JP2001299379A - 生体試料の形態変化検出システムおよび形態変化検出方法 - Google Patents

生体試料の形態変化検出システムおよび形態変化検出方法

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JP2001299379A
JP2001299379A JP2000116070A JP2000116070A JP2001299379A JP 2001299379 A JP2001299379 A JP 2001299379A JP 2000116070 A JP2000116070 A JP 2000116070A JP 2000116070 A JP2000116070 A JP 2000116070A JP 2001299379 A JP2001299379 A JP 2001299379A
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biological sample
administration
imaging
reagent
morphological change
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Application number
JP2000116070A
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English (en)
Inventor
Kanji Yahiro
寛司 八尋
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体試料の形態変化を効率よく客観性の高い
データで検出できる生体試料の形態変化検出システムお
よび形態変化検出方法を提供すること。 【解決手段】 プレート9に収納された生体試料の形態
変化を検出する生体試料の形態変化検出において、分注
ヘッド12によるプレート9への試薬投与前後の各タイ
ミングにプレート9内の生体試料を顕微鏡装置27のカ
メラ26によって撮像し、得られた顕微鏡画像を画像処
理部32によって画像処理して生体試料の状態の定量指
標となる数値データを求め、記録処理部37によって各
計測タイミングごとに画像と数値データとを関連づけて
検査結果記憶部40に記憶させる。これにより生体試料
の形態変化を効率よくしかも客観性の高いデータで検出
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動植物細胞などの
生体試料の形態変化を光学的に検出する生体試料の形態
変化検出システムおよび形態変化検出方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】生化学分野における各種の試験では、動
植物の細胞や微生物などの生体試料を種々の条件下で培
養し時間経過に伴う変化や成長の度合いを観察すること
が行われる。例えば細胞の形状・寸法・方向性や分裂状
態や菌糸の成長度合いなど、逐次変化する部分を観察対
象とする場合には、これらを経時的に追跡して観察・記
録し、データ化する作業が必要となる。従来はこのよう
な生体試料を対象とした形態変化の観察作業は専ら人手
に依存しており、実験担当者が顕微鏡視野内で細胞を目
視によって観察し、観察対象部位に注目して必要項目を
データ化し、記録するという作業を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような観
察作業は、多大の手間と時間を要する煩瑣な作業であ
り、この観察によって実験作業全体の効率の低下を招く
とともに、実験担当者に過大の作業負荷を強いることと
なっていた。また、観察結果をデータ化する際には、観
察を行う各担当者の経験・熟練度によってデータ化され
た結果にばらつきを生じやすく、データの信頼性が確保
され難いという問題点もあった。
【0004】そこで本発明は、生体試料の形態変化を効
率よくしかも客観性の高いデータで検出することができ
る生体試料の形態変化検出システムおよび形態変化検出
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の生体試料
の形態変化検出システムは、容器に収納された生体試料
の形態変化を撮像により検出する生体試料の形態変化検
出システムであって、前記生体試料に試薬を投与する試
薬投与手段と、試薬が投与される前と試薬が投与された
後の生体試料の顕微鏡画像を撮像する撮像手段と、前記
顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す数値データを出力
する定量評価手段とを備えた。
