JP6271363B2 - 医療用ネジのドライバー - Google Patents

医療用ネジのドライバー

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本発明は医療用ネジのドライバーに関し、更に詳しくは、医療用ネジを生体硬組織の所定箇所にねじ込んだ後に、ドライバー軸先端の係合軸部を医療用ネジの被係合孔から容易に抜き取ることができるように改良した、操作性の良いドライバーに関する。
医療用ネジの孔にドライバー軸の先端部を嵌合して生体硬組織にねじ込むと、ドライバー軸の先端部が医療用ネジの孔に圧入、密着して、ドライバー軸の先端部を医療用ネジの孔から引抜き難くなるという問題がある。
かかる問題を解決する医療用ネジのドライバーとして、握り部と、該握り部の一端部に突設されたドライバー軸と、該ドライバー軸の基端部に形成された雄ネジと、該ドライバー軸の外側に移動可能に嵌入されるとともに上記雄ネジに螺合する雌ネジを備えた筒体と、該筒体に設けられた回転ハンドルとを備え、上記ドライバー軸の先端が医療用ネジのドライブ孔に嵌入するビット先に形成されたドライバーが知られている(特許文献1)。
このドライバーは、医療用ネジを生体の硬組織にねじ込んだ後、筒体の回転ハンドルを回転させて、ドライバー軸の雄ネジと筒体の雌ネジとで筒体を前進させながら、筒体の先端で医療用ネジの頭部を押していき、相対的にドライバー軸先端のビット先を後退させることによって、ビット先を医療用ネジのドライブ孔から抜き取ることができるものである。
特開2001−17440号公報
しかしながら、上記特許文献1のドライバーは、医療用ネジのドライブ孔からドライバー軸先端のビット先を抜き取る際に、筒体の回転ハンドルを回転させて筒体を回転、前進させることが必要であるため、この筒体の回転操作が意外に面倒で手間がかかり、操作性が良くないという問題があった。
また、筒体の先端が医療用ネジの頭部に接触しながら回転するため、医療用ネジの頭部に傷が生じたり、削り屑が発生して周囲の生体組織に付着する虞れもあった。
本発明は上記事情の下になされたもので、その解決しようとする課題は、医療用ネジを生体硬組織の所定箇所にねじ込んだ後に、ドライバー軸先端の係合軸部を医療用ネジの被係合孔から容易に抜き取ることができ、医療用ネジに傷が付いたり削り屑が生じたりする心配もない、操作性の良好な医療用ネジのドライバーを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る医療用ネジのドライバー(以下、ドライバーという)は、
医療用ネジの被係合孔に挿入されて被係合孔と係合する係合軸部を先端に備えたドライバー軸と、
ドライバー軸に沿って前後にスライド自在なスライド部と、
スライド部がそのスライド範囲の前端までスライドしたときスライド部をドライバー軸に仮固定し、後方に向かう所定以上の力をスライド部に加えると仮固定を解除するスライド部仮固定手段と、
ドライバー軸に設けられ、スライド部がそのスライド範囲の後端までスライドしたときにスライド部を当止するストッパーと、
を有することを特徴とする。
本発明のドライバーにおいては、スライド部がドライバーの握り部を兼ねたものであることが望ましい。
また、ドライバー軸に沿って前後にスライドしない固定部であって、スライド部がそのスライド範囲の前端までスライドしたときにスライド部の前端を当止する固定部を、ドライバー軸の周りに有することも望ましい。
そして、上記固定部に、ドライバー軸のロック態様を、左回転ロック、右回転ロック、両回転ロックの三態様に切り替えるラチェット機構が設けられていることも望ましい。
更に、スライド部仮固定手段は、後方に向かう1N以上の力をスライド部に加えると仮固定を解除するものであることが望ましく、また、スライド部の質量は0.1kg以上であることが望ましい。
