【0043】すなわち、従来は染色処理などの可視化処
理を行うことによって死滅した状態でしか行えなかった
生体試料の観察・定量データ化処理を、同一試料を対象
として追跡して行うことが可能となり、創薬スクリーニ
ングによって得られる情報を量的にもまた質的にも改善
することができるとともに、創薬スクリーニングに伴う
作業を効率化することが可能となっている。
【0044】また本実施の形態においては、試薬投与の
ための分注処理、インキュベータ内での保管および撮像
による分析・計測処理を同一の装置内で行えるようにな
っており、しかもこれら各機能間におけるプレートの搬
送を自動的に行うことができるため、複雑なプロセスを
要する創薬スクリーニング作業を効率的に遂行すること
ができる。
【0045】なお、本実施の形態では上記各機能を1つ
の生化学処理装置にて行う例を示したが、各部の機能を
分散して有する単位機器を統合して薬剤候補物質の検出
システムを構成するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、創薬スクリーニングを
目的として行われ試薬投与を伴う生体試料の観察におい
て、生体試料の顕微鏡画像を撮像して撮像結果を数値デ
ータとして定量化するようにしたので、薬物候補物質を
効率よくしかも高い信頼性で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の生化学物質処理装置の
斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の生化学物質処理装置の
構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施の形態の薬物候補物質の検出方
法の説明図
【図4】本発明の一実施の形態の薬物候補物質の検出方
法における顕微鏡画像を示す図
【図5】本発明の一実施の形態の薬物候補物質の検出方
法における顕微鏡画像を示す図
【符号の説明】
1 インキュベータ 6 分注装置 8 分注ステージ 9 プレート 11 XYテーブル 12 分注ヘッド 14 プレート搬送機構 20 顕微鏡観察部 26 カメラ 27 顕微鏡装置 32 画像処理部 37 記録処理部 40 検査結果記憶部 45 薬物候補物質検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12M 1/34 C12M 1/34 D Fターム(参考) 2G045 AA40 BB20 BB50 CB01 FA16 FA19 FB16 JA08 2G058 BB02 BB09 BB15 CA01 CC02 CD01 CF01 CF28 EA02 EA04 ED02 ED20 GA01 GC02 GC05 HA01 4B029 AA01 AA07 BB01 BB11 BB12 FA02 FA10 FA15 4B063 QA01 QA05 QQ05 QQ08 QQ09 QQ91 QR74 QR77 QR78 QS24 QS39 QX10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試薬の中から薬物の候補物質を検出する薬
    物候補物質の検出システムであって、生体試料に試薬を
    投与する試薬投与手段と、試薬が投与される前と試薬が
    投与された後の生体試料の顕微鏡画像を撮像する撮像手
    段と、前記顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す数値デ
    ータを出力する定量評価手段と、試薬投与前後の前記数
    値データを比較して試薬の中から薬物の候補物質を検出
    する薬物候補物質検出手段とを備えたことを特徴とする
    薬物候補物質の検出システム。
  2. 【請求項2】試薬が投与された後の生体試料を収容する
    容器を所定の環境下で保管するインキュベータを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の薬物候補物質の検出シ
    ステム。
  3. 【請求項3】前記試薬投与手段、撮像手段およびインキ
    ュベータの間で前記容器を搬送する搬送手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項2記載の薬物候補物質の検出シス
    テム。
  4. 【請求項4】試薬投与後の顕微鏡画像の撮像は、生存状
    態の生体試料に対して行うことを特徴とする請求項1記
    載の薬物候補物質の検出システム。
  5. 【請求項5】試薬の中から薬物の候補物質を検出する薬
    物候補物質の検出方法であって、試薬投与前の生体試料
    の顕微鏡画像を撮像する投与前撮像工程と、投与前撮像
    工程によって取得された顕微鏡画像内の生体試料の状態
    を示す投与前数値データを求めて記憶する工程と、試薬
    投与から所定時間経過後の生体試料の顕微鏡画像を前記
    投与前撮像工程と同じ倍率で撮像する投与後撮像工程
    と、投与後撮像工程によって取得された顕微鏡画像内の
    生体試料の状態を示す投与後数値データを求めて記憶す
    る工程と、前記投与前数値データと投与後数値データと
    を比較する工程と、この比較結果より前記試薬が薬物候
    補物質であるか否かを判定する工程とを含むことを特徴
    とする薬物候補物質の検出方法。
  6. 【請求項6】試薬投与後の生体試料を収容する容器を所
    定の環境条件下で保管することを特徴とする請求項5記
    載の薬物候補物質の検出方法。
  7. 【請求項7】前記投与前撮像工程および投与後撮像工程
    は、生存状態の生体試料に対して行うことを特徴とする
    請求項5記載の薬物候補物質の検出方法。
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