【0006】請求項2記載の生体試料の形態変化検出シ
ステムは、請求項1記載の生体試料の形態変化検出シス
テムであって、試薬が投与された後の容器を所定の環境
下で保管するインキュベータを備えた。
【0007】請求項3記載の生体試料の形態変化検出シ
ステムは、請求項2記載の生体試料の形態変化検出シス
テムであって、前記試薬投与手段、撮像手段およびイン
キュベータの間で容器を搬送する搬送手段を備えた。
【0008】請求項4記載の生体試料の形態変化検出シ
ステムは、請求項1記載の生体試料の形態変化検出シス
テムであって、試薬投与前後の前記数値データを比較す
る形態変化評価部を備えた。
【0009】請求項5記載の生体試料の形態変化検出シ
ステムは、請求項1記載の生体試料の形態変化検出シス
テムであって、試薬投与後の顕微鏡画像の撮像は、生存
状態の生体試料に対して行う。
【0010】請求項6記載の生体試料の形態変化検出シ
ステムは、容器に収納された生体試料の形態変化を撮像
により検出する生体試料の形態変化検出システムであっ
て、前記生体試料に試薬を投与する試薬投与手段と、試
薬が投与された後の生体試料の顕微鏡画像を所定時間間
隔をおいて複数撮像する撮像手段と、前記顕微鏡画像内
の生体試料の状態を示す数値データを複数の顕微鏡画像
についてそれぞれ出力する定量評価手段とを備えたこと
を特徴とする生体試料の形態変化検出システム。
【0011】請求項7記載の生体試料の形態変化検出シ
ステムは、請求項6記載の生体試料の形態変化検出シス
テムであって、試薬が投与された後の容器を所定の環境
下で保管するインキュベータを備えた。
【0012】請求項8記載の生体試料の形態変化検出シ
ステムは、請求項7記載の生体試料の形態変化検出シス
テムであって、前記試薬投与手段、撮像手段およびイン
キュベータの間で容器を搬送する搬送手段を備えた。
【0013】請求項9記載の生体試料の形態変化検出シ
ステムは、請求項6記載の生体試料の形態変化検出シス
テムであって、複数の顕微鏡画像についてそれぞれ求め
た数値データを比較する形態変化評価部を備えた。
【0014】請求項10記載の生体試料の形態変化検出
システムは、請求項6記載の生体試料の形態変化検出シ
ステムであって、試薬投与後の顕微鏡画像の撮像は、生
存状態の生体試料に対して行う。
【0015】請求項11記載の生体試料の形態変化検出
方法は、容器に収納された生体試料の形態変化を撮像に
より検出する生体試料の形態変化検出方法であって、試
薬投与前の前記生体試料の顕微鏡画像を撮像する投与前
撮像工程と、投与前撮像工程によって取得された顕微鏡
画像内の生体試料の状態を示す投与前数値データを求め
て記憶する工程と、試薬投与から所定時間経過後の生体
試料の顕微鏡画像を前記投与前撮像工程と同じ倍率で撮
像する投与後撮像工程と、投与後撮像工程によって取得
された顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す投与後数値
データを求めて記憶する工程とを含む。
【0016】請求項12記載の生体試料の形態変化検出
方法は、請求項11記載の生体試料の形態変化検出方法
であって、試薬投与後の容器を所定の環境条件下で保管
する。
【0017】請求項13記載の生体試料の形態変化検出
方法は、請求項11記載の生体試料の形態変化検出方法
であって、前記投与前数値データと投与後数値データを
比較する工程とを備えた。
【0018】請求項14記載の生体試料の形態変化検出
方法は、請求項11記載の生体試料の形態変化検出方法
であって、前記第1撮像工程および第2撮像工程は、生
存状態の生体試料に対して行うようにした。
【0019】請求項15記載の生体試料の形態変化検出
方法は、容器に収納された生体試料の形態変化を撮像に
より検出する生体試料の形態変化検出方法であって、試
薬投与後の前記生体試料の顕微鏡画像を撮像する投与後
第1撮像工程と、投与後第1撮像工程によって取得され
た顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す第1の投与後数
値データを求めて記憶する工程と、前記投与後第1撮像
工程から所定時間経過後の生体試料の顕微鏡画像を前記
投与後第1撮像工程と同じ倍率で撮像する投与後第2撮
像工程と、投与後第2撮像工程によって取得された顕微
鏡画像内の生体試料の状態を示す第2の投与後数値デー
タを求めて記憶する工程とを含む。
【0020】請求項16記載の生体試料の形態変化検出
方法は、請求項15記載の生体試料の形態変化検出方法
であって、試薬投与後の容器を所定の環境条件下で保管
するようにした。
【0021】請求項17記載の生体試料の形態変化検出
方法は、請求項15記載の生体試料の形態変化検出方法
であって、前記第1の投与後数値データと第2の投与後