本発明のドライバーは、次の要領で使用する。まず、ドライバー軸の先端の係合軸部を医療用ネジの被係合孔に挿入、係合させ、ドライバー軸を回転させながら、医療用ネジを生体の硬組織の所定箇所にねじ込む。このようにねじ込むと、ドライバー軸の先端の係合軸部が医療用ネジの被係合孔に圧入、密着して、被係合孔から引抜き難くなる。そこで、係合軸部を引抜く際に、スライド部に後方に向かう所定以上の力を加え、スライド部仮固定手段によるスライド部の仮固定を解除すると同時にスライド部をドライバー軸沿いにスライド範囲の前端から後端まで勢い良くスライドさせて、ドライバー軸に設けたストッパーにスライド部を衝突させて当止し、所謂スラップハンマー機能を発揮させる。このようにスラップハンマー機能を発揮させると、後方に向かう衝撃力(引抜き力)がストッパーからドライバー軸の先端の係合軸部に伝わり、医療用ネジの被係合孔と係合軸部が衝撃力で離反するので、係合軸部を医療用ネジの被係合孔からスムーズに引抜くことができる。
また、本発明のドライバーのように、スラップハンマー機能を発揮させてドライバー軸の係合軸部を医療用ネジの被係合孔から引き抜くと、前記特許文献1のドライバーのように筒体を回転させて係合軸部を引き抜くものに比べて、引抜き操作が遥かに簡単になり、しかも、筒体の回転によって医療用ネジの頭部に傷がついたり、削り屑が発生して周囲の生体組織に付着する心配も解消することが可能となる。
本発明のドライバーにおいて、スライド部がドライバーの握り部を兼ねたものであると、握り部を後方にスライドさせてスラップハンマー機能を発揮できるので、操作性が向上する利点があり、しかも、握り部とは別にスライド部を設ける必要がないので、部品点数の増加を抑えることができる。
また、ドライバー軸に沿って前後にスライドしない固定部であって、スライド部がそのスライド範囲の前端までスライドしたときにスライド部の前端を当止する固定部を、ドライバー軸の周りに設けると、この固定部と前記ストッパーによってスライド部のスライド範囲(換言すればスラップストローク)を規制することができる。
そして、この固定部に、ドライバー軸のロック態様を、左回転ロック、右回転ロック、両回転ロックの三態様に切り替えるラチェット機構が設けられていると、ラチェット機構でドライバー軸のロック態様を切り替えて、医療用ネジのねじ込み作業や緩め作業を容易に行うことができる。
更に、スライド部仮固定手段が、後方に向かう1N以上の力をスライド部に加えると仮固定を解除するものであり、また、スライド部の質量が0.1kg以上であると、操作する人の手の重さも合わさってスラップハンマー機能を発揮させたときに、医療用ネジの被係合孔からドライバー軸の先端の係合軸部を引抜くのに充分な衝撃力(引抜き力)が得られるので、係合軸部を確実に引抜くことができる。
本発明に係るドライバーの基本的な構成を示す概略断面図である。 スライド部を後方にスライドさせてスラップハンマー機能を発揮させた状態の同ドライバーの概略断面図である。 本発明の具体的な一実施形態に係るドライバーの断面図である。 スラップハンマー機能を発揮させた状態の同ドライバーの断面図である。 図4のA−A線断面図である。 同ドライバーの部分断面図である ドライバー軸前部を抜き取った状態の同ドライバーの部分断面図である。 図3のB−B線断面図であって、両回転ロックの状態にあるラチェット機構を示したものである。 図3のB−B線断面図であって、左回転ロックの状態に切り替えたラチェット機構を示したものである。
以下、図面を参照して、本発明に係るドライバーの基本的な構成と、具体的な実施形態について説明する。
図1は本発明に係るドライバーの基本的な構成を示す概略断面図、図2はスライド部を後方にスライドさせてスラップハンマー機能を発揮させたところを示す同ドライバーの概略断面図である。
この基本的な構成のドライバー100は、図1,図2に示すように、ドライバー軸1と、スライド部2と、スライド部仮固定手段3と、ストッパー4と、ドライバー軸1の周りの固定部5と、ラチェット機構6とを有するものであって、ドライバー軸1は、医療用ネジ7の被係合孔7aに挿入されて被係合孔7aと周方向に係合する係合軸部1aを先端に備えており、このドライバー軸1の後部は外筒8に挿入されている。
スライド部2はドライバーの握り部9を兼ねた中空部材であって、ドライバー軸1に沿って前後にスライド自在となるように外筒8の周りに装着されており、このスライド部2の前部と、内径が拡大された中間部及び後部との間には、段差内面2aが形成されている。なお、スライド部2の内径が拡大されていない前部と外筒8は、キーとキー溝などの空回り防止手段(不図示)によって空回りしないように構成されている。