数値データを比較する工程とを備えた。
【0022】請求項18記載の生体試料の形態変化検出
方法は、請求項15記載の生体試料の形態変化検出方法
であって、前記投与後第1撮像工程および投与後第2撮
像工程は、生存状態の生体試料に対して行うようにし
た。
【0023】本発明によれば、試薬投与を伴う生体試料
の観察において、生体試料の顕微鏡画像を撮像して撮像
結果を数値データとして定量化することにより、生体試
料の形態変化を効率よくしかも客観性の高いデータで検
出することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の生化
学物質処理装置の斜視図、図2は本発明の一実施の形態
の生化学物質処理装置の構成を示すブロック図、図3は
本発明の一実施の形態の形態変化検出方法の説明図、図
4、図5は本発明の一実施の形態の形態変化検出方法に
おける顕微鏡画像を示す図である。
【0025】まず図1、図2を参照して生化学物質処理
装置について説明する。この生化学物質処理装置は、容
器に収納された生体試料に試薬投与を行った後にこの容
器を所定の環境条件下で保管し、顕微鏡観察や顕微鏡画
像の撮像を行うことにより生体試料の形態変化を検出す
るために用いられるものであり、生体試料の形態変化検
出システムを構成する。
【0026】図1において、生化学物質処理装置は、イ
ンキュベータ1と分注装置6より構成される。インキュ
ベータ1は略箱型の筐体2より成る。インキュベータ1
の前面には開閉自在な扉3が設けられ、側面には生体試
料を収納する容器であるプレートを出し入れするプレー
ト出し入れ口4が設けられている。プレート出し入れ口
4はシャッタ5を備えており、出し入れ操作時などの必
要時のみプレート出し入れ口4を開口するようになって
いる。
【0027】インキュベータ1と隣接して分注装置6が
配設されている。分注装置6の基台7の上面は分注ステ
ージ8となっており、分注ステージ8にはプレート9が
載置される。プレート9には、図1の付図に示すように
生体試料などを含む液状試料を収納するウェル9aが格
子状に多数設けられている。プレート9の側面には、そ
れぞれプレートの種類を識別する識別マークとしてのバ
ーコードラベル(図示せず)が貼付されている。バーコ
ードラベルを後述するバーコードリーダによって読み取
ることにより、各プレート9を自動的に識別できるよう
になっている。
【0028】分注ステージ8上にはXYテーブル11が
配設されており、XYテーブル11には多数の分注ティ
ップ13(分注ノズル)が装着された分注ヘッド12が
結合されている。XYテーブル11を駆動することによ
り分注ヘッド12は分注ステージ8内で水平移動し、載
置されたプレート9間で液状試料の分注をおこなう。こ
の分注操作において、試薬が収納されたプレート9から
試薬を吸引し、生体試料が収納されたプレート9に試薬
を吐出させることにより、生体試料に試薬を投与するこ
とができる。したがって分注装置6の分注ステージ8、
分注ヘッド12およびXYテーブル11は試薬投与手段
となっている。
【0029】また分注ステージ8上には、プレート搬送
機構14が設けられている。プレート搬送機構14は、
X軸テーブル15、Y軸テーブル16、Zθ軸テーブル
17およびZθ軸テーブル17に結合された搬送アーム
18より構成される。プレート搬送機構14を駆動する
ことにより、分注ステージ8上のプレート9を搬送アー
ム18によってクランプし、インキュベータ1の内部に
搬入しまたインキュベータ1から取り出す出し入れ作業
を、プレート出し入れ口4を介して行うことができる。
プレート出し入れ口4の側方には、バーコードリーダ1
9が配設されており、プレート搬送機構14によって搬
送されてきたプレート9の側面のバーコードラベルを読
み取ることにより、各プレート9が識別される。
【0030】プレート出し入れ口4に近接して、顕微鏡
観察部20が配設されている。顕微鏡観察部20は、分
注ステージ8上に設けられたXYステージ20aおよび
XYステージ20aの下方に配設された顕微鏡装置27
(図2)を備えている。観察対象の生体試料を収納した
プレート9をXYステージ20a上に載置し、鏡筒21
の接眼レンズを介して観察することにより、プレート9
内の生体試料を顕微観察することができるとともに、図
2に示すように顕微鏡装置27に備えられた光学系25
およびカメラ26によって、プレート9内の生体試料の
顕微鏡画像を撮像することができるようになっている。
【0031】したがって、顕微鏡観察部20は生体試料
の顕微鏡画像を撮像する撮像手段となっている。そし
て、プレート搬送機構14は、試薬投与手段である分注
ステージ8、撮像手段である顕微鏡装置20とインキュ
ベータ1との間でプレート9を搬送する搬送手段となっ
ている。
【0032】分注ステージ8の側方にはプレート収納部
22が配設されている。プレート収納部22は、垂直方
向に昇降するリフタ23にプレート載置棚24を多段に
設けた構成となっており、プレート載置棚24にはプレ
ート9が多段に収納される。プレート収納部22は、試
薬を収納したプレート9や、試料を収納したプレート9
など各種のプレート9が収納される。これらのプレート
9は搬送アーム18によってプレート収納部22から取
り出され、また処理後のプレート9は同様に搬送アーム
18によってプレート収納部22に戻し入れられる。
【0033】次に図2を参照して制御系の構成を説明す
る。図2において、インキュベータ制御部30は、イン
キュベータ1の動作や内部環境設定機能を制御する。プ
レート識別部31は、バーコードリーダ19からのバー
コードの読み取り信号に基づいてプレート9を識別す
る。画像処理部32はカメラ26によって撮像されたプ
レート9内の生体試料の撮像データを画像処理する。
【0034】この画像処理においては、画像の複雑さの
度合い等の各種指標に応じて定量化される数値データ、
例えば生体試料である細胞の広がりを面積で示す数値な
ど、細胞の画像形状や大きさ、位置に関する数値データ
の他、画面の輝度の総和や空間周波数など、画面を構成
する画像信号から抽出可能な数値データが検出される。
これらの数値データは生体試料の観察において形態変化
を定量化する定量指標として用いられる。したがって画
像処理部32は顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す数
値データを出力する定量評価手段となっている。
【0035】顕微鏡制御部33は、顕微鏡装置27を制
御してXYステージ20a上のプレート9内の生体試料
を観察・撮像する際の、焦点合わせや撮像などの動作制
御を行う。分注ヘッド制御部34は、XYテーブル11
を含めた分注ヘッド12の動作を制御する。リフタ制御
部35は、プレート収納部22のリフタ23の動作を制
御する。搬送ロボット制御部36は、搬送アーム18に
よってプレート9を搬送するプレート搬送機構14を制
御する。
【0036】記録処理部37は、プレート識別部31の
プレート識別結果と画像処理部32から出力される数値
データに基づいて、顕微鏡画像の記録処理を行い検査結
果のデータ作成を行う。この記録処理においては、顕微
鏡画像と画像処理部32から出力される数値データ、X
Yステージ20aの位置データおよび記録処理部37に
付設された時計38によって計時されたタイミングデー
タ、すなわち試薬投与時点からの経過時間が、プレート
の識別番号と関連付けられる。
【0037】検査結果記憶部40は、記録処理部37に
よって上記記録処理がなされた検査結果のデータを記憶
する。検査結果記憶部40には複数のデータ格納用の領
域41,42,43・・・が設けられており、各データ
格納領域には、前述の検査結果のデータが時系列的に順
次格納される。すなわち領域41には試薬投与前におけ
るデータが、そして領域42,43・・・には順次試薬
投与時点から所定時間経過後(例えば30分ごと)のデ
ータが格納される。
【0038】形態変化評価部45は、同一プレートに収
納された生体試料について、異なるタイミングにおける
検査結果、すなわち検査結果記憶部40の異なるデータ
格納用の領域に記憶された数値データを比較して、生体
試料の成長度や活性度等の変化を数値化し、形態変化が
所定の条件を超えたプレート9の識別番号を出力する。
表示処理部46は、前記形態変化の数値比較結果と、検
査結果記憶部40から読み出された検査結果とを組み合
わせて表示するための表示処理を行う。表示部47はモ
ニタであり、表示処理部46によって表時処理された画
面を表示する。
【0039】この生化学物質処理装置は上記のように構
成されており、以下本生化学物質処理装置によって行わ
れる生体試料の形態変化検出方法について説明する。こ
の生体試料の形態変化検出は、細胞などの生体試料を培
養し評価するスクリーニングにおいて、生存状態の生体
試料の顕微鏡画像を撮像することにより形態変化の定量
指標を求め、この定量指標によって形態変化を判定する
ものである。本実施の形態では、試薬投与前後における
生体試料の形態変化、および試薬投与後の時間経過に伴
う生体試料の形態変化を対象としている。
【0040】図3(a)はスクリーニングにおける処理
タイミング、すなわちスクリーニング対象の生体試料を
収納したプレート9に対しての試薬投与のタイミング
と、その後に行われる顕微鏡画像の撮像による計測処理
のタイミングを示している。まず初めに、初期計測が試
薬投与前に行われる。この初期計測時には、まずプレー