スライド部仮固定手段3は、スライド部2が図1に示すようにスライド範囲の前端までスライドした状態にあるときに、スライド部2がドライバー軸1に沿って後方にスライドしないように、ストッパー4を介してスライド部2とドライバー軸1の外筒8を仮固定するものであって、後方に向かう所定以上の力がスライド部2に加えられると、仮固定が解除されてスライド部2が勢い良く後方へスライドするようになっている。かかるスライド部仮固定手段3の具体例としては、後述するボールプランジャーやマグネットなどが挙げられる。なお、スライド部仮固定手段3は、固定部5とスライド部2の間に設けてもよい。
ストッパー4はドライバー軸1の外筒8の後端部の周りに設けられ、図1に示すようにスライド部2がそのスライド範囲の前端から、図2に示すようにスライド範囲の後端まで勢い良くスライドしたときに、スライド部2の段差内面2aを衝突させて当止し、スラップハンマー機能を発揮させるものである。
ドライバー軸1の中間部を囲繞する固定部5は外筒8の前端に一体的に形成されており、ドライバー軸1に沿って前後にスライドできないようになっている。この固定部5は、図1に示すように、スライド部2がそのスライド範囲の前端までスライドしたときに、スライド部2の前端を当止するものであって、この固定部5には、ドライバー軸1のロック態様を、左回転ロック、右回転ロック、両回転ロックの三態様に切り替えるラチェット機構6が設けられている。
上記構成のドライバー100は、ドライバー軸1の先端の係合軸部1aを医療用ネジ7の被係合孔7aに挿入、係合させ、握り部9を兼ねたスライド部2によってドライバー軸1を回転させながら、医療用ネジ7を生体の硬組織の所定箇所にねじ込む。このようにねじ込むと、係合軸部1aが医療用ネジ7の被係合孔7aに圧入、密着して、被係合孔7aから引抜き難くなるので、係合軸部1aを引抜く際に、スライド部2に後方に向かう所定以上の力を加えて、スライド部仮固定手段3によるスライド部2の仮固定を解除すると同時に、スライド部2を図2に示すようにドライバー軸1沿いにスライド範囲の前端から後端まで勢い良くスライドさせ、スライド部2の段差内面2aをストッパー4に衝突させてスラップハンマー機能を発揮させる。このようにスラップハンマー機能を発揮させると、後方に向かう衝撃力(引抜き力)がストッパー4から外筒8を介してドライバー軸1先端の係合軸部1aに伝わり、医療用ネジ7の被係合孔7aと係合軸部1aが衝撃力で離反して、係合軸部1aを医療用ネジ7の被係合孔7aから簡単かつスムーズに引抜くことができる。従って、前記特許文献1のドライバーに比べると操作性が著しく向上し、医療用ネジ7の頭部に傷がついたり、削り屑が発生して周囲の生体組織に付着する心配もなくなる。
本発明にかかるドライバーは、医療用ネジに用いるドライバーであり、医療用ネジ7が靱帯固定用の高分子材料からなるネジの場合に特に好ましく用いられる。靱帯固定用のネジの場合、図1に記載のようにネジ内部に被係合孔7aが設けられ、ドライバー軸先端にある係合軸部1aを係合させる形態であり、両者間で係合する面積が多く、密着しやすいのである。また、ネジが高分子材料である場合は、金属に比べて弾性率が低く、回転時の応力が大きい場合には微小な弾性変形により、ネジ内部の被係合孔とドライバー軸先端の係合軸部が密着しやすい方向にある。
しかも、このドライバー100は、スライド部2がドライバーの握り部9を兼ねているので、スラップハンマー機能を発揮させる際に、握り部9からスライド部2に持ち替える必要がなく、握り部9(スライド部2)を握ったままスライドさせてスラップハンマー機能を発揮できる利便さがあり、また、握り部9とは別にスライド部2を設ける必要がないので部品点数の増加を抑えることもできる。
更に、このドライバー100は、スライド部2がそのスライド範囲の前端までスライドしたときにスライド部2の前端を当止する固定部5を設けてあるので、この固定部5とストッパー4によってスライド部2のスライド範囲(換言すればスラップストローク)を規制でき、しかも、この固定部5には、ドライバー軸1のロック態様を、左回転ロック、右回転ロック、両回転ロックの三態様に切り替えるラチェット機構6を設けてあるので、該ラチェット機構6でドライバー軸1のロック態様を切り替えて、医療用ネジ7のねじ込み作業や緩め作業を容易に行うことができる。
図3は本発明の具体的な一実施形態に係るドライバーの縦断面図、図4はスラップハンマー機能を発揮させた状態の同ドライバーの縦断面図、図5は図4のB−B線断面図、図6は同ドライバーの部分断面図、図7はドライバー前軸を抜き取った状態の同ドライバーの部分断面図、図8,図9はいずれも図3のA−A線断面図であって、図8は両回転ロックの状態にあるラチェット機構を、図9は左回転ロックの状態に切り替えたラチェット機構を示している。
この実施形態に係るドライバー110のドライバー軸は、図3,図4に示すように、ドライバー前軸10とドライバー後軸11とに分割されており、ドライバー前軸10の後端のビット部10bは、後述するように、ドライバー110の前軸保持部21に脱着可能に保持されている。ドライバー前軸10とドライバー後軸11は、いずれも中心線に沿って貫通するワイヤ挿通孔10c,11cを形成した中空軸であって、ドライバー前軸10の先端には、医療用ネジ7の六角形の被係合孔7aに挿入されて周方向に係合する小径の六角形の係合軸部10aが先窄まりのテーパー状に形成されている。
ドライバー後軸11は、図8,図9に示すラチェット機構19のラチェット軸となるもので、図3〜図5に示すように外筒12に挿入されており、この外筒12の周りには、握り部13を兼ねた中空のスライド部14が装着されている。外筒12の外周面には、90°の間隔をあけて4つのキー溝12aが前後方向に形成されており、これらのキー溝12aには、スライド部14の前部空洞に挿入、固定されたフランジ15の4つのキー15a(フランジ15の内周面に突設された前後方向に細長い4つのキー15a)がスライド自在に嵌め込まれて、キー溝12aと周方向に係合している。従って、スライド部14(握り部13)は、ドライバー後軸11の周りの外筒12に沿って前後方向にスライド自在であるが、外筒12に対して周方向に空回りしないようになっている。
図3,図4に示すように、外筒12の前端には鍔状の固定部16が固着されており、スライド部14(握り部13)が図3に示すようにスライド範囲の前端までスライドしたときに、スライド部14の前端が固定部16によって当止されるようになっている。一方、外筒12の後端部に形成された小径のネジ筒部には、ストッパーとしてナット17が螺合固定されており、図4に示すようにスライド部14がスライド範囲の後端までスライドしたときに、スライド部14の内部の前記キー15aがナット17に当たって、スライド部14が停止するようになっている。このように、スライド部14(握り部13)の前後方向のスライド範囲は、固定部16とナット17(ストッパー)によって規制されている。
スライド部14(握り部13)の後端部には、スライド部仮固定手段として上下一対のボールプランジャー18が埋設されている。このボールプランジャー18は、スライド部14が図3に示すようにスライド範囲の前端までスライドした状態にあるときに、プランジャー18の先端のボールを前記ナット17の外周面の溝に押し付けることにより、スライド部14を後方にスライドしないように仮固定するものであって、後方に向かう所定以上の力をスライド部14に加えると、プランジャー18の先端のボールがナット17の外周面の溝から外れて仮固定が解除され、スライド部14が勢い良く後方へスライドして、図4に示すようにスライド部14の内部のキー15aがナット17(ストッパー)に衝突し、スラップハンマー機能が発揮されるようになっている。
なお、スライド部仮固定手段としては、マグネットや弾性係止片なども使用可能であり、例えばマグネットを使用する場合は、固定部16とスライド部14の前端面との間に設けることが望ましい。
固定部16の前側には、図3,図4に示すように、ラチェット機構19が組み込まれると共に、固定部16にネジ止めされた押えカバー20でカバーされている。このラチェット機構19は、図3,図4,図8,図9に示すように、ラチェット軸となるドライバー後軸11と、ラチェットギア19aと、切り替えリング19bと、左右の噛合爪19c,19dと、これらの噛合爪をラチェットギア19aに向かって付勢する捻じりバネ19eとを備えたものであって、ラチェットギア19aは、ドライバー後軸11の前端部に回転自在に外嵌着された前軸保持筒21aの後端部に形成されている。