ト収納部22から当該プレート9をプレート搬送機構1
4の搬送アーム18によって取り出し、バーコードリー
ダ19によって識別番号を読み取って識別した後、顕微
鏡観察部20のXYステージ20a上に載置する。
【0041】そしてXYステージ20aによってプレー
ト9を水平移動させながら顕微鏡の鏡筒21の接眼レン
ズを透して観察することにより、観察対象のウェル9a
内における所望の撮像位置を見出したならば、カメラ2
6によって当該ウェル9aを撮像して生体試料の顕微鏡
画像を取得する(投与前撮像工程)。このとき撮像時の
XYステージ20aの位置データが取得され記憶され
る。これにより、同一対象を再度観察・撮像する必要が
生じた場合に、即座に当該撮像位置を再現できる。そし
てこの撮像によって取得された顕微鏡画像を画像処理部
32によって画像処理することにより、顕微鏡画像内の
生体試料の状態を示す形態変化の定量指標である数値デ
ータ(投与前数値データ)を求める。
【0042】ここで求められる顕微鏡画像および定量指
標について説明する。図4、図5はウェル9a内を撮像
した顕微鏡画像の例を示しており、それぞれ細胞の分裂
状態、細胞の樹状突起の成長状態が観察対象項目となっ
ている。図4(a)、図5(a)はそれぞれ試薬投与前
の初期計測時の顕微鏡画像を示しており、図4(b)、
図5(b)はそれぞれ試薬投与後に所定時間のインキュ
ベーションを行った後の顕微鏡画像である。
【0043】これらの画像から形態変化の定量指標を求
めるには、公知の画像処理技術が応用される。例えば図
4のように細胞51の分裂状態を評価することが目的で
ある場合には、1つの細胞51を示す画像内でのかたま
りを検出し、これらのかたまりの数の総和を求めて定量
指標とする方法、または細胞の検出が単に画像上におけ
る輝度の相違によって可能な場合には、輝度値の総和を
求めて定量指標とする方法など、対象に応じて各種の定
量指標を用いることができる。いずれの場合にあって
も、細胞の分裂状態を数値データによって客観的に定量
評価することができる。
【0044】また図5に示すように、細胞52から延出
する樹状突起52aを観察対象とする例では、樹状突起
52aを画像上でサーチして樹状突起52aに相当する
部分の長さに相当する数値データ、例えば画素数の総和
を求める方法、さらには画像データの符号化処理によっ
て定量指標を求める方法など、各種の画像処理の手法を
用いることができる。
【0045】初期計測後のプレート9は、再び搬送アー
ム18によって搬送されて分注ステージ8に搬送され、
ここで分注ヘッド12によって試薬投与が行われる。次
いで試薬投与後のプレート9は、インキュベータ1内の
所定位置に載置される。そして所定の初期インターバル
T0が経過した後、プレート9はインキュベータ1から
取り出されて識別された後、再び顕微鏡観察部20のX
Yステージ20a上に載置され、前述と同様の計測が行
われる。この計測においては、識別番号に基づいて初期
計測時のデータが検査結果記憶部40から読み出され、
初期計測時と同一撮像条件、すなわち同一撮像位置、同
一倍率で撮像される(投与後撮像工程)。そして初期計
測と同様の方法によって、この撮像によって取得された
顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す数値データ(投与
後数値データ)を求める。
【0046】この後、図3(a)に示すように継続イン
ターバルTごとに同様の顕微鏡画像の撮像および数値デ
ータ取得による計測処理が反復して行われる、すなわ
ち、試薬投与後の生体試料の顕微鏡画像を撮像する工程
(投与後第1撮像工程)と、この撮像後所定時間経過後
の生体試料を同じ倍率で撮像する工程(投与後第2撮像
工程)が反復される。そして、投与後第1撮像工程、投
与後第2撮像工程によって取得された顕微鏡画像内の生
体試料の状態をそれぞれ示す第1の投与後数値データ、
第2の投与後数値データが前述と同様の方法で求められ
る。求められたこれらの数値データは、各計測インター
バルごとに逐次検査結果記憶部40に記憶される。
【0047】試薬投与後から上記計測処理までの初期イ
ンターバルとその後の継続インターバルでは、プレート
9はインキュベータ1内に保管されて所定環境条件下で
のインキュベーションが行われる。なお、図3(a)に
示す初期インターバルT0、継続インターバルTの設定
は任意であり、全てを同一時間としてもよく、また全て
異なる時間に設定してもよい。初期インターバルT0や
継続インターバルTの時間が短くなる場合は、プレート
9をインキュベータ1へ搬入しなくてもよい。
【0048】このようにして求められ検査結果記憶部4
0に記憶された数値データに基づき、形態変化評価部4