このラチェット機構19は、図8に示すように、左右の噛合爪19c,19dがラチェットギア19aに噛合した状態では右回転も左回転もロックされるが、図9に示すように、切り替えリング19bを回して右側の噛合爪19dの噛合いを外すと左回転がロックされ、切り替えリング19bを反方向に回して左側の噛合爪19cの噛合いを外すと右回転がロックされるようになっている。
このドライバー110の前軸保持部21は、図3,図4,図6,図7に示すように、ドライバー後軸11の前端部に回転自在に外嵌着された前軸保持筒21aと、この前軸保持筒21aの前部にスライド可能に外嵌着された鍔付き外筒21bと、この鍔付き外筒21bを前方へ付勢するスプリング21cと、前軸保持筒21aの前端近くの複数(4つ)のボール保持孔に保持されたボール21dと、前軸保持筒21aの前端の小径ネジ筒部に螺合固定された鍔付き外筒抜け止め用のナット21eを有するものであって、図6に示すように、前軸保持筒21aにドライバー前軸10の後端のビット部10bを挿入すると共に、ボール21dをドライバー前軸10の後端部の溝10dに嵌め込んで、鍔付き外筒21bの内面でボール21aが溝10dから外れないように押えることにより、ドライバー前軸10を前軸保持筒21aに対して空回りしないように、且つ、前軸保持筒21aから抜け出さないように保持するものである。
そして、図7に示すように、スプリング21cの付勢力に抗して鍔付き外筒21bを後方へスライドさせると、ボール21dが鍔付き外筒21bの内周面前端の浅溝部に逃げてドライバー前軸10の溝10dから外れるため、ドライバー前軸10のビット部10bを簡単に抜き取ることができるものである。
なお、図3,図4において、22はスライド部14(握り部13)の後端開口を塞ぐエンドカバーであり、このエンドカバー22の中心にもワイヤ挿通孔22aが形成されている。
次に、このドライバー110を用いて医療用ネジ7を生体硬組織の所定箇所にねじ込み、ドライバー前軸10の先端の係合軸部10aを医療用ネジ7の被係合孔7aから抜き取る作業について説明する。
予め、生体硬組織の所定箇所にガイドワイヤ(不図示)の先端を固定し、このガイドワイヤで穿孔治具とタップ治具を生体硬組織の所定箇所まで誘導して、孔を形成すると共にタップを立てることにより、生体内分解吸収性の医療用ネジ7をねじ込むネジ孔を生体硬組織の所定箇所に形成する。
そして、ドライバー前軸10の先端の係合軸部10aを医療用ネジ7の被係合孔7aに挿入して、医療用ネジ7をドライバー前軸10の先端に取付け、生体硬組織のネジ孔形成箇所に先端が固定されているガイドワイヤを、医療用ネジ7の被係合孔7aの先端から、ドライバー前軸10、ドライバー後軸11、エンドカバー22のそれぞれのワイヤ挿通孔10c,11c,22aに挿通し、このガイドワイヤに沿って、医療用ネジ7を取付けたドライバー前軸10の先端を生体硬組織のネジ孔まで誘導して、ドライバー110のスライド部14(握り部13)を手で回すことにより、医療用ネジ7を生体硬組織のネジ孔にねじ込む。
上記のように医療用ネジ7を生体硬組織のネジ孔にねじ込むと、ドライバー前軸10の先端の係合軸部10aが、医療用ネジ7の被係合孔7aに圧入、密着して、被係合孔7aから引抜き難くなる。そこで、スライド部14(握り部13)を手で握ったまま後方に向かう所定以上の力を加えて、ボールプランジャー18(スライド部仮固定手段)によるスライド部14の仮固定を解除すると同時に、スライド部14を図4に示すようにスライド範囲の後端まで勢い良くスライドさせ、スライド部14の内部のキー15aをナット17(ストッパー)に衝突させてスラップハンマー機能を発揮させる。このようにスラップハンマー機能を発揮させると、後方に向かう衝撃力(引抜き力)がナット17から外筒12、ドライバー後軸11、前軸保持筒21aを介してドライバー前軸10の先端の係合軸部19aに伝わり、医療用ネジ7の被係合孔7aと係合軸部10aが衝撃力で離反して、係合軸部10aを医療用ネジ7の被係合孔7aから簡単かつスムーズに引抜くことができる。