5は各種の評価を行う。図3(b)はこのようにして行
われる形態変化の評価を示すものである。図3(b)に
おいて、横軸は時間の経過を、縦軸は計測によって得ら
れた数値データ、すなわち形態変化の定量指標であり、
グラフ上には2つの観察対象について行ったスクリーニ
ングの結果がプロットされ、折れ線グラフとして表示さ
れている。
【0049】ここで、折れ線A,Bによって示される計
測結果は、それぞれ同一生体試料に対して異なる種類の
試薬を投与し、同一条件のインキュベーションを行った
場合の計測結果を示すものである。このグラフは形態変
化評価部45によって読み込まれた数値データを表示処
理部46によって表示処理し、表示部47のモニタ上に
表示させることにより作成される。このように計測結果
をグラフ表示させることにより、生体試料の形態変化を
視覚的に判断することができ、客観的な評価を的確に行
うことが可能となっている。
【0050】上記スクリーニングにおいては、試薬投与
後のプレートはインキュベータ1内にて生体試料が生存
状態のまま所定環境条件下で保管され培養される。そし
て前述の撮像による計測は、生存状態の生体試料に対し
て行われる。したがって、同一の生体試料を対象とし
て、培養時間の経過に伴う形態変化を追跡観察し定量デ
ータ化することが可能となっている。
【0051】すなわち、従来は染色処理などの可視化処
理を行うことによって死滅した状態でしか行えなかった
生体試料の観察・定量データ化処理を、同一試料を対象
として追跡して行うことが可能となり、スクリーニング
によって得られる情報を量的にもまた質的にも改善する
ことができるとともに、スクリーニングに伴う作業を効
率化することが可能となっている。
【0052】また本実施の形態においては、試薬投与の
ための分注処理、インキュベータ内での保管および撮像
による分析・計測処理を同一の装置内で行えるようにな
っており、しかもこれら各機能間におけるプレートの搬
送を自動的に行うことができるため、複雑なプロセスを
要するスクリーニング作業を効率的に遂行することがで
きる。
【0053】なお、本実施の形態では上記各機能を1つ
の生化学処理装置にて行う例を示したが、各部の機能を
分散して有する単位機器を統合して形態変化検出システ
ムを構成するようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、試薬投与を伴う生体試
料の観察において、生体試料の顕微鏡画像を撮像して撮
像結果を数値データとして定量化することにより、生体
試料の形態変化を効率よくしかも客観性の高いデータで
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の生化学物質処理装置の
斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の生化学物質処理装置の
構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施の形態の形態変化検出方法の説
明図
【図4】本発明の一実施の形態の形態変化検出方法にお
ける顕微鏡画像を示す図
【図5】本発明の一実施の形態の形態変化検出方法にお
ける顕微鏡画像を示す図
【符号の説明】
1 インキュベータ 6 分注装置 8 分注ステージ 9 プレート 11 XYテーブル 12 分注ヘッド 14 プレート搬送機構 20 顕微鏡観察部 26 カメラ 27 顕微鏡装置 32 画像処理部 37 記録処理部 40 検査結果記憶部 45 形態変化評価部

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器に収納された生体試料の形態変化を撮
    像により検出する生体試料の形態変化検出システムであ
    って、前記生体試料に試薬を投与する試薬投与手段と、
    試薬が投与される前と試薬が投与された後の生体試料の
    顕微鏡画像を撮像する撮像手段と、前記顕微鏡画像内の
    生体試料の状態を示す数値データを出力する定量評価手
    段とを備えたことを特徴とする生体試料の形態変化検出
    システム。
  2. 【請求項2】試薬が投与された後の容器を所定の環境下
    で保管するインキュベータを備えたことを特徴とする請
    求項1記載の生体試料の形態変化検出システム。
  3. 【請求項3】前記試薬投与手段、撮像手段およびインキ
    ュベータの間で容器を搬送する搬送手段を備えたことを
    特徴とする請求項2記載の生体試料の形態変化検出シス
    テム。
  4. 【請求項4】試薬投与前後の前記数値データを比較する
    形態変化評価部を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の生体試料の形態変化検出システム。