スラップハンマー機能は、ボールプランジャー18(スライド部仮固定手段)によるスライド部14の仮固定を解除させるのに必要な力の大きさ、及び、スライド部14(握り部13)の質量が大きくなるほど強く発揮され、衝撃力が大きくなる。従って、医療用ネジ7の被係合孔7aとドライバー前軸10の係合軸部10aを容易に離反させるのに充分な衝撃力を得るためには、ボールプランジャー18(スライド部仮固定手段)が、後方に向かう1N以上の力をスライド部14に加えると仮固定を解除するものであること、及び、スライド部14(握り部13)が0.1kg以上の質量を有するものであることが望ましい。
なお、スラップストローク(スライド部14のスライド距離)は、スライド部14(握り部13)の長さを考慮して、30〜150mmに設定するのが適当である。
また、このドライバー110はラチェット機構19を有しており、前述したように、切り替えリング19bを回して噛合爪19c,19dとラチェットギア19aとの噛合い変更することで、ドライバー前軸10のロック態様を、左回転ロック、右回転ロック、両回転ロックの三態様に切り替えることができるため、医療用ネジ7のねじ込み作業や緩め作業を容易に行うことができる。
以上の説明から理解できるように、このドライバー110は医療用ネジ7のねじ込み作業や緩め作業を容易に行うことができ、しかも、医療用ネジ7をねじ込んだ後、スラップハンマー機能を発揮させてドライバー前軸10先端の係合軸部10aを医療用ネジ7の被係合孔7aから容易に抜き取ることができるので、操作性に優れており、前記特許文献1のドライバーのように、医療用ネジ7の頭部に傷がついたり、削り屑が発生して周囲の生体組織に付着するなどの不都合も解消することができる。
1 ドライバー軸
1a,10a 係合軸部
2,14 スライド部
3 スライド部仮固定手段
4 ストッパー
5,16 固定部
6,19 ラチェット機構
7 医療用ネジ
7a 被係合孔
8,12 外筒
9,13 握り部
10 ドライバー前軸
10b ビット部
10c ワイヤ挿通孔
11 ドライバー後軸
12a キー溝
15a キー
17 ナット(ストッパー)
18 ボールプランジャー(スライド部仮固定手段)
21 前軸保持部

Claims (6)

  1. 医療用ネジの被係合孔に挿入されて被係合孔と係合する係合軸部を先端に備えたドライバー軸と、
    ドライバー軸に沿って前後にスライド自在なスライド部と、
    スライド部がそのスライド範囲の前端までスライドしたときスライド部をドライバー軸に仮固定し、後方に向かう所定以上の力をスライド部に加えると仮固定を解除するスライド部仮固定手段と、
    ドライバー軸に設けられ、スライド部がそのスライド範囲の後端までスライドしたときにスライド部を当止するストッパーと、
    を有する医療用ネジのドライバー。
  2. スライド部がドライバーの握り部を兼ねたものである請求項1に記載の医療用ネジのドライバー。
  3. ドライバー軸に沿って前後にスライドしない固定部であって、スライド部がそのスライド範囲の前端までスライドしたときにスライド部の前端を当止する固定部を、ドライバー軸の周りに有する請求項1又は請求項2に記載の医療用ネジのドライバー。
  4. 固定部に、ドライバー軸のロック態様を、左回転ロック、右回転ロック、左右回転ロックの三態様に切り替えるラチェット機構が設けられている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の医療用ネジのドライバー。
  5. スライド部仮固定手段が、後方に向かう1N以上の力をスライド部に加えると仮固定を解除するものである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の医療用ネジのドライバー。
  6. スライド部の質量が0.1kg以上である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の医療用ネジのドライバー。
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