  5. 【請求項5】試薬投与後の顕微鏡画像の撮像は、生存状
    態の生体試料に対して行うことを特徴とする請求項1記
    載の生体試料の形態変化検出システム。
  6. 【請求項6】容器に収納された生体試料の形態変化を撮
    像により検出する生体試料の形態変化検出システムであ
    って、前記生体試料に試薬を投与する試薬投与手段と、
    試薬が投与された後の生体試料の顕微鏡画像を所定時間
    間隔をおいて複数撮像する撮像手段と、前記顕微鏡画像
    内の生体試料の状態を示す数値データを複数の顕微鏡画
    像についてそれぞれ出力する定量評価手段とを備えたこ
    とを特徴とする生体試料の形態変化検出システム。
  7. 【請求項7】試薬が投与された後の容器を所定の環境下
    で保管するインキュベータを備えたことを特徴とする請
    求項6記載の生体試料の形態変化検出システム。
  8. 【請求項8】前記試薬投与手段、撮像手段およびインキ
    ュベータの間で容器を搬送する搬送手段を備えたことを
    特徴とする請求項7記載の生体試料の形態変化検出シス
    テム。
  9. 【請求項9】複数の顕微鏡画像についてそれぞれ求めた
    前記数値データを比較する形態変化評価部を備えたこと
    を特徴とする請求項6記載の生体試料の形態変化検出シ
    ステム。
  10. 【請求項10】試薬投与後の顕微鏡画像の撮像は、生存
    状態の生体試料に対して行うことを特徴とする請求項6
    記載の生体試料の形態変化検出システム。
  11. 【請求項11】容器に収納された生体試料の形態変化を
    撮像により検出する生体試料の形態変化検出方法であっ
    て、試薬投与前の前記生体試料の顕微鏡画像を撮像する
    投与前撮像工程と、投与前撮像工程によって取得された
    顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す投与前数値データ
    を求めて記憶する工程と、試薬投与から所定時間経過後
    の生体試料の顕微鏡画像を前記投与前撮像工程と同じ倍
    率で撮像する投与後撮像工程と、投与後撮像工程によっ
    て取得された顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す投与
    後数値データを求めて記憶する工程とを含むことを特徴
    とする生体試料の形態変化検出方法。
  12. 【請求項12】試薬投与後の容器を所定の環境条件下で
    保管することを特徴とする請求項11記載の生体試料の
    形態変化検出方法。
  13. 【請求項13】前記投与前数値データと投与後数値デー
    タを比較する工程とを備えたことを特徴とする請求項1
    1記載の生体試料の形態変化検出方法。
  14. 【請求項14】前記投与前撮像工程および投与後撮像工
    程は、生存状態の生体試料に対して行うことを特徴とす
    る請求項11記載の生体試料の形態変化検出方法。
  15. 【請求項15】容器に収納された生体試料の形態変化を
    撮像により検出する生体試料の形態変化検出方法であっ
    て、試薬投与後の前記生体試料の顕微鏡画像を撮像する
    投与後第1撮像工程と、投与後第1撮像工程によって取
    得された顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す第1の投
    与後数値データを求めて記憶する工程と、前記投与後第
    1撮像工程から所定時間経過後の生体試料の顕微鏡画像
    を前記投与後第1撮像工程と同じ倍率で撮像する投与後
    第2撮像工程と、投与後第2撮像工程によって取得され
    た顕微鏡画像内の生体試料の状態を示す第2の投与後数
    値データを求めて記憶する工程とを含むことを特徴とす
    る生体試料の形態変化検出方法。
  16. 【請求項16】試薬投与後の容器を所定の環境条件下で
    保管することを特徴とする請求項15記載の生体試料の
    形態変化検出方法。
  17. 【請求項17】前記第1の投与後数値データと第2の投
    与後数値データを比較する工程とを備えたことを特徴と
    する請求項15記載の生体試料の形態変化検出方法。
  18. 【請求項18】前記投与後第1撮像工程および投与後第
    2撮像工程は、生存状態の生体試料に対して行うことを
    特徴とする請求項15記載の生体試料の形態変化検出方
    法。
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